結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年08月20日(土曜日)

陸上男子400mリレー銀メダルとチームマネジメントの国民

RIO2016。
残すところ2日となった。

第15日、日本にとって、
奇跡が起こった。

不思議の勝利。

といっても第2位だが、
陸上男子400mリレーで銀メダル。4snapshot

37秒60の記録は、
アジア新記録。
国別では世界歴代3位。

人類最速を証明するのが100m走。
それを4人の走者がリレーして、
400mで世界第2位。
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優勝はウサイン・ボルトのジャマイカ。
これは別格中の別格。3snapshot

日本はアメリカとカナダを抑えて、
第2位の銀メダル。

奇跡は英語で、miracle。
超自然のものとされるできごと。
人間の力や自然法則を超えたできごと。

人間の、日本人の、
4人の男がやり遂げたこと。
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それを超自然のことと表現するのは、
ほんとうに申し訳ないけれど、
それくらい、すごいことだ。

ありがとう。
おめでとう。

このRIO2016は、
女性が活躍していると書いたが、
それも改める。

日本人選手、
みんな躍動した。

一人ずつを見ると、
100m、10秒を切る選手はいない。
個人種目で決勝に残った者もいない。

それなのに4人で37秒60。
平均すると一人、9秒40。

ボルトの100m決勝タイム9.81を上回る。
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チームワークとバトンリレー技術のたまもの。
もちろん一人ひとりがアスリートとして一流。
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50mずつ8人で走ったら、
日本が世界一かもしれない。

私はチェーンストアのことを考えた。

1店舗ではできないことをやり遂げる。
それがチェーンストアのご利益。

日経MJから2015百貨店調査が発表された。
新宿伊勢丹が第1位で年商2725億円。
第2位は阪急梅田店で2184億円。

1店舗で2000億円を超える、
ウサイン・ボルトのような小売業。

しかし2016年の日本小売業ランキングで、
年商2000億円を超える企業は68社。

第1位イオンの8兆1767億円、
第2位セブン&アイHD6兆0457億円から、
第3位 ファーストリテイリング1兆6818億円、
第4位 ヤマダ電機1兆6127億円、
第5位三越伊勢丹HD1兆2872億円、
第6位J.フロントリテイリング1兆1636億円。
第7位ユニーグループHD1兆0387億円。

チェーンストアとして、
チームワークで仕事をしなければ、
1兆円を超えることはできない。

もちろん2000億円も、
1000億円も、500億円も、
300億円、100億円も、
達成することはできない。

何しろ1店舗で日本最大の存在が、
年間売上高3000億円を超えられないのだから。

ここで結城義晴「鎖の経営」

「連鎖店」と表現されたチェーンストア。
店が鎖のようにつながって、社会貢献する。
「鎖のような営業形態」には二つの意味がある。

一つは鎖の重さ。
一つは鎖の強さ。

軽くて強いものが、良い鎖である。
すなわち良いチェーンストアは、
軽くて強い。

まず、鎖の重さとは、
経費である。

すべての店が、すべての部門が、
それぞれに経費を軽くすることに
重点を置いて仕事する。

すると鎖全体は、軽くなる。
一つの輪のコスト削減は、
全体の経費を軽くするのである。

では鎖の強さとは、
なんだろう。

鎖の強さとは、
一番弱い輪の強度である。

強い力で鎖が引っ張られると、
最後には最も弱い輪のところで
切れる。

だから、
一番弱い輪の強度が
鎖全体の強さとなる。

チェーンストアは鎖である。
鎖のような営業形態で、
社会貢献している。

従って、チェーンストアの強さとは、
最も弱い店の、
顧客満足度ということになる。

チェーンストアに標準化が要求されることも、
スクラップ&ビルドが不可欠なことも、
それが鎖そのものであることを示している。

チェーンストアの日々の分業はすべて、
鎖のように絡み合って、
互いに作用・反作用の関係にある。

故に、チェーンストア運営の強さとは、
全体の中で一番弱い店の、
その「強度」ということになる。

チェーンストア全体の問題解決の焦点も、
一番弱いチェーンの輪にあることは、
その名称が示している。

――話は戻って、リオ五輪から考えること。

これからの日本スポーツ界は、
チームプレーの競技に、
注力するのがいいだろう。

それが日本人という国民の特徴である。
つまりポジショニングである。

そう考えてみると、
体操の内村航平は、
団体戦にこだわっていた。

シンクロナイズドスイミングは、
チームとデュエットで銅メダルを獲得した。
そしてこのチームプレーからは、
井村雅代監督というリーダーの存在が、
必須であることを教えられた。

