結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年07月14日(火曜日)

8月30日衆議院総選挙、一人ひとりが自分自身の「この国のかたち」を描く夏にしよう!

8月いっぱい、総選挙の夏となる。  
麻生太郎首相が衆議院解散と、
「8月30日投開票」の意志を表明。

これは素早かった。
もたもたしていると、
自分の首が挿げ替えられてしまう。

まずは、麻生総裁のもとで、
自民党が衆議院選挙に臨むことになった。

しかし、日本の経済と消費、
そして国民生活の空白状況は、
避けなければならない。
その痛手は、最小限にしなければならない。

朝日新聞は、「万歳突撃解散」と言い切り、
日経新聞は、「追い込まれ解散」と表現。
読売新聞は、社説で、大好きな政界再編を唱えた。  

朝日新聞は国際面で、各国メディアの反応を紹介。
米国ニューヨークタイムズ。
「これはバンザイ突撃だ」  

同じく米国ワシントンポスト。
「奇跡でも起こさない限り自民党は下野」 

英国タイム。
「日本は戦後最大の政変に向かい、
自民党は歴史的敗北に向かっている」 

そしてロシア国営テレビ。
「戦後最も不人気な首相として歴史に刻まれた」  

もともと政権交代推進紙の朝日新聞だけに、
海外メディアの表現を面白おかしく紹介したが、
私は、英国タイムの「自民党歴史的敗北に向かう」が、
妥当な表現だろうと思う。

麻生太郎は「最も不人気な首相」ではないとは思うが。

こうなってくると、10カ月間、
なんの手立ても打てなかった首相に、
哀れなかわいさを感じてしまうのは、私だけだろうか。

しかし、経済と消費の空白を回避するとともに、
私たちは、「この国のかたち」を、
自分なりに明確にする夏にしたいものだ。  

一人ひとりが、自分自身と国の将来の、
グランドデザインを描く。  

私は、そんな夏を送ろうと思う。

さて、昨日は、東京・銀座。
一般社団法人パチンコ・トラスティ・ボードの拡大有識者懇談会。  
略称PTBは、パチンコホールに対する第三者監視機関。

監視委員会と有識者懇談会がある。
その両者が、合同して、討論をする会議。
PTB1
有識者懇談会からは、ほとんど欠席なしで、参加。
座長の三好正也先生(元経団連事務総長)
副座長の岩崎秀雄氏(元日刊工業新聞論説委員)
和田裕㈱日本イノベーション社長、
川上隆朗氏(元インドネシア大使)、
松田修一早稲田大学ビジネススクール教授、
黒瀬直宏嘉悦大学経営経済学部教授、
三堀清弁護士、
牛島憲明氏(元東京証券取引所上場審査部長)、
そして私。  

PTB2
監視委員会からは、今回、5人の参加。
委員長の横山和夫東京理科大学教授、
副委員長の大久保和孝公認会計士、
それに國広正弁護士、
木下潮音弁護士(コーネル大学RMPジャパン講師です)、
近江正幸日本工業大学大学院技術経営研究科教授。  

さらに、オブザーバーとして、
会員企業トップマネジメントの面々。

活発な議論が展開された。
私、こういう議論大好きです。

そして、重要なポイントや対位する論拠が明らかになった。

それはPTB有識者懇談会からのメッセージとして、
近く公開される。

しかし、こういったことも、
すべては、コミュニケーションが根本になければならない。

ピーター・ドラッカー先生が言うように、
「ポストモダンの作法」の第一に来るものは、  
「聞く、そして見る」  

この姿勢がなければ、絶対に、
オクシモロンの問題の解決にはつながらない。

今回は、衆議院選を控え、
第三者機関PTBとして、
絶好のメッセージ発信のタイミングとなってきた。
この機会を、逃したくはない。

私たち自身にとって、「この国のかたち」、
すなわち次代のグランドデザインを描く夏になることは、
間違いない。

<結城義晴>  

2009年07月13日(月曜日)

都議選、キリン・サントリー統合の大義と商売の理解・納得・賛同

Everybody! Good Monday!  

