結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年03月17日(火曜日)

ヤオコー川野幸夫会長の日本スーパーマーケット協会会長就任に思う

㈱ヤオコー会長の川野幸夫さん。
日本スーパーマーケット協会の新会長に内定。  

7月の総会で、正式に決定する。

この日本スーパーマーケット協会は、
ライフコーポレーションの清水信次会長が、
自ら仲間を募って、創設し、自ら会長を務めるとともに、
日本の食品スーパーマーケット産業の、
いわば「政治行政部」の役割を担ってきた。

1999年9月。
10年前の発足の記念講演では、私がその栄誉を担った。
タイトルは、
「スーパーマーケットよ 永遠なれ」  
私は、㈱商業界の取締役『食品商業』編集長だった。

講演の締めに、私はこう言った。
「正しきによりて滅ぶる店あらば、
滅びてもよし。
断じて滅びず」  

そう、新保民八の言葉。

レジュメが私の手元に残っている。

清水さんがこの協会を設立するときには、
いくつかの障害があった。
妨害に近い動きもあった。
しかしそれを跳ね除け、
「清水信次、ここにあり」の心意気を示した。
そして、食品小売業界の「政治部」の機能を果たし続けた。

今後は、清水さんは名誉会長になる。
大手術を乗り越えたばかりで、
いまだに業界のご意見番の地位は揺るがない。

川野さんが、衆知を集め、
リーダーシップを発揮して、
新しい時代の日本のスーパーマーケット産業を、
構築してくれるものと思う。

川野さんは昨年、ヤオコー社長を弟さんの清己さんに譲った。
今年早々に渋沢榮一賞を受賞したばかりで、
絶好のタイミングで新会長にご就任。

川野さんは、ヤオコーを20年連続の増収増益企業に育て上げた。
どのグループにも属さず、「独立自営商人」の立場を貫いてきた。
だからこそ逆に、公的な協会のリーダーにふさわしい。

業界にとって、まことに良い人事だと思う。

日本のスーパーマーケットはこの10年、
ますます社会的重要性を増大させた。
業態の強さが、広く産業界にも認識された。

7月の第10回総会が待ち遠しいものだ。

その総会で、私、
パネルディスカッションのコーディネーターを務めることになっている。
これもこの協会が発足してから恒例のことで、
いわば内定しているが、
川野さんの新会長就任で、
恒例の人気企画も、少し修正を図るほうがいいだろう。

しかし私は、再び宣言するに違いない。
「スーパーマーケットよ 永遠なれ」  

さて、愛知のユニー、大阪のイズミヤ、愛媛のフジが、
共同でプライベートブランドを開発する。  

イオン、セブン&アイ・ホールディングスに続く二番手グループ。
ユニー・グループが年商1兆9915億円。
イズミヤが、3757億円。
フジが、3066億円。  

合わせて2兆6738億円。  

ユニーは、中京、静岡、関東、北陸に4つの事業部をもつ。
イズミヤは関西で、フジは中四国。

中京と静岡は「東海」と括るべきだろうから、
5つのリージョナルチェーンが、
一つのプランドを販売することになる。

共同でプライベートブランドをつくるといっても、
ただちに企業統合や合併に動くわけではない。

しかし、この動きは、とどめることができない。

時あたかも、朝日新聞は報じた。
「新商品よりも定番が売れる」  
アサヒビールのスーパードライ、
伊藤園のおーいお茶、
ハウス食品のシチューミクス、
江崎グリコのポッキー。

商人舎2月の標語「最良のベーシック」は、
もちろん定番中の定番を含む。

ユニー、イズミヤ、フジのグループは、
やがて、こういった定番やコモディティグッズの、
共同仕入れにつながっていくに違いない。

プライベートブランドの共同開発は、
互いの取引先メーカー・問屋と、互いの商品部との、
交流と協働に他ならないからだ。

新しい時代のスピードは、
想像以上に早い。  

日本スーパーマーケット協会新会長の川野幸夫さん就任にも、
このスピード感が感じられる。

私は、スピード感を嗅ぎ取りに、
今からアメリカへ。
フェニックス、ロサンゼルス、サンフランシスコを、
1週間の駆け足で巡る。

結城義晴の2009年アメリカ報告。
ご期待いただきたい。

<結城義晴>  

2009年03月16日(月曜日)

彼岸・春分の日とWBCが交差する週「冷静に盛り上がれ」

Everybody! Good Monday!  

