結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年02月25日(水曜日)

セブン-イレブン「見切りか廃棄か」問題に結論を出す

昨24日の日経平均株価は一時、7155円。  
バブル崩壊後の最安値を記録。
朝日新聞一面トップ。
「日米欧」
「株安 じわじわ」
先進国で、ジワリジワリと下がっている。
これは、深刻。
本質の問題、構造の問題だから。

さて、
セブン-イレブンの公正取引委員会調査の見切り問題。  
多くの方からご意見をいただいた。
感謝申し上げたい。

私の整理。
まず、この問題は、二つに分けて考える。
第1は、チェーンオペレーションの問題。
第2が、「見切り」という行為の問題。  

①
第1のチェーンオペレーションという側面から考えると、
今回の問題は、「個店経営」が第一義ではないことが判明したことになる。
チェーンオペレーションでは、標準化や統制が不可欠。
その標準化と統制の上に立って、個店経営がなされる。
安土敏さんのいう「作演システム」である。

日頃、セブン&アイ・ホールディングスが言っている「個店経営」の本質が、
図らずも、明確になったことになる。

その本部統制に、フランチャイジーの加盟店のうち、
従わない店が出た。
従わない店に、監督者であるスーパーバイザーが指導する。
「本部の指示は、全体最適のためです」  
加盟店は反論する。
「いや、自分の店があってこそ、全体だろう」  

レギュラーチェーンと呼ばれる直営のチェーンストアならば、
全く問題は起こらない。
これは、最初に書いた。
しかし、フランチャイズチェーンの加盟店は、
独立した資本家である。
だから本来、個店経営ではある。

ただし、それならば、冷たいようだが、
個人の意思をもって、他のチェーンに鞍替えしたらいいと、私は思う。
その自由は保障されている。
もしくは、チェーン全体に向けて、
「見切り」の提案をすべきだろう。

フランチャイズチェーンといえども、
チェーンストアである。
一部の店舗の事情が、
全体の顧客ロイヤルティを侵害すると考えられる場合、
本部は全体を優先する。

チェーンストアの鎖のたとえである。
一番弱い輪の強度が、
鎖全体の強度とイコールになる。  

チェーンオペレーションの統制と、
その枠組みの中での個店経営とが、
浮き彫りになった。
だから、極めて面白い事件だった。

しかし公正取引委員会で、「黒」と判定されたら、
これは法律の問題となる。
見守らねばならない。

②

第2の、「見切り」という行為の問題。
なぜ、見切りするのか。  
それは、在庫を売り切って、現金化するためだ。
間違いなく経営行為の一つの手段。
その意味では、生鮮食品や惣菜だけでなく、
衣料品でも雑貨でも、見切りはする。

生鮮食品や惣菜は、鮮度劣化したり、消費期限を超えたりすると、
商品価値は著しく低下する。
もしくは皆無になる。

だから商品価値がゼロになる前に、
安い値段をつけて、販売する。
顧客にも、それが店のルールとして、知れ渡っていれば、
顧客との約束を破ることにはなりにくい。

しかし、なぜ見切りする商品が生まれるのか。  
それは、売れ数の予測が狂い、
発注が過多になったからだ。

小売業は、最終販売者である。
そのあとの顧客は、商品を転売することはない。
最終販売者ということは、
誰かから買って、誰かに売る。
誰かから買うときに、ミスすると、在庫が残る。

この残った在庫の責任は、誰が取るか。
小売業者である。

本来、仕入れた商品、発注した商品は、
すべて売り切れることが理想である。

その理想主義的な経営をセブン-イレブンは、
一貫して追求している。

だからセブン-イレブン本部が考えるように、
見切りの前提があれは、発注の精度が落ちる。
これは確実だ。

見切りを認めたからといって、
廃棄の数量が減るかというと、それは違う。

ここには、おそらく、
8-2の原則が適用できるだろう。  

8割の加盟店は、見切りをうまく活用する。
2割の加盟店は、見切り制度があっても、
廃棄数量は、変わらない、あるいは増えるだろう。

これも推理の域を出るわけではないが、
従って、現在、セブン-イレブンの加盟店の中で、
発注精度が甘く、見切りしなければならない店は、
見切り制度が導入されると、発注はさらに甘くなり、
見切りしても廃棄は出るという矛盾に陥る。

