結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年01月19日(金曜日)

「ポジショニング」を求めてNew JerseyからBroadwayまで

ニューヨークはマイナス2℃。
東京はプラス5℃。

温度差がある。

その東京の自民党。
岸田派の宏池会につづいて、
安倍派の清和政策研究会と、
二階派の志帥会が、
解散を決めた。

安倍派は自民党内最大派閥。
福田赳夫元首相が作った派閥。

三つの派閥はパーティー券キックバック事件で、
会計責任者らが逮捕された。

安倍派は多額の裏金づくりが発覚して、
議員が検挙されたが、
二階派と岸田派は収支報告書への虚偽記載で、
会計責任者が立件された。

会長に責任は及ばないのか。

派閥を解消すれば、
その責任は消えてなくなるのか。

派閥は解消されても、
「裏金」は還流する。

そんなこと国民は、
先刻承知だ。

情けない。

さてロピア米国研修第2陣。
ニューヨーク視察は2日目。

朝は結城義晴の講義。

講義に先立って、
恒例のロピアの経営理念と7大用語の唱和。
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ロピアの経営理念、
「私たち『ロピア』は、
『食生活♡♡(ラブラブ)ロピア』をモットーに、
ロープライスのユートピアをつくることを
目標に生まれた会社です。
ユートピアとは、
楽しく感動して
いつも行きたいところです」IMG_1675

会議や新店オープンの際など、
みんなが集まるときには、
常に経営理念を唱和する。
そしてビジョンを共有する。

相川博史団長の朝の訓話。
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急成長するロピアには、
中途採用やスカウトの人材が多い。

ロピアの理念や経営方針を、
相川さんは具体的な事例と、
わかりやすい言葉で説明する。

結城義晴の初日の講義は、
相川さんの言葉を受けて始まる。
商人の「本籍地と現住所」。
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本籍地で学んだことを活かし、
現住所のロピアで活躍してほしい。

アメリカ視察のための、
基本的な態度から初めて、
経済や市場の基礎データを解説。
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どんな内容にも、
ロピアの事例を挟む。
ロピア仕様の講義である。IMG_1703

虫の目は全員が備えている。
だから鳥の目と魚の目を教える。
もちろん心の目を底辺に置いている。
一気呵成、2時間を語り切った。IMG_1694

講義が終わるとリムジンバスに乗り込んで、
ハドソン川をトンネルで越える。
隣のニュージャージー州へ。

そしてウェグマンズの郊外店。
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2500坪で1億ドルを売り上げる。
その市場のような青果売場。IMG_1753

ウェグマンズは多SKU のアソートメントが特徴だ。
そこでファミリーパックの大容量の品揃えもする。
これはコストコ対策だ。IMG_1717

定番商品のバナナ売場は広い。
1ポンド当たり49セント。
オーガニックのバナナは69セント。IMG_1721

対面のデリカテッセン売場。
スライスしたてのハムやチーズを提供。
いつも顧客が並んでいる。IMG_1728

店舗左翼に別棟仕立てで、
ワイン、リカー&ビールの店。
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買いやすく売りやすいテーブルワインから、
高級ワインまで品揃えする。
ウェグマンズは商圏内の需要を、
ごっそり奪い取る。
だから客層を広く設定する。

そのファインワインルーム。
ワインセラーだ。
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2018年オーパスワンは899.99ドル。IMG_1403

ここでリカー店舗の店長インタビュー。
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3種類のワインを試飲させてくれた。IMG_1772

ナビスコのOREO(オレオ)を模倣した、
ウェグマンズのPBを購入。

ウォルマートやアルディも、
同様のPBをつくっている。
それらを車中で試食してもらう。

ウェグマンズの価格は、
アルディと同じ2ドル49セント。
ウォルマートは2ドル58セント。
ウェグマンズは最安値。
グルメスーパーマーケットと、
勘違いされている観のある同社は、
こんなPB戦略をとっている。
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ショップ&ストップ。
ウェグマンズから5㎞ほどにある。
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オランダに本部を置く、
ロイヤルアホールドデレーズ傘下の企業。

このニューヨーク・ニューアーク地区では、
160店舗ほどを展開して、
2番目のシェアを有する。

スーパーストップ&ショップのバナーの大型店。
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天井を一部スケルトンにして、
対面売場を設けるなど、
最新の店づくりの要素を取り入れている。
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しかし対面売場はすでに機能していない。
店舗中央のシーゾナルスペースはガラガラで、
ポップアップセールは展開されていない。
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形だけ真似てもポジショニングがなければ、
コンベンショナルな業態からは抜け出せない。

アメリカのスーパーマーケットの多くが、
こうしたコンベンショナル型だ。

彼らにはもう衰退しかない。
ポジショニング戦略の難しさを、
痛感させられる。

ショップライト。
この地区で115店、19%のシェアをもつ。
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ただし資本の異なる企業が集まって活動する、
ボランタリーチェーンだ。

この店はそのショップライトの中で、
秀逸だ。
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部門やカテゴリーにブランドをつけて展開する。
対面売場のショップが積み重ねられた店だ。
これがこのショップライトの、
ポジショニング戦略である。

インストアベーカリーの中に、
「セレブレーション・ステーション」がある。
お祝い時のケーキを提供するコーナーだ。IMG_1825

ブランドにはそれぞれ、
オリジナルのデザインが施されている。
華やかなサインでも、
全体に調和がとれている。IMG_1839

早速、スモークショップで、
ブリスケットを購入するリーダー。IMG_1848
ロピアの米国研修はどんどん食べる。
それが特徴だ。

華やかな生鮮やデリ・ベーカリー違って、
広大なグロサリーはラックでの展開。
ここにはボランタリーチェーンの商品力が、
いかんなく発揮されている。IMG_1859

ショップライトとストップ&ショップ。
両社のポジショニングの違いは明らかだ。

そしてショップライトの至近距離に、
リドルがある。
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ドイツのシュワルツグループのボックスストア。
アルディと同じフォーマット。

