結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年09月27日(月曜日)

タバコ大幅値上げとセブンネットショッピング

Everybody! Good Monday!
[vol39]

2010年第39週。
9月最後にして、10月最初の週。

商売において、ビジネスにおいて、
1週間は最重要の基礎単位。

「ウィークリー・マネジメント」と称する。

なぜ大切なのか。

それは顧客の生活が、
1週間単位で営まれているからだ。

このウィークリーの習慣、
一番有名なのは、聖書説。
神が6日間で世界を創造し、
7日目に休息をとった。
そこから1週間が始まった。

陰暦の1カ月を4等分すると、7日になるし、
史上最も古い古代バビロンの制度でも、
7日、14日、21日、28日が休日とされた。

それらが現代の日本人の生活パターンにもなっているし、
アメリカやヨーロッパ、中国や韓国でも、
生活はウィークリー・ユニットで展開されている。

だから商売もビジネスも、
ウィークリー・マネジメントとなる。

今年の1月1日は金曜日だった。
1月3日が日曜日。
そこで1月4日の月曜日からの週を第1週として勘定すると、
今週が39週となる。

だから冒頭のご挨拶Good Mondayにも、
[vol39]と通し番号をつけている。

その今週は、 9月と10月の境目。
気候は、完全に秋。
今日の東京は最高気温20度で10月中旬並み。

ほとんどの会社はマンスリー・マネジメントを基本としているから、
9月の締めが今週。
3月末決算の会社では、
9月末は第2四半期、上半期の締めとなる。

数字はビジネスの基本だ。
その基本のための計数管理。
きりりと締めたいものだ。

プロ野球パシフィックリーグは、
福岡ソフトバンクホークスが優勝。
ビールかけに沸いた。

一方、セントラルリーグは今週、最後の山場を迎える。
中日ドラゴンズと読売ジャイアンツが、
昨日の日曜日の試合に負けて、
阪神タイガーズにマジック8が点灯。

今週火曜日、水曜日の伝統の阪神巨人戦が、
日本中を巻き込んだ天王山となる。

阪神が連勝すると、
そのまま勢いを得て、快走するかもしれない。
巨人が連勝すると、
即、中日の優勝が決まる。
1勝1敗の引き分けに終わると、
高みの見物の中日が俄然、有利となる。

今日の月曜日には日本フードサービス協会から、
8月の外食産業の販売動向、
火曜日にはスーパーマーケット3協会から、
8月の食品スーパーマーケットの販売統計が、
それぞれ発表される。

その結果、8月の外食・内食の動向が判明する。
「猛暑・酷暑・炎夏」のご利益を享受できたのか。

そして10月1日。
タバコの大幅値上げ。
今朝の朝日新聞が特集している。

現在1箱300円のセブンスターやラーク、ケントなどが、
110円の値上げで410円に。
290円のキャスターも120円上げて、ついでに410円に。
320円のマールボロ、ラッキーストライクなどは、
120円値上げで440円に。

昨年末の税制改正でタバコ税増税が決まった。
1本当たり3.5円、20本入り1箱70円の値上げ。
これだけならば、300円の商品は370円となるはずだが、
タバコの製造企業はタバコ販売量が減少し、収益性が低減するとして、
410円に落ち着いた。

これで喫煙者数も激減する見込み。
1996年に35%だった喫煙者比率は、
現在、23.9%。

タバコ販売を主力のひとつとするコンビニには、
特に打撃が激しい。

9月の駆け込み需要が、10月には反動となって、
売上げはさらに落ち込む。
今日、明日、明後日、明々後日の4日間、
商売上は品切れを避けたい。

それ以外の業態でも、
タバコのまとめ買い需要が先週末から起こっている。

しかし禁煙派の私としては、
タバコ喫煙者が減ることには、
個人的に歓迎。

さて日経新聞一面トップ記事は、
「景気足踏み、回復力に不安」の大見出し。
2009年4月から景気回復の勢いが続いたと、日経は評する。
それが7月から9月までの四半期に比べて、
この10月から12月までの3カ月は、
「足踏み状態に陥る公算が高い」。
心してかからねばならない。

景気回復への全体基調が「足踏み」ならば、
何も変化させなければ、
商業・サービス業の販売動向も足踏みとなる。

同じ日経一面の囲み記事。
「セブン&アイが仮想商店街」

セブン&アイ・ホールディングスは現在、
ネットスーパー以外にも、
「セブンネットショッピング」というネットモールを運営している。
ただし、店舗数は50。
これを遅ればせながら、2011年までに300店に拡大する。
売上げも2009年段階で300億円のものを、
2012年に1000億円とする。
これにはネットスーパーの年商は含まれず。

