結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年04月26日(木曜日)

ヤオコー23期連続増益とワオン・ナナコでFSP・CRMブームの予感

昨日4月25日の晩、
帰宅したら、
プレゼントがあった。
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開けてみると、
財布と名刺入れ。
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この4月に就職した長女が、
25日にはじめて給料をもらって、
最初に買って、贈ってくれたもの。

一方、私の自宅の近くに、
ローソンがオープンする。
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車で買い物に来ることはないが、
駐車場も広いし、
格段に便利になる。
期待が持てる。

これもなんだか、
私へのプレゼントのような気分。

店は毎日、
顧客になにがしかのプレゼントを、
贈っているようなものだ。

プレゼントするときの気持ち。
相手に対する思いやり。

プレゼントされた時の気分。
相手に対する感謝。

店とはそんな人間の気持ちが、
行き来するところだ。

大切にしたい。

『ほぼ日刊イトイ新聞』。
その巻頭に糸井重里さんが書く巻頭言。
「今日のダーリン」がいい。

「『わるいことを成功させる』のは、
難しいものです」

えっと、思う。
ここから小沢一郎陸山会事件に進むのか?
東京地方裁判所は無罪判決を下したけれど。

「ま、ものすごく穏便な例を出すならば、
野球の『盗塁』というものは、
(相手にとっての)『わるいこと』です。
『盗塁するぞ、盗塁するぞ』と言うだけなら簡単ですが、
ほんとうに盗塁を成功させるのは、難しいですよね」

糸井さんは昔の「どろぼう」を例にとる。
「ほっかむりをして、口のまわりのひげが濃くて、
大きな風呂敷を背負ったおっさんね」

「これにしたって、実際にやるとなったら大仕事です。
どろぼうを贔屓するわけではありませんが、これも、
ふつうに働いたほうがよっぽどラク、というくらいの、
めんどくさい大仕事なんじゃないかなぁ」

「ほんとうによくよく想像してみると、
犯人の側の身体的、精神的な仕事の質量というのは、
並大抵じゃないと思いますよ」

「いいことだって、ふつうのことだって、
実際にやるのは、ちっとも簡単じゃないですよ。
簡単なのは、『言ってるだけ』の人だけです」

「『わるいこと』『いいこと』『ふつうのこと』、
どれもぜんぶ、なかなか難しいものなんです」

仕事はみんな難しい。

そしてつぶやく。
「『言うだけ』だったら、なんとでもなるのにねぇ」

命令しているだけの人。
指示しているだけの人。
口だけの人。

「けしからん。ああせい、こうせい」「こうしてやる」

「責任もなくて、実現しなくてもいいのだったら、
それこそ『命をかけて』とかも、言い放題です」

「ぼくらの見ているインターネットの世界って、
そういう『言うだけ空間』になりやすいんですよね」

「『ネットの発言、8割引』ってことばを、考えました」

私自身、立場上、
「言うだけの人」になりやすい。
このブログも「言うだけ空間」となりやすい。

学者、コンサルタント、ジャーナリスト、
「言うこと」を仕事としている人は多い。
もちろん「考えること」を前提として、
「言うこと」をしている。

政治家も経営者も、
その面では似たようなところがある。

だから私は、せめてもと思って、
人ができそうもない、自分にしかできないことを言い、
それをやっている。

糸井さん、
「ネットで言うことと、
現実で言うことを同じにしたいです」

まったくの同感。

ヤオコーが、
23年連続経常増益を果たした。

例によって日経新聞の独壇場記事。

ヤオコーの23期連続増益は、
「ふつうでないこと」「いいこと」だし、
本当に難しいこと。

ヤオコーは、
「言うだけ」ではなく、やる。

川野幸夫会長は、いつも、
「みんなのおかげ」を強調する。

ヤオコーの2012年3月期の連結営業収益は、
2370億円、7%増。
既存店売上高は1.2%増。

連結経常利益は105億円で、
前の期比11%増。

単独決算のみの時期を含めて、
23年連続増益。

新規出店は8店舗だった。
そのうえで、
店舗運営の効率を高めて経費も圧縮した。

記事には「各店舗で異なっていた作業を、
効率の高い店舗に合わせて標準化」とあるが、
これは作業問題の改革がなされたことを意味している。

2013年3月期も増収増益を見込む。
そしていよいよ、
「ポイントカード導入」本格化。

4月の商業経営問題研究会例会で、
㈱たいらやの村上篤三郎社長も語っていた。

今年は、どうやら、
フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)や、
カスタマー・リレーション・マネジメント(CRM)の、
大ブームがやってきそうだ。

もうひとつ日経の記事。
「電子マネー2年で倍増」
イオンとセブン&アイ・ホールディングスの、
電子マネー事業拡大のニュース。

日本経済新聞社の推計によると
2011年度のプリペイド式電子マネー6社の決済総額は、
前年比3割増の2兆1000億円

2001年に初の電子マネー「エディ」「スイカ」が登場。
その後、8年で、1兆円。
それが、直近の2年で2兆円に倍増。

商品券・ギフト券市場は数千億円、
クレジットカードの取扱総額は約30兆円。

けん引役はイオンの「ワオン」とセブン&アイの「ナナコ」。
2011年度はワオンだけでも1兆円を超えた。
全体の7割強をこの流通系電子マネーが占める。
利用される店舗も、初めはコンビニ中心だったものが、
食品スーパーマーケットや総合スーパーにまで広がっている。

主要6電子マネー全体で、
1回あたりの平均決済金額は800円前後。
それが総合スーパー、食品スーパーでは、
2000円の客単価程度に上昇する。
両者の取り組み。
イオンのワオンは3月末で2440万枚発行。
イオン・グループおよびショッピングセンターのテナント約2万3000店で使用できる。

このうち、総合スーパーでは、
なんと支払額の約25%を占める。

ワオンは2014年度までに、
決済総額を2兆円に倍増の予定。

そのためにイオンは、
自社の店舗やショッピングセンター以外でも、
使える店舗、施設を増やしている。
今年3月には、日本航空とビックカメラと提携。
4月には長崎のテーマパーク「ハウステンボス」に導入。
ハウステンボスの平均客単価は8000円強で、
ワオンの平均利用額の約4倍。
さらに各地の商店街と提携した「ご当地ワオン」も拡大中。
全国67カ所で120万枚を発行、
数年内に全都道府県で400万枚に引き上げる計画。