入口のインストアベーカリーは、
独自の什器を使っている。
しかも安くて、そこそこにうまい。
黄色や赤で囲んだ売場は、
今週のプロモーション。
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導入部は青果。
アルディよりも青果、精肉は充実している。
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グロサリーはアルディ同様、
ダンボールカット陳列が基本だ。
その段ボールもプライベートブランドだから、
色指定をして売場に並べると、
カラフルなプレゼンテーションとなる。
「安売り屋」のイメージはない。
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店舗中央の平台には、
「売り切れごめん」の面白グッズが並ぶ。
ウィークリープロモーションコーナー。

結構な掘り出し物があって、
顧客は楽しみにしている。
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ウォルマートはエブリデーロープライス。
ウェグマンズはコンシスタントロープライス。
アルディはウィークリーマーチャンダイジング。

それがリドルのポジショニングだ。

ウェグマンズからリドルまで、
ニュージャージー州での視察を終えて、
マンハッタンへ。

途中でハミルトンパークに寄って、
記念撮影。IMG_1872

曇り空だがマンハッタンの摩天楼がきれいに見えた。
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マンハッタンに戻る途中、
消防車や警察車両が集まっていて、
交通規制。
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火事だったのだろうか。
周辺は一時騒然となった。
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この渋滞を潜り抜けて、
マンハッタンのアップタウンへ。
ブロードウェイ沿いを集中視察。

ゼイバース。
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550坪の2層の店舗で、
1階が食品売場、
2階がキッチン用品売場。

週に4万人が来店する大繁盛店だ。IMG_1898

チーズとデリ、スモークフィッシュ、
そしてコーヒーが有名。IMG_1886

対面売場を中心にしたグルメ専門店だ。
尖がりを持てば1店舗でも、
生き残ることができる。IMG_1892

ブロードウェイを5分ほど南下すると、
シタレラ。
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ニューヨークデリのお店。
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そして魚売場が圧巻。
だから対面の鮮魚コーナーは、
魚種も豊富で、充実している。
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隣には、
フェアウェイマーケット。
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こちらは八百屋出身のスーパーマーケット。
かつてはマンハッタンの王者だった。
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野菜の種類も多くて新鮮。

視察したロピアの団員たちは、
「やっちゃばの匂いがする」
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インストア加工のデリも人気。IMG_1916

店舗奥のブッチャーショップ&フィッシュマーケット。IMG_1927

氷を敷いた貝類のコーナー。
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驚いたのは、これ。
雑貨売場の一角の洗剤コーナーに、
網の扉が設けられて、
鍵が付けられている。
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万引き防止の鍵。
購入したい客はブザーを鳴らして、
店員を呼び出す。
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P&Gの「Tide」も万引きされるのだろう。

ニューヨークでは高額な化粧品などに、
こうした防犯対策を施すが、
洗剤にまでこの対策をとる。

コロナ前から万引きは大問題となっているが、
インフレが重なって、
深刻な状況となっている。

これは「セルフサービスの危機」である。

フェアウェイからさらに数分南下すると、
トレーダージョーとデュアンリード。
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地下1階・2階がトレーダー・ジョー、
地上1・2階をデュアンリード。IMG_1955

トレーダー・ジョーは、
いつ訪れても大量の顧客で賑わっている。IMG_1943

青果売場までレジの行列が伸びている。IMG_1945

地下2階の冷凍食品売場。IMG_1950

人気ナンバー1はマンダリンオレンジチキン。
少し甘い味付けのフライドチキン。IMG_1948

人気商品は冷凍ケースの底が見えるほど、
売れに売れている。IMG_1949

いつの間にかレジ待ちの行列は伸びて、
最後尾を示す旗を持った案内係が登場。IMG_1952

2日目の後半は、
ポジショニングの際立った、
地元スーパーマーケット3店舗。

それらにプレッシャーをかけ続けるのが、
トレーダージョーの大繁盛店。

朝の講義からニュージャージー、
マンハッタンのブロードウェイまで。
2日目の長くて充実した視察も、
無事に終了した。

それにしても、
派閥を解消して、
烏合の衆となってしまったら、
残った派閥から一本釣りで議員が、
刈り取られてしまう。

だから派閥と称することなく、
何らかのグループを維持する。

それは新しい派閥に他ならない。

ポジショニングを喪失した、
小売業の店舗のような政治家集団だ。

衰退していくしかない。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年01月18日(木曜日)

ロピアUS研修第2陣到来/まずWalmartからWhole Foodsまで

岸田文雄首相は突然、
宏池会の解散を検討すると言い出した。
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池田勇人元首相によって創設された、
保守本流リベラル派の伝統の派閥だ。

いまは自民党岸田派と呼ばれて、
つい最近まで自分が会長を務めていた。

東京地検特捜部は、
安倍派、二階派だけでなく、
岸田派の元会計責任者も、
立件する方針だ。

それを受けての派閥解散宣言。

なんと政治センスのない政治家なのだろう。

「派閥とカネ」の関係を絶つ。

それはかっこいいように見える。

しかし他の派閥がそれに従って、
解散するはずもない。

自分の派閥からも、
反論が出るに違いない。

そして政治生命は危うくなる。

派閥が問題であることは確かだ。
しかし派閥政治はこんなことで、
なくなりはしない。

宏池会だけが衰退していく。

ニューヨーク滞在6日目。
ザ・ニューヨーカー・ウインズダムの朝。
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自室の窓から見える景色。
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ハドソンヤード。
ハドソン川沿いのエリアを再開発した。
マンハッタンでの過去最大級の複合開発だ。
商業施設やオフィスが立ち並ぶ、
いまや人気のスポット。
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今日はロピアNY研修会の第2陣が到着する。
私たちはタクシーを飛ばして、
JFK国際空港へ。

