結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年09月20日(木曜日)

ウォルマートのキャッチフレーズ変更と『商売十訓』第九訓

杉山先生
杉山昭次郎先生と会う。
いつものように、
飯能パークカントリークラブでゴルフして、
焼鳥屋・多貫喜(たぬき)で語り合う。

一所懸命に仕事している人には申し訳ないけれど、
杉山先生は80歳の隠遁者。
私は今、55歳の自由人。

お許しいただくとして、
いつも必ず、いい話になる。
皆さん、こんな、自分の先生を、
つくりなさい。
もちなさい。

杉山先生は、流通システム研究所所長。
コンサルタントとしては、あの坂本藤良の愛弟子で、
血筋は申し分なし。
坂本藤良は日本のコンサルタントの草分け。
「倒産学」「再建学」などの著書でも知られる。

私は、(株)商業界入社1週間で、
高橋栄松という先輩に連れられて、
杉山先生に会いに行った。

いきなり「ソシオ・テクニカル・システム論」を、
黒板に書きながら教えられた。

この理論は今でも、私の考え方のひとつになっていて、
立教大学大学院で教えるときの教材の中に入るテーマである。

流通産業研究所所長・理事長を務められた故上野光平先生は、
杉山先生の盟友で、私もその門前の小僧をやっていた。

上野先生は、(株)西友ストアー副社長として同社を創業し、
日本の商業やチェーンストアの歴史に輝きをつくった。
その上野先生の、思い出話も当然、いつものように出てくる。

杉山先生は、現在、水曜日にゴルフ、
後の6日間は、雨が降らなければ、
フナ釣り。
「フナに始まりフナに終わる」といわれる、あのフナ釣り。
まさに隠遁の生活。
うらやましい限り。

さて、その杉山先生との話は、
「企業文化」へと流れていった。

企業には、負の文化もあるが、
正の文化もある。
正の文化の継承が、ない。
これが最大の問題である。

あたかも、ウォルマートは、
そのキャッチフレーズを変えたばかりである。
1980年から10年ほどは、「エブリデー・ロープライス」。
それから19年間、ほぼ同じコンセプトのまま、
言葉は“Always Low Prices”
そして今、
“Save Money.Live Better.”

1962年に、サム・ウォルトンが、
ウォルマート第1号店をオープンさせたとき、
店頭には二つの言葉が掲げられていた。
“Satisfaction Guarantees”と”We sell for less”

現在も彼らはこの理念を守り続けて、最新店の店頭にも掲げている。
ウォルマートの正の文化である。

それが「Save Money. Live Better」によって、
どのように変わろうとしているのか。
はたまた崩れようとしているのか。
きわめて面白い局面に入ってきた。

『食品商業』で連載をしている「誰がウォルマートを殺すのか?」
その大テーマがまた表出してきた。

『商売十訓』の第九訓は、
九 文化のために経営を合理化せよ
である。

ここで言う「文化」には二つの意味があることに、
杉山先生と話していて、私は気づかされた。
「社会の文化」と「企業の文化」である。

杉山昭次郎というマネジメントの鬼(優しい白髪鬼?)は、
覚醒している限り、マネジメントを考えている。
だから「文化」といえば「企業文化」となる。
ドラッカー先生もそうだったに違いない。

ウォルマートはまさに、
文化のために経営を合理化し続けてきた。
日本の西友の450人の早期退職奨励を発表したばかりである。
同社は、3年前、売上げも利益も絶好調のときに、
アーカンソーの本部要員の1割、約790名の削減を断行したほどだ。


「文化」と「合理化」

倉本長治は、なんとも結びつきにくい概念を、
二つ、池に投げ込むようにして、
第九訓をつくった。

長治独特の言い回しである。

しかし、この言葉に、正鵠を射た解答を、
私は、ついぞ聴いたことがなかった。

杉山昭次郎とのマネジメント談義。
ウォルマートのキャッチフレーズ変更の発表。
そして上野光平がつくった会社・西友の人員合理化。
私は、なんだか、第九訓の真髄に近づいたような気がした。

