結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年09月03日(土曜日)

立教・結城ゼミの「リベラルアーツ」と「功成って而も居らず」

今日は東京・池袋。
メトロポリタンホテルの隣の、
ブルーオーシャングリル。

立教大学大学大学院ビジネス研究科、
私は5年間、特任教授を務めたが、
その私のゼミを結城ゼミという。

5年間で30人の修士を育てた。
その結城ゼミのOB・OG会。
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結束の固いゼミで、
私が退任した後も、
定期的に集まって懇親を深め、
近況を報告し合ったり、
互いに協力し合ったりする。

昨日、私の誕生日だったので、
最後に花束を贈ってくれた。14199776_1070798286336708_1129743693699109167_n

結城ゼミ2期生の児玉桜代里さんから。
現在、明星大学経営学部准教授。14203304_1070798293003374_5931232981897953877_n

そして最後に、全員で写真。14199358_1070798353003368_8461138589853808102_n
ありがとう。

さて、昨日の日経新聞『大機小機』
テーマは、
「人材育成の指針」

「企業は人なり。
人材の発掘と育成は
企業の最重要課題である」

「企業活動がグローバル化し
急速に多様化するなか、
ハウツー的な人材育成は
多少は役に立つが、
ゴーイングコンサーンとして、
その大黒柱を背負って立つ人材を
育成するには物足りない」

「不易的、普遍的、
原理主義的な
コンセプトを
実践、習得させる
エリート教育が
なくてはならない」

大学院教育は、
このエリート教育である。

企業内大学も、
趣旨は全く同じだ。

やや原理的になるが、
リーダーに要求される基本は
「知力」「体力」「胆力」。

コラムニストは、
必要な考え方を並べる。
「平常心」「自然体」
「正々堂々」
「誠心誠意」

さらに難しいことだが
「無私の心」を持つこと。

次に徳目を身につける、
「徳・仁・礼・信・義・智」

並行して、
「進取の気性、
旺盛なる冒険心、
革新的思考、
目標達成意欲、
国際性、社会性」

これらは実践の場で習得させる。

「一巡するとスパイラル的に
質を高めながらサイクルを回す」

最後に、
「意識してリベラルアーツ
向上を課していくことで、
さらに魅力ある、
世界に通用する
人材を育成できる」

このリベラルアーツこそ、
立教大学が1874年の創立以来、
教育の理念に掲げる考え方である。

「リベラル・アーツ教育は、
知性、感性、そして身体のバランスを
配慮した全人格的な教育であり、
一人一人のさまざまな可能性を
育もうとするもの」

結城ゼミのみんなも、
それは忘れないでほしい。

今日も最後は『老子』
その第二章。
小川環樹訳注。

天下、皆(みな)
美の美
(た)ることを知る、

(これ)、悪なる己(のみ)

天下すべての人がみな、
美を美として認めること、
そこから悪さ(みにくさ)
(の観念)が出てくる。

皆、善の善
為ることを知る、

斯、不善なる己。

(同様に)
善を善として
認めること、

そこから不善(の観念)
出てくるのだ。

美から醜さが出てくるし、
善から不善がでてくる。

(まこと)
有無相生(うむあいしょう)じ、

難易相成(なんいあいな)し、
長短相形(あら)わし、
高下(こうげ)相傾け、
音声相和し、
前後相随(したが)う。

有と無はたがいに
(その対立者から)生まれ、

難しさと易しさは
たがいに補いあい、

長と短は明らかにしあい、
高いものと下(ひく)いものは
たがいに限定しあい、

音と声はたがいに調和を保ち、
前と後ろはたがいに順序をもつ。

これはヘーゲルの考え方と同じ。

(ここ)を以て聖人は、
無為(むい)の事に処(お)り、
不言(ふげん)の教えを行なう。

それゆえに、聖人は
行動しないことにたより、
ことばのない教えをつづける。

これがわかりにくいし、
なかなかできない。

万物は作(つか)われて
(しか)辞せず、

生じて有せず、
為して而も恃(たの)まず、
功成って而も居(お)らず。

万物はかれによって
はたらかされても、

(その苦労を)いとわないし、
かれは物を育てても、
それに対する権利を
要求せず、

何か行動しても、
それによりかからないし
仕事をしとげても、
そのことについての
敬意を受けようとはしない。

ここが大事なところ。
私もこうありたいと思っている。

(そ)れ唯(ただ)居らず、
(ここ)を以て去らしめられず。

自分のしたことに
敬意を受けようとしないからこそ、
かれは(到達したところから)
追いはらわれないのである。

ありがとう、こころから。

〈結城義晴〉

2016年09月02日(金曜日)

9月の商人舎標語「小さな兆し・大きな変化」を実体験せよ!