お家芸の柔道はいまだ、
個人戦の印象がぬぐえなかったが、
「全階級メダル」のチーム目標は掲げられた。

個人競技に見えるレスリングも競泳も、
これは完全にチーム全体で、
闘い、仕事していた。

卓球もバドミントンも、
団体やチームのほうが強かった。

それを見ている私たち日本人も、
チームの活躍に感動した。

私たちはチームマネジメントの国民なのだ。
それが私たちのポジショニング要件である。

オリンピック競技を見ていると、
チームがチェーンであることがよくわかる。

強い相手は必ず、
弱いところを攻めてくる。

だから一番弱い選手が、
そのチームの強さである。

そんなことも深く考えさせてくれた、
リオ五輪だった。

ありがとう。
おめでとう。

ただし一言。
それは「一億総活躍」のニュアンスとは、
全く違うものだ。

チームマネジメントは本来、
上から押し付けられるものではなく、
自ら行う「自己管理」である。

〈結城義晴〉

2016年08月19日(金曜日)

孫子と野村克也とクリフォード・ギアツの「勝ちと負けと変容」

勝つ者あれば、負ける者あり。
リオデジャネイロ・オリンピック。

レスリング フリースタイル女子は大活躍。
48kg級の登坂絵莉選手、
63kg級の川井梨紗子選手、
69kg級の土性沙羅選手。
三人は初の金メダル。

58kg級の伊調馨選手は史上初の四連覇。
一方、53kg級の吉田沙保里選手は、
決勝戦で負けて、銀メダル。

伊調と吉田は、
どこか、おずおずとしていた。

勝ち続けた者だけが知る勝負の怖さが、
体全体に表れていた。

それでも、伊調と吉田には、
明暗が訪れた。

初めて挑む者たちは、
怖いもの知らずだった。

バドミントン女子ダブルスのタカマツペアー。
高橋礼華選手と松友美佐紀選手。

互いに補い合い、助け合って、
勝利の金メダル。
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ピーター・ドラッカー先生が分析する、
最良のマネジメントスタイル。
ダブルス型の最高水準。
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そして甲子園高校野球大会。
いつの間にかといった感じで、
ベスト4が残って準決勝。

栃木の作新学院高校と、
高知の明徳義塾高校。
南北海道の北海高校と、
熊本の秀岳館高校。

孫子曰く、
勝つべからざるは己れに在るも、
勝つべきは敵に在り。

勝てない原因は自分の側にあり、
勝てた理由は敵の側にある。

すなわち敗北はいつも自滅から起こり、
勝利はつねに敵失によってもたらされる。

野村克也の言葉として有名なのが、
勝ちに不思議の勝ちあり、
負けに不思議の負けなし。
実は野村の創作ではなく、
江戸時代の肥前国平戸藩主・松浦静山の言葉。
静山は大名ながら心形刀流剣術の達人で、
剣術書『剣談』を書いた。

酷なようだが、
伊調馨は不思議の勝ちであったし、
吉田沙保里は不思議の負けではなかった。

見ていて、そう感じた。

ただし、これらの真剣勝負を、
女性たちが演じたことに、
静かな感動を覚えた。

こころからご苦労様。

勝つも負けるも、
ほんとうに素晴らしかった。

もう、すこし、
リオ五輪を楽しませてもらおう。
甲子園も応援させてもらおう。

感謝しつつ。

仕事も商売も、
失敗はいつも自らに原因があり、
成功はつねに相手に理由がある。

この謙虚さは必須である。

朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一編著。

他の人々の生を私たちは
私たち自身が磨いたレンズで見るし、
彼らは私たちの生を
彼らのレンズで見る。
(クリフォード・ギアツ)
『解釈人類学と反=反相対主義』
2002年にみすず書房から刊行された。