セブン&アイ・ホールディングスのナナコは、
同じく3月末で、カード発行1653万枚。
前年同期比27%プラス。

セブン-イレブンをはじめとして、
国内に1万5000を超すグループ店舗を有する。
このうち、コンビニのセブン-イレブンでは、
特定商品にナナコ利用で数十ポイントを付与する販促を展開。
積極的に顧客を囲い込む。

イトーヨーカ堂は、この4月から
「シニアナナコ」を発行。
65歳以上限定の電子マネーカード。
年金支給日に当たる15日に、ほぼ全品を5%引き。

さらに6月までに東北のヨークベニマル約170店にナナコを導入。
その後、ロフト、赤ちゃん本舗など、
約800店のグループ店舗に拡大予定。

この流通系の電子マネーは、
買い物の会計時に小銭を扱う煩わしさがない。

そのうえ、ポイントがつく。
ナナコは100円の買い物につき1円相当。
ワオンは200円で1ポイント。

この電子マネーとカード化の動きのなかで、
セブン&アイは購買履歴を分析し、
売場作りや売れ筋商品の仕入れ、関連販売に使う。

これもFSPやCRMの考え方そのもの。

今年後半から来年にかけて、
FSPとCRMの大ブームが、
やってきそうな気配である。

<結城義晴>

2012年04月25日(水曜日)

百貨店・総合スーパー・SM・コンビニ3月実績と「価格競争の千日手」

日々、新緑は増していく。
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東京・浜離宮のケヤキ。

ゴールデンウィーク直前の今週、
それを味わわずして、
何を楽しむ。

テキサスでは、
レンジャーズのダルビッシュ有が、
ヤンキースの黒田博樹と投げ合って、
9回1アウトを取ったところで降板。

0点に抑えたうえ、
10奪三振を成し遂げて、
見事、勝利投手。

やっと、日本最高投手の本領を発揮してきた。
ヤンキースの大スター・ジーターからも三振を取った。

ダルビッシュの「玉をコネコネ」する姿がテレビに映る。
昨年で引退し、今年から解説者となった工藤公康が指摘した通り。

今日は一日中会議で、
昼食休憩中にネットでニュースを知って、
ひとまず満足。

これを味わわずして、
何を楽しむ。

さて、日経新聞『大機小機』。
コラムニスト蜻蛉氏が、
「政治の千日手」と題して書く。

「トルーマン米元大統領が在職中、
『ザ・バック・ストップス・ヒア』と書いた置物を
執務室の机の上に据えていた」

“The back stops here”
「責任はここで止まる」

「政治の決断は、
最後はトップが下さなければならない」
そして最後の責任もトップが取る。
経営の決断もまったく同じだ。

しかし、「現下の政治において、
責任は誰の手元にも止まらないようだ」

それをコラムニストは、たとえる。
「将棋の千日手のようなもの」

「このゲームは同じ所を行きつ戻りつし、
しかもプレーヤーは2人ではない」

「自民党政治に怒った国民は民主党政権を選んだ。
次の国政選挙では民主でも自民でもない、
第三勢力が躍進するだろうと噂される」

「ただ、それによって
第三勢力による政権が誕生する可能性は小さく、
予測できるのは、
どの政党も過半数は
とれないだろうということにすぎない」

「将棋の千日手は
時間を限っての指し直しや
攻撃側が手を変えるなどのルールがある。
政治家同士、選挙民と政治家との関係には
それがない」

しかしプロの将棋の千日手は、
互いにベストの手を指していって、
それが行き詰る。
究極の千日手。

日本の政治は、
例えば民主党と自民党は、
互いに凡手やポカを指しつつ、
千日手のように見える。

経営者や実務リーダーは、
“The back stops here”でいきたいものだ。
さてさてこれも日経の記事。
「消費改善、プラス間近」

のっけから、明るそうな言い回し。
「小売りやサービス企業の景況感が改善している」

「日経消費DI」の4月調査の業況判断。

前回の1月の調査と比べて、
5ポイント上昇。

「マイナス11と、水面下ながら
2008年秋のリーマン・ショック後の最高値を更新」

3カ月後の見通しもマイナス4。

こちらも「2008年1月以来最もプラスに近づき、
個人消費の先行きを楽観視する企業が増えている」

3月中旬から4月上旬の212社からの調査。

この指標を決める場合の業況判断は、
「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を差し引いて算出。
「最近3カ月の客数」は前回比30ポイント上昇の18。
上昇幅は1995年9月の調査開始以来、最大。
これも明るい兆し。
「最近3カ月の売り上げ」も、
25ポイント上昇して17。

2007年7月調査以来初めてのプラス。

百貨店は現在の業況と3カ月後見通しがそれぞれ9。
プラス。

総合スーパーやコンビニ・ミニスーパーは、
3カ月後見通しがゼロ。
これは「改善基調」。
外食も3カ月後はゼロの見通し。
ただし家電量販店を含む専門店は、マイナス23。
現在の業況判断が10ポイント下落。

「日経消費DI」は以上の結果を示したが、
業態別の3月実績も次々に発表されている。

3月の百貨店、総合スーパー、コンビニ、
スーパーマーケットの結果をご報告しよう。

東日本大震災からちょうど一年経ち、
売り場はどう変わったのか、
昨年の震災特需がどこまで影響したのか。

まず、日本百貨店協会発表。
「全国百貨店売上高概況」

全国の総販売高は5273億8866万円で、
昨対プラス14%(既存店)。
3カ月ぶりのプラス基調は、
もちろん、震災の影響を受けた反動によるもの。

昨年は震災後、店舗は被災し、客足は遠のき、
さらに計画停電などで営業体制が整わなかった。
それらの店舗が一年経ち、営業を再開したことが、
今月のプラスの要因。

それを物語るようなものすごい数字。
仙台が昨対プラス170%、
東京がプラス26.7%、
横浜も、プラス26.5%。

また、最近の復興ムードや円高・株安の影響で、
消費マインドが好転しているため、
高額商材もプラス21.2%と好調。
昨年はブランド品を買う気分になれなかった
消費者が多くいたことも要因だろう。

次に日本フランチャイズチェーン協会発表、
「コンビニエンスストア統計調査月報」

震災特需で品切れが続出した反動で、
インスタント食品などの加工食品や
乾電池などの非食品の売上げは落ちた。

しかし、惣菜やパン類の売上げが好調に推移し、
結果、総売上高はプラスだった。

既存店売上高は6671億7400万円で、
前年同月比プラス0.4%。
客数は10億9955万人で、プラス2.2%。
平均客単価は606.8円で、マイナス1.7%。

