結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月11日(火曜日)

ロピア米国研修2班2日目の「とんがり★こだわり」と「やってる感」

今月の商人舎標語。
月刊商人舎2月号の[Message of February]

「やってる感」を払拭せよ。

倉本長治は厳しい。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

一瞬たりとも、
気を抜くな、手を抜くな。
その積み重ねが君の人生に意味を与える。

対して52週MDは優しい。
1年間は52週、四半期は13週。
まずはその基礎単位の1週間を充実させよ。

52週マーチャンダイジングと言うけれど、
中身はウィークリーマネジメントである。
週単位のオペレーションとプロモーションである。

商品部の「商品調達と商品開発計画」。
店舗の「売り方と運営と販売計画」。
マーケティングセクションの「販促計画」。

商品部の「作」、
店舗の「演」、
販促部の「調」。

それらが一体となった商品。
それらが融合した売場。
それらが衝突しつつ爆発する店。

しかしここに「やってる感」が忍び込む。
成果の有無や大小を問わず、
頑張る姿勢だけ見せる。

悪しき組織風土。
悪しき官僚化。
悪しき大企業病。

それを払いのけるには、
「本気」の行動が必須である。
そして行動の成果をこそ評価すべきだ。

「やってる感」は外面(そとづら)である。
「本気」は内面(うちづら)の問題だ。
内面が外面に抑え込まれる。

そうすると「やってる感」が生まれてくる。
「やってる感」で仕事し、
「やってる感」で生活してしまう。

「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
倉本長治はやはり正しい。

自分の人生を深く考えるとき、
外面の生き方には意味がない。
いつだって自分には内面がわかるからだ。

「やってる感」を払拭せよ。
それは自分自身を見つめることだ。
あくまでも自分を高めることだ。〈結城義晴〉

OICグループのニューヨーク研修会。
第2班の2日目の朝。

漣崇之班長がリードしながら、
ロピアの経営理念と7大用語の唱和。IMG_1295

中途採用で経験の少ない者もいる。
アキダイやユーラス、
利恵産業からの参加者もいる。

「同じ商品ならより安く」
「同じ価格ならより良いものを」

ロピアの経営理念を聞きながら、
感慨深いものがあった。IMG_1297

柴田昇団長の自己紹介とロピアの経営戦略解説。
取締役中部営業本部長。IMG_1303

そして私の講義。
座学は2日間で計4時間。
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はじめに語るのは、
「商人の本籍地と現住所」。
OICグループにはさまざまな会社から
転職してきた人がいる。

だから本籍地(最初に入った会社)で学んだことを
現住所(OICグループ)で活かしてほしい。IMG_1307

ウォルマートの戦略、
それに対抗するターゲットの戦略。
そしてドイツのアルディとリドル、
さらにストップ&ショップ。

アメリカの代表的企業の戦略から、
多くのことを学ぶ。IMG_1310

それから商品問題を丁寧にレクチャー。
プライベートブランドの項目では、
ウォルマートの「グレートバリュー」と、
NBの「オレオ」を食べてもらった。

PBは「ツイスト&シャウト」。
オレオとそっくりの味を実現させて、
オレオより3割安い。
だから顧客にとって価値がある。IMG_1316

2日目の視察地は
ハドソン川を隔てたニュージャージー州。
とんがり★こだわりのスーパーマーケットを視察。

トレーダー・ジョー。IMG_9469

1斑のメンバーたちが、
エコバッグをたくさん購入した。
今回はわれわれのために新カラーを用意してくれた。IMG_1321

さらに新製品の小さなトートバッグ。
これが可愛い。
土産に購入した。
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ファーストメイトのインタビュー。
通訳は浅野秀二さん。
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ダンさん(左)とマークさん。
商圏と客層、フレンドリーサービスなど、
トレーダー・ジョーの特徴を話してくれた。IMG_1344

私も質問。
二人で顔を見合わせて答えてくれた。IMG_1349

二人を囲んで、記念撮影。
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次に近隣にある、
「アマゾンフレッシュ」。
アマゾン・ゴーの自動決済システム、
「ジャスト・ウォークアウト」で営業していた。
つまりチェッカーレスシステム。

しかし現在は、
「ダッシュカート」と有人レジでの決済。IMG_1361

そのダッシュカートの実演。IMG_1365

現地ガイドの富澤由紀子さんが、
使い方を説明してくれた。
皆、興味津々。
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カメラを取り付けていたこともあって、
天井の高い倉庫型店舗。
しかし顧客は少ない。
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アマゾンフレッシュでは、
ネットスーパーの配送サービスを行っている。
つまりピッキングのための店舗でもある。IMG_9476

静かで無機質な店舗といった感じが強い。
トレーダー・ジョーの、
フレンドリーな接客とは対比的だ。

スチュー・レオナード。
2024年4月にオープンした。
ニュージャージー州では初めての出店だ。
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店頭に置かれた有名な「ポリシーロック」。

Rule1 The Customer is Always Right!
原則1 顧客はいつも正しい。

Rule2 If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、
原則1を読み返せ。
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ワンウェイコントロールの店で、
さまざまな仕掛けが施されている。
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最終コーナーはデリ。
対面売場でBBQ肉やピザを販売する。IMG_1454
高く評価したい店だ。
久しぶりにスチュー・レオナードのイノベーションを見た。

青空の下の記念撮影。
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ニューヨーク視察の目玉は、
ウェグマンズ。
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市場感あふれる見事な青果部門。IMG_1483

