結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年09月08日(月曜日)

大好評!!特集「In-Store MD」と「新生産年齢人口」

Everyone, Good Monday!
[2025vol㊱]

2025年第37週。
9月第2週。

9月というのにまだまだすごく暑い。
だから今日はアロハ。

「セルコレポート」が届けられた。IMG_5322 (002)
艱難は商人を鍛える」の連載は41回。

「倉本長治の艱難」の第3回目。
倉本は不本意ながら、
戦後、公職追放される。

その背景を語る。

艱難をバネにして、
商業界運動を創っていく。

それから面白いものが届いた。IMG_5317 (002)

「FRUX 2030 Design Note」
㈱フルックスホールディングスのグループ。

デザインノートは長期経営計画書ではない。
「未来への”思い”」のノート。IMG_5319 (002)
2030年に向かって、
会社も個人も「ありたい姿」をイメージし、
一歩ずつ前進したい。

そのために企画された。

社長の黒田久一さんらしくて、
とてもいい。

青果の仲卸業から始まって、
青果加工業へ転換し、
さらにミールソリューションカンパニーへと進化する。

それがこのDesign Noteに、
簡潔に描かれている。

大いに期待したいものだ。

さて月刊商人舎8月号。
お陰様で急に売れ始めた。
年極購読の申し込みも増えた。

特集は、
In-Store MDへようこそ!
商人舎8月号
チェーンストアは、
業種チェーンストアの1.0から、
2.0の業態チェーンストアへ、
そして3.0のフォーマットチェーンストアへ変わった。

だからそのインストアマーチャンダイジングも、
3.0へと変わらねばならない。

島田陽介先生から、
そのエッセンスを解読してもらった。

新谷千里さんには、
基本[5]原則と実践[8]原則を示してもらった。

実務技術特集です。

さらに第2特集は、
「広域商圏化の条件」8月号目次
ご愛読のほど、お願いします。

それから緊急開催。
商人舎バイヤーセミナー。
バイヤーセミナー
9月24日(火)・25日(水)
東京の晴海で開催。

バイヤー・マーチャンダイザーの、
仕事の技術を丁寧に伝授します。

仕事の技量が格段に上がります。
そして意識が変わります。

トランプ関税が影響を与え始める、
仕入れと調達の業務。

ローカルチェーンの皆さんが、
申し込んでくれています。
メーカーからも卸売業からも、
参加の申し込みがあります。

バイヤーの仕事を理解することで、
メーカーやホールセラーの仕事も、
格段に成果を上げることになります。

ご参加を検討してください。

さて日経新聞のコラム「大機小機」

コラムニストは烈兎さん。
タイトルは、
「新生産年齢人口」の構築を

「国民経済的に、高齢者の活用が
待ったなしの課題になっている」

「活用」と言われるのはしっくりこないが。

この30年間の15~64歳の生産年齢人口は、
8700万人から7300万人に激減。

一方で65歳以上の高齢者人口は、
1800万人から3600万人に倍増。

健康寿命は男性が73歳、女性は75歳。

コラムニスト。
「日本の生産年齢を、少なくとも
70歳にまで引き上げるべきことは明らかだ」

同感だ。

私も73歳になったが、
60代と何ら変わるものではない。

AIやDXが人手を減らす側面はある。
しかし「生身の人間ゆえ」に、
対応できる業務も少なくない。

「豊富な経験に裏づけられた、
立体的で多面的な対人関係や
事業遂行のノウハウ、
いわば仕事のソフトウエアはいまだに
人間、とりわけ高齢者に分があると思う」

「むしろAIやDXは
高齢者こそ活用していくべきものである」

その際、同一企業の終身雇用に
こだわる必要はない。

転職を前提とした、
経験値の横展開を促進すべきだ。

「蓄積された知見を、広く社会全体に
役立ててもらうのである」

これが重要だ。
「高齢者活用は経営者にも当てはまる」

経済産業省のリポート。
日本の最高経営責任者の在任年数は、
4~6年が44%と最多。
10年以上は約15%。

米国は10年以上が43%だ。

21年以上の在任者は日本の2%に対し、
米国は9%と4倍以上の比率だ。

さらに。
「CEOの在任期間が長い企業の方が、
PBR(株価純資産倍率)などの
経営パフォーマンス指標が高い」

「長期的視点から企業価値向上のために、
相応の長さの在任は有益である」

老害の弊害ももちろんある。

しかし在任10年以上となると
その多くは高齢者であろうが、
高齢ゆえに経営能力を欠いているわけではない。

「現場の働き手であれ経営者であれ、
元気な高齢者は宝物だ、という認識が重要だ」

同感だ。

「むろん、
高齢の女性は隠れた人材の宝庫であり、
その一段の活性化など、
多様性にも十分な配慮が必要である」

これにも同感。

「65~70歳の『新生産年齢人口』のための
社会システムを早急に構築していきたい」

個人差があるけれど、
75歳、80歳も働くことはできる。

私は85歳まで現役でありたいと思う。
その体調面、精神面の養生や調整を続ける。

では、みなさん、今週も、
真摯に働き続けよう。

Good  Monday!