<つづく、結城義晴>

2007年09月19日(水曜日)

お客様を第一とし誠実を売り努力を怠らず信頼を得るを旨とする

伊藤園
東京新宿に(株)伊藤園を訪問。
ご存知、お茶を中心にした優良飲料メーカー。
今期売上高3102億円(前期比7.7%)、
経常利益223億円(同8.5%)の増収増益。

本庄大介代表取締役副社長、
江島祥仁取締役副社長、
そしてタリーズコーヒージャパン(株)代表取締役会長と
フードエックス・グローブ(株)代表取締役社長を兼ねる荻田築さん。

私を加えた4人は、
『食品商業』誌の大陳コンテスト審査員の同志。
長きにわたって、共同で審査を続けてきた。
もちろん伊藤園主催の、このコンテストは、
日本最大・最高レベルだと、正直に思う。

温かいおもてなし、心より感謝。

第18回伊藤園おーいお茶新俳句大賞。
文部科学大臣奨励賞は、神奈川県足柄下郡の三好美樹さん(61歳)の句。
「昼寝して鳥獣戯画の中にをり」

帰り際、
本庄さん【写真左】、江島さん【写真右】と三人で、本社1階、
「社是」の前で、
ハイポーズ。

この「社是」は、
大介さんのお祖父様がつくられ、
父上が書されたもの。

お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする

今日の私のブログからのメッセージは、
この伊藤園の「社是」に尽きる。

ビジネスの極意。
商売の真髄。
Simple is best!

再び、掲げよう。

お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする

私のアメリカ視察セミナーのテキストの、
一番最後の言葉。
いつも、この言葉を、
空港に向かう最後のバスの中で絶叫しながら、
ツアーを締めくくる。

「優れた企業理念が、ロイヤルカスタマーをつくる」

伊藤園の社是に、それを見た。

合掌。

<結城義晴>

追伸 『商売十訓』第九訓解説は、本日休診。悪しからず。

2007年09月18日(火曜日)

『商売十訓』第八訓の二つの社会貢献とノブレス・オブリージュ

カエサル
『商売十訓』第八訓は、
八 公正で公平な社会的活動を行え
である。

第七訓で、
「店の発展を社会の幸福と信ぜよ」
といった途端、間髪を与えずに言い放つ。

社会貢献せよ。

私には、そう聞こえる。

それがいい。

それも公正で公平な社会的活動。

“ミッション”である。

だから、七訓と八訓はセットということになる。

社会的活動の意味を、私は二つに分けて考えている。

第1は、自分の本業の仕事における社会貢献。
第2は、ボランティア活動。

どちらも必須である。

本業は、もともと社会的なものである。
商売にしろ、仕事にしろ。
オーナー経営者であれ、
サラリーマンであれ、
その仕事とは、本来、何らかの形で、社会貢献につながっている。
だから、本業で公正さ、公平さを貫きなさい、
と『商売十訓』はいう。

公正・公平でない商売や仕事は、
いかにそれが巨大な事業でも、
偉大そうに見える仕事でも、
本当に社会貢献したことにはならない。

広域暴力団が本業で、
ボランティアが暴走族の教育・指導というのは、
大きくジャンルが外れて、よろしくない。

本業を全うしながら、
ボランティアの活動をする。
報酬の伴わない仕事をする。

第二の、社会的活動を一言で言えば、
[自分のためではないこと]。
労働組合や商店街、業界の「組合」と名のつくところの役員は、
結局、自分のためであるから、本業の一部と考えたほうがいい。

人それぞれが、
自分なりのボランティアを見つけ出し、
それに力を傾ける。
時間を費やす。

これが、人間の生き方である。

ユリウス・カエサルやアウグストスといったローマ人たちは、
この面での達人であった。
“ノブレス・オブリージュ”
といった。
この二つの社会貢献で、
ローマ社会が形成され、維持されていた。