鮮魚売場は改装されて、
広さは2倍になった。
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デアリー売場の上を汽車の模型が走る。
これをロピアが取り入れた。
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「HOT ZONE PRIⅭES(ホットゾーンプライス)」。
ウェグマンズのEDLPを表す新しい言葉だ。IMG_1533

レジ前の平台。
価格訴求のアイテム。
価格の末尾は「9」。
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またまた記念撮影。
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2日目最後の視察店舗は、
ショップライト。
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ショップライトはボランタリーチェーンだ。
その中でも秀逸の店。
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青果売場のこのカラーコントロール。IMG_1585

チーズの対面売場。
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イタリアンメニューが揃う対面売場。
ピザやパスタ、コーヒーなどを提供する。IMG_1600
肉、魚、ベーカリー、デリは
対面売場を設けて人手を掛ける。

一方で、デアリーやグロサリー、酒は、
ラック什器でローコスト運営をする。

電子棚札が採用されている。
グロサリーからチルド商品や冷凍食品に至るまで、
すべての商品に電子棚札が付いている。IMG_1614

さらにプロモーションアイテムは、
電子棚札と価格訴求のPOP。
パッと見には、何が何やらわかりづらいが。IMG_1615

それでも頑張っている。
大チェーンと比べると、
無駄なこともしている。

しかしそんな無駄を支持する顧客もいる。
商売は面白い。

最後はハドソン川の対岸から望む摩天楼。
前日の雪が残っていて、
ハミルトン公園は閉鎖されていたが、
それでも絶景を堪能した。
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とんがり★こだわりの店々。

ポジショニング戦略を学ぶ。
それに十二分に応えてくれた米国企業には、
「やってる感」など微塵もない。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年02月10日(月曜日)

商人舎2月号発刊とロピア米国研修第2班の到着

Everyone, Good Monday!
[2025vol⑥

2025年第7週。
2月10日。

月刊商人舎2月号、本日発刊。202502_coverpage

特集は、
本気の52週MD

[Cover Message]
2019年、ユニーがドン・キホーテに買収された。店はMEGAドンキに変わった。現場の人間たちが言った。「目が覚めた。今までより、とにかく忙しい。これが小売業だと思った」。さらに付け加えた。「仕事は3倍以上の密度になったけれど、売上げも給料も上がった」。3倍の密度の仕事こそが「本気度」を示すものだ。
一方、「52週MD」の創始者鈴木哲男は定義する。「毎週の重点販売商品を中心に商品計画と販売計画と販促計画を連動する組織的仕組みづくりのこと」。
しかしこの考え方を採用している多くの企業に「やってる感」が蔓延している。成果よりも、頑張る姿勢を見せること。その反対語が「本気度」だ。あくまでも、徹底的に成果を出すことだけを目指す。2025年の新年度が始まる。2030年を視野に入れつつ、「本気の52週MD」を見せてほしい。

目次。
スクリーンショット 2025-02-11 081817

緊急特別企画は、
西友はどうなる?!

ご愛読をお願いしたい。

さてニューヨークに着いて4日目。
起きたら雪景色。
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私の部屋はザ・ニューヨーカーの30階。
有難いことに広いベランダがある。
パティオと呼ぶ。

そのベランダも白一色。
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夜間に雪が降ったが、
ニューヨークは雪に強い。
市内の道路はあっという間に除雪が済んでいる。
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今日は1班の帰国日。
JFK国際空港に向かう車中で最後の講義。
最後のメッセージは、
「自ら、変われ!」

そして皆を送り出した。
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第1班が手荷物検査場に入っていくと、
私たちはすぐに到着口へ移動した。

そして第2班がやってきた。
すぐに専用バスに乗り込んで、
視察に赴く。

ストップ&ショップ。
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標準的なスーパーマーケット。

今夜は第59回スーパーボウル。
全米最大のスポーツイベントだ。

どのチェーンでも観戦用のスナックを提案している。

ボアーズヘッドの試食。
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ボアーズヘッドはアメリカで大人気のデリ。
ハムとチーズのブランドだ。

私もみんなに勧めて試食した。
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アメリカに来て最初の視察店。
参加者からの質問に答えながら見て歩く。
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現地ガイドの富澤由紀子さんも、
アメリカ人の食生活や
ショッピングスタイルを教えてくれる。
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この店、4日前に来た時よりも、
断然いい売場になっていた。
週末のスーパーボウルに向けて、
売場を充実させた。

しかしこの売場の出来栄えに波動があることこそ、
普通の実力の店だということを証明している。

次に、
ウォルマート・スーパーセンター。

世界最強のフォーマット。
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日曜の午前中。
実に、よく人が入っている。
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レジ前のロールバックの嵐。
アメリカもインフレで節約志向が強まっている。
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壁面のシーゾナルコーナーはバレンタイン。
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一方、レジそばでも、
バレンタインプロモーション。IMG_1072
複数カ所での展開。
ウォルマートはどの企業よりも、
プロモーションを徹底させる。

エブリデーロープライスを基本にしていると、
売場がつまらなくなる。

するといくら安くても、
顧客は飽きる。
そして店から足が遠のく。

だからウォルマートは、
最大限のプロモーション演出をする。

主動線上のアクションアレー(島陳列)は、
テレビの展開。

75インチ448ドル、70インチ398ドル、
そして65インチ338ドル。
スーパーボウルを大型画面で見る提案。IMG_1076

商人舎の亀谷しづえGMもお買い得商品を購入。IMG_1089

全員で記念撮影。
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ターゲット。
ウォルマートと同じビジネスモデルのライバル。
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この店は生鮮食品を絞った、
ディスカウントストア業態。
ウォルマートのスーパーセンターに対抗するのは、
食品強化型の「スーパーターゲット」。IMG_1156