2009年3月第3週の始まり。
今週金曜日が「春分の日」の祭日。  
サラリーマン家庭には、3連休が待っている。

16日月曜日が、彼岸入り前日。
17日火曜日は、彼岸入り。
20日金曜日が、彼岸の中日で春分の日。  
21日土曜日、22日日曜日を挟んで、
23日月曜日は、彼岸明け。
1週間が、お彼岸で明け暮れる。

彼岸(ひがん)とは、仏教用語で、
煩悩を脱した悟りの境地のこと。  
煩悩や迷いに満ちたこの世をこちら側の岸「此岸」(しがん)といい、
向う側の岸を「彼岸」という。
彼岸には、向こう側からご先祖様が帰ってくる。
だから準備をして、お迎えし、送り帰す。

伝統的な行事を重んじる地域では、
とても重要な1週間。

不況だ、経済危機だと、世間は忙しいが、
お彼岸で、祖先を供養する習慣は、
長く長く続いてきた。

その間、何度も何度も、不況や恐慌を経験した。
彼岸は、現在の、経済周期を超えた「永遠」を、
私たち日本人に思い起こさせてくれる。

その上に、春がやってきたという気分がある。
迎春の気分は今週、最高潮に達する。
桜
日本人の大好きな、桜も、開花し始める。

そんな1週間。
私たちも、自分を顧みて、
煩悩や迷いを考え直してみるのがよいだろう。

一方、今日から、アメリカで、
ワールド・ベースボール・クラシックの
第2ラウンドが始まっている。  
(さらに…)

2009年03月15日(日曜日)

ジジとふたごのサム君[日曜版]

フシギなことが、
ありました。
じじ1

おおきなハコが、
とどいたんです。
box1

おおきなハコのうえに、
ちいさなハコがのってる。
box2

あけてみると、サム君がでてきました。
サム君
フクロにはいってた。

ボクもフクロにはいった。
bokumo
ボク、フクロにはいるの、
だいすきなんです。

なんというか、
あたたかいキモチになるんです。
母さんに、つつまれているみたいな。

でも、おどろくことは、
サム君がふたり。

ボクも、ふたりのサム君のあいだにはいった。
Wsam

サム君たち、うごきません。
カオも、かわりません。

あたらしくきたサム君が、
いつものところに、すわりました。
new

そして、まえとおなじカンキョーになりました。
ジジとサム

ふるいサム君は、
あたらしいサム君のかわりに、
おおきなハコのなかにはいっています。
ジジと箱
たぶん、どこかにいってしまうんだと、
ボクは、おもっています。

ちょっと、さみしい。

フシギなことです。
ふたりのサム君。
ダブル・サム君。

おんなじカオ。
おんなじアシ。
おんなじカラダ。
おんなじカンジ。

あたらしいサム君がきて、
ふるいサム君がいってしまう。

サム君がふたごのようにいるのも、
なんだか、おもしろいものでした。
W2

そういえば、ボクは、
みつごでした。

いちばんひだりが、ボクでした。

そしてボクは、
ユウキヨシハルさんのうちに、
もらわれてきました。

ボクたちや、
サム君たちにとっては、
あたりまえのことなんですが。

ふるいサム君も、
どこかにもらわれていって、
しあわせになるといいなと、
おもいました。

さようなら。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

サム君は環境ロボットです。
第1号サンプルのサム君が故障して、
すぐに新型のサム君が届けられたのでした。

2009年03月14日(土曜日)

