結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年12月05日(水曜日)

ユニクロのスピード、ジャパネットのシンプルさ、万代DD会の戦略総括

第46回衆院選の公示後、
立候補者総数は1504人で確定。
小選挙区と比例代表の重複立候補分が含まれるが、
過去最多の立候補者数。

総定数480に対する競争率は3.13倍。
300小選挙区の立候補者も1294人、
こちらは4.31倍。

立候補者が確定した段階で、
期日前投票が可能となる。

日経新聞の『きょうのことば』は、
「期日前投票」。

「旅行や仕事、冠婚葬祭などで投票日に選挙に行けないとき、
公示日や告示日の翌日から投票日の前日までの間に
市区町村が指定する期日前投票所に行って
事前に投票できる制度」

期日前投票ができる有権者の条件は、
公職選挙法48条の2に示されている。
①職務若しくは業務又は総務省令で定める用務に従事すること。
②用務又は事故のためその属する投票区の区域外に
旅行又は滞在をすること。
③疾病、負傷、妊娠、老衰若しくは身体の障害のため
若しくは産褥にあるため歩行が困難であること
又は刑事施設、労役場、監置場、少年院
若しくは婦人補導院に収容されていること。
④交通至難の島その他の地で総務省令で定める地域に居住していること
又は当該地域に滞在をすること。
⑤その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。

小売りサービス業の店舗で働く人々は、
①の「職務若しくは業務に従事しているもの」にあたる。

手続きは、まず、
自分の期日前投票所に出かける。
その受付で宣誓書の用紙を受け取る。
投票日に自分が投票所に行けない理由を
宣誓書上で選択して受付に提出。
その後、免許証やパスポートなどで本人であることを確認。
選挙人名簿と対照。
投票用紙を受け取って、
通常の投票と同じように記入をして投票箱に投函。

私も期日前投票をしたことがあるが、
いたって簡単。
精神的な負担を感じるものは、
一切ない。

投票日の投票所は、
たいてい近くの小学校などで、
便利な近隣に設定される。
私の場合、横浜市立港北小学校。
しかし期日前投票所は、
港北区役所。

ちょっと遠くなるが、
それほど負担になることはない。

ずいぶん多くの人が期日前投票に来ているのだなと、
ちょっと元気がでてくる。

小売りサービス業に従事する人たち、
選挙に行こう!
投票しよう!

皆さんの投票率が上がれば、
社会は変わる。

さてその公示日に新聞各紙が、
社説などで主張した。

全部読んだが、
日経新聞の論説委員長・芹川洋一さんが、
実にクールな分析をした。

「なにかがすっぽり
抜けおちているような気がしてならない」

芹沢さんは、有権者のチェックポイントを3つ上げる。
「第1は、過去の業績評価である」

「第2は、将来への期待である」
「そのとき大事なのは、
政策を個別にみて比較するだけでなく
全体としてとらえることだ」

「第3は、政党のあり方である」
「理念や価値観がちがったメンバーが、
選挙を目的にあつまったら、必ずどこかでつまずく」

そして最後に重要なこと。
「民主党政権がつづいても、
自公政権か、自公+第三極の政権になっても、
参院の構成は同じだから、
いずれも過半数には届かない。
衆参のねじれ状況がつづく。
衆院選をやっても政治の局面は転換しない」

「それが変わるのは民主と自民が組んだときだけだ」

「日本が二流国家になろうかという瀬戸際で、
政治リスクを解消するには
来年夏の参院選までは
民・自公の協力政権のかたちを探るほかない」

「おかしな話だが、
今回の衆院選は準決勝でしかない。
決勝は参院選だ。
新しい連立や政党再編で、
政治のかたちをととのえるのは、
おそらくそのあとになる」

だから、
選挙に行こう!
投票しよう!

今回の衆議院選と来年の参議院選。
準決勝と決勝を、
自分の選挙権を行使して、
参加しよう。

それが必ずや、
社会を変えることになる。

さてニュースを二つ。
いずれも日経新聞。
第1は、ユニクロの11月の既存店売上高が、
前年同月比で13.7%のプラス
になったこと。
これは3カ月ぶり。

客数は12.8%増、買い上げ点数も増、
客単価は0.9%増。

ここには、11月23日の勤労感謝の日から始めた、
全国一斉セール「創業感謝祭」も貢献。

私はユニクロの売上げ推移は、
同社だけの話ではなく、
日本の消費のある側面を代表していると考えている。
だから、この12月にかけて、
ちょっと消費が活性してきたと、期待したい。

ファーストリテイリングの社名は、
Fast=はやい
Retailing=小売業
つまり「はやい小売業」。

このスピードが11月の復活をもたらした。

もうひとつは、日経新聞『経済教室』の「経営塾」。
ジャパネットたかた社長の高田明さんが登場。
「大事なのは、客が知りたいことを『シンプルに伝えること』だ。
これは米アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズ氏の言葉でもある」