2009年7月第3週。


東京都議会議員選挙。  
自民党38議席獲得で、惨敗。
民主党54議席で、躍進。  

自民・公明で61議席、
非自民・公明で66議席。
つまり政府与党の都議での過半数割れ。

自民党はずっと国政と都政は違うという論法で戦ってきた。
民主党は、政権交代を訴えてきた。

そして民主党の主張が都民に受け入れられた。
それが大義となった。

経営においても、運動においても、
大義を背負うことこそ、
勝利の鉄則。

大義とは、
①全体最適であること、
②筋が通っていること、
そして、③シンプルであること。 

すなわち、
賛同しやすく、
納得しやすく、
理解しやすい。  

 
一両日中に、政局は動く。
「政権交代への政局」と言った方がわかりやすい。

まず、麻生太郎の首がつながるか否かで、第一弾。
その後、どちらにしても政権交代へ、第二弾。  

政局といいながら、
こんなに明白なのも珍しい。

自民党の右往左往が目立つのみ。
自民党代議士、こんな時にこそ、
人間の器が分かる。

だから今、面白いのは、
その自民党の面々の一人ひとりの発言。

民主党は、無駄な発言、意味ない行動は控えて、
その面では見事に意思統一が図られている。

私には、特別の支持政党はない。

冷静に、客観的に、政治を見ている。
だから、失礼ながら、こんな時こそ
一人ひとりの政治家の技量を見定める面白さがある。
人間として滑稽な面が垣間見えるのが悲しくもあり、
自分の反省にもなる。

政局の行方は、ほぼ、明白なのだから。

さて、各紙の一面トップは、
都議選だと思っていたら、
日経新聞だけ、違っていた。
「キリン、サントリー経営統合へ」  
例によって、日経だけのスクープ。
「経営統合の交渉中」というニュース。

日経一面でこんな記事がすっぱ抜かれると、
両社のなかの経営統合反対派の声が押し込められる。

守旧派は、ひっこむ。

だから経営統合は進む。

キリンホールディングスは、年商2兆3035億円。  
国内第一位のフード&ベバレッジ・メーカー。

サントリーは非上場企業ながら、年商1兆5129億円。  
国内第二位のフード&ベバレッジ・メーカー。

統合されると、3兆8164億円の、ダントツ国内トップ。
世界では、
第一位ネスレ、
第二位ユニリーバ、
第三位ペプシコ、
第四位クラフト・フーズに次ぐ、
第五位に躍進する。
第六位が、コカ・コーラ。  

小売業は、きわめて地域性が高いビジネスである。
店舗という拠点が重要な働きをするから。

しかし製造業は、商品をつくり、流通させることが社会的機能。

製造業は、空中戦。
小売業は、地上戦。  

だから空中戦のほうが、
範囲の経済のクリティカル・マスを突破しやすい。
日本という範囲を超え、
世界の範囲でクリティカル・マスを狙う。

小売業は、その範囲の経済の中で、
クリティカル・マスを達成し、
突破するのに時間を要する。

しかし、突破してしまったら、
逆転が起こりにくい。

よほどの大失態を演じない限り。
それが小売業の特徴。

キリンとサントリーの統合に向けた交渉。
果たして大義を背負っているか。

さて、2009年第3週のこの7日間。  
もうすぐ、梅雨も明ける。

私たちは、お客様や地域に対して、
「大義」を背負った仕事をしなければならない。

全体最適で、
筋が通っていて、
シンプルな。  

現時点でいえば「最良のベーシック」。  

それを実現させるのは、
今月の標語。
「答は現場にあり」  

毎度毎度、お説教じみていて、恐縮。

しかしそこにしか、「解答」はない。
顧客と地域に、
理解してもらう、
納得してもらう、
賛同してもらう。  

それが、私たちの仕事。

私たちは、仕事を通して、成長する。

Everybody! Good Monday!  