震災の影響をものともせず、
今月もプラスを維持したコンビニはさすがである。

さらに日本チェーンストア協会から発表、
「チェーンストア販売統計(月報)」
半分くらいが総合スーパーの売上げだから、
その統計と見たほうがいい。

総販売額は1兆0056億2007万円で、
既存店前年同月比はマイナス2.4%だった。

食料品や住関品は震災の反動で、マイナス。
食料品が6305億円でマイナス4.3%、
住関品が2005億円でマイナス2.5%。

衣料品は好調で1022億円のプラス5.9%。
低温傾向で春物衣料の動きは鈍かったものの、
昨年の反動で売上げとしては、あがった。

最後にスーパーマーケット。
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
3協会合同調査・発表、
「スーパーマーケット統計調査」

今月の発表も日本橋の日本スーパーマーケット協会会議室にて。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の松本光雄専務理事が
3月の販売結果を発表。
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総売上高7738億6929万円で、
既存店前年同月比はマイナス3.3%。

食品合計は6807億3216万円、マイナス3.0%。
青果は相場高が影響し、1090億4468万円で、プラス3.2%、
水産が722億4392万円でマイナス0.7%、
畜産が776億8221万円でマイナス5.3%。

惣菜は今月も順調で、
693億7477万円のプラス2.6%。
日配は1426億3176万円でマイナス1.7%、
一般食品が2097億5482万円でマイナス8.3%。

そして非食品が635億2852万円で、
こちらもマイナス8.3%。

エリア別にみると、震災の影響は顕著に表れている。
北海道・東北エリアだけが既存店ベースで
プラス3.1%だった。

関西エリアのみ、新規出店が相次いだためか、
全店ベースでプラス4.1%とよかったと、
松本専務理事。
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「3月の商売はどこの企業も、
昨年の特殊な事情をどうカバーするか、
価格訴求やチラシなど、対応に追われた。
結果として売上高マイナス3.3%にとどまってしまった」

「昨年の震災特需の状況を考えると、
飲料、缶詰、パスタ、米などの一般食品や、
乾電池、紙製品などの非食品の売上げが
不振だったのは当然のこと」

「震災から1年経った現在の状況を
気仙沼の複数の企業にヒアリングをした」

そこでは以下のような声があがった。
・がれきの撤去は進んでいるが、街づくりは進んでいない
・高台での一般住宅の建築ラッシュがすごい
・雇用の需要と供給がマッチしていない
・競合店が次々と再開してきて、商況は厳しい
・売上げを支えているのは工事関係者とボランティア
・仮設住宅で油の使用を敬遠してか、揚げ物が非常に売れている
・東北に観光にきてほしい
・東北地区を風化させないでほしい

「ちなみに、一昨年3月のデータと比較してみた。
一昨年はまだ3団体の数字がなかったから
一概には言えないが、
日本スーパーマーケット協会ではプラス0.2%、
オール日本スーパーマーケット協会ではプラス2.0%。
つまり、震災の影響を除けば、
そんなに悪くはなかったといえる」

今月のゲストスピーカーは、
㈱マルヨシセンター取締役副社長の伊東栄治さんと、
執行役員総合企画室マネジャーの竹垣亘さん。
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マルヨシセンターは「うどん県」こと、
香川県高松市に本社を置く。
小売店37店舗、売店1店舗、外食店2店舗を展開している。

「わが社と全店競合しているマルナカが、
昨年、イオンに買収された。
マルナカの売り場が変わってきている。
従ってマルナカへの対応を考えている」

「“600坪スタイル”の店舗を増やしている。
売場面積600坪、バックルーム250坪、駐車場120台。
37店舗中、11店舗は改装した。
今では全体の売上げの44.6%はその11店舗のもの」

「惣菜やデイリー、パン、そしてうどんは、
自社工場で製造。
荒井伸也AJS会長から教わった“Just in Time”方式
いかにうまくできるか、工場をうまく使えるかが重要」

今後の目標に関してもコメント。
「マルナカのNB商品の売価がすごい。
マルヨシセンターはそれに対抗する、
赤字覚悟の販売から脱却しないといけない」

「意識を共有し、店舗の価値創造に取り組み、
お客様に愛されるローカル・スーパーマーケットを
つくっていきたい」

突如、日本最大手のイオンに買収された企業と、
競合することになったマルヨシセンター。
その対マルナカ戦略は、
全国のローカル・スーパーマーケットの注目の的でもある。

低価格政策を採用するナショナル・チェーン。
対抗するローカル・チェーン。

どちらも千日手を繰り返していては、
いけない。

それでは肝心のお客様が、
喜ばない。

<結城義晴>

2012年04月24日(火曜日)

「異常値販売ブームの本質」と大久保恒夫の「イチニッパを売り込め」

昨日の雨と打って変わって、
心地よい東京の陽気。

芝公園は新緑に満ち溢れて、
森林浴ができそうなほど。
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左手をみると、
東京タワー。
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そしてザ・プリンス・パークタワー東京。
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それにしても芝公園は、
都心の、それほど大きくはない公園ながら、
若い緑に包まれる感じで、快適。
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この遊歩道を歩いて、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱の定例役員会。
略称CCL。

小さな会社ながらも、大きな志で、
小売流通業と消費財の世界にお役立ちします。
その根底にある強みは、
カスタマー情報を的確に分析し、
使えるマーケティング・ツールとして提供するところ。

さて、日経新聞最終面の『私の履歴書』。
今月は演出家の蜷川幸雄さん。

とても面白くて、毎日楽しみにして読んでいる。
今日は演出家になりたての若い頃の話。

「舞台で初めて演出料をもらった。
40、50万円だった記憶がある」

「日生劇場や帝国劇場で
年1、2本の演出を手がけるようになったとはいえ、
食べていけない。
そもそも演出家は職業として認められていなかった」

「苦しかったこの1970年代、
どうやって暮らしていたかと問われれば
『女房のヒモだった』と答えるしかないだろう」

そんな中、「長女の実花」が誕生。
蜷川は「スポック博士の育児書に忠実な主夫」となりつつ、
演出の仕事に邁進。

「汝(なんじ)の道を歩め。
そして、人々をしてその語るに任せよ」

「ひとりぼっちになったぼくは
『資本論』の序に引かれたダンテの『神曲』の一節を
心の支えとした」

「幼い実花をぼくは新宿の中央公園へつれていき、
口笛の吹き方を教えた。
西口の雑踏で、
ぼくは自分に言い聞かせるように、
実花につぶやいていた」

「人がみんな右へ行ったとしても、
自分が信じるなら、
ひとりでも左へ行くんだよ」

若いころのこの孤独。
それを受け止めて、
自分の道を歩む。

ウォルマート創業者のサム・ウォルトンの言葉。
“Swim Upstream!”