「シンプルに伝える」

何よりも大事なこと。

ジャパネットたかたのクレド。
(1)商品の先にある「生活」や「感動」を届けること
(2)身近で便利で安心・快適な買い物手段であること
(3)商品の最大限の価値を伝えること
(4)楽しさ、面白さ、元気を与えること

4つのミッションが、
シンプルそのもの。

実に、いい。

さてさて昨日は、朝から新幹線のぞみに乗り込んだ。
横浜は雨模様、しかし静岡に入ると、
空を雲が流れ、山並みには霧が走る。
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残念ながら、富士は姿を見せなかった。

昼ごろ、新大阪に入り、
その後、堺市へ。

午後からホテル・アゴーラリージェンシー堺で、
万代ドライデイリー会総会での講演会。

この秋実施したアメリカ研修会の報告を兼ねたもの。

先に、総会が行われ、
㈱万代副社長の山下和孝さんが、
第4四半期の業績を報告。
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今年50周年を迎えた万代の記念ロゴは、
来年、3000億円達成がしるされたものになる。
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それを果たすための施策を
取引先のメーカー・卸の会員へ発表。

その後、私の講演会。
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テーマは「アメリカ小売業に学んだこと・学ぶべきこと」
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今年10月から11月初旬にかけて
私はアメリカに23日間滞在した。

そこで出会った4つのことをマクラにして、
2012年末商戦に活かすアメリカの事例を紹介。
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ハロウィンから年末までのアメリカの三段階プロモーション、
ウォルマート流「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」、
コストコの祭日7日間休業の意味を語った。
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そしてアメリカ・チェーンストアランキングを解説したうえで、
視察した主な店舗を一挙にスライドで紹介。
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その数、300枚。
1枚1枚を説明した。
これだけで十分、疲れた。

しかしここからが本番。
米国スーパーマーケット戦略の大整理。
ドミナントエリア戦略、
インディペンデント・カンパニー戦略、
フォーマット戦略、
ポジショニング戦略、
プライベートブランド新戦略。
100分を超える講演で、熱が入った。
ご清聴、感謝。

そのあと、アメリカ研修会に参加したメンバーを代表し、
J‐オイルミルズの高辻慎太郎さんがスライド報告。
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私は再び登壇し、全体を総括。
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続いて、4つの分科会に分かれ、
参加者たちがそれぞれに報告と提案を行った。
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私は各会場を梯子しながら、
皆の発表を聞いた。

講演を終えて、
社長の加藤徹さんと控室で意見交換。
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講演会には、万代の主な経営幹部が参集。

秋のアメリカツアーに同行した磯田雅人さん。
現在は、万代グループの子会社㈱栄進の社長。
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そして二人の役員。
西水啓介常務取締役(右)と阿部秀行取締役。
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ユニクロのスピードと、
ジャパネットたかたのシンプルさ。
万代にも通じることだ。

〈結城義晴〉

2012年12月04日(火曜日)

「窮して変ず」のイノベーションと「誰がマックを食らったか」

第46回衆議院議員総選挙、
今日、公示。

投開票日は16日(日曜日)。
12日間の選挙戦。

2009年に政権与党となった民主党と、
その政権奪還を狙う自民・公明両党。
そして合従連衡を繰り返した「第三極」。
12政党の乱立。

小選挙区300、比例代表180の合計480の議席。
日経新聞によると、2日現在、
「1400人超が立候補を予定」。

選択がひどく難しい選挙だが、
明日から期日前投票ができる。

小売業・サービス業従事者は、
相対的に投票率が低い。

理由は明白。
投票日の日曜に、
店を開けて営業しているからだ。

しかしその投票率が低い人々が、
投票行動にでたら、
結果は変わる。

選挙に行こう!
投票しよう!

呼びかけたい。

投票行動を起こしたら、
その後の政治に関心が深まる。

そしてまた次に、投票する。
小売りサービス業従事者の多くが、
これを繰り返したら、
必ず日本が変わる。

小売りサービス業の人々の投票行動は、
無党派層のそれととともに、
日本の将来を握っている。

選挙に行こう!
投票しよう!

そしてその結果に責任を持とう。

これが良い国づくりの第一歩だ。

さて昨日の日経新聞オピニオン欄。
「核心『成長の限界』再び?」

コラムニストの土谷英夫さんが担当。
「イノベーションの停滞」説を披歴する。

タイラー・コーエンの著書『大停滞』。
米ジョージ・メイソン大学教授。
中心メッセージは、
「“容易に収穫できる果実”はほぼすべて摘み取られてしまい、
現在は経済成長をもたらす果実が手に入らなくなっている」

ロバート・ゴードン米ノースウエスタン大学教授は、
「米国の成長は終わったか?」と問う。

18世紀半ば以降の産業革命は、
第1期(蒸気機関、鉄道など)、
第2期(電気、内燃機関、上下水道の屋内配管、通信、化学、石油など)、
第3期(コンピューター、インターネット、携帯など)に分けられる。