2009年07月12日(日曜日)

ジジの食欲[日曜版]

ユウキヨシハルのおとうさん、
きのうの夜、うまれてはじめて、
電車のなかで席をゆずられた。

「ふしぎなきもち」
と、いってます。

わかい、まじめそうな、
サラリーマンだったらしい。

ボクも、おとうさんを、
いたわってあげなければと、
おもいます。

だから、玄関のところで、
おとうさんを、おでむかえ。
1

どうぞ、どうぞ。
こちらです。
2

もっと、もっと、
こちらです。
3
そして、ここです。

ねえ、おとうさんこれです。
5
……。

ありがとう。  

いただきます。
6

シーバというなまえがついたキャットフード。

ボクの大好物。
シーバしかいただきません。

ぜんしんで、ふんばって。
13
いただきます。

もっと、おくまで、
カオをウツワにつっこんで。
4
いただきます。

ごはんを、いただいたら、
こんどは、お水。
7

お水は、うえのほうを、
ぺろぺろ。
8

んーん。
9

おいしかった!!  
10
いちおう、マンゾク。

ツユだというのに、
ボク、すごい食欲です。

「ふしぎなきもち」

全身の毛をカットしてもらって、
「ぜいへん」したからなのか。

ボクにはよくわかりませんが。

とにかく、
たべたい。
11
たべてもたべても、
まだ、たべたい。

おとうさんは、
「もうやめなさい」
と、いってくれます。
12
でも、もっともっと、
たべたいんです。

ボクも、
席をゆずってあげるから、
ごはん、もっとください。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年07月11日(土曜日)

日本スーパーマーケット協会10周年記念パーティ一部始終

日本スーパーマーケット協会10周年記念。  
昨日の続き。

私は、10年前のこの協会発足の時、
記念講演をした。
タイトルは、
「スーパーマーケットよ、永遠なれ」  

だからこの10年の協会の活躍は、嬉しいし、頼もしい。

恒例のパネルディスカッションのあとは、
記念パーティ。
ところは帝国ホテル・孔雀の間。

入口の前に、名誉会長、会長、副会長、専務理事勢揃いで、
お迎え。
1
実は、私も、パネルディスカッションの続きで、
一緒に行動していたので、
大塚明専務理事から少し離れたところに立って、
出迎えた。

パネルディスカッションには800人の聴講者がいたが、
このパーティには2000人からの参加者が訪れ、
この出迎えのセレモニーは20分を超えた。

パーティでは、名誉会長、会長、副会長が、壇上に。
2
清水信次名誉会長(㈱ライフコーポレーション会長)
川野幸夫会長(㈱ヤオコー会長)
横山清副会長(㈱アークス社長)
平富郎副会長(㈱エコス会長)
大桑堉嗣副会長(㈱オークワ会長)
夏原平和副会長(㈱平和堂社長)
齋藤充弘副会長(全日本食品㈱社長)  

そして清水名誉会長が挨拶。
simizu
清水さんは、6月28日に、
大韓民国「修交勲章光化章」を授与された。  
日韓協力委員会の副会長として40年にわたって貢献した功労に報いるもの。
1969年に発足したこの委員会は、
初代会長・岸信介、二代会長・福田赳夫、三代会長・中曽根康弘。
清水さんはずっと彼らの補佐役として、日韓友好に尽くしてきた。
この功績に、イ・ミョンバク大統領が来日し、
直接、勲章を手渡した。
イ大統領は、語った。
「直接、授与できたことを幸いに思います。しかし遅すぎた」  
修交勲章光化章は外国人に授与される第一級の勲章。
日本の商業にとっても、うれしいこと。

さらに清水さんは6月と7月に立て続けに2冊の本を出した。
『男の死に方』と『惜別 さらばアメリカ』(いずれも経済界刊)
「これが私の遺言だ」  
そう語るが、気力の衰えは全くない。

