結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年02月08日(月曜日)

「春節の商売・落ち穂拾いの商売」と「倉本文庫開設セミナー」

Everybody! Good Monday!
[2016vol6]

今日は旧正月、春節。

Weekly商人舎、
日替り連載・月曜朝一。
2週間販促企画にも、
春節が取り上げられている。

アジアからその正月休みを利用して、
日本に観光にやってきてくれる。
ありがたいことだ。

そして「爆買い」。
これもありがたい。

私たちの住む地域や国の環境、
私たちのつくる商品やサービス。
それがアジアの同胞から、
高く評価される。

うれしいことだ。

私たち自身、
その価値を自覚して、
私たちの環境や商品を、
愛でつつ、質の向上に励みたい。

ただし、全国のすべての店が、
春節の爆買いの恩恵を受けるわけではない。

朝日新聞『折々のことば』
鷲田清一さんが拾い出した言葉。
その305。

「時の流れがね、
落っことしていったものを
一番後ろから拾いながら
トボトボと行くっていうのが、
私には合ってるかなって
思うんです」

〈中島みゆき〉(NHK「SONGS」2015年11月7日)

鷲田さんのコメント。
「時代の浮かれの中で目もくれられず
またぎ越されてしまうもの、
時代の厚い雲にさえぎられ
見えなくなっているもの、
時代の勢いの中で
置いてきぼりにされたもの。
用済みと払い落とされた
おがくずのような命の佇(たたず)まいを慈しむ、
その落ち穂拾いの小さな足音にこそ
耳をそばだてたい」。

地域商業には、
時代の最先端を行かなくとも、
落ち穂拾いの商売もある。

荒井伸也さんがいつも言っていた。
「私たちは新幹線を走らせる必要はない。
私鉄で十分なのです」

ローカルチェーンはそれがいい。

自分の顧客を見定めて、
自分の商売を突き進む。

ハレに強い商売や企業もあれば、
ケに根強い商いやチェーンもある。

春節の爆買い対応商いも、
落ち穂拾い商売も、
どちらも価値のあるビジネスだ。

しかしどちらも、
自分の商品の価値を、
強く自覚していなければならない。

着ぶくれの朝のラッシュに弾かれて
〈朝日俳壇 東京都・舩山セツ子〉

新幹線ではなくて、
私鉄やJR近郊線の情景。
実感の湧く句だ。

「立春」を過ぎ、「雨水」へ、
それから「啓蟄」へ。

今年は立春が2月4日、
雨水は2月19日、
そして啓蟄は3月5日。

私にとって64度目の春がやってくる。
ジジには11度目の春が来なかったけれど。

今日は第一屋製パン㈱の鎌田恒雄さん来社。
営業本部副本部長。

私は昨年から社外取締役を務めている。
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ベーシックな売れ筋商品を持ってきてくれた。

3月の打ち合わせをしてから、
パン業界の情勢など語り合った。
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私にとっては、
フィールドワークの一つでもあって、
実に有益だ。

さて、最後にお知らせ二つ。

第1はこのホームページ巻頭に、
今日から公開された商人舎からのお知らせ。
➀USA視察ベーシックコース
5月12日~18日、5泊7日。
inラスベガス。
定評のハード研修会。

②第9回ミドルマネジメント研修会
6月7日・8日・9日、2泊3日。
in湯河原。
こちらも大好評のハードな3日間。

ご参加、ご派遣を願います。

もう一つのお知らせは、
「倉本長治・初夫文庫」の開設。

おめでたい。

倉本長治先生は商業界創設者、
初夫先生はその長男で二代目主幹。

お二人とも物故しているが、
私は商業の世界に入ってきて、
一番初めにお二人から薫陶を受けて、
そして今も、こうして仕事をしている。

その倉本長治・初夫両主幹には、
併せて約3100冊の個人蔵書があった。

それが法政大学資料保存図書館に、
寄贈された。

法政大学イノベーション・マネジメント研究センターは、
2009年5月に「流通産業ライブラリー」を設立した。
流通・消費財産業 の資料保存ライブラリーである。

協力機関は、
流通関連11団体および、
流通関連4学術団体・研究機関。

これまでに「ペガサス文庫」がある。
これは日本リテイリングセンターの、
日本チェーンストア経営専門図書館からの寄贈。

故渥美俊一先生がご存命の2009年5月に、
「ペガサス文庫」が開設されて、
設立記念セミナーが開催された。
私もブログで紹介した。

今回は「倉本文庫」開設記念公開セミナー。
テーマは「店は客のためにある」

目的は、「戦後日本の流通近代化の礎を築いた
商業界精神の現代的な意味 を問い直す」

講演者はお二人。
ファーストリテイリングの柳井正さん、
新潟・浅川園の古舘邦彦さん。

お二人とも経営の信条は、
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」

時間は、
2016年3月18日(金)13:00開場、13:30開会
法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎6階、
薩埵(さった)ホール大講堂。

プログラムも書いておこう。
13:30~13:40
開会の辞 法政大学教授矢作敏行
13:40~14:10
「解題 商業界精神と戦後日本の流通産業」同
14:10~15:10
「店は客のためにあり、店員とともに栄える」
ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正
15:20~16:20
「商業界ゼミナールで学んだこと」
商業界全国連合同友会会長・古舘邦彦
16:20~16:30
総括 矢作敏行

