結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年06月02日(木曜日)

消費増税延期と「消費低迷」、全国セルコグループトップ懇親会

第190通常国会が昨日、閉会し、
安倍晋三首相は、
消費税税率10%への引き上げを、
2半先延ばしすることを表明。
東京オリンピック前年の2019年10月に、
引き上げする。

増税再延期については、
7月の参院選で「国民の信」を問う。

日経新聞連載『大機小機』
タイトルは「『政治化』する経済政策」
この指摘、鋭い。

経済は数字、政治はレトリック。
これを前提に話は進む。

レトリックとは、
修辞法、また、修辞学。
あるいは美辞麗句、巧言。

統計学の始祖ウィリアム・ペティは、
1690年刊行の「政治算術」で宣言した。
「人間の営みである経済も
自然と同じように
数字で表さなければならない」

このペティの宣言によって、
「経済学は政治学から独立した」

独立して経済の生命は数字となり、
政治ではレトリックが
役割を果たすこととなった。

しかし日本の政策決定はこのところ、
経済政策も財政も金融も、
「政治化」の度合いを強めている。

つまり安倍首相によって日本経済が、
レトリックで処理されつつある。

伊勢志摩サミットで安倍晋三首相は、
独自の考えを開陳した。
いわく、世界経済の現状は、
「リーマン危機前に似た、
大きなリスクに直面している」

しかし、これは「根拠薄弱」

「国際通貨基金は、
2016年の世界経済成長率を、
3.2%と予測」

「米連邦準備理事会は、
近々の利上げを検討している」

「何より驚き」なのは、
日本政府自身が発表した「5月月例経済報告」

「世界の景気は弱さがみられるものの、
全体としては緩やかな
回復が続くことが期待される」

「リーマン直前の危機」との発言は、
政府の現状分析とまったく整合性がない。

ただし、これが、
「政治のレトリックとしてならば
理解できる」と、コラムニスト。

何よりも出発点は、
「消費増税の先送り」にある。

しかし「日本経済がそこまで悪い」と言えば、
「アベノミクスが失敗した」との批判が出る。

そこで「リーマン危機」を登場させ、
「世界経済が直面する
『リーマン危機』ほどのリスクを解消すべく
『世界に懇請され』、
日本も応分の役割を果たす」

これが安倍政権のレトリック。

コラムニストは断じる。
「見え透いたレトリックで
消費増税を先延ばしすれば、
『社会保障と財政の将来が危うくなる』という
真のリスクを国民がしょいこむことになる」

結論は私たちにとって、
あまり喜ばしいものではない。
「消費の低迷は続くだろう」

「これが『政治化』した経済政策運営の帰結」

今朝の日経新聞で、
小売業サービス業のトップが、
見解を明らかにしている。

イオン岡田元也さん。
「増税延期は景気悪化を防ぐだけで、
良くするわけではない。
消費に結びつきにくい流れは変えられない」

ファーストリテイリング柳井正さん。
「消費は萎縮しているのが現状だ。
客観的に見て、消費増税をすると本当に
(経済が)成長しなくなる可能性がある。
(政府は)税金を有効に使ってほしい。
中小企業や零細企業が活性化するよう、
保護策ではなく、企業を育成するようなことを
していかなければならない」

セブン&アイ井阪隆一さん。
「国内消費は大変厳しい状況が続いている。
予定通りに増税が実施されれば、
消費者の購買心理を一層冷え込ませる」

すかいらーく谷真さん。
「現在の経済状況や消費動向をみると、
再延期はやむを得ない」

吉野家ホールディングス河村泰貴さん。
「短期的には景気に
ポジティブな影響があるかもしれないが、
延期は中止とは違う。
これでどこまで消費が
盛り上がるかは分からない」

