ワールドベースボールクラシック準決勝。
10時間後、ロサンゼルスで行われます。
ベネズエラ対韓国。
そしてその23時間後、
日本対アメリカ。
私たちは、そのロスからサンフランシスコへ。
ケーブルカーの発着点のそばのヒルトンホテル。
今、21日土曜日、朝6時。
盛り上がっています。
しかし日本国内の方が最高潮に達していると思います。
韓国を破って、しかも春分の日からの三連休。
今週の初めに、「Good Monday!」で予告したように。
さて、20日金曜日。
劇的な一日だった。
サンフランシスコから北東へ。
美しい一面の菜の花。
風力発電。
放牧のアンガス。
そして豊かなサクラメント。
「ナゲットマーケット」。
フォーチュン誌の働きたい企業100社。
今年、その第10位に入った12店舗のスーパーマーケット企業。
ナゲットマーケットと呼ぶエクセレントな店が9店。
それ以外にフード・フォー・レスのフランチャイジー店舗が3店。
全くのローカルチェーンでありながら、
全米の波いる企業を押しのけて、
ベスト10の栄誉を勝ち取った。
「ナゲット」とは「金塊」の意。
その歴史。
①1926年に、ウイリアムとマックのスティル親子が、
カリフォルニア州ウッドランドにナゲットマーケット第1号店をオープン。
②第1号店はビーフやラム、ポーク、チキン、加工肉までを揃えた精肉部門が主力。
それらを冷蔵ケース販売、チェックスタンド方式で売る。
すなわち、肉屋出身のスーパーマーケット。
③その肉屋から本物のスーパーマーケットになる。
息子のマックはいつも、
新鮮で高品質な青果物を調達するためにアメリカ西部に旅をしていた。
④1970年代には低価格宣言。
エブリデ-・ロープライスのフォーマットを確立。
⑤その後、新鮮で、品質も良く、便利なテイクアウト・デリの品揃えを広げ、
ナゲットの惣菜部門を確立。
⑥1980年~1990年代には2号店、3号店、4号店をオープン。
⑦2000年代に入ると、ヴァキャビルとデイビスにヨーロピアンスタイルの店舗をオープン。
専属シェフによる焼きたてべーカリーの販売。
さらにセレクションされたワイン売場を充実させた。
つまり新たなスタイルの売場づくりに邁進。
カスタマーの支持を拡大。
⑧サクラメントの西の郊外、フローリンロードに7店目をオープン。
⑨さらにキャメロンパークのサムズタウンセンターを買収し、
「Food 4 Less」としてオープン。
⑫2008年にはエルドラド・ヒル、エルクグルーブに2店舗をオープン。
トータルで、9店舗のナゲットマーケットと3店のフード・フォー・レスの企業。
こんな経緯を経てきた企業。
しかしそれだけでは、どうしても、
フォーチュンの働きたい企業100社のトップ10に入る理由が見つからない。
その店づくり、売り場づくり、商品づくの特徴。
①高品質の商品を周辺のお店のどこよりも安く提供する。
「高品質な商品を低価格で売る」。
それを本気で、本当にやれば、エクセレントな店ができる。
高品質を高価格、あるいは高品質を中価格。
これが当たり前。
②低価格を実現するために専門のスタッフが価格調査を行っている。
③品質に満足しない場合、商品の交換や商品返品で保障する制度を取っている。
豚の背中に翼が生えた絵や彫刻。
これが、ナゲットの象徴。
Tシャツにも使われる。
豚が空を飛ぶなんて、不可能。
(馬の背中の翼は、ペガサス。それは渥美俊一先生が実現させた?)
しかしナゲットマーケットは、豚の背中に翼をつけた。
すなわち、「Impossible」
不可能の実現。
「不可能への挑戦」ではない。
不可能の実現。
④青果部門は季節を通して新鮮で、豊富な果物や野菜を、
地元農家と世界の産地から仕入れている。
オーガニック野菜は専門のスタッフが吟味した高品質の品揃え。
その信じられないような陳列。
アンビリーバブルなプレゼンテーション。
⑤焼きたてのクッキーやケーキ類、ベーカリーで、
店内はいつもオーブンのよい香りに包まれている。
⑥ベーカリー部門はイベントや特別の日のためのオーダーを受け付けている。
⑧精肉部門では火加減やカットの仕方などの調理法をアドバイス。
⑩自然放牧で飼育されたアンガス牛のチョイスやプレミアムといった高いグレードの肉、
ハリス牧場で放し飼いされた鶏の肉など。
⑪鮮魚部門には「fishwiseプログラム」がある。
魚の個体数(資源)についての情報を付加した販売方法を行っている。
緑ラベルは、資源が維持できる魚種、
黄色はやや課題になっている魚種。
赤ラベルはキャパシティに問題がある魚種。という表示方法。
⑫ワインやビールはスーパーマーケットでは珍しいほどの豊富な品揃えを誇る。
ワインの試飲イベントも随時開催。
⑬健康的な生活提案。
サプリメントやハーブ、ボディケアやヘアケア製品、バス用品などを1カ所に集めて提案。
⑭キッチンエリアはプロによる手づくりの本格デリ部門、アジアンキッチン部門などで構成される。
⑮400種類以上のチーズの品揃え。
⑯レシピメニューを店頭やホームページで提案。週に1度メルマガ会員に情報発信。
テキストには、こう紹介されている。
しかし、その本質は、言葉では分からない。
Impossibleも言葉では、理解できない。
ナゲットマーケットの本質を、
フロントマネジャー・ケリーさんのインタビューが明らかにしてくれた。
その②に続く。
<結城義晴>