セブン&アイの最大の強みは、
全国に1万3000店展開するコンビニ・セブン-イレブンの存在。

この仮想店舗で買い物した顧客は、
リアル店舗群で商品を受け取ることができる。

ネットスーパーなどで最大の問題点となるデリバリーコストの問題を、
このネットショッピングセンターははじめから解消している。

なぜ、もっと早く、楽天をキャッチアップする戦略構想が、
実現できなかったのかと思ってしまうが、
しかし、それでも、
「まだ遅くはない」

この秋から冬にかけての「足踏み」状態を打破する新しい試み。
少なくともセブン&アイは打ち始めたということ。

自ら、動かずして、
変化は生まれない。
変化は生み出せない。

今週も、動き回ろう。
それを楽しもう。
では、充実した1週間を。

Everybody! Good Monday!

< 結城義晴>

 [追伸]
浅野秀二のアメリカ寄稿ブログ、
本日、最新記事がアップされました。
ウォルマートについての最新情報が満載です。
是非お読みください。

2010年09月26日(日曜日)

ジジの「長靴をはかない猫」[2010日曜版vol39]

「長靴をはいた猫」
あたまのいいネコのおはなし。

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ボクも、あたま、
よくなりたい。

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夏のつかれがとれたら、
「食欲の秋」がやってきました。

ユウキヨシハルのおとうさん、
うちにいるときは、
晩酌します。

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その晩酌に、
ボクも、ときどき、
おつきあい。

チーズをひとかけら、
もらうんです。

チーズは、
ネズミくんだけでなくて、
ボクも、だいすきです。

でも、チーズがすきだというだけでなくて、
テーブルに「手」をのせて、
おとうさんといっしょにたべるのが、
いいんです。

あたまのいいネコに、
なれた気がします。

おとうさん、
めぐすり。

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「いかがです?」

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まいあさ、まいばんのめぐすり、
わすれてはいけません。

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新聞もいいけど、
おとうさんにとっては、
めぐすり、
とても、だいじです。

ボクがめぐすり、
さしてあげましょうか?

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あたまのいいネコは、
たちあがって、
おとうさんに、
めぐすりをさしてあげることも、
できるんです。

ボクは長靴、
もっていませんから、
「長靴をはかない猫」ですが。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年09月25日(土曜日)

ウェーバー・ドラッカーと倉本長治・新保民八の「商売と仕事」の真摯さ

イチローの10年連続200本安打、
白鵬の60連勝。

ストイックなアスリートが偉業を成し遂げる。
いずれも、ストイックさを楽しんでいるようにも見える。

知識商人にも、
ストイックさは必須だ。

ストイックとは、「禁欲的・克己的」と、
『広辞苑』にある。

マックス・ウェーバーは、
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において、
宗教的倫理や世俗内禁欲が、
資本主義の精神に適合性を持つ
と説いた。

これは倉本長治や新保民八の主張に通ずる。
初期商業界指導者たち。

倉本は語った。
「論語や聖書には商売のことは書かれていない。
しかしその論語や聖書にこそ、
商売にとって一番大切なことが書かれている」

新保は唱えた。
「正しきによりて、
滅ぶる店あらば、
滅びても良し。
断じて滅びず」

イチロー、白鵬に対して、
大阪特捜検事や尖閣諸島の事件。
問題自体が、ストイックさからかけ離れている。

その意味では、21世紀は、
今一度、それぞれが宗教観を見直すときだと思う。
ストイックさを、仕事に貫く必要がある。。

これはピーター・ドラッカー教授の唱えたintegrityを意味する。
「マネージャーとして、
始めから身に着けていなければならない資質が、
ひとつだけある。
才能ではない。
真摯さである」

めっきり秋らしくなった昨日、今日。
私は、立教大学ビジネスデザイン研究科の講義。
後期は「サービス・マーケティング」。
今回も20数名の院生が履修してくれそうだ。

力が入る。

integrityやstoicismを失わずに、
講義に臨みたいものだ。

ちなみに「ストイックな楽しみ方」はオクシモロンの用語。
二律背反の言葉を意識的に重ねて、
新しい概念を生み出す。

私はこれが、
21世紀の問題解決の軌道だと思っている。

さて昨日は、一日、横浜の商人舎オフィス。
午後、訪問者あり。

まず、㈱いなげや常務取締役の藤本勇さんと、
社長室リーダーの押木正巳さん。

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10月の商人舎USA研修会スペシャル編に参加の予定。
そのための質疑応答。