11時過ぎ、
先に入国審査を終えたメンバーが、
ゲートに現れる。
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すると綿棒を渡されCOVID-19検査。
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インバウンドのサンプル調査のようだ。
第2陣のメンバー全員が調査に協力。
もちろん、結果は教えてくれない。

専用バスに乗り込んで、
ブルックリンのウォルマートへ。
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2023年1月期の売上高は、
6112億8900万ドル、伸び率6.7%。
100円換算で61兆1289億円。
140円換算では85兆円。

世界最大の小売業にして、
世界最大の企業。

けん引する最強のフォーマットが
「スーパーセンター」。
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食品と非食品をフルラインで品揃えする。
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団員たちは真剣に売場を観察している。IMG_1505

こちらでは、
視察チームメンバー同士のLINE交換。IMG_1509

団員たちは班に分かれて行動する。

そして視察後に学んだことを、
実務にどう活かすかを検討する。
帰国後、その発表の場が設けられている。
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広いスペースを割いて、
バレンタインデーのプロモーションが展開される。
ウォルマートは徹底的に店内販促を実施する。
価格はエブリデーロープライスだからだ。
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有人のレジ。

驚いたことに、この店では
プラスチックバッグの提供を完全に廃止していた。
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有料でも配布しない。
環境対策の一環として実施している。
だから顧客たちは皆、エコバッグを持ってくる。
不平不満を言う者はいない。IMG_1306

出口ではレシートチェックをする。
この顧客は堂々と、
ライバルのターゲットのエコバックで買物。
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団員たちもチェックを受ける。
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プラスチックバッグの廃止は、
いずれ全小売業に広がっていくに違いない。

全員で記念撮影。
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次にライバルのターゲット。
ウォルマートと同じビジネスモデルを展開する。
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2023年1月期は1091億2000万ドル、
昨対2.9%増。
100円換算で10兆9120億円。

ウォルマートの6分の1の売上げだが、
総合スーパー業態チェーンは今や2社となった。
「複占」の状態である。

売場は天井を張って、
蛍光灯を施し、
赤を基調にしたデザイン。IMG_1532

この店はディスカウントストアとして、
食品は利便性の高いアイテムに絞って品揃えする。IMG_1536

だから先ほどのウォルマートの顧客のように、
ウォルマートとターゲットを使い分ける場合もある。

ターゲットはもともと、
デイトンハドソンという百貨店から発祥した。
だからアパレルは充実しているし、
センスもいい。

このふくよかなマネキンづかいは、
実にリアル感がある。
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バレンタインプロモーションも、
センスのいいプレゼンテーションだ。IMG_1315

ウォルマートが男性的なら、
ターゲットは女性的。

その対比が、
それぞれのポジショニングを明確にして、
三番手の追随を許さない。

ターゲットが入るパワーセンターには、
アルディがある。
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ドイツ発祥の小型ボックスストア。
店舗面積1万平方フィートに、
3500アイテムを品揃えする。

バレンタイン商材も扱っている。IMG_1355

店長にインタビュー。
パキスタン出身の優秀な店長、ガラさん。
ウォルグリーンとCVSファーマシーの店長から、
アルディに転職した。IMG_1574

従業員を大事にするアルディに、
満足とやりがいを感じていると強調した。IMG_1581

店長を囲んで全員で記念写真。
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てもいいインタビューだった。
月刊商人舎で紹介しよう。

アルディと同じアルブレヒトファミリー傘下の、
トレーダー・ジョー。
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このブルックリン店は、
もともと銀行の建物だった。
だから天井が高く快適な買物空間だ。
いつ訪れても大繁盛している。IMG_1607

レジ待ちの行列は2列になっていて、
店内をぐるりと巡るほど長い。IMG_1382

銀行方式のチェックスタンド設計で、
並んだ順に公平にレジに誘導する。
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私たちもトレーダー・ジョーを存分に楽しんだ。

初日最後は、
ホールフーズの環境対策店。
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駐車場のソーラーパネル。
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導入部の青果売場は、
見事なボリューム陳列とカラーコントロール。IMG_1612

シーフード売場。
アメリカではシーフードは、
ミート部門に含まれるが、
ホールフーズでは独立部門にしている。

しかも必ず精肉コーナーの前に、
レイアウトされている。

精肉よりも鮮魚のほうが、
健康イメージが強いからだ。IMG_1617

そのミート売場。
鶏肉や脂肪分の少ないビーフが中心。
グレンフェッドよりも、
グラスフェッドのほうが価値が高い。
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店舗の右翼には自慢のデリ売場。IMG_1628

最後はインストアベーカリー。
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ホールフーズの店づくりは、
デザイン性に優れている。
その面では他を圧倒する。

このブルックリンのマンハッタン寄りの地区には、
トレーダー・ジョーとホールフーズがある。
それは居住区としての価値を高めている。

すべての視察を終えて、
ホテルにチェックインし、
すぐに夕食会場へ。

ベンジャミン・プライムステーキハウス。IMG_1644

第2陣リーダーの中田将成さんが、
乾杯のあいさつ。
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ハイネケンで、カンパーイ。IMG_1657

事務局席でもカンパーイ。
一日中、車中で講義した。
喉を潤すビールはとりわけうまかった。
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シーフードの盛り合わせの後に、
ポーターハウスステーキ。
テンダーロインとサーロインの両方を楽しめる。IMG_1666

最後はTボーンについた肉を食べる。
ここが一番おいしい。
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赤ワインをいただき、
ステーキを堪能した。

最後はデザートの盛り合わせ。
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疲れた体にスイーツが染みた。
最後まで大満足の夕食会だった。

ロピアNY研修2024、
第2陣がスタートした。

気力は充実、
体力も十分。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

ニューヨークでもそれは変わらない。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年01月17日(水曜日)