続いて、川野新会長の挨拶は、力がこもっていた。
kawano
「私たちの店のそばで暮す喜びを、
お客様に提供し続けていきたい。
そして製配販の情報交流の起点として、
日本経済の内需拡大の役割を果たしたい」  

「この店のある喜び」は、かつて私がヤオコーに贈った言葉。
それを使ってくれた。

それが、私の喜び。

新旧会長のバトンタッチの握手。
akusyu

政治家も次々に挨拶。
まず、二階俊博経済産業大臣。
nikai

東京都議選真っ只中の自民党・細田博之幹事長。
hosoda

そして公明党・大田昭宏代表。

乾杯の音頭とご挨拶は、賛助会員を代表して國分勘兵衛さん。
ご存知、国分㈱会長兼社長。
kokubu
パネルディスカッションの内容に触れ、
私の名前もわざわざ引き出してのご挨拶、恐縮。

さて、2000人からの交流会。忙しい限り。

まずは、ライフコーポレーション社長の岩崎高治さん。
いつも、超のつくさわやかさ。
それでいて、しっかり仕事している。
iwasaki

日本セルフ・サービス協会会長の増井德太郎さん。
masui
コーネル大学RMPジャパンは増井さんに支えられている。

そこへ、パネルディスカッションでご一緒した亀井淳さん。
日本チェーンストア協会会長で㈱イトーヨーカ堂社長。
kamei

さらに全国セルコチェーン理事長の佐伯行彦さん。
㈱さえき社長。
saeki
私、失礼のしっ放し。
お詫びとともに、固い握手。

そして新打ち・横山清さん。
yokoyama
日本のスーパーマーケット協会の大同団結論者。
私も、趣旨に賛成。
少なくとも、政治・行政向けに、
意志一致を図り、統一行動をとらねばならない。

それが行政にも、仕事がしやすい環境をつくる。

そこへ、緒方知行さん登場。
2020新社主幹。
ogata
私の㈱商業界の大先輩。

懇親会の最後に、名誉会長を囲んで、
会長・副会長揃い踏み。
sorotte
考えてみると、全員が、㈱商人舎の発足の会発起人。
私は、皆さんに、感謝申し上げなくてはいけない。

國分さんも、岩崎さんも、
増井さんも、佐伯さんも、
緒方さんも、亀井さんの会社の創業者伊藤雅俊さんも、
みんな商人舎発起人。

ありがたいことです。

そして、勲章を受章した晴れの清水ご夫妻。
husai
奥様がいらっしゃらなかったら、今の清水さんは、ない。

裏方の新旧専務理事のお二人。
並木利昭さんと大塚明さん。
hutari
並木さん、ほんとうにご苦労様でした。
見事な仕切りでした。
ライフコーポレーション常務取締役管理本部長として、
一層のご活躍を。

そして大塚さん。
大好評のコーネル・ジャパン講師は、第二期もお願いします。
ootuka
と、言って、固い握手。

最後に、商人舎ファミリー。
コーネル大学RMPジャパン事務局長の大高愛一郎さんと、
商人舎エグゼクティブ・ディレクターの鈴木敏さん。
syouninsya

いろいろな周年行事がある。

いかにも清水さんの日本スーパーマーケット協会らしい10周年イベントだった。
それが、うれしかった。

<結城義晴>  

2009年07月10日(金曜日)