いなげや社長の遠藤正敏さんは、
「商人舎発足の会」の発起人のお一人。
2008年4月17日に開催されたこの会には、
「結城義晴君の独立を励まし商人舎発足を祝う会」という長い正式名称があって、
それを93人の人々が主催してくださった。

遠藤さんは、私と同じ年。
チェーンストアやスーパーマーケット、
小売業や商業の「現代化」の同志だと、
私は思っている。

その遠藤さん直々のご用命で、
藤井さんと押木さんが商人舎のスペシャル編に参加することになった。
「スペシャル編」は経営戦略を学ぶコース。
商業界時代からもう6年もやっている定番のコース。
よろしくお願いします。

integrityとstoicism、
心して解説・教授します。

夕方には、常盤勝美さん来社。
㈱ライフビジネスウェザー常務取締役。

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世界最大の民間気象情報企業㈱ウェザーニュースに新卒入社し、
先輩の石川勝俊氏がライフビジネスウェザー社を創立すると、
こちらに移籍。

小売業・サービス業分野で、ウェブサイトを運営し、
「ウェザーマーケティング」や「ウェザーマーチャンダイジング」を、
専門にコンサルティングする。

商業界の各誌に、もう10年以上も欠かすことなく、
毎月原稿を書き続けている。

いわば、流通気象情報の専門家。
もちろん常盤さんは気象予報士の資格者。

まだ39歳と若くて、
私にはその若さが少し、うらやましく感じられた。

integrityとstoicism。
持ち続けて、商業の世界を楽しんでほしいものだ。
それが商業・サービス業の世界に貢献することにつながる。

皆さんも、今週末、
ストイックに秋を楽しんでもらいたい。
仕事にも休暇にも、
「ストイックな楽しみ方」が必要である。

今週も結城義晴の[毎日更新宣言]ご愛読、感謝。
良い週末を。

<結城義晴>

2010年09月24日(金曜日)

コンビニ(1.0%増)、総合スーパー(1.1%減)、百貨店(3.2%減)、8月の販売統計の明と暗

昨日からほんとうに秋らしくなって、
夜には、鍋が食べたくなった。

秋の長雨。

これも、いい。

秋分の日がおわり、
どんどん昼が短くなる。

今日は平日、金曜日。
今日、休暇を取れば、
サラリーマンは4連休となる。

金曜日の商人舎ホームページ.

昨日、一昨日の「新日本スーパーマーケット協会全国大会」のブログ。
懇親会編と大会編。
[1週間分を求めて読む・見る]のボタンでも見られます。
ぜひご覧ください。

商人舎ホームページ右段のtodayは、
金曜日恒例のブログ「林廣美の今週のお惣菜」。
今週は、「絶品サバのしょう油煮」。
今週から始まった森下兼年さんの「スーパーマーケットの省エネ環境戦略」。
まだイントロダクションの段階だが、これからどんどん充実していくはず。
さらに商人舎研究チームによる「物流クレート標準化物語」。
最新情報は、「東北CGC導入概要」。
立教大学大学院「結城ゼミ」ブログも好調です。
私が毎週土曜日に講義し、指導している「結城ゼミ」を、
大学院生の気分で、ちょっと覗いてみてください。

商人舎と提携している「流通ニュース」の「新店ルポ」も、
実に有益な情報だ。

さて、立て続けに、
小売業各協会からの8月の販売統計が出ている。
今日は、そのまとめ。

この8月は観測史上最高の「猛暑・酷暑・炎夏」。
それを活かしたのはどの業態だったのか。
活かせなかったのはどの業界だったのか。

何事も、メリットがあれば、
必ずデメリットがある。

それが21世紀社会の最大の特徴。

「夏の暑さ」はどう影響を与えたのか。

第1は、コンビニの8月販売月報。
日本フランチャイズチェーン協会発表。

既存店の売上高は前年同月比プラス1.0%。
7月に続いて、2カ月連続の増加。
その7月は14カ月ぶりのプラスだった。

9月も、10月のタバコ増税値上げを控えた駆け込み需要で、
3カ月連続売上高プラスは保障されている。
しかし、その後は極端に落ち込む。

既存店の客数はプラス2.9%、
平均客単価はマイナス1.9%。

客単価のマイナスは連続21カ月となってしまった。
その客単価は565.0円、
10チェーンの全客数は11億9800万人。

大手コンビニの店数はいまだ増加傾向にある。
総店舗数は1.7%増えて、4万3270店。
ますます寡占化を強めている。

商品部門別売上構成比は、
日配品が34.5%で、前年同月比プラス1.7%、
加工食品は31.4%で、プラス7.2%、
非食品が30.1%だが、これはマイナス0.5%、
そしてサービス部門は構成比4.0%だが、プラス7.5%。
コンビニも「サービス業化」に拍車がかかる。