ターゲットはアパレルに強い。
ウォルマートが男性的な店づくりなら、
ターゲットは洗練された女性的な内装デザイン。IMG_1145
れでもウォルマートと対比的だからこそ、
ターゲットはマーケットチャレンジャーになっている。

ターゲットの隣に、
リドルが出店。
ドイツ出身のリミテッドアソートメントストア。
ボックスストアとも呼ぶ。IMG_1108

同じビジネスモデルの「アルディ」より、
生鮮食品の品揃えが豊富だ。
売場面積は1.8万平方フィート、507坪。

「BIG DEALS」サインが目立つ青果売場。IMG_1131
PB比率はアルディの9割に対して、
リドルは7割くらいか。

急遽、インタビューに応じてくれた。IMG_1123

店長のビクトルさん。
通訳は浅野秀二さん。
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アルディとの違いや、
リドルでの働きがいを存分に語ってくれた。IMG_1137

全員で記念撮影。
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そして隣のショッピングモールの一角に、
アルディ。
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導入部はプロモーションアイテム。
カラフルな段ボール陳列でPBを売る。
スーパーボウルのお客の爆買いで、
売場は欠品だらけ。IMG_1165

売場奥に青果売場。
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主通路にカート什器を置いて、
空箱を回収。
その空き箱がカラフルだ。
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アルディとリドル。
ドイツのライバル。

それがイギリスに出て、
テスコやセインズベリーを凌駕した。
ウォルマートは傘下のアズダを手放して撤退した。

アメリカではどうなるか。
アルディは成果を上げている。
リドルとの激しい競争で、
周辺が打撃を受ける。

これは間違いない。

初日最後の視察は、ブルックリンの
ホールフーズ環境対策店。
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スーパーボウルの買い出しのためか、
多くのお客でにぎわっている。
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いつもはネットスーパーで済ませる顧客も、
今日は来店しているのだろう。
こんなホールフーズは久々に見る。IMG_1202

「GAME DAY」の仕掛けが売場の随所で見られる。IMG_1243

ロテサリーチキンはほぼ売り切れ。IMG_1250

グロサリーも売れていて、
商品によってはご覧の状態になる。IMG_1227
賑わいのある店を見るのは楽しい。
ネット販売の増加のために、
ホールフーズは店頭顧客が減った。
だからこそこんな店は嬉しい。

最後にブルックリンのダンボ地区。
マンハッタンのビル群を背景に撮影。IMG_1264

疲れ切ってホテルに戻る。

そのあと4チームに分かれて夕食会。

もちろん肉のロピアだから、
ステーキレストラン。
私はミッドタウンにある
「ストリップハウス」。IMG_1268

ポーターハウスステーキをいただき、
最後は骨に残ったおいしい肉にかぶりつく。IMG_1269

日本ではできない楽しみ方だ。
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これが本当においしい。
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デザートはこれ。

まわりのメレンゲを炎で焼く。
中はアイスクリーム。
超美味。
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こちらはチョコレートケーキ。
ザッハトルテの大型版。
チーズケーキもいただいた。
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皆、大満足。
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お疲れ様。

けれど本番は明日です。

では、皆さん、元気です。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2025年02月09日(日曜日)

ロピア米国研修/マンハッタンのとびっきりのポジショニング競争

OICグループのニューヨーク研修。

3泊5日の弾丸ツアーだ。
座学と視察で充実している。

早くもニューヨーク3日目の朝を迎えた。
ホテルの会議室では、
ロピアの経営理念と7大用語の唱和。
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リードするのは市川さん。
今回の派遣第1班の副班長。
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結城義晴の講義。
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アメリカ小売業の大潮流。
レース型競争からコンテスト型競争への変容、
そしてクリティカルマスと、
寡占・鼎占・複占の理論。

さらにマーケットリーダーと、
マーケットチャレンジャー、
マーケットフォロワー、
マーケットニッチャーの競争。

ロピアのトップたちに語り続けてきた理論を、
わかりやすく講義する。
トップと共有できるようにと考えている。IMG_0894

最後の最後は、
業種、業態、フォーマットの理論。
そして、
[基本業態+ポジショニング=フォーマット]
コーネル大学のフォーマット論。

肉の宝屋藤沢店から、
ユータカラヤ、
そしてロピアへ。
さらにOICグループへ。

かれらは教科書通りに、
短期間で企業を変容させてきた。IMG_0893

それがロピアの成長の軌跡である。
そしてそれはまだ途上にある。IMG_0885
2時間、声をからして、
全身全霊で講義をした。

終わると最後の視察に向かう。
目的はマンハッタン島内、
ウェグマンズ・アスタープレイス店。IMG_0952

2023年10月にオープン。
1階と地下1階の2層店舗。

その地下1階に「さかなや」を設けた。
日本型の魚売場だ。
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早くも昨年には部分的に改装を行った。
アメリカ風の対面売場と合体させて、
販売面積を広くした。IMG_0922