9月2日。
結城義晴、
64回目の誕生日。

自分ではさして感慨もない。

しかしソーシャルネットワークの時代、
多くの人々に祝っていただいた。

心から感謝したい。

「何のために」人間は
生きるかという問い

……を拒否することが
〈生きる〉ということの
現実性だというだけです。
(吉本隆明『どこに思想の根拠をおくか』)

今日の朝日新聞『折々のことば』
不思議だ、こんな日にこんな言葉。

鷲田清一さん編著。

「『何のために』と問う前に、
人はすでに現実の内に
どっぷり浸かっている。
全体を見通せず、またたやすくは
足を抜けない場所に立っている」

同感。

「人には泣く泣くせざるをえないこと、
『なしくずしにずるずると』
生きざるをえないこともあり、
なぜそうなるのかを問うほうが先だ」

然り。

しかし、それはもう、私、
解決した。

そして今日は、
月刊商人舎9月号の最終責了日。
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午前3時に目を覚まし、
深夜の3時になっても終わらない。

にもかかわらず、
束の間、『老子』を読んでいる。
中公文庫の小川環樹訳注。
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その第一章。

(みち)の道(い)う可(べ)きは、
の道に非(あら)ず。
名の名づく可きは、
常の名に非ず。

「道」が語りうるものであれば、
それは不変の「道」ではない。
「名」が名づけうるものであれば
それは不変の「名」ではない。

「道」とは究極の存在。
すべての根源、本体のこと。
「名」は「名称」のこと。

「道」は語れるものではない。
それを語りすぎる。
「名」はそうやすやすと、
名づけられるものではない。

不変の「道」や不変の「名」で、
なければならない。

名無きは、
天地の始めにして、

名有るは、
万物の母なり。

天と地が出現したのは
「無名」(名づけえないもの)からであった。
「有名」(名づけうるもの)は、
万物の(それぞれを育てる)母にすぎない。

(まこと)
「常に欲無きもの、
以て其(そ)の妙(みょう)を観(み)
常に欲有るもの、
以て其の徼(きょう)を観る。」

まことに「永久に欲望から
解放されているもののみが
『妙』(かくされた本質)をみることができ、
決して欲望から解放されないものは、
『徼(きょう)』(その結果)だけしか
みることができない」のだ。

まったくの同感。
以て自戒とすべし。

此の両(ふた)つの者は、
同じきより出でたるも
(しか)も名を異(こと)にす。

この二つ(つまり無名と有名)は
同じものから出てくるが、
それにもかかわらず名を異にする。

同じきものは之(これ)を玄と謂(い)う、
玄の又(また)玄、衆妙の門なり。

この同じものを「玄」(神秘)とよぶ。
(いやむしろ)「玄」よりも
いっそう見えにくいもの
(というべきであろう。
それは)
あらゆる「妙」(本質)が出てくる門である。

欲望から解放された者だけが、
本質を知ることができる。
欲望から解放されない者は、
結果しか見ることができない。

ああ、私は64歳にして、
欲望から解放されたのか。

最後に自問する。

では、今月の商人舎標語。
[Message of September]

「小さな兆し・大きな変化」を実体験せよ!

何かが大きく変わるとき、
どこかに変化の兆しが現れる。
その兆しは小さなものかもしれない。
しかし必ず兆しは現れる。

さらに何か大きな変化が起こるとき、
兆しはいくつも現れる。
あっちこっちに兆しが現れ、
それらが呼応し合って大きな変化を促す。

小さな兆し、
大きな変化。

それは突然変異のように
生まれるわけではない。
何らかのプロセスをたどりながら、
原因が結果を生み出す。

小さな予兆は
因果の
最初の
ランプの点滅である。

小さな現象の先に、
大きな変化が待ち受けている。
小さな兆しの先に、
コペルニクス的転換が控えている。

小さな兆し、
大きな変化。

2016年のアメリカ小売産業に、
その兆しが表れている。
Walmart has stopped!
Amazon is growing!

365 by Whole Foods Marketが登場し、
Trader Joe’sにInnovationは見られない。
Nebraska Furniture Martは大繁盛し、
Berkeley Bowlはパワーアップする。

巨大化した企業がさらに統合を重ねる。
一方で業態概念は衰退しつづける。
チェーンストアコンセプトは限界を見せ、
地域対応、個店対応、個人対応を迫る。

それでも米国小売業には、
不思議なエネルギーが満ち溢れている。
最先端の変化の魅力が沸き立っている。
だから私たちは引き寄せられる。

自分の目で見よう。
自分の耳で聞こう。
自分の五感で感じよう。
現場で実体験しよう。

小さな兆しを、
大きな変化を。

自分の目で見よう。
自分の耳で聞こう。
自分の五感で感じよう。
現場で体験しよう。

〈結城義晴〉

2016年09月01日(木曜日)

ユニー・ファミリーマートと吉野家・安部修仁の「商人の誇り」

9月1日。

通常の年は、
今日が二百十日。

しかし閏年には昨日の8月31日が、
立春から数えた210日目。

したがって今年の今日は、
二百十一日。

2016年が3分の2を終了。
あと4カ月で今年が終わる。

初めにお知らせ。
9月1日の今日、
商人舎公式ホームページのスマホ版が、
ちょっとだけ見やすくなりました。

さて、AJSネットワークが届いた。
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私の連載はもう105回目。
今回のテーマは、
「模倣・創造」と「希少性・模倣困難性」

