結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年03月07日(水曜日)

世界長者番付の逆転と万代知識商人大学3期開講のMission

恒例のForbes誌の世界長者番付。
「The World’s Billionaires」
2018年版が発表された。
個人保有資産額ランキング。

トップ3は、
1位 ジェフ・ベゾス1120億ドル
1416x416
〈写真はForbes電子版より・以下同じ〉

2位 ビル・ゲイツ900億ドル
6416x416

3位 ウォーレン・バフェット840億ドル
7416x416

去年からの予想通り、
Amazon.comのジェフ・ベゾスが、
マイクロソフトのビル・ゲイツを抜いた。

1ドル100円換算ならば11兆2000億円。
1年間の増額分は392億ドル。
これは過去最高の増加幅。

これまで4年連続だったビル・ゲイツは、
慈善活動に多額の資産を寄付して、次点。

ウォーレン・バフェットは、
このブログにもよく登場する投資家。
ウォルマートの株はもちろん、
ネブラスカファーニチャーマートなどの、
実質的なオーナー。

5位にマーク・ザッカーバーグ。
フェイスブックのオーナーで710億ドル。

14位 ジム・ウォルトン464億ドル
15位 ロブソン・ウォルトン462億ドル
16位 アリス・ウォルトン460億ドル

ウォルマートのウォルトンファミリー。
合計すると依然1386億ドルで、
ベゾスを抜いて実質的なトップだ。

世界の長者は第1位と第2位が、
ウォルマートとアマゾンとなる。
どちらも小売業。
リアル小売業とオンライン小売業。
そのウォルマートも、
オンラインに力を入れる。

アリババのジャック・マーが、
20位で390億ドル。

日本からは、
39位 孫正義227億ドル
ソフトバンクグループ。
55位 柳井正195億ドル
ファーストリテイリング。

世界では小売業とIT。
日本でもITと小売業。

二つの産業が21世紀をリードする。

両者をまたいだIT小売業が、
Amazonである。

ちなみにドナルド・トランプは、
766位で31億ドル。
昨年の544位からダウン。
当たり前だ。

さて今日は東大阪市へ。
(株)万代本社会議棟。

万代知識商人大学第3期がスタート。

大ホールに3期生と役員幹部が揃う。
DSCN8045-1

阿部秀行社長が開講のあいさつ。DSCN8053-1

後列では、万代の役員が見守る。
DSCN8051-1

3月から来年の1月まで、
10カ月間、 受講していく。
学んだことを実行する。
知識は実践する。
それが次代の幹部候補生へのメッセージ。
DSCN8056-1

学長として、
結城義晴も開講のあいさつ。
DSCN8064-1

世界最初の企業内大学は、
ゼネラル・エレクトリックによって開かれた。
そのGEの教育思想は、
「Big Thinker」を育てること。
大きな視野と高い視点を持った人財。
万代知識商人大学も、
そんな知識商人を養成したい。DSCN8059-1

それから一人ひとり壇上で、
阿部社長から辞令を受ける。

第3期生は店長やチーフ、
エリアマネジャーや商品部バイヤーなど、
各部署から選抜された30名。
DSCN8068.-1JPG

4人の女性もいる。
それぞれ部門チーフで活躍している。
DSCN8076-1

辞令式が終わると、
芝純常務取締役があいさつ。
3期生への強い期待を込めて
営業管掌として激励。
DSCN8079-1

辞令を受けたばかりの3期生たち。
緊張の面持ち。
DSCN8083-1

開講式の最後のスピーチは、
不破栄副社長。
後になってから、
学んだときのテキストを振り返る。
それが仕事や人生に役立つ。
学習の心構えを語ってくれた。
DSCN8087-1