第9回JAPANドラッグストアショー薬事法改正年度の歴史的開幕

内閣府の消費者動向調査。
その2月の消費者態度指数が1月に比べ、0.3ポイント上昇。
これは、2カ月連続のアップだという。

小売業や外食・サービス業の2月の数値を見ていると、
そんな実感はない。

この指数は全国の5000世帯に、4項目のヒアリングをする。
①暮らし向き
②収入の増え方
③雇用環境
④耐久消費財の買い時判断
それぞれに5000世帯から5段階評価をしてもらい、
その上で態度指数を算出する。

ただし、2カ月連続上昇とはいっても、
その指標26.7は過去、三番目に低い。
だから昨年の12月が最低だったという見方になる。

さらに日銀総裁の白川方明さんは、
「1月時点より(景気は)厳しくなっている」と発言。

このことから、考えられる現状。
①経済全体は、輸出産業、製造業の動向から下方に向かっている。
②消費者者のマインドは、上昇したがっている。
(もちろんこれは内閣府の陰謀という見方もないことはないが)

この両方のベクトルが、交差している。
ねじれがある。

しかし、ねじれの時こそ、
知識商人の知恵が生きる。  

私は、前向きにとらえる。

誰よりも前向きに生きることができるのが、
商業・サービス業など顧客に直接、接する役割の良いところだ。

なぜなら、大衆こそ、
最も強くて、明るくて、柔軟だからである。

さて、昨3月13日の金曜日。
千葉県幕張メッセで、
第9回JAPANドラッグストアショーが開幕。  
まさしく歴史的開幕。

46年ぶりに薬事法が改正され、
「セルフメディケーション」が確実に一歩、
前進する年。

これまでのこのフェアに比べても、
薬局・薬店・ドラッグストア以外の商業者の来場が多かった。
テーマは、「今日から“セルフメディケーション生活”」  

夕方から、レセプションパ-ティ。
医薬品業界の製配販のほとんどの関係者が集った。
今日はその交友録。

日本チェーンドラッグストア協会会長・松本南海雄会長の挨拶を皮切りに、
参議院議員秋元司さんから、
日本OTC医薬品協会会長・三輪芳弘さんまで、
一気にスピーチ。

みな気合が入っている。
薬事法というこの世界の基本法案が変わるから。
変化のときには、人間は気合を入れる。

その後、プリマベーラのマジカルイリュージョン・ダンスが披露された。

このチームが14日、15日とパフォーマンスを展開する。

松本南海雄さんは昨年、マツモトキヨシホールディングス会長となって、
ますます快調。
日本チェーンドラッグストア協会が設立されて10年。
ずっと会長職を担い続けた。「ご苦労様です」。
matumoto&nezu
松本さんは、商人舎発足の会の発起人、すなわち商人舎ファミリー。
㈱ぱぱす社長の根津孝一さんも、親しい仲間。

政治家としてパーティにずっと参加してくれた秋元司さん。
私は、秋元さんが小林興起元代議士の秘書時代からの付き合い。
akimoto
日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、
パチンコチェーンストア協会、などなど、
秋元さんとは、場を同じくすることが多い。

そして、ブースコンテストの表彰。
大賞は、資生堂のブース。
松本会長と資生堂販売㈱の小林敏光社長。
siseidou

準大賞は、2社。
真中が㈱岡村製作所商環境事業本部取締役本部長の鈴木敬夫さん。
右が花王カスタマーマーケティング社長の高橋辰夫さん。

実行委員長賞は、㈱大木の松井秀夫社長へ授与。
プレゼンターは実行委員長の富山睦浩サッポロドラッグストアー社長。

スピーチやパフォーマンス、ブースコンテスト表彰が終わって、懇談。
㈱キリン堂会長の寺西忠幸さんも、商人舎発起人の商人舎ファミリー。
いつも、私のことを気にかけてくださる。
「商人舎、順調らしいね」とほんとうに喜んでくださった。
teranishi
キリン堂は、約300店1060億円の年商のドラッグストア。