第2は、総合スーパーを中心とした統計。
日本チェーンストア協会8月の「チェーンストア販売概況」
会員企業62社、7853店だが、
チェーンストア協会の売上げのうち約6割が総合スーパー。
その既存店総販売額は前年同月比マイナス1.1%。

こちらは「猛暑・酷暑・炎夏」のご利益を売上げにつなげられなかった。
前年同月比割れは21カ月続いている。

大部門別売上概況は、食料品がマイナス0.8%、
衣料品もマイナス0.6%、住関連品マイナス2.3%、
サービスもマイナス1.9%、その他マイナス2.1%と、
全部門でマイナス。

飲料、アイスクリーム、麺類、ビール類、スイカなど売れたが、
なぜか食品も全体に売上げダウン。

第3に、百貨店の8月売上高概況。

日本百貨店協会が一足先に先週末の9月17日に発表。
92社・263店舗の総売上高は前年同月比マイナス3.2%、
約4346億円で、これは30カ月連続マイナス。

7月は、マイナス1.4%と減り幅が回復していたが、それも逆戻り。

中国人をはじめとする外国人売上げが、
プラス16.5%で10カ月連続増加したが、
それも焼け石に水。

尖閣諸島問題が長引くと、
これは百貨店の営業にも響くことになるかもしれない。

食料品、衣料品、身のまわり品、雑貨、家庭用品は全カテゴリーが減少。
惣菜、その他家庭用品、美術・宝飾・貴金属、家具などの高額品は増加。

百貨店らしい商品群は少しずつ好調傾向を表している。

日本全体が好景気というわけにはいかない。
日本全体がどうしようもなく、営業不振というわけでもない。
「猛暑・酷暑・炎夏需要」は確かに「神風」だった。

それを活かせるか、活かせないか。

小売業態の違いによって、活かしやすい場合、活かしにくい場合も、あるだろう。
店によっても、活かしやすいところ、活かしにくいところがあるだろう。

だからこういった統計といっても、
そのまま自店の営業状況が比例的に反映したものとはならない。

何しろ今月の商人舎標語は、
「Think one thing at a time」なのだから。

つまり、全体の統計は、言い訳にはならないということだ。

21世紀の特徴。
「あちらが立つときには、こちらが立たず。
こちらが立つときには、あちらが立たず」

メリットとデメリットが同時に表れる。
そうすると、いかに、自らを環境に適応させるかの競争となる。
あるいは、どう、環境変化に耐えられる仕組みをつくるかという問題になる。

発表が残っているのは、
食品スーパーマーケットやフードサービスだが、
これは来週。

果たして「猛暑・酷暑・炎夏」需要を取り込めたのか。
顧客の期待に応えることができたのか。

各店舗ごとに、8月、
環境変化に対応できたのか、できなかったのか。
That is the question.
それが問題だ。

<結城義晴>

2010年09月23日(木曜日)

新日本スーパーマーケット協会第1回全国大会の結城人脈模様

2010年の秋分の日。
秋分の日を、祝日法は、
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」こととしている。
だから、仏教の寺では「秋季彼岸会」が開催される。
墓参りの人も多い。

秋分は、「昼と夜の長さが同じ日」と思われているが、
実際には、日本付近では、
平均、昼が夜よりも約14分長い。

その秋分の日の今日、全国的に雨。
そして本当の秋の到来。

台風12号まで発生している。

気象庁の「寒候期予報」の発表。
寒候期とは10月から2月までのこと。

10月いっぱい、気温は例年より高めだが、
11月に入ると例年並みになる。

この2年間「暖冬」だったから、
今年の冬は例年並みだが、
一段と寒く感じられるとか。

さて世間でもちきりなのは、
「大阪地検特捜検事フロッピーディスク・データ改ざん事件」
無罪確定した村木厚子元局長が、こんどはスター扱い。

しかしこれも、逆に振れ過ぎの観あり。

村木さんの元部下の係長は自供しているし、
こちらも「官僚村」全体の官僚化の中で、
ご本人は不本意だったかもしれないが、
「郵便料金不正事件」の渦中にいて、
これに何らかのかかわりを持っていたことは確かだ。