このなかで、
「19世紀後半に起きた『第2期』の効果がずばぬけ、
1970年ごろまで成長率を押し上げてきた」
しかし「この50年の『第3期』はほぼ息切れ」

「過去250年の急速な進歩は
『人類史上の特異なエピソード』だったか」
いったい全体、果たしてそうなのか。
それがコラムニストの問題提起。

18世紀末のロバート・マルサスの『人口論』。
1972年の「ローマクラブ」の報告書。
そして先週発表の経済協力開発機構(OECD)の経済見通し。
「成長の限界」を唱える悲観論を羅列する。

しかし、ひとつの意外な驚き。
国際エネルギー機関(IEA)発表の「世界エネルギー見通し」では、
米国が最大の天然ガス産出国、産油国になる。
ロシア、サウジアラビアを抜いて。
いわゆるシェール層からガスや石油を採取する技術が普及し、
「非在来型」のガス、石油が急増。
結果、2035年までの世界のガスの増産分の半分近くは、
シュールガスになる。

まさに「イノベーション」が起こっている。

そして結論は、中国の古典「易経」の一節。
「窮すればすなわち変じ、
変ずればすなわち通ず」。

「進退きわまれば、人間は新機軸に知恵を絞る」

コラムニストは述懐する。
「『窮して変ず』が
イノベーションのメカニズムではないか」。

果たして本当にそうなのか?
こんどは私がコラムニストに疑問を投げかけつつ、
「窮して変ず」も考えてみる。

もうひとつ昨日の日経新聞『経営の視点』。
タイトルが面白い。
「誰がマックを『食べた』のか」
書き手は編集委員の中村直文さん。
流通サービスの専門家。
私は中村さんの言説に信頼を置いている。

ただし私なら、
「誰がマックを食らったか」と下品にやる。

しかし日経新聞の用字用語らしいが、
「食べたのか」になっている。

「日本マクドナルドホールディングスの既存店売り上げが低迷している。
7カ月連続のマイナスで、
8年続いた年間の既存店売上高プラスも
2012年で途切れそうだ」

「今年は想定を見誤った」。
原田泳幸社長の総括。

昨年の東日本大震災や福島原発事故の反動で、
今年4月から売上げ回復を見込んだ。

「ところが客足はいっこうに戻らない」
そこで、「100円メニューの拡充など新たな戦略を打ち出した」
客数は増えたが、それを補うほどの伸びはなかった。

「いったい誰がマックの売り上げを『食べた』のか」
これが中村さんの問題提起。

コンビニエンスストアか?
マック自身はこれを否定。

同社が「中食市場」の動向を調査した。
コンビニ食や牛丼、カフェチェーンなど競合する業態の売上高を合算。
すると「中食市場そのものが落ち込んでいる」
それが判明した。

コンビニやスーパーマーケットの弁当・惣菜やファストフード、
それらを合わせた「中食マーケット」が縮んでいる?

「厳しく出費を抑えている消費者の姿が浮かび上がってくる」
中村さんは語る。

とりわけ「20~30歳代の食生活」が変わりつつある。

しかしここに面白い現象がある。
主婦向けの雑誌を手がける『オレンジページ』が、
今年6月から『食べようび』を月刊化。

出版不況を尻目に絶好調。

まず第1に、20~30代をターゲットとした。
第2に、「とことん読みやすさを追求」。
従って、「使用する素材や調味料の形、
量から料理の流れまですべて図解で記載」。

図解や分解写真の多用。
これは私がかつて、
㈱商業界の『販売革新』や『食品商業』で採った手法。

いま、私の最初の部下の町田成一君が、
月刊『danchu』編集長として、
極めて上品に実行しているメソッド。

『食べようび』は、
「火の強さ、時間まで事細かく示し、
一切迷うことなく1人分のメニューを作ることができる。
しかも低額で」。

『dannchu』の読者を、
さらにセグメントし、ターゲティングし、
そうしてポジショニングした。

「重ねるごとに部数は増え、すでに8万部」

花村哲編集長は「10万部までは伸びる」と自信満々。
「単身者が多い若い層は、
家で簡単に安く済ませる合理的な食志向を強めているため」

つまりは巨大ではないけれど、
拡大しているマーケットがある。
そこにスポットを当て、際だった。

電通総研の大屋洋子主任研究員の分析。
「食への欲求が低下している」

「いつでもどこでも食べられる環境で、
3食をしっかりとる生活パターンが崩れた」

電通が食生活について調べたところ、
10~20代の女性では7割が、
「食事を抜くことがある」と回答。

しかし、中村さんは追い打ちをかける。
「内食志向が強まったとはいえ、
スーパーでも1人当たりの購入量は減少し、
値下げ頼みだ」

マクドナルド原田さんの戦略。
「目先の売り上げを落としても
長期的な成長戦略が不可欠」

そこで、「宅配強化などに取り組む方針」。

しかし私は原田泳幸のこの言葉。
真に受けたりはしない。

原田経営はもっと奥が深い。

「長期的成長戦略」が必須であることは同感だが、
「宅配強化」が根本的な長期戦略とは思えないからだ。

徹底した低価格戦略で、
コンビニ、スパーマーケットを巻き込んで、
業態間の泥沼戦に持ち込む。
最後の最後には体力勝負で事が決する。

それを考えのなかに入れている。

「窮して変ず」を冷徹に、
自分の組織に課している節がある。

それが原田泳幸の経営だと思うが、
いかがだろうか。

〈結城義晴〉

2012年12月03日(月曜日)

「幸せだなありがたいなぁ」の独り言力をチーム力・組織力に変えよ!