イオン岡田卓也名誉会長は、会社が小さなときから、
風樹会という奨学金制度を設けていた。
いま、「木を植えています」という活動を、
イオン環境財団を通じて、大きく展開している。

イエローハット相談役の鍵山秀三郎さんは、掃除をする。
それが「日本を美しくする会」となって、
ボランティアの輪が広がっている。

会社が大きくなったら、
利益がたくさん出るようになったら、
ボランティアしよう。
これでは、会社も大きくならないし、
利益も十分には出てこない。
不思議なことだ。

私自身、翻って考えてみても、
仕事が多忙を極めて、
ボランティアをおろそかにすると、
途端に、仕事はうまくいかなくなる。

私は、地域の子供たちのためになることを、
私の社会貢献として、やってきた。
今も、続けている。

ここで大事な法則がある。

第1の社会貢献では、
「小さな経費で大きな収益」
が上がることを目指す。
すなわち生産性を高めることを目標とする。

第2の社会貢献は、
「大きな努力で小さな成果」
に満足する。
大きな努力で、成果がないことをすら、する。
もちろん、無駄なことをせよ、というのではないが。

鍵山さんあたりになると、
本業もボランティアも変わらなくなるらしい。

この境地には、なかなか達することが出来ない。

最後に、念のためにお断り。
自分のための宗教活動はこれには、含まれない。
しかし、宗教活動を通じた社会貢献は、これに含まれるであろう。

倉本長治主幹は無宗教であった。
私も、無宗教である。

しかし、宗教の大切さは知っているし、
それを認めている。

この立脚点は、共通している。

ここから先は、「マックスウェーバーの研究」とともに、
いずれ深く考察し、展開しなければならないと思っている。

<結城義晴>

2007年09月17日(月曜日)

「敬老の日」のドラッカーと倉本長治『商売十訓』第七訓

倉本長治
“Everybody Good Monday!”

9月、第3週の月曜日。
しかし、今日は「敬老の日」
一般のお客さんは、祭日。

お店は、3連休の書き入れ時。
サラリーマンはお休み。

サラリーマンでも、
小売業のサラリーマンは、繁忙期。

そのサラリーマンには、
すべての人間に、上司が存在する。

ピーター・ドラッカーは言う。

「上司をマネジメントするにはコツがある。
1年に一度は、上司の役に立っていることは何か、
邪魔になっていることは何か、
それを聞くことだ。
あなたの仕事は、
上司が、それぞれのやり方によって、
成果を挙げられるようにすることである」

<『経営者の条件』より>

さて、お約束どおり倉本長治『商売十訓』第七訓。

七 店の発展を社会の幸福と信ぜよ

これは、極めて、優れたパラドックスだ。
一般の経営セミナーや経営コンサルタントが教えるのは、
店の成功法である。
仕事のサクセスストーリーである。

どうしたらうまくいくのか。
どうしたら成功するのか。

しかし、『商売十訓』はそれには沈黙。

沈黙というより、暗黙のうちに、
第六訓までを実践せよ、と教える。

すなわち、
一 損得より先きに善悪を考えよう
二 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
三 お客に有利な商いを毎日続けよ
四 愛と真実で適正利潤を確保せよ
五 欠損は社会の為にも不善と悟れ
六 お互いに知恵と力を合せて働け

知ったことは、やったこととは、違う。
知識を得たら、実践せよ。
そのために知恵を出せ。

こう『商売十訓』は教える。

一から六までを、実行せよ。
ならば発展は実現する。
成功は保障される。

だから、自らの発展を、社会の幸福と信じなさい。

社会の幸福と信じながら、
一から六までに邁進するから、
店はますます発展し、
仕事はますます成功する。

突然、ムーディ勝山に歌わせたい歌のように思えてきた。

「ちゃらちゃんちゃんちゃちゃんちゃん。
ちゃらちゃんちゃんちゃちゃんちゃん。
一から、六まで、実践しなさい。
そしたら、七が、実現します」

『商売十訓』は、
ムーディ勝山の歌のように、
中部銀次郎さんのゴルフ理論のように、
身も蓋もない話なのだ。

だからこそ、逆に、擦り切れることがない。
繰り返し、繰り返し、唱えられ、
繰り返し、繰り返し、伝承していくものなのだ。

ご存知サム・ウォルトンの“サムのテン・ルール”の第6番目に、
“Celebrate your success.”
という言葉がある。
いかにもアメリカ人的である。

