結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月28日(水曜日)

俵万智の「美人は性格がいい」と「美店」にはお客が「優しくなる」

横浜駅に隣接して流れる新田間川。
「あらたまがわ」と読む。

商人舎オフィスに出社するときは、
この川沿いの遊歩道を歩く。

春は、特に気持ちがいい。
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新田間河畔の桜も、
芽吹き始めた。
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もう1週間くらいだろうか。
今年は4月に入ってしまいそうだが、
「待ち遠しい」と待ちかねて、
そこで咲く桜も、いい。

「待ってました」と、
声をかけたくなる。

さて昨日、
ボクシングの世界チャンピオンが、
誕生。

世界ボクシング評議会のスーパーフライ級タイトル戦で、
挑戦者の佐藤洋太が、
タイの王者スリヤン・ソールンビサイに勝って、
世界戦初チャレンジで王座を奪取。

佐藤は27歳、スリヤンは23歳。

これで、日本のプロボクシング世界チャンピオンは、
史上最多の9人となった。

最も激しくて厳しいスポーツ。
殴り合いという最もプリミティブな格闘技。

草食系男子が増えたとか、
飽食の時代だとか言われる日本だが、
史上最多の世界王者。

なんとも頼もしい。

私は白井義男は話でしか知らないが、
ファイティング原田と海老原博幸の時代から、
ボクシング・ファンだった。

父親が力拳を握りながらテレビ観戦し、
母親がしかめっ面をしながらそれを見ていた。
私もひそかに父親と同じ心持を味わっていた。

もちろん矢吹丈や力石徹にも熱くなったが、
それでも、今、9人の世界チャンピオン輩出。

感慨深いし、
興味深い。

そしていつも思う。
日本の若者も捨てたものではない。

亀田兄弟のような例もあるが、
内藤大助のような男もいる。

将棋の渡辺明は、
20歳でタイトル保持者となり、
羽生善治の「羽生世代」を脅かす。

囲碁の井山裕太前名人は20歳4カ月で最年少名人となり、
山下敬吾や張栩らの時代を早送りさせている。
日本人のダイバーシティ(多様性)は、
大いに歓迎すべきことだ。

さて日経新聞夕刊の『プロムナード』。
歌人の俵万智さんが、
「美人は性格がいい(と私は思う)」を書く。

「あなたは、なんで美人とばかり友だちになるの?
いっつも引き立て役なんだから」
俵万智さんの母が、ため息をついた。

「中学のときも、高校のときも、
一番の仲良しは、学年で一番の美人だった」

「別に美人をねらったわけではない。
が、気がつくと、結果としてそうなのだ。
気が合うし、性格のいい人が多い」

ここから俵万智の「美人性格いい説」の考察が始まる。

「世の中の人は、あまりに美しい人を見ると、
せめて性格が悪いと思いたいかもしれないが
(そうでないと、私のように不器量な人が浮かばれない?)
残念ながら、美人は性格が悪くなる確率が非常に低いのです」

性格が悪くなる要因は「人の悪意を受ける」。
しかし「美人の場合、この悪意を受ける場面がとても少ない」

「人間、誰しも優しい面と意地悪な面を持っている。
そして美人に遭遇した場合、
多くの人は優しい面を彼女に向ける」

「みんなに優しくされれば、
みんなにも優しくなれるのが人というものだろう」

だから美人は性格が良くなる。

「もちろん、逆は必ずしも真ならず。
美人じゃなくても性格のいい人はたくさんいる」

「美人じゃないほうの立場を代表して言わせてもらえば、
人に優しくされる前に、
こちらから優しくすればいいのだ
」

「ほうっておいても好かれるわけではないが、
こちらから好きになっていけば、たいていの人は、
やはり優しい面をこちらに向けてくれる」

「そうなれば、あとは、
美人と同じ仕組みと展開が待っている(と信じたい)」

私はこの「美人」をずっと、
「店」に置き換えて読んでいた。

岡田徹の詩。
「小さな店であることを
恥じることはないよ。
その小さなあなたのお店に、
人の心の美しさを
一杯に満たそうよ」

人の心の美しさに満たされた店に、
俵万智流に言えば、、
「多くの人は優しい面を彼女に向ける」

東日本大震災のあと、
大船渡のマイヤ社長・米谷春夫さんが言っていた。
「お客さんが優しくなった」

これも「美しい店」すなわち「美店」には、
人々が優しくなるからだ。

「みんなに優しくされれば、
みんなにも優しくなれる」

万一「美店」でなければ、
「人に優しくされる前に、
こちらから優しくすればいい」

俵万智、なかなかに、いい。
もちろん米谷春夫もいいし、
岡田徹もいい。

日本人のダーバーシティ。
なかなかに、いい。

<結城義晴>

2012年03月27日(火曜日)

セブン-イレブンのチケット販売4割拡大策と嘉納治五郎の「自他共栄」

光は春の真ん中あたり、
空気は冬の終わりごろ。

そんな日が続く。
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今日は、朝から東京タワーを眺め、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱(略称CCL)の定例役員会。

午前中の決議事項の審議と報告事項の質疑を終わらせて、
役員、関係者で昼食。
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一番右が西川明宏CCL社長。
私の隣は玉生弘昌CCL相談役・㈱プラネット社長。
井上美智雄CCL非常勤取締役・㈱プラネット副社長。
米倉裕之CCL取締役。
そして三菱商事㈱の高木朋行さん、元CCL取締役。