Everyone! Good Monday!
[2012vol49]

2012年も49週。
あと、3週のカウントダウン。

12月の第2週というか第1週というか、
先週土曜日が1日だったから、
今日は3日。

お目出度いことが一つ。
「メーカーニュース」
今日、スタート。
心から祝福しましょう。

商人舎ホーム―ページの上段テロップ。
ご好評の「流通ニュース」

これは流通業最大のウェブサイトに成長していますが、
もともとは「L NEWS」からスタートしています。
LはロジスティックスのL。
つまり「物流ニュース」のことです。

私は「流通ニュース」もやがて、
「R NEWS」にしたら語呂がいいと提案しています。
Rは日本語の「流通」のRであり、RetailのR。

このウェブサイトを運営しているのは、
株式会社ロジスティクス・パートナー、
編集発行人は、同社代表取締役社長の松見浩希さん。

商標登録番号5515144の「流通ニュース」は、
創刊が2008年9月1日。
商人舎の設立が2008年2月1日ですから、
遅れること7カ月で誕生。

2012年10月のページビューはなんと178万8106、
2012年10月の月間訪問者数55万0171人、
2012年10月のユニークユーザー数26万9268人。

流通最大のサイトであることは間違いない。

この凄いサイトに、
「メーカーニュース」が加わった。
やがてこれは「M NEWS」とでもなって、
ラインナップが出来上がる。

「LRM NEWS」

私が勝手に言っていることだが、
松見さんおめでとう。
心から応援したい。

公正で、立派な、社会貢献です。
自然で、見事な、事業展開です。

さて、12月商戦。
今月の商人舎標語は、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」

時は行く
心構えができようとできまいと
すぐ冬は来るなり

〈日経歌壇より 茅ヶ崎・磯田清〉

先週木曜日の11月29日のブログに書いた。
広告宣伝は 柳井正の「零点か百点」売場・商品は「微差が大差」

この12月商戦の特徴。
第1に「消耗戦の突入」は確実。
私は「無呼吸泳法」と呼ぶ。

それでも第2に「値下げ効果は限定的」。
価格競争しても客数は増えにくく、
売上げは上がりにくい。

では、どうしたらよいか。
「価値ある商品の値下げ」でなければ、
成果は上がらない。

しかし本来、
「他者が持たない価値ある商品」ならば、
値下げする必要はない。

その「他者が持たない価値ある商品」を、
値下げしなければならないのが、
今年の年末の特徴だ。

「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」のなかで、
早仕掛けの時期は、
事前告知合戦となる。

店頭・チラシ・テレビ・新聞、
さまざまなメディアを使っての広告宣伝合戦。

早仕掛けとは、
買ってもらわなくとも、
お知らせすること。

足利屋洋品店の『虹の架け橋』や「靖ちゃん日記」も、
似鳥昭雄さんの自身の露出も、
そして柳井正さんの「視聴者への到達」も、
事前告知合戦の独自性を物語っている。

ただし、広告宣伝は
柳井正の「零点か百点」だが、
売場や店、商品は、
森脇浩司の「微差が大差」。

お知らせは成功するか失敗するか。
失敗はすぐに改める。
柳井さんの「一勝九敗」の信条がそれを物語っている。

そして消費者の基本的な気分はこの句に象徴されている。
生くるため物を減らして冬に入る
〈日経俳壇 千葉・菅野馨子〉
作者は若い母親。
その生活信条がきらりと輝く。

それを支える小売サービス業たれ。

ただしこんな小さな喜びもある。
晩酌のあと一椀の栗ご飯
〈同 東京・紀本直幸〉

そして一番大事なのは、これ。
幸せだありがたいなあとつぶやけば
そんな気してくる独り言力

〈日経歌壇 東京・平岡幸男〉

顧客の「ひとりごと力(りょく)」を、
いつも応援する小売りサービス業でありたい。

今年の12月、節目は3回来る。
第1が、16日の総選挙。
第2が、22日、23日、24日の三連休。
クリスマス商戦。
第3が、29日、30日、31日の歳末際の商戦。

一昨日12月1日のブログでも書いた。
顧客それぞれは、
22日、23日、24日のいずれか、
1日だけに「際」をもってくる。
29日、30日、31日のいずれか、
1日だけに「際」をもってくる。

一人ひとりの顧客の「際」は、
2日間、2回しかないということ。

その時に訪れてくれる総客数を最大化させる。

そのために「早仕掛け」の、
事前のお知らせがある。

さあ、がんばろう。

この1カ月、
充実した日々にしよう。

幸せだなあ
ありがたいなあ

独り言力を活用しよう。

チームで、組織で、
幸せだなあ、
ありがたいなあ

これは「チーム力」「組織力」となる。

もちろん、
朝に希望、昼に努力、夕に感謝。

Now! Everyone!
Good Monday!