いたちごっこになる可能性が強い。

「見切り」はあくまで行為であり、手段だ。
行為や手段の是非は、
その行為や手段が上手に活用できるか否かによって、
判断される。

野球のバントがいい作戦か悪い手段か。
それ自体の問題は、大きな戦略判断だが、
その前に、バントが上手か下手かの方が問題となる。

ただし、多くの方から指摘があったように、
生鮮品や惣菜の廃棄は、
地球環境問題や食糧問題、人口問題に関連している。

これは、世界の共通認識である。
だからこの問題に反することは、許されない。
損得より先に善悪を考えるべきだ。

セブン-イレブンの惣菜・弁当の「見切りか廃棄か」は、
従って、総量の問題となる。

生鮮や惣菜は腐るし、消費期限がある。
だから廃棄をゼロにすることは不可能だ。

それへの対応策として見切り制度を導入しても、
先の発注の甘い店が、
以前より多量の発注をしてしまったら、廃棄は出る。
すると、環境対応としては、マイナスになる。

しかし、セブン-イレブンが、企業全体として、
チェーン全体として、
現在以上に積極的に、廃棄総量を激減させることを、
第一目的化し、運動化するならば、話は別のことになる。

結論。  
第一は、セブン-イレブンが公正な取引に抵触するのか否かの問題。  
これは、法廷論争になるかもしれない。
事実がそれを証明する。
第二は、チェーンオペレーションと個店経営の問題。  
私は、セブン-イレブン本部に、論議の分はあると思う。
第三は、見切り制度を導入するか否か。  
これは、企業独自の方針であり、戦略問題。
セブン-イレブン本部にお任せすべき問題。
そして最後に第四に、環境問題と食糧危機問題。  
セブン-イレブンという日本最大規模の小売業には、
積極的に、先導的に、この問題に取り組んでほしい。
これは、私の要望。
商業現代化、商業基幹産業化という大目標のために。

見切り制度を導入すれば、
おそらくセブン-イレブンは、
最もバントが上手なチームになるはずなのだから。

<結城義晴>  

2009年02月24日(火曜日)

意欲ある人材のどんどん採用、どんどん教育、どんどん競争、どんどん成長

帰ってきました。
昨夜、遅く。

2泊3日のソウルの旅。

すると昨23日の日経新聞第二部が目に飛び込んだ。
毎年恒例の広告特集「就職ガイド」。
大学生就職希望企業調査。  
韓国では読むことができなかったページ。

第一位は、東京海上日動火災保険。
第二位は、三菱東京UFJ銀行。
第三位が、全日本空輸(ANA)。
そして第四位に松下電器改めパナソニック。

ベスト10には金融保険会社が、5社。
鉄道・航空と旅行社が4社。
そして製造業1社。

小売業は、95位の高島屋。
100位のニトリ。  

これは、大学3年生のアンケート調査だから、
アメリカ『フォーチュン』の「働きたい企業ランキング」とは、
全く趣旨が違う。

広告特集でもあるから、広告主への配慮も、
少しは入っているだろう。

しかし、それでも小売業が高島屋とニトリではさみしい。

商業の現代化どころか、
いまだ近代化のプロセスにあるとしか言えない。

経済不況の今。
人材採用こそ、次の時代への政策。
ここに小売商業がどんどん登場しなければいけない。

少なくともイオン、セブン&アイ・ホールディングスは、
常連でなければおかしいし、
ユニー、イズミヤ、イズミ、平和堂、オークワ
ライフコーポレーションやアークス、ヤオコーなども、
さらにファーストリテイリングやしまむら、
ヤマダ電機やヨドバシカメラ、コメリといった企業も、
ニトリと並んでベスト100には、顔を出してほしい。
菱食やパルタックも、ロックフィールドやスタジオアリスも。