試練があるから、
成就がある。

「志定まれば、気盛んなり」
私も㈱商業界代表取締役社長を退任したあと、
この吉田松陰の言葉を心の支えとした。

「心は燃やせ、頭は冷やせ」
何度も何度も、この言葉に救われた。

さて日経新聞夕刊の記事。
「フェイスブック、利用者9億人」

アメリカの証券取引委員会に対して、
新規株式公開申請のために、
同社が修正報告書を提出し、
その中で明らかになったこと。

今年3月末時点、
フェイスブック利用者数が、
全世界で9億100万人。
昨年3月末時点では、
6億8000万人。

約2億2000万人増で、
これはプラス33%。

日々の利用者は平均5億2600万人、
こちらは前年同月比プラス41%。

このうち、携帯電話経由の利用者は、
4億8800万人。

「フェイスブックを通して利用者が書き込んだコメントや、
書き込みを他の利用者に薦める『いいね(like)』の件数は
1日平均で32億件」

世界の人口は今時点で、
70億3482万人。

世界の8分の1ほど、12.8%が、
facebook利用者ということになる。

歴史をさかのぼると1800年段階で、
世界人口は10億人だったそうだから、
その時にfacebookがあれば、
世界中の人間がみな、
利用していたことになる。

もうすぐ世界人口のクリティカル・マスを、
facebookが達成してしまいそうな勢い。
なんともすごいことだが、
私もその一人。

そして今月、遅ればせながら、
グランド・オープン。
facebookで友達になろう。
知識商人の輪を広げよう。

よろしく。

今日の日経新聞朝刊に、
「UCC、欧州大手買収」の記事。
各紙も取り上げた。

UCCホールディングスは、
スイスのユナイテッドコーヒーを、
5月下旬に買収する。欧州同業大手企業。

買収額は約500億円。

円高をメリットにした買収で、
私は快打だと思う。

ユナイテッドコーヒーの、
2011年度の売上高は約450億円。
これには家庭用コーヒー豆や、
外食業向け抽出機器なども含まれるが、
レギュラーコーヒーの販売量(生豆換算)は、
7万2000トン。

UCCとユナイテッドコーヒーの販売量を単純合算すると、
16万4000トン。

これは世界第1の米国フォルジャーズ、
第2のイスラエルのストラウス
に次ぎ、
第3のドイツのチボーと並ぶ。

UCC上島珈琲㈱単体の年商は、
2011年3月期で1106億円だが、
UCCグループ連結売上高は、
3413億円。

ここにユナイテッドの450億円が加わる。

上島豪太社長はビジョンを語る。
「コーヒー文化が浸透し、
世界市場の中心である欧州に進出できる」

現在のUCCの海外事業は約70億円で、
全体の3%。

それが20%に飛躍する。

北欧から東欧まで、
ヨーロッパ各国の販売網を活かして、
既存商品の売り込みをかける。

しかしメリットは、もうひとつ。
コーヒー豆は世界的に高騰が続く。
UCCは世界30カ国からコーヒー豆を調達しているが、
ユナイテッドコーヒーとの連携で、
有利な調達交渉を進めることができる。

やはり、円高メリットを活かしたクリーンヒットだと思う。

さてもうひとつ、
昨日の日経MJの『底流を読む』。
デスクの白鳥和生さんが、
「異常値販売ブーム」と題して評論。

「小売業界で最近のはやり言葉といえば、
『異常値(販売)』だろう」
ちょっと異常なくらい。

「売れっ子のコンサルタントも
ブログなどでよく使っているが、
発祥は定かではない」

「意味するところは
特定の品目で
圧倒的な売上げをつくること」

事例を挙げる。
「おはぎを1店舗で
平日5000個売るスーパー、
さいちなどが有名」

「最近はダイエーやマルエツといった有力スーパーも
社内で『異常値』に取り組もうと掛け声がかけられている」

「なぜいま、異常値販売なのか」
白鳥さんは、回答を出す。

「最大の狙いは
販売スタッフの意識向上や、
達成感の醸成にある」

この指摘は正しいように思う。

白鳥さんは異常値を稼ぎ出すポイントを挙げる。
「販売方法を見直すこと。
販売のタイミング。
店頭販促(POP)広告の工夫」
「組織的には本部と店舗の連携」
「対象商品の選定や確保」
だからバイヤーの腕も試される。

私は最後の要素「対象商品」がとても大切だと思う。

「さいちのおはぎ」こそ、
異常値ブームの原点にあるからだ。

白鳥さんは、
セブン&アイの鈴木敏文会長を持ち出す。
「売り切る力」である。

「在庫リスクを小売自らが取る
自主マーチャンダイジングを推進するのと、
軌を一にした言葉で、『製配販』の連携のなか、
小売り本来のビジネスに立ち返ることを求めたものだった」

これは小売業経営の真髄をついたものだった。
白鳥さんは「異常値」を、
「ブレイクスルー(突破口)を期待」と評するが、
確かにこの意味合いも大きい。

しかし、ことスーパーマーケットに関して言えば、
異常値がそうそう、頻発し、
その品目がくるくる変わるのは、
本来、困ったことのはずだ。

生鮮食品でいえば、
売れたら補充、売れたら補充。
それが大原則。
「ジャスト・イン・タイム」という。
これは荒井伸也先生の持論。
安土敏名で『日本スーパーマーケット原論』(パルス出版)に書かれている。

