結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年06月15日(木曜日)

大高善興「交遊抄」の「伊藤雅俊&鈴木敏文」と苦歴・艱難・練達

日経新聞最終面「交遊抄」
大高善興さんが登場。
もちろんヨークベニマル会長。

タイトルは「2人の師匠」
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この2人の師匠とは、
伊藤雅俊さんと鈴木敏文さん。

セブン&アイ・ホールディングスの、
名誉会長と名誉顧問。
伊藤さんはイトーヨーカ堂創業者、
鈴木さんは実質的なセブン-イレブン創設者。

「伊藤雅俊さんと鈴木敏文さんに
出会っていなければ、
今日の私はない」

先日、インタビューしたときに、
「交遊抄」に書く、
と大高さんは教えてくれた。
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大高さんが二人に学んだもの。
「伊藤さんからは
感謝と信用の大切さ、

鈴木さんからは
本質を追究する姿勢」

まず、伊藤雅俊さんに関して。
「父、善雄は伊藤さんを深く信頼していた」

1973年に、イトーヨーカ堂と資本提携。
この際、善雄さんは、
大髙4兄弟に語った。
「伊藤さんにかけてみなさい。
30年後に結論が出る」

東日本大震災のときには、
伊藤さんは翌日から、
「毎夕欠かさず電話をくれた」

伊藤さんは、実は電話魔である。

「お客さまへの感謝の気持ちで
一生懸命やれば、必ず道は開ける。
困っていることは言ってくれ」

後日、大髙さんが伊藤さんにお礼に言った。
「『ご苦労さん』と涙をこぼしてくれた」

伊藤さんは本当に情に熱く、
感謝を信用を旨(むね)とする。

一方の鈴木敏文さん。

大高さんは言う。
「私の経営観を大きく変えた」

その鈴木さんの口癖は、
「改善ではなく改革」

「未来を想像し潜在的なニーズをつかむ」

セブン-イレブンもセブン銀行も、
鈴木さんが生み出した。
「周囲が不可能と思うことをやり抜いたのは、
天才としか言いようがない」

その鈴木さんは、
「あまり感謝を口にしない」

大高さん自身、
「褒められたのは
グループのPB商品が成功したときの
一度だけ」

「逆に、挑んだ結果の失敗は責めない。
根底には相手を成長させるための愛がある」

鈴木さんに対して、
「愛」という言葉を使えるのは、
大髙さんだけだと思う。

「共通点は厳しさと真面目さ」
これこそセブン&アイの本質だし、
ヨークベニマルにも貫かれるものだ。

最後の言葉。
「仰ぎ見るばかりの2人の師だ」

今月の商人舎6月号。
特集の前に、
「緊急特別企画」として、
2本の読み物を掲載した。
総合タイトルは、
ベニマル新富岡店の「尊厳」

2011・3・11の東日本大震災。
そして福島原発事故。
福島県双葉郡富岡町の住民は、
避難指示を受けていたが、
6年が経過した今年4月1日、
その解除によって故郷に戻り始めた。
そして休業していたヨークベニマル富岡店は、
避難解除に先駆けて3月30日、
新富岡店として蘇った。
その尊厳ある復活のコンセプトとプロセス。
〈福島県富岡町役場フェイスブックより〉
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大高善興さんに語ってもらったのは、
「野越え山越え」の苦歴
「原発避難解除の新富岡店は
僻地からの革新への挑戦です」

もう一つは[ドキュメント]
ヨークベニマル新富岡店「復活物語」
「灯台になりたい」の思いと
「野越え山越え」の精神

新富岡店の渡邉利彦店長と、
庄子鉄也いわきゾーンマネジャーの、
二人三脚の物語。

このドキュメントは感動します。
いい話です。

そして[Message of June]
一人のお客さまに誠実を尽くせ。

ヨークベニマル創業者の大高善雄は、
天秤棒を担いで農家を回った。
リヤカーを引きつつ家々を巡った。

一人のお客さまに誠実を尽くせ。
お客さまへの奉仕の精神が、
商売繁盛につながる。

儲けは奉仕の結果であって、
商売の目的そのものではない。
商売はお客さまのためにある。

「ベニマル商法」最後の第十二章。
言葉や態度が店相をつくる。
あなたはお店の代表である。

東日本大震災で津波に襲われ、
福島原発事故で避難指示の出た富岡町に、
住民たちが帰って来た。

そして新しい店は、
そのお客さまたちを迎える準備をした。
言葉や態度を慎み、誠実を尽くした。

しかし顧客も店も、
苦労の連続であった。
まさに「苦歴」を重ねた。

艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。

この希望は、
失望に終わることがない。
(新約聖書・ローマ人への手紙5章)

会長大高善興言うところの「苦歴」とは、
艱難であり、忍耐、練達、希望である。
失望に終わることのない希望である。
〈結城義晴〉

[注]「練達」とは「練られた品性」のことをいう。

トップマネジメントはもとより、
ミドルマネジメントも、
ナレッジマーチャントも。
学者もジャーナリストも、
コンサルタントも。

学歴や職歴よりも、
苦歴が大切である。
艱難と練達が必須である。

〈結城義晴〉

[追伸]
今日の商人舎 流通SuperNews。

J.フロントnews|
5月全体▲1.7%、GINZA SIX効果の不動産事業は295%
高島屋news|
5月は免税販売額71%増が貢献して2.5%の伸び
ユナイテッドnews|
5月は全店▲0.2%も第1四半期累計では1.2%増
ファミマnews|
伊藤忠・LINEと3社で「Clova」活用の基本合意書を締結
ドンキnews|
ピュアドンキ型644坪の茅野店、6/8長野5号店として開業
ニトリnews|
八王子市の複合商業施設「イーアス高尾」に出店
フジnews|
「ライトダウンキャンペーン」で6/21&7/7に広告塔消灯
ポプラnews|
院内コンビニ「生活彩家浅井病院店」(千葉県東金市)開設
ケーズnews|
6/15、今期5店舗目の津山店(岡山県)オープン

J.フロントリテイリングと高島屋。
フォーマット戦略とポジショニング戦略の、
ケーススタディとしてぴったりです。


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