参加者は、商業界読者、流通業界関係者、
そして学生・研究者等で、
先着500名。
参加費は無料。

申し込みは、

https://www.event-u.jp/fm/10647

問い合わせ先は、
法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
Tel:03-3264-9420 Fax:03-3264-4690
E-mail:cbir@adm.hosei.ac.jp

私は、アポイントが入っていたが、
それを変更して参加する。

店は客のためにあり、
店員とともに栄え、
店主とともに滅びる。

それが語られる。
うれしい限りだ。

もちろん商人舎のUSA研修会も、
ミドルマネジメント研修会も、
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」を、
基本中の基本にしている。

今月の商人舎標語は、
「店はいつも客のためにある」

店は客のためにあり、
店員とともに栄え、
店主とともに滅びる。〈倉本長治〉

この三行の言葉には、
すべてに「店」の文字が使われる。
それだけ「店」は抜きがたい存在である。

商人はずっと店をつくってきた。
店をつくるのが商人の仕事だった。
店をより良くするのが商人の役目だった。

そして商人は店を変えてきた。
店を変えるのが仕事だったし、
店をより良く変えるのが役目だった。

21世紀に入ってから15年。
その店のつくり方がさらに変わってきた。
レイアウトの引き方も変化を遂げた。

しかし良い店はいつもカスタマーを向いている。
良い店はずっとアソシエーツをいたわっている。
良い店はこれからもリーダーの能力を最大化させる。

アウトスタンディングなポジショニング。
とんがりとこだわり。
店づくりはフォーマット戦略の基盤である。

しかしだからこそ、そこに、
アウトスタンディングな成果が要求される。
こだわり店舗にはとんがり収益性が必須となる。

店はカスタマーを歓喜させ、
アソシエーツを成長させ、
リーダーたちを躍動させる。

店はいつも客のためにあり、
店員とともに栄える。
そして店主とともに滅びる。
〈結城義晴〉

では、みなさん、
今週も、顧客のために、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年02月07日(日曜日)

ジジと雪の節分[日曜版2016vol6]

ジジ デス。DSCN8963-5
日曜日ニハ カエッテ キマス。

オトモダチ ノ チカラ ヲ カリテ。
DSCN8966-5

ナゼ ソウ スルノカ
ナゼ ソレガ デキルノカ
ワカリマセン。

デモ ドウシテモ
カエッテ キタイ。
ダカラ カエッテ キマス。

オトウサン コンニチハ。
ミナサン ゴキゲンヨウ。

オモイダシマス。
節分 ノ 日 ノ 雪。
雪見1
2008年 ノ 2月 デシタ。

ベランダ ニモ 雪。
雪見2

ボク ハ 雪 ヲ
ミテイマシタ。
雪見3

雪 ニ オオワレテイクモノ ヲ
ミテイマシタ。

ジット ミテイル ト
目 ガ ハナセナク ナル。
雪見4

雪 ガ フルト
ソト ハ サムイ。

雪 ガ フルト
ソト ハ アカルイ。

フシギ デス。
雪見5

家 ノ ナカ ハ
アタタカイ。

家 ノ ソト ハ
サムイ。

雪 ノ 節分。
ジジの節分

「オニはっ、そとっ」
鬼 ハ カワイソウ。
雪 ガ フルト
ヨケイニ カワイソウ。

オトウサン 鬼 ヲ
ナントカ シテ アゲテ。
ジジ誕生6

ボク ハ ソノトキ
オトウサン ニ タノミマシタ。
雪見6

コトシ ノ 節分 ニハ
雪 ハ フリマセンデシタネ。

チョット サミシイ カナ?

デモ 鬼タチ ハ
タスカッタ。
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ソレハ ヨカッタ。
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鬼 ハ トモダチ ナンデス。

〈『ジジの気分』〈未刊〉より〉

2016年02月06日(土曜日)

インフルエンザ大流行とフォアグラの「文化と野蛮」

ただ今、インフルエンザ大流行。
1月31日までの1週間で約107万人、
その前の24日までが約52万人だった。
倍増した。

年齢別に見ると、
最多は5~9歳で、約27万人。
全国3396の学校・幼稚園・保育園で、
休校や学年・学級閉鎖が相次いでいる。

全47都道府県で患者数は増え続け、
特に新潟県、埼玉県、神奈川県と、
福岡県、沖縄県では警報レベルを超えた。

商売とは因果な生業(なりわい)だと、
つくづく思わされる。

こんなインフルエンザ流行のときにも、
すぐさま対応して、
それによって顧客から喜ばれるけれど、
それによって売上げが上がり、
利益も増える。

それがインフラ産業というもの。
因果な生業だけれど、
それだけ社会性を有しているということ。

新聞やテレビ・雑誌などの、
社会メディアに対して、
さらに地域の情報に対して、
いつもいつも敏感でいたいものだ。

もちろん、このブログは、
そんな情報に対しては、
常に変わらぬ一定の見解を、
示していきたいと考えている。

ただし、マーケティングのトレンドに見せかけたものなどは、
そんな商売に必須の情報とは、
ずれていることも多い。

かつて「少衆・分衆」論が、
華やかに展開されたとき、
故渥美俊一先生はそれらを一蹴して、
「大衆」の重要性を説いた。

「少衆論」は、広告代理店の電通から発信された。
電通PR局長の藤岡和賀夫が『さよなら、大衆』で主張。
一方の、「分衆論」は博報堂生活総合研究所が、
『「分衆」の誕生』で展開した。