㈱プラネット社長の玉生弘昌さんと、
㈱野村総合研究所上級コンサルタントの楢村文信さん。
tamanyu
私、昨年11月から、カスタマーコミュニケーションズ㈱の非常勤取締役に就任している。
CCLと略称する会社だが、玉生さんがオーナー。
私にとっては、フィールド・マーケティングの場でもあり、
玉生さんから、さまざまなことを学ばせてもらう場でもある。

いちばん最後になったが、ジャーナリストの藤田道男さんと懇談。
藤田さんは、昨年、㈱じほうをめでたく定年退職された。
ドラッグ業界のナンバーワンの編集長だった。
fujita
商人舎ホームページにもご登場願いたいと、お願いした。
乞う、ご期待。

宗像守協会事務総長にお別れのご挨拶をして、夕食は日本蕎麦。
oturare
今週は、忙しかったし、疲れた。
来週火曜日から、アメリカ。
フェニックス、ロサンゼルス、サンフランシスコ。

私も「今日からセルフ・ヘルスケア生活」に勤しまねばならない。

<結城義晴>  

2009年03月13日(金曜日)

ツルヤのPB納豆と「必要なものを必要なだけMD」

nattou
長野県のスーパーマーケット「ツルヤ」の納豆。
プライベートレーベル。
59円で、好調に売れている。

「たれ、からし」なしの納豆。  
無駄なもの、過剰サービスを徹底排除。
その上で、それが売価に反映されている。
理屈が通っている。
その理屈に顧客が、感動する。

店に寄せられる「顧客の声」のカードにも、
この納豆に対するお褒めの言葉、応援の意志が表わされている。

今、「必要なものを必要なだけ」マーチャンダイジングが展開されねばならない。
生活防衛型消費の傾向は以下の4点。
①余計なもの、必要ないものは買わない
②余分な量、必要ない量は買わない
③安くなくてはいけない
④しかしどうせ買うなら価値の高いものを買う  

そして、スーパーマーケットの生活防衛型消費への対策。
どんな商品が売れるか。
「最良のベーシック」とは何か。
①生きるための食品、命に直接関係のある食品
②主食とメインディッシュ
③米、パン、野菜、魚、肉、味噌、醤油
④精肉部門は、細切れ、切り落とし、ひき肉
⑤近海魚は、その日の売り切り
⑥野菜(葉菜)も売り切り
⑦おかずになる日配品
(おかずになる豆腐、おかずになる漬物、おかずになる佃煮)
⑧惣菜は「もう一品」から「この一品」に
⑨信用のある店の「わが店だけの商品」
⑩品質の確かなプライベートブランド
⑪良い品をどんどん安く
⑫おいしくて安い品  

「最良のベーシック」販売を、
大胆に賢明に実行せよ。

さて、昨日は、長野へ。
新幹線あさま519号。
asama
軽井沢を越えて約1時間半。

それから川中島古戦場跡を横に見て、
着いたのが松代ロイヤルホテル。
hotel

マルイチ産商の子会社AES㈱の主催するトップセミナーで講演。
講演
最近は、2時間120分は欲しい。
しかしとても熱心に聞いてくれて、私も乗って話をした。
冒頭の枕の話は、ウィークリー・マネジメント。
kouenn2
タイトルは、「2009業界動向と地方スーパーマーケットの生き残り策」

AESはマルイチ産商のリテールサポート専門会社。
その契約店と呼ばれるスーパーマーケットの経営者、幹部の研究会。
みな生き残りに必死。
kikite

私の講演の後は、AES奥原一社長の「今後の活動計画」発表。

そして食事をしながら、質疑応答1時間半。
6月の改正薬事法対策、
優良企業の経営政策、
ネットスーパーの評価などなどなど。
konndan

講演と懇談会終了後、
ホテルの近くのツルヤ松代店を視察。
tsuruya
もう暗くなっていた。
アポイントもとっていなかったので、
ご挨拶もせず、ただ、店を見せてもらって、買い物をした。