私がいま、書いている『小売業大研究』という本。
編集担当の新垣さんや二宮さんには、迷惑のかけっぱなしだが、
この本を読んだら、誰もが、
小売商業に入りたくなるものにしたいと考えている。
そして小売商業、サービス業に入ったら、
一生、持っていたいと思う本にしたい。

「一生ものの本」  

さて、日経のコラム「大機小機」。
「世界は悲観の極み」と表現する。

しかし、「経済が人の営みである限り、
地球上から消費や生産がなくなるわけではない」

同感。

アメリカ国内の自動車保有台数は、2億台を超える。
それが現在、年間1000万台の販売数。
このままでは、20年間、同じ車に乗ることになる。
そんなことが、長く続くはずがない。
「経済は必ず、回復する」と。
大六星と名乗るコラムニストは、そう言う。

これも同感。

だから、今、打つ手は何か。

ピーター・ドラッカーは言い残している。
「われわれは今、歴史の峠を越えつつある」
そして、
「量の成長が見込めないときには、
質の充実を図れ!」  

これが、2009年の基本方針。

質の充実とは、
こんな時代だからこそ、
意欲ある、商人向きの人材の採用である。

どんどん採用して、
どんどん教育して、
どんどん競争させて、
どんどん成長させる。  

21世紀は人の時代。
「知識商人」の時代。
ナレッジ・マーチャントの時代。

その知識商人候補大量採用の絶好のチャンス到来。
そう考えたい。

さて、韓国・ソウルの駆け足旅行。
コエックス・ショッピング・モール。  
2000年開業。
二つのホテルに挟まれて地下街のようなモール構成になっている。
いわば核は、ホテル。
グランド・インターコンチネンタルホテルと、
コエックス・インターコンチネンタルホテル。
coex1

コエックスは、地下2万6000坪の韓国最大の総合アミューズメント&ショッピング施設。

アミューズメントの核は、メガボックス。
メガボックス

地下1、2階にある複合映画館。
16のスクリーン、大型館、中型館、小型館で、トータル4336席。
映画は全席指定。
とりわけ3Dシミュレーション劇場では、
座席がスクリーンの動きに合わせて動く。

海洋探検館「アクアリウム」は韓国最大規模のテーマ型水族館。
4340坪の規模、総500種類4万匹の魚。
ターミナル型の「オーシャンキングドーム」では、
頭上を大きな魚が泳いでいく様が見える。
さらに「キムチ博物館」など文化施設もある。
そしてカジノも。

商業機能の代表は、現代百貨店。
hundai
現代財閥系の現代百貨店グループで、売上高は百貨店の第2位。
ソウル・京畿道地方を中心に店舗展開。

外食と専門店が圧倒的に多い。
マクドナルドは、広大な店舗。
MAC

セブン-イレブンも、韓国の店としては広い。
seven

ただし、問題点は、地下街モールのため、
天井が低く、快適さに欠けること。
mall
韓国商業全体の問題点。
ショッピンググセンターの基本がないこと。

ロッテワールド。  
敷地面積約4万坪施設の延べ床面積18万坪。
室内型テーマパークとして世界最大規模。
rottetown
周辺は、マンション群。
mannsyon
室内テーマパーク、
野外の「マジックアイランド」、
スケート場「ロッテワールドアイスリンク」、
「ロッテワールド民俗博物館」、
「ロッテワールドシネマ」、
それにホテル、免税店、百貨店、総合スーパー、専門店モール。
map

商業施設の核は、ロッテ百貨店。
rottedept
ロッテ百貨店は韓国百貨店最大手。22店舗。

経営母体はロッテショッピング。
韓国ロッテグル-プに属し、
総合スーパーのロッテマート、
食品スーパーのロッテスーパーを傘下に置く、
流通・小売業第二位グループ。