日本スーパーマーケット協会10周年記念討論会「10年後の考察」

昨7月9日、東京・帝国ホテル。
日本スーパーマーケット協会が10周年を迎え、
その総会、記念式典、パネルディスカッション、懇親会など、
盛大に開催された。

この模様、2回にわたってお届けする。
panel

10周年の節目に、
清水信次さんから川野幸夫さんに、
会長がバトンタッチされた。  

清水さんは、㈱ライフコーポレーション会長。
川野幸夫さんは㈱ヤオコー会長。

清水さんは、この協会を創設し、
10年間会長職を務めて、
まれにみる強力な牽引車ぶりだった。

川野さんが会長に就任するとともに、
専務理事は、大塚明さんに交代した。

ライフコーポレーションの並木利昭さんが、
これまでの専務理事。
ライフ常務の並木さんから、
ヤオコーの常務だった大塚さんへのバトンタッチ。

専務理事も、まさに適任の交代。

並木さん、お疲れ様でした。

さて、この協会は、
通常会員と呼ばれるスーパーマーケット企業104社。
その年商合計は6兆円を超える。
賛助会員は504社。

私はこの協会を、
日本のスーパーマーケット業界全体の、
「政治・行政部」と位置付けている。

政治や行政府に、大義を背負って、
正々堂々とモノ申す協会。
それを清水さんが果たしてきたし、
これからも果たしてもらわねばならない。
だから清水さんは、
名誉会長兼政治局局長の役回りとなる。
それも大局長。

これからもお元気で、お願いしたいものだ。

さて、総会で、そんなことが決まったあと、
記念式典では、10年を振り返るビデオ上映、
そして会員各社のユニフォーム・ファッションショー。

14社の社員が、ユニフォーム姿を披露して、
拍手喝采を浴びた。

そのあと、恒例のパネルディスカッション。
毎回、会長・副会長が勢揃いして、討論する。
私が、コーディネーター。
これも恒例。
JSa
今回は、10周年ということもあって、
特別ゲストをパネラーに迎えた。
日本チェーンンストア協会の亀井淳会長。  
イトーヨーカ堂社長。

パネラーは、清水信次名誉会長、川野幸夫会長、
そして横山清日本セルフ・サービス協会名誉会長。  

㈱アークス社長にして、全国スーパーマーケット協会理事長。
日本スーパーマーケット協会では副会長職にある。

日本の小売業の代表的協会の会長・名誉会長による豪華討論会。
私が設定したテーマは、
「10年後の考察」  
もちろん10周年だからだ。

10年のことを、英語で「ディケード」という。
特別な単語があるくらい、特別な時間単位なのだと思う。

その10年を区切って、「来し方と行く末」を考える。
サブタイトルは、
「日本流通業の現状を整理し、
今後の10年間を展望する」  

yuuki
まず、コーディネーターの問題提起。
パラダイムの転換のときであること。
そしてこの10年間に、消費産業・商業の時代に入ってきたこと。
それはウォルマートが石油産業・自動車産業を追い抜いて、
世界最大の年商という社会的機能をもつに至ったことに象徴される。

川野さんが、見事に整理してくれた。
kawano
「お客さまは、十人一色の時代から、
十人十色に変わった。
そしていまや一人十色になった。
消費は多様化、個性化、高度化していく。
だから総合を狙った百貨店、総合スーパーは苦しくなった。
食品スーパーマーケットも、食品のよろずやではだめ。
専門化されたスーパーマーケットにならなければならない。
専門化とは、どんな色のスーパーマーケットか、
どんな商いをするのか、ということ。
スーパーマーケットの本格的競争時代に入る」  


「日本のスーパーマーケットは年商17兆円。
そのトップのライフは4500億円で、2.5%。
その意味で寡占化は進んでいない。
産業のライフサイクルでみると若い業態ということができる。
私たちの役割をしっかり果たしていくことによって、
まだまだ伸びるし、内需拡大に貢献することができる。
日本スーパーマーケット協会は、
リーダーとしてその役目を果たしたい」

力強い発言だった。

つづいて、横山さん。
「最近は景気12年説というのがある。
1997年に金融ビッグバンが起こって、
金融界ではメガバンクが4行しか残っていない。
小売業界は、これからが正念場だ。
いままででの論理構成では底が抜ける。
この10年から学びたい」
yokoyama
「これまでは焼畑農業ならぬ焼畑商業だった。
これからは新しいパラダイムを、
自分たちでつくっていかねばならない。
バブルが崩壊した時に『価格破壊』と言われた。
しかし今、『価格革命』が必要で、それがサバイバル戦略となる。
いま、アークスは北海道で10%のシェアだが、
縮むマーケットで『縮小拡大』を図りたい」  

