結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年07月03日(日曜日)

「緊張感のない参議院選」と「歴史観のある骨太の論点」

梅雨は明けても花は咲く。

アガパンサス、紫君子蘭。
IMG_38032

台風がやってこようとも、
花は咲く。

ヒャクニチソウ。IMG_37962

ラベンダーは香りもいい。IMG_E38092

7月最初の日曜日。
自宅の部屋に籠って、
原稿と取り組む。

来週の日曜日は、
第26回参議院議員通常選挙の投票日だ。
即日開票される。

しかしどうも緊張感がない。

6月最後の日経新聞コラム「大機小機」
硬骨漢の一直さんが書く。

「新型コロナウイルス禍、
ロシアのウクライナ侵攻、
急速に台頭したインフレ懸念――」

「世界はいま、歴史上まれにみる
厳しい”複合危機”に遭遇している」

「その渦中で参議院選挙がスタートした」

ところが、
「緊張感が驚くほど感じられない」

私もそう思っていたから、
思わず膝を打った。

「緊張感がない」と語るのは、
自党候補の応援に多忙な衆院議員。

「実際、街に出ても熱気が伝わってこない」

なぜなのか。

コラムニストは、
岡崎久彦著『戦略的思考とは何か』を引く。
「日本人は肌で感じないと理解しない。
抽象的、論理的思考が苦手だ」
??????????????????????????????????????????????????

現在の世界を見ると、
「グローバル経済の分断で
世界中の人々が
急激なインフレに苦しんでいる」

今回の選挙でもそれぞれの党の公約の、
トップに来るのは物価対策だ。
有権者の最大の関心もそこにある。

「物価高はモロに肌を刺激する」

「消費税を全廃すれば、
毎日が10%オフだ」
そんなことを言う党首も出てきた。

それでも盛り上がらない。

「自民党がエネルギーや食糧などの
価格抑制に焦点を当てているのに対し、
立憲民主党など野党の多くは
消費税減税を主張する」

一直さんはストレートだ。
「緊急時の対策に基幹税を充てるのは
いかにも無責任だ」

私も同じ考えだ。

「野党の対案が空論では
論争になるはずもない」

これが「緊張感のない参議院選」の理由である。

「もっと気になるのは、
核を保有する専制国家によって世界が
分断される時代に入ろうとしているのに、
この国をどんな理念で
どの方向に引っ張っていくのか、
根本の政策論争に熱が入っていない点だ」

岸田文雄首相の「新しい資本主義」も、
掛け声だけだ。

「将来を展望し長期戦略を描くには、
肌で感じられる目の前の事象から一歩離れ、
歴史の大きなトレンドを抽象化し、
論理を構築する、
哲学的思考が要求される」

小売業、流通業、サービス業にも、
この点は必要だし、
欠けている。

コラムニスト。
「岡崎氏が喝破したように、
詰め込み主義の教育の影響もあってか、
日本人はどうもここが弱い」

「ロシアの暴挙で
日本の安全保障政策のあり方が、
にわかに切実な国民的課題に
浮かび上がってきている」

自民党は、
「自衛力強化を目指して
9条の修正を含む憲法改正に取り組む」

これは自民党の結党以来の路線である。

一方の野党側からは、
「観念論を排した、
具体的防衛政策論が聞こえてこない」

コラムニスト。
「論戦の底が浅いのだ」

これにも同感。

与野党ともに底が浅い。

テレビ討論などを見ると、
その底の浅さが露呈している。

結局はこうなる。
「政治家は国民を超えない」

コラムニストの結論。
「論理的な骨太の論点を提示できない
政治家はもとより、
目先にとらわれがちな
わたしたち国民の責任も大きい」

情けないことだが、
いずれも同感せざるをえない。

国民がそれぞれの専門分野で、
政治家を超える論理性をもつ必要がある。

その自分の専門性をもとに、
逆に政治と政治家を監視し、
歴史観のしっかりした候補者に投票し、
骨太の論点を深める政治家を、
つくっていかねばならない。

だから私は、
小売流通業に関して、
目先にとらわれない、
骨太の論点を提示したい。

いつも言っている。
「すぐ役立つことは、
すぐに役立たなくなる」
41ci7zx2JYL._SX349_BO1,204,203,200_

私と商人舎は、
その役目を担っていると、
思っている。

〈結城義晴〉

2022年07月02日(土曜日)

