結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年07月02日(土曜日)

「健康寿命を伸ばそう」と「井蛙の我田引水への爆走」

7月2日、土曜日。
今日も一日、
横浜商人舎オフィス。

月刊商人舎7月号は、
すごい内容になる。

楽しみです。

夕方、横浜駅から成田エクスプレス。
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成田空港へ。
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今夜は前泊。
明日、アメリカに向けて発つ。

さて、日経新聞巻頭コラム『春秋』

吉田拓郎が70歳を迎えた話。
その70歳がこの秋、
2年ぶりのコンサートを開く。

コラムニストはそれを、
「古希のステージ」と呼んで、
杜甫を持ち出す。
「人生七十古来稀なり」

総務省発表の「2015年国勢調査」の抽出速報。
総人口に占める65歳以上の割合、26.7%。

私はまだこの高齢者の仲間ではないが、
コラムは「健康寿命を伸ばそう」、
と呼びかける。

健康寿命は、
「日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、
自分の心身で生命維持し、
自立した生活ができる生存期間」

今、女性で74.21歳、男性71.19歳。

平均寿命と平均健康寿命との差は、
男性で約9年、女性で約13年。
そうなると私も、あと8年。

これに関しては、
頑張ります。

しかし、コラムニストは、
まず「吉田拓郎さん」と書く。
それから「井上陽水さん67歳」
「中島みゆきさん64歳、ユーミンも62歳」

さらに「ボブ・ディラ ンさん75歳、
ミック・ジャガーさん72歳」と表記。

拓郎や陽水に「さん」づけ。
ディランにも、ミック・ジャガーにも。

ああ、若いんだ。

しかし「ユーミン」だけ、
なぜ「ユーミンさん」にならない?

やっぱり、その世代なんだ。

そんな奴(失礼!)に、
健康寿命なんて、
言われたくはないよなあ。
田中さん?

こちとらは、
もっと切実なんだ。

と、まあ、ちょっと、
怒ったそぶりを見せて、
健康寿命に関しては、
頑張ります。

「井の中の蛙大海を知らず」
故事ことわざ辞典。
「知識、見聞が狭いことのたとえ。
また、それにとらわれて
広い世界があることに気づかず、
得意になっている人のこと」

別にコラムニストのことではない。

業界のバイキンマン・コンサルタントのこと。

【注釈】に書かれているのは、
「狭い見識にとらわれて、
他に広い世界があることを知らないで、
自分の住んでいるところが
すべてだと思い込んでいる人のこと」

『荘子・秋水』にある。
「井蛙は以て海を語るべからざるは、
虚に拘ればなり」
(井戸の中の蛙に
海の話をしても通じないのは、
蛙が井戸という狭い場所に
とらわれているから)

英語にも翻訳されている。
The frog in the well knows
nothing of the great ocean.
直訳だけど、わかりやすい。

同じような意味の英語のことわざもある。
He that stays in the valley
shall never get over the hill.
(谷の中に留まる者は、
決して丘を越えることはない)

荘子のほうが圧倒的に、
たとえがいい。

私も人に威張れるほどの者ではない。
だからいつも自ら戒めている。

そして「井蛙」は、
必ず、次の行動様式をとる。

「我田引水」
これも故事ことわざ辞典。

「他人のことを考えず、
自分に都合がいいように
言ったり行動したりすること。
自分に好都合なように取りはからうこと。
自分の田んぼにだけ水を引き入れる意から」

英語ではこうなる。
Every miller draws water to his own mill.
(粉屋はみな自分の製粉場へ水を引いてくる)

日本の粉屋は、
そうでもないと思う。

井蛙(「せいあ」と読む)は、
「我田引水」となりやすい。

これはまるで、
軌道に乗って爆走する機関車のようだ。

井蛙の我田引水の爆走。

先ほどのバイキンマンが、
商人舎公式ホームページから、
写真やコンテンツを盗用した。

わが社に投書があって、
それが判明。
私も、そのブログを見た。

先日の大阪の「BIO-RAL」
ライフコーポレーションの新フォーマット。

これは明らかな著作権法違反だ。

慌てて写真を消したようだけれど、
ほかにも、これまでも、
目に余るところがある。

井蛙、我田引水なり。

もちろん日経新聞のコラムニストではない。
念のために。

〈結城義晴〉

2016年07月01日(金曜日)

「消費税法第63条」総額表示義務をひっくり返そう!

