結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年09月28日(木曜日)

豪雨の後の第17回ドクターズ杯と「平均的な労働者の能力」

関東地方に激しい雨。

特に千葉県のいすみ市と大多喜町は、
午前6~7時半ごろに、
1時間100ミリの雨を観測した。

千葉県のローカル線久留里線は、
全線で運転を見合わせた。

お見舞い申し上げたい。

しかし昨日の夕方から私は、
その豪雨の中にいた。

昨夕のグレートアイランド倶楽部。IMG_2793.JPG7

今朝の6時46分にはこの状態。IMG_2794.JPG7

昨夕の1番ホール。
IMG_2792.JPG7

やはり今朝6時46分の1番ホール。
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しかし午前9時ごろには、
雨が少し小降りになって、
第17回ドクターズ杯は、
時間をずらして開催。

マスターズの上を行くということで、
ドクターズカップと名づけられた。IMG_2797.JPG7
私が入ったパーティは、
左から松本英男さん、芋縄隆史さん、
そして本庄周介さん。IMG_2798.JPG7
松本さんは(株)スーパーアルプス社長、
芋縄さんは(株)コノミヤ社長、
本庄さんは(株)伊藤園副社長。

昼頃には雨も上がって、
ちょっとだけ青空が顔を出したりした。

それでも1日、雨模様。

雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、
何とか18ホールをラウンドして、
風呂に入ったら、ほっとした。

荒井伸也さんは今年、
80歳の傘寿を迎えられた。
しかし驚異的な気力・体力を発揮して、
完走ラウンド。
元(株)サミット社長・会長、
オール日本スーパーマーケット協会会長、
現在は名誉会長。

ハンデ戦だったが、
私は荒井さんに1打負けた。

しかし負けても悔しくはない。
荒井さんのすごさに敬服しているから。

優勝は江島祥仁さん。
伊藤園副会長、73歳。IMG_2801.JPG7
おめでとうございます。

江島さんはこのドクターズ杯で、
4度目の優勝。
すごい。

ちなみに荒井さんは2度の優勝、
私も、何とか2度優勝している。

1時間に100ミリの記録的な雨。
そのあとのゴルフコンペ。

記憶に残る第17回ドクターズ杯だった。

日経電子版の「経営者ブログ」
丹羽宇一郎さん。
元伊藤忠商事社長・会長、
元中国大使。

タイトルは、
日本という「裸の王様」

矢部宏治著「知ってはいけない」
(講談社現代新書)