開講式が終わると、
2階の会議室に移動して、
第1回目の講義。
DSCN8121-1

1回目のテーマは、
ミッション・マネジメント。
DSCN8124-1

倉本長治商業界初代主幹が唱えた、
商売十訓の意味。
ドラッカーが説いた
マネジメントの3つの概念。

それを丁寧に講義。
DSCN8126-1

さらに、万代のミッションやビジョン。
日本一 買い物に行きたい店舗。
日本一 働きたい会社。

私の持論を展開し、
万代ビジョンを解説して、
午前中の2時間は、
あっという間に過ぎる。
DSCN8130-1

昼食後は、
阿部社長の講義。
DSCN8135-1

万代は2024年4000億円企業を目指す。

2018年のスローガンは
「新たな挑戦をやり抜く力」

お客様に喜んでもらうために、
楽しい仕事をするために、
何をなすべきか。
DSCN8136-1

その後は、また結城義晴。
パワーポイントを使って講義。
災害時の小売業の使命感から、
AI 時代の人間力経営まで、
3時間ほど語った。
DSCN8138-1

初日は一日中、
阿部社長と芝常務が聴講してくれた。
DSCN8140-1

ミッションマネジメントは、
経営にとって最も上位に位置するものだ。

ミッションを持たなければ、
企業経営は成り立たない。

だから初日の講義は力が入った。
DSCN8143-1

講義を終えて、
3期生が一人ずつ決意表明。
DSCN8148.-1JPG

3期生の級長は日下幸生さん。
商品部ドライグロサリー部マネジャー。
DSCN8150-1

店長職が敬遠される時代。
「店長になりたくない症候群」が蔓延する。
万代の部門チーフの多くが、
「店長になりたい」と意思表示した。
これはとてもよかった。
DSCN8154-1

6つのグループに分かれて、
講義についてのディスカッション。DSCN8157-1

最後の最後に、
結城義晴の文章法・訓練法を伝授。
毎月、講義レポートが課せられる。
そのためのアドバイス。DSCN8161-1

書くことは考えることにつながる。
毎回毎回、頑張って考察し、
自分なりのレポートを仕上げてほしい。DSCN8162-1

最後は、阿部社長とツーショット。DSCN8165-1
今日一日、お付き合いいただいた。
心から、感謝。

Amazon.comもマイクロソフトも、
ウォルマートもフェイスブックも。
ソフトバンクも、
ファーストリテイリングも、
そして万代も。
ミッションマネジメントが上位にある。

企業の社会的使命である。

そのミッションこそが、
企業という法人がダイナミズムを堅持し、
個人が企業に集ってくる根拠である。

〈結城義晴〉

2018年03月06日(火曜日)

「消費者の満足の物差し」と「心に火をつける教師」

啓蟄や公園に児(こ)ら湧き出せり
〈朝日俳壇より 厚木市・北村純一〉

今日は啓蟄です。
二十四節気の二月節。
「啓」は開くこと。
「蟄」は虫が土中に隠れ閉じこもること。
だから啓蟄は、
冬籠りしていた虫が這い出ること。

春です。

しかし横浜は北風。
ちょっと寒い。

午後、その横浜から、新幹線のぞみ。
丹沢山系はうっすらと美しい。
IMG_4283.JPG8

しかし富士は雲のかなた。
DSCN2174.JPG8

そのかわり、滋賀県に入ると、
伊吹山がくっきり。
まだ頂にちょっとだけ雪が残る。
DSCN2187.JPG8

6時ごろ新大阪について、
すぐに生田区の今里新地へ。
料亭「久恵」。

初めにエンドウ豆。
春を感じさせてくれる。
IMG_4284.JPG8

突き出しも春満開。
時計回りに、
茗荷の寿司、そら豆、唐墨、うるか。IMG_4286.JPG8

刺身盛り合わせ。
IMG_4287.JPG8

明日から第3期万代知識商人大学が始まる。
そのささやかな前夜の宴。

阿部秀行社長。
そしてこの久恵の若女将・山下幸恵さん。
IMG_4916.JPG8
山下さんは(株)万代の秘書室勤務。
志願して、傘下の久恵の若女将になった。

勇気がある。

そして万代大学関係者揃って写真。
前列は芝純新常務取締役営業部門管掌。
後列は河野竜一取締役人事部長。
東尾里江人事部マネジャー、
同じく津田睦人事部マネジャー。
IMG_4924.JPG8
今年も30人の第3期生が選抜されて、
明日から1年間の企業内大学の講義。