丸物の陳列。
週2回、日本の豊洲市場から空輸される。
カッティングは日本式。IMG_0913

岸田前首相夫妻が訪米した際に、
奥様が店を訪れた。
その新聞記事をPOPとして使う。IMG_0911

ウェグマンズではインタビュー。
店長のJAREDさん。

忙しいなか、われわれの質問に答えてくれた。
颯爽と現れ、的確に語って、
そして颯爽と消えた。IMG_0927

魚部門の責任者リチャードさん。IMG_0935

商品化や客層の問題など、
具体的な運営について話してくれた。
質問にも丁寧に答えてくれた。

通訳はもちろん、浅野秀二さん。IMG_0938

とても嬉しいことに、
ハマチの刺身と寿司の試食を用意してくれた。IMG_0939

全員で残さず、おいしくいただいた。IMG_0941

リチャードさんを囲んで。
左は現地ガイドの富澤由紀子さん。IMG_0943

富澤さんの案内で、
少しだけ観光。

バッテリーパークそばの公園で、
自由の女神を背景に写真撮影。IMG_0958

それからワンワールドセンターへ。IMG_0961

9・11メモリアルパーク。
富澤さんの説明を聞く団員たち。

私はカメラに向かってにっこり。IMG_0960

鎮魂のプールからオキュラスへ。IMG_0962

オキュラスは駅舎。
スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバの設計。
2016年にオクルス・ニューヨーク駅として完成した。

敬虔な気持ちになる。
その真っ白なオキュラスの中で再び写真。IMG_0964

ワールドトレードセンターの一角に、
イータリーがある。

ニューヨーク2号店。 IMG_9310 (002)

売場は建物の3階。

イータリーのコンセプトは、
「学び、食べ、買う」。
つまり市場であり、食堂であり、
学校である。

そんな画期的な店だ。IMG_0971

ガラス張りの店内は、
周囲にぐるりとレストランを配置して、
その内側の売場を回遊させる動線。

青果、ベーカリー、チーズ、パスタなど、
イタリア食材が対面のショップで販売される。
イタリアの市場の店を模している。

その八百屋。
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チーズショップとミートショップ。
この手前にレストランがある。IMG_9314 (002)

イタリアの魚屋。
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カフェやレストラン、イートインスペースは、
窓側にあって、3階からの景色が楽しめる。IMG_0967

ピザレストラン併設のピザ窯は黄金だ。IMG_9318 (002)

イタリアの食文化を案内した通路。
食材や製法などが展示されている。IMG_0968

しかしこの観光スポットと化した2号店は、
レストラン中心の店へと傾斜した。
学校と市場の要素が少なくなってきた。

その分、魅力が薄れたと思う。

フラットアイアンの1号店のほうが、
勉強になる。
そちらがお薦めだ。

ロワーマンハッタンを後に、
ミドルタウンへ。

ハドソンヤード、
ホールフーズ。
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1階がコンビニ機能。
珈琲やソフトドリンクの飲料とサンドイッチなど。

エスカレーターで2階に上がると、
広大なフードコートと売場。IMG_0974

真っ白な什器の青果売場。
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ニューヨークに来ると、
必ずこの店を訪れる。

それでも来るたびに新しいことをやっている。IMG_0978

「GAME TIME」と記されたケーキ売場。IMG_0984
明日2月9日の日曜日は、
全米が沸き上がる「スーパーボウル」。
つまり「Game」のとき。

NFLのチャンピオンチームを決める優勝決定戦。
アメリカ人は全米一のスポーツイベントを、
友人や家族と一緒に応援する。

その際にケーキも食べる。

ここでランチ。
私はセルフデリの温野菜とチキン、
そしてブロッコリとロブスターのスープ。
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ハドソンヤードを後に、
一気にアッパーウェスト地区へ。
つまりはセントラルパークの西側。

ブロードウェイ沿いにある4店舗を散策。

起点はゼイバース。
たった1店舗のスーパーマーケット。
ユダヤ系ウクライナ人のゼイバー兄弟が創業。IMG_0992

スモークサーモンとコーヒーの店から始まった。IMG_9338 (002)

たった1店だが人気は衰えない。

売上げの4分の1がネット販売だ。
その配送のためのバンが店の前に止まっていた。
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ニューヨークデリと魚が人気の、
シタレラ。
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ニーヨークデリには顧客がついている。

奥壁面の鮮魚売場は洗練されたデザイン。
高齢のマダム客が多い。IMG_0995

シタレラの隣には、
フェアウェイマーケット。
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八百屋出身だから青果部門が強い。
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売場のいたるところに、
アメフトのオブジェがある。

その圧巻の青果部門。IMG_9351 (002)

ブッチャーショップとフィッシュマーケット。
対面売場だが、以前より売場は半減した。IMG_1008
郊外展開をしたが失敗した。
ダウンタウンの店は得意の立地がいい。

最後はトレーダージョー。
地下1・2階の2層の大繁盛店。
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スーパーボウルの日を家で楽しむために、
トレーダー・ジョーで買物をする。
だから顧客が殺到する。IMG_9363 (002)

売れ筋のバナナは午後3時にはもう売り切れ。IMG_9364 (002)

エンド陳列はボリューム感満点なのだが、
それがどんどん売れている。
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冷凍食品はケースの底が見えている。IMG_9375 (002)

ゼイバーズ、シタレラ、フェアウェイマーケット、
仕上げがトレーダー・ジョー。

これらの競争の中で、
ウェストサイドマーケットは姿を消した。

とびきりの特長をもたない店は、
舞台から退場させられる。

それがマンハッタンの最新の競合だ。
つまりポジショニング競争である。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年02月08日(土曜日)

ロピアNYC研修/Trader Joe’s・Wegmans・Stew Leonard’s

トランプ・石破会談。

ワシントンDCのホワイトハウスで行われた。

その日米首脳共同声明。

「石破茂首相とドナルド・トランプ大統領は、
ワシントンDCで最初の公式会談を行い、
自由で開かれたインド太平洋を
堅持するとともに、
暴力の続く混乱した世界に
平和と繁栄をもたらす、
日米関係の新たな黄金時代を
追求する決意を確認した」