7月です。
日本名で文月、
英語でJuly。

2016年の折り返し点。

今日7月1日は、
二十四節気の「半夏生」
それから海開き、
富士山の山開き。

7月4日はアメリカの独立記念日。

7月7日は七夕。
二十四節気では「小暑」

そして今年は、
7月10日が参議院議員選挙。
選挙に行こう! 投票しよう!!

選挙の翌日の11日月曜日、
今月の月刊商人舎7月号発刊。
よろしく。

特特大号です。

7月18日の第3月曜日は、
祭日の「海の日」で3連休。

7月19日火曜日は、
夏土用入り。
8月6日まで。
ちなみに「土用丑の日」は、
7月30日土曜日。

そして22日金曜日は、
二十四節気の「大暑」

アッという間に、
「小暑」から「大暑」まで。

今年の夏は、
「ラニーニャ現象」で猛暑らしい。

私の今月。
7月3日の日曜日から、
ダラス・ニューヨークへ。
帰国は8日の弾丸ツアー。

10日日曜日は、選挙に行く。

11日月曜日は、
第一屋製パンで講義。
今回はプライベートブランドを語りますよ。

12日は久しぶりに、
ゴルフ名人会。
ほんとうに久しぶりです。

13日は人間ドック結果報告。
ずいぶん数字が悪くて、
医者からはこってりと絞られそう。

15日・16日は大阪。
16日土曜日は、
万代知識商人大学。

19日はダイナムで講演。

20日は第一屋製パン役員会。
21日・22日は軽井沢。
この時期の軽井沢、
涼しくて、体に優しい。
助かります。

そして25日から、
月刊商人舎8月号の入稿で、
月末まで怒涛の原稿書き。

その間、28日は、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱、
恒例の取締役会。

29日・30日、またまた、
毎年恒例の軽井沢。
助かります。

こうして、私の7月は、
あっという間に過ぎていく。

さてAJSネットワーク7月号が届けられた。
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私の連載は第103回。
毎月書き続けて、8年6カ月。
スーパーマーケット応援団長の辛口時評。
「『店は客のためにある』と
名経営者たち」

ご愛読、感謝します。

このAJSネットワークには、
丸久アルク玖珂(くが)店のスタディが、
掲載されている。
52週MDに積極的に取り組んで、
とてもよろしい。

それから菓子卸㈱髙山の探訪記事。
社長の髙山時光さんが、
インタビューに答えている。
勉強家だ。

それから、Weekly商人舎。
週刊特別企画を掲載。
川野幸夫JSA会長の
「消費税本体価格表示論」

反対していた軽減税率は、
導入が決まったけれど、
消費増税とともに2年半の延期となった。

しかし価格表示に関して、
「消費税法第63条」で、
税込みの総額表示が義務づけられている。

「税抜きの本体価格表示」は
特例法で認められているだけ。

2018年8月度には、
この特例措置の期限が切れる。

この総額表示義務の「消費税法第63条」を、
改定してもらわねば困る。

その運動を起こさねばならない。

川野さんは、総額表示を、
本体価格表示に変えるだけで、
売上げが1割増となったケースを示した。

これは営業においては、
死活問題でもあるのだ。

最後に明後日、向かうアメリカ合衆国。

7月4日の独立記念日には、
小売業の客数2億1400万人、
売上高68億ドルの予測が出ている。
1ドル100円になってきたから6800億円。

これは前年比プラス1.4%。

全米小売業協会(NRF)の発表で、
6月1日から17日までに、
6811人の消費者を対象に、
インターネット調査した。

1世帯平均では、
1日に71ドル34セントの購買。
7134円。

昨年は71ドル23セントだったから、
ほぼ同じ。

ということは、客数の奪い合いが、
激しく展開される。

調査対象者のライフスタイルは、
屋外での食事・バーベキュー・ピクニックが、
全体の65%。

花火や地域の催事に参加する人が43%。
パレードに参加する人たちは12%。

さらに旅行やバケーションに行く人は、
12.7%で3100万人。

アメリカの世帯は3分の2が、
国旗を所有しているし、
国民の半分は、
愛国的なTシャツやキャップを持っている。

特にウォルマートは当日まで、
星条旗はTシャツ売場を、
大々的に展開する。
http://magazine.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2014/09/DSCN9054.jpg
ああ、楽しみだ。