店舗と売り場のすべてを効果的に使って、
顧客の生活全般を支えるのが、
スーパーマーケットの本質だからだ。

ウォルマートのエブリデー・ロープライス。
これは「売上げの波動を最小限」にするために行われる。

しかしその本質のうえに立って、
通常と異なる作為が展開される。

ウォルマートでは、
「ロールバック」という。

㈱成城石井社長時代の大久保恒夫さんは、
「イチニッパを売り込め」をスローガンにした。

1部門16アイテム、
8部門で128アイテム。
これを選んで、
値段を下げないで売り込む。

売り込み方法は5つ。

第1が、「優位置陳列」。
顧客が多く通るところ、よく目が届くところを、
大久保さんは「優位置」と称する。

第2は、フェースを広げる。
目立ちやすくするためだ。

第3は、「豊富感」。
そのために在庫を多く持って、わっと積み上げる。

第4に、「POP」をつける。
商品のよさをアピールするため。

最後に第5に、「接客」をする。
声を掛ける。

この5つの方法を的確に、
確実に行うことによって、
値段を下げないで、
「3倍売れます」。

大久保さんは胸を張る。

結城義晴の知識商人対談、
大久保恒夫の巻「イチニッパを売り込め」

「意識向上」や「達成感醸成」。
白鳥さんが指摘した「異常値」の最大の狙い。
しかしそれだけでなく、
売上げも利益も上がる「イチニッパ」の実現。

あっちもこっちも「異常値」を目指すと、
もはやそれは異常値ではなくなり、
自分の売上げの先食いに終わってしまう。

<結城義晴>

2012年04月23日(月曜日)

「戸籍を持たない産業」と「教育はコストか投資か?」への解

Everybody! Good Monday!
[2012vol17]

2012年第17週。
4月の第4週。

今週末の土曜日から、
2012年のゴールデンウィーク。

4月28日・29日・30日。
前半は三連休。

5月1日と2日を飛ばして、
3日・4日・5日・6日。
後半は4連休。

中の2日間を休めば、
9連休。

そんな人もいるんだろうなあ。

しかし小売業・サービス業は、
ゴールデンウィークこそ、
書き入れ時。

ところで、
国民放送NHKでは、
「ゴールデンウィーク」という言葉を、
使わないことになっている。

理由はいくつかある。
まず、「ゴールデンウィーク」が映画業界用語だったから。
使うと映画業界だけの宣伝になってしまう。
第2に、年配者にわかりにくいカタカナ語の多用を避けるため。
第3に、休めない人たちから「何がゴールデンだ」という抗議が来るから。
第4に、今回も9日間だが、1週間を超えて長くなって、
「ウィーク」はおかしいから。「ウィークス」でなくてはならない。
<ウィキペディアより>

だからNHKは「大型連休」で通している。

小売業・サービス業に関連するのは、
第3の理由かもしれないが、
こちらは「書き入れ時」だから、
抗議はしない。

それを喜びとするくらいでなければ、と思う。

もう1週間後、商品計画や販促プランは出来上がっているはず。
あとは粛々(しゅくしゅく)と進めるべし。

ただし、いまからでもできる小さなキャンペーンはある。
今月の商人舎標語。
「シンプルに。」で。

先週も書いたが、
「元気な挨拶、地域一番」
あるいは、
「お店ピカピカ、クレンリネス」

そしてこれは、直接、
売上げにつながらないことの方が、
よろしい。


さて、
一雨に寒さ緩める朝(あした)かな
〈日経俳壇より 芦屋・郷原資亮〉

東京・横浜は今日も雨です。
しかし一雨ごとに、寒さが緩む。

これがとてもいいい。

春眠がもやもやもやと近付きて
避ける間もなくふっと取り憑く

〈日経歌壇より 福岡・二宮正博〉

春眠暁を覚えず。

商売に関連する歌もある。

少しでも新鮮な牛乳買いたくて
奥へ奥へと伸びていく腕

〈同 福岡・武内美恵〉
「後入れ先出し」は顧客には、読まれている。

食べ物の歌も多い。
鳩サブレは絶対くちびるから食べる。
くちびるじゃなくってくちばしか

〈同 東京・佐藤友美〉

もうひとつ。
春雷や
つやつや光るできたてのバターロールが
我をいざなう

〈同 所沢・杉本葉子〉
食べ物や商売はなんて平和なんでしょう。
それが何より、良いですね。

今週は、「大型連休」に向けて、
準備を整える時。

今こそ、大事な1週間です。

さて、JOIS PERSONさんから、投稿。
昨夜23時34分27秒。

「結城先生 こんばんわ

そういえば結城先生と
横山さんの知識商人の対談のCDがあるのを
思い出し、改めて聞き直してみました。

一番気になったのは横山さんの『生産性』という言葉。
何故こんなに何度も何度も繰り返しでてくるのかと思って聞いておりましたら
『スーパーマーケット産業に戸籍を持たせたい』という思いだと知り、
それは生産性がまだまだ低いという現実に対する横山さんの思いでもあり、
それを向上させるためには規模の拡大も必要だ
ということなのだと改めて感じ入りました。
それが所謂『縮小拡大』ということなのですね。

そう思うと、ジョイスという本籍があり、
アークスという現住所を持てる喜びと実感が
少しずつ少しずつ湧きだしてきました。
そして横山清さんという人間そのものに
私個人として非常に興味がでて参りました。
それも結城先生の知識商人の対談の
おかげと思います。
ありがとうございました」

自分の環境の変化を受け止め、
自分で調査し、考察して、
それを読み解く。
さらに前向きに対処していく。

JOIS PERSONさんはまさしく、
「脱グライダー」の「知識商人」です。

「戸籍のない産業」とは、
スーパーマーケットのことです。

「この国のかたち」をつくっている分類表があります。
それが「日本標準産業分類」。

4段階構成で、
大分類20 中分類99 小分類529 細分類1455。

小売業・卸売業は、
大分類の9番目のI項目で、
中分類12 小分類61 細分類202。

例えば、中分類56は、「各種商品小売業」で、
小分類は560 「管理,補助的経済活動を行う事業所」
561 「百貨店,総合スーパー」となり、
細分類が「5611 百貨店,総合スーパー」となっています。

5611 百貨店
5612 総合スーパー
不思議なことに、こうはなっていない。

そして中分類57は「織物・衣服・身の回り品小売業」

中分類58  「飲食料品小売業」 。
この中の小分類580 「管理,補助的経済活動を行う事業所」
581  「各種食料品小売業」
細分類5811  「各種食料品小売業」

これがスーパーマーケットを示しています。
食品スーパーマーケットは、
「各種の食料品を扱う小売業」という意味。
一応、戸籍はあるのですが、
その戸籍の名称が何だかわからない。

「私の会社は各種食料品小売業です」と自己紹介して、
果たしてわかってもらえるでしょうか。

小分類582  野菜・果実小売業
583  食肉小売業
584  鮮魚小売業
585  酒小売業
586  菓子・パン小売業
589  その他の飲食料品小売業

この589の中に、細分類があります。
5891 「コンビニエンスストア(飲食料品を中心とするもの)」

さらに中分類60  「その他の小売業」
小分類603は「医薬品・化粧品小売業」
その中の細分類6031 「ドラッグストア」

小分類609 「他に分類されない小売業」
細分類6091 「ホームセンター」

こんな具合に、コンビニエンスストアやドラッグストア、ホームセンターが、
日本標準産業分類のなかに立派に位置づけられているのに、
「スーパーマーケット」はその名称がありません。

