結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月22日(木曜日)

イオンとセブン&アイ2011年度決算比較と豊田泰光「麦踏み」の効用

日経新聞一面に、
「イオン、経常益5年ぶり最高」の記事。

先週金曜日の16日には、やはり一面に、
「セブン&アイ、営業最高益 前期5年ぶり」の記事。

これで、日本の小売業の二強が、
5年ぶりに過去最高利益を出すことになる。

どちらも日経のスクープといえばスクープ。
日経の特権となったリーク。
正式発表前だから、「らしい」という言い回しばかり。
私がまだ㈱商業界社長だったら、
広報にクレームをつけたいところ。

でも、商業界は月刊雑誌社で、
日刊紙ではないし、
私はもう商業界社長ではないから、
「まあ、いっか?」

「イオンの2012年2月期の連結経常利益は、
前の期比15%増の2100億円強」

対するセブン&アイは、
前の期に比べ2割増の2900億円強。

ずいぶん接近してきた。

イオンの連結営業収益(売上高)は5兆2000億円弱。
これは2%増。

セブン&アイの連結売上高は4兆8000億円前後、
6%減。

だからイオンがセブン&アイを抜いて、
国内最大売上高の小売業となる。

イオンは昨年11月1日にマルナカと山陽マルナカを完全子会社にしたが、
このマルナカグループの年商約3300億円がなくても、
ギリギリのトップだったか。

いずれにしても両雄が抜きつ抜かれつのデッドヒート。

ちなみに総合スーパー・イオンリテールの既存店売上高も、
かろうじて0.3%増。

しかしPB「トップバリュ」の売上高は2割増の5500億円弱で、
「総合スーパーの月次売上高に占めるPBの比率は足元で18%程度」
1年前と比べると5ポイントもアップした。

前年の2011年2月期決算は、以下。
セブン&アイ・ホールディングス
年商5兆1197億円 伸び率0.2% 経常利益2429億円 伸び率7.0%

イトーヨーカ堂 年商1兆3737億円 伸び率-1  経常利益5,124    23.9
セブン‐イレブン・ジャパン(本部)
年商5491億円 伸び率2.6%  経常利益1761億円 伸び率7.1%
セブン‐イレブン・ジャパン(全体)  総年商 2兆9476億円 伸び率5.8%
そごう・西武 年商8468億円 伸び率 -1.5%
ヨークベニマル 年商34334億円  伸び率  -1.5% 経常利益103億円 伸び率-5.5%
ヨークマート 年商1105億円 伸び率1.7% 経常利益31億円 伸び率-1.7%
ロフト 年商844億円  伸び率5.3%  経常利益30億円 伸び率5.5%
赤ちゃん本舗  年商783億円 伸び率-1.0%

イオン
年商5兆0966億円 伸び率0.8%  経常利益1821億円 伸び率39.8%

イオンリテール 年商1兆7114億円 伸び率-7.5% 経常利益308億円 伸び率77.1%
イオン九州  年商2547億円 伸び率-1.6%  経常28億円 伸び率537.3%
マックスバリュ西日本 年商2444億円 伸び率9.4%  経常利益77億円 伸び率6.8%
イオン北海道   1662億円  0.0%  42億円 109.3%
マックスバリュ東海  1564億円 8.9%  43億円 19.7%
マックスバリュ九州  1189億円 5.1%  26億円 42.5%
マックスバリュ中部   1184億円 1.2%   23億円 13.7%
マックスバリュ東北   909憶円 1.0%  4億6900万円 77.0%
マックスバリュ北海道  775億円 1.2% 4億7700万円 9.7%
ミニストップ  1139億円 4.6%  86億円 74.0%
ウェルシア関東  1470億円 10.4%   64億円 19.8%
CFSコーポレーション   1220億円 -15.5% 23億円 -7.3%

どちらもすごいグループになってきた。

同じ日経新聞に「ドラッグストア、国内販売伸び最低に」の記事。
日本チェーンドラッグストア協会提供の情報。

2011年度の国内ドラッグストアの総売上高は
5兆8026億円、

2010年度比3.1%増。

2000年度の調査開始以来、拡大の一途だが、
2011年度の伸びは過去最低。
「ドラッグストアの成長にも陰り?」

記事には、「09年の改正薬事法施行を受け、
コンビニやスーパーなどが医薬品販売に参入。
ドラッグストア側は客を奪われている格好だ」とあるが、
ドラッグストア側も食品を強化して、
逆に売上げを奪取しているから、
それだけではない。

日本の経済の成長率、消費の拡大率、
それらにやっとドラッグストアがフィットしてきた。

一方、アジアのドラッグストア市場は成長著しい。
富士経済調査によると、
11年の中国のドラッグストア市場
10年比13.3%増の1700億元(約2兆2000億円)
2ケタ成長を続けている。