この考え方は、くしくも私のこの朝のブログと同期した。
「あなたは小商圏でトヨタやユニクロになれるか」
yokoyama2
その後、横山さんは持論を展開。
「食品スーパーマーケットの協会が大同団結して、
政治や行政にアピールしていく。
年商17兆円のスケールを訴えていくことが大事」

横山さんのユーモアな語り口に、パネラーたちからも、
微笑みが漏れる。

さて亀井さん。
kamei
「お客さまの目線から見続けてきた。
百貨店同様に総合スーパーは、数字が悪くなった。
日本チェーンストア協会加盟企業も、
10年前は年商16.6兆円で、現在は13.3兆円。
売場面積は10年前が1834万㎡で、いまは2333万㎡。
売上げが落ちて、売り場面積が増えた。
すなわち生産性が大きく後退した。
ここで変わらなければ、存在価値がなくなる。  
イトーヨーカ堂は、何を目的の店にするのか。
ショッピングセンターのアリオでは、
物販とサービスを半々の構成にした。
つまりサービスビジネスの充実だ。
現金下取りセールも、
お客さまの背中をちょっと押して差し上げること。
お客さまの『もったいない』の気持ちも、
一緒に引き取らせていただくということ」
kamei2
亀井さんは、みずからアリオの開発をし、
農業法人の取り組みを展開した。
「農業と情報を共有化することで、
イトーヨーカ堂として、
環境問題に取り組んでいる」  

亀井さんの発言を聞きながら、うれしそうな会長と名誉会長。
hutari

そして最後は、清水さん。
simizu1
予想通りの切り出し。
「10年後といっても、10年後には私はこの世にいない」
清水さんは今年初めに、大手術をし、
元気に蘇った「化け物級」の経営者。
だからきっと10年後もこのパネルディスカッションには登壇している。
私は固く信じている。

清水さんが今回主張したことは一点に集約される。
「人材がすべてを左右する」  
simizu2
「だから根本から教育をやり直さねばならない。
その教育とは、正しい現在地を教えること。
そして三つのこと。
一、己を知る
二、足るを知る
三、終わりあることを知る  

その意味で企業には『人を得る』ことが大切だ。
ライフコーポレーションには岩崎高治という人を得た。
協会にも、川野幸夫という人を得た」
simizu3
「それだけ」  

見事な総括だった。

これまでの10年、
これからの10年。
その考察。

「人を残す」  
これがコーネル大学ジャパンの目的。
yuuki2
私の総括も、すべて、人に帰する。

最後に「商業現代化」を標榜する結城義晴のまとめは、
ピーター・ドラッカー先生の考えの上田惇生先生版の整理。
現代化とは「ポストモダン」のこと。
「ポストモダンの七つの作法」  
1.見る、そして聞く
2.分かったものを使う
3.基本と原則を補助線として使う
4.欠けたものを探す
5.自らを陳腐化させる
6.仕掛けを作る
7.モダンの手法を使う  

panel2
今回も、いいパネルディスカッションだった。
4人のパネラーの皆さんと、
800人の聴衆に、心から感謝しよう。

<明日に続きます。結城義晴> 

2009年07月09日(木曜日)

小さな商圏の中であなたはトヨタやユニクロになれるか?