地下一階の食品売り場は、特に充実。
food

韓国の青果部門の葉物の充実ぶりは、特筆モノ。
hamono

シェフが調理する惣菜のコーナー。
food2

スウィーツの対面売り場。
sweets

上階には、フルラインの品ぞろえ。
fashion

ロッテ百貨店の反対側にロッテマートがある。
総合スーパー業態。
mart
地下1階、地上5階の6フロア。

1階には無印良品の店舗。
muji
トイザらスも入る。

青果部門の野菜はフレッシュ。
月曜日だが、客数は多い。
fruits

ロッテマートでも、葉物の品揃えと鮮度感は高いレベル。
hamono

肉売り場にも、必ず店員が付いて、販売サービスする。
deli

店舗奥主通路には、惣菜コーナーが続く。
deliroad

レジ付近も、にぎやかな感じがする。
mreji
ロッテワールドは、テーマパークやアミューズメント機能に、
ショッピング機能が敷設されている。

その意味で、いかにも20世紀的なゾーンという印象。
つまり、「なんでもあります」式の機能満タン主義。

一方、都心部の新世界百貨店。  
首都圏に本店を含めて5つの百貨店があり、
その他、馬山店と光州店で7店舗。
サムソングループの小売部門としてスタートし、
「独立宣言」を発した。

㈱新世界は総合スーパー「E-MART」を、韓国内に100以上展開。
2006年9月には韓国ウォルマート16店舗を買収。
現在、新世界グループは韓国流通業界の売上規模首位に立っている。
sinnsegae
こちらは洗練されていて、国際レベル。
店舗面積は狭いが、吹き抜けスペースも設けられて、快適。
dept

店内は、「春の色」で統一されている。
spring&color
マネキンもご覧のように、飾り付けられている。

地下一階の食品フロア。
野菜は、やはり、鮮度感に満ちている。
seika

とびきり高いが、とびきり良質の商品でいっぱい。
deli
しかし、売り場に店員がうじゃうじゃ、いる。
小売業は人海戦術。
それが韓国のある種の常識。

1階は、百貨店らしく化粧品売り場。
1kai
百貨店としては、日本の伊勢丹のような存在。
マーケティングとマーチャンダイジングで、韓国商業を先導している。
faserd

韓国商業は、日本以上に大手寡占が進む。
しかし、カルフール、ウォルマートが、
相次いで進出し、相次いで撤退。

コストコだけは、ここでも業績順調。

部分的な突出と部分的な遅滞。
それが不思議な感じを与える。

外国資本にとって、利益が上げにくいマーケットであることは確かだ。

商業は、ドメスティックな産業だ。
韓国と日本を比べて、いつもそう感じさせられる。

<結城義晴>  

2009年02月23日(月曜日)

明洞の若者の熱気と宗廟の老人の真摯さに感じるもの

Everybody! Good Monday!  

2009年2月最終週。  
今週で2008年度を締める企業も多い。
来週から3月。
春がやってきます。
希望をもって、臨みたい。

しかし、麻生太郎内閣支持率下落が続く。
最新の毎日新聞調査では、11%。
日本経済新聞調査は、15%。

2月15日付、日本テレビ調査では9.7%と、
ひと桁を切った。

麻生太郎首相も、時事通信では、
「10%を切ることも覚悟している」と発言。

統計を見ると、雇用不安が高まり、
それが高額消費に影響を及ぼし、
GDPに大きくシェアを占める個人消費が停滞、落ち込み。

2010年までの長期の消費不振が予測されている。

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も政治も個人の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。
 