だから日本のドラッグストアもアジア進出。
日経が好みそうな話題。

まずは住友商事の「トモズ」
台湾1号店を今夏に開業。
トモズはスタートの頃、
私も少し、お世話した。

中国進出は何とも言えないが、
台湾の三商行(台北市)と今夏、
現地に合弁会社を設立する。
これは正解だと思う。
早期に「50店舗体制50億円規模」を目指す。

このブログでも取り上げたが、
台湾では香港系のワトソンズと現地・統一のコスメドの2強体制。
そこにジャパン・テクノロジーを旗印に食い込む。

ツルハはタイ1号店を出す。
こちらも現地の流通大手「サハグループ」と提携。
2年後、バンコク中心に10店舗。

グローウェルホールディングスは、
中国企業と合弁で、上海に海外1号店を開業。
5年間で120店舗を展開する計画。

まだまだ、緒に就いたばかり。
日本のドラッグストアのマネジメントが、
海外進出で成功をもたらすかどうかは、
大きな疑問だが、
まずは海外に出ようという意欲は買える。

もうひとつのニュースは、
「東急電鉄、駅売店をローソンに全店切り替え」

私は東横線の妙蓮寺を使っている。
だからいつも東急電鉄のキオスク「toks」を利用している。
それが全店、「ローソン」になる。

記事では「知名度が高いローソンに替えることで顧客を取り込む」とあるが、
これは間違い。

そんなことで顧客は取り込めない。
さらに「ローソン側は駅構内の集客力が高い立地を確保できるメリットがある」
これは確かだろう。

「今回の切り替えで売店の売上高を2割程度引き上げる計画」

ん~ん、
売上げは上がるかもしれないが、
利益は確保できるか。

これまでの電鉄社内の漠としたマネジメントの方が、
安全だったかもしれない。

売店は65店舗ある。
それを順次、ローソンに転換。
店舗面積は10~17㎡。
おにぎり、スイーツ、東急の鉄道グッズなど、
1000~1500SKUの品揃え。

「1店舗あたりの改装費用は数百万円程度で、
両社で負担する」

「東急の子会社がローソンに加盟し店舗を運営する」
フランチャイズ方式にすると、
厳密な利益が要求される。

果たしてしっかりと利益が出るビジネスモデルなのか。

電鉄の子会社だから、
そこそこに赤字は出していなかった。
それがこれまでの真相ではないのか。

前例は、京浜急行のセブン-イレブン。
外から見ると、よいコラボレーションかもしれないが、
小型コンビニで利益を出すのは至難の業。

岡目八目の評論をさせてもらったうえで、
高みの見物を決め込もう。

最後に日経スポーツ欄のコラム『チェンジアップ』
豊田泰光が切る。
今日のテーマは「試練がチームの根を強く」

事例はソフトバンクとジャイアンツの対比だが、
アナロジーが面白い。

ソフトバンクの今年のチーム事情に、
「そのたくましさに、
踏まれて伸びる麦の強さを思った」

「農作業の『麦踏み』
麦の芽が出て少し伸びたところで、踏む。
なんだかいじめているようだけれど、
踏まれた麦は軟らかな土で伸び放題にしておくより、
強い根を張るようになる」

この麦踏み、
経営者を育てるのに、
必須のプロセス。

私はそう、確信している。

「他を寄せ付けない強さで日本一になったソフトバンク。
さあ常勝球団へ、というところで
遊撃手の川崎宗則を含め主力がごそっとぬけた。
これはきつい。球団として望んだ試練ではない」

「けれども、これが麦踏み的な効果をもたらし、
チームの足腰が一段と強くなりつつあるのかもしれない」
豊田はソフトバンクの試練を評価する。

「かたやソフトバンクから杉内、ホールトンを獲得した巨人。
こちらは麦踏みなどという面倒なことはあまりせず、
実を収穫するばかりの株を求めて移植するというやり方が得意だ」
巨人には辛口。
私と同じ九州の西鉄フリークだから。

「『4番松井秀喜』の時代以来、生え抜きで4番を打った選手は
高橋由伸、二岡智宏、阿部慎之助、長野久義の4人で、
試合数でみると圧倒的に外様が多い」
麦踏みの経験のない読売巨人軍。

「強化の根の細さをうかがわせる。
主力をごっそり抜かれるという経験をなかなかできないのが、
このチームの不幸といえば不幸か」

豊田泰光の「麦踏み」の比喩。
これをこそ、ナレッジという。

豊田は水戸商業出身。
高卒だ。

しかし豊田のナレッジは、
野球界で際立つ。

私の提唱する「知識商人」も同じ。
学歴ではない。

ピーター・ドラッカー『ポスト資本主義社会』から。
「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。

しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」

イオンにもセブン&アイにも、
ツルハやフローウェルやトモズにも、
そしてローソンや東急にも、
「ナレッジ・マーチャント」が増えてほしいと願う。

本当にそう思う。

<結城義晴>

2012年03月21日(水曜日)

センバツ石巻工主将の選手宣誓と大和ハウス樋口会長「サナギと蝶」

今日から第84回選抜高等学校野球大会。
最近は「センバツ」と略す。

所は兵庫県西宮市の阪神甲子園球場。
夏の大会が朝日新聞主催なのに対して、
春の主催は毎日新聞社と財団法人日本高等学校野球連盟。

夏が深紅の優勝旗を目指すのに対して、
春は紫紺の優勝旗。

このセンバツの開会式で、
本当に「球春」がやって来たと感じる。

プロ野球の開幕は球春第二弾。

でき過ぎた話だが、
今春の開会式選手宣誓は、
石巻工業高校の阿部翔人主将。

1週間前の先週木曜日の15日、
試合組み合わせ抽選会があった。
その決定後、主将全員によって再度、抽選が行われた。

その結果、被災した石巻工の阿部主将が、
この役を引き当てた。

阿部君には「予感があった」という。

「自分がメッセージを伝えなければならない使命」
そんなことを思った。

宿舎でチームメートの意見を聞き、
宣誓の言葉に「笑顔、勇気」などを使った。

2001年から21世紀枠の出場校制度が設けられた。
石巻工は東日本大震災で学校もグラウンドも被災した。
部員のほとんども被害に遭った。
阿部主将自身も自宅が全壊した。