3月決算のCCL。
ビジネスモデルの転換を図りつつ、
今期の見通しをつけ、来期を展望する。

みんな、明るい笑顔。
西川さん、米倉さんは決意新た。

この気分に似たニュース。
日経新聞スポーツ欄のコラム『クールダウン』。
私は日経のスポーツや文化欄を評価している。
姿勢が一貫していて、
この分野では業界迎合がない。

コラムのタイトルは「まぶしい柔道の黄金律」。
日本オリンピック委員会の上村春樹・選手強化本部長の叫びの言葉。
「もっと黄金の光を」
ロンドン・オリンピックの金メダルの数のこと。
国別5位以上のためには15~18個が必要。
しかし「日本の力はまだ10~12個程度」。

上村さんは全日本柔道連盟会長でもあるが、
「よそ様に負担を求める以上は
自分たちが一等重い年貢を納めねば」
と考えている。

コラムニストは、柔道の祖・嘉納治五郎を引く。
治五郎は「自他共栄」という互助の精神を説いて、
「生ぬるい“連帯無責任”とは懸け隔たった厳しさ」を求めた。

「自他共栄」の意は、
「他人に望む行いはまず自分が実践すべし」。
「隗より始めよ」に通ずる。

コラムニストは語る。
「柔道界にはまだ
『俺は勝つ。おまえも勝て』と言える人がいる。
この黄金律がまぶしい」

俺は勝つ、
おまえも勝て。

会社も仕事も、
それが一番、いい。

日経新聞に、
「セブンイレブン、チケット取扱高4割増」の記事。
セブン-イレブンは2009年度にぴあに出資。
チケット事業を強化してきたものの、
取扱高は2010年度443億円、
2011年度651億円。

2012年度は前年度比4割増の920億円を目指す。

一方、ローソンは2年前の2009年度段階で、
取扱高817億円。
完全にセブン-イレブンは先行されている。

ちなみに国内のチケット市場規模は、
1兆1000億円前後
と推計されている。

セブン-イレブンの施策は二つ。
第1はマーチャンダイジングと売り方。
「各地域の商品開発部門と連携」。

取り扱うイベント数を増やし、
独占・先行販売チケットも獲得。

今期は関東地方以外で開かれる地域イベントを拡大。
美術展や花火大会の入場券まで販売する。

当然ながら「プロ野球・Jリーグのチケット販売も強化」。
「重点取り組みチーム」を2011年度の8チームから20チームに増加。
弁当の共同開発、店員の球団ユニホーム姿での接客などを展開する。

第2は店舗オペレーションの改革。
7月末までに全1万4000店で、
レジ奥の発券チケットプリンターを刷新。

レジで料金を払い込むと、
その場でチケットを印刷するが、
「従来は1枚印刷するのに17秒、2枚で計29秒かかっていた。
新型機ではそれぞれ5秒、8秒にし、
購入客の待ち時間を短縮する」

問題は、店がチケットを売る気になること。
それぞれの店舗に売上高として計上されるのは、
チケット額面の3~4%程度の手数料。
これでは1000円のチケットで、30円から40円の売上げ。
3000円のチケットで100円くらい。

「チケットのために来店した客の5~6割が
他の商品も一緒に購入しており、売上げ増につながる」と、
記事には書かれている。

セブン-イレブンにとっての一番の問題は、
この加盟店での売り込み姿勢だと思う。

ここでも必要だ。
俺は勝つ、
おまえも勝て。

チェーンストアには、
嘉納治五郎の「自他共栄」がよく似合う。

<結城義晴>

2012年03月26日(月曜日)

四半期13週が終わる!4月1日「放射性物質新基準」適用に準備せよ!!

Everybody! Good Monday!
[2012vol13]

2012年第13週にして、
3月の終わりの週。

週末の日曜日には、
4月に入って、
1日がやってくる。

13週は、年間の52週の四分の一。
四半期、クォーター。
それが終わったか、という感慨。

三月の瓦礫の上に三月来
〈朝日俳壇より 福岡市・井上正和〉

その3月もあっという間に、去って行く。
一月行く、二月逃げる、三月去る
まさしくその通り。

きのうきょうあしたあさってやなさって
そして一年、そして一生

〈朝日歌壇より 福島市・美原凍子〉
福島の美原さんの歌だけに、
この時間の経過は重い。

俳句と短歌の世界を比較すると、
後者はどんどん、変化している。

日常化し、大衆化した。
しかしどうも、子供化しているようにも感じられる。
俵万智の出現がそれを促した。

俳句はそれに対して、
美と伝統を守っている。

良い、悪いは別にして、
この対比は面白い。

音楽を身籠りしごと春の月
〈同じく朝日俳壇より 小田原市・丸山典雄〉

先週、卒業式などが終了し、
今日から小学校、中学・高校は春休み。

一方、今週は、進学、就職、転職、引っ越しなど、
人々に転機が訪れる。

私の周辺でも、就職、引っ越しなど、
相次いでいて、忙しい。

今日は論説から話題を二つ。
第1は日経新聞『ここに注目』。
経済評論家・田中直毅さんの連載。
「英国が4月1日、
法人税率を現行の26%から
24%に引き下げる」

イギリスはご存知、保守党のキャメロン政権。
2010年5月に発足し、
大胆な緊縮財政を志向。
「にもかかわらず法人減税を打ち出す背景には、
グローバル化が進むなか、
希少なのは活力ある企業との見極めに至った」