つまり電博が競って、
「脱大衆論」を展開したわけだが、
渥美先生は、チェーンストアや小売産業の商売を、
操作的なマーケティングとは異なると主張。

この操作的マーケティングは、
法政大学教授の矢作敏行さんも指摘していて、
私も同感。

マーケティングのごときことを、
声高に主張する場合、
その内容を見極めねば、
実は「因果な商売」とは、
全くずれていることが多い。

高級化、高額化のトレンドが示された場合、
特にそれに気をつけねばいけない。

高級・高額品が売れている数量と、
コモディティや低価格品が売れる数量とは、
桁違いだからだ。

さて、「フォアグラは動物虐待か」
日経オンラインの米国特派員報告。

「文化」か「野蛮」か。
フォアグラをめぐる論争が、
アメリカで続けられている。

カリフォルニア州では2012年に販売が禁止された。
しかし15年には連邦法に抵触するとして、
それが撤廃された。

しかししかし、今度は、
フォアグラ・メニューを復活させた料理人を、
動物愛護家がインターネットで激しく非難。

日本の捕鯨・イルカ漁非難と同じ。

「カタカタカタカタ。
機械の音が静かな薄暗い畜舎の中に鳴り響く。
柵で10羽ずつに分けられたアヒルを
1羽ずつヒスパニックの女性が
両足で挟み込んで首をつかむ。
漏斗型の器具についた
20cmはあろうかという細長い金属の管が
アヒルののどに無造作に挿し込まれる。
女性は無表情に
器で飼料のトウモロコシをすくい、
漏斗の上部に次々に放り込む。
振動でアヒルの胃袋の中へ
飼料が効率よく落とし込まれていく。
女性は10秒ほどで手際よく
次の個体に移っていく」

米国のハドソンバレー・フォアグラ社。
その畜舎内の光景。

1982年、米国には低品質の缶詰しかなかった。
そこに同社がフォアグラ生産を持ち込んだ。

以降、高級レストランの料理人たちから、
高い評価を受けている。

「フォアグラ」はフランス語で、
「太らせた肝臓」の意味。「強制肥育」によって、
アヒルの肝臓を通常の10倍にまで肥大させる。

マーカス・ヘンリー副社長。
「人間と同一視してみると一見、残酷に見える。
だが、自然界でアヒルは
ザリガニさえまるごとのみ込む。
のどの痛覚はほとんどない。
科学的に虐待と言えるデータはない」

日本の和牛と同じ考え方だ。

特派員の感想。
「動物愛護家から『虐待』と
激しく批判される強制肥育を見た後でも、
少なくとも他の畜産動物一般に比べ、
フォアグラ農場のアヒルが
特別に不幸であるという印象は受けなかった」

カリフォルニア州での禁止撤廃後も、
「販売は順調に増えている」

しかし生産手法に対する社会的な批判は、
まったく衰えない。

アメリカでは、2006年に、
カゴ市でフォアグラ販売が禁止された。
2年後、撤廃。

カリフォルニア州でも同じだった。
イギリス、イタリア、スイス、
それからイスラエルなどでも生産は禁止され、
輸入販売も禁止という動きが絶えない。

「フォアグラは飼育効率を追求し、
工業製品のように管理されて生産される食品」

だから「生態系との関連を重視する
消費文化のトレンドに逆行している」

しかしアメリカの牛肉産業は、
1990年段階でもうすでに工業化は進んでいた。
ヘンリー・フォード1世はそこから学習して、
オートメーション方式を生み出したほどだ。

「フォアグラのような高額の嗜好品は
世相の影響を避けられない」
低額のコモディティ商品には、
どうやらそれが許されているようだ。

「それ自体が『残酷』かどうかの議論とは全く別に、
米国のフォアグラ生産は長い目でみれば
文化として滅び行く運命にあるようにもみえる」

この報告に結論はない。
最後はやや感傷的に書いて、
締めくくる。

しかし、美味いものは食べたい。
美味いものは商売になる。
そして古今東西、美味いものは、
たいてい野蛮だ。

フォアグラとトリュフのリゾット。
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東京・広尾のフランスレストラン「ア・ニュ」。

フォアグラにキャビア。
こちらは上海の焼き肉レストラン。
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商売とは因果な生業で、
フォアグラに限らず、
「文化と野蛮」の間を、
行ったり来たりしている。

〈結城義晴〉

2016年02月05日(金曜日)

伊藤園大陳コンテスト審査会と非正規雇用の「パートナー」

「ふと気がつくと
『早春賦』を口ずさんでいる」

わかる!!