しかし昨年の秋季大会で準優勝。

そこで21世紀枠に入った。
「野球の神様っているんだな」

それでもグランドに立ったら、
相手は容赦しない。
それがまた、いい。

私にも思い出がある。
今からちょうど10年前の2002年のセンバツ。
大谷智久投手を擁した報徳学園が優勝。

その大谷は、センバツ大会の5年前、
少年ソフトボール横浜港北リーグ「荏田ブランチーズ」に属していた。

私は白幡小学校をベースにした「竹の子」の監督をしていた。
大谷とはいい勝負をした。
いつも負けた。

その大谷が中学から神戸に引っ越し、
やがて高校生になってNHKのテレビに映り、
にこにこしながら投げ切り、
なんだか、あっという間に、
優勝投手となった。

考えてみると大谷智久は17歳だった。

そう、センバツに出る選手は、
高校3年生といっても、
まだ本物の高3ではなく、
高2と高3の間。
17歳の子供なのだ。

だからこそ、センバツの新鮮な魅力は、
「球春」と呼ぶにふさわしい。

ことしも、17歳、16歳の少年たち、
思う存分に、投げ、打ち、走ってほしい。

球春はやって来たが、
春一番は吹かない。

関東地方では2000年以来、12年ぶりに、
「春一番」の観測がなかった。

春一番の定義。
「立春から春分の日までの間に吹く強い南風」
昨日の春分の日まで、
風速8メートル以上の強い南風が吹かず、
とうとう今年の春一番は記録されず。

しかし、それもまた、よし。

世の中、でき過ぎたことばかりではない。

さて、日経新聞の『私の履歴書』。
今月は大和ハウス工業会長の樋口武男さんの番。
型破りの事業家ぶりを、
毎朝、楽しませてくれる。

その樋口さんの、
大和ハウスの子会社「大和団地」社長時代の話。

全国の事業所回りをしていて、
「覇気がない」と感じた。
そこで自分なりに対策を列記。
これがいい。

I=いい訳をせず
G=ごまかさずに
A=諦めずに
N=逃げずに
A=明るく
S=スピーディーに

「頭文字を下から読むとサナギ。
新生・大和団地の標語として『サナギからのスタート』を掲げ、
美しいチョウに生まれ変わろうと呼びかけた」

樋口さんとサナギやチョウとは、
どうも結びつきにくいが、
それがまた、いい。

センバツの阿部君や大谷君なら、
サナギがチョウになる瞬間を、
私たちが目撃できるに違いないが。

「春一番」は吹かなくても、
「いい訳をせず、ごまかさず、
諦めず、逃げず、
明るく、スピーディーに」

これなら甲子園で優勝もできそうだ。

<結城義晴>

2012年03月20日(火曜日)

糸井重里の「おばあちゃんのように読む」と「黒字亡国から赤字興国へ」

晴れやかな春分の日です。

祝日法第2条の趣旨。
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」。

だから花粉が飛んでいようが、
外に出よう。

木々、草花、虫、鳥、魚、
ついでに犬、猫をいつくしもう。

わが家のジジは、
「箱入り息子」だけれど。
20120320150039.jpg
いつくしむ。

そして今日は彼岸の中日。

今朝の讀賣新聞『編集手帳』だけが、
春分の日の「彼岸の中日」をモチーフにした。

「人の世は悲しいことばかりではないけれど、
楽しいことがあればあったで周囲にあれこれと気を使い、
生きている以上は、せわしさが身を離れることはない」
コラムニスト、ちょっくら厭世的。

そして矢島渚男さんの一句を上げる。
〈亡き母に享(う)けし体温冬の星〉

「冬の名残の寒気のなかで生きてある身の体温を実感し、
その体温を授けてくれた人を偲(しの)ぶ」

「生まれてこの方、
ずいぶんたくさんの言葉を習い覚えてきたつもりだが、
墓前に立つといつも、
『ありがとう』と『ごめんなさい』のほかは浮かんでこない」

「ありがとう」と「ごめんなさい」の日。
それが今日なのかもしれない。

糸井重里さんの『ほぼ日』の巻頭言、
「今日のダーリン」の昨日の文章。
「ぼくの祖母は、新聞などを読むときに、
小さな声を出していました。
つまり、小声の音読をしていたわけです」

