結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年04月04日(土曜日)

ロヂャース岩槻センターと大宮店で全品検品と自動発注を学ぶ

小売り大手企業、打ち揃って、安売り合戦に突入。
しかし、仕組みで安さをつくり出していなければ、
どこかが泣く。

その仕組みづくりにチャレンジしているのが、
ロヂャース・北辰商事。  
ディストリビューションセンターとトランスファーセンターによって、
全品の検品をし、自動発注の仕組みと連動させている。
それによって、安さをつくり出している。
粗利益率17%、販管費率11.5%で、営業利益5.5%の商売。

太田順康副社長のご厚意で、
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン特別講習。
昨日4月3日、埼玉県大宮駅に9時集合して、
岩槻センターを訪問。
太田さんはコーネル大学RMPジャパン第一期生の級長。
POP1

まず、2階会議室へ。
pop2
このセンターは日本アクセスが運営し、ロヂャース専用センターとなっている。

太田さんと石川さんの解説。
oota

コーネル大学RMPジャパンのオプションメンバー・プラスで受講。
rec

センターだからまず商品が入荷する。
track

そして一部は在庫される。酒の在庫は現在、8日分くらい。
しかしこの量。
zaiko
安く買った商品なども在庫されるが、
太田さんは「300坪までに抑えろ」といっている。
買い過ぎを注意している。

そして在庫はラインに乗せられて、仕分け場へ。
siwake

ケース単位の商品は、仕分けラインで、店ごとに振り分けられる。
siwake2

カートラックに乗せられる。
kart
そして店へ。
この機能は、世界共通。

しかしこのロヂャースセンターの特徴は、
検品ラインがあること。
line
特に非食品など、実は誤入荷が多い。

ロヂャースでは、一品一品をバーコードリーダーで読み取らせて、
検品を行っている。
ipin
集中して検品し、店では一切検品作業をしない。
それが店の生産性を飛躍的に上げる。

バーコードを読み取った商品はベルトコンベアを流れ、
一品一品、店ごとに仕分けされる。
kenpin3

店ごとに、一品ずつ落ちていく。
kenpin4

siwake3
バーコードの威力。

そして店ごとのカートラックに。
kart2

センターでできることはみな、センターにやってもらう。
だから取引先への発注はセンターが2人態勢で行う。

店は自動発注の仕組みの上にのって、
最低限の発注点を決定する仕事にだけ専念する。

商品部とセンターは、電話でコミュニケーションし、
それでつつがなく商品が流れる。

センターに関するレクチャーが、かなり綿密な数字を伴って行われたが、それは秘密。
しかしロヂャースの販売量を支え、店舗のローコストオペレーションを支えているのは、
このセンターであることは間違いない。
それが結果としてロヂャースの安さをつくり出している。

全員で写真。
心から感謝。
zenin

次いで、直近の店舗「ロヂャース大宮店」へ。  
この店は19年前にオープン。
オープン初日、私は太田さんと店の中から、
店頭に行列したお客さんの群れを見て、
鳥肌が立ったことを思い出した。
oomiya

先ほどのセンターから送られてきたカートラックの商品。
バックルームの在庫は、このロヂャースのような店にしては驚くほど少ない。
badkroom

ビール売り場は、ケース販売が中心。
これも当然、センターから運ばれたもの。
sake

2階売り場は、かつてのロヂャースを思わせる非食品の品ぞろえ。
しかし現在、ロヂャースは売上げ高の75%が食品。
商売の「乗物を変えた」のだ。
その根本に、センターが存在している。
sakka

牛乳売り場。
milk
かつてロヂャースは店頭の省力化をずいぶん研究した。
ミルク売り場など、省力補充什器を開発した。
しかしそれよりも、「儲けは仕組みでつくる」方針に転換。
それがセンターを中核に置いた商売の在り方である。

野菜の売り場も、ご覧のように充実。
yasai

太田さんは、自動発注についてレクチャーしてkれた。
oota2

店に入る商品はすべて、センターでバーコードで検品されている。
だから入荷データはある。
そしてPOSデータで、売れ数は確定されている。
引き算によって、在庫量は明らかだ。
店頭の最大陳列量と最低陳列量が明確になっていて、
最大発注点がSKUごとにあらかじめ決められていれば、
現場の発注作業は、必要ない。

もちろんイレギュラーなことが起こるのが商売。
それに対応するために、発注点の変更は必要となる。
それがこの端末で行われる。

パートタイマーにも取り扱いは簡単。
tanmatu
太田さんは言う。
「90%の売り場ができればいい。
うちは、みんな売り切るから。
10%の発注誤差など販売力でカバーできる。
最後の10%の誤差をなくそうとするから、
そこに膨大なコストがかかる」

この太田順康の割り切り。
それがロヂャースの「仕組みで安さをつくり出す」ことのポイント。
粗利益率17%、販管費率11.5%で、営業利益5.5%の商売。

全員、納得。
しかし「わが社にはできないかも」という声しきり。
benkyo
ロヂャースの「差異が価値を生む」の一編、  
これにて終了。

太田順康と結城義晴、固い握手。
akusyu
[真ん中の写真、自転車に乗って颯爽としているのは太田さん。
これが見せたかったのかも]  

ロヂャースと太田さんに、心から感謝。

<結城義晴>  

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