がんばります。

さて「今日の名言」。
日経ビジネスオンライン。
消費者の
「満足」の物差しが
変わりつつある。
〈桑津浩太郎野村総合研究所研究理事〉

「名言」というほどのものではないが、
トレンドをとらえていると思う。

「ネット上でより安い、
いいものを見つけて
手に入れるのはもちろん。
さらにはゲームや
有名アーティストの動画・音楽も
かなりを無料で楽しむことが
できるようになっている」

「自分で撮影した写真や文章を
SNSに載せて『いいね』が得られれば、
承認欲求を満たすこともできる」

「個人は低いコストで
満足を得られる時代になったわけだ」

これは重要なことだ。

「良いものをどんどん安く」
故中内功さんの理念。
ダイエーのコンセプト。

個人が、
低いコストで、
満足を得られる。

怖ろしいことだが、
それに一番近い店や企業が、
マーケットリーダーとして繁栄する。

ウィリアム・アーサー・ウォード。
イギリスの神学者で哲学者。

The mediocre teacher tells.
The good teacher explains.
The superior teacher demonstrates.
The great teacher inspires.

西沢潤一元東北大学総長が、
自著『教育の目的再考』の中に引用した。

凡庸な教師はただ喋る。
良い教師は説明する。
優れた教師は自ら示す。
偉大な教師は心に火をつける。

私も、心に火をつける教師でありたい。

〈結城義晴〉

2018年03月05日(月曜日)

学習院マネジメントスクール創始者・田島義博の「成長と膨張」

Everybody! Good Monday!
[2018vol10]

2018年第10週。
3月に入って第2週。

暖かくなりました。
ほんとに。

このブログは「52週MD」に則って、
1月1日の週を第1週として、
毎週月曜日にその週を、
第〇週と数えていきます。

つまりWeekly Management。

今週はその第10週。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。

しかし今年の2月は、
平昌冬季五輪があって、
私はそんなに早くは感じなかった。

しかし、三月、去る。

まだパラリンピックはあるし、
春のセンバツなども始まるが、
なんだか早そう。

それでも3月11日は忘れてはならない。

今日の日経新聞巻頭コラム「春秋」
「福島県、宮城県、岩手県の被災地で、
除染や宅地整備が進む。
しかし街や集落が
元通りになるわけではない。
一つの土地で生きてきた人たち、
一つ屋根の下で暮らした家族が
戻る人と戻らない人に分かれる」

「危険を恐れる人と
安全を信じる人が言い争う。
震災からこれまでに、
人々の分断も進んだ」

復旧⇒復興⇒振興。

振興の段階にまで、
来なければならないが、
しかしまだ復興の段階だ。

そのなかで人々の分断も進む。

その中で東日本大震災が、
風化しつつあるという。

今年の3月11日で7年が経過する。

1週間後の18日(日)は彼岸入り。
多くの魂を弔い、
2020年の東京オリンピックには、
日本が復旧・復興・振興の、
世界のモデルであることを示したい。

雪晴と云ふ静けさのありにけり
〈朝日俳壇より 亀山市・鈴木秋翠〉

(稲畑汀子選評)辺り一面、
真っ白な雪晴れの町の静けさ。
雪に音を吸収されてしまったのか。
あるいは、雪で人の往来がなくなり、
静かなたたずまいへと
一変したのであろうか。

縄跳びの少女光と風と跳ぶ
〈朝日俳壇より 熊谷市・内野 修〉

(大串章選評)
少女が元気に縄跳びをしている。
「光と風と跳ぶ」が明るく健やか。
縄跳びは冬の季語だが、
春も間近といった感じ。

紅の蕾に生るる梅真白  
〈芦屋市・酒井湧水〉

(稲畑汀子選評)紅色をしていた蕾が
解けて白梅が咲いた驚き。

梅の季節だ。

さて今日は一日、
横浜商人舎オフィス。
学習院マネジメントスクールから、
湯沢威名誉教授と、
林純子事務局長来社。
IMG_4895.JPG8
学習院マネジメントスクール。
創始者は、
故・田島義博前学習院院長。tajima_mono