私は、訳して使っている。
「自分たちの成功を祝福・賛美せよ」

『商売十訓』の第七番目の、
「店の発展を社会の幸福と信ぜよ」
にどこか通ずるものがある。
こちらはいかにも日本人的である。

自分たちの「敬老の日」の仕事の成功を、
「社会の幸福」と信じて。
上司と部下が、知恵と力を合わせて。

いざ、1週間のスタート。

<結城義晴>

2007年09月16日(日曜日)

小泉のつくった「空気」を、福田は「雨」にできるか?

このブログ、
BYOOL Bloggersのビジネスカテゴリーにリンクされました。
(株)プラネット社長の玉生弘昌さんのご尽力です。
感謝します。
ネット時代のコラボレーションは、
こんな形で広がっていきます。
そしてコラボはハーモニーへと昇華していく。

前のアドレスの時には、お蔭様で、
livedoor ブログのビジネス・マスコミカテゴリーで、
第2位までランクがあがっていました。
<現時点では、livedoor ブログを更新していませんので、
当然、順位は下がっています>

さて、語調はガラリ、変わる。

社会人になってすぐのころ、
あるラジオに、
電話で生出演したことがある。

大学の先輩がディレクターを務めていて、
[鈴木善幸、どう思う?]
こんな質問に答える番組だったと思う。

先輩から、頼まれたのですな。
いわゆる、サクラを。

ちょうど、今現在の、
福田康夫氏のような状態にあった故鈴木善幸氏を、
リスナーが勝手に評論する番組。

ラジオに出るのは初めてで、
だから夜の9時ごろ、
麒麟麦酒の大瓶を1本空けて、
待っていた。

女性の司会者が聞く。
「鈴木善幸総理をどう思いますか?」

私、答える。
「鈴木善幸というよりも、
自民党政治が変わるかどうか。
こちらに関心がある。
まったく期待は持てないけれど」

うろ覚えだが、こんなことを答えたと思う。

善幸さんは、アメリカのジャーナリズムから、
「Zenko Who」
と揶揄されながらも、
急逝した大平正芳のあとを継いで、
内閣総理大臣に就任し、
「変わらないこと」に貢献した。

私は、今、
「自ら、変われ!」
と、言い続けている。
私自身、自ら、変わろうとしている。

それに対して、
「変わらない」という勢力がある。

「変わろう」とする力と、
「変わらない」という力が、
ぶつかり合ったとき。
万一、一時的にしろ「変わらない」が勝利を収め、
ぱっと手を離されたら、
全体は、一気に、10年、20年、「戻ってしまう」。

時代を逆走してしまう。

それは、恐ろしい。

しかし、それも仕方のないこと。

健全な社会や組織ならば、
再度、「変わろう」とする力が生まれ、
全うな成長へと軌道を修正できる。

小泉純一郎が、「変わろう」「変える」「壊す」と連呼し、絶叫して、
その「空気」をつくった。
安倍晋三は、「空気」を「土」にする役割を担った。

雨降って、地固まる。

気体は、液体になって、固体となる。

だから、安倍晋三は、
「空気」を「雨」にするくらいの心構えで、
臨むべきだった。

もちろん「変える」ことの重さを、
彼がどれほど認識していたかは、
残念ながらその去就を見ればわかってしまうが。

決め付けてしまって、麻生太郎氏には申し訳ないけれど、
福田康夫には、
「この国を、変える」ための、「雨」くらいは降らせてほしい。
どんな雨を降らせるかが、福田康夫のオリジナリティとなる。
面白さであり、遣り甲斐であろう。