〈結城義晴〉

2012年12月02日(日曜日)

ジジと赤い靴の夢[日曜版2012vol49]

12月にはいっても、ねむい。
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ジジです。
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ポカポカとした日です。

さむい日があったり、
あたたかい日があったり。
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そうしながら、
冬になりました。
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ボクは夢をみました。
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イチョウの並木を、
あるいていきます。
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カナガワ県庁のイチョウ。
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ヨコハマのミナトのところの標識。
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日本大通り。
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ふりむくと、
ヨコハマのミナト。
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ひだりてに、海がみえます。
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もうひとりのボクは、
クリスマスツリーの下にいました。
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あかいくつのバスがはしる。
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山下公園のイチョウ並木を、
あるいていく。
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ながいながいイチョウの並木。
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もうひとりのボクは、
顔をあらいます。
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そして山下公園。
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インド水塔。
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とつぜん、ちょっと、
なきたくなった。
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水の守護神。
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噴水の水がふきあがる。
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ボクは海をみました。
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おおさんばし。
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とおくにヒカワ丸。
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ちかづくと、
おおきなヒカワ丸。
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冬の海の景色。
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海の水は、
つめたそう。
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ミナトのむこうに、
ベイブリッジ。
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カモメが泳ぐ。
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公園のうしろをみあげる。
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マリンタワーとホテル・ニューグランド。
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それからこの公園の主役。
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おんなのこ。
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ひとりぼっち。
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赤い靴、はいてた。
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異人さんにつれられて、
いっちゃった。
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おんなのこは、
どこをみているんだろう。
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ボクも、
とおくをみながら、
かんがえました。
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赤い靴、
はいてた
おんなのこ♪
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異人さんに
つれられて
いっちゃった♪。

ここで、
目がさめました。
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みんな夢でした。

ちょっとかなしい夢でした。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2012年12月01日(土曜日)

12月標語「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」と日経「総合企業順位」

今日から師走。
「師」が「走」る月。

関東地方でも、
宇都宮や水戸で初雪。

私は朝から、
土曜日の立教大学へ。
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一日中、結城ゼミの修士論文と調査研究レポートの指導。

珍しくカメラを忘れたので、
携帯電話で撮った写真だが、
銀杏の葉が輝いていた。
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それが午後には、
こんな色合いに変わる。
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日が陰るだけで、輝きは失せる。
銀杏自身は変わらないのに。
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12月です。

その2012年12月の商人舎標語。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」

今年12月商戦の基本政策は、
「客数主義」。

私は、今年の12月は特に、
「売上げ至上主義」が危険だと考える。

「過去最高の売上高」などもってのほか。

売上げは後からついてくるもの。

それよりも、客数。
「客数、客数、客数」の「客数主義」。

自分の顧客の支持を、最大化する。
それが2012年12月商戦。

唯一最大の指標を、
レジを通過する「客数」におく。
もちろん満足してもらったうえでの客数。

そのために「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。

早め早めにお知らせして「早仕掛け」。
お知らせが周知されたら「早仕舞い」。
そうしておいても、
客数は確保できるかもしれないが、
「売上金額」は上がらない。

商人は「金の亡者」になってはいけない。
特に今年の12月は。

では「利益至上主義」でいいか。
それもうまくはない。

在庫を圧縮する。
そうすると顧客が満足する売場は維持できない。

顧客はこの店、この企業が、
自分だけ「利益」を出して、
逃げ切ろうとしていることを知っている。

この12月の1カ月は、
その店、どの企業が一番、
自分のことを考えてくれているかを、
顧客が判断するとき。

意識的に、潜在意識として、無意識に。

それは真ん中の日曜日・16日に、
衆議院総選挙が行われるからでもある。

勝利する政党を見るがいい。

「俺がオレが」「我々が」ではなく、
広く国民のため、未来のために発言する政党が、
「俺がオレが」「我々が」の政党を押さえて、
勝ち残るに違いない。

そんな賢い消費者たちに、
「早仕掛け」で徹底的に情報提供する。
それがこの1カ月の「客数主義」につながる。

冷酷な言い方だが、
私はもう、
勝負は決まっていると思う。

今年1年の商売、
11月23日からの「勤労感謝の日」からの3連休で、
顧客は店の判定を済ませている。

今日、明日の12月1日、2日を見るがいい。

例えば、11月23日「勤労感謝の日」に、
創業感謝祭を打って、
早朝6時から営業開始したユニクロには、
今日、顧客が群がっている。

もう、勝負は決まっている。
じたばたしても仕方がない。

それでも、少しでも、より良くするために、
「早仕掛け」で顧客の夢を膨らませ、
顧客を楽しませる。
小売りサービス業側の早仕掛けならば、
顧客の懐は痛まない。、

そして「早仕舞い」。
これは無駄な在庫を抱えないという方策。
しかし在庫が少なければ、
顧客は喜ばない。
だからメリハリをつけて、
「早仕掛け・早仕舞い」。
最後に「際の勝負」。
今回は、12月22日(土)、23日(日)、
24日(月)天皇誕生日振替休日に、
最初の際が来る。