田島先生は日本の流通業、
さらにチェーンストアにとって、
大恩人ともいうべき、
学者であり、教育者だ。

何しろ林周二著『流通革命』の生みの親。
この本の発刊の1962年当時、
田島先生は日本能率協会所属、
月刊「マネジメント」誌編集長。
この媒体から『流通革命』が誕生した。

5年後の1967年、
日本チェーンストア協会が発足。
そのときにも田島先生は、
初代会長の中内功さんを助けて、
さまざまな側面から骨を折ってくださった。

その後、第3代会長の伊藤雅俊さんとは、
ずっと交流を深めた。

伊藤さんの次男の伊藤順朗さんは、
学習院大学の田島ゼミの出身だ。
現在、セブン&アイ・ホールディングス常務。

田島先生は、
日本商業学会会長、
日本ダイレクトマーケティング学会会長、
社団法人消費者関連専門家会議会長、
通商産業省大規模小売店舗審議会会長、
国税庁中央酒類審議会会長、
農林水産省食品流通審議会会長など、
数えきれないくらいの要職を務めた。

その田島義博先生が、
2001年に創設したのが、
学習院マネジメントスクールだ。

その構想は、
「日本の企業と産業界の再活性化に
教育を通じて貢献する」

中核となっているのが、
田島義博記念DSCM基礎コース。
Dはディマンド、Sはサプライ、
Cはチェーン、Mはマネジメント。

サプライチェーンだけでは足りない。
ディンマンドチェーンも必須だ。

それが田島先生の考え方。

現在の所長は、
上田隆穂経済学部教授。

私もいまは、
学習院マネジメントスクール顧問で、
このDSCM基礎コースで、
巻頭講座の流通概論などを担当する。
DSCN4592-7

田島先生が生きている。
そして講義を聴いている。

いつもそれを意識して、
熱を入れて講義する。

だから2時間を超え、
2時間半に至ることもある。
DSCN4615-7
今日はこのDSCM基礎コースの、
新年度の打ち合わせ。

雨の中、わざわざ、
横浜までおいで下さった。
ありがとうございました。

今年もがんばりましょう。

この田島スクールの価値を、
高め続けましょう。

田島先生の教えで、
特に印象に残っていることは、
やはり「成長と膨張」だ。
『成長と膨張―新しい流通を考える』は、
1977年の発刊。

会社が大きくなる。
そこには二通りの道がある。
一つは成長。
もう一つが膨張。

技術が革新され、
マネジメントの質が高くなる。
人々の強みが生かされる。
その結果、会社が大きくなる。
それが成長である。

一方、革新はないけれど、
ヒト・モノ・カネをつぎ込んで、
小売業の場合、店数だけ増やす。
人々は疲弊する。
すると会社が大きくなるほどに、
経営は難しくなる。

これは膨張である。

会社に限らない。
店にも同じことがいえる。

膨張であって、成長でないことが多い。

田島義博先生の教えは、
今も重要な意味を持っている。

英国のウィンストン・チャーチル卿の言葉。
We make a living by what we get,
but we make a life by what we give.
私たちは何かを得ることで生計を立て、
何かを与えることで生きがいをつくる。

では、みなさん、今週も、
膨張ではなく、成長を。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2018年03月04日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その62】鰆(サワラ)