「そう、元気は自分で何とかなる」というところが、
私は、好きです。

今週いっぱいを、元気で乗り越え、
週末から、弥生3月。

梅の季節から、桜のシーズンへ。
気分も晴れます。

もちろんお客様の気分、
そして私たちの気分。

さて、一昨日夕方から、
韓国・ソウル。  
日曜日ということもあって、
観光も兼ねて、中心地を回った。

ソウルは、もう10年ぶりくらい。
㈱商業界で取締役編集担当だったころ、
ソウルの未来トレードネットという会社と包括的業務提携をした。
そのための事前調整と正式調印、
その後、「韓国小売業視察セミナー」を、
コーディネートして、やってきた。
カルフール、ウォルマートなど、
日本に先行して進出していた外国資本大手小売業を研究するため。

バス1台分のいい研修会だった。

オリジン弁当の創業者、故安澤英雄さんも参加してくださった。
現ライフコーポレーション社長の岩崎高治さんも、参加メンバーだった。

それ以来の韓国・ソウル。
朝から、ソウルの中心・景福宮へ。
李王朝の創始者・李成桂が建てた正宮。
興礼門まえで、衛兵の交代式が行われていた。
景福宮

宗廟で、車さんという名の老人に会った。
「チャと発音します」  
tya
韓国の歴史やこの宗廟の由来、三つの王宮の意味、
そして韓国人の考え方など、
丁寧な日本語で語ってくれた。 (さらに…)

2009年02月22日(日曜日)

ジジとソウル[日曜版]

今日は「ネコの日」。
ボクの日です。

2月22日。
ニャン、ニャン、ニャンで、
ネコの日。

ゴロあわせ。
だけど、なんだかうれしい。

なのに、ユウキヨシハルのおとうさん。
昨日の夕方から、いません。
jiji2009-2-22-1

とつぜん、ニモツをまとめて、
でかけていきました。
jiji2009-2-22-2
カンコクのソウルというところへ。

ハネダ空港のコクサイ線。
haneda
「いってらっしゃいませ」

このヒコーキにのって……。
JAL

3時間で、ソウル・キンポ空港。
kinpo
「ようこそ、韓国へ」

「もうついたの?」
jiji2009-2-22-3

地下鉄2号線は環状線。
tikatetu

サムソンという駅のトレード・タワー。
tradecenter

コエックスというおおきなたてもの。
coex

ショッピング・モールがあります。
mall

そして、そのとなりのホテル。
インターコンチネンタル・ホテル。
hotel

地下一階のロビーのモジュール。
lobby
ホテルについたのは、
夜の10時でした。

「おつかれさま」
jiji2009-2-22-4
でも、すぐに……。

「ヤキニク」
yakiniku
カルビとハラミ。600グラム。

お店のなかは、あたたかそう。
mise
そとは2度くらい。

おとうさん、マンゾクした顔しています。

今日は、「ネコの日」です。
でも、ボクは、ねています。
jiji2009-2-22-5
ボクも、いってみたい。
カンコクのソウル。

ボクも、たべてみたい。
ヤキニク。カルビ、ハラミ。

今日は「ネコの日」です。
jiji2009-2-22-6
でも、ボクは、ねています。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年02月21日(土曜日)

セブン-イレブン見切り問題とエコストアの「オクシモロン」

「セブン-イレブンの公取委立ち入り調査」。  
朝日新聞のスクープが、テレビにも各新聞にも、連鎖した。

このブログでも、さっそく、
おなじみのお二人からご意見をいただいた。

環境問題・食料問題の観点から見直しが必要(立地マンさん)。
ルール変更が容易ではない大企業的な側面が出てきた(デン助さん)。

この問題、もう少し、論争したい。

セブン-イレブン本部の側からの発言が少ないが、それが必要。
別に社員や幹部が発言することはないが、
セブン-イレブンが実行してきた商売の王道を主張してほしいものだ。

論争は、2009年2月最終週に持ち越そう。

さて、昨日は東京・五反田。
明治乳業若手研修会の講義。  
入社8年~10年の中堅社員が20名ほど集められ、
2泊3日、計5回の研修を受ける。
統合することになっている明治製菓からも参加があった。