今朝の朝日新聞『天声人語』の冒頭。
本当にそんな季節です。

春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 (うぐいす)歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず♬

歌詞とメロディはよく浮かんでくるが、
タイトルはなかなか思い出せない。
小学校の音楽の教科書に載っていた『早春賦』
1913年(大正2年)発表の唱歌、
吉丸一昌作詞、中田章作曲。

うろ覚えのまま口ずさむ。
三番がまた、実感させられて、いい。

春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か♬

文語調の歌詞で、
小学生のころは意味もわからず、
ただ覚えて歌っていた。

「聞かなければ知らないままだったのに、
聞いてしまったら急かれる胸の思い」

いいなあ。

この思いは、小学生には、
わからないかもしれないけれど。

今日は朝、関東南部で地震。
神奈川東部は震度4。

すると鹿児島の桜島は、
午後6時56分ごろ、噴火を始めた。
警戒レベルは3。

お見舞い申し上げるとともに、
できる限りでいいから、
商業の役割を果たしてほしいと願う。

私は朝から、東京・清水橋へ。
㈱伊藤園本社の地階・会議室。DSCN1291-6
伊藤園大陳コンテスト最終審査会。

初めに事務局から説明。
DSCN1310-6
マーケティング本部地域販売促進部の皆良田将さん。

そのあと、最終審査が始まる。

5つのコースごとに、
予備審査が終わった優秀作品ばかり残っているが、
審査員は自分の推薦する作品に、
それぞれに付箋を張っていく。

そして付箋の多い作品から、
優秀賞、最優秀賞を決定する。DSCN1299-6

それは合議制。
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5つのコースの店舗賞、
決まりました。DSCN1301-6

次に企業賞。
小林哲也さんが概要を説明。
小林さんは地域販売促進部部長。
DSCN1316-6
これも順当に決定。

最後に、審査委員が一人ずつ、
今回の総評。

まず委員長の私から総括コメント。DSCN1329-6
全員が発言するが、
実に中身の濃い内容ばかりだった。

そして雑誌用の記念撮影。DSCN1337-6

それが終わると、
この毎日更新宣言ブログ用の、
全員写真。
DSCN1341-6
ご苦労様でした。

審査会が終了すると、
恒例の審査員懇親会。

江島祥仁副会長の部屋で、
1時間以上も最新情報の交換。

今回は結城義晴独演会のようになってしまった。
お許しください。

そして、ちょっと古いけれど、
グー!!
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私の左が本庄大介さん、伊藤園社長。
右が江島さん、副会長。
後列右が小林義雄専務と、
松井康彦商人舎エグゼクティブプロデューサー。

さて日経新聞『大機小機』
私の好きなコラムニスト追分さんが提案。
「非正規」という言葉を変えよう

安倍晋三政権の「新3本の矢」
その推進のための環境整備の一環が、
「働き方改革」

そしてその柱は三つ。
非正規雇用の正規化、
長時間労働の抑制、
高齢者の就労促進。

これは広い意味での「労働市場改革」だ。

今年の商人舎標語は、
「人をつくる。人を残す」だが、
それにも大いに関係する。

構造的な人手不足が進行する日本。
小売サービス業界はその最たるものだ。

だから労働力の量的確保のためには、
女性や高齢者の労働参加率が、
引き上げられねばならぬ。

ただし、増加する雇用のほとんどは、
非正規雇用である。

パートタイマー、アルバイト。

ここで国会でも議論されているが、
「同一労働同一賃金」の考え方が、
クローズアプされる。

つまり、非正規を正規化し、
正社員と同等の待遇を実現する。

そして、同時に、
正社員の長時間労働の是正や、
勤務地や労働時間、職務権限などの多様化
多様な働き方を選択できる正社員を増やすべきだ。

コラムニストは提言する。
オランダに学べ、と。

オランダには、
正規、非正規という雇用区分はない。
フルタイムかパートタイムの区分はある。

そして「両者ともに正社員であり、
均衡待遇が実現している」

このブログではよく紹介するが、
アメリカの雇用形態は三つ。
時給フルタイマーと時給パートタイマー。
そして月給のマネジャー。

日本でこうした改革を進めるには
多様な正社員の形態を普及させる必要がある。

コラムニストは最後に提言。
「『非正規」という言葉には単なる区分でなく
『補助的で正規に劣後する』という響きがある」

「均衡待遇を目指すのなら、
まず言葉から変えるべきではないか」

その通り。

かつて、日本の労働界にも、
「本工と臨時工」なる言葉があって、
その言葉の差別からの解放が、
スタートだった。

日本の小売業界ではパートタイマーを、
「パートナー」と読んだりする。

それではなんだか違和感があるのか、
「さん」をつけて「パートナーさん」

パートナーとは、
「共同で仕事をする相手。相棒」
あるいは「つれあい。配偶者」

しかしこれにも、私自身、
異論がないわけではない。

例えば部門責任者の仕事をしているのが、
実質的には「パートナーさん」であって、
大卒の新入社員などの方が、
パートナーのような存在であることは、
現実的には多いからだ。