重要な考え方は、
「今後の経済活性化には企業の活力が重要であり、
優遇策が必要との判断」

この見方は日本も同じ。
「4月に地方税なども考慮した法人税の実効税率を5%下げる」

日本の法人税は、総額で39.54%と高い。
これは国税法人税、法人地方税・法人事業税を含めた法定実効税率。
アメリカも高くて、39.25%。

その日本でも、
「原則として法人減税に踏み切った」。
米国でも日本の動きは注目されている。

田中さんの見解。
「付加価値を増やす革新的な企業を
囲い込むことが重要であるという点が、
世界で共通した考えになりつつある」

企業は社会的に付加価値を生み出す。
会社も店も、価値を生む。

その健全な育成が、
国家の財政の立て直しにも有効だという考え方が、
国際世論になりつつある。

自覚しておくべきことだ。

さて第2は朝日新聞の社説。
「食品と放射能――検査充実と情報提供を」

4月1日から、新局面。
「食品中の放射性物質に関する新基準」
が適用される。
メーカーを始め、卸売業、小売業でも、
この新基準の遵守のために、
大騒ぎ状況。

新基準は、福島原発事故以来使われてきた暫定基準と比べると、
4~20倍に強化されている。
「世界的にみても大変厳しい基準」。

しかし厳しいからには、
「精密な検査」が要求されるはず。

ただし、「厚生労働省は今月半ばに指針を定めたばかりで、
各自治体では準備に追われている。
混乱も心配される」

まず大切なのは、いうまでもなく、
検査態勢の整備だ。

食品1㎏当たりの放射性セシウムの新基準。
①一般的な食品では従来の500ベクレルから100ベクレルに、
⇒5分の1
②牛乳や乳製品は200ベクレルから50ベクレル
⇒4分の1
③飲料水は200ベクレルから10ベクレルに
⇒20分の1

厚労省の検査指針は、
「50ベクレルを超えた例のある食品を重点に検査する」というもの。

検査の頻度なども細かく指定されている。
「網の目を細かくして汚染を見つけるねらい」。

朝日新聞は問題点を指摘する。
「高精度の検査をするには時間と手間がかかり、
そのぶん検査できる点数が減ってしまう」

その結果、
「基準を超える食品のすり抜け」が懸念されている。

「各自治体は、検査機器や職員を増やしたり、
外部に委託したりするというが、
対応しきれないところも出てくるだろう」

大手の製造業や小売業は、
自分で検査機器を手当てし、人員を配置して、
検査する。

これは重要な社会的使命だ。
ここに協会・団体などの役目も出てこよう。
相互に助け合うことも必要だ。

もうひとつ、朝日の指摘の中に牛肉の問題がある。
「検査される食品の半分以上を牛肉が占めるという現状は、
食品全体の汚染状況から見てどうか」

さらに不可欠の条件は、
「消費者への説明」。

新基準の意味や検査態勢、
新基準の健康へのリスクなどなど、
細かく、正確に、鮮明に、わかりやすく。

私はこの一年、言い続けている。
「風評被害には、
知識と情報で対抗する」

しかしこれは、
店という公の機関を展開する小売業やサービス業の役割でもある。

新基準を設けて規制する、その目的は、
「食品を通じての内部被曝(ひばく)を減らすこと」。

そして「実際に、毎日の食事から、
どれだけ内部被曝することになるのか」

記事には具体的なデータも少しだけ紹介されている。
「福島県などで実際の食事を調べた結果によれば、
現状でも、1年間の被曝量1ミリシーベルト以下という
新基準がめざす目標よりはるかに低い」

社説の結び。
「ていねいな情報提供もふくめて、
総合的に取り組んでこそ安心につながる」

この総合的な取り組みの中に、
製配販のサプライチェーンもあれば、
小売りサービス業の店頭もある。

4月1日の「新基準適用」から、
再び、「風評被害」との闘いが始まる。

さて、先週のこのブログで、
間違いを書いたので、お詫びと訂正。

㈱寺岡精工専務取締役の高野公幸さんのこと。
高野さんは寺岡和治社長の同級生で、
二人三脚でこの会社、このグループの成長を支えてきた。
このたび、㈱寺岡精工専務取締役をめでたく退任、
相談役にご就任。
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私もずっと、高野さんにはお世話になったし、
一緒に旅行もした。

スコットランドの名門セント・アンドリュースでは、
ともに厳しいリンクスとの闘いをした同志だ。

㈱テラオカ代表取締役社長など、
高野さんが経営の先頭に立つ仕事は続く。

業界の皆様、よろしく。

最後のお知らせとお願い。
商人舎USA視察研修会Basicコースは、
一応、申し込み締め切りは終了したが、
あと6席分は確保してある。

まだ、間に合います。

最後の参加申し込み、
受け付けます。

こちらへ、どうぞ。

それから5月29日~31日の合宿セミナー。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
略称MMS。
Shoninsha Middle Management Seminar。

こちらは国内研修会ということで、
4月末日申込み締切。

好評受付中。

小売り流通・サービス業界では、
なぜか組織の硬直化、官僚化が進んだ。
私は「大企業病」などと指摘した。

中小企業にまで、
この病が蔓延してくるところを、
随分と目撃した。
そして「中小企業の大企業病、目も当てられない」
こんなことも指弾した。

このMMSは、組織の硬直化、官僚化を防ぐことを、
おおきな目的にしている。
そしてミドルマネジメントが自ら変わり、
会社に貢献しつつ、
自己育成を続けていく方法論を提案する。