この若手研修会、対象の社員は全員となっているらしいが、
好評で順番待ちの状態。

今回はその5回目の研修の最後の講座。
大トリ。力が入る。

本題は「小売業のスーパーマーケティング」。  
同社の機関誌に1年にわたって連載した内容を簡潔に講義する。
その本題に入る前に、落語でいうマクラを話す。
今回は、セブン-イレブンの「見切り問題」から、
「オクシモロン」と「トレードオフ」へと話の展開が進み、
手振り身振りで、語ってしまった。
語り出したらなぜか、止まらない。
あっという間に20分が過ぎる。

しかし無事に1時間半の講義を終了。

しっかり聴講してくれて、心から感謝。

私のあとは、同社リテイルマーケティング部宮島巌部長が、総括。

明治乳業機関誌への連載は、また1年続くことになった。
ここでの連載論文は、私にとって、
商業や食品産業を総括する意味があって、意義深い。
力をこめて、書いている。
手に入る方は、お読みいただきたい。

一方、神谷町の機械振興会館で、
2月のエコストア研究会。  
2月4日に開催されたセミナーの反省会。
参加者アンケートの集計結果をもとに、
改善点を話し合い、次回セミナーの企画を議論。

これからの研究会の方向性にも関わる大切な話し合いが、
4時間にわたって行われた。

セブン-イレブンの「弁当・惣菜見切り問題」にも、
エコロジーというテーマは関連している。

エコロジーとストア。
だから「エコストア」。  

エコロジーで研究を進めると、
ある種、拡散したり、道徳的になって終了したりする。

ストアで研究を進めると、
どんどん技術的・専門的になってくる。

「エコストア」の研究は、この両方の論点を、
「トレードオフ」してはならない。

「トレードオフ」とは、二律背反の問題を、
どちらかに割りきって進める考え方。  

トレードオフでは、エコストア問題は、解決しない。

だから「オクシモロン」の思考法が不可欠になる。
「オクシモロン」とは、
「鋭くて鈍い」「愚かな賢さ」といった意のギリシャ語。  

「創造的破壊」などが典型となる語法。
現代的な困難な問題を解決するときの考え方。

つまりどちらかに割りきってはいけない問題を、
丁寧に、丹念に、絡み合った糸をほぐすように、
行ったり来たりしながら解決する姿勢。

エコストア研究には、そしてフランチャイズシステムには、
この「オクシモロン」の思考法が必要。

「トレードオフ」を全面否定するつもりはない。
近代化には、トレードオフが不可欠だっただろうが、
現代化には、オクシモロンが必須。  

そんなことを考えつつ、週末に、突入。

Everybody! Good Weekend!  

<結城義晴>  

2009年02月20日(金曜日)

FOOD ACTION NIPPONと金沢激戦区を行く(後編)

「コンビニ価格の闇」  
朝日新聞が、いかにも朝日らしく、騒いだ。

今日付け一面で、
「セブンイレブンを調査、公取委 値引き制限容疑」  
という見出しで、取り上げ、
さらに二面の「時々刻々」を使って、
弁当・惣菜の値引き販売に関して、
センセーショナルに報道した。

コンビニは、フランチャイズシステムを採用する。
その中で、セブン-イレブン本部は、
弁当や惣菜の見切りを、加盟店に制限している。
これが加盟店に対する優越的地位の乱用に当たるのではないかという容疑。