イギリスのBrexit問題も、
ドナルド・トランプ旋風も、
そして日本の参議院選も、
ちょっと重たい気分にさせられるが、
商売の現場はいいなあ。

そして政治よりも、
断然、商売は面白い。

7月もよろしく。

〈結城義晴〉

2016年06月30日(木曜日)

アルビン・トフラー「21世紀の文盲」とJSA総会の懇親

2016年6月最後の日。
もう、半年が過ぎてしまった。

しかし18年ぶりのことらしいが、
まだ台風が一度も発生していない。

統計が残る1951年以降、
こんな現象は過去2回しかなかった。

1973年は7月2日、
1998年は7月9日に、
台風1号が発生している。

この背景にはエルニーニョ現象がある。

「エルニーニョ」は、
熱帯太平洋東部の海面水温が、
平年より高くなる現象。

エルニーニョによって、
熱帯太平洋東部の海面水温が上昇すると、
インド洋の海面水温も上がる。

そうするとインド洋で、
海水が盛んに蒸発し、上昇気流が生じる。

これに伴って、
熱帯太平洋西部からフィリピン沖にかけて、
下降気流が生まれる。
そして高気圧を強める。

日本に上陸する台風は、
熱帯太平洋西部の海上で発生する。

その熱帯太平洋西部で、
積乱雲を生む上昇気流が抑えられ、
台風が発生しにくくなった。

ただし、発生が遅くても、
年間を通じた台風の数は、
多くなる場合もある。

さらにエルニーニョが終息すると、
真夏には「ラニーニャ現象」が発生しやすい。

これは熱帯太平洋東部の海面水温が、
逆に平年より低くなる現象。

この現象によって太平洋高気圧は強まる。
そして日本では気温が高くなる。

つまり今夏は猛暑。
それが気象庁の予測。

覚悟して7月を迎えよう。

さて、アルビン・トフラー逝去。
アメリカの未来学者。87歳。

AP通信・日経新聞の孫引きだが、
1928年、米国ニューヨーク市で、
ユダヤ系ポーランド移民の家庭に生まれた。
ニューヨーク大学を卒業後、
労働組合運動に没頭。

オハイオ州では工場労働者として働いた。
組合の機関紙記者を経て、
『Fortune』誌に寄稿。

その後、ガルブレイス同様、
そのFortuneの編集に携わる。

雑誌編集者が偉大な思想家になるのは、
私、とてもうれしい。

それからIBMの研究員。

1970年「Future Shock(未来の衝撃)」刊行、
そして1980年「The Third Wave(第三の波)」

第一の波は、「農業革命」
農耕技術を手にした人類が、
文明を形成していった。

第二の波は「産業革命」
つまり大量生産が、
工業化社会をつくっていった。

そして第三の波は「情報革命」
コンピューターの勃興とともに、
脱工業化社会が到来する。

パソコンもない時代に、トフラーは、
インターネット社会の到来を見抜いた。

私もコモディティ化現象を説明するときに、
必ず、トフラー先生の「第三の波」の考え方を、
使わせてもらう。

さらに「未来の社会では
労働力でも資源でもなく、
知識が経済の源になる」
これはピーター・ドラッカー先生の、
知識社会論と全く同じ。

そして教訓的な言葉を残す。
「21世紀の文盲とは、
読み書きできない人を意味しない。
学べず、学んだことも忘れられず、
学び直すこともできない人だろう」

念のために、
ここで指摘しておこう。

最初の「学ぶ」という行為も、
次の「学び直す」という姿勢も、
詐欺師まがいの物真似言質に、
踊らされることでは、
断じてない。

さて今日は、一日、
月刊商人舎の仕事。
追いまくられている。

しかし私は、
追い込まれると強い。

1977年4月、社会人になって初めて、
㈱商業界『販売革新』誌の編集後記に、
自己紹介の文章を書いた。

そこで表明した自分の信条は、
「追いつめられること」

そこんとこ、よろしく。

そんなに忙しいのに、
夕方、東京の帝国ホテルへ。

日本スーパーマーケット協会総会。
その後の記念パーティ。
昨年、一般社団法人となった協会。DSCN8806-6
会長の川野幸夫さんが、
冒頭のあいさつ。
㈱ヤオコー会長。
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「消費税の本体価格表示」問題を、
力強く、表明。
素晴らしかった。