2006年10月30日に80歳で亡くなった、
アメリカの文化人類学者。

第二次大戦では海軍に従軍、
ハーバード大学で博士号を取得。
シカゴ大学教授から、
プリンストン高等研究所教授を経て、
プリンストン高等研究所名誉教授。

「異なる文化にふれても、
人はついに自分の眼鏡を外せない」

オリンピックでは、
選手たちは異なる文化に触れる。
しかしなかなか、
自分の見方を変えられない。

「だが重要なのはその次だ」

「すべては相対的だと居直るのでなく、
文化の違いを超える
普遍的な見方を想定するのでもなく、
視線がぐらつき、
別のものへと変容するところまで
自身を隔てることだ」

自分が別のものへと変容する。
そこまで自分を隔てる。

肉体を直接、ぶつけ合うオリンピック競技は、
自分の視線をぐらつかせ、
自身を隔てさせる。
しかし、ある一瞬、
自分を別のものへと変容させる。

高橋礼華も松友美佐紀も、
登坂絵莉、土性沙羅、
川井梨紗子も。

とりわけて吉田沙保里と伊調馨は、
それを20年近くも、何度も体験した。

勝ちや負けは「不思議」に影響されるが、
この「変容」は彼女ら自身のものだ。

それこそ、彼女らに与えられた、
オリンピックの神様からのご褒美だろう。

こころから、ありがとう。

しかし、商売の神様からのご褒美、
あなたはもらえるか。

〈結城義晴〉

2016年08月18日(木曜日)

高原豪久「心を支える3つの軸」と結城義晴「三つの力」

8月も18日。木曜日。DSCN8129-6

稲は出穂時期を迎える。DSCN8131-6
次は稲の開花。

稲の成長は、稲自身が、
自らの「力」を生み出すということだ。

植物にも心がある。

お盆休みが終わって、
商人舎magazineは、
Daily商人舎にニュース2本。

Japan Newsは、
セブン-イレブン、世界店舗数6万店を突破

ファーストリテイリング柳井正さんの言葉。
「セブン&アイはセブン-イレブンに特化して、
世界戦略を志向すべきだ」
この発言が妙にリアリティを持つ。

World Newsは、
ホーム・デポ&ロウズ2016年上半期「増収増益」

2007年のサブプライムローン危機以降、
アメリカのホームセンター業界は、
全体に低迷を強いられた。

それが回復している。

業界がシュリンクして、
複占は進み、
業界が復活して、
2強は急成長する。

さて、リオデジャネイロの五輪。
様々な競技とそれに打ち込むアスリートたち。
日頃はサッカー、野球、ゴルフにテニス。
つまり画一化されたスポーツを楽しむ我々が、
多様な種目の最高レベルの技に触れ、
それを堪能する。

オリンピックは、まことに21世紀的だ。

『ほぼ日』の糸井重里さんも述懐する。
肌の色のちがい、
しゃべることばのちがい、
住んでいる地域のちがい、
育ってきた文化のちがい、
からだの大きさのちがい、
からだのかたちのちがい、
信仰しているもののちがい、
国の体制のちがい、
たくさんのちがいが、
ほんとうはこの場に集まっている。

同感だ。

馬術の紳士と、
サッカーのアニキと、
陸上の青年と、
砲丸投げのおにいさんと、
体操のかわいこちゃんと、
見た目だけだって、
ほんとにいろいろだ。

ふだん使っていることばの壁も超えて、
同じルールでその力や技術、
そしてこころを競っている。

こんなに「国際」を表現してくれる場面が、
他にどこにあるだろうかと思う。

現代オリンピックが、
人類にとって最高のイベントであることの、
これが真の意味である。

そして糸井、最後のつぶやき。

何度も生まれ変われるのなら
一度くらいは五輪に出場したい。

これにも同感。

ただし昨日の福原愛。
「今までで一番苦しい4年間で、
一番苦しいオリンピックでした」

糸井さんも私も、生まれ変わったら、
この苦しさを克服しなければならない。

日経オンラインの「経営者ブログ」
ユニ・チャーム社長の高原豪久さんも、
リオ五輪に感じたことを語る。

タイトルは、
心を支える「3つの軸」

「リオ五輪も残すところ数日となりました。
時差の兼ね合いで夜更かしや、
早起きして生中継を見てしまうと、
どうしても睡眠不足に陥ってしまいますが、
皆さんはいかがでしょうか」