似鳥昭雄「会社が始まって以来の失敗」と「自分の情報と勘」

似鳥昭雄さんの発言。
㈱ニトリホールディングス会長。

「会社が始まって以来の失敗だ」
似鳥昭雄

商人舎流通SuperNews。
ニトリnews |
第1Q売上高2166億円0.6%増・経常15%減/原価対策及ばず

第1四半期決算発表の記者会見。
微増収減益。

ニトリは通期決算では、
35期連続増収増益を誇っている。

しかし36期連続を目指す今期の、
第1四半期は減益となった。

似鳥さん。
「為替の予想が外れたことが一番大きい」

円安の影響である。

9月分まで為替予約をしていた。
1ドル114円90銭。

しかしそれが現在、136円前後で推移。

「せめて期末まで予約すべきだったと
反省している」

「為替予約」は、
外国通貨を購入または売却する際、
ある時点までの価格と数量を、
予約的に契約する取引きのことだ。

日経新聞によると、
「これまで似鳥会長は、
自身の情報や勘を頼りに
2~3年先まで為替予約をしていた」

似鳥さんらしい。
「ただ約2年前から為替予約の期間を短くし、
金融関係者の意見を聞く手法に改めた」

似鳥さん。
「責任を転嫁するつもりはないが、
私が間違っていた」

このきっぱりと言い切るのも、
似鳥さん独特のものだ。

商人舎発足の会では、
発起人に名を連ねていただいた。

ヤオコーの33期連続増収増益と、
ニトリの35期連続増収増益。
二つの金字塔だ。
途切れては欲しくない。

「もう二度とこんな失敗はしたくない。
チャンスがあれば長期の為替予約をしたい」

ニトリのようなプライベートブランド中心で、
しかも海外生産を主力とする企業にとって、
「円安」は実に大きな痛手となる。

同じ商品を同じ量、海外生産したら、
それがドル建てであれば高くなる。
そして大抵、ドル建てだ。

同じ商品を同じ量、国内で販売しても、
原価が高くなっているから、
利益は減ってしまう。

「会社始まって以来の失敗」は、
自身の情報と勘を捨てて、
専門家の意見を採用することで生じた。

ただし、この第1四半期は、
3月から5月までの決算である。
この間は114円90銭の為替予約の期間にあたる。

それでも減益となった。
第2四半期の6月から8月も、
まだ為替予約期間中だ。

だから9月・10月・11月の第3四半期以降が、
大いに心配になるところだ。

そのころの為替相場はどうなっているか。

35期連続の記録が途絶えるのか。

しかし似鳥さんには強い運がある。
何かが起こるかもしれない。

それは日本全体にとっても、
いいことであるはずなのだが。

さて、マスク論争。
毎日新聞の「余禄」が取り上げた。

「屋外では人と距離を取り、
あるいは会話がなければ外しても可」
政府見解が示されてひと月以上が経過する。

しかし「外マスク」は健在だ。

「ここ数日、多くの地域で
最高35度を超すうだるような熱暑が続く。
それでもきのう道ですれ違った人たちは
安心感からか、なお大多数が着用していた」

横浜でも同じだ。

長い街道をジョギングしている女性が、
マスクをしながらハアハア言っている。

あれなどすぐにマスクをとったほうがいい。

ちばてつやの漫画「おれは鉄平」で、
剣道の強豪校・東台寺学園が、
マスクをつけて練習するシーンが出てくる。
51amLQ7pO0L._SX346_BO1,204,203,200_
心肺機能を鍛えるためだ。

しかしそれはあくまでも漫画で、
一般の人にとっては危険である。

コラム。
「屋内などでは、まだマスクは必要だ」

「ただし、炎天下でのマスクは
やはり息苦しく、つらいものだ」

「この夏、意識的に、
外歩き時にはマスクを外し、
素顔で歩くことに
慣れていってはどうか」

賛成だ。

私はもう、外歩きのときは、
マスクをポケットにしまって、
素顔である。

気持ちがいい。

もちろん店の中で、
顧客を迎えるときには、
マスクは必須である。

しかしその分、
外で人との接触がないときなど、
マスクは外したほうがいい。

絶対にそのほうが自由だ。
そして人間は自由でなければいけない。
商人も本来、自由だ。

似鳥昭雄さんも今は、
自分の情報と自分の勘を、
信じることにしているに違いない。

〈結城義晴〉

2022年07月01日(金曜日)