世界中を見渡しても、
本体価格でない先進国はない。

この発言と総会後の記者会見の模様は、
Weekly商人舎に掲載予定。

よく読んでください。
そして知識商人として活動してください。

まず、清水信次さんにご挨拶。DSCN8810-6
㈱ライフコーポレーション会長、
日本チェーンストア協会会長、
日本小売業協会会長。
この協会では名誉会長。
御年90歳で、トフラーよりも3つ上の、
化け物級。

お元気で、よく食べます。

その清水さんを支える井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。DSCN8817-6

それからこの協会加盟トップとして、
㈱万代新社長の阿部秀行さんがデビュー。
㈱カスミ会長の小濵裕正さんと写真。
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小濵さんのコメント。
「あんまり、暴れてくれるなよ」

それから㈱エコス会長の平富郎さんと。DSCN8820-6
平さんは何度も言った。
「30年間、万代から学ばせてもらっている」

ライバルでもある岩崎高治さんと。
ご存知、㈱ライフコーポレーション社長。DSCN8824-6
このツーショットは、
特に関西では話題となる。

そして㈱プラネット会長の玉生弘昌さんと。DSCN8816-6

もう一人、新社長としてデビューしたのが、
サミット㈱社長の竹野浩樹さん。DSCN8825-6
頑張ってください。

それから最後に、
日経新聞記者の白鳥和生さんと、
三人で語り合ったのが、
川野澄人さん。
DSCN8828-6

もちろんヤオコー社長。DSCN8830-6
今取り組んでいる「朝一作業」は、
月刊商人舎から学んだとか。

うれしいなあ。

「学び、
学んだことを忘れ、

学び直すことができる人」

そして最後の最後は、
やっぱり川野幸夫さんと写真。DSCN8832-6
後ろに見えるのは、
協会事務局長の江口法生さん。

川野さんから求められて、改めて、
互いの電話番号を確認し合ったが、
何か連絡が来るかしら。

しかしこの協会は、
実に素晴らしい。

「学び、
学んだことを忘れ、

学び直すことができる組織」
だからです。

アルビン・トフラーの魂に、
合掌。

〈結城義晴〉

2016年06月29日(水曜日)

「不確実性の時代」と万代ドライデイリー会講演の「確実性」

フランスのフランソワ・オランド大統領。
「不確実性ほど悪いことはない」

中国の李克強首相。
「世界の不確実性が増した」

イギリスのEU離脱で起こる現象。
「『不確実性』という言葉が飛び交っている」
毎日新聞巻頭コラム『余禄』が指摘する。

「市場でよくいう『リスク』は
確率を計算できるが、
不確実性はリスクの計算もできない。
先行きが読めぬ不安は
しばしば人を不合理な行動にかりたてる」

「不確実性の時代」
ジョン・ケネス・ガルブレイスが書いて、
日本では1978年のベストセラーになった。

カナダ出身の経済学者。
1943年から1948年、
『Fortune』誌の編集者、
1949年、ハーバード大学経済学教授就任。

私は大学のころ、
『経済学と公共目的』を原書で読まされた。
申し訳ないとも思うけれど、
当時、無頼派の生活を送っていた私は、
まともには読んでいない。

『ゆたかな社会』
『新しい産業国家』
そして『経済学と公共目的』が三部作。

そのあとで、
『不確実性の時代』が、
爆発的なブームになった。

アダム・スミスから始まって、
経済思想はどう変遷してきたか。

経済学者でありながら、
ジャーナリスティックな視点をもつ。
名文家としても名高い。

ガルブレイスが指摘したのが、
「拡大する不確実性」

それが今、再び、
流行語のようになってきた。

ああ。

今日は朝から、東海道新幹線。
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梅雨空に天候は「不確実性」いっぱいだが、
日本の水田の美しさには「確実性」がある。