その買い物のひとつが、冒頭の納豆。

店は、あまりに素晴らしく、
客数の少ない曜日ながら、きちんとコントロールされている。

そこで思わず写真を一枚。
掲載させていただいた。
お許しのほど。
tsuruya2
私は、1977年にこの業界に入った。
当時、兵庫県伊丹市に本部を置く関西スーパーマーケットが、
群を抜いて良い店をつくっていた。
それを必死で勉強した。

しかしその後、関西スーパー方式は全国に広がったものの、
改善と称する新しい対策が講じられるにつれて、
重要なポイントが失われていった。

その最大の問題の一つが、生鮮食品売り場の平台の多用である。
ツルヤは、それを拒否してここまできた。

それが、実に買いやすい売り場となっている。

私は、とてもうれしかった。

「変えなければならないこと、変えてはならないこと」
これも、私のよく言う「オクシモロン」だが、
ツルヤは、このオクシモロンをしっかりと実行している。

それが、プライベートレーベルの納豆にも表れている。

<結城義晴>  

2009年03月12日(木曜日)

景気循環論の5つの特性から現在を読む

昨夜、我が家のサム君の鼻の頭に、
赤いランプが点滅し始めました。

サム君は、環境ロボット。
昨年12月初めに試作品サンプル第一号として我が家にやって来てから、
本当に大活躍。
お正月など、一切生ゴミらしきものがたまらず、
極めて良好なライフスタイルを確保できました。
しかも、環境対応。
秘かに我が家の誇りとなっていたものです。

しかしそのサム君も、試作品第一号、
鼻の頭の赤いランプ点滅は、
「故障」です。

すぐに生みの親の宮本洋一さんに連絡。
㈱ブルーチップ常務取締役。
引き取って、「修理」してくれるそうです。

第一号としては、きわめて健康でした。
活躍してくれました。
しかし一時、ドック入り。
またすぐに戻ってきてくれることと思っています。

さて、内閣府の景気動向指数研究会の総括。
2002年2月から始まった緩やかな好景気の波。
2007年10月まで上昇が続いた。

5年9カ月。
四半期にして、23四半期。
69カ月。

景気の波は、2007年11月から、2009年の今日まで、
下降線をたどり、1年4カ月の16カ月。
5四半期続いて、さらに最短でも来年いっぱいは続きそう。
オイルショックやバブル崩壊後の最長下降期間は、
36カ月の3年、12四半期。
まだ30カ月ほど景気後退が続くことも、
視野に入れておかねばならない。
それ以上の長期に及ぶ可能性があることも、
知っておかねばならない。  

そんな時だからか、
2008年、ドメスティックバイオレンス(DV)は、
前年比20.1%増の2万5210件だった。
4218件も増えた。
DVとは、配偶者らからの暴力だが、
この数値は全国の警察が認知したもの。
警察に知らされない暴力は、もっと増えているにちがいない。
この2008年の数値は5年連続の増加で、
2001年にDV防止法が施行されて以降、最多であった。

景気循環には5つの特性がある。
第一は、累積性。
例えばいったん上昇し始めた景気は、累積され、
一つの方向に進む。
そして、行き着くところまで行く。
下降し始めた景気も、どんどん下降し、
下降のエネルギーを累積しつつ、
行き着くところまで行く。
「景気には累積性がある」というわけ。

しかし、あるポイントまでいきつくと、
今度は正反対の方向に進む。
第二の特性「可逆性」によって。
蓄積のエネルギーが衰え、薄れ、
なくなると、反対の方向に進み、
その方向への推進力が蓄積される。