「模倣」ばかりしていると、
感覚が麻痺して「盗用」に陥りやすい。
恐ろしいことです。

ジェイ・B・バーニーの理論からして、
「模倣」だけの組織には、
「模倣困難性」が存在するはずもない。

そのことを書いた。

ご愛読、お願いします。

なお、今号で、
荒井伸也名誉会長の連載、
「知行合一」は、
14回の幕を閉じた。

ちょっと唐突感は残ったが
ほんとうにご苦労様でした。

最後の言葉は、
「生まれ変わっても、私は、
またスーパーマーケットを
自分の仕事として選びたいと、
本気でおもっている」

お見事です。
感服、感謝。

さて、今日、
新会社が誕生した。

ユニー・ファミリーマート・ホールディングス。
MARK
Daily商人舎で取り上げた。
第三極ユニー・ファミリーマートHD、
9月1日の今日発足

現在の日本小売業界は、
第1位がイオン、年商8兆1767億円。
第2位がセブン&アイ・ホールディングス、
6兆0457億円。

ユニーグループが1兆0387億円で、
ファミリーマートは4277億円。
単純足し算で1兆4664億円。
ただし、ファミリーマートの、
加盟店を含む全年商は、
2兆0056億円だから、
こちらを足し算すると3兆0443億円。

明らかに日本小売業界の第三極の誕生だ。

もしかしたら、
これからの売上高ランキングは、
フランチャイズ加盟店も含めた試算で、
行わねばならないかもしれない。

この計算でいけば、
セブン&アイのほうも、
セブン-イレブンの売上高を足して、
年商9兆5430億円となる。

イオングループのほうも、
ミニストップや持ち分法適用会社など、
全部含めなければならず、
こちらは10兆円を超える。

いずれにしても、
ユニー・ファミリーマートの皆さんは、第三番手の自覚と誇りをもって、仕事に励んでほしいと思う。

それが西川俊男さんら、
創業者や先輩に対する礼儀だし、
顧客に対する責任だ。

さて、悲しいニュースは、
ベラ・チャスラフスカさんの逝去。
74歳だった。

1964年東京五輪で、個人総合優勝。
平均台、跳馬でも金メダル。
次のメキシコ五輪では、
個人総合連覇、種目別の3種目で金メダル。
通算7つの金メダルを獲得。

現在のサーカスもどきの演技ではなく、
美しさ、優雅さを持った女子体操だった。

私は本当にあこがれた。

このブログでも書いたが、
68年夏の「プラハの春」で、
民主化アピール「二千語宣言」に署名。

そのため、
チェコスロバキアの社会主義政権下で、
圧力を受け、職を失い、
体操界から追放された。
「名前を偽って掃除婦の仕事をしていた
……スカーフをかぶって変装」など、
来日して語った。

しかし1989年の「ビロード革命」で、
社会的地位を復権させて、
大統領補佐官や、
チェコ・オリンピック委員会会長、
さらに国際オリンピック委員会委員など、
歴任。

ご冥福を祈りたい。

あこがれの人が、
また一人逝った。

日経新聞『私の履歴書』には今月、
安部修仁さん登場。
吉野家ホールディングス会長。

すごく楽しみだ。

第1回は「逆境越えて」

吉野家は申(さる)年が節目だという。

まず1980(昭和55)年7月15日。
この朝、東京地裁に、
会社更生法の適用を申請。
「そんな重大な日に私は
会社に無断で欠勤し、
昼ごろ同僚からの電話で倒産を知る」

「『嫌気がさしてバックレた』と話したが、
本当は過労でぶっ倒れて
床に伏せっていた」

すごい出だしだ。

このとき30歳。

吉野家の創業は1968年、申年。

安部さんも福岡生まれの九州男児だが、
バンド活動をしながら、
吉野家で働き始める。
18歳だった。

12年後の80年に倒産。
その12年後の92年には、
再建に協力したセゾングループが、
経営不振に陥って、
吉野家の経営体制が急変し、
安部さんは42歳で社長就任。

その12年後の2004年は、
米国で発生したBSE問題が発生し、
売上高の9割を牛丼で稼いでいた吉野家は、
絶体絶命。

全面再開まで約4年、
安部さんは悪戦苦闘。

さらにその12年後の今、
「社員として初配属された築地店は
築地市場移転とともに閉め、
豊洲新市場店を11月に開店するはず」

それが小池百合子都知事誕生とともに、
微妙なことになった。

安部修仁の申年人生。

この1カ月が楽しみだ。

「今、吉野家には世界中で一日に約90万人が来店してくださっている」
安部修仁の誇らしげな一言。

商人は誇りをもって、
生きなければいけない。

〈結城義晴〉

2016年08月31日(水曜日)