おんなじです。

高原さんは、
重圧の中で競技する選手たちの、
「心を支える『軸』」について、
3つの考えを語る。

第1は「自分だけの世界」という軸。
「哲学でも宗教でも趣味でも、
何でもよいのですが、
自己完結する『自分だけの世界』です」

仕事一本槍では、だめだということ。
自己完結できるものに、
真剣に打ち込んでいること。

そうしなければ、
「自分だけの世界」は生まれない。

第2は「親しい人たちとの関係」という軸。
「家族や親せき、友人、
そして会社の仲間にも
我々は支えられています」

人は一人かもしれないが、
人間は一人ではない。

しかし、この家族や友人、会社の仲間から、
心底、信頼されていなければならない。

そして第3が、
「目標に対する達成意欲」という軸。
「仕事でも地位でも収入でも趣味でも、
自分でここまでと決めてしまっているような
『枠』からはみ出すような、
挑戦的な目標を設定し、
これを達成することも
人間の心を支える重要な軸となります」

だからピーター・ドラッカーは、
「目標管理」を提唱した。
目標管理は、
達成意欲を導き出してくれるシステムだ。

「この3つの軸を、
バランスよく充実させておけば、
どれか一つが揺らいでも、
それ以外の軸が支えてくれます」

オリンピック選手には、
この3つの軸があると、
高原さんは見る。

高原豪久さんは、
1961年7月生まれの55歳。
創業者の父・慶一朗氏から、
39歳のときに社長の座をバトンタッチされ、
グローバル化を牽引。
ユニ・チャームをP&G、花王などと、
互角以上の闘いをする企業へと導いた。

だからその発言は常に、
挑戦的だ。

高原さんは現代を、こう捉える。
第1に、変化が常態となった
「New Normal時代」

第2に、
「生きる目標を一人ひとりが
自分で見つけていく時代」

そして第3に、
強い「心」がなくては
生きていけない時代。

その強い心は、
「3つの軸」に支えられている。

私は㈱商業界の編集長時代から、
「商人の三つの力」を唱えてきた。
『お客様のためにいちばん大切なこと』にも書いた。
心の力、頭の力、技の力。

心の力を支えるのが理念武装、
頭の力は理論武装、
そして技の力は技術武装。

オリンピック選手にも、
この3つの力は必須だ。

しかしそれでも、
勝負には時の運がある。

これが私のオリンピックの見方だが、
理念武装をバックアップする、
個人の心の力には、
高原さんの三つの軸が必要となるだろう。

〈結城義晴〉

2016年08月17日(水曜日)

銅メダル福原愛の「感謝」と「グローバリズムvsエゴイズム」

今夜は満月。
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美しい。

リオデジャネイロ五輪。
卓球女子団体銅メダル。
キャプテン福原愛。

シンガポールとの3位決定戦。
第1試合の先陣役。
先行されたが、追いついてフルゲーム、
しかし最後に競り負けた。

第2ゲームを石川佳純が順当に勝ち、
第3ゲームはダブルス。
15歳の伊藤美誠とのダブルスで、
相手のペアを圧倒した福原愛、27歳。

「神様はいるんだなと思った」

第4ゲームはその伊藤が、
世界4位の彭ティアンウェイを破って、
団体戦を勝利。
銅メダルを獲得。

福原のチームワーク主義。
「本当に足を引っ張ってばかりで……。
みんなに感謝しています」

福原愛の最後のコメント。
「今までで一番苦しい4年間で、
一番苦しいオリンピックでした」

泣けた。

しかし、おめでとう。

さてWebサイト商人舎magazine。
Weekly商人舎の週刊特別企画が始まった。
[短期集中連載]
首都圏最新店舗研究
その第1回は、
ライフ西小岩店
(2層709坪のフルライン型)
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商人舎の編集記者・廣川裕の取材・執筆。