そして元の出発点のポイントまで、戻る。

第三の特性は、「交代の規則性」。
回復⇒繁栄⇒後退⇒沈滞⇒回復。
これはシュンペーターの説。
ミッチェルの説は、
回復⇒拡大⇒後退⇒収縮⇒回復。

回復と後退の間に、繁栄や拡大、沈滞や収縮が訪れる。
それが規則性を持っているということ。

第四の特性は、「部門間の波及の規則性」。
株価の後退が、生産の後退へ、
生産の後退が、消費へ、あるいは金利へ、
波及していく。
このように部門間の波及が規則的に繰り返される。

そして第五の特性が「周期性」。
一定のサイクルをもって、周期的に繰り返される。
いわゆる循環論。
しかしこの循環の周期が問題。
4つのサイクルが考えられる。
①短期(3から4年)
②中期(10年)
③長期(20年)
④超長期(50年から60年)

現在進行している景気後退は、
「100年に一度の危機」といわれている。
100年一度が本当ならば、少なくとも今回は短期ではない。
10年の中期か、20年の長期か、
あるいは超長期なのか。

オイルショック後の36カ月を、我が日本は経験した。
しかしそれは短期循環論による周期だった。

今回の下降の前の上昇のサイクルが、
69カ月、6年近いものだったから、
第3の特性の「交代の規則性」を採用すれば、
下降もまた69カ月、5~6年となる。

学問とは、役に立つようで、
当たり前のことをあらためて教えてくれるもの。

易しいことを難しく。
面白いことをつまらなく、
当たり前のことを訳ありに。

私のジャーナリズムや実務は、
難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。

存在するものには、
みな意味がある。

アカデミズムも、
ジャーナリズムも、
プラグマティズムも。

景気の循環論の5つの特性は、
アカデミックな分析であるが、
極めて興味深い。

ここに本当の面白さがある。

そして景気の循環論は、
企業や組織の循環論にも通ずるものとして、
常に意識しておきたい。

サム君のドック入りも、
循環論のなかにあるのです。

<結城義晴>

(日本経済新聞1月21日「景気循環と恐慌⑪」を参考にしました。
三菱UFJ証券景気循環研究所編に感謝します)

2009年03月11日(水曜日)

「どんな人も環境によって変わる」

一昨日、昨日の行動日誌を駆け足で。
3月9日月曜日。
東京・東銀座。
パチンコトラスティボード(PTB)有識者懇談会。  
奇数月の第2月曜日に開催される。
もう5年を経過する会議体。

PTBは、「業界外の有識者・専門家による組織」。
パチンコホール経営企業の社会的地位向上を目指す。
有識者懇談会は、その中で、
パチンコホール業界の「あるべき姿」につき社会各層の有識者が自由に議論し、
とりまとめた意見を広く社会に発信する会議体。

座長は、三好正也先生。元経団連事務総長。
現在、㈱ミヨシ・ネットワークス代表取締役会長。

写真左から副座長の岩崎秀雄さん。
元日刊工業新聞論説委員、現ネットプレス㈱代表取締役社長。

黒瀬直宏専修大学商学部教授。
落合清四UIゼンセン同盟会長。
牛島憲明さん。牛島憲明事務所代表の経営コンサルタント。
元㈱東京証券取引所上場審査部長、元㈱ジャスダック取締役兼執行役員。

  
こちらは右から、川上隆朗元インドネシア大使。
和田裕㈱日本イノベーション代表取締役社長。
旧通産省時代は堺屋太一さんの上司で、大阪万博の仕掛け人。
マスクの三堀清弁護士。三堀法律事務所代表。
そして、 結城義晴。