さまざまな言説が飛び交っているが、
共同声明は日米にとって確かな一歩だ。

トランプ大統領就任後、
正式に会談をした首脳は、
一人目がイスラエル首相、
ベンヤミン・ネタニヤフ。

二人目が日本の石破茂首相、
三人目がヨルダン国王のアブドゥッラー2世。
2月11日に予定されている、

イスラエルとヨルダンの首脳とは、
緊急の事態が待っている。
ガザ地区の戦闘終結に向けた和平工作だ。

石破首相とは差し迫ったアジェンダはない。
日本の総理大臣という「機関」との会談。
従来の方針が確認された。

さてニューヨークに来て2日目。
朝、7時から講義。

全員が集まると、
経営理念と7大用語の唱和。

ロピアとOICグループでは恒例。

班長の石川さんがリードする。
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全員が大きな声で繰り返す。
これで研修の一日が始まる。
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講義の前に団長の柴田昇さん。
柴田さんは中部営業本部長。IMG_0616

OICグループは急速に成長している。
九州から北海道まで出店エリアも広がっている。
だから多くの中途採用者がいる。

この研修にもそういった人たちが参加している。
柴田さんとも初対面の参加者が多い。
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柴田さん自身の自己紹介から始まって、
中部ロピアの出店戦略、店づくり戦略、
そしてOICグループのこれからの戦略などを、
改めて丁寧に説明した。

そして私の講義。
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はじめに商人の本籍地と現住所。
社会人として初めに入った会社が本籍地、
そして現住所はロピアやOICグループ。

本籍地で経験したことを大事にしつつ、
ロピアで生かしてほしい。
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それから到着初日に訪れた企業の解説をした。
ウォルマートとターゲット、
アルディとリドル。
それからホールフーズとストップ&ショップ。

とくにウォルマートとターゲットの、
対比的なポジショニングの話を丁寧にした。IMG_0633

それから米国スーパーマーケットを訪れて、
自分でその店を判断するとっておきの方法。
部門構成比で店の強み・弱みを推し量る。
その方法を伝授した。
これで全員がもうアメリカ通となることができる。IMG_0626
アメリカという国の理解の仕方、
米国流通業の潮流、
ニューヨークというエリアの特長。

実質3日間の学習効果を最大にするための、
前提となる知識を講義した。

そして2日目の視察はハドソン川を、
リンカーントンネルで渡って、
ニュージャージー州へ。

トレーダー・ジョー。
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郊外型のゆったりした店舗。
入り口は青果部門。
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1967年、ジョー・コロームが1号店を開設。
顧客ターゲットを絞り込んだ。
すなわち高学歴で低所得の人たち。
このターゲティングから、
客層が飛躍的に広がっていった。
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輸入ワインやグルメフードを提供し、
オーガニックフードとナチュラルフードを扱い、
いまや42州とワシントンDCに596店舗を展開する。IMG_9141

この店は2018年にオープンした。
その歴史が壁に描かれている。IMG_9145

最後にインタビュー。
通訳は浅野秀二先生。
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クルーメンバーのロビンさん。
トレーダー・ジョーの考え方を説明した後、
「これから急速出店を行う」と表明。IMG_0646

ジョー・コロームは、
コロナ下の2020年に世を去った。

それでも店舗現場は意気軒高。IMG_0649

ロビンさんを囲んで、
全員で記念撮影。
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トレーダー・ジョーのエッセンスを、
ほんとうによく学ぶことができた。

次はすぐそばにある、
アマゾンフレッシュ。IMG_0664

「アマゾン・ゴー」のスーパーマーケット版だ。
手に取ってそのまま出ていく仕組みを採用。
「ジャスト・ウォーク・アウト」システム。

しかし現在はそれをやめた。
代わりに「ダッシュボード」の仕組みを使う。IMG_0666

しかしこの仕組みを使っている顧客はわずか。
IMG_9172

今はこの店の目的や特徴がはっきりしなくなった。IMG_9175

店づくりはアマゾンらしい。
ホールフーズのPB「365」も品揃えされている。IMG_0673

しかし全体に品揃えは薄いし、
在庫も少ない。
魅力のない店だ。
IMG_0678

それでもくまなく店を回る。IMG_0680

ダッシュカートレーンの出口。
IMG_0684

セルフレジとレギュラーレジ。
IMG_9177
目的を失ったアマゾンフレッシュ。
全米に80店あるが、どうするのだろう。

スチュー・レオナード。
最新の8号店。
IMG_0798

店頭にはポリシーロック。
「アワー・ポリシー」が書かれている。IMG_0692

入り口を入ると、
ワンウェイコントロール。
IMG_0694

ディズニーランドのようなスーパーマーケット。
団員も楽しみながら商品を見ている。IMG_0695

この店はワイン売場が広げられている。
スチュー・レオナードに新趣向。
私は感心した。
IMG_0699
帰国してから月刊商人舎で紹介し、
その新趣向を分析しよう。