丹羽さんは、この本の、
「主権国家としての日本を疑う内容」に、
妙な納得感を抱く。

「端的に言えば、都合の悪い話は
聞かなかったことにするという
無頓着な国民性でしょうか」

そして述懐する。
「最近、日本という国が
『裸の王様』への道を着実に
歩んでいるように思えてなりません」

しかし、一方で、
日本の世界に誇れる、
大きな強みを1つ挙げる。

それは、
「平均的な労働者の能力」

「日本の政治・経済・社会を
動かしているのは
一部の特権階級や超エリート、
天才ではない」

「平均的な頭脳を持った、
平均的な労働者です。
世界的にもその質は
非常に高いといえるでしょう」

賛成だ。

「公教育はこれからも
極めて重要な課題です。
ばらまくように無償化などするのは、
よく考えてからにした方がいい」

これは安倍晋三首相への皮肉。
消費増税分の2兆円弱を、
教育の無償化に充てるという、あれ。
民進党の前原誠司代表も、
実は同じことを言っている。

「意欲ある、努力する若者に
平等に機会が与えられればよいのです」

賛成。

「しかし、20年は盤石だと考えたとたんに、
この強みも崩壊するでしょう」

「問題に真摯に向き合わない
無頓着さの一方で、
妙におごり高ぶってしまう部分も
あるからです」

「この国民性を自覚しましょう」

そしてアンデルセンの寓話。
王様は下着1枚で城下を練り歩くまで、
誰にも問題を指摘してもらえなかった。

「王様は裸だ!」

「こう言われてからでは
時既に遅しなのです」

これにも賛成。

「平均的な労働者の能力」
これは「働くこと」への日本人の真摯さと、
社会人教育の水準の高さに起因している。

日本の商業もサービス業も、
働く人たちの真摯さと、
学習能力に支えられている。

結城義晴著『Message』より、
「働くこと」

「働くこと」への
深い理解が求められている。

働くことの中身。
働くことの実態。
働くことの動機。
働くことの目的。
そして働くことの喜び。

どんな環境の中で働くか。
どんな時間帯に働くか。
どんな制度の中で働くか。
どんな会社で働くか。
そこからどんな働き甲斐が
生まれてくるのか。

私たちは誰もが、
このことに対して、
自分なりの回答を
用意しておかねばならない。

それなくしては、
企業活動も、
組織運営も、
日常生活もまっとうできない。

経営者は従業員に、
上司は部下に、
会社はパートタイマーに、
明快な「働くこと」の意味を
示さねばならない。

そして従業員は経営者に、
部下は上司に、
パートタイマーは会社に、
同じように明快な「働くこと」の意思を
伝えねばならない。

「働くこと」を通じた意思疎通は、
「労働」への深く、謙虚な理解から
生み出されるのである。

〈結城義晴〉

2017年09月27日(水曜日)

前原民進党「希望の党」合流の早送りとヤオコー「Ciabatta」戦略

悪いけれど、言わせてもらえば、
朝日新聞の価値は、いまや、
「折々のことば」にある。
鷲田清一さんの編著。

今日の第886回。
腑に落ちない
(言い習わし)

「納得できないこと、
合点がいかないことを、
人はこう言う」

受け容れることのできないことは、
「呑(の)めない」

感心できないことは、
「戴(いただ)けない」

油断がならないことは、
「食えない」

「だから『腹を割って』話すこともできず、
つい相手の『腹を探る』ことに」

「ごそっと、あるいはぐねぐねとうねり、
うごめく内臓の波動と、魂の波長とは、
どこか深く谺(こだま)しあっているらしい」

民進党の前原誠司代表。
「これから我々が歴史をつくる」
そう言って、新党「希望の党」への、
事実上の合流を表明した。

民進党所属の衆院議員らには、
希望の党からの立候補を促す。

民進党からの公認候補を認めず、
現在の公認は取り消す。

これでは政党の体をなしていない。

前原自身は無所属で出馬する。

一方、小池百合子「希望の党」代表は、
公認対象を一人ひとり選別する方針だ。

つまり、前原代表が一方的に、
希望の党への合流を表明して、
民進党の衆議院議員と立候補者が、
希望の党から選別されることになった。

これで民進党は事実上、
消滅することになる。

呑めない、
食えない、
戴けない。

腑に落ちない。

まあ、「民進党」の党名も、
長持ちするとは思えなかったけれど。
それに民進党支持者ではないけれど。

月曜日のブログで私、書いた。
「孫子に照らし合わせると、
小池百合子が勝ち、
安倍晋三は冷や冷やもの、
前原誠司は負ける」

コマの早送りとはなったものの、
その通りに動いている。

これも昨日のブログで書いたが、
理想を求めつつも、
「わずかでもましな方(ほう)」を、
選ぶしかない。

さて今日は朝から東京・大門。
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(株)True Data。
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「見えない真実を、
見に行こう」

今日は毎月恒例の、
取締役会。

私はもう、一番古い取締役。

上々の報告で、
さらりと終わった。

ID-POSとPOSのビッグデータからは、
政治の見えない真実も、
見に行けるかもしれない。

ランチは貿易センタービル最上階。IMG_2783.JPG7

東京スカイツリーが見える。
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(株)プラネットのみなさんとご一緒。
私の隣は玉生弘昌会長、
山崎哲哉取締役経営本部長、
手前は松本俊男常務取締役。IMG_2788.JPG7

その後、横浜商人舎オフィス。
急いで、仕事を片付けて、
千葉のグレートアイランド倶楽部へ。
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伊藤園レディスを開催する名門コース。
その一番ホール。
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明日は、第17回ドクターズ杯。
その前夜祭が今夜。

楽しみです。

さて、商人舎magazine。
週刊特別企画は、
ヤオコーの新ベーカリーMD「Ciabatta」戦略
〈購読者会員しか読めません、悪しからず〉

イタリアの食事パン「チャバタ」に、
本格的に取り組む。

その指導、および監修は、
エッツォ・マリナートさん。
ヴェネト州ヴェネツィアの人で、
ベーカリー「マリナート」のオーナー。
この店は歴史的な名店。DSCF9828

