結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年12月03日(木曜日)

吉村洋文大阪府知事の「赤信号」とカールソンの「真実の瞬間」

今日も横浜商人舎オフィス。

昨日は大阪で講演の予定があったが、
新型コロナウイルス感染第三波のため、
急遽、中止となった。

主催者のみなさん、
いい判断でした。

大阪府は今日、
新型コロナウイルス対策本部会議を開催。
独自基準の「大阪モデル」で、
「赤信号」を点灯させた。
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吉村洋文大阪府知事は、
「医療非常事態宣言」を出し、
ツイッターでメッセージを発した。
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大阪府の重症患者は136人になって、
1カ月前の4倍に急増。

府内の医療体制はひっ迫している。

吉村知事のコメント。
「感染の山は
抑えられているかもしれないが
重症者はあとから増えてくる。
重症者が急に減ることはないが、
社会全体での陽性者を減らさないと
重症者も減らない」

その通り。

重症患者は急に減ることはない。
そのために日本全体で、
陽性者を減らす。

何度も何度も書いているが、
尾身茂さんの言葉。
新型コロナ対策分科会会長。
「新型コロナは、
人々の行動が
感染動向を左右する」

「社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」

何よりも大事なのは、
「社会全体の感染防止意識」

欧米に比べて日本は、
それでも社会全体の意識が高い。

それを政府や自治体は、
自らの成果にしてはいけない。

小売業やサービス業の営業も、
似たところがある。

従業員全体の顧客満足意識が、
低下していないか判断しながら、
経営のアクセルとブレーキを踏む必要がある。

これをヤン・カールソンは、
「真実の瞬間」と表現した。
shinjituno-shunkan
カールソンは、
スカンジナビア航空を立て直した経営者。
「私たちは毎日、5万回もの
“真実の瞬間”を持っている」

「真実の瞬間」は、
商品やサービスを提供する側と、
その提供を受ける側との接点のことだ。

「真実の瞬間」への配慮の総和が、
会社や店の業績となり、
地域や国の景気となる。

現時点で言えば、
「ウイルス感染防止」の一瞬の意識が、
真実の瞬間である。

一つひとつの「真実の瞬間」を、
おろそかにしないこと。

その意味で今日の大阪モデルの「赤信号」。
タイミングとして遅くはない。

大阪講演が中止となって、
私は原稿執筆に専念した。

さて、大原孝治さんが、
容疑者となって、
東京地検特捜部に逮捕された。
金融商品取引法違反(取引推奨)の容疑だ。
㈱ドンキホーテホールディングス前社長。
株式の不正推奨疑惑。

今年の4月に会ったばかり。
だからこの話題に、
触れないわけにはいかない。

創業者の安田隆夫さんとは、
㈱商業界の時代に何度かお会いしたが、
大原さんとは初めてだった。

詳しい事情がわからないので、
ノーコメント。

このまま起訴されるにしても、
あるいは容疑が晴れるにしても、
どちらにしても遺憾なことだ。

しかしこういった時にこそ、
人間の真価が問われるものだ。

朝日新聞「折々のことば」
第2010回。
出会った実例が、
はめこもうとしても
定義の枠をあふれるとき、
手応えを感じるのが、
学問をになう態度として
適切だ。
(鶴見俊輔『思い出袋』から)

226022
「権勢を手放したくない者、
面子(めんつ)を護(まも)ろうとする者は、
自らの主張を反証するような事例を
認めようとしない」

「これに対し、学問を志す者は
自らの仮説への反例の出現を歓迎する。
それによって真理に
より近い視点に立てるから」

感銘しつつ、首肯(しゅこう)する。

編著者の鷲田清一さん。
「辻褄(つじつま)合わせに走ったり、
反例を否認したりすることほど
反学問的なことはない」

反学問的どころか、
反政治的であるし、
反経営的であるし、
反実務的である。

鈴木敏文元セブン&アイ会長の「仮説と検証」も、
「出会った実例が、
はめこもうとしても
仮説の枠をあふれるとき、
手応えを感じる」という類の、
仕事のやり方である。

〈結城義晴〉

2020年12月02日(水曜日)

亀ヶ谷純子さんの「手紙」とノーベル平和賞の「人間の罰」

毎月、亀ヶ谷純子さんから、
達筆の手紙が届く。IMG_06310
美しい筆文字の手紙は、
それだけで価値がある。

㈱カメガヤ名誉会長。
神奈川県のドラッグストア。
主力の店舗バナーは「Fit Care DEPOT」

月刊商人舎を読んだ感想が書かれている。
IMG_06300
ありがとうございます。

カメガヤの第1号店は妙蓮寺店。
私が住んでいる街の駅前に、
今でもある。
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現在は90店舗を超えて92店。
シンプルで美しいドラッグストアの面展開で、
しっかりと地域に貢献している。