新大阪に着いて、すぐに、
アゴーラリージェンシー堺へ。

万代ドライデイリー会総会。
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今月の14日から17日まで、
中国は上海を訪問して、
勉強会を開催。

10班に分かれて、チームごとに発表。DSCN5404-6

それぞれに学習した内容を、
ディスカッションしてまとめた。DSCN5425-6

発表が終わると、
結城義晴の総括講演。DSCN5482-6

私は中国流通小売業の、
スピードとエネルギーと、
イノベーションを、
高く評価した。

オムニチャネル経済圏を形成し、
Eコマースが先導しつつ、
新しいフォーマットやビジネスを生み出す。
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「後進の先進性」などと高を括っていると、
追い越されてしまう。

真剣に聞いてくれた。
ご清聴を感謝しよう。DSCN5457-6

最後は、
イノベーションの「創造的破壊」
伸び率が鈍ったといえど、
中国の消費パワーは衰えない。
世界の経済と消費を量で牽引する。
それが質に変わるときも迫っている。

 遅れていた者ほど、
思いのほか障害を低くして、
最新の技術を導入することができる。
それはむしろ既存の進んだ者よりも、
先進的ですらある。

「後進の先進性」などと
高みから評価していると、

実はその通りになってしまう。

リアル店舗は成熟化のプロセスにある。
それを待たずに
インターネット先進国となった中国。

日本がガラパゴス型流通世界を
つくりだしたように、

中国小売業はグローバル経済の中で
特異な市場を生み出した。

 すなわち小売業を超越した
「オムニチャネル経済圏」の形成である。

その「不思議な経済圏」のもと、
「新たなビジネスモデル」や
「新フォーマット」が創造される。
そしてリアル店舗にも
イノベーションが起こってくる。

一方、日本の商品とサービスに
中国人消費者と中国企業は、
高い評価と高い関心を寄せ続ける。
「爆買い」現象はその内容を変えつつ、
継続される。

ヨーゼフ・シュンペーターは指摘する。
「イノベーターだけが真の利益を生み出す。
ただしそのイノベーターの利益は
常に短命である。

イノベーションとは『創造的破壊』である。
それは、昨日の設備と投資を陳腐化させる。
馬車を何台つなげても汽車にはならない。
馬力を機関車のエンジンに代える
『新結合』が必要である」

中国小売流通業に
シュンペーターのイノベーションが
起こっている。

それを支えるのは
旺盛な消費意欲であり、

市場原理である。
〈結城義晴〉

そしてドラッカーのイノベーション。DSCN5495-6

私のあとは、
万代取締役の黒田久徳さん。
コーネル大学ジャパン実行の三期生。DSCN5496-6
実に上手なアメリカ解説。
感心した。

その後、ドライデイリー会懇親会。
開会のあいさつと乾杯は、
副会長の寺町豊さん。
日本アクセス執行役員近畿エリア統括。
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そして懇親。

万代の阿部秀行新社長には、
人が集まった。
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そして中締めは、
副会長の木村敏弘さん、
加藤産業常務取締役。
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そして阿部秀行社長。
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月刊商人舎6月号から引用して、
「歩数計にとってかわったスマホ」の話。
それが「顧客満足」と「顧客創造」の違い。

「万代は顧客創造をしていきたい」
いい話だったし、
今の万代には「確実性」が満ちている。

その後、恒例の大阪締め。
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私も今回は、壇上に上がった。

最後に加藤徹会長と三人で握手。
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ホテルロビーでは、
万代知識商人大学一期生たちに、
囲まれて写真。
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そこに加藤さんも加わって、
またまたポーズ。
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彼らの未来の社会には、
不確実性があるかもしれないが、
彼ら仕事する人間たちには、
不確実性は見当たらない。

それがこの世界の救いの一つだ。

〈結城義晴〉

2016年06月28日(火曜日)

「グレート・ブリテンの落日」と「シュレーディンガーの猫」

週が明けて、地球の裏側でも、
事態が冷静にとらえられてきた。

イギリスの『The Economist』
「グレート・ブリテン」の落日
日経新聞朝刊が翻訳掲載。DSCN2271-6

「何という早さで
『考えられないこと』が
『取り返しのつかないこと』に
なってしまったことか――」

出だしから、嘆き節。

「30年ぶりの安値をつけた英ポンドの急落は、
これから起きることの片りんをうかがわせた。
実体経済の先行きに不透明感が強まり、
英国は景気後退に陥るかもしれない」