アメリカにはこの呼称はない。
全員が「アソシエーツ」
イギリスでは「コリーグ」

ウェグマンズでは、
全員が「ピープル」と位置付けられる。

トレーダー・ジョーでは、
「クルー」と呼ばれる。

ホールフーズは、
「チームメンバー」

そして、正規雇用、非正規雇用の別はない。
それぞれに労働時間の違いがあるだけだ。

フルタイマーは週40時間以上。
パートタイマーはそれ未満。

そして肝心なのは、
言葉とともに、全員の意識。

区別や差別がないこと。

人をつくり、人を残すには、
まず、差別、区別がない組織から、
始めねばならない。

昨日のブログで書いたが、
スリーハンドレッドクラブの門柱にある言葉。
「不許冠職入山門」
冠職山門に入るを許さず。

これに倣えば、
地位や肩書を付けたまま、
店に入ってはならない。

店ではそれぞれに、
「役目と役割」があるだけだ。

〈結城義晴〉

2016年02月04日(木曜日)

ユニー・ファミマHD誕生と「ファミマ・ローソンの有朋自遠方来」

立春です。

「暦の上では今日から春」
言い古された常套句だが、
実際に一日中、
神奈川県では春のようだった。

「小春日和」という言葉があるが、
今日のような日のことではない。

「こはるびより」は、
晩秋から初冬にかけての11月ごろの、
穏やかで暖かな晴天の日を言う。

しかし今日のような日は、
この詩がいい。

「冬なのに 春みたいに
あたたかい日には」

冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
動物園に行ってみて
ゾウの前など すわりこんで
パンでもかじりたくなるのです

冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
ゆくさき不明の汽車にのり
荷物のように がたごとと
はこばれてゆきたいと思うのです

冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
冬なのに 春みたいに
あたたかい日には

冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
世界の平和のために
戦争をなくすために 生きてゆこうと
心の底から思うのです

冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
ネコと見つめあって
愛をたしかめあうことだって
できるのです

冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
冬なのに 春みたいに
あたたかい日には
〈鈴木順子〉

昨夜というか今朝というか、
午前3時ごろに、
月刊『商人舎』2月号の最終責了をして、
4時過ぎに自宅に戻って仮眠し、
6時には家を出て、今日は、
晴れて、ゴルフ。

名門中の名門、
スリーハンドレッドクラブ。

昭和37年9月23日オープン、
東急電鉄の創始者は五島慶太だが、
その長男として生まれ、
東急グループ中興の祖となったのが、
故五島昇。

その五島が、
自身で設計してつくったゴルフクラブ。

五島は日本商工会議所会頭、
日本小売業協会会長など歴任して、
流通業界でも大いに活躍。

東急百貨店、東急ストア、東急ハンズなど、
みな五島が創業した。

その五島の信条は、
「人と人を結びつけるのに、
ゴルフほど健康なものはない」

300人余のメンバー会員だから、
スリーハンドレッドクラブ。

政界・財界をはじめ、各界の名士が、
その300人に名を連ねる。

このクラブの玄関の丸柱に書がある。
2222
右が「有朋自遠方来不亦楽乎」
孔子の『論語・学而編』から、
友あり遠方より来る、
また楽しからずや。

遠くから友人がやってきた。
なんと楽しいことだろう。

左が「不許冠職入山門」
冠職山門に入るを許さず。

冠位・地位や職業・肩書を付けたまま、
門を入ってはならない。

我々もその気構えでラウンドし、
その心持ちで楽しんだ。

ご一緒したメンバーは、
㈱ロピア会長の 高木秀雄さん、
社長の高木勇輔さんと取締役の村上篤三郎さん。

それから前オーケー専務の勝間田力夫さん、
アイダスグループ代表の鈴木國朗さん。
商人舎プロデューサー松井康彦、
ゼネラルマネジャーの亀谷しづえ。

勝間田さんは現在、
「無印良品」状態。
それもまたいいもんだ。
話が弾んだ。

その後、鈴木さん、松井さんと、
ロピア港北インター店へ。
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この店も、相変わらず大繁盛。
客あり近隣より来る、
また楽しからずや。

さて、今日のニュースは、
ファミリーマートとユニー、
経営統合で正式に合意。

やはり、日経新聞が、
記者会見の前に朝刊でスクープ。

今年9月に発足する持株会社の名称は、
ユニー・ファミリーマートホールディングス。

よかった。
ユニーの名前が残る。

創業者の故西川俊男さんも、
草葉の陰で喜んでいるに違いない。

この会社の社長は、
現ファミリーマート上田準二会長。
極めて順当で、これしかない。

その上田さんの持論は、
「コンビニは二強に集約される」

私の使う「複占」の理論。

セブン-イレブンは圧倒的なマーケットリーダー。
ではファミリーマートが、
マーケットチャレンジャーになれるのか。

現時点では、完全なマーケットフォロワー。
そこでユニーグループのサークルK サンクスと統合。

規模では、ローソンを抜いて二強に入る。
そのためのユニー・ファミリーマート。

しかしそれでもまだまだ、
経営の質から判断すると、
一強二弱&Beyond。

上田さんは『日経ビジネス』で語っている。
「業界3位のままでは
21世紀に勝ち残れない」

「トップチェーンの物まねで
そこそこやってはいたけれど、
質、量ともに圧倒的な差があり、
このままではどうしても負け組になる」

「昔の物語のように、
歩みの速いウサギが先行し、
のろいカメが追いかけて、
寝ているウサギを追い越すなんていうことは、
近代社会ではあり得ません」

「競争相手は眠らないウサギなんです。
カメが後ろからのこのこ歩いたって、
谷底に転げ落ちてしまいます」

セブンは「眠らないウサギ」
うまい‼

そのうえで上田さんはあえて言う。
「僕はあらゆる業種は
『ナンバーワンvs対抗勢力』という構図に
収斂すると思っています。
3番手以下は脱落するリスクが大きい。
その中で僕らが統合されたり、
再編されたりする側になってはいけない」