従来の教育には、
大企業病の病巣が巣食っていた。
トップマネジメント自身は多くを学んで、
そこから脱出、脱却していても、
ミドルマネジメント層にはそれが残っている。

もちろんいろいろと組織イノベーションも施しているから、
ひどいことにはならない。

しかし、様々な局面で、
この官僚的な組織論が顔を出す。
人々は悩む。

商人舎ミドルマネジメント研修会は、
この問題に解決策を提示する。
それもミドルマネジメントに直接、働きかけることによって。
それがドラッカー・マネジメントだ。

もちろん「基本知識・原理原則」は、
3日間で、徹底してたたき込む。
競争の原則も肌身で感じとってもらう。
だからテストもする、成績も付ける。
大学方式のSABCDで。
S獲得優秀者は、表彰する。

そのうえで、何よりも、
ドラッカー・マネジメントの真髄を知らしめる。
現代の組織人を養成する。

いかがだろう。

商人舎ミドルマネジメント研修会。
Middle Management Seminar。
略称MMS。

是非の、ご参加を。

というところで、
一月行く、二月逃げる、三月去る

「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
今月も仕事をしてきた。
今週で去ってゆく三月ともお別れ。

では、みなさん、
Good Monday!

<結城義晴>

2012年03月25日(日曜日)

ジジの「おわりとはじまり」[2012日曜版vol13]

ジジです。
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春らしくなってきました。
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土手のヤナギも。
桜はもうすこしですが。

まちどおしい。

ユウキヨシハルのおとうさん。
この時期は、大学院も春休み。
だけど、なんだかいそがしい。
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きのうは、ごごから、
ユウキ・ゼミ。
新年度のゼミを、
もう、はじめています。
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センパイのシブキさんがやってきて、
あたらしいゼミ生のみなさんに、
ねっしんでていねいなレクチャー。

おとうさんは、
ユウキ・ゼミOB・OGのみなさんに、
ずいぶんと、かんしゃしています。

いいゼミです。
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そのあと、卒業式。
「ガクイジュヨシキ」といいます。
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rikkyoは讃美歌からはじまって、
讃美歌でおわります。

ソウダイというのもあります。
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ことしは、ババさん。
おとうさんのサービス・マーケティングも受講したひと。

2年間の勉強や研究が成果をあげて、
みなさんは、はれて、「修士」に。

おめでとうございます。
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式のあとは、懇親会。
ところは、いつもの第一食堂。
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天井が高くて、
ハリーポッターの映画みたい。
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そこに、ユウキ・ゼミのみんなも、
あつまった。
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こころから、
おめでとう。
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ひだりから、
エンドウさん、オカモトさん、
アサカワさん、トヤマさん、
ヤマグチさん、サトウさん。

みんな、うれしそう。
おとうさんも、うれしそう。
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ボクも、うれしい。

それから、ユウキ・ゼミの二次会。
チューカ料理とビールとショーコー酒。
メンバーはどんどんふえて、
拡大ユウキ・ゼミ。

おとうさんは、メンバーに、
本をおくった。
『店ドラ』。
ひとりひとりに、
フデペンでことばをかいた。

おとうさんのすきなことば。
エンドウさんには、
「おねがい、ごめん、ありがとう」

オカモトさんには、
「勇気とは
未知なる世界に一歩、
目隠しで踏み込む
心のあり方だ」

アサカワさんには、
「鳥の目 虫の目 魚の目 心の目」

トヤマさんには、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

ヤマグチさんには、
「心は燃やせ、頭は冷やせ」

そしてサトウさんには、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

みなさん、おめでとう。

二次会のさいごは、
校歌斉唱と
「フレー! フレー! rikkyo!」
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おとうさんの教授生活、
3年がおわって、
4年目にはいります。
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いつも、
おわりのつぎは、
はじまり。

はじまったら、
いっしょけんめい。

そして、
おわりがやってくる。

そこで、感謝、です。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年03月24日(土曜日)

東急ストア社長・木下雄治さんのご逝去と寺岡表彰式での特別講演

1週間前の3月17日、
木下雄治さん逝去。
東急ストア社長にして東京急行電鉄専務。
享年60。
私より一つ上。

今年1月20日に、
日本チェーンストア協会のパネルディスカッションで、
木下さんがパネラー、
私がコーディネーターを務めることになっていた。

直前にご病気とのことで欠席されたが、
そのまま療養、このたび、
心不全で惜しくも早世された。

心から、ご冥福を祈りたい。

代わって東急ストア社長には、
現会長の鈴木克久さんが就任。

木下さんの改革は継続される。

昨日のブログで、ちょっとお詫び。
慶応義塾大学は「塾長」と呼ぶ。
昨日は清家篤さんを「学長」と記した。
訂正し、お詫びしたい。

ちなみに我が早稲田大学は「総長」といい、
立教大学も東京大学も総長。

学習院大学は「院長」と病院のようだが、
それはそれで伝統とこだわりを持っている。

その慶応義塾大学塾長の清家さんの話をもうひとつ。
福沢諭吉の「公知」、あるいは「公智」。
公知とは、
「人事の軽重大小を分別し
時と場合によって、
その軽小・重大の前後を洞察する働き」