ヤオコーが取り組む「チャバタ」は、
ロンバルディア地方の食事パン。

日本のパン・マーチャンダイジングは、
菓子パンに偏りすぎている。

そのくせ食事パンは、
「食パン」一辺倒。
あるいはちょっとだけ、
クロワッサンなどのフランスパン。

ヤオコーはそこで、
イタリアの食事パンに目を付けた。

イタリア料理に合う。
ワインにも当然、ぴったり。
ヤオコーの商品構成にふさわしい。DSCF9813
チャバタのパンと、
チャバタのサンドイッチと、
チャバタ生地のピザ。

このヤオコーの新ベーカリー戦略は、
食える、
呑める、
戴ける。

腑に落ちる。

〈結城義晴〉

2017年09月26日(火曜日)

政界「液状化」と商人の三種の神器「鏡・玉・剣」のIntegrity

Robotics Studio。takashimaya
たった3坪の売場だが、10月4日、
髙島屋が新宿店9階にオープンさせ、
常設コーナーとする。

商人舎流通SuperNews。
髙島屋news|
しかしこういった最新売場は、
すぐに最新ではなくなる。

だから常に進化しなければならない。

そこで髙島屋は来年3月に6坪に拡大し、
アイテムを増強していく。
これがいい。

さて今日は、午後から、
東京・小平。
第一屋製パン(株)の本部長会議。
社外取締役として、
現場の長が集う一番重要な会議に参加。
得るところ多し。

その後、急いで、渋谷へ。
(株)リテイルサイエンスのオフィス。

盟友・大久保恒夫さんと対談。
セブン&アイの常務執行役員を退任して、
現在、リテイルサイエンス会長。DSCN7695.JPG7
7月20日のITセミナー以来だが、
なんだかいつも会っている気がする。

大久保さんとは、
互いにキャリアは全く違うが、
必ず話が合う。
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楽しい対談だった。
「楽しい」というのも変な感想だが。

次の月刊商人舎で掲載予定。
乞う、ご期待。

さて、日経新聞一面記事。
大石格編集委員が主張する。
「政界液状化 見極める目を」

解散総選挙を控えた日本の政治を、
「液状化」と表現しつつ、正す。

「液状化現象」は、
大型地震が起こって、
地下水位の高い砂地盤が、
振動により液体状になる現象。

地上の比重の大きい構造物が埋もれ倒れ、
地中の比重の小さい構造物が浮き上がる。

「液状化が進む政界で、
少しでも固い地面を求めてさまよう
政治家たちを笑うのはたやすい」

「だが、私たちも同じ地面に
暮らしていることを忘れてはなるまい」

その通りだ。

「個々の候補者をよく吟味し、
わずかでもましな方を国会に送る」

「わずかでもましなほう」

仕方ない。

ピーター・ドラッカー先生が言う。
理想を求め、
手持ちの道具で、
Case by Case、
一歩一歩。

「わずかでもましな方」こそ、
手持ちの道具だ。

ケースバイケース、
一歩一歩。

大石編集委員。
「それを繰り返し、与党にも野党にも
信頼できる人材が増えていけば、
国がとっぴな方向に突き進むおそれは
少なくなるはずだ」

ただし、「理想を求め続ける」
これを忘れてはいけない。

日経電子版「経営者ブログ」
IIJ会長・鈴木幸一さん。
日本のインターネットの草分け。

風呂につかりながら、
岩波文庫の「神皇正統記」を読んでいる。
南北朝時代の北畠親房の書。
南朝の後醍醐天皇の側近だった。

「三種の神器」の説明に興味を抱く。

「天照大神がににぎのみことに与えた
鏡、曲玉、剣のことである」

その意味を端的に記す。
鏡=「正直」
玉=「慈悲」
剣=「知恵」

そして「もっとも重要なのは鏡」

この「鏡」こそ、私は、
ドラッカーの「インテグリティ」だと思う。

鈴木さんは読み解く。
「統治者は、
この三つのことを神器として
実践すべきである」

「しかもその理念を
世界に中心に据えようという
グローバルで普遍的な統治原理なのだ」

「それにしても、
『正直、慈悲、知恵』ほど、
日本ばかりでなく、
現在の世界の政治において
不似合いな言葉はない」

私は商売の世界では、
鏡・玉・剣の三種の神器を、
最優先したいと思う。

「統治者ばかりでなく、統治者によって、
恩恵を受ける側の人々の気持ちからも、
三種の神器を思い起こす振る舞いは、
消えてしまっている気がしないでもない」

だから商人は、
三種の神器を大事にするのだ。

「選挙も近いようだが、
正直、慈悲、知恵を選挙公約に掲げても、
ポピュリズムに訴えるはずもない」

然り。

理想を求め、
手持ちの道具で、
「わずかでもましな方」で、
Case by Caseで、
一票一票で、
正直、慈悲、知恵のある国へ。

進みたい。

〈結城義晴〉

2017年09月25日(月曜日)

