結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年12月27日(日曜日)

ドラッカーの「経済至上主義の終わり」と「簡単な方法はない」

今日、12月27日、
日本時間で正午時点。
世界のCOVID-19累計感染者数は、
8031万7820人。

ジョンズ・ホプキンス大学の集計。N
日本は昨日の土曜日に、
東京で新規感染者949人。
過去最多でもう1000人の大台が迫る。

今日の日曜日も新規に708人。
これは日曜日で過去最多。

変異種の感染も国内で確認された。

比較的中立な日本経済新聞社の世論調査。
菅義偉内閣支持率は42%。
全開の11月調査から16ポイント低下。
不支持率は48%で16ポイント上昇。

逆転現象が起こった。

その最大の理由は、
政府のウイルス対応を「評価しない」。
59%の回答で、
全開より11ポイントアップ。

しかし安倍晋三前首相秘書の起訴や、
そのことに対する前首相の返答も、
現政権に大きく影響を与えている。
20200601sei_yoto0200

西日本新聞の巻頭コラムは「春秋」

「憲政史上、
最も長く首相に在職した政治家の
“うそ”に誠心や誠意はあるか」

「桜を見る会」に関する、
安倍晋三前首相の釈明。

簡単にポイントを示す。
「知らないうちに秘書がやった。
秘書は自分にうそをついた。
結果として事実と違う国会答弁になった。
自分は不起訴でおとがめなし。
道義的責任は感じるのでおわびします」

地方紙だが舌鋒は鋭い。

「本当に知らなかったとは信じ難いが、
きちんと確かめず”補填はない”と
言い張っていたとしたら、
政治家失格だろう」

「国会で”うそ”を繰り返した事実は、
口先の謝罪で済まされるはずもない」

新聞もそのコラムもすごく怒っている。
九州人、福岡県人、博多もんは、
気性が荒いし、率直だ。

「略式起訴された秘書が
引責辞職したと聞けば、
安倍前首相夫人が絡む公文書を
廃棄、改ざんした官僚が
処分された森友学園問題と重なる」

「責任逃れに関しては
希代の策士かもしれない」

手厳しい。

読売新聞の一昨日の社説。

「安倍氏は国会で、前夜祭について
“後援会としての収入、支出は一切ない”
などと何度も答弁していた。
菅首相も、官房長官として
答弁を追認してきた」

読売は政権に対して比較的優しい。

「秘書やホテル側に十分確認をせず、
国権の最高機関である国会で
事実に反する説明を繰り返したことは、
看過できない」

「虚偽の答弁と批判されても
仕方あるまい」

朝日新聞社説。
「現職の首相として
事実に反する国会答弁を繰り返した
道義的な責任は重い」

全国の新聞がこぞって、
安倍批判を繰り返す。

しかし批判だけでは、
社会は変わらない。

ピーター・ドラッカーの最初の著作は、
「『経済人』の終わり」だ。
41C0Kr5WTzL._SX342_BO1,204,203,200_
29歳の時に書いた処女作。

ここで言う「経済人」とは、
経済至上主義を示す。

1938年にすでに、
経済至上主義の限界を見ていた。
そしてファシズムの脅威を指摘していた。
index2
安倍政権のアベノミクスは結局、
何だったのか。
何を志向していたのか、
何をもって評価されているのか。

この本の最後の章に、
ドラッカーは書いている。

「ファシズム全体主義の脅威に
対抗するための唯一の方策は、
われわれ自身の社会に
新しい基本的な力を
呼び起こすことである」

「対抗する唯一の方策」は、
「社会に新しい基本的な力」を
「呼び起こす」ことである。

安倍政権や菅政権が、
ファシズムと言うつもりはない。

しかしメディアの立場に立って、
権力に「対抗する」としたら、
そのための唯一の方策は、
「新しい基本的な力」を、
呼び起こすことだ。

そのように社会に向かって、
呼びかけるしかない。
Drucker5789

29歳のドラッカーは、
処女作の中でその後、何度も見せる、
身も蓋もない結論を語る。
「もちろん、そのような力は
簡単に呼び起こせるものではない」

追い打ちをかける。
「新しい秩序を
簡単に生み出す方法は
ない」

新しい秩序のために、
「嘘」は論外である。

しかし新しい秩序に対して、
それを生み出す簡単な方法はない。

だからドラッカーは、
その後67年間も、
大量に良質の本を書き続けた。

それしか方法はなかったからだ。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.