「寒い消費・値下げの夏」の経験価値と紀文お正月フォーラム

2016年8月最後の日。

台風10号は記録的な豪雨をもたらした。
岩手県では11名の方々の命が奪われた。
北海道では3名の行方不明。

ああ。

地震列島の日本、
台風列島でもある。

いつもいつも、
高齢者や弱者が被害に遭う。

私たち自身の社会として国として、
本当に悲しいことだ。

心から哀悼の意を表したい。

8月最後の日の今日は、
様々な変化のニュース。
その中から三つを選んだ。

まず東京・築地場外市場の、
豊洲への移転が延期される。

世界最大のシーフードの中央卸売市場。
今年11月7日の移転予定に、
小池百合子知事がストップをかけた。

そんなに簡単に延期できるのか、
そんなにずさんな計画だったのか。

当事者ではないので、
判断はできないけれど、
小池知事の言う「都民目線」と、
市場関係者の「業界目線」と、
これを推進してきた「政治家目線」と。

ここは、絶対に、
「売り手良し、買い手良し、世間良し」
「三方良し」でお願いしたい。

日経新聞調査。
「寒い消費 値下げの夏」

全国約440小売店の日経POSデータで、
食品50品目、日用品30品目を調べた。

7月段階で前年同月比で、
値上がりは38品、値下がりは42品。
全体の52.5%が値下がり。

値下がりの内訳。
食料品24品目、日用品18品目。

この値下がりの理由。
社会保険料負担増などによって、
所得は伸び悩んでいる。
将来不安もある。

つまり消費者心理の萎縮。

それにチェーンストア各社が対応しようと、
値下げに踏み切る。

つまり低価格消耗戦。
しかし、これは私の持論だが、
低価格作戦には限界がある。

この「安さ」に関して、
昨日の朝日新聞『折々のことば』

どんどん安くなっていく新品ばかりを
買い続けていくとどうなる。
全部サラに買い換えたら
残された私はどうなる。
(京都・錦の漬物屋店主バッキー井上)

編著者の鷲田清一さん。
「修繕するより
新しいのを買うほうが安いというのは、
かんに障るけれど本当だ」

これこそコモディティ化現象の典型。
新しいものほど、
品質や内容は良いし、安くなる。

バッキー井上は、
日本初の酒場ライターでもある。
「だが安いのがいいなら
誰もバーなんかに行かない。
しみる、落ちつく、ゆるむ、
泣かせる場所がサラになれば、
そこに通う理由も失せる」

新しくて安ければいいかといえば、
酒場は、そうではない。

経験価値が酒場商売にはある。
これが面白い。

小売店舗も経験価値の場であれば、
価格だけの消耗戦から脱出できる。

さて、昨日に引き続き、
今日も東京・東銀座の時事通信ホール。
「紀文お正月フォーラム2016」
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新橋から東銀座までタクシーで移動。
今、新橋駅では、
初乗り410円タクシーの実証実験中。
そのタクシーに乗ってみた。
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東銀座まで500円コインでおつりがくる。
730円の初乗り車に比べ、得した気分。

新宿と新橋の駅前で実験中。

会社での仕事が長引いてしまい、
今日は山本真砂美さんの提案から参加。
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北海道から中部までの、
40社80名のトップ、幹部、
そしてバイヤーの皆さんが参集。

正月商戦では、
既存顧客、新規顧客の取り込みを
いかに行うか。

それが紀文の今年のテーマだ。
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結婚情報誌『ゼクシー』とのタイアップなど、
今年の紀文は面白い。

さて、講演の最中も、
会場の外では、
スタッフが懸命に懇親会の準備。
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あっという間に、
テーブルセッティングが完了。
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そして、最後は、
結城義晴の正月商戦提案。DSCN8649-1

今日は昨日よりも少し力が入った。
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アメリカでは7月4日の独立記念日が終わると、
ホリデーシーズンまでに、
4段階でプロモーションを仕掛ける。
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日本も正月商戦まで、
消費を喚起し続けなければならない。
消費の基調、マーケティングの考え方などを、
昨日同様に、提示した。
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低価格消耗戦が予想される秋から年末。
もちろん低価格対応すべきところはする。
しかし、それだけでは勝利はない。
経験価値マーケティングも、
「全店惣菜化」も必須である。

最後は日本代表のハリルホジッチ監督。
その言葉が今の小売業界をも表現している。
「負けるための準備はするな!」
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これが私からのメッセージだ。
つまり低価格消耗戦からも、
逃げ出してはいけない。
それだけでもいけない。

どうするかは、
このフォーラムで示された。

ご清聴に感謝したい。

講演会を終えると、
セッティングされたテーブルを囲み懇親会。
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心づくしの和食が供され、
酒がふるまわれる。
これがとても美味。
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㈱いなげや社長の成瀬直人さん、
デイリー食品部長の米山知治さん(左)。
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ららぽーと立川立飛の店舗を取材したばかり。
詳細は『商人舎magazine』Weekly商人舎、
[短期集中連載]首都圏最新店舗研究で報告。

