成田からフランクフルト、デュッセルドルフへ。ヨーロッパは不景気、日本は回復基調と日経社長100人アンケート
Everybody! Good Monday!
[vol41]
2011年第41週、
10月第3週に入りました。
今日は三連休の最終日。
そして「体育の日」。
さぞかし、
日本はいい天気なんでしょう。
私はドイツのデュッセルドルフ。
こちらは雨。
「体育の日」の趣旨は、「祝日法」第2条で、
「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」
ご存知、1964年の東京オリンピック開会式の10月10日を、
体育の日の祝日とした。
いい決め方ですな。
2000年からは「ハッピーマンデー制度」適用で、
今日の10月第2月曜日となり、三連休。
「体育の日」と名付けられていれば、
国民はなぜかムズムズしてきて、
体を動かしたくなる。
それが、いい。
国民がムズムズと体を動かせば、
商売が成り立つ。
スポーツ用品が売れる、
スポーツウェアが売れる。
スポーツドリンクも売れる。
スポーツ施設が利用される。
腹が減るから食品が売れる。
すべてよし。
「風が吹けば桶屋が儲かる」
それよりも、「体育の日」があれば、
商売繁盛の方が確か。
商売している者は、
今日が終わったら、
体育の日に感謝しなければならない。
朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。
昨日の朝日新聞求人広告の欄。
広告だけれど、
女優の岸恵子さんが、
とてもいいコメント。
「まず自分をまっさらなカンバスにして、
監督が思う人物を描いていく。
その中に自分も織り込めていく」
岸さんは、「それが演技者の芸」という。
監督を「社長」や「会社」に置き換える。
するとサラリーマンの自分の在り方が見えてくる。
「それが働く者の芸」となる。
「この仕事でどうやって自分を生きるのか。
今自分はどこに立っているのか、
自分は何を求められているのか」
このあたりピーター・ドラッカー先生そっくり。
「ある役のために一度自分を空っぽにすることは、
自分を無にすることではありません」
最後のところが、すごくいい。
岸恵子さんは、映画監督のイヴ・シャンピと結婚した。
シャンピは医学博士から反ナチ地下運動家、そして映画監督。
一本芯の通った人間だったが、
その夫に影響を受けてジャーナリストや作家となった。
だから岸さんも、モノの見方に、
一本、芯が通っている。
「一度自分を空っぽにすることは、
自分を無にすることではない」
その通り。
さて日経新聞一面トップ。
「社長100人&地域500社アンケート」
四半期ごとに調査している。
現状の世界景気について、「悪化」と回答した経営者が計33.2%。
「急速に悪化」「緩やかながら悪化」「天井を打って悪化に転じた」
いま私がいるヨーロッパの景気については、
「悪化傾向」の回答が56.1%。
米国についても悪化傾向が33.0%。
さらに中国も「景気拡大が鈍化してきた」との回答が過半。
一方、国内景気には楽観的な見方が強い。
これは前向きな経営者の数が多いということで、
私は評価したい。
半年前と比べた国内景気。
「よくなった」「すでに改善の兆しが見えてきた」を合わせ6割近くが改善傾向。
3カ月後も「よくなっている」「改善の兆しが出ている」が計37.4%、
「ほとんど変化が見られない」が48.2%。
楽観的なのは悪くはない。
今月の商人舎標語、
「着眼大局 着手小局」
これに「積極前向き」が加われば、
年末までの消費経済にも明るい展望が開ける。
さて私はもう、26時間以上起きている。
成田空港周辺の日航ホテルで目を覚まして、
ジジのブログを書いた。
曇り空。
空港でチェックインして、45番ゲートまで歩く。
ルフトハンザのフランクフルト行きロビー。
ごった返していた。
欧州景気は「悪化」なのか。
ルフトハンザ711便に乗り込む。
2階部分がファーストクラス・ビジネスクラス。
満杯。
これで景気は悪化しているのか。
成田の滑走路は、
お盆の高速道路とまではいかないが、
ジェット機の渋滞。
出発が30分ほど遅れた。
しかし快適な機内ライフ。
私はアメリカでもヨーロッパでも、
機内では映画を見る、本を読む、原稿を書く、寝る。
これのどれかをしていて、結構、忙しい。
今回は、 2008年の映画『ビューティフル・マインド』を観た。
実在の天才数学者、ノーベル賞受賞者のジョン・ナッシュの半生。
監督ロン・ハワード、主演ラッセル・クロウ&ジェニファー・コネリー。
最後のシーンで、泣いた。
12時間でシベリア回り、ヨーロッパ大陸へ。
フランクフルト空港。
ここで、関西国際空港から到着したメンバー59人と合流。
万代ドライデイリー会の昨年に続くヨーロッパ研修会。
私を入れて総勢60名の集団。
ヨーロッパの不景気を吹き飛ばす勢いを持つ。
この研修会は、面白い。
スーパーマーケットの万代からの参加は、
いつも1人か2人。
今回は3人。
副社長の山下和孝さん、
取締役の磯田雅人さん、
取締役の阿部秀行さん。
取引先のメーカー、問屋から、
欧州食品事情を学びに集まってくる。
すぐにバス2台に乗り込んで、
アウトバーンを走る。
ヒットラーのナチスが軍事用に力を入れて完成させた超高速道路網。
バスもかなりのスピードで走行するが、
脇を次々に、小型車までが、
150キロ以上の速度で追い抜いて行く。
1時間ほどで休憩。
ドライブイン。
中に入ると、立派なデリショップ。
デリバーもカラフルでおいしそう。
カウンターも混んでいた。
コンビニエンスストアも併設されている。
奥にテーブルやイートインスペース。
15分ほど休憩して、
再びバスに乗り込む。
ケルンを通り越して、
デュッセルドルフへ到着。
暗くなっていて、
しかも雨はしょぼ降り。
やっとレストランにたどり着いた。
うまいオリジナルビールと典型的なドイツ料理の店。
早速、乾杯。
乾杯の音頭は今津㈱社長の今津龍三さん。
飲んで、食べて、
明日からの通訳の人々と事前打ち合わせ。
9チームに分かれて、
世界最大の食品メッセ「アヌーガ」を回る。
その9チームに一人ずつ通訳をつける。
展示者と密なコミュニケーションを図り、
商談を成立させ、売れる商品を持ってくるのが目的。
だから交流は盛り上がった。
デザートの前に、
全員が一人ずつ自己紹介と決意表明。
全員がミッションをもって、
この研修会に臨む。
いい夕食会だった。
食事が終わったら、ホテルへ。
こじんまりしているが、
快適なホテル。
私の部屋は202号室。
シャワーはあるがバスタブはない。
ここで4日間、アヌーガを学びつくし、
欧州景気と日本景気に、
ほんの少しでもいい、
風穴を開けたい。
そのための志がほしい。
日本の皆さんも、
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>