特捜はその尊厳を否定されるほどのことをやってしまったが、
厚生労働省官僚たちの疑いが、
ほんとうに晴れたと判断できるのかどうかは、
藪の中。

もうひとつの世間お騒がせは、
「尖閣列島での中国人船長逮捕問題」。
ちょうど国連総会が開催され、
中国側は温家宝首相のレベルまで上がって、
問題解決の方向を、なんとなく示唆し始めた。

日本政府と外務省が、どうさばくか。
「賽は投げられた」といったところか。

悩ましい問題解決にはなるが。

さて昨日の続き。
9月1日、新日本スーパーマーケット協会誕生。

現時点では、
日本に「スーパーマーケット」 と名のつく協会が、
三つ存在する。

一番古いのが、「新日本スーパーマーケット協会」。
「新」が一番古いなんて、ちょっと変な感じだが、
前身の日本セルフ・サービス協会が発足したのが、
昭和33年(1958年)。

次が、「オール日本スーパーマーケット協会」。
昭和37年(1962年)発足。

そして一番新しいのが「日本スーパーマーケット協会」。
平成11年(1999年)設立。

1953年に、力道山が起こしたのが日本プロレス協会。
1963年に力道山は亡くなっているが、1972年、
ジャイアント馬場は全日本プロレスを、
アントニオ猪木は新日本プロレスを創立。

なんだか、似ている。

さてその新日本スーパーマーケット協会
第1回全国大会の第3部懇親会。

冒頭のご挨拶はこの人、会長の横山清さん。
㈱アークス社長。

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横山さん抜きには、
この協会のリニューアルは成し遂げられなかった。
「スーパーマーケットに戸籍を持たせよう」と高らかに宣言。

続いて、日本スーパーマーケット協会会長の川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長。
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川野さんのご挨拶、失礼ながら、
どんどん御上手になられている。
川野さんのいいところは、
言わなければならないことは、
必ず最後まで言うところ。
これはヤオコーの経営に通ずる。

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「年間売上高20兆円の日本のスーパーマーケット産業が、
その社会的な役割に応じたポジションを獲得することを、
協力して、成し遂げていきたい」

そしてオール日本スーパーマーケット協会会長の荒井伸也さん。
ご存知、安土敏のペンネームで活躍する作家であり、
元サミット㈱社長・会長を歴任された。
コーネル大学RMPジャパン首席講師でもある。

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サンテグジュペリの『星の王子様』から引いて、
「一番大事なものは見えないんだよ」
スーパーマーケットは20兆円の総年商で、
百貨店、コンビニ、総合スーパー、
さらにドラッグストア、ホームセンターなどに比べて、
見えないけれど、大きな売上げの重要な社会的機能であることを明らかにした。

そのスーパーマーケットの存在の「見える化」を進めねばならない。
荒井さんの挨拶も横山、川野さんと、まったく一致していた。

まさに「三人揃い踏み」。

その後、赤い法被姿が33人も、うち揃って、鏡割り。

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真ん中のグループは、
三人の会長と清水信次名誉会長(右から三人目)、
そしてシジシージャパン代表の堀内淳弘さん(左から二人目)、
そして日本生活協同組合連合会会長の山下俊史さん(右)。

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乾杯の音頭は、日生協の山下会長。

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その後は、怒涛の懇親。

まず、法被をぬいで、壇上から降りてきたばかりの協会常任理事・中村洋子さん。
㈱スズキヤ社長。

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その洋子社長と一緒に、 重鎮のお二人のところへ。

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そして伊藤雅俊さんとスリーショット。
イトーヨーカ堂創業者、セブン&アイ・ホールディングス名誉会長。

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日本チェーンストア協会会長の亀井淳さん。
イトーヨーカ堂社長。

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一方、イオン㈱取締役会議長の原田昭彦さん。

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㈱平和堂社長の夏原平和さん。

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㈱全日本食品社長の齋藤充弘さんと、
日本スーパーマーケット協会事務局長の江口法生さん。

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㈱阪食社長の千野和利さんは、協会常任理事。
右は、㈱菱食副社長の中嶋隆夫さん。

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菱食会長の後藤雅治さん、
キユーピー㈱社長の鈴木豊さんが、
入れ替わって、ワンショット。

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荒井伸也さんを探して、ここでもパチリ。

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協会常任理事の太田順康さん。
あのロヂャースの㈱北辰商事副社長で、
コーネル大学RMPジャパン第一期生級長。
左はその伝説の第一期生の「伝説」をつくった江崎グリコ㈱渡邊武さん。

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国分㈱社長の國分勘兵衛さんと川野さん。

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㈱伊藤園副社長の江島祥仁さん(中央)と、
旭食品㈱副社長の竹内信夫さん。