私の左は、
㈱静鉄ストア社長の竹田昭男さん、
取締役商品部長の鷲山慶一さん。
そして右隣は、
㈱遠鉄ストア社長の桑原俊明さん。
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ユニー㈱の皆さんとも。
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明日9月1日にファミリーマートと合併する。
最後の日に皆さんの名刺をいただいた。
私の隣から渡辺昌彦さん。
食品本部長兼アピタ食品部長。
伊藤輝志さん、㈱99イチバ社長。
石田康英さん、
鮮魚部長兼ピアゴ食品部鮮魚部長。
小池くるみさん、
食品企画部食品営業担当部長。
そして99イチバ商品部長の江間俊明さん。

㈱オギノ営業企画室のお二人、
手塚帰一さん(左)と吉岡茂美さん。
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手塚さんは総括マネジャー。
吉岡さんは手塚さんの後任で、
FSPを担当する。

久々にお会いしたのは鈴木秀夫さん。
㈱サンベルクスホールディングス社長。
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右は常務取締役の池田昭男さん。
ホームセンターの上階に新店出店の予定。
楽しみだ。

そして昨日、今日と、
素晴らしいプレゼンテーションをしたお二人。
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正月担当の山本真砂美さんと堀内慎也さん。
お疲れさまでした。

最後の最後は高市泰明さん、
高橋明営業本部長を中心に、
営業スタッフ全員がそろって記念写真。
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東日本フォーラムは大成功。
これから営業の皆さんの勝負が始まる。
がんばろう。

2日間のフォーラムを終えて
私も満足。

西日本フォーラムは、
9月13日(火曜日)、
大阪駅前のブリーゼプラザ、
旧サンケイ小ホール。

皆さん、お越しください。

それにしても、
私たちの社会、
私たちの国。

高齢者も弱者も、
幸せになれる社会と国にしたい。

〈結城義晴〉

2016年08月30日(火曜日)

紀文お正月フォーラム2016講演と日髙良実の乾物イタリアン

迷走台風10号、岩手県に上陸。
心から、お見舞い申し上げます。

毎日新聞巻頭コラム『余禄』

「台風銀座」という言葉。
最近は耳にしなくなったが、
「この夏の台風銀座は、
北海道かもしれない」

「東北の海岸線は、
東日本大震災によって地盤が沈下し、
高潮の被害を受けや すい」

「大げさすぎるくらいの備えが
欠かせないだろう。
去ってみれば
たいした被害もなかった、
と胸をなでおろしたい」

まったく同感だ。

さて、今日は午後、
東銀座にある時事通信ホールへ。
「紀文お正月フォーラム2016」
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今年は東日本フォーラムが、
今日30日と明日31日の2日間。

初の開催となる西日本フォーラムは、
9月13日(火)、場所は大阪ブリーゼプラザ。

台風10号の東日本への接近で、
今日の開催が危ぶまれたが、
無事、実施。

ご心配おかけしました。

東日本の総合スーパーや、
スーパーマーケットのトップ、
バイヤーの皆さんが参集。

残念ながら台風の影響で、
北海道や東北、北関東の参加者の一部は、
やむなく、キャンセルもあった。

それでも30社70名の方々が集まってくれた。

正月商戦への関心は高い。
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はじめに高橋明さんのあいさつ。
紀文食品常務執行役員営業本部長。
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その後、地域のおせちやお正月料理の紹介。
そして基調講演は、
正月の食文化の「謂れ」解説。
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講師は中村羊一郎先生。
歴史民俗資料学博士。
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紀文食品は正月の謂れを大事にし、
日本人が伝承してきた正月文化や暮らし方を、
若い世代に伝承していくことを、
ミッションのひとつにする。
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今年のフォーラムのメインプログラムは、
「顧客像を明らかに!」をテーマに、
グループ企画室のお二人が担当。

一人は堀内慎也さん。
商品企画課長。
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2016年の正月商戦を多角的に分析し、
消費者動向予測を紹介した。DSCN8560-1

もう一人は山本真砂美さん。
グループ企画室副室長。
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市場活性化のための、
「正月商品用意率アップの提案」を、
クラスター分析をもとに語った。
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素晴らしい分析とプレゼンテーション。
今年も月刊商人舎10月号に書いてもらおう。

このお二人の提案を受け、
結城義晴が総括の講義を担当。
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テーマは「負けるための準備はするな!」
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プロローグは、サム・ウォルトンの言葉。
もちろんウォルマート創業者。
1980年代のサムの考え方が、
この秋から年末までの商戦に生きる。

正月商戦の考え方と戦略を、
私なりに整理。
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参加者からの2つの質問にも答えた。
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フィリップ・コトラーの4つの財、
シュミットの経験価値マーケティングを
解析しながら、
正月商戦のマーケティングを語った。
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30分の総括講義、ご清聴を感謝。