猫の目で見る博物誌――。
IMG_6903-4-10
春の魚は、サワラ。
「魚」に「春」と書いて、「鰆」です。

サワラは、
スズキ目・サバ科に属する海水魚。
学名はScomberomorus niphonius。
sawara

サバの仲間だが、上品な味だ。

そして「出世魚」。

稚魚から成魚までの成長の段階で、
異なる名称を持つ魚。

サワラは大型の、細長くて平たい体形。
「狭い腹」だから「狭腹」と書いて、
「サワラ」と読む。

幼魚は「サゴシ」。
40~50㎝で、
「狭い腰」から「狭腰」ともかく。
50~60㎝を「ナギ」、
そして60㎝以上の成魚を、
「サワラ」と呼ぶ。

春の魚の代表のように見られているし、
俳句の季語でも春。

しかし、サワラは春に産卵し、
その産卵のために沿岸に近づく。
だから春に人間の目に留まりやすい。

そこで「春を告げる魚」として、
「鰆」となった。

その春から夏、秋にかけては、
海岸線に近い沿岸の、
海面に近い表層を群れで遊泳する。
この時期に成長する。

冬になると深場に潜る。
成長しない。

動物に多いが、
メスの方がオスよりも大型。
寿命もメスが8年ほど、
オスは6年くらい。

産卵期は春から初夏。

生後1年ほどで40~50cmほどに成長し、
以後は2歳で68cm、3歳で78cm、
4歳で84cmといった成長を見せる。

色は背側が青色、腹側が銀白色。
体側には黒っぽい斑点が列になって並ぶ。

口は大きくて、
鋭い歯をもつ。

食性は肉食で、
小魚を捕食する。

体内にはウキブクロがない。
エラも少ない。

身には水分が多いし、やわらかい。
魚は大抵、頭に近いほうがうまい。
しかしサワラは尾の側が美味。
上品な味わいで、
青魚と白身魚の長所を兼備している。
pixta_10762191_S
高タンパクなうえ、
DHA・EPA・ビタミン・カリウムも含む。

分布は東アジアの亜熱帯から温帯の海域。
北海道南部沿海から東シナ海あたりまで。

日本では焼き魚にして食べる。
西京味噌を使った西京焼きもうまい。
もちろん唐揚げもいい。

身が軟らかくて、
煮ると崩れやすい。
だから煮物には向かない。

春が旬の魚とイメージされているが、
本当に味がよいのは秋・冬である。

冬は深海に潜るから漁獲量が減るが、
脂が乗って、「寒鰆」として美味。

旬といふ声に惹かれて鰆買ふ
〈佐藤良二 『末黒野』より〉

旬というのは春から夏にかけてだろう。

鰆とは知らずに食べてをりにけり
〈『ホトトギス』より 稲畑汀子〉

この句の季節はわからない。

生きる事まだ飽きもせず鰆食う
〈貝田遊山『集』より〉

出世魚だからだろう、
こう言った諦念の句もある。

春を告げてくれる魚。
DSCN8963-2016-4-10-66666
でも出世魚。
大きくなるにしたがって、
名前が変わります。

猫は、子猫から猫になるだけ。
それでも全然、問題はありません。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2018年03月03日(土曜日)