やはり当事者は悲観的だ。

「今後、二度と
これまでのような活力は生まれない。
雇用も税収も減り、
いずれ追加の緊縮策が必要になるだろう。
それは脆弱な世界経済をも揺るがす」

そしてこれからの考え方。

「年齢や階級、地域によって国が割れた
今回の国民投票の余波を鎮めるには、
短期的には政治家の
高度な手綱さばきが求められる。
長期的には伝統的な二大政党による
国政支配の見直しと、
場合によっては
地方の境界線の引き直しが
必要になるかもしれない」

「不確実な時代が長く続くだろう」
これは本当に正しい。

ジャーナリストは提案する。
「ノルウェー式の協定を選ぶのがいい」

「世界最大の欧州単一市場へ参加しつつ、
人の移動の自由も認める」

「それが富を最大化するからだ」

イギリスにはまだ、
4つの選択肢がある。
第1のノルウェー型は、
欧州自由貿易連合(EFTA)に加盟し、
欧州経済地域(EEA)に参加する方法。

人や物や金などが自由に移動できる。
ただし、EUへの負担金が必要となる。

第2がスイス型。
EFTAに加盟し、貿易を含めた個別の条件を
交渉で決めていく方法。

ただし交渉が複雑化し、長期化する。

第3は自由貿易協定(FTA)型。
物やサービスの移動は自由だが、
人の移動は自由ではない。

この選択肢は有力だが、
ビジネス上では足枷を持つことになる。

そして第4が世界貿易機関(WTO)型。
WTOの関税協定を基に、
すべてのWTO加盟国に同じ関税率とする。

エコノミストは、
この第1のノルウェー型を奨める。

「欧州からの移民は
医療費や教育費を十分自己負担し、
財政面で差し引きプラスの貢献をしている。
彼らがいなければ、
学校や病院、農業や建設業などでは
人手不足に陥るだろう」

第2、第3、第4の方法は退けられる。

しかしエコノミストは悲観的。
「連合王国の『グレート・ブリテン』が分裂し
『リトル・イングランド』になって喜ぶ者はいないし、
それが『リトル・ヨーロッパ』につながれば、
さらに悲惨だ」

英国のジャーナリストは、
今、ナーバスだ。

一方、日経新聞経済コラム。
『大機小機』

まず、物理学。
「シュレーディンガーの猫」
シュレーディンガーの思考実験は、
「1匹の猫を箱に閉じ込め、
ある原子が崩壊して放射線を発したときに
機械が作動して猫を殺す装置をつくる。
猫の生死という重大事は
微小な原子の崩壊という
極めてミクロな偶然で決まる」

これを今回の英国民投票に当てはめる。
「量子力学的と呼べるほどの
小さな偶然さえあれば
世界は別の歴史を歩んだかもしれない」

コラムニストはやや楽天的だ。
嘆き節ではない。

「24日の日経平均株価の下げ幅は
リーマン・ショック時を超え、
2000年以来の大きさを記録した」

「しかし世界経済が
リーマン・ショックと同じような危機に陥るかは、
金融システムの反応にかかっている」

彼は金融システムを信じている。

「現時点では、世界の金融システムに
不良資産は潜んでいないように見える。
それが正しければ、
英のEU離脱決定直後に起きた
市場の混乱はいずれ落ち着き、
世界的な危機は起きない」

楽観的だ。

「しかし欧州の銀行については
『不良債権処理が進んでいない』
という見方が前々からある」

「中国経済に蓄積する不良債権も不気味だ」

「これらが顕在化して
カウンターパーティーリスクを引き起こせば、
世界は金融危機の再来に
直面するかもしれない」

カウンターパーティーは相手方金融機関のこと。
金融機関同士の取引先リスク。
その疑念や不信感が募り、
システミックな危機が訪れる。

「どちらになるかは、
この1週間ほどで明らかになるだろう」

日本のコラムニストは、
なんだかクールだ。

これも日経オンラインの経営者ブログ。
鈴木幸一㈱インターネットイニシアティブ会長。
日本のインターネットの草分け。
私の大好きなブログ。

「大きな変動というのは、
ちょっとした拍子で
起こってしまうものかも知れない」

「シュレーティンガーの猫」と同意。

「人々の意向を尊重する民主主義においては、
人々の気まぐれが、風向きを変え、
思いもしなかった方向に舵を切ってしまい、
後戻りができない事態にまで進むことがある」