その後、ホワイエを使って簡単な懇親・懇談。

㈱セイミヤ社長の加藤勝正さん。
講演をほめてくださった。
DSCN8617-1
左は紀文の高市泰明さん。

㈱相鉄ローゼン副社長の野口公一さん。
DSCN8619-1
いろいろな方にお会いした。
明日もまた、東日本の経営者の方々に、
お会いできる。
楽しみだ。

東銀座から広尾へ移動。DSCN8530-6

広尾散歩通り。
DSCN8532-6

その一角のポストモダンの建物。DSCN8533-6

レストラン「アクアパッツァ」DSCN8534-6

オーナーシェフは日髙良実さん。
NHK「きょうの料理」「あさイチ」
テレビ朝日「食彩の王国」などに出演して、
大活躍の57歳。
DSCN8561-6

中庭(パティオ)が素晴らしい。
floor_terrace

日本の乾物を使ったイタリア料理。
それが今日のテーマ。
名づけて「乾物イタリアン」

これが素晴らしい。
実に滋味豊かで、
奥の深い料理となる。

わざわざ日髙さんが出てきて、
1品ずつ、説明してくれた。

バーニャカウダ。
ソースには鰹節が使われて、
実に微妙なうまさ。
DSCN8536-6

煮干しの卵サラダ。
DSCN8537-6

白ワインと赤ワインもイタリア産で、
これがすごくマッチしている。
DSCN8544-6

海苔クリームパスタ。DSCN8545-6
これが絶品。
イカ墨のパスタより、
私、好きだ。

塩昆布白ワインソースのシーフードソテー。DSCN8549-6

締めはとろろ昆布入りジェラート。DSCN8551-6

日高シェフと日本アクセスがコラボして、
乾物イタリアンが生まれた。

その仕掛人が、
写真後列の田中茂治さん。
㈱日本アクセス会長。DSCN8554-6
その田中さんのお招きで、集まった。
真ん中は玉生弘昌さん、
右が西田邦生さん。
玉生さんはプラネット会長、
西田さんはジャパン・インフォレックス社長。

プラネットは非食品のEDIの革新者。
ジャパン・インフォレックスは、
食品の商品マスタでEDIに貢献する会社。

田中さんの配慮で、
豪華な顔合わせが実現した。

考えてみると卸売業は、
こういったマッチングこそ、
本来の機能でもある。

「帳合の神様」などと呼ばれる田中茂治、
ならではの会合だった。

最後に日髙シェフを囲んでポーズ。DSCN8556-6
満足できる一日だった。

帰りのタクシーから、
東京タワーが美しく見えた。DSCN8560-6

この秋から冬の商戦は、厳しい。
負けるための準備はするな。

去ってみれば、
たいした厳しさでもなかった。
そう胸をなでおろしたい。

〈結城義晴〉

2016年08月29日(月曜日)

司修「欠点の魅力」とハリルホジッチ「負ける準備はしない」

Everybody! Good Monday!
[2016vol35]

2016年も第36週。
今週水曜日に8月が終わる。

2月期決算企業は、
上期の終了。

この上期は、第1四半期5月までで、
全体でみると、まあまあという線をいった。

もっとも小売業トップ2社は、
そうよくはなかったけれど。

イオンの第1四半期決算は、
営業収益2兆0461億円で前年比プラス1.3%、
営業利益328億7300万円で、マイナス5.8%、
経常利益346億7900万円で、マイナス3.1%。

セブン&アイ・ホールディングスは、
同1兆3947億円、マイナス3.2%、
同814億8300万円で、マイナス0.5%、
同823億8500万円で、プラス1.5%。

対してスーパーマーケットのトップ2社は好調。

ユナイテッド・スーパーマーケットHDは、
売上高1695億円で前年同期比3.9%増、
営業利益36億3900万円で3.2%増、
経常利益37億6400万円で7.4%増。

ライフコーポレーションは、
売上高1615億円で前年同期比4.9%増、
営業利益39億6600万円で15.3%増、
経常利益39億7600万円1.4%増。

しかし8月末までの第2四半期は、
全体に低調だったはず。

今週はその最後の3日間を終え、
下期へのスタートを切るとき。

正念場を迎える。

経営者・幹部はもとより、
社員・従業員全員の意識を集中させたい。

さて毎日書いているが、
迷走台風10号。


〈Yomiuri Onlineより〉

「大型で非常に強い台風」
つまり強風域が半径500km以上800km未満、
最大風速が44m以上~54m未満。

中心気圧は945ヘクト・パスカル、
中心付近最大風速45m、
最大瞬間風速60m。

明日30日には、
北日本から関東に接近して、
夕方には東北地方に、
強い勢力で暴風域を伴ったまま、
上陸する恐れあり。

東北地方の太平洋側上陸は、
1951年の統計スタート以来初めて。

つまり東北は強い台風に慣れていない。
土砂災害、河川氾濫、暴風・強風など、
十二分に警戒してほしい。

落蟬のかぜに吹き寄せられてをり
〈朝日俳壇より  寝屋川市・岡西恵美子〉
蟬の亡骸が風に吹き寄せられる。
台風には蹴散らされ、舞い上がって、
どこかへ行ってしまう。