ニューヨーク市場で円高が進み、1ドル92円。
そして日経平均株価は6日連続で、9500円を割った。  

さらにガソリン価格は、14週連続で上昇。
6月時点のレギュラーガソリンは1リットル124円。

日本の経済も、日本人の消費生活も、
晴れ間は見えない梅雨空のようだ。
こんがらがったこの彫刻のようだ。
岩
日経新聞が試算した世界の自動車メーカーの数字。
「時価総額シェア」と「販売台数シェア」。  

トヨタ、ホンダ、日産自動車、
それにスズキ、三菱自動車、マツダ、富士重工。
日本勢7社で、時価総額は全体の54.3%。  
トヨタは30.1%でトップ。
第二位は、フォルクスワーゲンの23.3%。
ホンダが第三位で、11.3%。
ダイムラーが第四位で、8.5%。
第五位は日産の6.3%。  

販売台数のシェアは、日本勢が全体の45.5%。  
こちらは第一位、トヨタで19.1%、
第二位フォルクスワーゲン13.2%、
第三位、フォード11.5%、
第四位、現代自動車8.8%、
第五位、ホンダの8.0%。
第六位に、日産が7.9%で入っている。  

日産・ルノーは合わせると、
時価総額で8.6%の第四位、
販売台数で、13.0%の第三位に上がる。

つまり、日本の経済は全体として見るとまだまだだが、
自動車産業は、世界中の業界が縮んでいて、
日本の7社は、その分、
シェアを増しているということだ。

これは、あらゆる分野で、起こっている現象。

例えば小売業。

ある限定された商圏内で、
同業種・同業態の全体は縮んでいる。
しかし、
1店だけが売場と商品とサービスのレベルを、
維持・向上させていれば、
結果として、その店の客数は上昇し、
売上高や営業利益はアップする。  

これが、現在の競争。

日経新聞の取材記事が示す。
「ボーナス商戦出足鈍く」の見出し。
百貨店とファッションビル。
東急百貨店東横店。
ボーナスセール対象品は昨年比マイナス7%でスタート。
高島屋は、バーゲンを前倒しで仕掛けた。
しかし、6月27日から7月7日段階で、
前年比マイナス10%。
阪急百貨店梅田本店も、
7月1日から5日までの売上げは前年比マイナス1割。
パルコは7月に入ってから8~9%の落ち込み。

しかしその分、減ったとはいえ、
ボーナス分の消費は、どこかに行っている。

第一が「貯蓄」。
第二が「最良のベーシック」に。  

ユニクロのファーストリテイリングが、
「プラスジェイ」という新ブランドを仕掛ける。  

この秋から冬にかけて。
ドイツ人の著名なデザイナーのジル・サンダーの商品。
3月からサンダーと契約し、
マーチャンダイジング全体の監修を任せていた。
いよいよサンダー・ブランドを出す。
男性用40アイテム、女性用100アイテム。
しかもユニクロの価格帯より1000円から2000円だけ高い。

商品は、実際にそれにあたってみなければ、
決してその価値を判断してはならない。

しかし、このところのファーストリテイリングの仕事ぶりを鑑みると、
これは、ヒットするだろうと予測できる。

そしてまた、この冬、シュリンクの中の一人勝ちが展開される。

何度も言うが、
日本全体のファッションの世界だけのことではない。
世界の自動車製造・販売の世界のことだけではない。
小売業の場合、サービス業の場合、
小さな商圏の中で、この集中化現象が起こる。  

だから、日本中に、
トヨタやユニクロが、登場する。  

あなたが、トヨタやユニクロになれるか否かだけである。
もちろんトヨタやユニクロの規模を言うのではない。
「最良のベーシック」と「イノベーション」において、
トヨタやユニクロになれるかと、言いたいのだ。

今月の標語。
「答は現場にあり」  
そして、このホームページ右サイドのボタン「過去の標語」から、
2月の標語で、今年いっぱい通用する概念。
「最良のベーシック」  

週末に向かって、ピッチを上げよう。

<結城義晴>

2009年07月08日(水曜日)