「理解をする前に判断をしたい」
世界中にそんな人々が増えた。

「こんな人々の共感を得るには、
不満のはけ口となるような
端的な言葉が必要であり、
扇動者が跋扈(ばっこ)する余地をつくる」

ポピュリズムのやり口。
①人々の不満の対象を
的確にすくい上げる。

「物事を理解するという行為は、
まず、懐疑に始まるのだが、
懐疑が人々に訴える力は当然のことながら、
端的な言葉で語る扇動者の力には及ばない」

②理解をしたくないという人々を
過剰に反応させる。
「欧米を襲うデマゴーグの台頭を見ていると、
事態はますます深刻の度を増している」

鈴木さんはFT.comの記事の言葉を思い出す。
「もし英国人が欧州から去るほど愚かなら、
米国人はトランプ氏を選出するほど
頭がおかしいのかも知れない」

「英国人の愚かさ」が現実となった。
「米国人は頭がおかしい」も、
現実のものになるかもしれない。

鈴木さんは、改めて、考え込んだりするが、
「といって、なにができるわけでもない」と、
これもクールだ。

日本のインテリ経営者はクールだ。

悲観的か。
楽観的か。
クールか。

なぜか今回、日本人は、
大陸の端の島国の人々の問題に対して、
クールだ。

〈結城義晴〉

2016年06月27日(月曜日)

がんばらないで。 頑張リ過ぎないで。 頑張ろう。

Everybody! Good Monday!
[2016vol26]

2016年第27週。
6月第5週で、金曜日から7月。

忙しい。
疲れた。

それも「超」がつく。

63歳にして、
Super Busy。
Super Tired。

昨日の日曜日も、夕方、
12ページの原稿を入稿した。

それでも昨夜は12時間くらい寝た。

今週は、月刊商人舎7月号の締め切り。
Super Busy。
Super Tired。

だからブログも短めに。
お許しください。

週の初めの俳句で、
疲れを取ろう。

白黒の写真の金魚真つ赤なり  
〈朝日俳壇より 東京都・たなべきよみ〉

「真つ赤」な金魚が脳裏に甦る。
濃紫陽花風のことばに頷きぬ
〈同 東京都・我妻勝美〉
「濃紫陽花」は「こあじさい」、
もちろん濃いアジサイ。

枇杷ひとつほどくがごとく皮をむく  
〈同 東京都・渡辺礼司〉

皮がとぎれぬよう、果肉を傷つけぬよう、
解くようにビワを剥く。
親子してラムネ抜く音仲の良し
〈同 東京都・ 廣川風韻〉
ポン、つづけてまたポン。
いいねえ。
夏です。

 