ドミナント展開してシェアを高めるには、
マルチフォーマット戦略が必須だ。
カメガヤは4つのフォーマットで、
それを果たしている。

第1のFit Care DEPOTは、
スーパードラッグストア。
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第2のFit Care Expressは、
ドラッグのエクスプレスストア。
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第3のFit Care MARTは、
小商圏型バラエティストア。
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そして第4のmusée de peauは、
コスメティックメガストア。
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〈写真は同社ホームページより〉

私の地元のドラッグストア。
よく利用させてもらって感謝しているし、
頑張ってほしいところだ。

さて、今日は、
1月並みの寒さで、しかも雨模様。

しかし昨日はまさに小春日和だった。
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商人舎裏の遊歩道には、
枯葉が積もっている。
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オフィスのそばの新田間川。IMG_06180

サクラの枝の葉も、
茶に変色して、
虫食いの跡が見える。IMG_06190

その新田間川は穏やかだ。IMG_06210

横浜駅西口に向かって、
人が交差する。IMG_06230
新型コロナウイルス感染は、
第三波で最悪の状況にある。

しかし今年は暖かい冬だ。
自然はCOVID-19など、
どこ吹く風といった様子だ。

新型コロナウイルスは、
人間にだけ罰を与えている。

はて、私たちのどこがいけなかったのか。

朝日新聞「天声人語」
このところいいコラムが多い。

今日はノーベル平和賞の話。

あの安倍晋三前首相が、
ドナルド・トランプ大統領を、
推薦したとされた、あの平和賞。

「米国の大統領だったオバマ氏が
ノーベル平和賞に選ばれたとき、
世界各地からの反応を紙面に載せるべく
外電を探したことがある」

オバマ元大統領に対して、
「褒めそやす言葉ばかりのなか、
ポーランドのワレサ氏だけは違った」

1943年生まれのレフ・ヴァウェンサ。
現在、77歳。
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同国の自主管理労組「連帯」指導者で、
のちに第二代大統領に就任した。
その抵抗運動が評価されて、
ノーベル平和賞を受けた。

私はいまでも、
ワレサの「連帯Tシャツ」を持っている。

その人のオバマに対する言葉。
「早すぎる。彼はまだ
何もしていないじゃないか」

すごい。

当時のオバマ大統領の受賞理由は、
「核なき世界を目指す理念と取り組み」だった。

しかし結局は尻すぼみとなって、
ワレサ議長の危惧は的中。

コラム。
「ノーベル各賞のなかで、
平和賞はときに失望がついて回る」

ミャンマーのアウンサンスーチー女史。
「軟禁の身で賞に選ばれ、
民主化の星だった」
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しかしミャンマーの政権に就いてから、
「ロヒンギャ迫害は、
まれに見る人道危機となった」

さらに昨年の平和賞を受賞したのは、
エチオピアのアビー・アハメド首相。

「この国の政府と、
北部の政党ティグレ人民解放戦線との間で
軍事衝突が続いており、
民間人も含めて数千人が犠牲になった」

そのエチオピア政府を率いるのが、
アビー首相だ。

受賞の際の彼の演説。
「戦争を美化しようとする人がいるが、
戦争は関わる人全員にとって地獄の縮図だ」

コラムニスト。
「アビー首相の強硬姿勢が、
この地に地獄の縮図を
もたらしているのではないか」

結語。
「平和を後押ししようとする賞が空回りする。
そんな音が、聞こえるようだ」

やはりCOVID-19は、
人間の性(さが)に対して、
罰を与えているのだ。

私たちは謙虚に生活し、
ひたすら仕事に邁進し、
真の商売に徹したい。

それしかない。

小春日和から氷雨に変わった今日、
そんなことを考えた。

家に帰ったら白地に赤文字のシャツを、
引っ張り出してみよう。
「solidarność」

〈結城義晴〉

2020年12月01日(火曜日)

「コロナ禍の2021年正月商戦戦略」と「コロナ対策費の不均衡」

西暦2020年は令和2年。
「新型コロナウイルス年」として、
長く人々の記憶にとどめられよう。

その「コロナ年」も、あとひと月。

今日から12月、師走。

今年、師は走らない。
義務教育や高校の授業は、
平常通りに戻ったが、
大学や大学院は依然として、
オンライン授業主流。

だから教授たちは自宅から、
あるいは研究室から、
遠隔講義を続ける。

このほうが楽だから、
惰性もあって、続くだろう。

オンラインでの講義や講演は、
90分、120分となると、
学習効果は極端に薄れる。

できる限りリアルの講義・講演にしたい。

Webにしなければならない場合は、
別の講義・講演をするくらいに、
工夫をしなければならない。

小売業やサービス業が、
「業態」から「フォーマット」へと、
大きく転換するように、
オンラインの講義・講演も、
その形式や手法は変わらねばならない。

さて、12月に入ったら、
年末商戦へ向けてまっしぐら。

月刊商人舎11月号の特別企画。
コロナ禍の2021Marketing
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この特別企画の中から、
コロナ禍の2021年正月商戦戦略
「集わない年末年始」の3つの施策
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商人舎11月号を購読している人は、
読み返してほしいし、
商人舎IDを保有している人は、
ネットでチェックしてほしい。

