損得より先に命を守ろう。
令和8年熊本地震――。
心からお見舞い申し上げる。
亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。
今回の地震では、
「イオンモール熊本」で爆発事故が起きた。
イオンの吉田昭夫社長は記者会見した。
「尊い命が失われた事態を招き、
大変重く受け止めています。
慚愧(ざんき)の念に堪えません」
すぐに現地・熊本へ飛んで、
遺族や関係者にお詫びし、丁寧に説明した。
その姿勢や印象はとても良かった。
社長は会社を熟知していなければならぬ。
吉田社長はモールのことを、
ごくごく細かいことまで知っていた。
それが会見での誠実さに反映された。
話しぶりも丁寧で、冷静で、
気持ちがこもっていた。
震度6強の地震が起こったときには、
イオンモールには3000人の顧客が入館していた。
テナントを含めた全従業員約1500人も働いていた。
地震発生から30分後には、
従業員はマニュアル通りに顧客を誘導して、
一時避難は完了した。
しかし予期できないことが起こった。
午後5時50分ごろ、
施設2階で爆発が起こった。
建物の外の駐車場の横に、
LPガスのタンクが設置され、
このタンクから店内へガスを送る。
その供給経路の途中で、
パイプラインからガスが漏れ、
それが何らかの原因で爆発したようだ。
ガスタンクに対しても、
今年は二度、点検がなされていた。
しかし不慮の爆発が発生した。
避難のマニュアルには、
「避難後、施設内に戻らないこと」と、
定められている。
しかしテナントの雑貨店では、
売上金を金庫に移すため、
会社側から館内に戻るよう指示が出された。
亡くなったのは責任感の強い人だった。
だから上司の指示に従って戻ってしまった。
そして尊い命が失われた。
「避難完了後には戻らない」
これは今後、全国のすべての店舗で、
さらにさらに徹底されねばならない。
損得より先に善悪を考えよう。
いやその前に、損得より先に命を考えよ。
目先の金や会社の指示より、命は大切だ。
吉田社長は語った。
「人命救助を最優先した上で、
消防と情報共有し原因究明に最善の努力をしたい」
まだまだ地震はおさまらない。
今後も予断は許されない。
救助から救済へと長い道のりが待っている。
それでも損得より先に命を守ろう。
尊い命に代わるものはなにもない。
私たちの仕事は命を守ることでありたい。
〈結城義晴〉
