今日から、3週連続でお届けする。
ご期待とご愛読をお願いする。

さて、日経Web刊の経営者ブログ。
伊藤忠前会長の丹羽宇一郎さん。
タイトルは、
台頭する「AMEGOISM」

現在の世界を取り巻く新しい「空気」を、
丹羽さんは表現する。
「ずばりエゴイズムです」

前提はグローバリゼーション。
それが広がったきっかけは、
1991年のソビエト連邦の崩壊。

グローバリゼーションは、
国際協調や自由貿易の枠組みに支えられた。

「国家も国民も、
他国との協調や貿易の中で成長し、
幸福を生み出してきた」

「以来、実に四半世紀にわたって
このグローバリズムが世界を席巻し、
世界もその成果に酔いしれてきた」

そしてグローバリゼーションの恩恵は、
この25年間、世界のGDPは4倍化した。

米国は3倍、中国は25倍。
日本も。

しかし、今、その潮目も大きく変わる。

グローバリズムの反対は、
ローカリズム。

「しかし私には、
ローカリズムがさらに先鋭化して
エゴイズムに発展しているように思えます」

背景にあるのが、
「グローバリズムの副作用」
というよりも反作用か。

増えた富が一部の富裕層に独占され、
貧富の格差が拡大し、
先進国の中間層ははく落した。

「それが既存の政党やリーダー、
富裕層への不満として爆発」

まず、米国大統領選。
ドナルド・トランプ共和党候補。
丹羽さんはこの現象を、
「AMEGOISM」という造語で表現する。

つまり「アメリカのエゴイズム」

英国のBrexitも同様。
「移民の流入を嫌がり、
貿易の利権だけは守りたいという、
これまた身勝手な理屈から出た産物です」
これは「BREGOISM」

さらに「中国の振る舞いも
エゴイズムの塊のようなものです。
自分に都合のいい主張ばかりを
繰り返しています」
こちらは「CHEGOISM」

「日本だってこの流れに
無関係だとは思えません」

「大規模な金融緩和などで自国通貨を下げ、
貿易を伸ばそうとする取り組みを始めたのも
ほかでもなく日本です」

そこで丹羽さんの考察。

アンチグローバリズムという人々の不満は、
ポピュリズムによって吸収され、
エゴイズムとして世界に牙をむく。

丹羽さんの結論は、
「先進国・主要国が
エゴイストの集団になってしまえば
世界の安定した成長も平和も
あったものではありません」

つまり「エゴイストであってはならない」

グローバリズムに恩恵を受けた。
EUがそれだし、TPPも、
そのグローバリズムの典型だ。

しかし、グローバリズムの副作用・反作用。

それがローカリズムを通り越して、
エゴイズムに至った。

Think Global, 
Act Local!
Without Egoism.

グローバリズムのメリットを享受し、
ローカリズムの良さも堅持する。
しかしエゴイズムは避ける。

私の言い方ならば、
コモディティはグローバリズム、
ノンコモディティはローカリズム。
どちらも必要だし、どちらも重要だ。

両者の実現こそが、
生活の経済性や機能性と、
暮らしの個性化、多様化とを、
われわれに与えてくれる。

ビジネスにおいても、
商売においても、
ここにエゴイズムの儲け主義が出てくると、
ダメなんだろうな。

福原愛のように、
「みんなに感謝しています」でないといけない。

エゴイズムに決定的に欠けるものは、
愛と感謝である。

〈結城義晴〉

2016年08月16日(火曜日)