安倍冒頭解散総選挙の「大義」と小池「増税凍結」の返し技一本

Everybody! Good Monday!
[2017vol39]

2017年第39週。
9月第5週に入った。

3月期決算の企業は、
上半期最後の週。
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商人舎magazineの、
Weekly商人舎日替り連載。
月曜朝一・2週間販促企画が書く。

今週は今日の月曜が給料日。
金曜日はプレミアムフライデー。
そして日曜から10月。
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安倍晋三首相が首相官邸で記者会見。
28日召集の臨時国会冒頭、
衆議院を解散して、
総選挙をする。

この「衆議院解散」の制度は、
「憲法が保証する首相の権利」といわれるが
憲法には「首相が解散権を持つ」とは、
書かれていない。

憲法7条に書かれているのは、
「天皇は『内閣』の助言と承認に基づいて、
衆議院を解散する」

これを勝手に「解釈」して、
首相が衆議院解散を行う権利がある、
とされている。

しかもその衆院解散の根拠を、
消費増税の使途の変更に求め、
「国民の信を問う」とした。

自ら名づけて、
「国難突破解散」?

10%への消費増税は、
2019年10月に予定されている。
この2年後の増税分のうちの2兆円を、
看板政策の「人づくり革命」に充てる。

安倍流の「人づくり革命」とは、
幼児教育の無償化などだが、
基礎的財政収支の黒字化に関しては、
目標としていた2020年度達成は、
「困難となる」と先送りを表明した。

テレビ中継を見ていて、
無理筋だと感じた。

強引に解散・総選挙に持ち込もうという、
意図があると思う。

私が感じた印象だ。

それに対して、
小池百合子東京都知事。

国政新党「希望の党」を設立し、
代表に就任した。

こちらも、都知事の職責はどうするんだ、
といった疑念がないわけではない。

しかし、「希望の党」の選挙公約に、
「消費増税凍結」を掲げる。

「実感の伴う景気回復まで、
消費増税は立ち止まる。
さもなければまた景気の腰折れを招く」

さらに強調するのは、
「政権選択選挙と認識している」
全選挙区で候補者擁立を目指す。

日経新聞のインタビュー。
「だんだん機が熟していった。
悠長にやっているわけにはいかない。
普通の感覚として、
10月22日に衆院選というのは
政治のチョイスとして十分あると思い、
様々な準備はそこに照準を合わせていた」

今日の安倍vs小池の試合は、
完全に小池の一本勝ち。

一方が「消費増税」の使途を変えることを、
解散総選挙の大義にしようとしたら、
他方は「消費増税」そのものを、
「凍結」すると返した。

庶民に受けるのは明らかに後者だ。

無理やり大外刈りを決めに入ったら、
返し技が見事にかかって、一本。

これも私の印象。

以前にこのブログで書いたことがある。
「勝ちを知るに五あり」〈『孫子』〉

その一、
戦うべきと戦うべからざるとを、
知る者は勝つ。
その二、
衆寡の用を識(し)る者は勝つ。
その三、
上下の欲を同じうする者は勝つ。
その四、
虞(く)を以て不虞を待つ者は勝つ。
その五、
将の能にして君の御せざる者は勝つ。