風の田にうしろ姿の案山子かな
〈同  さぬき市・野崎憲子〉
「うしろ姿の案山子」がいい。

秋立つや新聞広げ石の上  
〈同 養父市・足立威宏〉
迷走台風だけれど、
それがやってきて、
2016年の秋到来。

さて、今週の私のスケジュール。
今日は午前中来客。
DSCN8527-6
右はイオンリテール㈱吉田元さん、
人材育成グループマネージャー。

その隣はイオンコンパス㈱の、
三好智さん、細川みゆきさん、
高柳優子さん。

10月の視察研修の打ち合わせ。
よろしく。

明日30日・明後日31日は、
紀文正月フォーラム2016。
東日本編が時事通信ホールで、
13時30分から開催される。

私は今年、総括講義を担当する。

台風10号上陸予想のため、
開催が危ぶまれていたが、
今日の午後、決定。
やります。

西日本編は9月13日(火)13時30分から、
大阪駅前のブリーゼプラザ。

お越しください。

明日の夜は、
㈱日本アクセス会長の田中茂治さんと会食。

9月に入って、1日、2日は、
月刊商人舎9月号の最終段階。

その9月2日は私の64回目の誕生日。

さらに3日の土曜日は、
立教大学大学院・結城ゼミOB・OG会。
今年はロングラン懇親会。

そして日曜日は、
スリーハンドレッドクラブ。

さて、朝日新聞『折々のことば』
昨日のことばがいい。

人間はだれでも
ひとつふたつ欠けているんですな。
その部分が魅力的になるか、
ならないかの問題なんですな

司修著『本の魔法』から、
鷲田清一さんが引用。
index

鷲田さんの博識ぶりには、
舌を巻く。

司修さんは、
画家、装幀家として著名だが、
小説家、エッセイストでもある。
1976年 『金子光晴全集』の装幀で、
講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。

大江健三郎の本は、
ほとんど司さんの装幀。

その司さんが河合隼雄さんと対談。
河合さんは、今は亡き臨床心理家、
京都大学名誉教授、元文化庁長官。

司さんは、自分のある絵に対して、
「どこか欠けている」と思っていた。

その絵を河合さんが褒めて、
先の言葉をつぶやいた。

ただし、ちょっと複雑だが、
司さんが河合さんとの架空の対話を綴った。
その対話の中のことば。

だから司修著、河合隼雄の言葉。
河合さんなら言ってくれたと、
司さんが考えた言葉。

もしかしたら、
本当に言ったのかもしれないけれど。

「欠けている所に
心のかたちが表れる」

欠点にこそ特徴がある。

「だからきっかけは歪(いびつ)でもいい、
いやそのほうが魅力が備わる」

店づくりや売場づくり、商品づくり、
POPを書いても、
ひとつふたつ欠けていてもいい。

その欠けた部分が魅力になる。

ただし、達人、名人級に達しなければ、
魅力になんぞ、なりようもない。

然り。

今朝の日経新聞、
「サッカー2018年W杯予選特集」

バヒド・ハリルホジッチ日本代表監督。
「すべての試合で我々の野心を見せて、
勝つことにトライする」

強気の監督の言葉、
頼もしいねえ。

社長も本部長も店長も、
こうでなくてはいけない。

「最悪なのは
勝つのも負けるのも
大差ないという人間。
そういう人間を私は
受け入れることはできない」

私も同感。

「私は負けるための準備は
したことがない」

素晴らしい。

秋の商戦、年末商戦。
「負けるための準備はするな」

そのために、監督は語る。
「我々のアイデンティティが何かを
はっきりさせなければならない」

これはポジショニング戦略そのものだ。

そのうえで、
「自分たちのオーガナイゼーションを
見つけないと」

オーガナイゼーションとは、
「闘い方の最適解」

2016年度の下期に向けて、
アイデンティティを明確にして、
オーガナイゼーションを見つける。

そのアイデンティティは、
欠けていてもいい、
欠けているところに、
心のかたちが表れる。

欠けていてもいい。
明快であることだ。

そしてその明快さが、
闘い方の最適解を導く。

司修の絵の中には、
欠けているところがあるかもしれない。

しかし技術は完璧だ。
だから作品は常に、
最適解を表現している。

みなさん、今週も、
闘い方の最適解を求めよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年08月28日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その16】台風

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は夜にも見える。
光のないところでも見える。
そんな猫の目で見る博物誌――。