少なくとも、小泉劇場は、
国民の「変えよう」という空気だけはつくり、
コンセンサスを得たのだから。
それが自民党の、現在の国政に対する意思決定権を、
保障しているのだから。

連載している『商売十訓』の第七訓は、

七 店の発展を社会の幸福と信ぜよ

そして第八訓は、

八 公正で公平な社会的活動を行え

である。政治に投げかけられた言葉と受け止めも良いくらい。

第七訓と第八訓は、つながっている。
そして、七訓を提示し、間髪をおかず、八訓を畳み掛けるところに、
『商売十訓』の価値がある。

「朝礼暮改」で、申し訳ないけれど、
これらの仕事に適用すべき解説は、明日へ。

日曜日は、やや、政治談議で、お許しを。

<結城義晴>

2007年09月15日(土曜日)

『商売十訓』の中の⑥“チームワーク”

岡谷さんからの贈り物
岡谷勇男先輩から、黄色のランが届いた。
「スイート・シュガー」

「流通業界への熱き思い、そのための商業界経営。
貴殿の思想と行動に大きな期待を寄せていた小生にとって、
一つの時代の終焉という感じです」

身に余るご評価、感謝。

「永い間、本当にご苦労様でした」

再び、感謝。

熱き思いと思想、行動は、もちろん、変わりません。
「心は燃やせ、頭は冷やせ!」
これが私自身の、今年の、標語なのですから。

さて、お約束どおり、『商売十訓』【後編】へ。

第一訓から第五訓までは、経営に関する哲学と原則。
経営者が、企業と店に貫徹させるべき概念。
従業員が、仕事と行動に貫くべき考え方。

①“プリンシプル”  損得より先きに善悪を考えよう
②“イノベーション” 創意を尊びつつ良い事は真似ろ
③“マーケティング” お客に有利な商いを毎日続けよ
④“プロフィット”  愛と真実で適正利潤を確保せよ
⑤“コスト”     欠損は社会の為にも不善と悟れ

第六訓で折り返しだが、ここで事態は一変する。

六 お互いに知恵と力を合せて働け

いきなり、みんなに呼びかける。

おーい、
みんなーっ、
互いに知恵とだなー、
力をなー、
合わせて働けよーっ。

こんな感じ。

私は、この六訓、大好きだ。

“チームワーク”だからである。

私は、編集長時代から、自分の編集部を、
「チーム」と呼んだ。

チームには、
全体の機能の中で、
それぞれに役割分担がある。

分業である。

チームメイトは、
自分の役割に即して、
役目を果たす。

それが仕事である。

知恵ある者は、知恵を。
力ある者は、力を。

この第六訓があるから、
『商売十訓』には全体に、
優しさがあふれてくる。

しかし、最後に「働け」がある。
「働かざる者、食うべからず」
「働け」には、厳しさもなければならない。
厳しい労働のあとに、本当の喜びがやってくる。

だから私は、“チームワーク”が大好きだ。

小売業、商業、ホスピタリティビジネスは、
「人海戦術」のなりわいである。
「人間産業」である。

だから、『商売十訓』折り返しの第六訓
「お互いに知恵を力を合わせて働け」
は、折り返しの重要さを担う教訓なのだ。

自分でも書いているように、
今回から突然、「朝令暮改」。

『商売十訓』【後編】は、
懇切丁寧に、一つずつ解説され、
数夜物語となる。

商業界の先輩・岡谷さんからの贈り物の影響もあり。
悪しからず。

しかし、乞う、ご期待。

<結城義晴>

2007年09月14日(金曜日)

