結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年10月07日(月曜日)

知的にコントロールされた戦いは「芸術」である!

Everybody! Good Monday!
[2019vol40]

2019年第41週、10月第2週。
もう秋真っ只中のはずだが、
まだまだ暑い日もあって、
地球温暖化の進捗を実感させられる。

だが、世界の両雄となった米中が、
この件に関して無神経であるから、
時代は20世紀に戻りつつある。

なんということだ。

月刊商人舎Webコンテンツ。
月曜朝一の2週間販促企画。

消費税が10%となった後の、
大手2社の消費喚起販促を取り上げる。

まずイオン。
グループを挙げたプロモーション展開。

ion
10月は「トップバリュ誕生50周年記念」
⑴50%増量セール
⑵ポイント還元プロモーション

⑵はイオンカード、電子マネー「WAON」、
共通ポイント「WAON POINT」が対象。

イオン九州は「本気の値下げ」。

5倍ポイントセールは当たり前。
10倍、20倍のボーナスポイントなど、
ポイント還元合戦はし烈だ。

予想通り。

しかし背に腹は代えられない。

そして西友。
新価格プログラム「超超得」を実施する。

これまでは「超得」「今トク」。
ウォルマートのロールバックと同じ。

その対象アイテムの中から、
さらに値引きして販売する。

「飲料・加工品など」と「生鮮」。
それぞれ数アイテムを選んで、
毎週3日間限定で展開。

飲料・加工品は週末の土・日・月、
生鮮食品は週中の火・水・木。

すでに8月から、
3つの新価格プログラムを展開中。
「超得」「今トク」「プライスロック」。
それに「超超得」が加わる。

セブン&アイはこれに加わらないが、
ドン・キホーテ&ユニーは、
「驚安」作戦だから、
大手流通業は消費増税に対して、
こぞって価格政策を採用することになる。

何しろこの消費増税前までは、
エブリデー高価格だったコンビニが、
国民の「血税」を活用して、
2%ディスカウントする。

だから大手は、
顧客の価格コンシャスに、
スケールで対抗する。

利益にはしばらく目をつむって、
「背に腹は代えられない」。

一方、キャッシュレス化
着実に進んでいる。

もちろん資本金5000万円以下の小売業。
従来、キャッシュレス決済の割合が、
3割強だった店は、
5割にまで上がっている。

1割から2割くらいは、
キャッシュレス化比率が高まる。

しかしだからといって、
売上高が上がるわけでもないし、
客数が増えるわけでもない。

顧客の心理は、
「ポイント還元、プレミアム商品券、
使わないという選択肢はないやろう」

佐藤健と鶴瓶が出演するCM。
ドリームジャンボ宝くじ。
「買わないという選択肢はないやろう」
200

さて「Harvard Business Review」、
最新号が届いた。
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一本特集は、
「従業員エンゲージメント」

巻頭の記事はこれ。
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ビジネスに「知性」を与えてくれる。
月刊商人舎もそれを志向する。

さて、今週末も、
台風19号が日本列島に近づく。

それでもスポーツ界に、
停滞はない。

ラグビーワールドカップは、
週末13日のスコットランド戦に向けて、
最高潮を迎える。

一方、カタールのドーハでは、
陸上世界選手権。
男子400mリレー決勝で、
日本チームは37秒43のアジア新記録。
2大会連続の銅メダル。

多田修平⇒白石黄良々⇒桐生祥秀、
そしてアンカーはサニブラウン・ハキーム。
〈日本陸上競技連盟公式サイトより〉
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2016年リオ五輪のアジア記録を、
0秒17短縮。

凄い記録だ。

女子ゴルフは畑岡奈紗が、
日本女子オープンで3度目の優勝。
この4年間は、
優勝⇒優勝⇒準優勝⇒優勝。
これも凄い。

そしてプロ野球クライマックスシリーズ。
セントラルリーグでは、
ペナントレース3位の阪神タイガースが、
2位だったDeNA横浜ベイスターズを、
雨中の闘いで破った。

最後は藤川球児が2回を抑えて勝利。
〈阪神タイガース公式サイトより〉
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パシフィックリーグも、
ソフトバンクスホークスが、
楽天ゴールデンイーグルスを撃破して、
最終ステージに進出。