つぎは、12月29日(土)と30日(日)。
最後の最後の31日(月)。

22日、23日、24日、
29日、30日、31日。

この6日間がこの12月商戦の「際の勝負」。

顧客それぞれは、
22日、23日、24日のいずれか1日だけに「際」をもってくる。
29日、30日、31日のいずれか1日だけに「際」をもってくる。

一人ひとりの顧客の「際」は、
2日間、2回しかないということ。

その時に訪れてくれる総客数を最大化させる。

それが今月の仕事。

注意点は、自分だけ、
売上高と利益を追求しないこと。

いつもそうだが、今年こそ、
「世のため人のため」を強く打ち出すこと。

そのために、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。

そこんとこ、よろしく。

もちろんひとつ大事なこと。
12月16日の衆議院選「投票日」。

ここまでと、そのあととでは、
消費傾向は、ガラリと変わる。

つまり、売れるものが変わってくるということ。

さて昨日の日経新聞。
総合企業ランキング「NICES」の2012年度版を発表。
タイトルは、
「働きやすさや成長性、
1位ドコモ・2位セブン&アイ」。

「業績に加え、
働きやすさや社会貢献、成長性など幅広い観点から
上場企業を評価するシステム」

5つの観点からの企業評価。
第1は配当、株式時価総額の増減など「投資家」からの観点、
第2は認知度など「消費者・取引先」からの観点、
第3は多様な人材の活用など「従業員」からの観点、
第4は環境対策など「社会」からの観点、
第5は成長性を測る「潜在力」からの観点。

これら5項目で指標をつくり、
それを合計して総合順位を決める。

1位 NTTドコモ
2位 セブン&アイ・ホールディングス
3位 コマツ
4位 武田薬品工業
5位 キヤノン
6位 東レ
7位 花王
8位 ユニ・チャーム NTT
10位 ダイキン工業

ドコモは2年連続1位。
認知度が高く「消費者・取引先」で高得点、
外国人の採用や定年退職者の継続雇用にも積極的で、
「従業員」でも上位。

第2位にセブン&アイが入った。
「セブン&アイはプライベートブランド拡充して客層を広げ、
コンビニの成長モデルを新たな段階に引き上げた」。

11位以下は、小売りサービス業からピックアップ。
23位 ファーストリテイリング
27位 ローソン
30位 イオン
41位 ニトリホールディングス
73位 ファミリーマート
86位 ヤマダ電機

コングロマリットのセブン&アイとイオン、
それ以外はコンビニ。
セブン&アイも「投資家」からの視点では、
コンビニのセブン-イレブンが牽引する持株会社。

そして専門店チェーン。
ユニクロ、ニトリ、ヤマダ。
フードサービス業は、
87位 日本マクドナルドホールディングス

この日経新聞のNICES。
とても貴重な企画だが、
米国『FORTUNE』の「働きがいのある企業ランキング」とは違う。

上場企業だけのランキングであること。、
そして収益性など株価に反映される項目が第1にあること。

ちなみにこのランキングで、
「従業員」の観点からのランキングだけ取り出すと、
第1位 資生堂
第2位 東レ
第3位 東京急行電鉄
第4位 NTTドコモ
第5位 コマツ
第6位 ダイキン工業、東芝
第8位 NTT、日産自動車
第10位 イオン

イオンが10位に入ってくる。

年末商戦においても、
「従業員」からの視点を失ってはならない。

こういった時にこそ、
企業の姿勢は表れる。
年末商戦にこそ、
「顧客満足と従業員満足」は、
貫かれなければならない。

<結城義晴>

2012年11月30日(金曜日)

こまかく・きびしく・しつこく・なかよく・おもしろく「飽きない」に精進せよ!

2012年11月30日。
霜月の最後の日。
霜が降りるから「霜月」。

明日から師走。
2012年12月。

11月の終わりに、
横浜の日本大通りの銀杏を、
お届けしよう。
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一昨日、人間ドックに入った。
その帰りに、散策。
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横浜の銀杏。
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今年の見納め。
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私はなぜか、
「ありがとう」と、
銀杏たちに言った。

そして昨日は、商人舎オフィスを、
瀬木友和君が訪ねてくれた。
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この10月1日に起業した。
㈱ビジネスメディアパートナーズ。

瀬木君は、私が㈱商業界の社長のころ、
取締役管理本部長の小川寛さん、
取締役営業本部長の松井康彦さん、
そして総務人事部長の鈴木由紀夫さんらとともに、
満場一致で採用した逸材。