雪のマンハッタンの「休息の一日」

1月17日。

ニューヨーク・マンハッタン。

昨夜から雪が降って、
ビルの屋上にも積もった。

24階の自室の窓から見える景色。IMG_119934

遠景のハドソン川も煙っている。IMG_12014

建物の屋上から蒸気が上がっている。
映画のシーンのようだ。
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ザ・ニューヨーカーのロビー。IMG_12024

今日は休養日。

聖書の創世記。

神は一日目に、
天と地をつくった。

神は、二日目に空をつくり、
三日目に海と地をつくって、
地に植物を茂らせた。

神は、四日目に、
太陽と月と星をつくり、
五日目に、魚と鳥をつくった。

六日目には、動物をつくり、
この日、神は自分に似せて、
男と女を創造した。

アダムとイブと名づけた。

そして七日目に神は、休んだ。

私はニューヨークに来て、
5日目を休息の日とした。

そこで雪のマンハッタンを歩く。
ホテルのそばの地下鉄駅から、
サブウェイのC線に乗って、
81丁目まで。

アメリカ自然史博物館。IMG_12234

メトロポリタン美術館に行くつもりだったが、
この自然史博物館に寄ってみることにした。IMG_14764

自然科学・博物学に関わる標本・資料を公開。
動植物や鉱物、その歴史などが学べる。
1869年に設立された。


ロビーには巨大な恐竜の骨が展示してある。
バロサウルスの全身骨格。
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迫力満点。
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歩き回った。
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アフリカ象。
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建物空間も素晴らしい。
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雪が降って人が少ないのか、
ゆったりと回ることができる。IMG_12164

恐竜の骨は興味深かった。
アルバトサウルス。IMG_12174

アロサウルス。
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アパトサウルス。
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スミソニアン博物館ほどではないけれど、
なかなかよかった。IMG_12254
疲れたのでメトロポリタンはあきらめて、
セントラルパーク沿いの道を歩く。

ダコタハウス。
ジョン・レノンが住んでいて、
ここで銃弾に倒れた。IMG_12274

雪のセントラルパークだが、
歩く人が多い。
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30分も歩いたか、
七番街に面して、
コロンバスサークルに突き当たる。IMG_12464
真ん中にコロンブスの像が立っている。

そのコーナーのホールフーズ。
コロンバスサークル店。IMG_12414

この店の成功が、
ホールフーズの奇跡を生み出した。IMG_12424

創業者のジョン・マッケイは、
この店の成功に自信を得て、
マンハッタンをはじめとする大都市に、
大型店舗を増やしていった。IMG_12434
スープとクロワッサンでランチ。
レストランに入ると時間がかかるが、
デリやスープ、パンなどを買って、
コンビニエンスに食事することができる。

体も温まった。

五番街とセントラルパークがぶつかるところ。
プラザホテル。
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そしてアップルストア。
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傘をさして、マフラーを巻いて、
五番街をゆっくり散策。
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改装増築されたティファニー本店。
右隣はトランプタワー。
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世界的に著名なブランドショップを眺めながら、
ユニクロまでやってきた。IMG_12604

2011年10月14日オープン。
総面積は約2500坪、
売場面積は約1400坪。
世界の旗艦店だ。

2006年にはソーホー店が先駆けて開業した。

2007年のロンドン、
2009年のパリ、
2010年の上海。

日本では心斎橋。

それらの結晶のような店だ。

Brooks Brothersの跡地という、
絶好のポイント。
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入り口を入ると、
エスカレーターが3階まで伸びる。
ユニクロの実力がすべて表現されていて、
いつ訪れても圧倒される。
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マーチャンダイジングだけでなく、
プレゼンテーションも最高峰。IMG_12634

五番街にはZARAもH&Mも、
ギャップも出店している。

それらに堂々の勝負を挑んで、
負けてはいないし優位に仕事を進めている。

安心した。

それからサックスフィフスアベニュー本店。
昨年のホリデーシーズンを狙って、
クリスチャンディオールとサックスが、
コラボレーションのプレゼンテーションを展開。
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巨大なチェーン同士の同盟、
ソフィスティケートされたブランド同士の協業。
世界の消費産業はアライアンスの大潮流の中にある。

それがマンハッタン五番街にはある。

タクシーでホテルに帰って、
仕事を片付けたり休んだり。

夕食はラーメン「一蘭」。
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1960年に福岡で創業した豚骨ラーメン。

2016年10月にブルックリンに出店し、
このマンハッタン・ミッドウェストには、
2018年3月に進出した。
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入り口を入るとセルフオーダーする。IMG_14944

完全な仕切り付きの座席システム。
個人別カウンター。
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「味集中カウンター」と呼んでいて、
顧客にラーメンに集中してもらう仕組みだ。

仕切られたテーブルの反対側に、
係りの人間がいて、
御簾の向こうから追加注文を聞いてくれる。IMG_14914

そして青い手袋をして、
ラーメンやドリンクを出してくれる。IMG_14824

ハイ、出てきました。
豚骨のラーメンの麺とツユ。
トッピングは別になっていて、
自分で盛り付ける。IMG_148744

茹で卵はうまく割れなかったけれど、
こんな感じのラーメンになりました。
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博多生まれの結城義晴。
マンハッタンで豚骨麺を堪能しました。

浅野秀二さんと写真。
満足げだ。
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ホテルに帰って、午後8時。
自室でオンライン会議。

㈱True Dataの取締役会。IMG_E12713
便利な時代となりました。

私自身はちょっと疲れていたけれど、
True Dataはみんな元気いっぱい。

良い報告をしてもらいました。
ありがとう。

マンハッタンの休息の一日。
あまり休んだ気分ではなかったけれど。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年01月16日(火曜日)