しかし糸井さんは黙読する修練をした。

「黙読になってから、本を読む速度はあがります。
音読しているときの、何倍にもなるかもしれません」

「読むべき本、読みたい本はいくらでもあるから、
のろのろ読んでいるよりも、
速く読んだほうがいっぱい読めていいようにも思えます」

この後が糸井流。
「しかし、ずっと思っていたのです。
そんなにいっぱい読まなくてもいいんじゃないか、と」

「本を読むといいこともあるでしょう。
でも、本を読むこと自体は、目的じゃない」

ここでドラッカー先生登場。
「利益は、手段であって目的ではない」
「読書も、手段であったり愉しみであって、目的ではない」

「このところ、ぼくの読書の速度は遅くなっています。
どうも音読の速度に近づいているような気がするんです」

「つまらない部分は、すっ飛ばしたりしていますが、
読みごたえのある部分については、
ナレーターが読むような速度で黙読をしています」

「おかげで、読む本は少なくなっていますし、
読まないことに決めてしまう本も多くなりました。
だけど、とても快適なんですよ」
本当に糸井流。
「『音読』の速さで本を読むというのは、
よく噛んで食事をするというのに似てます」

私の著書『メッセージ』から、
「良く噛んで食べる」

人間ドックに入って出てきたら、
金属疲労のごとく、いっせいにチェックが入れられた。
全身疲労の四十九歳。
要は、体重を減らせ、痩せろ、節制せよ。

そこで、考えた。
「良く噛んで食べる」
これだけに徹しよう。
そうすればすべて上手くいく。

まず消化がよくなる。
胃腸の負担が軽くなる。
歯が丈夫になる。
顎も発達する。

食べ物の味が分かるようになる。
食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。
量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。
その分、美味しいものを食べようと努力する。

うん、すべてよくなる。
健康になるはずだ。
しかし困った。
「良く噛んで食べる」とは、いったいどうすることなのか。

そこで再び、考えた。
「心の中で数えながら噛む」
最低四〇回、あるいは四十八回。
この習慣をつける。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「に、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「さん、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」
「し、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」…………

このくらいで、たいていのものは、
心地よく口の中から消えていく。
きちんと噛むために、適当なかたまりを、
順序よく口の中に入れるようになる。

食物の堅さにも関心を払うようになる。
すべてよくなる。
ときどき、
舌や唇を噛んでしまうこともあるが。

しかしみたび、考えた。
この私の「食べるマニュアル」は、
果たして、
食事時だけのものなのか。

実は、これが何にでも使える。
事実も、問題も、「良く噛んで食べる」
苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」
目がさめている限り、何でも。

糸井さんも、同じ。
「もう、『おばあちゃんのように読む』。
ぼくは、これで行こうと、決めました」

さて日経新聞コラム『一目均衡』。
特別編集委員の末村篤さん。、

「日本の貿易収支は昨年、
通関ベースで31年ぶりの赤字となり、
今年1月は経常収支も赤字化した

歴史を紐解く。

第1次世界大戦で急増した輸出の反動減と関東大震災が重なり、
貿易赤字が急拡大した1924年。

国家滅亡の悲観論の中で、
石橋湛山「輸入超過興国論」を唱え、言い切る。
「日本経済の発展と震災復興に外国資本と物資の輸入は不可欠で、
入超は亡国どころか興国」

翻って現在。
「企業中心の生産力増強から、
家計中心の国民生活の充実へ、
日本の国益も時代とともに変わった」

「高齢化社会への対応、震災復興、
エネルギー転換などの諸課題は
豊富な国内潜在需要を物語る」
国内の潜在需要に応える役目の一端を、
小売流通業・サービス業が担っている。

「設備投資と輸出から、
住環境整備とサービス消費へ、
エンジンを切り替え、
生産(労働)で得た所得の購買力を実現し、
流動性の海外流出を抑える」
広い目で見たサービス消費。
末村さんの結論。
「国際収支の変調を嘆くのでなく、
『黒字亡国』から『赤字興国』に踏み出す歴史的構造転換こそ、
日本経済を長期停滞から救い出す道ではないか」
小売流通業・サービス業にかかわる者にとって、
身の引き締まる主張である。

<結城義晴>

2012年03月19日(月曜日)

セブン&アイ新メッセージ「新しい今日」と’13年新卒採用数イオン首位

Everybody! Good Monday!
[vol12]

2012年第12週。
3月も第4週となります。

しかし今年は桜の開花が遅い、
らしい・・・。

梅は満開。
20120319151054.jpg

桜はまだかい?
20120319151103.jpg
東京・横浜は、
光は春真っ只中。
空気はまだ冬の終わり。

そんな2012年第12週。
明日の火曜日が春分の日。
「昼と夜の長さが同じになる日」と、
思われているようだが、
それは間違い。
昼の方が長い。

どんどん昼が長くなって、
その節目として春分がある。

先週土曜日が彼岸の入り、
明日が中日、
今週金曜日が彼岸の明け。

西洋でできた1週間と、
東洋で生まれた彼岸の思想。
どちらも7日間というのは面白い。

「彼岸」(ひがん)とは「煩悩を脱した悟りの境地」。
逆に「煩悩に満ちた現世」を「此岸」(しがん)という。

向こう側の岸「彼岸」と、
こちら側の岸「此岸」。

その接点が彼岸の中日。

東日本大震災で亡くなられた人々の魂に、
ご冥福を祈りたい。

今週はそんな毎日だ。
そして3月20日、米国ワシントンでは、
「全米桜祭り」が始まる。
日本から桜の苗木が寄贈されて、
ポトマック河畔は桜の名所となった。
それからちょうど100周年。