このほかに、村井純慶應義塾大学環境情報学部教授、
松田修一早稲田大学ビジネススクール教授らがメンバー。

夏にかけて、PTB有識者懇談会からの第3弾アピールが発せられる。
その論議の中で、牛島委員から、画期的な原案が提案された。

もうちょっと慎重な討議が必要だが、その趣旨に、私は大賛成。
ただし、ここでも政局の動きには目が離せない。

その後、泉岳寺のカスタマーコミュニケーションズ㈱で、
8時くらいまでミーティング。

3月10日火曜日は、西永福のサミット㈱本部へ。
コーネル大学RMPジャパン事務局長の大高愛一郎さんも同道。

サミット㈱常務執行役営業企画担当の工藤静夫さんと打ち合わせ。
samit
4月1日、2日のコーネルの講義は、「オペレーション・システム」。
その現場研修を、2日間にわたってサミットの店舗で行う。
その詳細の打ち合わせ。

私は、現在のスーパーマーケット企業の中で、
オペレーション・システムは、サミットがナンバー1であると考えている。
チェーンストア・システムを採っている中では、
アメリカやヨーロッパのスーパーマーケットと比較しても、
サミットのそれは最右翼のモデルとなる。

そのサミットの現場を夕方と朝から昼まで、
勉強させていただく。

工藤さんは、細かに、今回の段取りの検討に参加してくださった。
心より感謝。

その後、日暮里へ。
ダイナムホールディングス執行役社長の佐藤洋治さんと対談。
dainamu
㈱商人ねっとと㈱商人舎のコラボレーション企画。
CDオーディオセミナー「知識商人」対談シリーズ。

佐藤さんの話は、実に興味深かった。

パチンコホールにも、スーパーマーケットと同様の職人問題があった。
「釘師」という職人である。
この職人問題の解決にあたって、佐藤さんは、
自らその中に飛び込んで徹夜の話し合いを繰り返した。
その時に佐藤さんが学んだこと。
「どんな人も環境によって変わる」  
satou
以来、ダイナムとダイナムホールディングスは、
「人と信頼」を基幹に置いて経営を貫く。
今年も、大卒400人、その他50人の450人を採用。
UIゼンセン同盟に1万4500人の組合員を送り出す。
そして年商1兆2000億円、経常利益340億円、店舗数300店。
「企業は人なり」を貫徹する。  

3月20日、「信頼の森」というネーミングの新しいフォーマットの店をオープンさせる。
完全分煙、店内騒音70フォン、コンシェルジュ常駐。
これで「煙い、うるさい、わからない」のパチンコホール3大問題が解決される。
しかも1円パチンコ。
これならば2000円で、2時間も楽しめる。
例えば映画の楽しみ方と同様の時間消費で、
その上、ときにはささやかに儲かる。
そして800品目の景品売り場ではコンビニ並みの品揃えが用意されている。
ダイナムの1円営業店舗では1日平均30万円の景品売上げがある。

パチンコホールには、さまざまな偏見や蔑視が向けられている。

しかしダイナムホールディングスの佐藤さんのような経営者を見ていると、
そしてPTB有識者懇談会で議論を重ねていると、
その偏見や蔑視を、なんとか跳ね返さねばと勇気がわいてくる。
かつて、商業が士農工商と貶められ、
多くの人々の努力で、ここまで社会的な地位を上げてきたことと、
道筋は同じである。
yuuki
佐藤さんとの対談、今回も感動させてもらった。

その後急いで神田の日本セルフ・サービス協会へ。
電通のソーシャル・プランニング局長上条典夫さん、
ストラテジー・プランニング局の土井弘さんとミーティング。
三浦正樹専務理事が即断即決で、
「国民自給率向上運動」への賛同を示してくれて、
上条さんが進める「Food Action Nippon」の国民運動は一歩進んだ。

事務局のみんなと写真。

右から、川崎かおるさん、土井さん、上条さん。
私をはさんで、籾山朋輝さん、城山将臣さん。
川崎、籾山、城山の3人が日本セルフ・サービス協会の精鋭。

「どんな人も環境によって変わる」 
この二日間、多くの人と会った。

そのたびに、私は、この言葉をかみしめている自分を確認した。

<結城義晴>  

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