桃の節句の「和をもって貴しとなす」と「仲良き事は美しき哉」

3月3日の桃の節句。
ひな祭り。

今日は月刊商人舎3月号の最終責了日。
ありがたいことです。
また、いい雑誌ができました。

楽しみにしてください。

巻頭言をご披露しましょう。
それは3月の商人舎標語でもあります。

[Message of March]
和をもって貴しとなす。

「以和為貴――」。
和をもって貴しとなす。
しかし、この「和」は、
「同」ではない。

「和」とは、
互いに協調することだ。
だから「和する」ためには、
もともとそれぞれが違わねばならない。

いや、もともとは、
みな、異なるものなのだ。
だから和する。
それが貴い。

「同」は、
同じであること。
等しいこと。
異なることの反対である。

「論語」にある。
子曰く、
君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず。

内食と外食をいま、
「和して同ぜず」でまとめる。
「同じて和せず」はいけない。
それがGrocerantの本質だ。

「Sell」と「Cook」をいま、
和して同ぜずで調和させる。
同じて和せずではない。
それがGrocerantを超える世界を創る。
〈結城義晴〉

聖徳太子の十七条憲法の、
第一条の言葉として、
「日本書紀」に記されています。

太子が書いたかどうか、
真偽のほどは論争中だけれど。

しかし原点は「論語」にあります。

「有子曰わく、
礼の和を用て貴しと為すは、
先王の道も斯を美と為す」

それでも太子の価値が、
下がるものではありません。

太子は勉強家だったということです。

何よりも国民に対して、
最初に言いたいこと。
それが「和をもって貴しとなす」

太子は続けて書いています。
「無忤為宗」
「忤(さから)う無きを宗となす」
「忤う」は調和を崩すこと。

和を大切にしようよ。
調和を保とうよ。

そんな感じでしょうか。

お店も会社も、
和を大切に、調和を保とう。

今回はこれを人間の和だけでなく、
概念の調和や融合に使ってみました。

いかがでしょうか。

白樺派の作家・武者小路実篤は、
「仲良き事は美しき哉」

仲良きこと、すなわち和。
それは美しい。すなわち調和。

すばらしい。

私は中学生くらいのころ、
武者小路にはまっていて、
ほとんどの文庫は読破しました。

そしてひそかに、
「武者先生」と呼んでいました。

真理先生、馬鹿一、石かきさんなど、
ほんとうに懐かしい。
今となっては、
ちょっと恥ずかしい気もしますが。

さて、ゲラの責了をして、
最終の東海道新幹線のぞみに飛び乗る。

弁当はこれ。
IMG_4263.JPG8

「ひな祭り弁当」
IMG_4268.JPG8
ビールを飲みながら、
ゆっくりと食事。

これもいい。

岡山駅に着くと、
駅前のANAクラウンプラザホテル。
ロビーにフルラインの雛飾り。
IMG_4273.JPG8

お内裏様とお雛様。
三人官女と五人囃子。
IMG_4274.JPG8
そういえば今日はひな祭り。
ここでまた思い出した。

お雛さんたちも、
「和をもって貴しとなす」

仲良くね。

〈結城義晴〉

2018年03月02日(金曜日)

将棋界の一番長い日と「AI時代に望まれるサービスの仕事」

今日は、「将棋界の一番長い日」。
名人挑戦権を争うA級順位戦の最終日。

11回戦の5局の会場は、
静岡市葵区の料亭「浮月楼」。

今期はまれに見る混戦で、
10戦して7勝の棋士がいない。

超のつく天才たちの最後の闘いは、
深夜まで続く。
asyougi 2

肝心の名人挑戦者を決める一局は、
久保利明王将と深浦康市九段戦。

私は仕事しながら、
全5局の棋譜を深夜まで追い続けた。

決着は明日になってしまう。

そうしたら、今夜は満月だった。
IMG_4261
AIが世界を覆いつくすかに見える現在、
将棋や囲碁、チェスなどの天才たちは、
AIにない人間らしい闘いを見せてくれる。
すべての人間を勇気づけてくれる。

今日の日経新聞朝刊、
「グローバルオピニオン」
「AI時代に望まれる仕事は」
クリストファー・ピサリデス教授。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス。
2010年ノーベル経済学賞受賞。
asyougi 2
人工知能やロボットなどの新技術が、
雇用を破壊するのではないか。