伊藤園大陳コンテスト審査会と「あの世で舞う1曲を残す」境地

盆の明けの日、
台風7号がやってきた。

昼間から、
その情報に、
胸がそわそわしてきた。

「台風クラブ」という映画があった。
1985年、工藤夕貴主演だった。

朝から、東京・清水橋。
㈱伊藤園本社地下の会議室。

恒例の伊藤園大陳コンテスト最終審査会。DSCN8215-6
「大陳」は業界用語で、「大量陳列」の略。
内容はディスプレーコンテスト。

一定期間に店舗の売場で、
決められたアイテムを、
決められたテーマごとに、
大量に陳列してもらう。

その陳列の技術や工夫を審査して、
大賞と優秀賞を決定し、表彰する。

伊藤園のトップの皆さんと、
㈱商人舎および㈱商業界から、
6人の審査員が参加。

もう、10数年も続いている。

5つのコース別の審査は、
スムーズに進む。
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そしてコースごとに大賞と優秀賞の決定。
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春の満開コース、春の大満開コース、
春の大茶会コース、テーマ訴求コース、
そしてリーフ・ティバッグ・インスタント編の、
それぞれの店舗賞。

さらにチェーン全体の実力を審査する企業賞。

大賞決定は、厳密な議論となる。
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一番右の本庄大介社長は、
カメラマンにポーズ。
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決定して、審査員のコメント。
今回私は、
月刊商人舎8月号のことを語った。
「特集・商品前線異常なし!」

この特集の中に、
「緑茶前線」と「麦茶前線」がある。
緑茶は「降温商品前線」を形成し、
麦茶は逆に「昇温商品前線」をつくる。
これは月刊商人舎8月号の33・36ページの、
「商品前線40カタログ」に掲載してある。

実に面白い。

最後に雑誌用記念写真。
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私の右から、本庄大介社長、
江島祥仁副会長、
本庄周介副社長。
私の左隣から、
松井康彦エグゼクティブプロデューサー、
竹下浩一郎「食品商業」編集長。

この写真が「食品商業」誌上で使われる。
クールビズなのでノーネクタイで恐縮。

その後、これも恒例となったが、
スタッフ全員でポーズ。
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日本最大の陳列コンテスト。
今回も充実した内容だった。

審査の後は江島副会長のオフィスで、
抹茶をいただいて、情報交換。

私はこれをいつも楽しみにしている。
実に、おいしい。

そしてこれも恒例の写真。
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本庄大介社長と江島祥仁副会長。

今回もありがとうございました。
皆さんは、大賞・優秀賞の発表を、
楽しみにしてください。

さて、リオオリンピックは、
水泳から陸上へと主力競技が移り、
後半戦。

卓球団体なども準決勝・決勝。

もう2020年の東京オリンピックに、
視野が広がる。

メダルを取れなかった選手には、
次を期する発言がある。

それがとてもいい。

本庄大介さんが語ったが、
2020年の東京オリンピックの前年には、
ラグビーワールドカップが日本で開催される。

そして翌2021年には、
「関西ワールドマスターズゲームズ」がある。

これも4年に1回開催の国際総合競技大会。
コンセプトは生涯スポーツ大会で、
対象は30才以上の成人・中高年の、
一般アスリート。

2002年開催はメルボルン、
2005年エドモントン、2009年シドニー、
2013年トリノ、そして2017年オークランド。
選手は、無条件に、
参加料を払った人全員が参加できる。
そして大会規模は、95カ国から約2万9000人。

つまりこの3年間は、
世界中から日本に、
スポーツ観戦の来訪客がある。

その時には日本文化が見直される。

中国をはじめアジアの人々にとって、
そしてアメリカ人にとっても、
「高級化=日本化」である。

私の持論。

それが存分に発揮されるのが、
2019年・2020年・2021年だ。

さて朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一編著。

能は舞い尽くさず、
あの世で舞う
1曲を残す
(金剛永謹〈こんごうひさのり〉)