「ファミマは統合しなくても
4~5年は収益が上がるでしょう。
けれど10年先、3番手が
勝ち組に残るとは考えづらい。
ましてやサークルKサンクスが
他チェーンと一緒になればどうなるか」

この上田構想を実現させるために、
新体制のコンビニ事業会社社長には、
㈱リヴァンプの澤田貴司CEOが就任。

これがアッと驚く人事。

澤田氏の経歴は面白い。
まず伊藤忠商事時代に入社し、
1990年代前半、米国サウスランド社を救済買収。
この時の伊藤忠側の窓口を務めた。

その後、サウスランドはイトーヨーカ堂に買収され、
現セブン-イレブン・インクとなった。

澤田氏は97年、伊藤忠から、
ファーストリテイリングへ転職。
すぐに98年に副社長に昇格。

しかし2003年、退職し、
投資ファンド運営会社KIACON設立。
2005年には現在の㈱リヴァンプを設立し、
社長兼最高経営責任者。

現ファミリーマートの中山勇社長とは、
伊藤忠新卒の同期入社。

現ローソンの玉塚元一社長は、
ファーストリテイリングの後輩で、
玉塚氏が同社社長を退職した後、
リヴァンプでは共同代表。

上田構想は『ナンバーワンvs対抗勢力』
これを10年後で想定するならば、
「セブン-イレブン」vs「ファミマ・ローソン」も、
考えられるし、ありうる。
時代はそこまで来ている。

その時にサークルKサンクスは完全に、
全店がファミリーマートになっている。

もちろんファミマが伊藤忠なら、
ローソンは三菱商事だから、
そう簡単ではない。

しかし上田、中山、そして澤田、玉塚。
「有朋自遠方来不亦楽乎」ではある。

〈結城義晴〉

2016年02月03日(水曜日)