ライフコーポレーション岩崎高治さん。
「現場は対応に準備があるので、
早く方向を明確にしてほしかった」

やはり大機小機コラムニストと同じ。
「消費の低迷は続くだろう」

私も消費増税延期は、
今、これしかないと思う。

しかし、レトリックとしてではなく、
数字で認識し、確認できる第三の矢を、
本気で弓につがえるときでもある。

さて、昨日の夕方は、
全国セルコグループトップ会の懇親会。
場所は新横浜国際ホテル。
DSCN4031-2

懇親会に先立ち、
清宮克幸さんの特別講演会があった。
ヤマハ発動機ジュビロ監督。

良い内容だったと、
皆さんが口々に言っていた。

私は、残念ながら所用で、聞けず。
懇親会から参加。

いつものように、
佐伯行彦さんのあいさつから始まった。
協同組合セルコチェーン理事長、
㈱さえきセルバホールディングス社長。
DSCN3965-2

「わがセルコはジュビロ同様、チームです。
今年のセルコは
力の結集をテーマにしています」と、
清宮さんの講演を引き合いに出した。
DSCN73090602
「情報をしっかりと収集することが重要です。
そして知識を知恵に変換していく。
同業他社、異業種とのコラボレーションにも
可能性がある限り、挑戦していきたい」

祝辞ははじめに、
経済産業省の野村栄悟さん。
商務情報政策局政策課長。
DSCN7312.0603
「ビッグデータ、AI、ITは流通界に限らず、
日本全体において重要な課題です。
データの標準化などの課題を
十分認識したうえで
経産省としても対応をしていきたい」

農林水産省から齋藤さん。
食料産業局食品流通課課長補佐。
DSCN7316.0604
「これからは少子高齢化という時代よりも、
食の大切さを説きながら
人口を少しでも
増やしていくような政策が必要です」

商工中金の青木剛さん。
東京支店長。
DSCN3982-1
「個人消費のベースになる雇用や個人所得は、
高い水準で推移している。
けれどもなかなか消費に結びつかない。
所得と販売の間に、
大きな“関”のようなものがあるのではないか。
情報やITを活用することで
消費マインドを少しでもあたためていくことが
できるのではないかと考えている」

おなじみ國分勘兵衛さん。
国分グループ本社㈱会長兼社長。DSCN7320.0605
「全国一律の政策ではなく、
個々の施策に予算がつく状況ができている。
地域密着のセルコならではの施策というものが
打ち出せるのではないかと思います」

㈱日本アクセス社長の田中茂治さん。DSCN7334.0606
「経営計画は長期戦なので
その基本となる健康を
おろそかにしてはいけない。
まずは健康第一です」

三井食品㈱社長の藤吉泰晴さん。
DSCN7342.0607
「well-beingという新しい考え方がある。
助け合う暮らし、賢い暮らし、健康な暮らし、
そして集まる暮らし。
この4つの暮らし方を
社会に実現させるために貢献したい」

三菱食品㈱は、
常務執行役員の杉山吉彦さん。
加食事業本部長。
DSCN4003-1
「消費税増税は延期となったが、
軽減税率はもう一度
考え直していただきたい。
軽減税率導入によって、
制度を大幅に見直さなければならない。
実施が2年半
延期になったことはありがたいが、
その間に、導入とその対応も
考えていく必要がある」

祝辞の後は、理事長、副理事長、理事の
セルコグループ全役員が登壇。
DSCN7353.0608
セルコグループの
2016年度の組合活動基本方針は、
「力の結集 逆襲する
スーパーマーケット連合元年」

来年5月、セルコチェーンは
設立55周年を迎える。
地域密着のスーパーマーケット連合体として、
ボランタリーチェーンの役割を担う。

乾杯あいさつは、副理事長の川崎博道さん。
㈱サンシャインチェーン本部社長。
DSCN7356.0608
「今年はさらに飛躍のために
各社の個性を打ち出し、
チェーン全体での成果を上げたい。
チーム一丸となって取り組んでいく」
と決意表明。

そして懇親。
ごらんのとおりの盛会。
DSCN4015-2

私も懇親。

並木利昭さん、
㈱ライフコーポレーション専務。DSCN7362.0608

國分勘兵衛さんは、
いつも流通の新しい情報を聞いてくれる。
DSCN7304-1

副社長の國分晃さん。
DSCN73650609

川崎博道さん。
今度、サンシャインチェーン会長に就任。DSCN7305-1

日本チェーンストア協会専務理事の
井上淳さん。DSCN4017-1

藤吉泰晴さんは、
先日の万代新社長就任パーティでの、
私の祝辞をしきりにほめてくれた。DSCN4024-2

ブルーチップ㈱の皆さんと。
私の隣は社長の宮本洋一さん、
取締役の中野茂さんと土橋和人さん。
左隣は松井康彦さん、
商人舎エグゼクティブ・プロデューサー。DSCN7367.0610