米共和党アイオワ大会「トランプ勝利」とロピア米国研修1陣帰国

アメリカでは今、
アイオワ州が熱い。
「アメリカのハートランド」と言われる。
つまりはアメリカの中心地。

このアイオワ州で一番乗りで、
共和党の大統領候補者指名選挙が行われた。

ドナルド・トランプ前大統領が51%ほどを獲得、
2位はフロリダ州のロン・デサンティス知事、
3位はニッキー・ヘイリー元国連大使。
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予備選の前半のヤマ場は3月5日(火)。
「スーパーチューズデー」と呼ばれて、
15州の予備選・党員集会が集中する。

その後、7月15〜18日の共和党大会で、
正式に大統領候補が指名される。

このままトランプが共和党候補となると、
大変なことになる。

一方、民主党の候補者選挙は2月3日に、
南部サウスカロライナ州で開幕。

こちらは現職のジョー・バイデン大統領が、
8月19日〜22日の党大会で決まる。

さてロピア米国研修第1陣。

3日目の研修が終わると、
全員に自由視察時間が与えられる。

それぞれにマンハッタンの街を駆け巡る。
楽しんでほしい。

私たち講師陣と事務局はホテルに戻って、
それから夕方、集まった。
夕食はイータリー1号店の屋上レストラン。IMG_1449

電飾が美しい。
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相川博史団長と浅野秀二先生。
熱心に語り合った。
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事務局は今、ロピア傘下の㈱商人ねっと。
その工藤恵理佳さん(左)。
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スパークリングワインと赤ワイン、
そしてイタリア料理を楽しんだ。
左は東恩納歩さん。
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ホテルに帰って、疲れを癒す。
あっという間に朝が来て、
マーティン・ルーサー・キング牧師記念日。
アメリカの祝日。

私の部屋の窓の外の景色。IMG_11874

高層ビルの間にハドソン川が見える。IMG_11884

朝9時、リムジンバスで出発。
最後の車中講義で、
「自ら、変われ!」と訴えた。

40分ほどでジョン・F・ケネディ空港。IMG_11804

祝日でフリーウェイも空港も、
ガラガラ。

チェックインを済ませて、
全員写真。
IMG_11944
全員が満足の顔つきで、
帰国の便に乗り込んでいった。

全員に大きな期待を寄せたい。

ロピアはチーフ以上の全員が、
ニューヨーク研修を受ける。

毎年、200人に及ぶ。

それがロピアのビジョンと戦略を知覚し、
仕事に向き合う強い意思につながる。

私たち講師陣と団長と事務局は、
ニューヨークに残って、
第2陣を迎える。

ホテルまでは電車で帰ることにした。

エアトレインに乗る。
IMG_11824

地下鉄に乗り換えるときに、
チケットを買う。
IMG_11814

ガイドさんに助けてもらって、
チケットをゲット。
IMG_11964

ゲートを出る。
IMG_11974

地下鉄に乗り換えて、
ペンシルバニア駅へ。

そのマディソンスクエアガーデン。IMG_11834

ホテルはこの駅のそば。

ランチは韓国料理。

その途中にプレタマンジェ。
イギリス発のサンドイッチショップ。IMG_11854

2000年にアメリカに進出。
成功とはいいがたいが、
一定の成果を上げている。IMG_11864

第1陣を送り出して、
少しほっとした。

マンハッタンはどんどん寒くなる。
雪もちらつき始めた。

第2陣は極寒の中の研修となる。

それもよし。
頑張ります。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年01月15日(月曜日)

ロピアNY研修3日目のEataly/Wegmans/Whole Foods

Everybody, Good Monday!
[2024vol③]

2024年第3週。
1月15日は日本では月曜日。

しかしアメリカは14日の日曜日。
ニューヨークに来て3日が過ぎた。

2024年のロピア米国研修。
第1陣の視察も今日が最終日。

毎朝の講義。
ザ・ニューヨーカー・ウィンダムホテル。
3階の会議室。
IMG_1228

いつものようにロピアの経営理念と、
7大用語の唱和。
IMG_1227

相川博史団長が重要なスピーチ。
IMG_1231

ロピアが何を目指しているのか。
なぜニューヨーク研修に、
全チーフを派遣するのか。
そのチーフは何をなすべきなのか。

ロピアの方向性を、
実にわかりやすく語ってくれた。
相川さんのスピーチは淡々としているが、
抽象的な内容をうまく表現する。

良い講話だった。

そして結城義晴の講義。
IMG_1240

相川さんの講話に続けて、
アメリカ小売業の理念経営を紹介した。
それから働きがいのある企業ランキング。
そしてカスタマーサティスファクションと、
エンプロイーサティスファクション。
IMG_1238
そのあとは、
肝心かなめのフォーマット戦略と、
ポジショニング戦略。

ニューヨークで実際に店舗を見て、
米国人マネジャーたちの話を聞いたあと、
戦略論を説明すると、
本当によく理解してくれる。

日本にいるときに、
いくら熱を入れて講義しても、
よほどの予備知識と理解力のある人以外は、
なかなかわからない。

ところがウォルマートを訪れ、
ターゲットを訪問すると、
その違いがわかる。
ポジショニングが理解される。

トレーダー・ジョーを見て、
ホールフーズを堪能して、
ウェグマンズを楽しんだら、
それぞれのフォーマット戦略が、
くっきりとわかる。IMG_1252
熱を入れて早口で講義したが、
今日は商品論まで到達できなかった。

オーガニックとプライベートブランド、
そしてバリューエンジニアリングなどは、
残りのわずかな時間に補足的に講義する。

セミナーが終わると、
リムジンバス。

最初に向かったのは、
ワンワールドトレードセンター。
9.11の跡地の再開発エリア。
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世界で一番美しい駅「オキュラス」。
スペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバの設計。
IMG_1256
ここで静かに記念撮影。

それから鎮魂のプール。
ツインビル跡地につくられた。

短い観光を済ませると、
マディソンスクエアガーデンのそばにある、
イータリーへ。

2010年にオープンした、
ニューヨーク1号店のFLATIRON店。
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店舗は変形の十字型。
左手の入口から入ると、
イタリアの八百屋がある。
IMG_10214