それに対して、
「私は基本的に、楽観している」
ありがたい。

天才棋士たちを見ていると、
それも実感できる気がする。

「新技術によってなくなる仕事は
もちろん多くあるが、
なくなる分を上回るだけの
雇用を生み出す力が、
経済には備わっていると
見ているからだ」

楽観主義者か。
しかしノーベル経済学者。
理論的であるはずだ。

その課題は何か。
「仕事を失った人びとが良い仕事を
なるべく早くみつけられるようにする
環境づくりだろう」

そこで政府がやるべきこと。
「技能習得の訓練は、
公的部門でやるよりも、
実際に必要な仕事のニーズに合わせて
民間部門で実施するほうが効果的だ」

私もそう思う。

さらに重要なこと。
「今後増えるのは人が人に接したり、
感動を与えたりするような
サービス分野の需要」

AI時代には同時に、
サービス業の需要が
増える。

「自動化の一層の進展などで
製造業や一般の事務作業の生産性は
一段と高まり、
経済や生活水準を全体として
押し上げるのに貢献するだろう」

「しかし、雇用を創出する力という点では、
こうした分野にあまり期待できない」

その半面、
「人びとはモノよりも
娯楽や教育、健康、介護といった分野に
カネを使うようになる」

よく言われることだ。

「もちろん、
サービス分野の職といっても
低技能のものは
新たな雇用をうみ出さないし、
賃金も低い水準にとどまる」

悪いけれど「清掃などの仕事」は、
「機械にとって代わられる可能性がある」

「だが、質の高いサービスを提供する仕事は
簡単には機械に置き換えられない」

「質の高いサービスを提供する仕事」

ここでいう「サービス」には、
4つの特性がある。
フィリップ・コトラーの整理。

第1は、無形性。
形のないもの。
第2は、非分離性。
その生産と消費は同時に行われ、
分離することができない。
第3は、変動性。
提供者、時間、場所によって変わる。
第4に、即時性。
すぐに消滅する。

ピサリデス教授は、
重要なことを言う。
「創造力を必要とする仕事はもちろんだが、
人の気持ちを理解する社会的な能力が
必要な仕事なども同じだ」

「人の気持ちを理解する社会的な能力」

例えば介護の仕事。
例えば接客の仕事。
例えば教育の仕事。
例えばマネジメントの仕事。

だから逆に無人レジなどは、
人間らしいサービスがないから、
よろしくないことになる。

しかし悩ましいこともある。
「サービス分野の質の向上は
数字でとらえにくいことである」

「人びとがサービスに満足し、
幸せを感じても、
直接は生産性の上昇に結びつかない。
国内総生産(GDP)統計にも反映されない」

だから求められるのは、
「介護からホテル、レストラン業まで、
サービス分野の仕事が社会のなかで
もっと評価されるようになることだ」

その通り。

AIの時代はサービス業の時代なのだ。

「質の向上に、
対価が払われるようになり、
賃金が対価に合わせて
増えるのが望ましい」

さらに、サービス時代には、
「GDPとは異なる物差しを持つこと」

GDPは、
市場で売買された価値しか測らない。

そして「AIなどの技術革新の活用を、
ためらうようなことがあってはならない」

それは、
「経済の成長を鈍らせ、
かえって雇用の創出を
遅らせることになるからだ」

AIと人間のサービスは、
反対のように思える。

デジタルとアナログ。

しかし、デジタル時代だからこそ、
アナログが貴重なものになる。

残念ながら日本の経済学者に、
ノーベル賞受賞者はいない。
ピサリデス教授の見解はうれしい。

最後は3日連続で今日も、
ウィンストン・チャーチル卿の言葉。
index
A pessimist sees the difficulty in every opportunity;
an optimist sees the opportunity in every difficulty.
悲観主義者は、すべての機会の中に難題を見つけ出す。
楽観主義者は、あらゆる問題の中に機会を見い出す。

ピサリデス教授は、
チャーチル卿と同じオプティミストだ。
もちろん私も。

〈結城義晴〉

2018年03月01日(木曜日)

北野祐次の「破壊的Innovation」の「never give up!」

二月、逃げる。
三月、去る。

2018年3月1日。

いつも思い出すのが、
弥生三月は
突然やってきます♪

よしあきら作詞作曲のワルツ。

2月が28日と短いから、
3月は突然、やってくる。

そんな趣旨の歌。

分析してしまうと、
面白味はなくなる気もするが。

商人舎オフィスの裏の遊歩道。
幼稚園の子どもたちが午前の散歩。
IMG_4239.JPG8

今日から春。
IMG_4241.JPG8

しゃぼん玉が宙に浮く。IMG_4242.JPG8

それを追いかける。IMG_4244.JPG8

屋根までとんで、
こわれて、きえた♪IMG_4246.JPG8

あ~あ。
IMG_4248.JPG8
のどかだ。

さて今日から新年度の会社が多い。
来月から新年度という会社もあるが。

ブログ「てっちゃんの店長日記」
「てっちゃん」こと大越鉄夫店長が、
2008年2月から書き続けているブログ。
下手なコンサルタントなどより、断然、
ものの見方がしっかりしているし、
筆が立つ。