今週の私のスケジュール。
今日は午後からずっと、
400店チェーンストアのコンサルティング。

明後日は大阪で、
万代ドライデイリー会総会。
上海報告講演をする。

木曜日は帝国ホテルで、
日本スーパーマーケット協会総会。
17時から孔雀の間で懇親会。

あとは、徹底的に原稿書きと、
編集・入稿仕事。

私の本業。

だから、頑張ります。
頑張れます。

さて、欧州外国為替市場。

1ポンド=1.3223ドル前後。
QUICK・ファクトセットの記録では、
1985年9月中旬以来、
31年ぶりの安値。

さらに1ユーロ=0.8335ポンド前後。
こちらは2014年3月下旬以来、
2年3カ月ぶりのポンド安・ユーロ高。

イギリスのEU離脱で、
英国通貨のポンドが評価を下げている。

しかし英国内では、
離脱派の公約のウソなどが暴かれ、
国民から強い批判が出る。
再度の国民投票を求める署名は、
350万人を突破。

Brexitの離脱用語に対し、
Regrexitなる造語が使われている。
Regret(後悔)とExit(離脱)を組み合わせた言葉。

ただし、後悔先に立たず。

それでも国際経済的には、
最小限の損失で留めようと、
各国の模索が続く。

朝日新聞日々のことば。
がんばらない
〈鎌田實〉

団塊の世代の医師、作家。
長野・諏訪で長く地域医療に取り組む。

編著者の鷲田清一さん。
「病院の廊下に飾られた
ある障害者のことばに心を震わせた」

「『がんばろう』の一言が、
病に懸命に向きあってきた人を
どれほど傷つけるかを知った」

「震災のときもそう。
歯を食いしばる人に
『がんばって』はむごい」

だから、黙って横にいる。
あるいは「がんばりすぎないでください」
そっと声をかけるだけで精一杯だった。

将棋棋士の谷川浩司。
日本将棋連盟会長、十七世名人。
「光速の寄せ」がキャッチフレーズ。

東日本大震災の時のコメント。
「阪神大震災で被災した私の経験から言えば、
これから長い長い闘いになる。
被災された皆様には、
『がんばってください』ではなく、
『がんばりすぎないでください』と申し上げたい」

どちらも、わかる。

しかし、私も、
自分に対しては、
「頑張ろう」と、
自身を叱咤激励する。

がんばらないで。
頑張リ過ぎないで。
頑張ろう。

どれもある。
ひとつではない。

それに、この順番で、
相手を見ながら、
声をかけてみたい。

自分自身にも。

いま、Super Busy。
Super Tired。

でも、自分に頑張ろう、と言える。
まだまだ、やれるということだ。

しかし、いまのイギリス人には、
何と言ったらいいのだろう。
言葉が見つからない。

商人舎ハワイビギナーズコースにでも、
誘ったらいいか。
あのドキドキワクワクを教えたい。

9月7日~11日、3泊5日。
DSCN7687-6

JTBのフリーパスで、
最終日は自由視察。
DSCN7572-6

もちろんウォルマート、コストコ、ターゲットも、
ホールフーズ、セーフウェイも、
オーガニック農場も。
DSCN7500-6
学びます。

締め切りは7月6日。
ご検討願います。

では、みなさん、
今週も、頑張ろう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年06月26日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その8】雲

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目はわずかな光で、
白黒を見分ける。
しかし猫の目には、色がない。
猫の目で見る博物誌――。

 

山村 暮鳥。
大正時代の詩人・児童文学者。
1884年(明治17年)に生まれ、
1924年(大正13年)に没した。

暮鳥も『博物誌』のような詩を書いている。
最後の作品がこれ。

  雲

丘の上で
としよりと
こどもと
うつとりと雲を
ながめてゐる

  おなじく

おうい雲よ
いういうと
馬鹿にのんきさうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平いはきたひらの方までゆくんか

IMG_8544

  ある時

雲もまた自分のやうだ
自分のやうに
すつかり途方にくれてゐるのだ
あまりにあまりにひろすぎる
はてのない蒼空なので
おう老子よ
こんなときだ
にこにことして
ひよつこりとでてきませんか

〈青空文庫より〉

IMG_8554

雲は、
大気中にかたまって浮かぶ
水滴または氷晶のこと。
英語で、cloud。

宮沢賢治も詩を書いている。

雲の信号  

あゝいゝな せいせいするな
風が吹くし
農具はぴかぴか光つてゐるし
山はぼんやり
岩頸(がんけい)だつて岩鐘(がんしよう)だつて
みんな時間のないころのゆめをみてゐるのだ
  そのとき雲の信号は
  もう青白い春の
  禁欲のそら高く掲げられてゐた
山はぼんやり
きつと四本杉には
今夜は雁もおりてくる

雲の博物誌は、詩になる。

鱗雲。
20140922072012.jpg

入道雲。
20120818224825.jpg

今日の雲。
IMG_8549

夕暮れの雲。
DSCN8789-6

雲を眺めて、
一日を過ごす。
DSCN8784-6

それも猫の目博物誌。
DSCN8800-6

雲は猫の目にも、
見えます。
夕暮れの赤は、
見えないけれど。
DSCN8963-2016-4-10-66666

〈『猫の目博物誌』(未刊)より by yuuki〉

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