店舗中央にはイタリアの魚屋。
IMG_1267

コンセプトは「学び、食べ、買う」。
市場であり、食堂であり、学校のような店。
「グロサラント」の極致。
日本でも話題になった。

その市場の肉屋。
IMG_1270

今もニューヨーカーに大人気だ。

生パスタ売場。
IMG_1273

Venchiはチョコレート専門店。
カラフルな売場づくりだ。IMG_10314

十字型の真ん中のスペースには、
どこからでもアクセスできるレストランがある。IMG_10294

市場の中に食堂がある。
食べて、見て、買って、楽しむ。IMG_10174

コロナ禍によって外食需要は激減。
しかし今、レストランの需要は戻ってきた。

だから対比的に商品の販売は苦戦か。

売場の至る所でセールを展開していた。
こちらは「ポップアップセール」のコーナー。
月刊商人舎12月号で特集した。
IMG_1279

開業後13年を経て、
地域になじんだイータリーだ。
IMG_10394
この建物の14階の屋上には、
イータリーのレストランがある。

次に向かったのは、
今回の視察の目玉。
ウェグマンズ・アスタープレイス店。
マンハッタン1号店だ。IMG_1288

ロワーマンハッタンの百貨店ワナメイカーの建物。
IMG_1287

地上1階と地下1階の2層店舗。
1階がウェグマンズのフードサービスゾーン。
デリ売場と寿司売場とベーカリー売場。
そして集中レジ。
IMG_1297

中央に作業場を設けたデリ。
IMG_1304

さらに壁面沿いにピザやアジアンフードなどを配置。IMG_1317

地下1階を結ぶのは1カ所のエスカレーター。
ショッピングカート専用エスカレーターが、
両サイドに設置されている。
これがなければカートショッピングができない。IMG_1322

地下1階は生鮮3部門とデアリー(乳製品)と、
冷凍食品、グロサリーの売場。
秀逸のフロアとなった。

その入口の青果部門。
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ウェグマンズらしく、
平台を多用して、豊富な品揃えだ。
IMG_1349

この店でウェグマンズは大きな挑戦を試みた。
日本の魚売場を本格的に展開したことだ。

日本の㈱魚力が全面的に協力している。

日曜のこの日、
まぐろの解体ショーを行った。IMG_1340

責任者のエイドリアン M・ハッチンズさんが、
大ぶりのまぐろを準備する。IMG_1348

実演の口上もよく練られていて、
見事なショーとなっている。
kaitai

そのエイドリアンさんにインタビューした。
32歳の好青年。
IMG_1369

「日本の魚文化に敬意を持っています。
本物の魚売場を全店で展開したい」
(インタビューの詳細は月刊商人舎2月号で掲載する)
IMG_11184

㈱魚力から指導に訪れている壁巣恵弥さん。
エイドリアンさんから全幅の信頼を得ている。
壁巣さんも加わって記念写真。IMG_1387

最後の視察店は、
ハドソンヤードにある、
ホールフーズ。
IMG_11764

Now Open!
IMG_1431

1階には対面ドリンク販売コーナーと、
コンビニエンスフードのショップがある。
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エスカレーターを登った2階が本格売場。
ミートとシーフードは対面売場だ。IMG_1435

チーズショップも対面方式。IMG_1439

店中が白い什器でつくられていて、
清潔感と美観を兼ね備えている。IMG_1440

ホールフーズが考え出したセルフデリ売場。
IMG_11634

そしてセルフレジ。
キャッシュはお断り。IMG_11664

2階のフードコートでランチ。
相川博史団長と事務局の商人ねっとのお二人。IMG_11714
研修3日目は2時間の講義と、
イータリー、ウェグマンズ、
そしてホールフーズマーケット。

尖がった店ばかり。
際立つポジショニングの店舗だけ。

濃密で豊かな視察研修の1日だった。

では、皆さん、今週も、
Good Monday!
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年01月14日(日曜日)

「台湾総統選挙」とロピア・ニューヨーク研修2日目の「競争の激化」

華民国の総統選挙。

国民全体の直接選挙で、
正副総統が決まる。

「台湾民主化」の父と言われた李登輝総統。
その李第4代総統が1994年に、
中華民国憲法を改定して制度化した。

任期は4年。

だからアメリカ合衆国大統領選挙と、
同じ年に行われる。

そして今回は、
与党・民進党の・現副総統が当選。
蔡英文現総統の路線を継承する政治家だ。
20221128502375

中国の威嚇に強く反発する姿勢を貫く。
それを国民が支持したことになる。

副総統には蕭美琴駐米大使が就任する。
新しい副総統も親米反中である。

投票率は71.9%。
前回の2020年選挙よりも約3ポイント下がった。
それでも高い投票率で、国民が反中を支持した。

頼新総統の得票率は40.05%。

中国の習近平指導部は頼氏を敵視してきた。
台湾独立志向の強い「トラブルメーカー」と。

しかしそれこそが台湾の民主化である。

総統選と同時に実施された立法委員選挙は、
中国派の国民党が52議席で第1党となった。
民進党は1議席の差で第2党に転落した。

まだまだ大変な国情に変わりはない。

日本の上川陽子外相は談話を発表。
「民主的な選挙の円滑な実施と
頼氏の当選に祝意を表する」

「基本的価値を共有し、
緊密な経済関係と人的往来を有する
極めて重要なパートナーで、
大切な友人だ」

これに対して、中国はすぐに反発した。

それでも日本の意思を示したことは、
高く評価されるに違いない。

さて、私はニューヨーク。
日本を発って、
ブルックリンを中心に廻った初日は、
26時間ほど不眠不休だった。

ぐっすりと眠って、
二日目となった。

ロピアのニューヨーク研修2024の第1陣。

朝8時から結城義晴の講義。
The New Yorker Wyndham Hotelの会議室。

初めにロピアの経営理念と7大用語の唱和。
IMG_1070

1日の行動はここから始まる。
IMG_1072

初日のおさらいをしてから、
「アメリカ視察の基本的な態度」

ここから始まる。

商業界主幹倉本長治
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」
つまりアメリカをすべて信じるな。