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㈱廣甚社長の廣岡聖司さんは、
アメリカ視察研修会の商人舎ファミリー。

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㈱寺岡精工社長の寺岡和治さん。

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㈱九州テラオカ社長の川越純一さんと、
㈱リウボウフーズ社長の片岡英二さん。

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途中で、チアリーダーが登場。

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懇親会も終わりに近づいた。

協会会長の横山さんと、
商人舎エグゼクティブプロデューサー松井康彦。

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㈱シジシージャパン代表の堀内淳弘さん。

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そして、㈱流通ジャーナル社長の加藤英夫さん。
流通業界のジャーナリズムのトップリーダーにして、
流通報道記者会代表幹事。

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中締めは、この人、協会副会長の増井德太郎さん。
㈱紀ノ国屋ファウンダー。

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全部終わってから、増井さんご夫妻と写真。
ほんとうにご苦労様でした。

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増井さんがいなかったら、この協会はここまで来なかったし、
日本のスーパーマーケットもここまで来なかった。

そして最後の最後は、
コーネル・ジャパン一期生&二期生、講師陣。

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帰りに、左にプリンスタワーホテル、右に東京タワー、
それらを背景にした増上寺の山門が美しかった。

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多くのみなさんと交流した。
商人舎発足の会発起人になっていただいた方も、多数。

私にとって、この人的な交流こそ財産。
この人たちのためにも頑張ろうという気力が湧いてくる。

「志定まれば、気盛んなり」(吉田松陰)

<結城義晴>

2010年09月22日(水曜日)

新日本スーパーマーケット協会第1回全国大会の「無戸籍論」と「脱職人気質」

新ブログが登場しました。 「スーパーマーケットの省エネ環境戦略」
広島市の環境コンサルタント森下兼年氏が
省エネ法や食品リサイクル法、温暖化対策に関する情報を発信していきます。
ぜひ、ご覧ください。< 事務局>

木村拓哉主演の「ヒーロー」というテレビドラマ。
正義感の強い検事像が描かれて人気で、映画にもなったが、
大阪の特捜検事の逮捕はそれを覆した。

狭い狭い検事村。
そこでは自供を引き出す「割り屋」が腕利きと称される。
刑事がホシを自供させることを「落とす」といい、
その名人を「落とし屋」というのに対して、
検事の方は「割り屋」。

しかし「何屋」と呼ばれる者、
特殊な存在、職人となりやすい。

本来の「職人気質」は、
あくまでも己の技術を追求するというもので、
これはよろしいのだが、
小売業、特にスーパーマーケットで、
自分の技術に固執するあまり、
近代化を阻む存在があった。

日本のスーパーマーケットはこの「職人問題」を解決して、
見事、近代化を果たしたが、
「特捜検事の割り屋」には、
この悪い意味での「職人化」が感じられる。

閉鎖的な世界。
閉鎖的な心理。
閉鎖的な仕事ぶり。

そこに悪しき職人体質が蔓延する。
そして悪しき職人世界には、
不正がはびこりやすい。

編集という仕事にも、
実はこの職人問題がある。

私は、30年間、編集の現場に身を置いてきた。
そして一貫して、「チームワーク」を重視してきた。

現在、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科では、
結城ゼミで6人の院生を指導しているが、
「合宿主義」だし、そのうえで「チームワーク主義」。

ここで言う「チームワーク主義」は、
「悪しき職人気質」の正反対の概念。

「検察庁の信頼と権威の失墜」を新聞は書く。
「自浄を進めよ」と訴える。

しかし「検察村の職人気質」を廃しない限り、
こんな問題はなくならないに違いない。
恐ろしいことだが。

これまで、こういった問題が、
表に出なかっただけなのだから。

日本の不正は「カビ型」といわれる。
欧米の場合は「虫型」。

カビ型にはびこる「悪しき職人化」。
カビ型は、全体のマネジメント体制を改革するしか、
解決の方法はない。

さて9月1日から新名称となった
社団法人新日本スーパーマーケット協会
。
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その第1回全国大会東京大会が、
ザ・プリンスパークタワー東京コンベンションホールで開催された。

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全国スーパーマーケット協会と日本セルフ・サービス協会、
両社団法人の合併から1年。
さらに新名称となってから最初の今大会には、
正会員、賛助会員の2000人ほどが参集し、
広い会場は参加者で埋め尽くされた。

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第一部が式典、第二部が記念講演会、第三部が懇親会の構成。