公開されているブログだから、
是非、愛読してください。
20140725070025.jpg

皆さん、こんにちは。
食品スーパーで店長をしている
「てっちゃん」です。

はじまりはいつもこのフレーズ。

てっちゃんも、
今日から新年度に入る。

「新たな年度といえば、
新たな予算をもってスタートする。
従来の売上や荒利率予算は過去のもの。
今月からは、
新たな売上予算と荒利率予算を
追い求めなければならない」

本部との予算の調整と修正。
これがきちんとできる店長は、
日本中探しても、そうはいない。

また、店長の考え方をきちんと理解して、
互いに納得した予算を組む会社も、
多いわけではない。

てっちゃんの店長としての考え方は、
実にしっかりとしている。

てっちゃんは「粗利益予算」を重視する。
そしてなによりも、客数を大切にする。
「店長の最大の数値対策は、客数増。
客数増の為に、如何に、
予算を自分なりに加工するか」

調整、修正でも、
「出来ることは最後まで粘る。
それも店長の仕事であろう。
やれることは全てやる。
そして勝負を待つ」

店長の仕事は、
「出来るだけ、現在の勢いを止めないで
客数増を継続させて行く。
あとは、各部の踏ん張りで、
どこまで売りを作れるか」

いい店長だ。

てっちゃんの店で働く人たち、
とても幸せだと思う。

さて、AJSNetworkが届けられた。
IMG_4260.JPG8
巻頭は対談。
横山清×田尻一。
横山さんは(株)アークス社長。
新日本スーパーマーケット協会会長。
田尻さんは前サミット(株)社長。
オール日本スーパーマーケット協会会長。

私の連載は第123回で、
最終回を迎えた。
「応援団長の辛口時評」
IMG_4256.JPG8
10年にわたるご愛読を感謝したい。

最後のタイトルは、
「Last Message」

北野祐次さんが生み出したのが、
「関西スーパー方式」だ。
それは「破壊的イノベーション」だった。
その理由は今回、きちんと書いた。

そしてそれが、
この協会活動の原動力だったことも。

私はクレイトン・クリステンセンを引用。

最後だから、タイトル通り、
辛口の時評となった。

そう理解されるかどうか。

クリステンセンは言う。
「優良企業は、
優れているがゆえに
失敗する」

今日の朝日新聞「折々のことば」
第1036回。
大体において日本人は、
ものを考えるときに
基礎となるものを
文章の形として考えるよりも
単語だけでものを考える
(田中美知太郎)

編著者は、鷲田清一さん。
毎日毎日、なぜに、
こんなに響くのだろう。

「人は言葉を、
その意味を問いつめることなく
手ざわりだけで使ううち、
何となくわかった気になる」

ほんとうにこれは恐ろしい。

「だから『自由』についても、
護らなければいつ、
失われてしまうかわからないことや、
自由を行使するのも
それをせずに控えるのも自由、
というところにまで思いが及ばない」

シュンペーターやドラッカーが提起し、
クリステンセンが解析したのが、
「イノベーション」。

この言葉こそ、
意味を問い詰めることなく、
手触りだけで使われることが多い。
そして何となくわかった気になる。

これが一番、恐ろしい。

北野祐次さんの「イノベーション」も、
てっちゃんの「店長の客数主義」も、
意味を問い詰めることなく、
言葉だけで使われると、
一番大切なことが見落とされてしまう。

ほんとうに、
以って自戒とすべし。

昨日も引用したけれど、
英国のウィンストン・チャーチル卿。
index
Never, never, never, never give up.
決して、決して、決して、
決してあきらめるな。
決してやめるな、
放り出すな。

これは間違いようがない励ましの言葉で、
実践あるのみ。

AJSのみなさんにも、
この言葉は置き土産にできるだろう。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
サンフランシスコ&サクラメント視察研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年7月
« 6月  
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.