ほぼ日の糸井重里。
「今日のダーリン」。
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「”敵を憎むというかたち”以外に、
戦いはあるはずだ」

同感。

「ラグビーには、
それが見えるのが気持ちがいい」
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「もしかしたら、
やせがまんをしているのかもしれないが、
それならそれでいいではないかと思う」

「”どういうやせがまんをするか”こそが、
その世界の文化なのだと、ぼくは思う」

そして糸井重里の秀逸コピー。
「”知的にコントロールされた戦い”は、
芸術である」

消費増税後の様々な政策に必要なのも、
「知的にコントロールされた戦い」である。
「芸術」と呼ばれるほどの商戦である。

“敵を憎むというかたち”以外の戦いである。

では、みなさん、今週も、
知的にコントロールされた商売を。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年10月06日(日曜日)

今月の商人舎標語「ビッグデータマーケティングしよう!」

商人舎今月の標語。
この公式ホームページの右段に、
「今月の標語」として掲載している。
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「過去の標語を見る」をクリックする。
すると新しいものから順に、
20の標語が現れる。

ずっとクリックしていくと、
一番最初は2008年6月の標語。

「節約、倹約。もったいない」

商人舎を2008年2月1日に発足させて、
このホームページをベースキャンプとした。

そして5カ月後から、
「商人舎今月の標語」を始めた。

今もこの標語の大切さは、
変わらない。

「節約、倹約。もったいない」は、
SDGs(持続可能な開発目標)の、
17の目標につながる。
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「商人舎今月の標語」は数えてみると、
137編ある。

2013年5月に、
月刊商人舎を発刊して、
その巻頭に「Message」を書き始めた。
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その後は、
雑誌のMessageのタイトルを、
今月の標語にしている。

こちらは77編となっているが、
一番最初の[2013Message of May]は、
「商売は科学だ」

リテールをサイエンスせよ。
いや、商売は勘と経験だ。
あなたは、どっち派?

現代の消費社会と情報社会を鑑みれば、
明らかに、サイエンス派が有利に見える。
しかし――。

多くの小売り現場では、
まだまだ「勘と経験」や、
変な「人間力」が幅を利かせている。

この時、最も人間臭いゲームの
「第2回将棋電王戦」において、
コンピュータソフトが
天才プロ棋士たちをなぎ倒してしまった。

そして人間の天才たちは述懐した。
「コンピュータを使ってでも
もっと強くなりたい」

だとすると商売も、
「強くなる」ために、
徹底的に科学しなければいけない。

心底、お客のためにと
思い詰めるならば、
サイエンスしなければならない。

そして
「商売は科学だ」と
胸を張らなければならない。

この境地に至って初めて、
「勘と経験」も
最高のレベルで活かされるのである――。

今でも商売の科学性は増すばかり。
この大潮流は変わらない。

そして[2019Message of October]
10月の商人舎標語。
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ビッグデータマーケティングしよう!

Marketをingする。
市場を現在進行形で、
揺さぶる、動かす。
それがMarketingだ。

マーケットをリサーチし、
マーケットをセグメントし、
ターゲティングし、
ポジショニングする。

製品のプロダクト、
価格のプライス、
流通のプレース、
販売促進のプロモーション。

カスタマーソリューション、
カスタマーコスト、
コンビニエンス、
コミュニケーション。

4つのP、
4つのC。
それぞれ相対的に呼応する。
それがマーケティングミックスされる。

生産・製品主導のマーケティング1.0、
顧客中心のマーケティング2.0、
人間と価値中心のマーケティング3.0。
そしてデジタル世界のマーケティング4.0。

売り手良し、
買い手良し、
世間良し。
三方良し。

モノやサービスがひとつ売れる。
ひとりのお客に売れる。
その一行の記録がデータである。
一行が無限に近づいてビッグデータとなる。

そして膨大になればなるほど、
ビッグデータはまた、
新しいマーケティングと結びつく。
新しい顧客満足と新しい顧客創造を繰り返す。

ビッグデータマーケティングは、
もっとも大事なノンカスタマーを明らかにする。
外の情報を組織内に教えてくれる。
そしてひるがえってひとりのお客を喜ばせる。

ビッグデータのマーケティングは、
ひとりのお客を裸にするものではない。
ひとりのお客に、
ひとりの自分を見つけ出させ、
ひとりのお客を「お薦めする人」に
変えていくのである。