ピーター・ドラッカー
「基本と原則を補助線にせよ」

基本や原則と言われるものは、
補助線と考えて、
自分の目の現実を、
アメリカの現場で見て、聞いて、
自分で判断せよ。

そして「コンシューマー・ドクトリン」
故ジョン・F・ケネディ大統領が、
1962年3月に宣言した。

第一に、安全である権利。
第二に、知らされる権利。
第三に、選択できる権利。
第四に、意見を聞き遂げられる権利。

米国の消費産業は、
この消費者の権利を最優先する。

そしてアメリカ小売業の二つの共通理念。

サム・ウォルトンの言葉。
Retail is Detail.
「小売りの神は細部に宿る」
Take Care of Customers and Associates.
「お客様と仲間たちに配慮せよ」

日米に共通する重要な指針。

第1に、客数主義。
第2に、それが伸び続けること。

最後に4つの目。
すなわち虫の目、鳥の目、魚の目、
そして心の目。

ここから講義は始まる。

アメリカで学ぶために、
経済動向や人口動態なども、
知っておかねばならない。

それらをわかりやすく説明した。

ニューヨークのマーケット動向も、
データをもとに解説した。
IMG_1073

コロナが米国の消費者と小売業に、
どのような変化をもたらしたのか。
その変化は早まったのか。IMG_1077

インディペンデント企業の優位性を、
アメリカのパブリックスやウェグマンズを例に、
強調した。

そしてロピアが目指すべき方向を、
結城義晴の視点で力説した。
IMG_1079

レース型からコンテスト型に変わり、
寡占、三占、複占へと大きく変化した。

これも競争戦略として、
認識しておかねばならない。

ロピアを取り巻く日本の小売環境は、
大きく変わっていく。IMG_1088

8時から9時50分までの110分間、
小売業の競争のダイナミズムを
結城義晴の持論を交えて講義した。

そして専用バスに乗り込むと、
1時間ほどかけて、
ニュージャージー州のウッドブリッジへ。IMG_0855

やってきたのはウェグマンズ。
IMG_1102

2階にイートインスペースがあり、
美しい売場を見下ろすことができる。
IMG_0894

市場感のある青果売場。
これがウェグマンズの第一の魅力だ。
IMG_1104

その奥のチーズ売場。
世界中から商品を調達する。
IMG_0874

鮮魚は氷を敷いて対面で販売。IMG_0867

昼食はウェグマンズのデリ。
相川博史団長が、
たくさんデリを買い込んで、
皆にどんどん試食させる。
これがロピアの企業文化だ。

全員で記念撮影。
IMG_1091

ラブラブロピアのハートマークでも。
IMG_1097

ウッドブリッジから北上して、
モリスタウンのショップライトへ。
IMG_0946

ボランタリーチェーンの1店。
ショップライトの中でも秀逸の店。
IMG_0900

生鮮3部門やインストアベーカリー、
さらにデリカテッセンなどは、
屋号サインを掲げた店づくり。
これはロピアと同じだ。
IMG_0913

大人気の「ボアーズヘッド」ブランドも扱う。IMG_0901

レジでは地元の高校生が、
黄色いT シャツ姿で課外研修。
地域社会との連携として、
実にいい取り組みだ。
IMG_0943

すぐそばで競争するリドル。
ドイツ出身のボックスストア。
アルディより遅れて2017年に米国進出。
すでに170店舗ほどに成長。
IMG_0976

導入部は青果とベーカリー。
ベーカリーの什器はオリジナルで、
アルディよりもずっと買いやすい。
しかもおいしい。
IMG_0951

アルディと同じフォーマットだが、
大きな違いはウィークリープロモーション。
売場の各所で真っ赤なサインを掲げ、
お買い得商品を訴求する。
IMG_0954

アルディは1979年に米国進出を果たした。
リドルが38年後に登場した。

両者が競争を始めると、
ウォルマートでもうかうかしていられない。
ウェグマンズにも危機感がある。
現にイギリスではテスコまで甚大な被害を受けている。

「競争の激化」の新しい局面である。
注目しておかねばならない。

急遽、ハドソンパークに立ち寄る。
ニュージャージー州のハドソン河畔。
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青空の下で摩天楼を一望できる。
IMG_1172

後半の視察は、
ブロードウェイ沿いの4店舗。
歩きながら自由に視察する。

ゼイバース。
たった1店舗だけだが、
固定客がしっかりついている人気の店。IMG_0988

世界中から集められたチーズ。IMG_0982

スモークフィッシュ。
この店が誕生した時からの、
名物商品だ。
IMG_0984

そして自家焙煎のコーヒー。IMG_0986

ニューヨークデリのシタレラ。IMG_0994

惣菜と鮮魚の強い スーパーマーケット。
だから多種多様な魚介類が並ぶ。
もちろん対面販売。IMG_0989

フェアウェイマーケット本店。IMG_0995

青果出身でボリューム陳列が特徴だったが、
コロナを経て、青果売場はやや縮小された。IMG_0997

コロナ以上に、
周辺のスーパーマーケットに影響を与えたのが、
トレーダー・ジョー。IMG_1194

地下1階と2階の2層店舗。
大繁盛店だ。
IMG_1196

バナナ売場には、
ビルをよじ登るゴリラ。IMG_1198

2層の売場はエスカレーターで
ワンウェイコントロールされる。
ショッピングカート専用のレーンは必須だ。
だからお客は気兼ねなく、
たくさんの商品をカートショッピングすることができる。IMG_1205