いい店だ。

ウェグマンズ。
非上場企業のため業績は未公開。

ただし全米小売業界の調査によれば、
2023年1月期は1億2170万ドル。
100円換算で1兆2170億円。
IMG_0815

青果の先頭の「HOT ZONE PRICES」。

和具マンズは2001年に、
「コンシスタント・ロープライス」を導入した。
一貫した低価格。

ウェグマンズ流のEDLPのことだ。
それを「ホットゾーン・プライス」と変えた。IMG_0818

売場の至る所にカラフルなサイン。
よく目立つ。
IMG_0800

シーフードの対面売場。
氷を敷いて鮮度の良い魚介を並べる。IMG_0806

デリの売場はフードサービスゾーンと呼ばれる。
スープバーやサラダバー、
ホットデリなど味の良いメニューが並ぶ。IMG_0803

チーズ売場は、
スペースも品揃えも他を圧する。
IMG_0807

ウェグマンズ自慢のデリで昼食。
みんな大満足。

ウェグマンズのロゴの前で、
全員で記念撮影。
IMG_0823-1

最後にショップライト。
ボランタリーチェーンの旗艦店。IMG_3001-448x335

この店はショップライトグループの中で、
飛び切り良い店舗だ。
IMG_0827ー1

青果やデリ、ベーカリーは
屋号を付けてショップ形式で展開する。
もちろん対面コーナーを設ける。

カラフルな花売場はバレンタインの仕掛け。
IMG_0828

デリの一角のホットバー。IMG_9240

「スモーキーハウス」と名付けられた
対面のバーベキューコーナー。IMG_9242

酒売場はラック陳列を基本にする。
このエリア最高の品揃えだ。IMG_9245

ショップライトのこの店は、
いつ行ってもよく管理された売場と、
フレンドリーなサービスが印象的。
ウェグマンズに学んで、
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」

インディペンデントでも、
これだけの店をつくることができる。
勇気がわいてくる。

最後の視察は、
アメリカンドリーム。

スーパースーパーリージョナルSC。
28万㎡と全米ナンバー2の面積。
ミネアポリスのモール・オブ・アメリカに次ぐ規模だ。
IMG_9257

コロナ前の2019年10月にオープン。
約450の専門店と、
エンターテイメント施設から成る。

スケートリンク。
IMG_9266

ウォーターパーク。IMG_9263

遊園地。
IMG_0830

子ども向けの施設が多い。
通路のオブジェは、
トランスフォーマー。IMG_0832

ロピアの若い女子2人と写真。IMG_0834

そして圧巻は屋内スキー場。
IMG_0836

ほかにもボウリング場や映画館、水族館、
ボルダリング設備などがある。

しかしSCとしての成果は、
まだ出ていない。

最後の最後に少しだけ観光。

ハミルトン公園。
ハドソンリバーをはさんで、
向こうに摩天楼の絶景が見える。IMG_0839

2日目の最後を飾る全員写真。IMG_0844
とびきりのいい店、いい企業を訪問し、
2日目は凄い収穫だった。

団員の眼の色が変わった。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年02月07日(金曜日)

ニューヨーク初日の対比的なポジショニングと「普通の店」の進化

羽田国際空港から飛び立って
12時間ほどで、
夜が明け始める。
IMG_9016
してジョンFケネディ空港に到着。

ニューヨークはあいにくの雨。
それも氷雨。
IMG_9022

全員無事に入国を済ませ、
現地コーディネーターの
浅野秀二さんと合流。

専用バスでいざ視察へ。
IMG_0516

最初に向かったのは、
ストップ&ショップ。
IMG_0518

ニューヨーク・ニューアーク地区では、
マーケットシェア1位が、
ボランタリーチェーンのショップライトだ。
115店舗16.9%。

ストップ&ショップは2位で、
152店舗・14.0%。IMG_0522

米国のごく一般的なスーパーマーケット。
「コンベンショナル(伝統)型」と呼ばれる。IMG_0526

それでもトレンドの対面売場を設けて、
デリを強化する。
IMG_0527
普通のスーパーマーケットを見ることで、
一つの標準ができる。

そのあとで際立つ特徴の店を訪れる。
するとイノベーションの本質が見えてくる。

しかしその普通の店が進化している。
それは当然のことだ。
どんな店、どんな企業もいつも、
イノベーションを志向しているからだ。

そのなかで本当に優れた企業は、
イノベーションを継続することができる。

イノベーションが止まらない。
それが強い企業、エクセレントな組織なのだ。

ウォルマート。
世界最大の小売業にして、
世界最大の企業。
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そのウォルマートの最強のフォーマット。
スーパーセンター。
衣食住薬のフルライン店舗。
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このエリアに60店舗で10.4%。
コストコに次いでシェア4位。
ニューヨーク市郊外にある超繁盛店。

エブリデーローコストを標榜しながら、
デリ売場には対面販売コーナーを設けて、
顧客サービスを怠らない。
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ロールバックの嵐。
EDLP価格からさらに値引いて販売する。
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バレンタインデープロモーション。
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小雨の中、全員で記念撮影。
IMG_0531

車中でも講義。
ウォルマートのPBを紹介する。
グレートバリューの、
「ツイスト&シャウト」。
NBの「オレオ」の完全コピー商品。
オレオと限りなく同じ味で3割安い。
そこにこの開発の価値がある。
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車内で食べ比べする。

ターゲット。
ウォルマートと同じ業態のライバル。IMG_0536

ウォルマートは食品とハードラインに強い。
ターゲットは衣料のソフトラインに強みをもつ。
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生鮮食品は絞り込んでいる。
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「アウトドアショップ」と名付けられた、
園芸コーナーが新設された。
IMG_9079
ウォルマートのコーポレートカラーが青なら、
タ―ゲットは赤。
IMG_9088 (002)

あらゆることがウォルマートと対極にある。

バレンタインプロモーションも、
センス良い売場づくりで真っ赤。IMG_9080

ウォルマートとターゲットは、
一目で差異がわかる。
市場を二分して棲み分けている。

それがポジショニング競争だ。

ターゲットに隣接して、
リドルが新規出店。
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1週間前にオープンした。
ドイツのトップ小売業、
シュワルツグループのボックスストア。
IMG_9109