7月は店も営業も「不平等を排して平等を貫きたい」

7月、文月。

2022年の後半に突入。
20220628_tokiwa

文月(ふみづき)のひと日ひと日が寿(ことぶき)
〈長谷川双魚〉

双魚は岐阜薬科大学教授、
東海女子短期大学教授を歴任した俳人。

七月文月の一日一日が、
目出度いことだ。

そんな7月になる。

文月や神祇釈教恋無常
〈正岡子規〉
41qyVRTm0fL._SX353_BO1,204,203,200_
「神祇(じんぎ)」は神道にかかわること。
「釈教(しゃっきょう)」は釈迦の教え、仏教のこと。
「恋」は恋。
「無常」は人生のはかないこと。

和歌の構造分類には、
深層の「人事」と表層の「自然」の両軸があるが、
深層の人事全般は、
この「神祇」「釈教」「恋」「無常」の、
4ジャンルのいずれかに当てはまる。

そこで和歌では、
「神祇釈教恋無常」という言葉が、
世の中の有様を意味するようになった。

ちょっと難しそうに見える句だが、
子規は和歌の常套の分類語を使って、
7月は人事全般様々であることを、
この一句に込めた。

文月や神祇釈教恋無常

異常な早さで梅雨が明けて、
6月の営業は、
全般に低調だった。

既存店が前年比を超えた企業は多くはない。

値上げラッシュで購買心理が冷えたか。

梅雨明けへのジャストインタイムの対応が、
それだけ難しいということでもある。

読者でもある勉強家の友人の指摘の一つ。
「年金支給日の特需」
忘れてはならない。

年金支給日は、
毎偶数月の15日。
月の半ばに2カ月分が支給される。

6月はその支給月だった。

2カ月分が払われるだけに、
豊かになった気分も2倍になる。

それに的確に対応すれば、
特需を生み出すことができる。

「年金支給日のご奉仕」
ターゲットマーケティング。
今や全国的に必須のイベントである。

昨年の7月には、
東京オリンピックがあった。
オリンピック
映画「東京2020オリンピック」は、
「映画も無観客」と揶揄されている。

一昨年は、
本来のオリンピックイヤーだった。

そのうえ両年ともに、
コロナ禍に遭った。

だから今年の7月は、
前年、前前年の情報が使いにくい。

7月7日(木)の七夕。

7月18日(月)の海の日の祝日。

しかし今年は7月10日(日)に、
参議院議員選挙投開票日がある。

1年で一番暑い1カ月だが、
地道に地道に商品を手当てし、
売場をつくり、
店に顧客を迎える。

そんな文月だ。

新型コロナウイルスの感染は、
再び増加に転じつつある。
??????????????????????????????????????????????
全国の新規感染者数は、
黄金週間の連休明けに一時増えた後、
5月中旬以降、減少傾向にあった。
しかし6月29日までは、
前の週の1.17倍に増加した。

手洗い、マスク、ディスタンス。

今月も徹底したい。

今月の私は結構、忙しい。
7月5日に大阪に入って、
6日は朝から夕方まで、
セミナーの講師。

8日金曜日は、
フードストアソリューションズフェアの、
オンライン運営委員会。
セミナー企画も固まって、
9月7日・8日の開催を待つ。

7月11日(月)から13日(水)までは、
再び大阪。

ゴルフ拡大令和名人会で、
店舗クリニックとラウンド。
それから万代知識商人大学。

翌週の19日は第一屋製パン㈱、
20日は㈱True Dataの、
それぞれの取締役会。

21日・22日は、
千葉で連続セミナー。
これもフル出演で講師。

そして25日(月)は、
四日市で故小嶋千鶴子さんのお別れ会。

そのあとは月刊商人舎8月号の入稿。

暑さに負けず、
頑張ります。

朝日新聞「折々のことば」
第2425回。

社会状態が
人々に有利であるのは、
すべての人が
いくらかのものをもち、
しかも誰もが
もちすぎない限りにおいてなのだ。
(ジャン=ジャク・ルソー『社会契約論』から)
41WX2Y3FSRL._SY291_BO1,204,203,200_QL40_ML2_

「社会状態とは、
人々が威力や暴力ではなく
法秩序の下で暮らしていること」

ロシアや中国、北朝鮮、
そしてウクライナを思う。

「その基礎は、
各人が生活に必要な資財を
所有することにある」

日本はそれが堅守されている。

「法律は、
富裕層に有利になりがちだが、
社会状態は本来、
身体や力の不平等を
法的平等へと転じることで
個人を護(まも)るものだ」

ルソーは社会契約論によって、
ユートピアを説いた。

参議院選では、
法的平等を頭に入れて、
投票したい。

では、みなさん、今月も、
店はあくまで、
不平等を排して、
平等を貫こう。

年金支給日ご奉仕もその一環だ。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.