2層店舗の理想形だ。

同じビルの1階と2階には
ドラッグストアのデュアンリードが入っている。
ウォルグリーン傘下。

1階はコンビニ機能。IMG_1218

2階はHBCとファーマシーだが、
ほとんどの棚がガラス棚で
鍵がかけられていた。

少ない人数で運営しているから、
驚くほどに万引きが多い。

もはやself-serviceではなくなっている。IMG_1219

すべての研修を終えて日が暮れると、
街はエキサイティングなネオンに彩られる。
タイムズスクエアは人人人。IMG_0999

夕食は近くの中華料理店「シェフ ユー」。IMG_1008

相川博史団長と講師陣、それに事務局。
ニューヨークの飛び切りの中華を楽しんだ。IMG_1224

いい研修が終わると、
みな、優しい笑顔になれる。

発見や収穫も多かった。

今日も一日、お疲れさま。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2024年01月13日(土曜日)

2024年最初の米国訪問はエキサイティング・ニューヨーク

1月12日、午前7時に、
横浜エアーターミナルへ。
通称、YCAT。

リムジンバスに乗り込んで、
ベイブリッジを渡る。

横浜港が美しい。
IMG_06664

そして富士山とみなとみらい。  IMG_06844

40分ほどで羽田空港国際線の第3ターミナル。
IMG_06914

羽田も正月の衝突事故から復旧した。
IMG_06924

今日から21日まで、
ロピアのアメリカ研修会。

その第一陣の出発。
掲げられたロピタを目印に、
団員が集合してくる。
IMG_0935

全員が揃って、簡単な団結式。
IMG_0940

団長の相川博史取締役が、
研修の目的を説明。
IMG_0944
ロピアは全チーフがこの米国研修を受ける。
今回は1月と2月で200名となる。

そして第1陣リーダーの黒澤誠さん。
IMG_0948

チェックインすると、
私はラウンジで恒例のJALカレー。
IMG_E06954

11時05分発のJAL006便。
しかし15分ほど遅れて出発。IMG_0703

大谷翔平が送り出してくれた。
IMG_06974

12時間15分のフライト。
今回は映画を3本見た。

快適な旅で、
ジョンFケネディ国際空港に到着。

すぐに専用バスで、
ロングアイランド地区へ。

なんといっても最初はウォルマートへ。
世界最大の小売業にして、
世界最大の企業。
IMG_0704

鳥が一列に屋根に並んでいる。
やってくる顧客を眺めているようだ。
そして星条旗がはためく。
これこそアメリカの象徴だ。
IMG_0745

ウォルマートは金曜にもかかわらず、
多くのお客がやってきている。
IMG_0971

アメリカは来週の月曜が、
キング牧師記念日の祝日。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日を
国民の祝日としたもの。

三連休を前に、
たくさんの品を買い出しにきている。

そんな混雑の中でも、
できるだけ団員に説明する。
IMG_0955

質問にも答える。
IMG_0958

もちろん車中でも講義する。
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5000坪級のスーパーセンターの次は、
1万平方フィートのトレーダー・ジョーへ。IMG_0748

280坪のリミテッドアソートメントストア。
ここでは店長のインタビューもできた。
現地コーディネーターの
浅野秀二さんが活躍した。

しかし顔出しや店内撮影はNG。

そこで買物をして感謝。
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続いてターゲットへ。
大型のパワーセンターの核店舗。
IMG_0984

ウォルマートと同じように、
主に二つのフォーマットを展開する。
ディスカウントストア「ターゲット」と
食品強化の「スーパーターゲット」。

そしてこの店で驚くものを発見した。

実にいい店だった。
詳細は月刊商人舎で報告しよう。

同じモールの一角にある
アルディ。
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ドイツ発祥のボックスストア。

トレーダー・ジョーも、
アルディ資本の傘下にある。

2023年末段階で、
全米に2813店を展開する。
全米チェーンストアランキングでは、
合わせて15位。

アルディは店数では、
ウォルマート、クローガーに次いで、
全米第3位となった。

さらにアルディの並びにある
ショップライト。
IMG_1039

ニューヨーク・ニューアーク地区において、
市場占拠率では19%の1位。

ただしボランタリーチェーンだから、
企業によって、店によって、
善し悪しがある。

この店は乱雑ではあるものの、
大繁盛店だった。

ボランタリーチェーンの実力が、
飛躍的に向上している。

初日の視察の最後は、
ブルックリン地区。
ホールフーズ環境対策店。 IMG_1040

店中に環境対応の工夫が施され、
2階の屋上部分には、
水耕栽培の温室「ゴッサムグリーン」がある。IMG_0822

久々に訪問した。

新築の時も美しい店だと思ったが、
時が経っても美しさが磨かれている。
そんな印象を受けた。IMG_0848

こうしてニューヨーク初日は、
6店舗を視察した。

そしてホテルへ。
ミッドタウンにある
ザ・ニューヨーカー・ウィンダムホテル。
IMG_1047

チェックインして荷物を部屋に収めると、
専用バスで夕食会場へ。
ベンジャミン・プライムステーキハウス。
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初めに相川団長のあいさつ。
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乾杯の発声は
浅野秀二さん。
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三人でビールの乾杯。IMG_1061

前菜はシーフードの盛り合わせ。IMG_1064

メインはポーターハウスステーキ。
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1皿が2人前。
テンダーロインとサーロインを、
両方味わえるステーキの王様。

この店には岸田総理もやってきた。
マネジャーが出てきて、
嬉しそうにツーショットの写真を見せてくれた。

本物の味を食べて、学んでもらう。
それがロピアの研修だ。

私も大満足。
IMG_1067

機内でちょっと仮眠したが、
講義をし続けて、
24時間以上も活動した。

これから10日間、
ニューヨークを駆け巡る。

しばしのお付き合いを、
お願いしておく。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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