東京都稲城市。
京王線の若葉台駅。
タクシーに乗り込んで、
5分ほど。
ロピア若葉台店。
9月21日オープン。
商人舎ミドルマネジメント研修会があって、
開業当日には訪問できなかった。
コープみらいの「コープ若葉台店」が、
今年3月19日に閉店して、
そのあとにロピアが出店。
開店前に到着して、
2人の店長と話をした。
それから開店前の店を見た。
オーソドックスなコの字型レイアウト。
青果部門は「八百物屋あづま」
前面に並ぶのは、
旬のシャインマスカット。
コーナーを曲がって、
鮮魚部門の「日本橋魚萬」と、
惣菜部門の「Gochisou Marche」
意欲的な商品が並ぶ。
ロピアの特長は、
この商品開発だ。
丁寧な説明を受けて、
その新しいアイテムを試食した。
これらは売れる。
午前中、売場づくりや顧客の動きなど観察して、
管理本部長と話した。
ロピア若葉台店、
順調な滑り出し。
木曜日にオープンして、
爆発的な売上げをつくった。
金・土・日と繁盛を極めて、
月曜日にも客数は落ちない。
しかし基本を外したら、
店はすぐにおかしくなる。
そして基本は強い論理性を有する。
2006年3月3日オープン。
東京都初進出の店舗だ。
売場面積2065㎡。
駐車場はSC全体で390台と十分だ。
駅側から時計回りのコの字型レイアウトで、
惣菜と青果がドッキングして始まる。
鈴木哲男命名の「こってり型」
随所にヤオコーらしさがある。
火曜日はポイント3倍セールで、
ロピアに対抗しているが、
それほど過剰に意識はしていない。
ただしピザは意識して控え目なのだろう。
ロピアはホール580円で売りまくるが、
こちらは長方形のヤオコーらしいピザだ。
川野幸夫会長は、
「うちのピザはおいしくなった」と言う。
それがヤオコーらしさだ。
この「らしさ」こそ、
ポジショニングのカギを握るものだ。
それがチェーンストア3.0の戦略でもある。
駅の向かいには、
スーパー三和若葉台店。
この店がこの地区で一番早く開業した。
しかし残念ながらチェーンストア2.0タイプだ。
ヤオコーとロピアの「フォーマット」に対して、
いまだ「業態」レベルの店で、
圧倒的な差をつけられている。
ただし駅の反対側の稲城市小田良地区に、
2020年3月6日、コロナ禍のなか、
ソコラ若葉台がオープンして、
スーパー三和の最新形が、
お目見えしている。
古い店はそのままの状態だ。
そこでヤオコーとロピアの対決の構図となった。
新しい店が市場に参入すると、
古い店々はそれに対抗する。
価格で対抗する場合もあれば、
ポジショニングで対峙する場合もある。
そしてそれまで最強だった店が、
より良く変貌することによって、
周辺の平凡な店があおりを食ってしまう。
これが競争のセオリーである。
ロピアが参入してヤオコーが変容し、
そのヤオコーから三和が打撃を受ける。
それがこの若葉台の競争である。
理論通りの趨勢に、
私はある種の感動を覚えた。
実践に先立つ理論はない。
しかし、
論理なき行動は暴走である。
それを実感した。
〈結城義晴〉