これは喜ばしいことだ。

さて、日経新聞一面トップで、
「大卒採用計画、来春12%増」の記事。
記事を辿っていくと、
27面に「2013年春採用計画調査」特集。

採用数、増加数ともに首位となったのがイオン
新卒全体で約2000人の採用を計画、
2012年春に比べ、5割強の増。

イオンは3本社体制を敷いて、「アジア出店拡大」戦略を採る。
3本社は①日本、②中国、③マレーシア。
海外勤務できる「グローバル人材」を積極的に採用する。

第2位は、三菱電機の1410人、
第3位は、三菱東京UFJ銀行の1350人。

三菱グループが並ぶ。

第4位が、東日本旅客鉄道約1100人、
第5位は、トヨタ自動車約1080人、
第6位、大和ハウスグループ1030人、
第7位、ソフトバンクグループ1000人。

ここまでが1000人以上の採用企業。

小売りサービス業では、
27位にAOKIホールディングスの約500人、
34位に、ゼンショーグループの約450人
が入る。

50位までを見ると、
36位にノジマグループ、コメリ、コスモス薬品、スギ薬局が、
400人の採用で並び、
アイングループ、サンドラッグ、ワタミグループが44位、
ニトリが49位。

好調企業がこの就職氷河期に、
大量の人材採用を試みる。

非製造業の主要24業種のうち、
8割にあたる19業種が大卒採用を拡大。

採用が活発になれば、
やがて経済の回転は好転する。

日経新聞コラム『人こと』に、
セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長登場。

新しいブランドメッセージを策定した。
「新しい今日がある」

グループ各社が販促やイベントなど様々な場面で、
今後、この言葉を使う。

「新しい」と「今日」。
このあたりオクシモロン的ではあるが、
ピーター・ドラッカー先生の「イノベーションのタブー」を思い起こす。
「イノベーションは、
現在のために行わなければならない」

「現在のためのイノベーション」は「新しい今日」につながる。

鈴木さんは語る。
「100社以上のグループとして、
連携や絆が今まで以上に重要になる」
東日本大震災で被災したヨークベニマルを、
グループ各社が人員を派遣して店舗再開に尽力。
「本当の意味でのグループ力を意識した」。

イオンもそうだが、
「グループ力」の活用こそがポイントになってきた。

もう一人、日経新聞『月曜経済観測』に、
しまむら社長の野中正人さんが登場。
聞き手は編集委員の田中陽さん。

「今年1月の既存店売上高が前年実績を4%上回り、
消費が強いことに確信が持てるようになった」

なぜか。

「消費者がプラス思考になっている。
政治や経済情勢など、世の中の悪いことを
批判的にみていた空気が薄らいだように思える。
そんな不満をぶつける場合ではなく、
一人ひとりが元気に行動を起こそうとしている」

ファッション・チェーンとして面白い話。
「淡いピンクやグリーンの商品がよく動いている」

ピンクやグリーンは、
「景気拡大期にみられる現象」だという。

「売り場の見栄えをよくするために
もっと目立つ色彩の衣料品を陳列すると、
その商品が先に売れている」

野中さんは述懐する。
「リーマン・ショック後の消費風景とは全く違う」

価格コンシャスに関するコメント。
「客単価や1品単価は前年比で2~3%の上昇だ」

「絶対的な価格の安さを求める消費者もいるが、
価格と商品価値のバランスを考える消費者は多い。
明確な価値が分かると値下げしなくても売れる」

ユニクロのヒートテックに対抗する「機能性を打ち出した肌着」。
「男性で1枚980円、女性は780円が売れ筋」

「少し前までは機能性のない男性肌着は2枚1280円、
女性は980円が売れていた。
特売品ならば480円。

それが、「品質を上げて580円にしても
販売数量は変わらなかった」

「明確な価値の違い」こそが、
重要になってきた。

チャールズ・フランクリン・ケタリングは、
戦前に活躍した科学者、発明家、社会哲学家。
自ら率いるゼネラル・モーターズ研究所の壁に掲げていた。
「解決されてしまえば、
どんな問題もシンプルだ」

震災後の不確実な消費も、
シンプルに見え始めた気がする。

最後に、アメリカ視察研修会Basicコースと、
商人舎ミドルマネジメント研修会の呼びかけ。

今朝も朝から、お申し込み、お問い合わせが、相次いだ。
USA研修会Basicコースの開催は5月10日~16日。
申し込み締め切りは今週末。
ご検討はお早めに。

毎朝、私の講義がある。
「鳥の目、虫の目、魚の目」で、
米国流通業を見通す。
さらに価格・フェーシング調査も実施し、
全員がPFグラフをつくる。
ただし調査はチーム方式。
最短時間で最大効果。

新機軸満載。

あと20名分くらいしか枠がありません。

もう一つは国内セミナーですが、
ミドルマネジメント研修会
開催は5月29日~31日。
こちらは4月末が締切。
じっくり検討してください。

はじめての開催でもあるので、できるだけ、
トップマネジメントに近い方々のご参加を募ります。
内容のオーソドックスさや斬新さを、
会社全体で確認していただきたいと思うからです。

では、今週も、元気を出して、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2012年03月18日(日曜日)

ジジとIKB6[日曜版2012vol12]