〈結城義晴〉

2019年10月05日(土曜日)

ワールドカップラグビー「サモア対ジャパン」の地球の一廻り

第9回ワールドカップラグビー。
4つのグルーピング。
そのプールA。

日本、アイルランド、
スコットランド、サモア、
そしてロシア。

日本はロシアに勝ち、
アイルランドに奇跡を起こし、
第3戦はサモア。
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マッチ前のデレゲーション。
リーチマイケルを先頭に、
肩に手をかけて行進。
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これ、日本らしくて、
とてもいい。

君が代斉唱。
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サモアのWar Cry。
「闘いの雄叫び」
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キックオフ直前の「儀式」。

もっとも著名なのが、
オールブラックスの「ハカ」。
もちろんニュージーランド代表。

世界ランキング第1位のチームのハカは、
強いチームだからこそ、
なんというか威厳があって、
効力もある。

大相撲の横綱の土俵入りと同じだ。

100年以上も前に、
オールブラックスが始めた。

先住民族マオリは、
自らを鼓舞するために、
戦いの前に踊った。

それが取り入れられた。

現在は、冠婚葬祭で行われる。
学校の式典でも披露される。

War Cryをするのはほかに3カ国。
トンガ代表は「シピタウ」。
フィジー代表は「シビ」。

そしてサモア代表は、
「シバタウ」。
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ラグビーとサッカーの違いは、
この精神性や様式美にある。

竹中郁(たけなか いく)
1904年4月1日に生まれ、
1982年3月7日に没した。

明治生まれの詩人。

北原白秋に師事し、
モダニズムポエムを書く。

1932年刊行の詩集『象牙海岸』に、
シネポエム「ラグビイ」がある。

「ラグビイ」

1 寄せてくる波と泡とその美しい反射と
2 帽子の海
3 Kick off! 開始だ 靴の裏には鋲がある
4 水と空気とに溶けてゆくボールよ 楕円形よ 石鹸の悲しみよ
5 《あっ どこへ行きやがつた》
6 脚 ストッキングにつつまれた脚が工場を夢みてゐる

神戸製鋼の工場だろうか。
青年たちがラグビーの試合をしている。

詩人はそれを描く。

8 俯向いてゐる青年 考へてゐる青年 額に汗を浮かべてゐる青年 叫んでいる青年 青年 青年 青年はあらゆる情熱の雨の中にゐる 喜ぶ青年 日の当たつてゐる青年
9 美しい青年の歯

青年たちの観察と描写。
そして工場と労働者。

10 心臓が動力する 心臓の午後三時 心臓は工場につらなつてゐる 飛んでゐるピストン
11 昇る圧力計
12 疲労する労働者 鼻孔運動

ラグビイの花はタックルだ。

13 タックル 横から大きな手だ 五本の指の間から、苔のやうな人間風景
14 人間を人間にまで呼び戻すのは旗なのです 旗の振幅 《忘れてゐた世界が再び眼前に現れる》 三角なりの旗 悪の旗

15 工場の気笛 白い蒸気 白い蒸気の噴出、花となる
16 見えぬ脚に踏みつけられて、起きつづける草の感情 中に起きられない草 風、日に遠い風のふく地面

17 ドリブル六秒 ころがるボール 雨となるベルトの廻転
汗をふいて溜息する青年 歪んでゐる青年 《ボールは海が見たいのです》
18 伸び上る青年 松の尖つた枝々

密集のスクラムからトライへ。

19 密集! 機械の胎内 がつちりと喰ひ合つてゆく歯車
20 ぐつたりとする青年 機械の中へ食はれてゆく青年 深い深い睡眠に落ちこむやうに

21 何を蹴つてゐのだろう 
22 胴から下ばかりの青年 
23 《ああ僕は自分の首を蹴つてゐる》
24 Try!

番号が付けられたシネポエム。
30まで続いて、雨が降って終わる。

ワールドカップラグビーも、
この工場での闘いと変わらない。

Kick off。

タックル。

密集、スクラム。

Try!