式典の冒頭は、協会会長の横山清さん。
㈱アークス社長。
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主催者を代表して開会のご挨拶。
「この日を迎え、胸が熱くなった」と開口。
「出店をすれば売上げが上がる時代は終わった。
少子高齢化でマーケットはこれまでのように大きくはならない」
現在のスーパーマーケット産業のおかれている状況を分析。
「暮らしを支えるインフラ産業としてスーパーマーケットが戸籍をもつ。
そのためにも、450社を超える正会員、750社の賛助会員とともに、
新日本スーパーマーケット協会が果たしていく役割は大きい」

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横山さんの「スーパーマーケット無戸籍論」。

スーパーマーケット・トレードショーを東アジアを中心とした世界最大のフェアにしていくこと。
各種検定試験や、コーネルRMPジャパンをはじめとする積極的な教育支援活動。
スーパーマーケット三団体による販売統計調査とデータ蓄積による社会的責任。

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これら一つひとつの活動を積み重ねるとともに、各協会と連携しながら、
「食の経団連、ソフト経団連」としての役割を担っていきたいと決意を語った。

続いて清水信次名誉会長が挨拶。

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「われわれ小売業は年中無休で日常の暮らしに貢献しているが、
重厚長大産業に比して冷遇されている。
各協会団体があるが、小異を捨て大同につき、
流通産業連合体として、消費者代表と力を合わせつつ、
産業の発展に寄与していかなければならない」

「そのためにも、国政に代表者送りこむ必要がある」

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戦中・戦後の話を交えた、清水さんらしいご挨拶だった。
声は朗々と張りがあり、今なお、いや、ますますお元気。

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その後、経済産業省、農林水産省の挨拶につづき、
㈱シジシージャパン CGCグループ代表の堀内淳弘さんが来賓のご挨拶。
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「ダイエー創業者の故中内功さんが、
『日本スーパーマーケット協会』の設立を通産省(当時)に働きかけたが、
かなわなかった。
その意志を継いでくれといわれて、
『全国スーパーマーケット協会』が誕生した。
昨年、セルフ・サービス協会との合併を果たし、
ひとつの協会が誕生したが、
すべて横山会長なくしては実現しなかった」

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新協会の常任理事のお披露目のあと、
常任理事の中村洋子さんが「大会宣言」を発表。
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式典の中盤は
「第1回SMTSグッドデザインブースアワード2010」表彰式。
大賞は㈱寺岡精工。寺岡和治社長が栄えある第1回大賞を受賞。
特別賞は(社)北海道商工会議所連合会。

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続いて食品表示管理士検定上級合格者の認定証の授与式。
㈱いかりスーパーマーケット営業本部の三角進弥さんと、
㈱サンベルクス営業企画部の高松冴子さん
が代表して登壇。

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上級合格者はわずか39名の狭き門。
栄えある授与式にお二人とも嬉しそう。

そして来年9月開催にされる第2回大会は札幌。
ホスト地区を代表して、
北海道スーパーマーケット協会会長の桐生康夫さんが
参加呼びかけを行い、式典はクライマックスを迎えた。

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式典の最後を飾ったのは、鈴木織衛指揮、
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団による、
スクリーンミュージックの演奏。
懐かしの映画音楽全6曲の生演奏には、盛大な拍手が送られた。
盛りだくさんの式典だった。

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第二部の記念講演会は、
武庫川女子大学国際健康開発研究所所長の
家森幸男さん
が世界25カ国で調査した成果を発表しながら、
「食で培う健康・長寿」と題して講演。
食品産業に携わる者にとって貴重な資料と提言をいただいた内容だった。
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第3部は懇親会。
この項は明日につづく。

「職人問題」を解決し、近代化を果たした日本のスーパーマーケット産業。
産業としての戸籍を獲得し、「現代化」へ突き進む。

その意味でも貴重な新日本スーパーマーケット協会の第1回全国大会だった。

<結城義晴>

2010年09月21日(火曜日)

イオン幕張店の「総合便利店」改装リニューアルは「新しいフォーマット」実験だ

今日、明日まで、暑い日が続く。
秋分の日の23日から、全国的に秋。
やっと秋がやってきた。

果物や野菜の生産は、
この猛暑・酷暑・炎夏で、
明暗くっきり。

リンゴやナシ、クリなどは、
生産量が落ちたり、
例年の品質と違ったり。

ブドウは甘くなって、
良好だとか。

自然を相手にする仕事は、
常に天候との戦い。

良い時もあれば、悪い時もある。
いちいちくさっていたら、埒が明かない。
その意味で、農民は強い。

「生産量は去年の1割くらい」
平気でこんなことを言う。

口蹄疫の問題が発生した時にも、
宮崎県の生産者はすべての飼い牛を失った。
それでも、淡々とした表情を崩さなかった。
東国原英夫知事のほうが、
泣きじゃくっていた。