弁当・惣菜は、不思議な商品で、
値引きすると、ほとんどの商品が売れる。

しかし、それが店側の、
安易な発注に結び付きやすい。
安易な商品管理に陥りやすい。
収益性も悪化する。

それをセブン-イレブン本部は、厳しく戒めて、
正価で売り続けて、期限を過ぎたら、
廃棄処分を励行している。

これに加盟店の一部が反旗を翻し、
本部との間に論争が繰り返された。

それを公取委が調査し、
朝日新聞が大きく取り上げたわけ。

直営のチェーンストアならば、なんら問題にならないこと。
しかしフランチャイズ方式を採用していると、問題になる。

商業としての「見切り」に対する根本的な考え方が問われている。

あなたは、どちらの言い分が正しいと考える?  
本部と加盟店。
見切りをするか、しないか。

このブログ上での論争を待ちたい。
私の結論は、論争のあとで。

どんどんご意見を。

さて、昨日は、東京・汐留の㈱電通本社へ。  
写真左は、ソーシャル・プランニング局長の上条典夫さん。
右は、ストラテジック・プランニング局の土井弘さん。
電通
土井さんは、大電通の中で、最も流通業に精通した人。
その旧知の土井さんのご紹介で、上条さんに会った。

上条さんは、別の肩書を持つ。
FOOD ACTION NIPPON推進本部事務局総合プロデューサー。  
これは農林水産省「食料自給率戦略広報推進事業」。  

もう一つは、財団法人日本オリンピック委員会事業・広報専門委員会委員。  

私がお会いしたのは、もちろん「食料自給率」の方。
昨年10月に、国民運動「FOOD ACTION NIPPON」が立ち上げられた。
その目標は、2015年に食料自給率45%の実現。

多くの消費者が国産農産物を選択して、食べ、使うことで、
日本農業の再建にも役立つ。

私も、この考え方に、大賛成。
食料自給率をカロリ―ベースで5%上げる。
その国民運動の推進。

全面的にご協力することをお約束して、三人で固い握手。
皆さんも、ご協力ください。
商業と農業の協働が、テーマとなります。  

さて、今日も長編だが、お約束通り、
「金沢激戦区を行く(後編)」  
地元ローカルチェーンのマルエーを中心にした競争。
マルエー藤江北店の周辺2キロに5年間に8店の新店がオープン。

藤江北店競合店状況

新しいところでは、平成19年にユニーのアピタベイ金沢。
uny
オープンエアー方式のアメリカのパワーセンターのようなショッピングセンター。

さらに平成18年にイオン示野ショッピングセンター。
ion1
こちらは、マックスバリュが核店舗。
マックスバリュは、イオンリテールの経営で、通常の出来栄え。
ion2

そして平成18年、バロー木曳野店。
600坪のスーパーマーケットで、こちらも近隣型のショッピングセンター。
バローは、そのプライベートブランドを「開発商品」と称して果敢に売り込む。
valoe
Vセレクト、Vクオリティ、Vオーガニック。

そして、地元スーパーマーケット東京ストアーが平成15年に新店で迎え撃った。
tokyostore

もともといちばん先にオープンしていたのはナルックス桂店。
450坪のスーパーマーケット。
CGCジャパン加盟店。
narukusu

2年前に、この激戦に向けて、大幅リニューアル。
入口の青果部門。
98円均一で、盛り上げる。
seika

店内はカラフルな装飾。
惣菜は、黄色で、ド派手。
deli
私、アメリカのメキシコ系スーパーマーケットを思い描いた。

金沢市の県庁周辺の競合には、このほかアルビス鞍月店が平成13年、
マックスバリュ駅西店が平成17年、
ドンキホーテが平成17年、
ゲンキー金石店が平成17年、
それぞれオープン。