能楽金剛流二十六世宗家の言葉。
写真家、白鳥真太郎に語った。
その真太郎の写真集「貌(かお)・KAO2」より。

「一つの境地に達すると、
これまでは見えなかった別の風景が
目の前に広がる」

そしてこれが大事な境地だが、
「たどり着いたこの場所も
また途中だと思い知る」

鷲田さんの述懐。
「名人はおのれの不完全を
もっともよく知る人のことなのだろう」

これは原稿や単行本執筆の場合にも通じる。
「文章は書き尽くさず、
あの世で書く1文を残す」

アスリートの達人にも、
もちろん陳列名人にも通じる。
「力を出し尽くさず、最後の力を残す」

オリンピック競技もそうだし、
ゴルフなど、まったくその通り。

鷲田さんの結論。
「では、普通の人が
あの世の1曲として残すものは
何なのだろうか」

台風一過は、
からりと晴れた一日を残す。

さて、普通の人は、
何を残すか。

そして普通の人は、
どうしたら名人の境地に至るのか。

自分を客観化できない普通の人は、
名人には近づけない。

〈結城義晴〉

2016年08月15日(月曜日)

製造業とサービス業の理想形と現実形

Everybody! Good Monday!
[2016vol33]

2016年第34週。
8月第3週。

そして今日、8月15日は、
終戦の日。
あるいは敗戦の日。
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暮れはててなほ鳴く蝉や敗戦日  
〈石田波郷〉

水筒の水廻し飲む終戦日  
〈古屋牧男〉

合掌。

終戦の日はもちろん、
お盆の期間にある。

そのうえ今年は忙しい。
リオデジャネイロ五輪。

人間最速の男を決める日。
男子陸上100メートル。DSCN8197-6

ウサイン・ボルト。DSCN8204-6

言葉はない。DSCN8208-6
日本代表選手たちの活躍は、
頼もしい、楽しめる。

甲子園高校野球は、
ベスト16が決定。
横浜高校はその前に、
負けてしまったけれど。

さらに、SMAP解散。
12月31日が彼らの大晦日。

でも、死ぬわけじゃあ、ない。

オリンピックで金メダルを、
とってもとれなくても、
甲子園で勝っても負けても。

死ぬわけじゃあ、ない。

終戦の日は、
お盆は、
死んだ人たちを、思う日。

その重さを忘れてはならない。

炎天下賢治の一詩恃(たの)みとす
〈朝日俳壇より 鹿児島市・青野迦葉〉

宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」にある。
「夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ」