俯向いてゐる青年
考へてゐる青年
額に汗を浮かべてゐる青年
叫んでいる青年
青年
青年
青年はあらゆる情熱の雨の中にゐる
喜ぶ青年
日の当たつてゐる青年

日本対サモア戦は、
38対19。

ペナルティキックでリードし、
トライを決めて勝ち越した。

そのトライも、
フォワードからバックスへつないでの、
見事なランニングトライ。

ドライビングモールトライ。

フォワードの突撃トライ。

ラストプレーでは、
粘りに粘ってスクラムからのトライ。
4トライのボーナスポイント獲得。
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堂々の、日本らしい勝利だった。

お見事!!

あとはスコットランド戦。

最後に再び竹中郁。
詩集『そのほか』から「足どり」。

足どり

見知らぬ人の
会釈をうけて
こちらも丁寧に
会釈をかえした

二人のあいだを
ここちよい風がふいた

二人は正反対の方向へ
あるいていった

地球を一廻りして
また出会うつもりの足どりだった

サモアのラガーとジャパンのラガー。
地球を一廻りして、
また出会おう。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2019年10月04日(金曜日)

9月調査の消費者心理低下と安倍首相所信表明の「あとすさり」

横浜商人舎オフィス。
そばを流れる新田間川。IMG_09749

南の空には雲。
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港のほうを振り向く。
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ランドマークタワー。
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やけに近く見える。
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遊歩道には緑。
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気分のいい一日。

しかし今日が、
月刊商人舎10月号責了日。
頑張ります。

さて、9月の消費動向調査。
消費者動向調査
一昨日、内閣府が発表。
消費者態度指数は35.6。
前月から1.5ポイントのダウン。
消費者マインドの度合いを示すが、
12カ月連続の悪化。

比較可能な2013年4月以降、
最低の水準。

言わずと知れた消費増税で、
消費者心理は冷え込んでいる。

調査方法が異なるが、
東日本大震災後の2011年6月以来の低さ。

この消費者動向は4項目で測る。
①暮らし向き
②収入の増え方
③雇用環境
④耐久消費財の買い時判断
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いずれも前月より低下。

安倍晋三内閣は、
キャッシュレス決済ポイント還元や、
プレミアム付き商品券の発行など、
数々の施策を打ち出した。

それでも消費者心理は、
ひどく冷え込んだ。

今日から第200回臨時国会。
内閣総理大臣の所信表明演説
20分の演説の全文を読んでみたし、
テレビでちょっと演説を聞いたが、
私には響くところは少なかった。
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第1に「一億総活躍社会」をアピールし、
第2に「地方創生」や成長戦略を主張し、
第3に外交と安全保障を語った。
「自由貿易の旗手」だとか、
「地球儀を俯瞰する外交」だとか、
ちょっと目新しい言葉遣いをしたが、
中身はない。

最後は「道しるべは憲法です」
「令和の時代に、日本が
どのような国を目指すのか。
その理想を議論すべき場こそ、
憲法調査会ではないでしょうか」

この「憲法調査会」は言い間違い。
「憲法審査会」でなければいけない。

あとで野党幹部から、
盛んに皮肉られた。

しかし一昨日の、
消費者心理の冷え込み調査発表は、
今日の所信表明演説全体を、
皮肉に覆いつくしていた。

残念!!!!

朝日新聞「折々のことば」
第1600回。
あさってから
手紙がくるよ

あしたのことが
書いてある


あしたってつまり
きのうのこと

あしたのわたしは
ごきげんですか

(多田智満子さんの詩「夏の手紙」)
〈『封を切ると』から〉
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「あさって」からの手紙に続いて、
「おととい」からも手紙が来る。

その手紙に書いてあるのは、
きのうのわたしは
ごきげんですか

安倍首相にも、
おとといの消費動向調査から、
消費マインド低下の手紙が来る。

ごきげんなはずはない。

わたしをあしたに
渡しかね

すすむつもりで
あとすさり

ああ、ぴたり。

すすむつもりで
あとすさり

仕方ない。
それが今の日本だ。

商業が消費者マインドを高めよう。

それでも必要なのは、
いつもの私の言葉。

小さな喜び
ささやかな幸せ
明日への希望

〈結城義晴〉

2019年10月03日(木曜日)