ボク、3月7日に、
7才になりました。
20120318154726.jpg
ジジです。

震災から1年だったので、
じぶんの誕生日を、
いいだせなかった。

でも、7才になりました。
20120318154746.jpg
きのうは、
いつものように、
ねてました。

ピアノのうえ。

目がさめると、
ユウキヨシハルのおとうさんは、
でかけていました。
20120318154811.jpg

東京・メジロの椿山荘。
20120318155111.jpg

rikkyoの謝恩会。
20120318155127.jpg

ボクはまた、
ねました。
20120318155152.jpg

さいしょに、ぜんいんで、
記念写真。
20120318155313.jpg

カメラマンは、
きゃたつのうえにのって、
うつしました。
20120318155336.jpg

ボクも目がさめた。
20120318155215.jpg

司会は、
ユウキ・ゼミのヤマグチさん。
もうひとりの司会は、オオツさん。
20120318155251.jpg

さいしょのごあいさつは、
カメカワ先生。
20120318155643.jpg

カンパイのごあいさつは、
ヤマナカ先生。
20120318155710.jpg
それから、食事とお酒。

ボクもおきてきて、
ごはん。
20120318160057.jpg

そしてドリンク。
20120318160120.jpg

おとうさんは、
カメカワ先生とワインでカンパイ。
20120318160217.jpg

そしてユウキ・ゼミの写真。
20120318160004.jpg

サトウさんとエンドウさんがケッセキなので、
4人のゼミ生のみなさんと写真。
20120318160028.jpg
うしろはムラカミさん、トヤマさん、アサカワさん。
まえは、オカモトさんと司会のヤマグチさん。

それから、たのしいアトラクション。
20120318155913.jpg
ボクもたのしみ。

司会のオオツさんのマジック。
20120318160246.jpg

それから、この夜、
最大のショー。
ボクも、おどりたくなった。
20120318155846.jpg

IKB6。
20120318160428.jpg
カメラマンも、いそがしい。

衣装はドンキホーテ。
20120318160405.jpg

全員がMBAマスター・ホールダーのIKB6。
20120318160456.jpg
rikkyoがいけぶくろにあるから、IKB。
6人だからIKB6。

すばらしかった。
20120318160329.jpg
拍手、カッサイ。

おとうさんも、
いっしょに写真。
20120318160513.jpg

ユウキ・ゼミのオカモトさんと。
20120318160547.jpg

名誉ユウキ・ゼミ生のムラセさんと。
20120318160559.jpg

それから教授の先生たちに、
卒業生からお礼がありました。
20120318160633.jpg

先生たちが壇上にならんだ。
20120318160654.jpg

ひとりひとりに贈られたのは、
これ。
20120318160706.JPG  20120318160732.jpg
USBメモリー。

ありがとうございました。
20120318160533.jpg

そして今年で退任する先生からのごあいさつ。
20120318160814.jpg
オークボ先生とニシデ先生、
そしてタカヤマ先生。

さいごは、お礼のごあいさつと校歌斉唱。
20120318160845.jpg

代表のミスター2011、
ニッサトさん。
20120318160827.jpg

謝恩会はおわった。
20120318160758.JPG

おとうさんは、
ユウキ・ゼミの人たちと二次会。
ユウキ・ゼミがふくらんで、
15人くらいになった。

三次会はラーメン。

夜中の3時半にかえってきた。
20120318164526.jpg
ボクは、また、
ねてましたが、
おとうさんも、
マスターをおくりだして、
おめでとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年03月17日(土曜日)

第12回ジャパンドラッグストアショー開幕、食品関連ブース増え続ける

昨日まで晴れ渡って、
花粉が飛びまくっていたのに、
今日は雨。

私は東京・目白の椿山荘へ。
カスタマー・コミュニケーションズ㈱社長の西川明宏さんと、
打ち合わせ。

私はこの会社の非常勤取締役。
西川さんの豊富な人脈と広くて新しい情報には、
いつも勉強させられる。

2時間近くも熟談して、
「王様は裸だ」と言い切った子供のことを思い出した。

ヘンリー・ミンツバーグは、言っている。
「真の研究者は、裸の王様に向かって、
『王様は裸だ』と叫ぶ子供に似ている」

西川さんと私とで、
それができるかもしれない。

この後、椿山荘で、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科
の、
2011年度謝恩会

みんなに「おめでとう」を言う時だ。

さて、昨日
第12回ジャパンドラッグストアショー開幕

16日(金)から18日(日)までの3日間。
ところは千葉県の幕張メッセ、
主催は日本チェーンドラッグストア協会。

今日のこの雨で来場者が減っているか。
ちょっと心配だが、
それでも今日からは一般来場者を迎える。
減ることはない。

日本チェーンドラッグ協会は、2011年4月1日現在、
正会員172社、賛助会員221社、学校会員などを含めると463。
正会員のドラッグストアは総売上高4兆5438億円、店舗数1万4895店。

昨年はショー初日の3月11日、
あの東日本大震災に見舞われ、
中止を余儀なくされた。

今年は、満を持しての開催。
だからこそ、今年のテーマは、
「セルフメディケーション宣言!~がんばろう日本!
ドラッグストアでつながる家族の元気!日本の元気!」

トレード向けの初日の会場は、ごらんの通り大盛況。
20120317124714.jpg

幕張メッセの4~8ホールに、366社1235コマが展開された。
国内のメーカー・商社に加え、韓国からも23社が出展。
何より目についたのは、ドラッグストアショーでの食品関連のブース。
20120317124802.jpg