そしてこの人・平富郎さん。
㈱エコス会長。
DSCN7375.0613

中締めは、副理事長の井原賓さん。
㈱与野フードセンター社長。
DSCN4023-2

最後は理事長の佐伯行彦さん、
副理事長の井原實さん、桑原孝正さん。
DSCN4028-2
桑原さんは㈱セルバ社長。

スーパーマーケットも、
ボランタリーチェーンも、
数字でモノをいう経済の世界。

卸売業も製造業も、
レトリックの世界にはない。

それがこの会の熱気を生んでいる。

消費の低迷は続くかもしれない。
けれど、それを吹き飛ばす数字を、
レトリック野郎たちに、
見せつけてやろう。

〈結城義晴〉

2016年06月01日(水曜日)

「別品」の国の「変わらないための永遠の微調整」

2016年も6月に入った。

毎年6月1日に書いている気がするが、
日本語では水無月。
「水の月」説が有力。

英語では「June」、フランス語では「juin」、
ドイツ語は「Juni」、ロシア語は「июнь」。

ローマ帝国の公用語のラテン語では、
Juneで、これが語源。

現代の暦は、
ローマのユリウス暦を元祖としているから、
ラテン語が語源となって当たり前。

ローマ神話の主神はユピテルだが、
その妻ユノ(Juno)の名が、
6月のネーミングに採用された。
実はユピテルの妻であり、姉でもある。

女性を守護する女神。
だから結婚や出産を司る。

そこで6月に結婚式を挙げる花嫁は、
June bride「6月の花嫁」と呼ばれる。

いい月ですね。

しかし6月は、
国民の祝日がない月。

その代り、
6月は、
食育月間であり、
環境月間だ。

2005年に食育基本法が制定され、
これに基づいて、国は、
2006年から食育推進基本計画を作成。

この計画のなかで、
毎月19日が「食育の日」、
6月が「食育月間」と位置づけられた。

一方、1972年、
ストックホルムで国連人間環境会議が開催され、
6月5日が「世界環境デー」と定められた。

日本はその前年の1971年に、
正式に環境庁を発足させ、
この世界環境デー制定を主導した。
もちろん日本でも、
6月5日は「環境の日」として、
環境運動が活発化した。