大いに期待したものだ。

その後、残念ながら転職して、
東洋経済新報社へ。
若くして実績を積み、
このたび円満退職して、独立起業。
現在、34歳。

大いに期待したいものだ。

ちなみに小川さんはその後、
㈱商人舎立ち上げのときの専務取締役、
松井さんは現在、商人舎エグゼクティブプロデューサー。
鈴木さんは今、佐渡で起業して、農業家。

みんな、それぞれの人生。
瀬木君もいい人生を歩んでほしい。

さて、私が人間ドックに入った水曜日、
盟友の鈴木國朗さんが、
日経MJに2ページ見開きで登場。
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「受験応援フェアで年始の売り場を活性化」と、
タイトルづけされた特集のメイン論者。
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スーパーマーケットのコンサルティングにおいて、
セールスプロモーション分野、
マーチャンダイジング分野の第一人者。

もう、25年間も実績を積み上げ続け、
現在も引っ張りだこ。

実はその鈴木國朗さんと、
さらに松井康彦さんと、
今日は、これ。
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互いに、ほんとうに珍しく、
ぽっかりと時間が空いた。
すかさず、これ。

飽きることがない。

『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言は、
「今日のダーリン」。
糸井重里さんが書く。

「ずうっと、ぼくは、
『飽きる』ということについて、
飽きずに考えつづけています」
出だしが面白い。

「どんなに素晴しいものごとでも、『飽きる』のです。
どれほど大事な問題でも、『飽きる』のです。
これだけは『飽きる』ことが許されない、
と考えられるようなことでも、『飽きる』のです」

糸井さんは自らをふり返りつつ、気がつく。
「人間には『飽きる』が
組み込まれているんです」

「だから、飽きては困るようなことがあったら、
なんとか続けたくなるように、
いろいろな工夫をしなきゃならないんです」

あなたは飽きないことに、
どんな工夫をしていますか?

「よく、傑出したスポーツ選手なんかが引退後に、
『継続は力なり』というような発言をします。
続けられないんです、ふつうは」

だから、
「『飽きる』じぶんと、
折り合いをつけた人だけが、
継続できるんですよね」

「まずは『飽きる』、
どうしたらいいか考え実行する、
また『飽きる』、
じぶんに罰やほうびを与える、
またまた『飽きる』、
新しいたのしみを見つける、
そしてまた『飽きる』、
なんとかする‥‥のくり返し」

「長い長いサイクルで、
これが繰りかえされる。
それができた人が、
たぶん継続の力を感じられた人です」

私は「徹底」を、
「詳細に・厳密に・継続する」と、
言っている。

仮名文字にすると、
「こまかく・きびしく・しつこく」

そして「なかよく」。

徹底のなかでは、
最後の「継続」が一番難しい。
「しつこく」が。

だから「なかよく」が必要になる。

ひとりよりふたり、
ふたりよりさんにん、
さんにんよりよにんで、
「しくこく」する。

糸井さんはその方法を語る。
「『おもしろくする』工夫が必要なんじゃないかなぁ。
『がまん』やら『しぶしぶ』やらも薬味にしながら、
ふつうの『飽きる』人々が、継続を力にできるか?」

我慢や渋々などしながら、
「面白い」と思えるように工夫する。

最後に糸井重里の決めの言葉。
「14年半毎日これ書いてきたぼくも、
勿論、飽きる人です」

糸井さん、飽きることなく、
毎日「今日のダーリン」を書き続けた。

結城義晴は、飽きることなく、
毎日更新宣言を5年と4カ月。

私も「おもしろく」が、
一番のパワーになると考える。

従って、
「こまかく・きびしく・しつこく」
そして「なかよく・おもしろく」となる。

だんだん、言葉が増えていく。
「徹底する」とはそういうことだ。
「飽きない」とはそういうことだ。

そしてご存知の通り、
「飽きない」は「商い」に通じる。

瀬木君。
こまかく、きびしく、しつこく、
なかよく、おもしろく、
「商い」に精進せよ!

がんばれ!

明日から12月。
私も頑張る。

<結城義晴>

2012年11月29日(木曜日)

広告宣伝は 柳井正の「零点か百点」売場・商品は「微差が大差」

群馬県大間々町の㈱足利屋洋品店。
松﨑靖さんが社長で、2店舗を経営。
その足利屋が毎月、
『虹の架け橋』を発行している。

新聞折り込みチラシのようにして配る地域情報紙。
毎月1日発行。

いつも発行前にメールで、お届けくださる。
その最新号の編集後記「靖ちゃん日記」。

11月23日(金)の勤労感謝の日は、
松﨑さんの娘さんの結婚式だった。

娘さんと腕を組んでバージンロードを歩き、
新郎に託して2人の後ろ姿を見送る。

その後、披露宴の最後は両親への花束贈呈。
松﨑さんの目に涙があふれた。

そこで松﨑さんの述懐。
「哲学者のソクラテスが
『君がよい妻を持てば幸福になるだろうし、
悪い妻を持てば哲学者になれる』
と言った。
新郎には幸福な哲学者になってほしいと思った」

幸福な哲学者。
まさに矛盾撞着語法の「オクシモロン」。
しかし松﨑さんらしくて、とてもいい。

日経新聞のスポーツ・コラム。
豊田泰光の『チェンジアップ』。
かつての西鉄ライオンズ黄金期の職人・豊田。

今朝のタイトルは、
「『微差が大差』の人生観」。
オリックス・バッファローズの森脇浩司新監督を取り上げた。
その新監督としての施政方針。
『週刊ベースボール』に掲載。