『商売十訓』を解き明かす【第一訓から第五訓まで】

しなの女性同友会2
9月13日、早朝の大阪を発って、
東京周りで、長野へ。

駅には薄いブルーのスーツ姿の楚々とした女性。
本日の事務局、酢屋亀本店・土屋芳子さん。

快晴の空、澄み切った空気の、善光寺の町に降り立つ。

商業界南と北のしなの女性同友会の合同例会。
メルパルク長野。
北しなの女性同友会会長・太田和さん(写真左)。
南しなの女性同友会会長・小椋シガ子さん(写真右)。
し
お二人を始めとする皆さんに、
温かく迎えられて、
私、感激。
講演にも、丁寧さが増し、熱が入る。

演題は、
『商売十訓』と「自ら、変われ」。

いい機会だから、
『商売十訓』に関して、
掻い摘んで、解説。

昭和30年代の初めに、
商業界創業者の倉本長治が提唱した十の言葉。

50年間にわたって、全国の商業者の道を正した十の教訓。

14文字の言葉がちょうど10編。
だから全部で140文字。

一 損得より先きに善悪を考えよう

まさしく、商売とビジネスの原点。
どんなときにも、何があっても、
絶対に崩してはならない大原則。
これを破るならば、仕事をしないほうがいい。
会社や店は畳んだほうがいい。
ルールを守る、法律を遵守する。
そういったことではない。
規則や法体系の前に、厳然と存在する仕事の大前提。
そんな不変の原理が、『商売十訓』のトップに来る。
私は、この第一訓を、
英語で“プリンシプル”と名づけた。

二 創意を尊びつつ良いことは真似ろ

不変の原理が、掲げられたら、
次に来るのは、当然、変化である。
変革、革新の原理である。
それが、これだ。
「真似る」、すなわち模倣⇒イミテーション。
「創意を尊ぶ」、すなわち創造⇒クリエーション。
人間は、クリエイティブなものを過大に評価したがる。
創造は人間に与えられた、素晴らしい能力である。
けれど、模倣は、仕事を成し遂げていくときの、
不可欠の行為である。
私たちは、模倣を過度に恥じることはないし、
創造だけをいたずらに尊ぶこともない。
イミテーションとクリエーションを繰り返し、積み重ねる。
それが“イノベーション”となる。

三 お客に有利な商いを毎日続けよ

3番目に大事なことは、商売そのもの。
すなわち営業の心得である。
それが、「毎日」⇒エブリデー。
「店は客のためにある」。
顧客第一主義。
カスタマー・オリエンテッド。
私は、ここでいう「お客」は、
私の店の特定の常連顧客であると考える。
店に対する信奉顧客であると思う。
これ、“マーケティング”の真髄を表す。
ウォルマートのエブリデー・ロープライスに貫通している。

四 愛と真実で適正利潤を確保せよ

ビジネスや商売は、利益を生み出さねばならない。
しかし、仕事の目的が利益ではない。
利益は、むしろ手段である。
”プロフィット”はあくまで適正でなければならない。
愛より生まれた利潤。
真実に基づいた利益。
だから、必然的に適正となる。
自然、必然、当然となる。

五 欠損は社会のためにも不全と悟れ

4番目と対になっているのが、これだ。
鏡のようになっている、と考えてもいい。
適正の利潤を上げ続けていれば、
欠損は生じないはずだからである。
商売やビジネスでは、欠損を出してはならない。
しかし万一、欠損が出てしまった場合にも、
速やかに欠損の状態から脱しなければならない。
社会のために不善なのであるから、
まず、欠損を隠してはならない。
常に公明正大でなければならない。
隠さないから、速やかに解消する軌道に乗ることが出来る。
どんな企業も、どんな店も、
過ちを犯すし、失敗はある。
そこから脱するときに、真価が問われる。
本当の力が発揮されるのである。

『商売十訓』はきわめて重要。
だから、明日まで続けよう。

折り返し点の第五訓まで、
よく噛み締めてほしい。
私も、噛み締めよう。
明日まで。

<結城義晴>

(写真は、懇親会の後の北しなの女性同友会の面々とのスナップ)

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