そのカラダをたのみとする。

ふと風のそよぎに気づく晩夏かな
〈同 川西市・上村敏夫〉

リオ五輪、甲子園。
祭りが終わると、もう、
秋がやってくる。

晩夏は先んじて、
それを感じる時でもある。

さて今日の日経新聞社説。
「サービス業は異業種に学べ」

サービス業の生産性向上。

しかし「コストカットや効率化」は、
「安値競争、賃金抑制、質の低下につながりがちだ」
「付加価値を高めて新市場を育て、
従業員も潤う道を探したい」

社説はそのために、
製造業からノウハウを学べという。

第1に星野リゾートの「多能化」
「自動車産業の多能工」
1人の工員が異なる仕事をこなす仕組み。

宿泊業は通常、
フロント、客室、厨房などに職種が分かれ、
それぞれ特定の時間に仕事が集中する。

そこで1人の従業員が、
複数の職種を担当する。
従業員の人時は減り、
サービスの満足度も上がる。

㈱一の湯社長の小川晴也さんも、
同じ考え方だ。

第2に、作業手順の標準化。
これはヘアカット専門店チェーンのQBハウス。
「10分1000円」で成長。

社説はこれも、
「製造業の世界で培われた発想」という。

そして第3は、
ノウハウを持つ人材の中途採用。
ベビー用品専門店の西松屋チェーン。
大手電機メーカーなどの元技術者を採用、
独自商品の開発につなげた。

アイリスオーヤマは本社のある宮城県ではなく、
大阪市に専用のオフィスを設けて、
大企業からの転職をしやすくする。

結論は、
「これまで日本の製造業が蓄えたノウハウを
うまく生かし、サービス業の成長につなげたい」

当たらずとも遠からず、だが。

アメリカでは、
製造業のノウハウ開発と、
小売りサービス業のそれとは、
同時進行のような形で進化を遂げた。

標準化やオートメーションなど、
1900年の初めにヘンリー・フォードが考え、
すぐにそれをA&Pが学び取った。

多能化は小売りサービス業の、
現下のテーマだが、
これは小売りサービス業と製造業が、
これまた影響を与え合いながら開発してきた。

この社説は、
製造業からサービス業へ、
水が高きから低きへ流れるような、
そんな考え方をもとにしている。

製造業こそ、
サービス業のホスピタリティを学ぶべきだ。

もちろん良き製造業には、
ホスピタリティがある。
良いサービス業にもそれはある。

つまりは理想形と現実形の問題となる。

製造業の理想形と、
サービス業の現実形を、
比較してもはじまらない。

製造業の現実形と、
サービス業の理想形を、
対比してもよろしくない。

私の持論。
サービスとは無形財のことだが、
サービス業のごとき無形の財を、
製造業こそ、どうつくるか。
これが製造業の死命を決する。

つまり、すべての産業よ、
サービス業化せよ。

日経社説とは反対になってしまうが、
しかし、それがポストモダンの成長法だ。

では、みなさん、
今週もサービスマインドで、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年08月14日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その14】朝顔とその仲間たち

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666

猫の目は夜にも見える。
光のないところでも見える。
そんな猫の目で見る博物誌――。

夏の花といえば、
朝顔に つるべ取られて もらひ水
〈加賀千代女〉

つる性を有するから、この句が生まれた。
ただし、「朝顔」の季語は秋。

アサガオは、
ヒルガオ科サツマイモ属の一年性植物。
学名はIpomoea nil。
英語で「Morning glory」
CLcD22nWEAAK9Tz
出典:twitter.com

花は大きく開いた円錐形。
外側から5つのがく、
5枚の花弁、
5つのおしべ、1つのめしべ。

原産地は熱帯アジアのヒマラヤ山麓。

アサガオは、多様な遺伝子変異を持つ。
つまり多様な朝顔がある。
青色、紫色、水色、白色などなど。

早朝に花を咲かせるが、
午前中にしぼんでしまう。
つまり一般的に「一日花」。

朝に花を咲かせる朝顔に対して、
「昼顔」「夕顔」「夜顔」がある。

ここに猫の目博物誌の視点が生まれる。

昼顔は、ヒルガオ科ヒルガオ属、
学名Calystegia japonica。
多年草のつる性植物。
地上部は朝顔と同様、
毎年枯れるが、
地下茎は残って増殖する。

朝顔が一年生だから、
この多年性であることが、
昼顔の特性。

原産地は日本、アジア太平洋諸島、
そしてヨーロッパなど。

午前中に花を咲かせるから昼顔。
花は薄いピンク色。
夕方にはしぼんでしまう。
つまり昼顔も原則、一日花。

そして「夕顔」は、
ウリ科ユウガオ属。
学名Lagenaria siceraria var. hispida。

朝顔、昼顔がヒルガオ科であるのに対して、
ウリ科がユウガオ。
一年草のつる性植物。

一年草は朝顔と同じ。

原産地は北アフリカ、インドなど。

夕方に白色の花を咲かせる。
そして翌日の午前中にしぼむ。
これも基本は一日花。

ウリ科のヒョウタンに似た果実を実らせる。
これも朝顔、昼顔とは異なる。

さらに「夜顔」は、
ヒルガオ科サツマイモ属。
学名Ipomoea alba。

分類からして朝顔に一番近いのが、
実は「ヨルガオ」。
一年草でつる性植物。

原産地は熱帯アメリカなど。

夜に白色の花を咲かせるが、
翌日の朝にはしぼんでしまう。
つまり原則的に一日花。

最後に整理しよう。
ヒルガオ科は朝顔、昼顔、夜顔。
ウリ科が夕顔。

一年草は朝顔、夕顔、夜顔。
多年草は昼顔。

すべて、つる性植物。

朝咲くのが朝顔、
昼咲くのが昼顔、
夕方に咲くのが夕顔、
夜咲くのが夜顔。

朝顔は加賀千代女、
昼顔はカトリーヌ・ドヌーヴ、
夕顔は『源氏物語』、
夜顔は、ない。

夜顔はかわいそう。
DSCN8963-2016-4-10-66666
しかし夜にも猫の目で見えるから、
「猫の目博物誌」登場としてあげよう。

〈『猫の目博物誌』(未刊)より by yuuki〉

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