これを分かりやすく言えば、
「重いものを先に、
軽いものを後に」。
清家さんのわかりやすい説明。

さて昨日は、午後から、
東京會舘。
皇居前のお堀端の由緒ある会館。

寺岡メーカー賞表彰授与式。
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私は最後に、特別講演。

講演が始まる前に、
㈱寺岡精工社長の寺岡和治さんと写真。
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私はもう、この表彰式で、
10数年、講演をしている。
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初めから清聴の姿勢。ありがたい。
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司会は、営業企画室長の三木桂さん。
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講演テーマは、
「日米欧流通サービス業のTide of Time」
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私はこの〝Tide of Time”という言葉、
気にいっている。

昭和52年、1977年、
私は大学を卒業して㈱商業界に入社した。
そしてチェーンストア専門雑誌『販売革新』に配属された。

この雑誌は昭和38年に創刊し、
日本のチェーンストア産業を応援し、啓蒙し、
成長の原動力となった。

その『販売革新』創刊の頃のコラムの名称が、
〝Tide of Time”だった。

Tideは潮流、
Timeは時代。

すなわち時代の潮流。
頭韻を踏んで頭に「Ti」が使われている。

この会での特別講演は、90分。
表彰される人々68人。
それだけのことはある。

実に熱心に聞いてくれた。

私も上着を脱いで、
熱が入った。
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最後の言葉は、「祈り」。
ラインホールド・ニーバー。

卒業式の季節でもあり、
最近は一番気に入っている。
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変わるものを変えられる勇気を、
変わらぬものを受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を、
お与えください。

盛大な拍手とご清聴、
心から感謝したい。
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特別講演のあとは、
記念写真。
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三木さんの音頭で、並んで・・・・。

「ピース」
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いい写真です。

その後、懇親会。
㈱寺岡精工専務取締役をめでたく退任、
相談役にご就任の高野公幸さん。
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商人舎エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦とはさんで、
「ご苦労様」と言ったら、
まだまだ㈱テラオカの社長など、
このグループでの高野さんのお役目は、つづく。
ほとんど変わらない。

業界の皆様、よろしく。

今日は、立教大学大学院の学位授与式。
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375名に修士号を授与。
立教大学総長・吉岡知哉さんの言葉は、
その口調に比べて、
辛辣でハードパンチだった。

「東日本大震災以降、
大学や大学院、アカデミズムの『考える役割』が、
喪失されている観があります。

立教は『リベラルアーツ』を標榜してきました。

『考える営み』とは、
本質的に反社会的な行為です。
しかしみなさんは、
徹底的に考える行為を続けてください」

意志のこもったスピーチに、
私はちょっと感動した。
今日の修了式も、昨日の卒業式も、
ひとつの区切り。

しかし、すべて例外なく、
何かの終わりは、
何かの始まり。

めでたいけれど、
心は前を向いていなければならない。

今週も、このブログ、
このホームページを、
ご愛読くださって、
感謝しています。

良い週末を。

<結城義晴>

2012年03月23日(金曜日)

慶応大卒業式の福沢諭吉と知識商人、小売り業態別2月の販売統計

高知から伝わった桜の開花。
これから日本列島を、桜が覆っていく。

しかし、こんな桜もある。
みちのくの山河慟哭
(どうこく)初桜
読売新聞夕刊の『よみうり寸評』。
長谷川櫂の震災句集から、一句とりあげた。

慶応義塾大学塾長の清家篤さん。
6489名を送り出した卒業式の式辞で、
穏やかに語った。
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「まず持続可能性が問われています。
例えば高齢化社会。
2035年には3人にひとりが高齢者、
2050年には5分の2が高齢者となります。

今年の卒業生は、
日本の人口がピラミッド型のときに生まれ、
逆ピラミッド型の時代に社会に出ていきます。

その社会の特徴は『多様性』にあります。

1970年代後半は、ホモジニアスな時代。
現在は、ペテロジニアスな社会。

仕事の上で、生活の上で、
海外や外国人との接点も増えていきます。

「以心伝心」とはいきません。
相手が何を考えているかを理解し、
自分が何を考えているかを相手に理解してもらう必要があります。

変化の大きな社会、多様性の社会。

そこで必要とされる能力は、
問題発見、問題分析、問題解決の力です。
これは学問の作法、学問の方法論そのものといえます。

自分の頭でものを考える。

さらにそのうえで、
福沢諭吉が提唱した『実学』は、
ますます大切な方法論となります」

清家さんの言う「実学」に関して、
福沢諭吉は『学問のすすめ』に記している。

「学問とは、ただむつかしき字を知り、
解し難き古文を読み、和歌を楽しみ、詩を作るなど、
世上に実のなき文学を言うにあらず」

「これらの文学も自ずから人の心を悦ばしめ
随分調法なるものなれども、
古来世間の儒者和学者などの申すよう、
さまであがめ貴むべきものにあらず。
古来漢学者に世帯持の上手なる者も少なく、
和歌をよくして商売に巧者なる町人も稀なり。

これがため心ある町人百姓は、
その子の学問に出精するを見て、
やがて身代を持ち崩すならんとて親心に心配する者あり。

無理ならぬことなり。
畢竟その学問の実に遠くして
日用の間に合わぬ証拠なり。

されば今かかる実なき学問は先ず次にし、
専ら勤むべきは人間普通日用に近き実学なり」

そして具体的に示す。
「譬えば、いろは四十七文字を習い、
手紙の文言、帳合の仕方、算盤の稽古、天秤の取扱い等を心得」

昨日も引用した『ポスト資本主義社会』。
ピーター・ドラッカー著。
「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。

しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」

これは福沢諭吉の「実学」そのもの。
そして「知識商人」とは、
「実学の人」である。

もちろん「実学」とは、
清家学長が強調する「問題発見、問題分析、問題解決」であり、
「学問の作法、学問の方法論そのもの」でもある。

福沢諭吉が学んだ「適塾」。
1838年に緒方洪庵が創設。
洪庵の著「扶氏医戒之略」の中にある言葉。
「医の世に生活するは
人の為のみ
ただ己を捨てて
人を救わんことを願うべし」

塾員代表祝辞で比企能樹さんが紹介した。

医の世に生活する者に限らない。
人の為のみ
ただ己を捨てて
人を救わんことを願うべし

さて、毎月恒例、
小売各業態の販売統計月報。
百貨店、コンビニ、総合スーパー、
そしてスーパーマーケット。
今月の明暗はいかに。

今月唯一、昨対マイナスという
結果になってしまったのは、百貨店。

日本百貨店協会発表。
2月の総売上高は4331億0811万円。
前年同月比は既存店ベースでマイナス0.4%。

マイナスの要因は全国的な強い寒気の影響で、
春物衣料に動きが見られなかったこと。
また、天候不順やインフルエンザの流行で
外出を控える人が多かったようだ。

バレンタイン商戦で、
菓子部門がプラス2.6%。
また高級商材部門がプラス3.3%。
これら一部部門は活況ではあったが、
悪戦苦闘の春物衣料が足を引っ張った結果となった。

一方、日本フランチャイズチェーン協会発表。
コンビニは既存店売上高が6155億1300万円で、
前年同月比はプラス4.8%。

コンビニでは寒くても来店客数に影響はなし。
むしろ、一時的な暖を取るために、
ふらっと立ち寄る人も多いだろう。
10億0480万人が来店し、
客数は2.5%のプラス。

ついでに客単価も612円でプラス2.3%。
今月も相変わらずの好調ぶりだ。

さて、次は日本チェーンストア協会のまとめ。
チェーンストア販売月報。

主に総合スーパーのトレンドを示す2月の販売総額は、
9678億7537万円で既存店前年同月比はプラス0.3%。

閏年効果で前年同月比はプラスだった。
それでも他の月と比べれば、日数は少ない。
必然的に販売総額は下がり、
2月はほぼ毎年、1兆円を割る。

部門別にみると、
食料品が6329億9806万円でプラス0.4%、
衣料品が909億9141万円でプラス0.3%、
住関連は1851億3105万円でプラス0.2%と、
いずれも微増した。

最後に、食品スーパーマーケット3協会合同発表。
スーパーマーケット販売統計調査。
今月の発表者は、
日本スーパーマーケット協会事務局長の江口法生さん。

2月のスーパーマーケットの総売上高は、
7365億6068万円で既存店前年同月比プラス0.9%。

食品合計が6503億4241万円でプラス0.8%。

生鮮3部門は2462億9551万円でプラス0.9%、
惣菜が649億2737万円でプラス1.5%、
日配が1381億2726万円でプラス1.6%、
一般食品が2009億9226万円でプラス・マイナス0%。

非食品が603億3056万円、プラス0.3%、
その他が258億8772万円で、プラス0.5%。
閏年の影響で軒並みプラス。

今月唯一マイナスだったのが、
生鮮3部門の中の水産
で、
679億5103万円の、マイナス1.0%。

青果は相場高の影響で、
1018億4737万円で、なんとプラス2.7%。
畜産は764億9712万円で、プラス0.3%だった。

自社・自店の数値と、比較してもらいたい。
江口事務局長の見解。
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「2月は形の上では、昨対をクリアしている。
しかし、今年は29日まであったため、
去年より1日多かった。
それを差し引きすると、
実質、昨対96~97%くらいだろう。
かなり厳しい状況だったと言える」

「節分の恵方巻などで売上げを確保したが、
全国的な寒気と大雪の影響が売上げに響いた」

「来月の発表は、昨年の震災後の買いだめの影響で、
さらに厳しい数字になるだろう」

ゲストスピーカーは、
㈱サンエーの中西淳専務取締役。
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サンエーは沖縄で圧倒的なシェアを誇るが、
食料品をはじめ、衣料、住関連、家電などの総合小売りから、
ホテル観光や外食の運営まで、幅広く展開している。

「昨年の震災直後は、
一番遠かった沖縄からも
物資を色々と送っ
た」

「在庫が二重にあるので、3月はそこそこ売れた。
しかし、4月に入ると、一変。
特に水は本土にも物がなく、
さらに一番遠く、物流コストのかかる沖縄には
全くこなかった。
置き去りにされてしまったような状況だった」

「サンエーはホテル業もやっているので、
震災以降、観光客やビジネス客が減り、
売上げが3~4割も落ちた。
ただ、下期は修学旅行などが増え、
それが売上げを引っ張ってくれた」

「沖縄は日本で唯一、
人口が増えている地域。

マーケットが浅いので、総額としては少ないが、
本土からの進出は増えている。
そこで、サンエーでは商品力の強化に取り組んでいる。
いかにリピート率の高い商品を入れていくか、
商品のグレードを上げていくかが重要」