「僕は微差は大差だと思っている。
その日だけで見ればほんのわずかなことで、
取り上げるまでもないちょっとしたことでも、
それらが積み重なれば大差になる」

これ、商売の極意そのもの。

森脇浩司、大いに期待できる。

豊田は言う。
「常勝軍団といわれる球団は
日々細かいことを積み重ね、
少しずつでも前進している。
それを見逃したら、
永遠に追いつけない」

小売店舗のストアコンパリゾンをする。
その時にも、大向こう受けする新機軸もいいが、
日々細かいことの積み重ねとその前進ぶりこそ、
学ばねばならない。

豊田は続ける。
「練習は実戦の再現であり、
実戦は練習の再現でなければならない」

私は40歳代から50歳代にかけて、
ジュニアソフトボールの監督をしていた。
「練習は試合のように、
試合は練習のように」

それが私の口癖だった。

豊田は、森脇の成果を予想する。
「コーチとして下積みをしたといっても
勝てるとは限らないけれど、
その下の選手たちが『微差が大差』など、
たたき上げならではの人生観を学ぶのは間違いない」

これはマネジャーへの最大の評価である。

さて、今朝の日経「企業欄」。
「小売り・外食、値下げ競う」

第1にイトーヨーカ堂。
2009年春以来3年半ぶりに12月1日から、
食品約800品目と日用品約200品目の価格を
1~4割下げる。

それも全店一斉で、本腰を入れる。

アイワイは従来、全店一斉ディスカウントはやらなかった。
「個店対応」で店舗ごとの政策。

しかし、イオン、ダイエー、西友など、
1000品目以上の値下げを発表。
最後の最後にイトーヨーカ堂が、
「全店対応で値下げへの取引条件を改善」。

第2はテレビでも報じられたが、ニトリ。
約870品目の大規模値下げ。
こちらは2010年10月以来、2年ぶり。

似鳥昭雄社長のコメント。
「今後も継続的に、
最低500品目の値下げを打ち出していきたい」

記事は指摘する。
ニトリの「10月の既存店売上高は8.5%減。
2カ月連続のマイナス」。

プライべートブランド中心の品ぞろえで、
円高のメリットを享受し続けてきたニトリだが、
今年の年末商戦は「特別の展開」を意識している。

第3は、外食のゼンショーホールディングス。
全国の「すき家」約1880店で、牛丼価格の30円値下げ。
これは12月5日からの6日間限定。

牛丼並盛り250円。

もちろんここには、
吉野家ホールディングスの新フォーマット開発がある。
このブログで取り上げた「築地吉野家 極」の登場。

とはいってもまだ2店だから、
すき家全店に影響が出るわけではない。

ただしマスコミ報道で吉野家「極」が取り上げられるから、
それへの対抗策という意味が強い。
小売業、外食業ともに、
この年末商戦は「価格戦争」に陥る。

ただし、「値下げ合戦で先陣を切った西友は
7~9月期の既存店売上高が前年同期比1.9%減り、
営業赤字に転落した」。

つまり、ディスカウント合戦が、
成果をあげるとは限らない。

記事はまとめる。
「小売り・外食業界ともに消耗戦に突入するが、
値下げ効果は限定的との見方もある」

意味するところは、つまり、
第1に「消耗戦の突入」は確実。
私は「無呼吸泳法」と呼ぶ。

それでも第2に「値下げ効果は限定的」。
価格競争しても客数は増えにくく、
売上げは上がりにくい。

では、どうしたらよいか。
「価値ある商品の値下げ」でなければ、
成果は上がらない。

しかし本来、
「他者が持たない価値ある商品」ならば、
値下げする必要はない。

その「他者が持たない価値ある商品」を、
値下げしなければならないのが、
今年の年末の特徴だ。

「他者が持たない価値ある商品」を、
社長自ら登場して広く事前告知したうえで、
ディスカウントする。
それが似鳥昭雄さんの作戦。

「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。
早仕掛けの時期は、
事前告知合戦となる。
店頭・チラシ・テレビ・新聞、
さまざまなメディアを使っての広告宣伝合戦。

2003年11月発刊の『一勝九敗』のなかで、
ファーストリテイリングの柳井正さんが語っている。
「広告宣伝というのは
零点か百点しかない」

「広告は視聴者に到達してこそ広告であり、
中途半端なものは埋没し絶対に到達しない」

柳井さんはさらに続ける。
「『到達』とは視聴者が共感してくれて、
われわれが伝えたいと考えていることが伝わり、
結果が思い通りになるということだ」

足利屋洋品店の『虹の架け橋』や「靖ちゃん日記」も、
似鳥昭雄さんの自身の露出も、
そして柳井正さんの「視聴者への到達」も、
事前告知合戦の独自性を物語っている。

ただし、広告宣伝は
柳井正の「零点か百点」だが、
売場や店、商品は、
森脇浩司の「微差が大差」。

当然ながら、ともに必須。
以上、よろしく。

<結城義晴>

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