アメリカには2017年に進出。
大西洋岸南部を中心に展開。
ニューヨーク州のベストマーケット27店舗を買収。
1月現在183店舗。

導入部は青果売場だ。
IMG_9097

青果に続くベーカリー売場に特徴がある。
焼きたてのインストアベーカリーで、
クロワッサンなど1個49セントで売って、
大人気だ。
IMG_9101

アルディと競うリミテッドアソートメント。
IMG_9103

アルディが1万平方フィートなら、
リドルは2万平方フィート。

アルディが98%PBなのに対して、
リドルは8割くらいがPBで、
ナショナルブランドも多い。

店舗中央の平台には、
ノンフードのポップアップ商品が並ぶ。
売り切れ御免のアイテムだ。
IMG_9104

同じ商業施設の反対側に、
アルディがある。
IMG_9111

地域一番の安さを提供する。IMG_9115 (002)

牛乳売場は後部から補充できる、
リーチインケース。
IMG_9113 (002)

ローコスト店舗なのに電子棚札導入。
リドルの価格変更に素早く対応する。
牛乳1ガロン(3.8ℓ)3.08ドル。
インフレが進む米国で1リットル81円。
購買力平価を考慮して1ドル100円で考えるのがいい。
IMG_9112 (002)

マネジャーにインタビューした。
メイシーから転職してきたが、
待遇はとてもいいとか。

写真はノーグッド。

一気にブルックリンに向かう。
ホールフーズ環境対策店。
IMG_0560

2階に水耕栽培の農場がある。
農産工場で生産した葉物を、
「ゴッサムグリーン」と名付けて販売する。IMG_0564

対面のシーフード売場も、
部門として位置づけられる。
アメリカのスーパーマーケットでは珍しい。
IMG_0577

2階のイートインスペース。
奥にビールバーがある。IMG_0592

上から駐車場を望む。
くるくる回る風力発電、
駐車場の屋根の太陽光発電。
環境店舗ならではの設備満載だ。IMG_0594

ゴッサムグリーンのロゴを配した配送車。IMG_0597

グロサリーピックアップの駐車スペース。 IMG_0600

グリーンのデリバリー車。IMG_0602

ホールフーズを後にしてダンボ地区へ。

ダンボは、
「Down Under Brooklyn Bridge Overpass」の略。

そのブルックリン橋のたもとで、
摩天楼を背景に写真。IMG_0607

ホテルに入って、チェックインすると、
すぐに4班に分かれて、
それぞれステーキハウスへ。

私はスパークスステーキハウスへ。IMG_9123

12名での会食。
ローカルビールで乾杯。
IMG_0613

シュリンプカクテルに始まって、
シーザーサラダ、
そしてロブスター。
IMG_0614

サーロインとヒレのステーキを、
レアとミディアムで味わう。
もちろん赤ワインをお供に。
IMG_0615

最後はニューヨークチーズケーキとコーヒー。
大いに語り合って、よく食べた。

ニューヨークの夜。
地下から噴き出す蒸気。
IMG_9125
長いながい1日が終わる。

それでもニューヨークの小売業は、
さらに進化を遂げていた。

普通の店のストップ&ショップが、
皮肉なことに全体の進化を示していた。
(つづきます)

〈結城義晴〉

 

2025年02月06日(木曜日)

2015年に始まった「OICグループ米国研修」ニューヨークへ出発

朝7時過ぎに、
横浜シティエアーターミナルから、
横浜ベイブリッジへ。
IMG_8959.jpg2

横浜港とみなとみらい。IMG_8962.jpg2

今朝は富士が美しく見えた。IMG_8971.jpg2

月刊商人舎2月号を責了して、
気分も爽快。
IMG_0504

ちょっと渋滞したけれど、
羽田空港。
IMG_8976

国際線は第3ターミナル。
IMG_8978

意外に空いていた。IMG_8980

石破茂首相が今日の午後、
この羽田空港からアメリカに発つ。
ドナルド・トランプ米国大統領との初会談。IMG_8981

私たちはOICグループのニューヨーク研修。

2015年の1月から毎年、
厳冬のニューヨークを訪れる。
2021年と22年はコロナ禍で中止したから、
今年が9回目となる。

毎回180人くらいが参加する。

その間、ロピアは躍進を続け、
OICグループとなった。

急激な成長であっても、
膨張であってはいけない。

そのためには何よりも、
ロピアの思想や哲学が、
全員に貫徹されていなければならない。
揺れてはならない。

急速成長で幹部や社員は、
いろいろな企業から集まってきている。
各自の「本籍地」を大事にしつつ、
OICグループの「現住所」の考え方に、
共鳴・共感してもらわねばならない。