日本人はもともと農耕民族だった。
だからこの辛抱強さを備えている。

中国と揉めている尖閣列島問題も、
アメリカとの普天間基地問題も、
農耕民族の辛抱強さを活かして、
丁寧に丁寧に解決していくことだ。

「あちらを立てればこちらが立たず、
こちらを立てればあちらが立たず」

それが21世紀の現象の特徴。
だから私の言うオクシモロンの問題解決姿勢が必要。

さて、昨日の日経MJ「総合小売り」欄。
「イオン、新型GMS始動」の記事。

18日の土曜日、イオン幕張店が改装オープンした。
もうそろそろ「GMS」という用語は、
やめにしてもらいたいところだが、それはさておき、
このリニューアルは重要な問題をはらんでいる。

日本の「総合スーパー」は国際的にみると、
ハイパーマーケットに分類される。
コーネル大学でも「ハイパーマーケット」という用語を使っているが、
ハイパーマーケットは「総合便利店」である。

ここで日本のハイパーマーケットという「業態」のライフサイクルは、
とうにピークを越え、平準期に入っている。
衰退期という認識すらある。

ただしイオンですら、
全国に420店のハイパーマーケットが現存している。

この既存の店舗群の「業態」をどう転換するのか。

私は、今年発刊された『小売業界大研究』(産学社刊)で、
初めて、「フォーマット」という概念を意図的に使った。
神戸大学名誉教授の田村正紀先生の『業態の盛衰』に、
「フォーマット」の定義が出てくる。
「業態が分化した様々な形」。
小売業が成熟してくると、業態がフォーマットに変化してくる。

ハイパーマーケットは業態。
ウォルマートのスーパーセンターは、
ハイパーマーケットという業態が分化した一つの形、
すなわちフォーマットである。

それはアメリカのサバーバンエリアの大衆の生活に、
これ以上ないというくらいに適合したフォーマットとなった。

ウォルマートは上海では、
「スーパーセンター」を作っていない。
まだ、ハイパーマーケット段階である。
それが上海というマーケットの現状だから。

翻って日本の総合スーパーというハイパーマーケット。
フォーマットへの特化が求められている。

日本の競争環境の中で、
「総合便利店」としての新しい役割や特徴を、
イオンはいかに考案するのか。

その回答が幕張店に表れる。

コンセプトは「narrow & deep」

「重点分野をより深く」と日本語解釈が付けられている。

2003年、私は商業界ゼミナールのメインテーマを決めた。
「小さく、狭く、濃く、深く」

千葉県の舞浜で行われたゼミナールで、
イオン名誉会長相談役の岡田卓也さんが、
私にコメントしてくれた。
岡田さんは商業界同友会エルダーと呼ばれる重鎮。
故倉本長治の愛弟子たちだけに与えられる呼称。

その岡田さんのコメント。
私は今でも覚えている。
「『小さく、狭く、濃く、深く』はいいテーマだね。
以前、アメリカのコンサルタントが来日して、
『ナロー&ディープ』を提唱したけれど、
あれと、おんなじだ」

私は今回のイオンのハイパーマーケットのフォーマット化実験が、
この「narrow & deep」に定められたことに、
長い潜伏期間があったのだと思う。
コンセプトの発酵期間。

「狭くて、深い品ぞろえ」
すなわち深い品揃えの専門店の集積によって、
「総合便利店」を「フォーマット」として蘇らせるという考え方。

イオン幕張店に導入された専門店。
生活雑貨の「アール・オー・ユー」
ペット用品「ペットシティ」
靴「アスビー」
書籍「未来屋書店」
カジュアル衣料品「トップバリュコレクション」
自転車「イオンサイクルショップ」
化粧品「ザ ボディショップ」
ファッション雑貨「クレアーズ」

ザ ボディショップや未来屋書店は、
もう確立した専門店といえる。

このレベルまで、他の専門店群が昇華できるか。
時間はかかるに違いない。
しかしそれがフォーマットをつくることになる。

田村先生とは違った概念だが、
故渥美俊一先生は早くから「フォーマット」という用語を使ってきた。

「TPOSごとにフォーマットがつくられる」。
「フォーマットは新しい業種」。

イオンが「総合便利店」 のフォーマット化に取り組み始めた。
久しぶりに注目すべき実験といえよう。

ただしこれは一朝一夕には、
完成しないものだと心得てとりかかるべきだ。

<結城義晴>

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