「2012年度は大型のGMSを1店出店予定。
サンエーは衣料も家電もやっているので、
直営テナントの比率が高い。
また、小型スーパーマーケットでは、
『お客様の冷蔵庫代わり』をモットーに
ローコストオペレーションを展開していく」

「GMS、スーパーマーケット、専門店と、
大・中・小、3つの業態で、
マーケットでシェアを伸ばしていきたい」
サンエーこそ、沖縄という商勢圏を限定し、
その中でクリティカル・マスを達成し、
地域貢献する小売業・サービス業の典型だ。

そういった企業にこそ、
この適塾の考え方は必要だ。
「人の為のみ
ただ己を捨てて
人を救わんことを願うべし」

<結城義晴>

2012年03月22日(木曜日)

イオンとセブン&アイ2011年度決算比較と豊田泰光「麦踏み」の効用

日経新聞一面に、
「イオン、経常益5年ぶり最高」の記事。

先週金曜日の16日には、やはり一面に、
「セブン&アイ、営業最高益 前期5年ぶり」の記事。

これで、日本の小売業の二強が、
5年ぶりに過去最高利益を出すことになる。

どちらも日経のスクープといえばスクープ。
日経の特権となったリーク。
正式発表前だから、「らしい」という言い回しばかり。
私がまだ㈱商業界社長だったら、
広報にクレームをつけたいところ。

でも、商業界は月刊雑誌社で、
日刊紙ではないし、
私はもう商業界社長ではないから、
「まあ、いっか?」

「イオンの2012年2月期の連結経常利益は、
前の期比15%増の2100億円強」

対するセブン&アイは、
前の期に比べ2割増の2900億円強。

ずいぶん接近してきた。

イオンの連結営業収益(売上高)は5兆2000億円弱。
これは2%増。

セブン&アイの連結売上高は4兆8000億円前後、
6%減。

だからイオンがセブン&アイを抜いて、
国内最大売上高の小売業となる。

イオンは昨年11月1日にマルナカと山陽マルナカを完全子会社にしたが、
このマルナカグループの年商約3300億円がなくても、
ギリギリのトップだったか。

いずれにしても両雄が抜きつ抜かれつのデッドヒート。

ちなみに総合スーパー・イオンリテールの既存店売上高も、
かろうじて0.3%増。

しかしPB「トップバリュ」の売上高は2割増の5500億円弱で、
「総合スーパーの月次売上高に占めるPBの比率は足元で18%程度」。
1年前と比べると5ポイントもアップした。

前年の2011年2月期決算は、以下。
セブン&アイ・ホールディングス
年商5兆1197億円 伸び率0.2% 経常利益2429億円 伸び率7.0%

イトーヨーカ堂 年商1兆3737億円 伸び率-1  経常利益5,124    23.9
セブン‐イレブン・ジャパン(本部)
年商5491億円 伸び率2.6%  経常利益1761億円 伸び率7.1%
セブン‐イレブン・ジャパン(全体)  総年商 2兆9476億円 伸び率5.8%
そごう・西武 年商8468億円 伸び率 -1.5%
ヨークベニマル 年商34334億円  伸び率  -1.5% 経常利益103億円 伸び率-5.5%
ヨークマート 年商1105億円 伸び率1.7% 経常利益31億円 伸び率-1.7%
ロフト 年商844億円  伸び率5.3%  経常利益30億円 伸び率5.5%
赤ちゃん本舗  年商783億円 伸び率-1.0%

イオン
年商5兆0966億円 伸び率0.8%  経常利益1821億円 伸び率39.8%

イオンリテール 年商1兆7114億円 伸び率-7.5% 経常利益308億円 伸び率77.1%
イオン九州  年商2547億円 伸び率-1.6%  経常28億円 伸び率537.3%
マックスバリュ西日本 年商2444億円 伸び率9.4%  経常利益77億円 伸び率6.8%
イオン北海道   1662億円  0.0%  42億円 109.3%
マックスバリュ東海  1564億円 8.9%  43億円 19.7%
マックスバリュ九州  1189億円 5.1%  26億円 42.5%
マックスバリュ中部   1184億円 1.2%   23億円 13.7%
マックスバリュ東北   909憶円 1.0%  4億6900万円 77.0%
マックスバリュ北海道  775億円 1.2% 4億7700万円 9.7%
ミニストップ  1139億円 4.6%  86億円 74.0%
ウェルシア関東  1470億円 10.4%   64億円 19.8%
CFSコーポレーション   1220億円 -15.5% 23億円 -7.3%

どちらもすごいグループになってきた。

同じ日経新聞に「ドラッグストア、国内販売伸び最低に」の記事。
日本チェーンドラッグストア協会提供の情報。

2011年度の国内ドラッグストアの総売上高は
5兆8026億円、

2010年度比3.1%増。

2000年度の調査開始以来、拡大の一途だが、
2011年度の伸びは過去最低。
「ドラッグストアの成長にも陰り?」

記事には、「09年の改正薬事法施行を受け、
コンビニやスーパーなどが医薬品販売に参入。
ドラッグストア側は客を奪われている格好だ」とあるが、
ドラッグストア側も食品を強化して、
逆に売上げを奪取しているから、
それだけではない。

日本の経済の成長率、消費の拡大率、
それらにやっとドラッグストアがフィットしてきた。

一方、アジアのドラッグストア市場は成長著しい。
富士経済調査によると、
11年の中国のドラッグストア市場は
10年比13.3%増の1700億元(約2兆2000億円)で
2ケタ成長を続けている。