関西電力高浜原発問題の「はづかしやおれが心と秋の空」

男心と秋の空。
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変わりやすい秋の空模様。

その秋の空の下に、
ダイエー横浜西口店。

建て替えされ、
大リニューアルする。
そしてダイエーの名前は消える。IMG_0955

「秋の空」は高い。

澄み切っていて、
美しい。

天高く馬肥ゆる秋。

秋の移動性高気圧は、
乾いた空気をもたらす。
だから低層雲は払われる。

空は澄み切って、
高層雲が発達する。

ただし秋の天気は、
低気圧と高気圧が交互に起こる。
台風もやってくる。

天気は変わりやすい。

しかし、変わりやすいのは、
男心だったか、女心だったか。

実感や経験は別にして、
このことわざができたのは、
江戸時代だそうだ。

男心と秋の空。

こちらが先だ。

江戸の昔、
既婚男性の浮気には、
世間も寛大だった。

藤沢周平の小説など読むと、
ときにそうでもない表現も出てくるが、
変わりやすいのは男だった。

一方、女心。
イギリスのことわざ。
“A woman‘s mind and winter wind change often”
「女心と冬の風はしばしば変わる」

レディーファーストの国では、
女心が変わりやすいらしい。

ヴェルディのオペラ「リゴレット」に、
有名な「女心」という歌がある。

風の中の
羽のように
いつも変わる
女心――。
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明治、大正、昭和と、
女性の権利が認められ、
男女同権になるにしたがって、
「女心と秋の空」の言葉も、
権限を増してきた。

小林一茶。
はづかしや
おれが心と秋の空

感服。
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今日は月刊商人舎10月号入稿の追い込み。
1万1000字の原稿を書いて、
疲労困憊。
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たった一人の夜のオフィスで、
自撮り。

疲れてくると、
右目にそれが出る。

白内障、網膜剥離、
そして緑内障。

私の右目は、眼病の百貨店。

原稿書きの合間に、
ちょっと校正もする。

もう40数年やっているが、
最近はすぐに飽きる。
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年だ。

さて、関西電力。
高浜原発の福井県高浜町。
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故人となった元助役から、
関電首脳らが、
金品を受け取っていた。

2度目の記者会見で、
その内部調査報告書が開示された。

朝日新聞は今日の社説であきれた。

現金、商品券、
仕立券付きスーツ生地、
金貨、米ドル、etc。

総額1億円を超えた役員が、
2人、いた。

関電の発表は、
「20人で3.2億円」

この社内報告書によると、
元助役は地元の有力者で、
「金品を受け取らない」と、
厳しく叱責することが多々あった。

「機嫌を損ねては原発事業に
影響しかねないとの心配から受け取り、
返却の機会をうかがいながら
個人として保管していた」

信じがたい言い訳だ。

金品を受け取っていたのは、
原子力事業本部の幹部が大半。

「授受は同本部で引き継がれていた」

関電は1年前に報告書をまとめた。
岩根茂樹社長と八木誠会長が、
報酬を一部返上。

一応の社内処分はされた。
しかし一連の対応を非公表とし、
取締役会にも報告しなかった。

八木会長や原子力事業本部の幹部らは、
金品を受領したまま昇進を重ねた。

岩根社長も就任祝いで金品を受け取った。
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そして岩根社長、八木会長は、
引責辞任を否定している。

まったくひどい話である。

「関電心」は、
「秋の台風」も、
屁とも思わない。

原子力発電という事業は、
人の心を病ませる。
そのうえ病んでいることにすら、
ひどく鈍感にする。

近江商人の三方良し。
売り手良し、
買い手良し、
世間良し。

しかしこの「世間」が、
「原発村」という村社会の世間であったら、
真の「三方良し」とはならない。

「世間」は公明正大な、
社会全体でなければいけない。

そしてこの「原発村」が、
「流通村」や「小売り村」になりかねない。

「スーパーマーケット村」、
「コンビニ村」、
「ドラッグストア村」であっても、
それが「矮小化された村」ならば、
「関電」の「原発村」と同じだ。

以て自戒とすべし。

はづかしや
おれが心と秋の空

脱帽。

〈結城義晴〉

2019年10月02日(水曜日)

百貨店の消費増税駆け込み購買と”Que Será, Será”

“Que Será, Será”
「ケセラセラ」
“Whatever will be, will be”
「なるようになるさ」

ドリス・デイの歌声が、
耳に蘇る。

1956年のヒッチコック映画、
『知りすぎていた男』の主題歌。
ドリスは主演女優。
ジェームズ・スチュワートが主演男優。The_Man_Who_Knew_Too_Much_(1956_film)