総合スーパーも百貨店と十把一からげ。

これはおそらく「スーパー」の概念が、
社会的に明確になっていないからだろうと思います。

総合スーパーと食品スーパーマーケットは、
異なる社会的機能を有するものです。

それが経済産業省やマスコミで、わかってもらっていない。
わかっていてもその重要性が実感されていない。
変更することの面倒くささの方が、上回っている。
このことを私は横山清さんに強く強く訴えました。
東京の第一ホテルの部屋でのことでした。

横山さんのアークスの活動のひとつは、
スーパーマーケットの、
産業としてのポジショニングを確立すること
です。

そのために企業としての生産性を高め、
さらに業界全体の生産性も高める必要があります。

JOIS PERSONさん、
よくぞ、そこまで考えました。

5月29・30・31日。
完全合宿制の2泊3日のセミナー。
「商人舎ミドルマネジメント研修会」
このセミナーでは自分でものを考え、
自分で問題解決する中堅幹部を養成します。
そのお手伝いをします。

JOIS PERSONさんのような思考方法を展開し、
自分たちで自分たちの方向を定める。

まさしく自分のエンジンをもたない「グライダー」ではなく、
自らのエンジンを持つ「脱グライダー知識商人」。

ここで「知識」という言葉を使いますが、
それは仕事の「知識と知恵」を意味する「ナレッジ」です。

昨年の東日本大震災では、
そんな「ナレッジ・マーチャント」が大活躍しました。

マルトの店長たち、
ヨークベニマルの店長たち、
マイヤの店長やマネジャーたち。
ジョイスやベルプラスの店長たち。
もちろんイオン、イトーヨーカ堂のマネジャーたち。
単独店では、びはんの間瀬慶蔵専務も。

彼らの中に存在したもの。
「マネージャーとして、
始めから身につけていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」

ピーター・ドラッカーの言葉。

そのうえで、リーダーシップ。
チーム・ワーキング。

「商人舎ミドルマネジメント研修会」の基本テーマは、
ここから始まります。

もちろん、自分の仕事にコミットすること。
「献身・専心」すること。

そのうえで必須のマネジメント・カテゴリーを学びます。
品揃えとは何か。
売場づくりとは、販促とは、
作業とは、オペレーションシステムとは、
ストアコンパリゾンとは、
経営数値と計数管理とは。

こういったマネジメント・テクノロジーは、
マネジャーにとって必要不可欠の能力です。

日経産業新聞の4月21日版で、
「リーダーは投資しないと育たないと、
コーチ・エィ会長の伊藤守さん。

「政界やビジネス界では
強いリーダーシップを持った人材がいないとの嘆きが聞かれます」

「しかし本当の問題は、
現場のリーダーや中間管理職を中心とするミドル層も含め、
リーダーの数が足りない点なのです」
この点は私も同感です。

「日本固有の問題としてはここ10年ほど、
企業の組織のフラット化が進みました。
従来のような係長→課長→部長という出世階段が崩れ、
階層を設けずにフラットな組織を作ろうという流れです。
若手でも優秀な人材を登用するという意味では重要ですが、
幹部のトレーニングという側面から見ると欠点もあります」

「確実に言えることは、
リーダーは自然に生まれるものではなく、
投資して育てる必要があるということです」

「米国の企業はリーダーを育成するための研修や教育を『投資』と考えます。
多様性が高い社会で、リーダーを育てなければ会社を束ねることが難しく、
リーダー不在は会社にとって大きなリスクだからです」

「日本では長らく、リーダーの育成は『コスト』と考えられてきました。
現場の一人ひとりの社員のレベルが高く、
抜きんでた統率者がいなくても現場がまとまるという事情もあったのでしょう」

チェーンストアやスーパーマーケット産業ではずっと、
リーダーの育成は「投資」と位置付けられてきた。
だから国内研修はもとより、
アメリカ視察研修にも「投資」を続けてきた。
投資する企業が残ってきた。

倉本長治先生や川崎進一先生、
渥美俊一先生の功績大であると思う。
「しかし高度経済成長期のように
みんなで同じ船に乗って同じゴールを目指す時代は終わりました。
今のような明確な解がない時代には、
個々人が存分に能力を発揮しなければ競争に勝てません。
社員一人ひとりの能力を引き出すことのできる
リーダーの育成が急務になっています」

ここで一言で示されるリーダーを、
私は「脱グライダー」の「知識商人」と表現している。

これに対して、
今日のフェイスブックで亀川雅人先生が、
実に有益な論述を公開している。
亀川先生は立教大学経営学部教授・大学院教授で、
ビジネスデザイン研究科前委員長。

「教育はコストか投資か?」に対する解答。

「教育は、コストであり、投資です。
これはすべてに通じるコストと投資の概念整理」
まず、言い切る。

有形固定資産と減価償却費との関係を整理したうえで、
「同じように、教育にも2つの側面があります。
今日の収益を稼ぐために必要な今日の知識は、
その収益の対価として費消されます。
つまり、教育は費用です」

「しかし、教育効果が、明日以降の収益の獲得に貢献する場合には、
その効果は資産として残っていることになります。
この教育効果がなくならないうちは、無形の資産になっているわけです。
そのような教育は投資になります」
まことに明快。

「ある種の商売をするために
誰もが必要な技術や方法などはコスト
です。
これは競争企業のすべてが持っているわけで、
今日の収益を稼ぐためには必要不可欠です」

「しかし、真似のできないような知識や技術を育成するような教育は、
その効果が将来にわたり超過収益を稼ぐことになります。
この超過収益の現在価値が、教育投資の価値になるのです」

facebookの亀川教授の論述、
勉強してください。

「商人舎ミドルマネジメント研修会」。
これは会社の競争力をつける「投資」です。

しかし私は、
「商業現代化」を実現させるための同志をつくる意気込みで、
取り組む。

その意味で、私にとっては、「社会運動」であります。
倉本先生や川崎・渥美先生と同じ考え。

では、みなさん。
Good Monday!