第一は、
戦うべき状況かどうかを、
判断できる者が勝つ。

いま、勝手に決めたルールで、
冒頭解散総選挙をするときか。
後ろめたいことを隠そうというのでは、
それは戦うべき時ではない。

第二は、
現場の作戦行動を兵力に応じて、
適切に工夫できる者が勝つ。

第三は、
組織の上から下まで、
同じ思いと欲を共有している者が勝つ。

自民党からも希望の党への移籍者が出る。
上下の欲は共有されているのか。
民進党はもう終わりだろうけれど。

第四は、
自ら深く考えて準備をし、
相手が準備のないまま行動するのを
待ちかまえている者が勝つ。

これが今回の小池新党に当てはまる。
「待ちかまえている」という感じ。

勝利とは、
自ら勝ち取るものではない、
敵に恵んでもらうものである。
〈塩野七生〉

最後に第五のタイプは、
現場の指揮官たる将の能力が高く、
最高責任者である「君」は、
将のたづなをとって、
いちいちコントロールはしない。
そんな者が勝つ。

側近の、例えば若狭勝衆議院議員の、
将としての能力が高いかはわからないが、
しかし小池百合子はうまくやったと思う。

孫子に照らし合わせると、
小池百合子が勝ち
安倍晋三は冷や冷やもの
前原誠司は負ける。

これも私の印象だ。
政治の世界は、
開けてみなければわからないけれど。

灯を消して人間の闇虫の闇
〈朝日俳壇 長野市    縣 展子〉

(大串章選評)「人間の闇」は辛辣だが、
「虫の闇」は趣きがある。

政治の世界は「人間の闇」だ。

さて月曜日から政治の話で恐縮。

朝日新聞「天声人語」
「ブルーマンデー」を語る。

「いくつになっても学校や勤めのある限り、
月曜は気分が重い」

「月曜の午前に心筋梗塞など、
心疾患事故」が多い。

「週の初めは、仕事の段取りを決め、
外せない会議や上司への報告も多い。
急に仕事モードに入るのは心臓に悪い」

そこで提案するのが、
「スローマンデー」
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「月曜の朝、職場に着いても
いきなりギアを高速に入れない」

幸いに小売りサービス業は、
土曜日曜が書き入れ時。

店舗では「スローマンデー」が、
実践されているかもしれない。

考えてみればこれもなかなかいい。

Slow Mondayから少しずつ、
Weekendに向けて、
Gearを上げていく。

では、みなさん、
スローマンデーは、いかが?
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年09月24日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その50】マツムシ

猫の目で見る博物誌――。
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台風が去って、
秋分の日が過ぎると、
夜には虫の声。

ちんちろまつ虫、虫のこえ
庭のはたけで、なきました。

ぎんぎら葉の露、草の露
月のひかりが、ぬれました。

とろとろ燃える火、いろりの火
栗が爆(は)ぜます、匂います。

「秋」は井上赳作詞、弘田竜太郎作曲。

もうひとつ、「虫のこえ」
文部省唱歌。

あれまつむしがないている
ちんちろちんちろ ちんちろりん
あれすずむしもなきだして
りんりんりんりん りいんりん
あきのよながをなきとおす
ああおもしろいむしのこえ

秋の虫の声の代表格はマツムシ。

そのマツムシ(松虫)は、
バッタ目コオロギ科の昆虫。
学名はXenogryllus marmoratus。

体長は19〜33mm。
体の色は淡褐色。
枯れ葉、枯れ草など色に合わせた保護色。

昆虫は頭部、胸部、腹部に分かれる。
頭部にある触角は長い。
雄は発音器のある幅広い翅(はね)をもち、
それが虫の声を生み出す。

雌は錐(きり)状の長い産卵管をもち、
イネ科植物の茎に産卵する。

卵生で幼虫、成虫と変態する。

胸部から肢(あし)が三対生えている。
「歩脚」と呼ばれる。

その肢は、根元から、
腿節、脛節、附節と分かれている。
マツムシは、その一番先の附節に、
吸盤がついている。
この吸盤を「褥盤」(じょくばん)と呼ぶが、
粘液を分泌して、
樹皮やガラスなどの表面に、
静止することができる。

マツムシの成虫は、
8月中旬から11月下旬に現れる。

平地から低い山に生息する。
乾燥していて、日当たりの良い草地。

食性は、草木の葉、昆虫の死骸。
雑食性ということになる。

分布は日本の本州、四国、九州。
北海道、沖縄などには生息しない。

古代から、
マツムシとスズムシが混同されたり、
マツムシのことをスズムシ、
スズムシのことをマツムシと、
逆に呼んだりした。

明治以来、外来種のアオマツムシが繁殖、
この緑色の新種とも混同される。

それでも童謡の「虫の声」の王者。
それがマツムシだ。

河川敷の土手などは、
マツムシの住処。

しかし、都市開発の結果、
マツムシの生息環境は激減している。

そこでインターネット販売などでは、
個体価格が上がっている。
ヤフオクの平均価格は1593円。

秋の夜長の虫の声も、
商品として価格がつく時代だ。

しかし、虫の声と言えば、
やはりこの歌が思い浮かぶ。

ちんちろまつ虫、虫のこえ
庭のはたけで、なきました。

秋の夜長の虫の声。
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猫も虫の声は好きです。
西洋人には聞こえないらしいけれど、
虫の声は何よりも、
平和を意味しているからでもあります。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2017年09月23日(土曜日)