節分の「鬼は外」と糸井重里の「じぶんにうそはつけない」

閏年の節分。

横浜市西区北幸に、
赤鬼と青鬼。
IMG_1660-66
ローソンの店員の扮装。

昨年のハロウィンからクリスマス、
そして今年の節分。

扮装は、2016年の知識商人にとって、
必須技能となってきた。

恵方巻の売上げはどこまで伸びただろうか。
節分商品は売れただろうか。

そして顧客は喜んでくれただろうか。

私は今日、月刊『商人舎』2月号の、
最終責了。

深夜までかかりそうだが、
例月よりも手早く店仕舞いできる。

私の編集仕事でも、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」

みなさんとともに闘いたい。

そんなこんなで、
昼食は商人舎御用達の魚盛。

鮮度抜群で揚げたての魚のフライ。
DSCN7627-6

そして大ボリュームの豚肉生姜焼き。DSCN7629-6
体の力をつけて一気呵成に、
責了に臨む。

ご期待いただきたい。

さてアメリカ合衆国の大統領選挙。
第45代アメリカ合衆国大統領を決めるための選挙。
ついでに次期アメリカ合衆国副大統領も選出する。

ただし、日本の首相を選ぶ方式とは、
かなり異なる。

まず第1に全米各州で、
民主党・共和党ごとに、
党員集会と予備選挙が行われる。
そのスタートがアイオワ州での予備選で、
昨日、その結果が出た。

第2は、民主党、共和党の全国大会で、
これは7月に行われる。

7月18日から21日が共和党全国大会、
7月25日から28日が民主党全国大会、
これで両党の立候補者が決定する。

まるでプロ野球のセリーグとパリーグのようだ。
つまりある種のショービジネスのごとき形式。

そして11月8日に、
「大統領選挙人」を選ぶための
一般有権者による投票。

さらに12月中旬、
選ばれた「大統領選挙人」による、
選挙人投票で決着。

その第1段階の党別の、
アイオア州予備選挙の結果だが、
民主党は、
ヒラリー・クリントン前米国務長官が、
バーニー・サンダース上院議員を上回った。

クリントン68歳、
サンダース74歳。

一方の共和党は、
テッド・クルーズ上院議員が、
ドナルド・トランプ氏を破った。

クルーズ45歳、
トランプ68歳。

サンダースは民主社会主義者。
トランプはポピュリズム発言をする不動産王。

まだまだ予断を許さないが、
各候補者の年齢が、
クルーズ議員を除いて、
高いのが気になる。

バラク・オバマ現大統領は54歳だが、
すでに2期に渡って大統領を務めたため、
アメリカ合衆国憲法修正第22条により、
トップには就任できない。

日本の安倍晋三首相と、
岡田克也民主党代表は、
61歳と62歳だから、
こちらの方が働き盛りという感じだ。

いずれにしろ、
風が吹けば桶屋が儲かる式の、
同盟関係を強めつつある日米両国だけに、
彼の国の大統領選からは目が離せない。

さて、『ほぼ日刊イトイ新聞』
巻頭言は「今日のダーリン」

糸井重里が考察するのは、
「じぶんにうそはつけない」

「こどものころは、その意味が
まったくわからなかった。
そもそもじぶんのことなんだから」

「じぶんのいちばんの敵は、じぶんだ」も、
「じぶんに負けるな」という励ましの意味も、
わからなかった。

「じぶんが、じぶんに
うそをつこうとする。
じぶんのついたうそを、
じぶんが許そうとする。
じぶんがじぶんを誘惑する。
じぶんがじぶんをだめにする」

これ、根本的な問題だ。

「そういう弱さがあるからこそ、
人間なのだとは思う」

人間は複雑だ。

「でもね、そういう弱さは、
もっとじぶんを苦しめる」

「なにかをうらんだり、
なにかを責めているうちに、
光の射す方向に
顔が向かなくなっていく」

人間にとって、一番恐ろしいことだ。

「『生き直す』ときの、
じぶんの歩みのたよりなさだとか、
人びとの嘲りだとかばかりが気になって、
過去に向って
こぶしをふりあげたり叫んだりする」

あぁ。

「こんなことを言っても、
ただのことばだ。
ただの説教だから、
聞こえないときには耳に入らない」

「ぼく自身も、若いときには、
まったく聞く気もなかった。
心がこもってようが、親身であろうが、
ことばはことばでしかない」

言葉の達人の糸井が、
そんなことをつぶやく。

「そういえば、どこかのだれかが、
じぶんにうそはつけないとか言ってたよな」

糸井は、「唱歌のよう」に、
「憶えてもらえればいい」という。

終わりは、妙に投げやり。
悲しそうだ。

「ことばは、まことに
ことばでしかないのだけれど」

しかし、私は、
言葉には力があると思う。

「じぶんにうそはつけない」

はじめに言葉ありき。
言葉は神とともにあり。
言葉はすなわち神なりき。
(ヨハネ福音書)

アメリカの大統領候補も、
日本の次の首相候補も、
「じぶんにうそはつけない」
唱歌のように覚えているだろうか。

節分の鬼を思いながら、
「ウソは外、ホントは内」

明日は立春だ。

〈結城義晴〉

2016年02月02日(火曜日)

2月商人舎標語「店はいつも客のためにある」と星浩の「否」

2月に入って、2日。
2月2日。
IMG_7722-6

夫婦の日。

毎月22日も夫婦の日で、
11月22日はいい夫婦の日。

みんな語呂合わせ。

しかし、ゾロ目の日。
なにかワクワクさせてくれる。

「五節句」というのがある。
1月7日の人日(じんじつ)、七草の節句。
3月3日の上巳(じょうし)、桃の節句、
5月5日の端午(たんご)、菖蒲の節句。
7月7日の七夕(しちせき)、たなばた。
9月9日の重陽(ちょうよう)、菊の節句。

