結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年04月23日(木曜日)

「ソーシャル消費の時代」とプライベートブランド

本ホームページ「知識商人対談シリーズ」第2弾が面白い。
㈱成城石井社長・大久保恒夫さんの巻。

杉山昭次郎のときどきエッセイ」も、ためになる。

ご愛読のほどを。

さて今日の日経新聞一面トップ。
「主要小売り本社調査」と銘打って、
「PB商品販売35%増」の見出し。


4大紙といわれる新聞の一面のトップ記事。

これは、毎日、4本しかない。

事件が起こると、4本ともに同じ記事が躍る。

特別の事件がないと、それぞれの新聞に特徴が出る。

しかし経済分野では、今やもう自他共に認める第一人者の日経新聞一面トップに、
プライべートブランドの話題が載ることに、
ある種の感慨を持たずにはいられない。

その記事の内容は、主要な小売業15社に調査したPBの2008年の現状。

年間販売額。
イオンは368億円。
セブン&アイ・ホールディングスは2000億円。
ユニーは854億円。
イズミヤ315億円、
ニチリウ563億円。
日本生協連4000億円、
高島屋230億円  

そしてこれらの伸び率が35%。

もはや完全に、PBが認知されたことが証明された。

ただしこれはコモディティグッズのPB。
だから量が必要となる。

そこでユニー、イズミヤ、フジは、
PBに関しての提携を進める。

この記事に関連して、
「スーパー売上高12年連続前年割れ」のニュースが並ぶ。
これは4大新聞すべて。

しかしここでいう「スーパー」は、日本チェーンストア協会加盟企業のこと。
業態でいえば、総合スーパーを中心にした企業。
ちなみに欧米では、総合スーパーをひとくくりにして、
「ハイパーマーケット」と呼ぶ。

しかしこの総合スーパーは、
商業統計で平成9年にピークを迎え、
その後、ずっと下り坂にある。

12年連続既存店マイナスは、
業態のライフサイクルという考え方からして、
もう既成の事実。

だからPBの重要性が増しているとも考えられる。

昨日は、夕方から、東京八重洲口の「京すし」で、懇談。
電通ソーシャル・プランニング局長の上條典夫さんと。

上條さん、最近、講談社から本を出した。
kamijoh
「ソーシャル消費の時代」  
サブタイトルは「2015年のビジネス・パラダイム」  

上條さんの掲げるキーワードは、
「量から質へ」
「個から絆へ」

私は、「コミュニティとホスピタリティ」をキーワードとしている。
立教の講義シラバスでは、この二つのキーワードを研究すると宣言している。

上條さんのいう「ソーシャル消費」の中の「個から絆へ」は、
まさしく「コミュニティ」のことを言っている。

「量から質へ」は、コモディティとノンコモディティ。
これも意見が一致した。

上條さんは、農林水産省が推進する「日本の食料自給率向上運動」の事務局長。
FOOD ACTION NIPON

私も、その趣旨に賛同し、協力している。

私と上條さんを結びつけてくれた電通の土井弘さんと3人で、
京すしの美味と酒を楽しんだ。
doi

ソーシャル消費の時代に、
プライベートブランドは、どんな役割を担うのか。
小売業の自主企画商品は、果たして社会性を有することになるのか。

日経一面トップで取り上げられるだけのニュースバリューはもっている。
ニュースバリューばかりでなく、
ソーシャル消費の中の商品価値をこそ、
獲得してほしいものだ。

もちろんメーカーにも、問屋にも、
その商品開発の価値が増大する努力を求めたい。

<結城義晴>


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.