秋分の日に「和を以て貴しとなす日本」の「良さ」を思う

秋分の日。

北の空には黒い雲。
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南の空には白い雲。
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店には秋の色。
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しみじみと秋を感じる日だ。

秋分の日が土曜日と重なった。
商売にとっては残念な曜日回り。

しかし、それを嘆いてはいけない。
悔やんではならない。

心静かに受け入れなければならない。

ハッピーマンデー制度によって、
国民の祝日の一部が、
従来の固定日から、
特定週の月曜日に移動された。

1年に4日ある。

成人の日は、1月第2月曜日。
海の日は7月第3月曜日。
敬老の日は9月第3月曜日。
体育の日は、10月第2月曜日。

それはそれでいいけれど、
祝日にはそれぞれに意味がある。

その意味をかみしめることこそ、
祝日の意義の一つであると思う。

これは米国の月曜休日統一法の真似。
「Uniform Monday Holiday Act」

私はアメリカが大好きだが、
これを真似る必要はない。

アメリカの祝日のうち、
ワシントン誕生日、
コロンバスデー、
キング牧師記念日などが、
この法律によって月曜日に移された。

これはいかがなものかと、
私は思う。

ジョージ・ワシントン大統領や、
キング牧師の誕生日を、
月曜日に移してしまう。

コロンブスがアメリカ大陸を発見した日も
月曜日に移動させる。

どうかと思うが、
野球のメジャーリーグでは、
「投げない敬遠」が導入された。

試合時間短縮のためだが、
これもどうかと思う。

だから、秋分の日は、
土曜日でもよろしい。

それを静かに受け入れたい。

さてアメリカに追随するといえば、
安倍晋三総理大臣の、
国連総会一般討論演説。
北朝鮮批判に終始した。

その演説の内容はともかく、
表現や言葉遣いに関してまで、
ドナルド・トランプ大統領に追随するのは
いかがなものか。

ここは日本人らしく、
そのリーダーらしく、
国際人らしく、
演説してほしかった。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相。
トランプ米大統領の国連演説に対して、
「そのような威嚇には反対だ」と述べた。

トランプは「北朝鮮の完全破壊」と言った。
「完全破壊」とは、
国民や国土までも打ち壊して、
焼土とすることを意味とする。

メルケル首相は、一方で、
「制裁とその実行も正しい答えだ」とする。
しかし、軍事手段による解決は、
「絶対的に不適切」。

外交解決以外は「すべて過ち」と強調。

トランプよりも、
メルケルを見習いたい。

さて、「ほぼ日」の糸井重里。
「いろんなやつがいた。
いいやつもいた。
わるいやつもいた。
そういう人生だった。」

大物スターのような口調で、
ゆっくりとこう言う。
糸井が若いときに、流行していた。

「どうだ、まいったか
というくらいシンプルだ。
度を越して当たり前にも思える。
だから、冗談なのである」

「しかし、冗談として言ってるのだけれど、
ほんとじゃないか」

「いろんなやつがいた」‥‥‥
多様な人びとに出会った。
「いいやつもいた」‥‥
いいやつと出会ったこともある。
「わるいやつもいた」‥‥
わるいやつと関わったことも。
「そういう人生だった」‥‥
この事実に必然性などない。

「重要なポイントは、
関係やら順序やらを意識せずに、
庭に石でも置くように、
人を配置していくことだ」

そしてこの一連の言葉の使い方を示す。
「なにかの出来事があったときに、
いいやつやら、
わるいやつやら、
いろんなやつが、
なんらかの動きをするにちがいない。
しかし、人生として語るときには、
その人びとは、なにをする必然性もない」