ドリンクバーを展開する三菱食品ブース。
20120317124838.jpg

日本アクセスは、生鮮から日配まで、フルラインの展開。
20120317124847.jpg

日酒販ブースも大展開。
このあたりまるで食品フェアのよう。
20120317124910.jpg

岡村製作所は食品展示の什器をアピール。
20120317124922.jpg

もちろん、ヘルスケア、ビューティケア、介護などのブースは、
本来の充実ぶりを示す。
20120317124656.jpg

ユースキン製薬も元気な展示。
20120317124729.jpg

王子ネピアのブースでは、
大人用おむつを使った介護の実演講習。
人を集めていた。
20120317124737.jpg

エステーは、バンドがブースやぐらの上で、
派手なプレゼンテーションを展開。
20120317124721.jpg

人目を引いたのがこのブース。
タワーブースの上部に商品を張りつけて、
カラフル。
20120317124704.jpg

そしてプラネット・ブース。
ビジネスセミナーも行った。
テーマは「商品のDBの活用と展開について」
20120317124939.jpg

初日の昨日の18時からは、
記念のレセプションパーティ。
20120316225408.jpg

はじめに、第12回ジャパンドラッグストアショー実行委員長のあいさつ。
浦上晃之㈱ゴダイ代表取締役社長
20120316225418.jpg

そして日本チェーンドラッグストア協会会長の関口信行さんの挨拶。
㈱龍生堂本店代表取締役社長。
20120316225431.jpg

来賓祝辞は、はじめに、経済産業省から、
商務流通グループ流通政策課長の佐合達矢さん
20120316225441.jpg

続いて厚生労働省からは、
医薬食品局総務課薬事企画官の山本史さん
6年制課程となってから初の薬剤師が今年、誕生する。
現場での指導と経験の蓄積の必要性を訴えた。
20120316225456.jpg

例年、レセプションパーティの挨拶は長いことで有名。
しかし今年は、的確な時間配分だった。
20120316225514.jpg

(社)日本薬剤師協会会長の児玉孝さん
20120316225524.jpg

日本OTC医薬品協会会長の吉野俊昭さん
20120316225533.jpg

大正製薬ホールディングス㈱会長兼社長の上原明さん
20120316225543.jpg

私も、みなさんのご挨拶を拝聴した。
20120316225554.jpg

韓国ブース出展社を代表して、
チュンチョンナムドボリョン市からゼン・ユンシュさん
20120316225605.jpg

最後は、衆議院議員の樋口俊一さん
ヒグチ産業㈱代表取締役社長
20120316225619.jpg

乾杯は、 ゼリア新薬工業㈱社長の伊部幸顕さん
20120316225637.jpg

今年はやや短くなったが、
来賓の挨拶が終わると、懇親。
㈱キリン堂会長兼社長の寺西忠幸さん
20120316225648.jpg
83歳になられるが、
矍鑠(かくしゃく)として、会社と業界を引っ張る。

㈱サッポロドラッグストアー社長の富山睦浩さん
20120316225702.jpg

㈱丸大サクラヰ薬局の櫻井清社長
20120316225724.jpg

㈱ぱぱすの根津孝一社長
20120316225848.jpg

樋口さんとは同年。
ますます政治家としても本物になってきた。
20120316225905.jpg
食品業界、スーパーマーケット産業には、
「ドラッグストア産業の樋口俊一」が登場していない。
それも一つの問題だと、私は考えている。

経済産業省の佐合さんと握手。
20120316225811.jpg

㈱大木の松井秀夫社長
商人舎発足の会発起人のおひとり。
20120316225834.jpg

花王カスタマーマーケティング㈱の髙橋辰夫社長
20120316225938.jpg

そして㈱プラネット社長の玉生弘昌さんと黒岩昭雄常務と。
20120316225923.jpg
玉生さんも商人舎発起人のおひとりで、
西川さんが社長を務めるカスタマー・マーケティング㈱のオーナー兼相談役。

そして㈱マツモトキヨシホールディングス会長兼社長の松本南海雄さん
20120316230008.jpg
協会発足とともに会長となり、10年間、
業界の改革を牽引。
現在、協会名誉会長

最後の最後は、協会事務総長の宗像守さんと固い握手。
20120317142215.jpg
私の同志。
ショーの裏方をすべてを仕切ってのご活躍、
ご苦労様です。

1年前の2011年3月11日、
第11回ジャパンドラッグストアショーの初日、
あの東日本大震災が起こった。

だから1年後の3月11日ももちろん震災1年後だが、
私にとってはドラッグストアショー初日も、
震災1年後という感慨がある。

その1年後のジャパンドラッグストアショー。
食品ブースがどんどん広がっていることが特徴。

食品は人々のライフライン。
だからこそ、ほとんどの業態で、
ライフライン商品として品揃えされ、扱われる。

それをこの展示会で、実感させられる。
もちろん薬品、化粧品、日用品も、
ライフライン商品群であることは変わらない。

しかし食品分野の競争激化は止まらない。
日米欧の共通の潮流である。

< 結城義晴>

2012年03月16日(金曜日)