<結城義晴>

[追伸]
結城義晴のフェイスブック・グランドオープン。
facebookで友達になろう。
知識商人の輪を広げよう。

よろしく。

2012年04月22日(日曜日)

ジジと魔法のランプ[日曜版2012vol17]

ボクのすきなランプ。
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いつも、ランプのよこにすわって、
そとを、ながめます。
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鳥の声をきいたり、
空や雲をながめたり、
花をみたり。
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ベランダには、
スノーポール。
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なでしこ。
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あの、なでしこジャパンの花です。

そとの世界は、
いつも、かわっています。
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だから、おもしろい。
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カーテンのかげから、
そとを、みます。
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いろいろなものを目にとめながら、
ものをかんがえる。
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きいろいナスタチューム。
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しろいビオラ。
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でも、ランプのなかをみていると、
もっと、とおくのものも、みえてくる。
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ねえ、おとうさん。
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まあるいランプから、
とおくのものが、みえます。
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駅までの道のヤマザクラ。
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これも、のこったサクラ。
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ランプのなかの世界。
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花壇もみえます。
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サクラのはなびらが、
ちっています。
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それから、
rikkyoのキャンパスも、
みえます。
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いろいろな木が、
緑に色づいてきた。
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ボクはキャンパスには、
いったことがありません。
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イチョウも、
青々とした新緑。
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家のなかにいても、
魔法のランプから、
いろいろなものがみえる。
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これはボクのヒミツです。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年04月21日(土曜日)

立教ビジネスデザイン研究科・結城ゼミ「脱グライダー人間」養成の役割

今日は、東京・池袋の立教大学。

イチョウの木も、葉が青々と茂って、
新緑の季節。
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そんなキャンパス・マキムホール5階で、
結城ゼミ。
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午後1時から始めて、
みっちりと5時過ぎまで。

ゼミ生が一人ひとり、
自分のテーマを定めて、
そのうえで、この2週間に学んだこと、
研究したことを発表する。

これは教えられたことを覚える学習ではない。
自分で、調査し、読書し、考察したことを、
自分なりの表現で発表する。

つまりはミドルマネジメントのシゴトと同じ。

商人舎ミドルマネジメント研修会。
5月29・30・31日の2泊3日完全合宿制度で、
行なわれる。

ここで教育するのは、
会社の中堅社員のためのマネジメント。

つまりは自分で考え、
自分で行動する人間の養成。

東日本大震災で私たちは、
学んだ。

いざという時には、
一人ひとりの現場の長が、
自分で判断し、自分で実行しなければならないことを。

そのための原理原則を提示し、
その能力を養成するための、
軌道を教える。

是非とも参加してもらいたいものだが、
立教ビジネスデザイン研究科で私がやっているのも、
この路線の教育だ。

研究者を育てるという先生もいる。
しかし私はビジネスクリエーターを養成するという立教の趣旨に賛同している。
これはクリエイティビティ豊かなマネジャーをつくることを志向している。

結城ゼミは、自分のテーマを自分で設定し、
自分で調査し、自分で研究し、自分で考察し、
それを発表する。
毎週。

教えられたことを、覚えるなんて、
小学生のようなことは、
大人の実務の世界では、
まったくありえないし、
大学院教育でも皆無。

そして結城ゼミが終れば、
そのOB懇親会。
場所は、池袋キャンパスの橋のセントポール・ハウス。
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ウェルカムボード。
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2階の懇親ルームへ。
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たっぷりと懇親して、
もう8時。
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結城ゼミ第3期生有志と第4期生が参集。

今年のゼミは、充実している。
私は例年以上に気合を込めて指導している。

きっと、大きな成果が上がると思う。

私なりの大学院教育は、
まったくもって社会人のミドルマネジメントに対して、
トップマネジメントを展望しつつ教育することだ。

それが社会人MBAの役割だと思う。
商人舎ミドルマネジメント研修会と、
コンセプトは同じ。

だから商人舎ミドルマネジメント研修会に参加することは、
大げさなようだが、小売業・サービス業にとって、
2泊3日で、社会人大学院に入れて、
集中的に修士課程の一部を修了させることに似ている。

小売りサービス業における大学院レベル。
その最低ギリギリの教育をする。
それは「覚える教育」では断じてない。

脱グライダー・ミドルマネジメントを、
養成するためだからである。

グライダーはエンジンを持たない飛行機。
だから自力では離陸できない。

そのため、「ウインチ曳航、飛行機曳航」によって、
空に舞い上がる。

離陸し、一定の高度を得ると、
ロープを切り話し、飛行する。

私はこんなグライダー・ビジネスマンを、
減らしていく必要があると考えている。

会社の言うこと、上司の言うことを素直に聞くだけの部下。
それを「グライダー人間」と呼ぶ。
グライダー人間は、ひどい時には法律を破ることさえいとわない。

会社や上司に引っ張られているからだ。

そんなグライダー人間養成の場合は、
「覚える教育」がもてはやされた。

しかし、それではだめなことは東日本大震災が、
むしろ明らかにしてくれた。

引っ張られなくても、
自分で判断できる「脱グライダー人間」。

立教大学院結城ゼミはそれを志向している。

自分でテーマを設定し、自分で調査し、
研究し、自分で考察する。

商人舎ミドルマネジメント研修会も、
同様に、自分で考え、
自分で行動するミドルマネジメントを養成する。

もちろんそうかといって、
勝手気ままに動く「自由人」をつくるのではない。

組織の使命を理解し、それと実現しつつ、
自ら仕事を切り拓く人間。

ピーター・ドラッカーは言う。

マネジメントの三つの役割。
① 自らの組織に特有の使命を果たす。
② 仕事を通じて働く人たちを生かす。
③ 自らが社会に与える影響を処理するとともに、
社会の問題について貢献する。

自らの組織に特有の使命を果たす。
しかし従来の上司の言いなりではない。
それがドラッカーの言うマネジャー。

あらゆるマネジャーに共通の仕事は五つである。
① 目標を設定する。
② 組織する。
③ 動機づけとコミュニケーションを図る。
④ 評価測定する。
⑤ 人材を開発する。

これはトップマネジメント、ミドルマネジメントに、
共通する役割と仕事である。

立教大学大学院日jネスデザイン研究科も、
商人舎ミドルマネジメント研修会も、
そんなマネジャーを養成することを目的としている。

私の仕事は、だから一貫している。
それが私の幸せ。

ありがたい。

<結城義晴>

 

2012年04月20日(金曜日)

正規軍は勝たなければ負けである/ゲリラは負けなければ勝ちになる

ほんとうにうれしいニュースがあった。

渋木克久さんと杉山純子さんが、
今日、婚姻届を出して、
その足で、商人舎を訪れてくれた。
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渋木さんは、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科8期生で、
結城ゼミの第2期生。
杉山さんは7期生で、
二人はホスピタリティ研究会というサークルで、
3年前に出会った。