だから日本のドラッグストアもアジア進出。
日経が好みそうな話題。

まずは住友商事の「トモズ」。
台湾1号店を今夏に開業。
トモズはスタートの頃、
私も少し、お世話した。

中国進出は何とも言えないが、
台湾の三商行(台北市)と今夏、
現地に合弁会社を設立する。
これは正解だと思う。
早期に「50店舗体制50億円規模」を目指す。

このブログでも取り上げたが、
台湾では香港系のワトソンズと現地・統一のコスメドの2強体制。
そこにジャパン・テクノロジーを旗印に食い込む。

ツルハはタイ1号店を出す。
こちらも現地の流通大手「サハグループ」と提携。
2年後、バンコク中心に10店舗。

グローウェルホールディングスは、
中国企業と合弁で、上海に海外1号店を開業。
5年間で120店舗を展開する計画。

まだまだ、緒に就いたばかり。
日本のドラッグストアのマネジメントが、
海外進出で成功をもたらすかどうかは、
大きな疑問だが、
まずは海外に出ようという意欲は買える。

もうひとつのニュースは、
「東急電鉄、駅売店をローソンに全店切り替え」

私は東横線の妙蓮寺を使っている。
だからいつも東急電鉄のキオスク「toks」を利用している。
それが全店、「ローソン」になる。

記事では「知名度が高いローソンに替えることで顧客を取り込む」とあるが、
これは間違い。

そんなことで顧客は取り込めない。
さらに「ローソン側は駅構内の集客力が高い立地を確保できるメリットがある」
これは確かだろう。

「今回の切り替えで売店の売上高を2割程度引き上げる計画」

ん~ん、
売上げは上がるかもしれないが、
利益は確保できるか。

これまでの電鉄社内の漠としたマネジメントの方が、
安全だったかもしれない。

売店は65店舗ある。
それを順次、ローソンに転換。
店舗面積は10~17㎡。
おにぎり、スイーツ、東急の鉄道グッズなど、
1000~1500SKUの品揃え。

「1店舗あたりの改装費用は数百万円程度で、
両社で負担する」

「東急の子会社がローソンに加盟し店舗を運営する」
フランチャイズ方式にすると、
厳密な利益が要求される。

果たしてしっかりと利益が出るビジネスモデルなのか。

電鉄の子会社だから、
そこそこに赤字は出していなかった。
それがこれまでの真相ではないのか。

前例は、京浜急行のセブン-イレブン。
外から見ると、よいコラボレーションかもしれないが、
小型コンビニで利益を出すのは至難の業。

岡目八目の評論をさせてもらったうえで、
高みの見物を決め込もう。

最後に日経スポーツ欄のコラム『チェンジアップ』
豊田泰光が切る。
今日のテーマは「試練がチームの根を強く」

事例はソフトバンクとジャイアンツの対比だが、
アナロジーが面白い。

ソフトバンクの今年のチーム事情に、
「そのたくましさに、
踏まれて伸びる麦の強さを思った」

「農作業の『麦踏み』は
麦の芽が出て少し伸びたところで、踏む。
なんだかいじめているようだけれど、
踏まれた麦は軟らかな土で伸び放題にしておくより、
強い根を張るようになる」

この麦踏み、
経営者を育てるのに、
必須のプロセス。

私はそう、確信している。

「他を寄せ付けない強さで日本一になったソフトバンク。
さあ常勝球団へ、というところで
遊撃手の川崎宗則を含め主力がごそっとぬけた。
これはきつい。球団として望んだ試練ではない」

「けれども、これが麦踏み的な効果をもたらし、
チームの足腰が一段と強くなりつつあるのかもしれない」
豊田はソフトバンクの試練を評価する。

「かたやソフトバンクから杉内、ホールトンを獲得した巨人。
こちらは麦踏みなどという面倒なことはあまりせず、
実を収穫するばかりの株を求めて移植するというやり方が得意だ」
巨人には辛口。
私と同じ九州の西鉄フリークだから。

「『4番松井秀喜』の時代以来、生え抜きで4番を打った選手は
高橋由伸、二岡智宏、阿部慎之助、長野久義の4人で、
試合数でみると圧倒的に外様が多い」
麦踏みの経験のない読売巨人軍。

「強化の根の細さをうかがわせる。
主力をごっそり抜かれるという経験をなかなかできないのが、
このチームの不幸といえば不幸か」

豊田泰光の「麦踏み」の比喩。
これをこそ、ナレッジという。

豊田は水戸商業出身。
高卒だ。

しかし豊田のナレッジは、
野球界で際立つ。

私の提唱する「知識商人」も同じ。
学歴ではない。

ピーター・ドラッカー『ポスト資本主義社会』から。
「夕食に招く客には教養のある人がよい。
だが、砂漠では教養のある人はいらない。
何かのやり方を知っている人がよい」

「マーク・トウェインが1889年に書いた小説の主人公、
コネティカット出身のヤンキーは教養ある人間ではなかった。
ラテン語もギリシャ語も知らず、
シェイクスピアを読んだこともなく、
『聖書』もほとんど読まなかった。

しかし彼は、機械のことなら、
電気を起こすことから電話機をつくることまで
すべて知っていた」

イオンにもセブン&アイにも、
ツルハやフローウェルやトモズにも、
そしてローソンや東急にも、
「ナレッジ・マーチャント」が増えてほしいと願う。

本当にそう思う。

<結城義晴>

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