この「いろいろあったの図」を、
「とても便利だ」と述懐する。

「いろんな仕事をした。
いい仕事もした。
ろくでもない仕事もした。
そういう人生だった。」

これを聞いている側の人が、しみじみと、
「そうだったんですねぇ‥‥」
と合いの手を入れたら、完成してしまう。

「ここに、いろんな原稿を書いたよ。
いい原稿も書いた。
つまらない原稿も書いた。
そう、そうだな、そういう日々だった。」

「おれは、それを毎日読んだものさ‥‥」
ありがとうよ、さぁ、
おれとおまえに乾杯だ。

わかるなあ。
毎日書いている身としては。

威嚇したり、
中傷に中傷で応えたり、
完全破壊などと脅したり。

四季豊かな日本、
勤勉、謙虚で、礼儀正しい日本。
静かな文化を持つ日本。
長寿の日本。
もったいない精神の日本。
和を以て貴しとなす日本。

そして日本の商業や商売にこそ、
この日本らしさが活きてくる。

その日本の良さを心得つつ、
秋分の日を生きたいものだ。

〈結城義晴〉

2017年09月22日(金曜日)

イオンリテール米国研修事前講義の「命があなたを生きている」

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昨日までは3日間、湯河原。
商人舎ミドルマネジメント研修会。

い~い湯だな♪ ハ ハハン♬
い~い湯だな♪ ハ ハハン♬

ハードな研修の合間の、
束の間の温泉。

それもいい。

今日は千葉県幕張。
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イオンタワー。
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フレンドシップスクエアのシンボル。
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千葉県と米国ウィスコンシン州は、
1990年に姉妹県州の提携をした。
その象徴として、
この小さな塔が建てられた。
ウィスコンシンの「ドロマイト石灰石」と、
千葉県の木「マキの木」が配されている。

私はイオンリテールの講義。
石塚幸男さんと面談。
専務執行役員 人事・総務本部長。
後ろは吉田元さん、
人事部マネジャー。
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そして事前講義。
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イオンリテールのアメリカ研修は、
必ず事前講義をする。
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現地では弾丸ツアーで、
休みなしに動き回る。
もちろん私はホテルでセミナーをするが、
バスの中でもずっと語り続ける。

それでも時間は全然足りない。
アメリカという国、
アメリカのチェーンストアは、
魅力的で奥が深い。
学ぶことだらけ。
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出発までに宿題を出した。

そしてイオンリテールはなぜ、
テキサスとニューヨークで学ぶのか。

その競争の特徴、
トップ企業の戦略。

米国スーパーマーケットの、
人時生産性の高さが、
なぜ生まれているか。
それらの理由を説明した。
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さらにそのアメリカ流通業の、
全体像と最新のトレンド、
経営理念などを、
鳥の目・魚の目・心の目で、
細かく話した。

特にウォルマートの理念と戦略は、
事前ガイダンスでは必須の項目だ。
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なにしろウォルマートを中心に回る、
メリーゴーランドなのだから。

しかし、今、
もう一つのメリーゴーランドが登場した。
アマゾンというメリーゴーランドだ。

二つのメリーゴーランドが回る。
パラダイム転換のとき。

だから面白い。
だから学ぶ価値が高い。

「創意を尊びつつ良いことは学べ」
倉本長治。

最後に米国好循環小売業の共通項。
第1に、客数主義の貫徹。 
第2に、その客数が伸び続けること。

昨日までの疲れもあったが、
一気呵成に2時間を語りきった。
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出発は10日後。

イオンリテールの精鋭たちとともに、
今回も彼の地で学ぶ。

朝日新聞「折々のことば」
第881回。

今、いのちが
あなたを
生きている
(真宗大谷派東本願寺)

2011年に催された、
親鸞聖人の七百五十回御遠忌。
そのテーマの言葉。

「私が自らのいのちを生きるのではなく、
いのちが私を生きていると考える」
親鸞のエッセンスをそう表現した。

このコラムの編著者の鷲田清一さん。
臨床心理学専攻の友人の言葉を思い出す。
「身体こそ魂なのであって、
魂という容(い)れ物の中を
〈私〉が出入りする」
謎めいた言葉。

「共通するのは、
身体を『私の所有物』とする考えを
斥(しりぞ)けていること」

アメリカに行くとそれを感じる。
命が私を生きている。
魂という容れ物の中を、
私が出入りする。

サム・ウォルトンが残した、
ウォルマートのスローガン。

Retail is Detail.
[売りの神は細部に宿る]

Keep your ear to the ground!
[神は現場にあり]

神か仏かは問わないけれど、
いのちが今、あなたを生きている。
いのちが今、私を生きている。

温泉でアタマがいっぱいになっては、
いられない。

温泉もいいけれど。

〈結城義晴〉

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