さて、どう考えるべきか。

こんなエリアでは、昨日報告したマルエー藤江北店の「異常値」作戦も必要。
「コロッケ・バイキング」で一日2000個販売を目指す。

小松空港から、羽田に向かう間も、
私は考え続けた。

「この競争の中で、どんな店が生き残るのか」  

同質化競争は、激化するにちがいない。
その結果、「レッドオーシャン」赤い海となる。

そのレッドオーシャンから抜け出し、
ブルーオーシャンにこぎ出す企業だけが、
この激戦の中で生き残る。

もちろん、私はチャン教授・モボリュニュ教授同様、
レッドオーシャンを否定はしない。
レッドオーシャンも不可欠のマーケットを形成している。

しかしローカルチェーンは、ブルーオーシャンを目指さねばならない。

レッドオーシャンの勝者は誰か。
イオン、ユニー、平和堂、バロー。

彼らの中からもブルーオーシャン戦略を取る者が出てくるだろう。

しかし繰り返すが地方地場企業は、
レッドオーシャンでは、続きにくい。
だからブルーオーシャン戦略。  

「食料自給率推進運動」は国民運動だが、
ブルーオーシャン戦略に貢献することは間違いない。

<結城義晴>  

[追伸]
今日も長編のご愛読、心から感謝。

2009年02月19日(木曜日)

石川県金沢の激戦区を行く(前編)

麻生太郎内閣、どんどん危なくなってきた。

小泉純一郎元首相が過激な発言。
ロシアから愛(?)をこめて。

「小泉劇場」再現を目論んでいるのか。
それとも自尊心を傷つけられたからなのか。

世界は、次の手を打っているのに、
日本は与党の自民党が、内紛の様相。

いま、一番避けなければいけないことは、
「迷走」。  
日本国も企業も、
店舗も人間も。

しかし日本はその迷走の真っただ中。

さて、昨日は、金沢と小松の店舗クリニック。
今日はその前編。

マルエー元菊店と藤江北店。  

藤江北店を中心に円を描くと、
その周辺2キロには、この5年間に新店舗が8店も進出してきた。

まさに激戦区。

その中で、マルエーはいい状態の店を展開している。

まず、雪の中を、朝10時にマルエー元菊店を訪問。平成16年オープン。
1
売場面積420坪、ワンフロアのフリースタンディング。
平和堂のアルプラザ金沢が、もっとも厳しい競争相手。
さらにマックスバリュ駅西店が平成17年に進出してきた。

床は、木目調で、落ち着いた感じ。
青果が、この店の一つの核部門。
marue- 2

鮮魚部門は、鮮度がいい。
マルエー3
地域でも一番の鮮度は、この店の売り物。

グロサリーは、収益部門。
そしてこの店の強みでもある。
maruei4

ひな祭りのアイランド。
全店で、全面展開。
5

㈱マルエー常務取締役企画室長の山本一郎さんと、
元菊店店長の野本博永さん。
6
「平日は、客数2500人、日曜祭日は3400人」
客数こそ、重点指標。

マルエーの印象は、
固定客をしっかりつかんでいる店。

次に、激戦区の真ん中に位置するマルエー藤江北店へ。
この店が、このエリアでいちばん先に出されていた。
かつてのドル箱店。
現在も、十分に売り上げをつくってはいるが、
激戦区だけに、売上げは目減りしてきた。
7
売場面積450坪で、2年前に、対抗のためにリニューアルした。
その成果が出ている。

入口の青果部門は顧客を出迎える態勢に入っている。
8

この店も鮮魚部門は、地域一番の鮮度感を出している。
9

店舗中央を走る冷凍オープンケースのエンドで、
「春の新製品」の打ち出しがなされていた。
10

この店でも、ひな祭り向けアイランド売り場は充実している。
ひな祭りのひな壇陳列。
11

惣菜もこの店の核部門。
とりわけ、毎週水曜日には、「コロッケ50円バイキング」販売を展開する。
通常1500個から1800個くらい売れる。
12
「今日の目標は2000個」  
藤江北店店長の嶋村進さん。

そのコロッケ売場の前で写真。
13
一日の客数に匹敵するくらいのアイテムを持てば、強い。

藤江北店は、激戦地の真っただ中にある。
しかし、その店が一番、元気を出している。

人間もそうだが、店にも、
「試練」が大切だ。  

試練を受けた店が、成長を果たす。

ただし、その試練の時に、
「迷走」していてはいけない。

人間も店も、
企業も国家も。

(明日に続く、結城義晴)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年10月
日月火水木金土
« 9月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.