日経MJ専門店調査と似鳥昭雄さんの「お客様の給料2倍化」発言

ヨコハマの七夕の夜空。

雨は降らなかったが、
残念ながら、雲がかかった。

「あなたのねがい、かなっただろうか」  

今日は、全国的に雨。
九州南部、沖縄を除いて。
特に、日本海側は、
「バケツをひっくり返したような雨」。  

さて、日経MJが第38回専門店調査を発表。  
これは良いリサーチだ。

是非、購買して、1週間くらい眺めてもらいたい。
知識商人ならば。

毎日眺めるだけでよい。
それだけで、消費傾向が見えてくる。
それだけで、さまざまな店舗の売り場がわかってくる。

2009年の現在の商業には、
間違いなく、ふたつの傾向がある。

第一が、サービス業化。
第二が、専門化。  

この専門化のトレンドは、
専門店の動向をみるのが一番。

この専門店調査は、
比較可能な414社からアンケートで回答を得た。

414社で20兆8874億円。  
食品スーパーマーケットの17兆円を凌ぐ。

しかしその前年対比の伸び率は1.6%と、
消費税導入後の1997年以降最低で、
営業利益も前年対比7.5%マイナス。

専門化の時代とはいっても、
個別企業は全体で低迷状態。

「最良のベーシック」を提供できる1社が、
他の大多数を圧倒した。  

そんな感じ。

だからこの日経MJの仕分けの如く、
業種別に見たそれぞれの一番手が圧勝した。

それぞれの一番手、二番手、三番手を列挙しよう。

[家電] 
ヤマダ電機1兆8250億円
エディオン8030億円
ヨドバシカメラ7013億円  

[総合ディスカウント] 
ドン・キホーテ2908億円
トライアルカンパニー 1734億円
Mr Max965億円
PLANT 831億円
ジャパン 706億円
ロヂャース 600億円  

[100円ショップ]
大創産業 3412億円
セリア 684億円
キャンドゥ 608億円  

[ホームセンター」 
カインズ3398億円
コーナン商事 2971億円
コメリ 2528億円  

[ドラッグストア] 
マツモトキヨシ3672億円
サンドラッグ 2293億円
カワチ薬品 2259億円  

[スポーツ] 
アルペン1835億円
ゼビオ 1175億円  

[紳士服] 
青山商事 1682億円
AOKIホールディングス 873億円  

[婦人・子供服] 
しまむら 3693億円
ファイブフォックス 1559億円  

[カジュアル衣料] 
ユニクロ 4623億円
ライトオン1042億円  

[呉服] 
さが美 351億円
やまと 241億円  

[靴] 
チヨダ 1151億円
エービーシーマート905億円  

[家具]
ニトリ 2416億円
大塚家具 668億円  

[玩具・ホビー]
日本トイザらス 1801億円  

[書籍・文具]
紀伊国屋書店 1198億円
丸善 959億円
有隣堂 547億円  

[楽器・CD]
タワーレコード 610億円
新星堂 407億円  

[生活雑貨]
良品計画 1454億円
東急ハンズ 870億円
ロフト 768億円  

[生鮮]
ニュー・クイック 546億円
中島水産 411億円  

[酒]
やまや 745億円
カクヤス 660億円  

いかがだろう。

専門店ほどチェーンストア化が進んでいる。  
逆にいえば、専門店ほどチェーン化に必死だし、
専門店ほどチェーン化しやすい。

重大な事実がここにある。

そして朝日新聞で、
㈱ニトリの似鳥昭雄社長がコメント。  
似鳥さんも商人舎発起人のおひとり。
「値下げはおおいに結構。
我々が価格を半分にしたら、
お客さまにとっては給料が2倍になったのと同じ」  

「うちは好況の時は弱い。
競争相手がどんどん出てくるから」

これこそ、現時点の真理。

似鳥さんは2005年にアメリカで、
「住宅バブルが崩壊する」と感じた。
その時から「値下げ」の準備を進めてきた。

だから昨年5月以降、5回にわたって1700品目を値下げ。
この8月にも300~400品目を全190店で値下げする。

すべてプライベートブランド。

「お客さまの給料を2倍にする」
このトップの発言ほど、
社員にとって勇気が出るものはない。

<結城義晴>  

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