10月が始まって、
消費増税と軽減税率導入。
キャッシュレス決済のポイント還元。

“Que Será, Será”
“Whatever will be, will be”
「なるようになるさ」

制度は複雑、
トラブルが相次いだ。

値段が間違ったり、
券売機が利用できなくなったり。
スマホが機能しなかったり。

欧米の8%や12%・13%の軽減に比べると
たった2%の軽減。
中小企業のキャッシュレス決済に、
9カ月間のポイント還元があっても、
生活がひっ迫する人々には、
長期的に家計が苦しくなる。

不安は募る。

だから価格コンシャスは高まる。

しかし知識商人は、
右往左往すべからず。

“Que Será, Será”
“Whatever will be, will be”
「なるようになるさ」

顧客は、
親切な店、
便利な店、
感じの良い店、
きれいな店、
安い店、
嘘のない店で、

買物してくれる。

信頼する店に、
やって来てくれる。

昨日の10月1日は、
中華人民共和国の国慶節
それも建国70周年の記念の日。

1949年10月1日、
毛沢東が建国を宣言した。
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昨日の習近平国家主席。
「いかなる勢力も、
中国国民や中国国家の前進を
決して止められない」

しかし香港では大規模な抗議デモの際、
18歳の高校生が警官に左肩を銃撃された。

ああ。

今日の10月2日は、
マハトマ・ガンディーの、
150回目の誕生日。

「非暴力・不服従」を貫いた、
インドの独立運動家。
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インドでは「ガンディー記念日」の休日。
2007年国連決議で、
「国際非暴力デー」。
“International Day of Non-Violence”

しかし今日も、
世界から暴力はなくならない。

あ~あ。

私は1日中、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎10月号の原稿書き。
疲れ気味。
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さて商人舎流通スーパーニュース。
9月の百貨店営業報告が続々。

三越伊勢丹news|
地域事業会社全社が二桁増の高い伸び
高島屋news|
33.2%増/消費増税前の駆け込み需要
J.フロントnews |
30.8%増/増税前に宝飾品・高級ブランド好調
H2Onews|
阪急阪神百貨店21.2%増/増税駆け込み需要

9月の百貨店販売実績は、
軒並み前年比3割増、2割増。
消費税が上がる直前の駆け込み需要。

しかしH2Oの食品事業は、
(株)イズミヤが101.1%、
阪急オアシスが97.2%。

そして、
ユニクロnews|
9月既存店売上高4.2%減・客数0.4%伸び

同じアパレルを売っていても、
ユニクロには駆け込み購買はなかった。

百貨店は明らかに駆け込み購買。
その反動は必ずやってくる。
自らの売上げの先食い。
喜んでばかりもいられない。

ただし駆け込み需要でも、
何とか特需でも、
取れるところは取っておかねばならない。

“Que Será, Será”
“Whatever will be, will be”
「なるようになるさ」

The future’s not ours to see
「未来は私たちには見えない」
Que sera, sera
「ケセラセラ」
What will be, will be
「なるようになるさ」

だから未来を予言するな。
ひたすらモニタリングせよ。

そうすれば、
すでに起こった未来が見えてくる。
そして未来は確実にやってくる。

〈結城義晴〉

2019年10月01日(火曜日)

消費税率「5パターンの混沌」へラグビー日本代表と同志的に闘え!

10月1日。

神無月。
3月から勘定して8番目、
だからOctober。

今日から消費税が上がる。
syouhizouzei
まだシステムが追い付かない店もある。
システム切り替えの投資額が大きくて、
廃業する店もある。

さらりと2%だけ、
上げておけばよかったのに。

しかし、知識商人は、
右往左往すべからず!

日経新聞「きょうのことば」は、
ずばり「消費税」。
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その日経による定義。
「モノやサービスを取引する際にかかる間接税」