吉本隆明逝去! セブン&アイ最高利益とイオンのグループSM2兆円超

吉本隆明逝去、享年87。
「戦後最大の思想家」と評される詩人・評論家。
「よしもと・たかあき」が本名だが、
「よしもと・りゅうめい」が通り相場。

私の学生時代、早稲田大学のキャンパスには、
革マル派をはじめとする左翼セクトの立て看板がズラリと並んでいた。

そのなかで、「吉本隆明」は人気の新左翼思想家、批評家だった。

代表著作は「共同幻想論」「言語にとって美とはなにか」。
文学、政治、経済、文化にいたるまでの批評活動。
朝日新聞は「反逆する若者たちのカリスマ的存在」と表現し、
日経新聞には「無名の大衆に軸足を置き、
旧来の左翼を批判したその思想は、
60年安保の世代から全共闘世代、
さらにいまの40代にまで幅広い影響力を及ぼした」とある。

全共闘世代の糸井重里さんは、
『ほぼ日』の巻頭言で弔辞。

「吉本さん。
こういう日がくることは、ずっとわかっていました。
(中略)
吉本さんのいない世界に生きていることを、
ぼくはさんざん練習してきましたから、平気です。
あとは、とても健康な悲しみばかりです。
思っていたのと全然ちがって、ずいぶん悲しいです。
(中略)
誰かが亡くなったとき、あんまりことばはでません。
こんなふうになにか言うことは、初めてです。
(中略)
『ありがとうございました』とか
過去形で言うのはやめておきます。
ぼくがそっちに行ってから、そこでお礼を言います。
でも、中締めっていうのもありますものね。
じゃ、また」

若いころはひどく遠い存在だった「よしもと・りゅうめい」と、
最近親しくなったイトイが、
その親しさを表現した弔辞。

実務の世界には、
「評論」そのものを否定したり、
「評論家」を軽んずる向きがあるが、
文芸評論の小林秀雄をはじめ、
各ジャンルに評論があって、
それは社会のために重要な役割を果たしている。

吉本隆明は、時代というものに対する評論家だった。

ピーター・ドラッカーも、
文明や政治や経営の評論をした。

さて水曜日は、午後、商人舎オフィスに来客続々。

はじめに、組織改編をしたばかりの㈱電通のお二人。
駒込雅史部長と三浦啓子さん。
プロモーション事業局次長・ショッパーズ・マーケティング部。
20120316203026.JPG
店頭における顧客の購買行動についての話で、
大いに盛り上がった。

入れ替わりに大阪からやってきたのが、
万代ドライデイリー会事務局の前田仁さんと、
JTB西日本の小阪裕介さん。
20120316203055.jpg
今年、来年度の企画の打合せ。

最後に、三井物産㈱食品営業部マネジャーの中野真樹さん。
今夏の海外視察の打合せ。
千客万来。ありがたい。

さて今日は、セブン&アイ・ホールディングスとイオンの話題。
日経新聞はこの手のニュースは抜群に強い。
「セブン&アイ、営業最高益」
一面にこの記事を持ってきた。

決算前から、このニュースを入手して、
スクープとは言えないが、他に先駆けて報道。
月刊誌も週刊誌も、まったくかなわない。

セブン&アイ・ホールディングスの2012年2月期連結営業利益。
5年ぶりに過去最高益を更新し、2900億円強。
前期比2割増。

しかし、連結売上高は4兆8000億円前後。
前期比6%減。
売上高規模はイオンに抜かれる。

セブン‐イレブン・ジャパンの既存店売上高は6.5%増。
ヨークベニマルは震災後に売上げが急回復。
イトーヨーカ堂は「値引き抑制」で営業利益を改善。

「利益のセブン&アイ」。

一方、日経のイオンの記事。
「食品スーパーの営業益2倍の400億円に」
こちらはイオンのスーパーマーケット・グループのニュース。

イオンはスーパーマーケット事業の連結営業利益を、
2年後の2012年2月期に昨2011年2月期比2倍の400億円にアップさせる。
売上高は5~6割増の1兆6000億~1兆7000億円の見込み。
マルナカグループの年商約3300億円が加算され、
さらに出店は従来の2倍以上の年間100店舗。

連結子会社以外の持ち分法適用会社のマルエツ、カスミ、ベルク、
資本提携企業いなげやを加えると、
総売上高合計2兆0196億円、総店舗数1409店。

セブン&アイがコンビニによって牽引し、
過去最高営業利益を実現するなら、
イオンはスーパーマーケットによって、
売上高規模と利益をリードする。

執行役副社長の坂野邦雄さんの発言。
「食品スーパーは地域密着の品ぞろえや出店戦略が重要。
経営の自主性を高めることで迅速に意思決定しやすい」

さらにイオンは電子マネー「ワオン」は「初の年1兆円超」
2012年2月期の「ワオン」の決済総額は、
前期比17%増の1兆0026億円。

グループの店舗販売額のうちワオンの利用は25%、
2月末時点の累計発行枚数は約2410万枚。

セブン&アイとイオン。
それぞれに特徴を異にしつつ、
国際級の小売業となりつつある。

私は「商業の現代化」には、
これも必要な条件だと考えている。

よしもと・りゅうめいが流通評論家だったら、
それは否定し、批判しているかもしれないが。

では、みなさん、良い週末を。
お祈りします。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第2回 バイヤー研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年5月
« 4月  
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.