結城義晴のトップマネジメントリレー対談2007【0】前口上
スタートに当たってのメッセージ
30年前、(株)商業界に入社して『販売革新』編集部に配属された私は、すぐに「村田昭治のトップマネジメントリレー対談」という連載企画を担当することになりました。村田昭治とは慶應義塾大学商学部名誉教授の、あの村田先生です。先生はこの対談の後、『11PM』というテレビ番組にレギュラー出演し、一般人にも有名になりましたが、自ら「心のマーケティング」などと名づけた、およそ学問になりがたい論述で一世を風靡しました。
私はといえば、その後、『食品商業』の編集長となり、さらに(株)商業界編集担当取締役、専務取締役編集統括、代表取締役社長と役割が変わりました。
当時の対談相手は、私が覚えているだけでも、ダイエー中内功、イトーヨーカ堂伊藤雅俊、ジャスコ岡田卓也、ニチイ小林敏峯、ユニー西川俊男、イズミヤ和田満治、セブン‐イレブン鈴木敏文、丸井・青井忠雄、鈴屋・鈴木義雄、ヤマナカ中野富彦、関西スーパー北野祐次、サミットストア荒井伸也といったそうそうたる人物ばかりでした。
私は毎月、東京深沢の村田邸を訪れ、村田番をしました。村田先生の弁舌を学び、ご自宅を訪れてはその勉強振りを体験しました。トップの方々からも毎月、忙しい仕事の中から時間を割いていただき、直接、薫陶を受けつつ、20歳代を充実した空気の中で過ごしました。そして何とか2年余りのシリーズを全うしました。
そんな『トップマネジメントリレー対談』を今、私が村田昭治の役を担って、再開しようと考えました。
30年の企業のライフサイクルを一跨ぎする年月を経た上での『トップマネジメントリレー対談』――ご期待ください。