ただし消費税は多段階間接税。
製造業、卸売業、小売業・サービス業に、
それぞれの段階で課税される。

売上税は単段階間接税。
小売業・サービス業の最終段階に課税される。

日本やヨーロッパが消費税、
アメリカが売上税。

日経新聞。
「特定の人に負担が偏らず、
多くの人に薄く負担がかかる。
累進課税制度がある所得税に比べ、
低所得層に負担が重いとされる」

税金には2つの種類がある。
直接税は負担者がそのまま納税者となる。
間接税は負担者と納税者が異なる。

直接税は所得税や法人税などで、
間接税の代表が消費税や売上税。
このほかに、
「酒税」のごとく特定品目の税がある。

日本で消費税が初めて導入されたのは、
竹下登改造内閣の1989年4月。
平成時代に入ってからだ。

税率は3%でスタートしたが、
このころは直接税と間接税の比率は、
国と地方を合わせて、
79対21だった。

1997年4月に5%に引き上げられ、
2014年4月には8%に上がった。
そこで2018年度の直間比率は、
68対32に変わった。

さらに今日からの消費増税で19年度は、
67対33となる見込みである。

平成の30年間、そして令和になっても、
消費税を軸とした間接税シフトが、
日本税制の基調となってきている。

きょうのことば。
「2019年度の一般会計予算で
消費税収は19.4兆円で、
全体の約3割を占める」

「政府は、
10%への引き上げによる税収を
年間約5.6兆円と見積もる」

「2.8兆円は少子化対策や
低所得の高齢者支援などに回し、
残りの2.8兆円を
借金の返済などに回す方針だ」

この国の借金は1000兆円を超えている。
2019年度末の長期債務残高は、
1122兆円に達する見込みだ。
これは国内総生産の約2倍となる。

それなのに増税対策として、
2兆3000億円もの大盤振る舞いがなされる。

それがポイント還元などに使われる。

ああ。

さらりと2%だけ、
上げておけばよかったのに。

今回の増税対策によって、
結果として消費税率は5通りとなる。

⑴増税された標準税率の10%。

⑵食品や新聞の軽減税率の8%。
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⑶コンビニなどフランチャイズ店の、
キャッシュレス決済の6%。
コンビニはポイント還元分2%を、
即時還元、つまり割引する。
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⑷中小企業には、
キャッシュレス決済の優遇策が施される。
ポイント還元5%だから、
標準税率は5%。

⑸中小企業の軽減税率商品は、
結局、3%となる。

これで10%、8%、6%、5%、3%、
「5パターンの混沌」となった。

その中小企業も、
キャッシュレス決済の登録は、
約200万軒のうちの4分の1ほどだから、
登録していない店は、
標準税率10%と軽減税率8%。

そこでたいてい、店の側は、
少しでも「得」をしようと、
策を弄する。

顧客の側も、
少しでも「得」をしようと、
あれこれ算段する。

結局、これは、
「損得」を優先する取引になる。

私が一番、憂慮しているのは、
商売十訓の第一訓が、
ないがしろにされてしまうことだ。

「損得より先に善悪を考えよう」
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もちろんお客様にとって、
「得」になることには、
あくまで敏感であるべきだ。

しかしそれが、
店の信頼につながることなのか。
お客様と長いながいお付き合いが、
できることなのか。

そのことをいつも考えていたい。

ただし損得よりも善悪を考えても、
価格競争は絶対に激しくなる。
5%還元されない企業が、
5%分の安売りや販促を、
次々に仕掛けてくるからだ。

激烈な肉弾戦。
㈱ヤオコー川野幸夫会長が言う、
「体力勝負」。
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その体力勝負をしながら、あくまで、
フェアーな態度をとり続けねばならない。

そのためには、
「ティンバーゲンの定理」
政策目標の数と政策手段の数は
同じにしなければならない。

「ティンバーゲンの定理」考案者は、
オランダの経済学者Jan Tinbergen。
1969年、世界初のノーベル経済学賞受賞。
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「N個の独立した政策目標を
同時に達成するためには
N個の独立した政策手段が
必要である」

「2つやりたいことがあったら、
2つの対応策を準備せよ」

価格対策の目標には、
徹底したローコスト&ロープライス。

付加価値開発の目標には、
そのための徹底的な対策。

両方、同時に対策を準備して、
徹底してやらねばいけない。

そう、この定理は私たちが感動した、
ワールドカップラグビー日本代表の戦略だ。

肉弾戦のフィジカルな強化と、
精神戦のフェアな心の養成。

つまり今日から、
日本の心ある商業が、
ラグビーワールドカップのような闘いに、
突入するのだ。
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リーチマイケル率いる、
日本のフィフティーンと、
まさに同志的な心持ちで、
勝ち抜く闘いである。

ともに、頑張ろう。

〈結城義晴〉

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