アメリカ研修はそのために行われる。
私がそれを教え、伝える。

今年も4班に分かれて、
同じ思想、同じ考え方で、
アメリカのチェーンストアを学ぶ。

その第一声。
IMG_0506

みんな不安そうだが、
まずは安心してもらう。IMG_0511

ロピアのコーポレートカルチャーを、
もっともっと磨き続ける。

そのために楽しみつつ学んでほしい。IMG_0509

2025年度1・2班の団長は、
柴田昇取締役中部ロピア営業本部長。IMG_0513
柴田さんらしく3つの注意点を、
簡潔に話してくれた。

では、行ってきます。
IMG_8982

私も燃えている。
IMG_8984

チェックインして、JALの桜ラウンジ。
いつものカレーライスとサラダと生ビール。 IMG_8991.jpg2

そしてJAL006便。
エアバスA350-1000。
「お世話になります」
いつも機体に向かってお願いする。IMG_8995

そのビジネスクラスの席。
ゆったりとしていて、
いろいろなものを整理しやすい。
IMG_8996

11時に乗り込んで離陸。
IMG_8997

すぐに眼下に東京湾。
IMG_9006

今日は大東京の街が鮮明に見えた。IMG_9009.jpg2

関東平野一円まで見渡せる気がする。IMG_9011.jpg2

富士は雄大だ。
この姿を眺めていると、
なんの根拠もないけれど、
日本は大丈夫だと思う。
IMG_9014.jpg3
ありがとう。

さてホンダと日産自動車。
12月中旬に経営統合に向けた基本合意書を交わした。
それを破棄する方針が固まったようだ。

持ち株会社方式を基本に協議したが、
統合比率などの条件が折り合わなかった。

自動車会社世界3位グループの誕生。
それはなくなった。

しかし現在のままの統合では、
やはり膨張だったのだろう。

どちらも賢い選択だったと総括されるだろう。
とくにホンダにとって。

成長のためには、
コーポレートカルチャーの、
すみずみまでの浸透が必須なのだ。

では、2週間とちょっとの間、
日本を空けます。

行ってきます。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年02月05日(水曜日)

商人舎2月号責了と「冷徹な悪意の成功例・善意の動機の失敗例」

北海道、東北、北陸。
歴史的大雪。

山陰や中部、九州、四国にまで、
大雪が降る。

お見舞い申し上げたい。

南関東だけが、
ぽっかりと残った印象。

雪は降らないけれど、
横浜も寒い。

今日は商人舎2月号の責了の日。
1日中、横浜商人舎オフィス。

昼過ぎに最後の原稿を書き終わって、
それから日課のスクワット。
IMG_0483 (002)

毎日同じではつまらない。
大きな手をはめて、
⑴スクワット35回。
⑵スロートレーニング20回。
IMG_0491 (002)

⑶逆スクワット20回。
これは速く立ち上がるスクワット。
IMG_0481 (002)
あとは、ひたすら校正。

全部終わって責了。

ありがとう。
今月号もデザイナーの力に助けられた。
七海真理さん、玉川昭子さん。

右が山本恭広編集長、
左が編集スタッフの鈴木綾子さん。
IMG_0502 (002)

[緊急特別企画]
西友はどうなる?!

商業経営問題研究会の座談会を、
まとめました。

楽しみにしてください。

もちろん実務特集は、
いい出来栄えとなりました。

2月10日を待ってください。

さてまたまた、
ドナルド・トランプ大統領。

パレスチナ自治区ガザに対して、
「米国が引き継ぎ、所有する」と言い出した。

ホワイトハウスで、
イスラエルのネタニヤフ首相と会談。
そのあとの共同記者会見で発言。

世界のメジャーなマスメディアは、
世界の首脳たちの一斉のブーイングを伝える。

国際法違反であることは明らかだ。

しかしこれもネタニヤフへのリップサービスか?

昨日のこのブログへのコメント投稿。
毎日、吉本一夫さんが書き込んでくださる。

「トランプは、
徹底した功利主義者だと思います」

「ただ、『よく誤解されるが、
功利主義の本質は実はWin-Winにある』と、
どこかで読みました。
トランプも、品がないだけで、
本質はそうだと信じたいです。
例えば、戦争は損だと、
トランプは思っていると思います」

私の返信。
「吉本さん、そこんところは同感です」

そして引用。
塩野七生『ローマ人の物語11』
「終わりの始まり」から。
91s83sOBnuL._SL1500_

「もしかしたら人類の歴史は、
悪意とも言える冷徹さで実行した場合の成功例と
善意あふれる動機ではじめられたことの失敗例で
おおかた埋まっている、
と言ってもよいかもしれない」

吉本さんが言っているのは、
トランプの「悪意とも言える冷徹さ」か。

「歴史に親しめば親しむほど
メランコリーになるのも、
人間性の現実から眼をそむけないかぎりは
やむをえないと思ったりもする」

人間性の現実を見つめると、
「冷徹な悪意が成功例を生み、
善意あふれる動機が失敗例をつくる」

憂鬱なことだが、
それが政治の歴史でもある。

塩野七生のこんなところが大好きだ。

塩野さんは、
マキアヴェッリのそういったところを、
高く評価した。

そして書いた。
『わが友マキアヴェッリ』
614HNXaS6ZL._AC_SL1200_

この本は実に面白い。
ずいぶん前に、出版されてすぐに読んだが、
ほんとうに勉強になった。

最後に商人舎流通SuperNews。

三越伊勢丹news|
第3Q売上高4175億円3.9%増・経常利益49%の大幅増

㈱三越伊勢丹ホールディングス。
2025年3月期第3四半期連結決算。

売上高が4175億円(前期比3.9%増)、
営業利益599億円(46.4%増)、
経常利益660億円(46.8%増)。
増収・大幅増益。

営業利益率は14.4%、
経常利益率は15.8%。

日本国内の免税売上高は、
過去最高額を更新。

首都圏の都心店舗だけではない。
地域店舗においても前年実績を大きく上回った。

百貨店はインバウンドによって蘇った。
百貨店にとって円安は追い風だ。

海外ではタイのバンコク中心部で、
「MITSUKOSHI DEPACHIKA」がオープンしている。
mitsukoshiisetan_depachika0

日本的なものが世界的に評価される。
それは実に有難いし、誇らしい。

政治は「悪意もあり」のようだが、
商売は本質的に「善意」によって成り立つ。

だから私は商売が好きだ。

〈結城義晴〉

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結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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