人日は1月1日のゾロ目だったはずだが、
それが元旦なので、7日となった。

中国の陰陽五行思想から発し、
日本の宮廷にも取り入れられ、
その後、定着。

奇数月のゾロ目の日が、
節句となっていて、
偶数月のゾロ目は、
陰の存在のようだが、
実際に奇数が陽、偶数が陰とされた。

まあ、それでも現代は、
夫婦の日で丸く収まるのかもしれない。

昨日の2月1日は、
人事異動の日でもあって、
わがてっちゃん会会長の大越鉄夫さんも、
新店準備店長として新天地へ。

そのブログは、やはり毎日更新で、
「てっちゃんの店長日記」

スーパーマーケットの店長で、
これだけのブログを書き続ける人は、
絶対にいないだろう。

そしてそのてっちゃんブログのファンが、
自発的に集まって、
「てっちゃん会」を組織した。
現在120人ほどにも拡大中。

この会がとてもいい。

会社の枠を超えて、
知識商人たちが、
自主・自立・無欲で集う。

いい店、いい売場をつくって、
ひたすらお客さんに、
喜んでもらうことを願う。

私は「独立自営商人」のようだと考えている。

ただし最近はその自主・自立・無欲を、
ちょっと荒らされているようで、
心配だが。

てっちゃんの異動以外にも、
ずいぶん多くの人たちが、
新しいポストや新しい職場に移っただろう。

会社員として、
人事異動を何度も経験することは、
悪いものではない。

それを知らずして、
偉そうに無責任なことを言い放つ輩も、
もしかしたらいるかもしれない。

しかし新しい仕事、新しい職場は、
必ず商人を成長させてくれる。

それぞれに頑張ってほしいものだ。

そこでゾロ目の今日、
月刊『商人舎』最終責了を明日に控え、
2月の商人舎標語発表。
DSCN7623-6

これは、月刊『商人舎』2月号の巻頭言でもある。
[Message of February]
店はいつも客のためにある。

店は客のためにあり、
店員とともに栄え、
店主とともに滅びる。〈倉本長治〉

この三行の言葉には、
すべてに「店」の文字が使われる。
それだけ「店」は抜きがたい存在である。

商人はずっと店をつくってきた。
店をつくるのが商人の仕事だった。
店をより良くするのが商人の役目だった。

そして商人は店を変えてきた。
店を変えるのが仕事だったし、
店をより良く変えるのが役目だった。

21世紀に入ってから15年。
その店のつくり方がさらに変わってきた。
レイアウトの引き方も変化を遂げた。

しかし良い店はいつもカスタマーを向いている。
良い店はずっとアソシエーツをいたわっている。
良い店はこれからもリーダーの能力を最大化させる。

アウトスタンディングなポジショニング。
とんがりとこだわり。
店づくりはフォーマット戦略の基盤である。

しかしだからこそ、そこに、
アウトスタンディングな成果が要求される。
こだわり店舗にはとんがり収益性が必須となる。

店はカスタマーを歓喜させ、
アソシエーツを成長させ、
リーダーたちを躍動させる。

店はいつも客のためにあり、
店員とともに栄える。
そして店主とともに滅びる。
〈結城義晴〉

店が何のためにあるかを、
噛み締めつつ、
閏年の2月を過ごしたい。

よろしく。

さて、朝日新聞の星浩特別編集委員。
「日曜に想う」というコラムを、
朝日の論説主幹や特別編集委員が、
手分けして書き続けている。

星さんはこの日曜日に、
その最後のコラムを書いた。

なんでも最後は、気合が入るし、
思い込みが出る。
だから読み手にとって、
おもしろいものとなるはずだが、
さて、いかが。

「30年余、政治記者を続けてきた。
締めくくりのコラムとして、
日本の政治は悪くなったのか、
考えてみたい」

最後だから、星さん、
まず自分の記者歴を簡単にたどる。
「1985年、中曽根康弘首相を追いかける
『番記者』になった」

「当時は、政権を握り続ける自民党と
万年野党の社会党という55年体制だった」

次に竹下登政権の消費税導入時代。
「ある日、頭をガツンと
殴られたような衝撃に見舞われた」

「権勢をふるっていた金丸信元副総理が
建設業界からヤミ献金をもらい、
巨額の脱税をしていたことが発覚。
事務所からは大量の金塊が見つかった」

「金権の温床は中選挙区制だから、
小選挙区制を導入すれば政治は
刷新されるという政治改革論議が高まった」

そこから安倍晋三vs岡田克也論へ。

「93年、岡田氏は政治改革を訴え、
小沢一郎氏らとともに
自民党を離れて新生党を結成」

「安倍氏は、
自民党衆院議員として初当選したが、
自民党は野党に転落した」

「小選挙区制が導入され、
衆院選は7回重ねられた」

「小泉純一郎政権で自民党は息を吹き返し、
安倍氏が頭角を現した。
06年には首相に就くが、1年で退陣」

「岡田氏は民主党代表、幹事長などを務め、
09年には念願の政権交代を実現した」

しかし「その政権も3年余りで崩壊。
安倍氏の復権を許すことになる。
岡田氏は1年前に代表として再登板」

安倍晋三61歳、
岡田克也62歳。
IMG_6112-6
〈写真は2015年7月1日撮影、天候:雨〉

安倍氏の父親は、
故安倍晋太郎衆議院議員。
岡田氏の方は、
イオン名誉会長の岡田卓也さん。

「2人は与野党のトップとして、
がっぷり四つの国会論戦と国政選挙に臨む」

星特別委員は、どうやら、
この二人の対比をしたいらしい。

「憲法解釈を変更して
海外での武力行使に
風穴を開けようとする安倍氏」

「一方、岡田氏は立憲主義を唱えて
憲法の解釈変更に強く反対したが、
成立を阻止することはできなかった」

「『戦後レジーム」の転換を掲げてきた安倍氏と
戦後民主主義を評価する岡田氏」

経済政策では、安倍氏が、
「成長によって懸案が解決できると説く」
岡田氏は、
「公正な分配や格差縮小が急務だと主張する」

そして星さん最後の結論。
「まだ道半ばだけれど、
『安倍vs岡田』という選択肢を
示せるところまでたどり着いたというのが、
日本政治の現実ではないか」

そうだろうか?

「ひと昔前に比べ、政治家は小粒になり、
質も良くなっているとは言えない。
ただ、それでも権力者が
金塊をため込む政治に比べれば、
少しは前進していると思いたい」
金丸信のことを持ち出すなら、
マイナスからゼロになったくらいで、
前進とはとても言えない。

それに甘利明の菓子折りと50万の熨斗袋は、
ひどく小粒だが、それも前進か?

「日本の政治は悪くなったのか――。
私は『否』と答えたい」

がっくり。

そして、結語。
「政治家が明確な選択肢を示し、
有権者が熟慮の末に賢い判断をすれば、
民主主義は生き生きとしてくる。
その素地は出来つつあると信じているからだ」

ああ、つまらない。
つまらない。

星さんは朝日新聞を退職して、
3月28日からTBS『NEWS23』で、
新キャスターとして再出発する。

毎日新聞系のTBSで、
看板のキャスターをするからなのか、
まるで鋭さがなかった。

最後っ屁なのだから、
日本の政治を大胆に斬って、
ついでに新聞界や朝日新聞も、
両刃の剣でズバリとやって、
読者をニヤリとさせるくらいのもの、
書いてほしかった。

人間、誰しも、
最後の態度は大事だよ。

サラリーマンの人事異動では、
両刃の剣など使う必要はないけれど、
がっかりさせてはいけないよ。

今月の標語は、
店はいつも客のためにある。

よろしく。

〈結城義晴〉

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