台風に備へスーパー賑はへり
〈秋山英身〉

台風の本質は「熱帯低気圧」

トリプル台風が去ったと思ったら、
その一つが残って、迷走台風10号。

熱帯の海上で低気圧が発生する。
それは「熱帯低気圧」と呼ばれる。

その熱帯低気圧の中で、
二つの条件を備えるものを、
わざわざ「台風」と位置付ける。

人間に大きな影響をもたらすから。

その条件の第1は、
北西太平洋または南シナ海にあること。
北西太平洋とは赤道より北で、
東経180度より西の領域。

日本列島は、
東経123度から東経154度の間にあるから、
この中にすっぽり入る。

第2の条件はその低気圧域内の最大風速が、
10分間平均でおよそ秒速17m以上のもの。
この速さは34ノット、風力8。

台風は動く。

上空の風に流されるから。
もちろん大きな風は、
高い気圧団と低い気圧団の、
配置の関係で起こる。

しかし一方で台風は、
地球の自転の影響で、
北へ向かう性質をもつ。

だから、東風が吹いている低緯度地域では、
西へ流されながら次第に北上する。
そして上空で強い偏西風が吹く中・高緯度で、
速い速度で北東へ進む。

この中・高緯度が日本列島と重なる。

台風はエネルギーだ。

暖かい海面から水蒸気が上る。
それが凝結して雲粒になる。
そのときに放出される熱を、
エネルギーとして台風は発達する。

だから台風はエネルギーだ。

しかし、移動すると、
海面や地上と摩擦が起こる。

したがって台風は絶えず、
自らのエネルギーを失っている。

台風は赤道付近の海上で発生する。
発生期の台風。
1-2-1
〈気象庁ホームページ資料より。以下同じ〉

赤道付近の熱帯地方は、
海面水温が高い。

そんな熱帯の海上では、
上昇気流が発生しやすい。

上昇気流が積乱雲を生み出す。

積乱雲が多数、まとまると渦を形成する。
その渦の中心付近の気圧が下がり続けると、
熱帯低気圧となる。

その熱帯低気圧の風速が、
秒速17m超えたものが「台風」だ。

だから台風は、
「入道雲の集まり」と、
認識することもできる。

台風は発生し、発達し、成長し、衰退する。
つまりライフサイクルがある。

発達期の台風。
1-2-2
台風の条件を満たしてから、
中心気圧が下がって、
勢力が最も強くなるまでの期間を、
「発達期」という。

海面はあくまで暖かい。
そこから暖かい水蒸気が台風に供給される。
それをエネルギー源として発達する。

中心気圧はぐんぐん下がり、
中心付近の風速も急激に強くなる。

最盛期の台風。
1-2-3
中心気圧が最も低くなり、
最大風速が最も強くなる。

しかし台風が北上するにしたがって、
中心付近の風速が徐々に弱まる。
それが衰退期。
1-2-4
ただし衰退期には逆に、
範囲が広がる。

もちろん衰退期といっても、
台風には変わりないから、
風は強い。

その強い風の領域が、
衰退期には広くなる。

そして台風は普通の温帯低気圧、
あるいは熱帯低気圧となる。
1-2-5

地球の自転の影響で、
台風は北上する。

すると海面水温が低くなる。
そしてエネルギー源としての、
海からの水蒸気の供給が減少して、
普通の存在となる。

台風には大きさと強さの段階がある。

10分間平均の風速が基準となる。

「大きさ」は強風域の半径で示される。
強風域とは秒速15m以上の風が吹いている、
あるいは吹く可能性がある範囲。

大きさの階級分けは単純。
「大型」は半径500km以上~800km未満、
「超大型」は800km以上。
1-3-1
超大型は日本列島全域に影響を与える。

一方、「強さ」は最大風速で区分される。
これも単純。

「強い台風」は、秒速33m以上~44m未満、
「非常に強い台風」は、44m以上~54m未満、
「猛烈な台風」は54m以上。

この大きさと強さは、
気象情報を提供される場面で使われる表現。

だから「大型で強い台風」という場合、
半径500km以上で800km未満で、
秒速33m以上~44m未満の風が吹く。

ただし単に「強い台風」と表現される場合は、
強風域の半径が500km未満で、
中心付近の最大風速が33~43mのことを示す。

ちょっとした表現でも、
厳密な定義がある。

台風には仲間がいる。

サイクロンとハリケーン。
これはエリアの違い。

最大風速が17m以上の熱帯低気圧でも、
北インド洋と南太平洋にあるものは、
「サイクロン」

北大西洋と北東太平洋の熱帯低気圧のうち、
最大風速が32.7m以上が「ハリケーン」

世界気象機関は、
地理的な領域に関係なく、
熱帯低気圧を最大風速により分類する。
①トロピカル・デプレッション 17.1mまで
②トロピカル・ストーム 17.2~24.4m
③シビア・トロピカル・ストーム
24.5~32.6m
④タイフーン”typhoon” 32.7m以上

日本では、「野分」といった。
「のわき」あるいは「のわけ」と呼ぶ。

吹とばす石はあさまの野分かな
〈松尾芭蕉〉

「あさま」は浅間山のこと。

もう一句、松尾芭蕉。

芭蕉野分して盥に雨を聞夜哉
〈松尾芭蕉)

「盥」はたらい。

台風に揺られる芭蕉の葉、
庵の中は雨漏りで、それを受ける盥の雨音。

芭蕉は、芭蕉を思いつつ、
盥の音を聞いている。

しかし台風が過ぎ去ったあとには、
空は晴れわたる。

「台風一過」

のんきなセミの声が聞こえたりする。

猫はそれを待ち望むのみ。
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雨漏りはしない。

台風の来たりてコンビニ賑はへり
〈未曾 司〉

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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コロナは時間を早める

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鈴木哲男・著

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