そして、このたび、
めでたく結婚。
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おめでとう。

「ふるさとの海に向かいて言うことなし
ふるさとの海はありがたきかな

ふるさとの山に向かいて言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな」

<石川啄木『一握の砂』より>
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二人を見ていて、
そんな気分になった。

いつでも君のそばに
しあわせが
いつでも君のそばに
よろこびが
あるように

<詞・曲 山崎眞幹>

ふたたび、おめでとう。

このところ、結城ゼミは、
お目出度続き。

第3期生の岡本あゆ子さんが、
ついこの間、婚約したばかりで、
facebookで、
のろけ話ばかり読まされている。

でも、結城ゼミはしあわせを運ぶ。
結城ゼミはよろこびをもたらす。

それは私の望むところ。

この写真で私が持っているのは、
杉山さんの新刊著書。
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『LCCが拓く航空市場――格安航空会社の成長戦略』
(成山堂書店刊)
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航空業界でも、
ディスカウントやロープライス戦略が注目されている。
その新しい切り口を鮮明にした本。

杉山さんは修士論文が単行本化、
同時に結婚。
お目出度続き。
まさに「言うことなし」

さて、日経MJ 一面特集は、
「アークス連合 再編誘発」の特集。

結城義晴の「2012年、5つのトレンド予測」
昨年末あたりから、講演のテーマにしているが、
その3番目が「M&Aの新たなうねり」。

第1は、東日本大震災の影響。
第2は、消費税導入論議と消費者の価格意識の強まり。
第3が、M&Aの新たなうねり。
第4が、小型店舗開発とノンストアリテイリングの隆盛。
そして第5が、食品分野の多業態間競争激化。

「アークス&ジョイスの統合」は、
まさにその典型。
日経MJもその視点で、
踏み込んで取材し、記事を書いた。

日経本紙や朝日、読売、毎日よりも、
ずっと専門的で、こういった事件が起こった時にこそ、
日経MJには頑張ってもらいたいものだ。

特集には真ん中に大きな東北の地図がある。
「東北地方の主要スーパーの勢力図」

①アークス 289店4600億円
②ユナイトホールディングス 39店620億円
③マークス 66店舗750億円

これらはグループやホールディングカンパニー。

①のアークスが、北海道を本拠にして八ヶ岳連峰経営を標榜し、
東北ではユニバースとジョイスが参画。

②は秋田県の伊徳ホールディングスとタカヤナギ。

③は盛岡のマエダ、三陸のマイヤ、
相馬のキクチ、山形のおーばんホールディングス。

以上はすべて、シジシージャパン加盟企業群。
それ以外の企業で主要勢力図に乗っているのは3社。
④マックスバリュ東北で、87店舗、919億円
これはイオン。

⑤ヨークベニマルで、176店3429億円
セブン&アイ・ホールディングス。

⑥ヤマザワ 65店舗1000億円。

こう見ると、単独のローカルスーパーマーケットは、
ヤマザワだけのようにも見える。
もちろんこれらの企業以外にも、
東北には多くの魅力的なスーパーマーケットがある。
生協の活動も活発だ。

しかし図式化すると、
勢力図ははっきりし、
寡占化の方向に進んでいることがわかる。

横山清さんの持論「クリティカル・マス」が、
日本のスーパーマーケットに及んでいることも、
イメージできる。

私は、「クリティカル・マス」はまず、
コモディティ・グッズの世界で起こると考えている。
クリティカル・マスとは「量」の問題だからだ。

そして、そのうえで、
物流のしくみや情報システムなどが完璧に整備される以前の段階、
さらにメーカーや卸の力が依然として強い場合には、
「範囲の経済」の要素が働く。
こう、付け加えている。

「コモディティ・グッズ領域」と
「範囲の経済」のなかで、まず、
クリティカル・マスの現象が起こる。

それが「M&Aの新たなうねり」となって、
現れている。

この特集の終りに横山清アークス社長のインタビューがある。
「他社のひんしゅくをあえて買う言い方になるが、
アークスは勝ち組の食品スーパーとしか組まない」
これは横山さんの逆説的な言い回し。

「M&A戦略は巡航速度で進んでいる」

自信満々。

「食品スーパーは全国の売上高が大きくても、
地域内のシェアが高くなければ卸も安く商品を提供せず、
コスト削減など規模のメリットが働きにくい」
これは私の言う「範囲の経済」と「コモディティ領域」の話。

「地域の食品スーパーは大手に勝つ必要はない。
負けなければ、事実上勝利を収めたことになる」
これは、私の言葉を裏付けにしている。

「正規軍とゲリラ」

正規軍は、勝たなければ
すなわち負けである。
ゲリラは、負けなければ、
それで勝ちになる。

ベトナム戦争におけるアメリカ軍は
明らかに前者であったし、
ベトコンは確かに後者であった。

古くは共和制時代のローマ軍とカルタゴ軍の間でも、
長らくこの対立関係が続いた。

湾岸戦争ではなぜか、
ブッシュもフセインも
正規軍とゲリラ軍に分かれつつ、
どちらも勝った気でいた。

減収減益が相次ぐ今。
そして、消費マインドが
停滞しきった観のある現在。
「勝たねば負け組」には、
つらい逆風が吹く。
「負けねば勝ち組」には、
意外にも順風が潜んでいる。

「勝ちに不思議の勝ちあり。
負けに不思議の負けなし」
この野村克也の言葉の、
勝ちの不思議は「神風」である。

「勝った負けたとさわぐじゃないよ」と
歌う水前寺清子は、
「あとの態度」を大事にする。
これは、「負けに不思議なし」を言っている。

あなたはゲリラか、
はたまた正規軍か。
逆風を選ぶか、
順風を好むか。

どちらであっても、小売流通業は常に、
不思議の神風を感じる機会にめぐまれている。
ビジネスそのものが、
不思議の神風を知るために、為されている。

しかし、そのとき、
これだけは忘れてはならない。

労働法無視のゲリラになるな。
顧客不在の正規軍になるな。

<『メッセージ』 (結城義晴著・商業界刊)より>

企業統合もM&Aも、
合併も吸収も、せんじ詰めれば、
これは組織と組織の結婚である。

今日は、その結婚を、
心から祝福しよう。

「ふるさとの山に向かいて
言うことなし」

おめでとう。
こころから。

<結城義晴>

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