その後、1973年から、
6月5日を初日とする「環境週間」が始まり、
1991年から6月が「環境月間」と定められた。

最後に1993年「環境基本法」が、
後追いのように制定され、
環境の日、環境月間が再認されている。

さらに2001年、環境庁は、
環境省に格上げされて今日に至る。

しかし祭日のない6月は、
食育と環境の月間。

米国ホールフーズのコンセプトが、
この日本の6月に重なると考えて、
産業を挙げて運動すべきだと、
私は思っている。
DSCN0681-6

6月の私のスケジュールは、
この商人舎ホームページの右上。
「行動予定カレンダー」にある。
協会や団体の総会と懇親会が、
目白押し。

学習院マネジメントスクールや、
イオンビジネススクール、
万代知識商人大学の、
開校講座や講義が、
これも目白押し。

第2週の来週は、
商人舎ミドルマネジメント研修会、
再来週は上海で、
万代ドライデイリー会勉強会。

私にとって、業界にとっては、
6月は会合の月。

商人舎オフィスの裏の遊歩道。
DSCN7283-6

いい天気の6月だからか、
中学生のグループが、
輪になって、座る。
DSCN7282-6
みんな、スマホをいじっている。

さて、朝日新聞『折々のことば』
毎日のことだが、
鷲田清一さんの編著が実にいい。

このところ日本は
一位とか二位とかを争う
野暮(やぼ)な国じゃなくていい。
「別品」の国でありたいと思うのです。
〈天野祐吉〉

「この国は、成長という
過去の夢を再び追うべきでなく、
成熟を旨とする国として再生すべきだ」

雑誌『広告批評』を主宰したコラムニスト。

「別品」とは、
「普通の物差しでは測れない優れもの」

主流ではないけれど、
時間が経過すると、
どちらが一位であるかわからない状況に
なってしまう可能性があるもの」

天野祐吉著『成長から成熟へ』より。

これは私がよく使う
レース型競争とコンテスト型競争と、
同じ意味だと思う。

成長のプロセスでは、
レース型競争は必須だ。
しかし成熟社会では、
コンテスト型競争となる。

そこで「別品」がクローズアップされる。

別品はノンコモディティであり、
マーケットニッチャーの商品だろう。
「どちらが一位であるか
わからないような状況」が、
「生じる可能性がある」というのは、
ニッチャーがマーケットチャレンジャー、
またはマーケットリーダーになるということ。

アメリカのホールフーズは、
オーガニックというニッチ市場で、
まさしく「別品」となったが、
やがてそのマーケットが急速に巨大化して、
オーガニックのマーケットリーダーとなった。

このことを天野さんは指摘したのだと思う。

鋭い人だ。

さてさて、古舘伊知郎。
テレビ朝日系の「報道ステーション」で、
12年間、キャスターを経験した。
365_Silver_Lake_store_exterior_main_image

結論は「敗北だった」

昨日の朝日新聞に、
3時間喋りまくった。

「外交、政治、経済にくわしくもない、
ど素人が、重い任を背負ってしまった。
負い目や不安はいっぱいある。
僕は筑紫哲也さんでも、
岸井成格さんでもない。
ジャーナルな目線はあまりなかったと、
正直に認めます」

「ただ、テレビという情動のメディアで、
反権力、反暴力、反戦争という姿勢は
持ち続けようとやってきた。
その自負は、あります」

けれど「敗北」を認める。

「ニュース番組が抱えている
放送コード、報道用語。
予定調和をやめて、
もっと平易でカジュアルな
ニュースショーができないかと
12年やってきたけど、
壁を打破できなかった」

「負け犬の遠ぼえなんで、
そこはしっかと自覚しようと。
敗北を抱きしめて」

今後は?

「報道ではなくバラエティーのコードで、
わかりやすい言葉や感受性に
ヒットする言葉を選んで、
半自由にしゃべらせてもらいたい。
わがままがうずいたんです」

「報道は知識、情報。
あと、自分の視点、言葉に
『智慧(ちえ)』を入れたかった。
でも、ちょっとひねった言い方をすると、
『お前の意見なんてどうでもいい』と
めった打ちにされた」

変革は難しい。
古館もどんどん普通になっていった。

「テレ朝への電話やメールは
1日100本を超えることもあり、
僕が失言すると300本。
大きな事件や朝日新聞の
従軍慰安婦報道謝罪のときは、
さらに多くなった」

「その1人の後ろに何百人がいる。
毎日意見に目を通していると、
言いたいことはどんどん言えなくなった。
報道番組を見る人のスタンスにも、
僕はある意味、負けた」

東京工業大学中島岳志教授。
番組のコメンテーターだった。
その言葉は、「保守とは永遠の微調整」

「変わらないためには、
変わり続けないといけない。
全面的には変えないけれど、
少し位相をずらしましょう、と」

「いまの安倍政権も、
20年前の保守政権と違う形で
国民にアピールすることが大事なのでは。
この永遠の微調整をしていくことが、
いまの政権に欠けている
本当の保守本流の政治ではないか」

「テレビのニュースも保守の極みですから、
アナーキー(無秩序)なことはやれない。
けれど、若い人たちは保守、リベラルと
分けない無垢(むく)の柔軟性がある。
だったらさじ加減は難しいですが、
永遠の微調整をやっていく」

そう、さじ加減はひどくむつかしい。

「俺はガチガチに考えすぎて
自然発火みたいになっちゃったけど、
もっとスマートなやり口があるはず」

その極意は、
「永遠の微調整」

「変わらないために
変わり続けること」

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.