協力・資料提供は、
㈱紀文食品年末商戦戦略委員会。
まとめは商人舎GMの亀谷しづえ。

この提案原稿の中にあるのが、
三密を避けて買物ができる
「選ばれるお店作り」

三つの分析がある。
第1に「三密」にならずに買物ができる、
店内の環境づくり。

第2が「時短購入」への対応。

「早い時期に正月売場を立ち上げて、
顧客にできる限り商品を露出する。
そしてわかりやすいチラシで訴求する」

「その結果、短時間で
買物を済ませることができる環境が整う。
つまり早仕掛けをする意味が、
例年以上に重要になる」

第3は「価格コンシャス」への対応。

コロナ禍で収入が減ったり、
雇用を失ったりした人も多い。
何よりも不安感が増大している。
当然ながら財布のひもは固くなる。

したがって節約志向への対応は、
大切な施策になる。
高価格帯の品揃えよりも
ボリューム価格帯の投入量が鍵になる。

2020年末の曜日周りは、
12月28日(月)に平日が挟まれる。

そこで月曜日を休んで、
9連休を取得するケースもあれば、
カレンダー通りに6連休の場合もある。
いわゆる「9-6混在型」

2007年末から2021年末までの曜日周り。
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今年は三密を避けるために、
12月後半の2回の週末に仕掛ける。
19日・20日と26日・27日。

クリスマスは今年も平日になるが、
ホームパーティが主流になる。

今年のハロウィンは土曜日だった。
自宅からリモート参加したり、
「おうちハロウィン」も多かった。

この傾向はクリスマスに顕著に表れる。

今年末年始は学校の冬休みを短縮して、
1月4日(月)に3学期を始業する動きもある。

年末年始休暇「分散型」取得を、
政府は呼びかける。

したがって人々の集いは、
年末年始集中型になる。

最後に朝日新聞のコラム。
「経済気象台」
日経の「大機小機」のようなもの。
第一線で活躍する経済人、学者ら、
社外筆者が執筆。

比較的あっさりした文章ばかりだが、
今日のコラムはいい。

そのコラムニストは呉田さん。

タイトルは、
「この牛刀はバランスを欠く」

内閣府発表の報告書「世界経済の潮流」。
COVID-19の経済への影響を調査した。

「短期的には、
大恐慌やリーマン・ショックを
上回るほどのショック」

「先進国・途上国問わず
巨額のコロナ対策費を計上し、
感染予防と経済回復に必死だ」

当然のことだろう。

「日本の対策規模は、
他国と比べて異常なほど巨額だ」

アメリカは、
感染者数1200万人を超えて世界最大。
しかしコロナ対策金額はGDP比15%。
トランプが何もしなかったからでもある。

100万人超のドイツ、イタリアは30%台。

なのに日本は感染者数14万人で、
総額233.9兆円の42%。
対GDP比は主要7カ国(G7)で最高。

コラムは指摘する。
「非常時に国が借金してでも
経済を下支えすることは否定しない」

「だが、モノには
限度というものがある」

同感だ。

もちろんほとんどは、
安倍晋三政権時代の出費だ。

優先順位は必要だし、
費用対効果の判断は不可欠だ。

医療は崩壊の危機に瀕している。

しかし感染症対策は、
「国民の努力と自粛を呼びかけるだけ。
不要不急の外出自粛という一方で
旅行に行ってください、
外食してくださいと
旅行券や食事券を配る」

「困窮しているのは、
旅行業界や飲食業界だけではない」

「一番打撃を受けているのは
社会の最も弱い人たちだ」
10月の女性の自殺者数は、
速報値で851人。
前年同月比8割増。

自殺者の数に関して、
前年同月比で表したくはないけれど。

「気がつけば日本の感染者数は、
とうに韓国を超え、
ついに中国をも上回った」

「経済活動の維持といって
特定業界に金をばらまくだけ」

「日本政府のやっていることは
バランスを欠いている」

ん~、不均衡。

菅義偉総理には、
ちょっとだけ期待したのだけれど。

〈結城義晴〉

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