結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年11月14日(月曜日)

True Dataの「データの民主化」と小嶋千鶴子「商いは公のこと」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊻]

2022年第46週。
11月第3週。

朝からオンライン会議の連続。

㈱True Dataの臨時取締役会。
第2四半期決算の承認。

このたびTrue Dataは、
リテールAIアワード2022を受賞した。

目出度い。

一般社団法人リテールAI研究会が、
小売流通業界において、
AI導入・DX推進に貢献した企業を表彰する。

この賞は、
同研究会に参加する245社の会員社から、
特に先進的な取り組みをしている企業に与えられる。

正会員101社、流通会員27社、賛助会員112社。

昨年から始まって、
今年度は二度目だ。

受賞企業の第1は小売流通部門で、
イオン九州㈱。

他社を圧倒するスピード感で、
デジタル化を進めた。
サプライチェーン改革の推進、
リテールメディアの活用などなど。
店長職はデジタル資格の取得を義務化している。

第2に卸部門は、
ヤマエ久野㈱。

「J-MORA」は、
商品マスター構築のプロジェクトだが、
このJ-MORAにおいて、
改廃業務の効率化などに先駆けて取り組み、
生産性向上の実証実験を実施した。

第3にメーカー部門は、
サントリー㈱。
人材育成に「飛びぬけた実績」を残した。

そして第4がベンダー部門で、
㈱True Dataが受賞。

データコンペへの協賛、
J-MORAへのデータ提供など、
「データの民主化」を強く推進した。

私はいつも、
True Dataはパブリックな存在になろう、
と言っている。

パブリックとは、公的なという意味だ。
公的な機能を持って、
公的な存在感を示す。

ありがたい受賞で、
社員、役員一同、
励みになる。

頑張ります。

True Dataの役員会のあとは、
第一屋製パン㈱のオンライン役員会。

こちらは喫緊の課題など、
厳しい議論を展開して、
成果を確認した。

頑張ってほしい。

それから商人舎オフィスに出社。

ユースキン製薬㈱の、
野渡和義さんから、
ユースキン・シソラのセットが届いた。IMG_E70732
野渡さんは中学と高校の器械体操部の先輩。
シソラからフェイスマスクが新発売された。

ありがとうございます。

今週は忙しい。
大阪出張もあるし、
店舗クリニックもある。

記者会見は目白押し。
そちらは山本恭広編集長が対応してくれる。

朝日新聞「折々のことば」
第2556回。鷲田清一

「食べられればいいのよ……
好きなことができていれば
永遠に認められなくても
いいのよ」

(水村美苗)

経済学者の岩井克人さん。
「米国で経済学界の頂点からあえて脱落し、
不均衡動学、さらに貨幣論、
法人論の未踏の問題に挑んでいった」

そんな時、伴侶で作家の水村美苗さんが、
いつも笑って背中を押してくれた。

「引き受けたくない仕事なら
引き受けなくていい」と。

そして進行中のその仕事は、
異分野の研究者にも
鮮烈な刺激を与え続ける。

岩井克人『経済学の宇宙』の「あとがき」から。
iwaikatuhito
私も岩井克人さんの本の愛読者の一人だ。

好きなことができていれば、
永遠に認められなくてもいい。
食べていくことができればいい。

追い詰められても、
楽観的に生きる、この態度。
好きなことを、
人に媚びへつらうことなく、
やり続けられれば、
それが一番いい。

私も同じ気分だ。

そしてそんな人が、
貴重な仕事をする。
生きてさえいれば。

日経新聞「春秋」
先週火曜日の巻頭コラム。

「企業のトップは
どのような人間を

重用する傾向があるか」

イオン名誉顧問の故小嶋千鶴子さん。
その著『あしあと』から引用したコラム。
IMG_3232 (002)22

答えは、
「真実を真実として伝えない
虚構性の強い人間」

「虚構性という性格」の項(112ページ)で、
小嶋さんは手厳しく書いている。

私もこの部分には惹かれるものがあったし、
私も同じような失敗をした覚えがある。

そんな人間の特徴。
「都合の悪いことは打ち消し、
一部分だけをもって真実にしようとする」

「現在の不利な状況が、
他人の失敗によってもたらされていると
必ず告げる」

この要注意人物、自らの担当部署の失敗も、
己の責任ではないと信じ込む。
ここが底なしに恐ろしい。

だから小嶋さんは強調する。
「トップの周囲からは排除すべし」

岡田卓也さんの周辺に、
そんな人間が寄ってくる。

すると、小嶋さんが排除した。
かくてイオンはトップ企業となった。

コラムニスト。
「あまたの従業員らと面接を重ね、
働きぶりを見守り続けたゆえの眼力だろう」

小嶋さんは採用をはじめ、
人事、教育に従事して、
岡田屋からジャスコ、
そしてイオンまで、
一貫して人財育成に努めた。

その根本にはドラッカー思想があった。

「部下の不平は成長の証し。
その本質を見分ける知性と
押さえつけぬ寛容さが
上の者には欠かせない」

見分ける英知と、
受け入れる心の静かさ。

そして小嶋さんは言う。
「商いは公のこと」

つまり商売は、
パブリックなものなのである。

日経新聞の「春秋」で、
『あしあと』を取り上げてくれるのは、
ほんとうにうれしいことだ。

では、みなさん、今週も、
本質を見分ける知性を、養いたい。

Good Monday!

〈結城義晴〉


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