〈結城義晴〉

2025年09月07日(日曜日)

石破茂自民党総裁の「辞任」と藤川球児タイガースの「優勝」

石破茂第28代自由民主党総裁。
夕方の6時から東京の首相官邸で、
辞意を表明した。
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一方、阪神タイガース。
兵庫県の甲子園球場で、
セントラルリーグの優勝を決めた。
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自民党の初代総裁は鳩山一郎。
1956年4月5日に就任して、
8か月後の1956年12月14日に、
日ソ国交回復を花道に退任した。
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二代総裁は石橋湛山。
リベラル派のトップだったが、
脳梗塞を発症して65日で辞任。
主治医は聖路加病院の日野原重明だった。

三代総裁が岸信介。
60年安保の時の首相。
3年4カ月。
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以下、池田勇人、佐藤榮作と続いて、
自民党の骨格が出来上がっていく。

その後、1970年代は、三角大福時代。
田中角栄、三木武夫、大平正芳、福田赳夫。

中曽根康弘は5年間。
自民党の内規で2期4年の任期を、
1年延ばした。

以後は竹下登、海部俊樹、宮澤喜一と続いて、
橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗。

そのあとに小泉純一郎。
「自民党をぶっ壊す」と叫びつつ、
郵政民営化を果たして、
任期満了の5年で交代。
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そして安倍晋三。
福田康夫、麻生太郎。

ここで民主党に政権を譲って、
安倍晋三の再任から復権。
これが長期政権となって、
そのあとは菅義偉、岸田文雄、石破茂。

戦後の歴代総理大臣の中で、
クリスチャンだったのが、
吉田茂、片山哲(日本社会党)、鳩山一郎、
大平正芳、細川護熙(日本新党)、麻生太郎、
鳩山由紀夫(民主党)、そして石破茂。

この中で自民党総裁のキリスト教徒は、
鳩山一郎、大平正芳、麻生太郎、石破茂。
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大平は惜しい早世だった。

麻生がキリスト者とは意外だが、
吉田茂の孫だから、
代々クリスチャンなのだろう。

どちらにしても自民党には今、
抜本的なコンセプトの突き詰めが必要だ。

もともとは保守系の自由党と、
中道系の日本民主党が、
1955年の保守合同によって、
自由民主党となった。

そこまで理念を遡らせる必要が、
あるのかもしれない。

石破茂のあとは、
小泉進次郎か高市早苗か。

技量で見れば、
私は林芳正もありだと思う。

とはいっても私は自民党支持者ではない。
そのほかの右も左も支持するものではない。

イデオロギーではなく、
もう少し原点的なところから、
日本の政治を考えていたいと思っている。

石破茂はこれから、
公明党委員長だった矢野絢也のように、
秀逸の政治評論家となるに違いない。

そっちのほうが向いていた。

一方の阪神タイガース。
球団創設90周年の節目に、
史上最速の優勝決定。
就任1年目の藤川球児監督の快挙。
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NHKの野球解説者を務めた後で、
優勝監督になったのは、
故星野仙一と原辰徳、
そして藤川球児か。

そうするとNHKで解説するのは、
監督として成功する条件なのかもしれない。

岡田彰布監督が、
2023年優勝、2024年2位で、
基礎を築いたチームを、
藤川がうまくまとめて、
独走優勝。

何しろ現時点まで、
セリーグ6チームの成績は、
1強5弱。

タイガースだけが勝ち越していて、
2位以下は全チームが負け数のほうが多い。

持ち駒はほとんど変わらず。
現有勢力で他に大きな差をつけた。
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これはマネジメントの勝利だ。
それは私にとってもうれしいことだ。

プロ野球に関しては、
もともと西鉄ライオンズのファンだった。

三原脩監督のもと、
中西太、豊田泰光、稲尾和久、仰木彬。

日本シリーズ史上初の、
3連敗からの4連勝でジャイアンツを破った。

東京のセリーグの、人気チームに、
福岡のパリーグの、個性チームが、
絵に描いたような逆転劇。
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1978年のオフ。
そのライオンズとタイガースで、
トレードが行われた。

阪神からは田淵幸一と古沢憲司。
ライオンズの真弓明信・若菜嘉晴・竹之内雅史。

私はそれ以来、タイガースファンになった。

1985年は吉田義雄監督のもと、
バース、掛布、岡田のクリーンアップで優勝。
日本シリーズも制した。

2003年は星野仙一監督、
2005年は岡田監督で、
セリーグ優勝。

さらに2023年も岡田が監督で優勝し、
日本一となった。

だから藤川監督以下、
選手諸君の躍動に期待しよう。

4番の佐藤輝明が今シーズンに覚醒して、
現時点で36本塁打、89打点の二冠王。
3番森下翔太は20本塁打、80打点でリーグ2位。
5番大山悠輔もリーグ3位の66打点。

3人で合計235打点。
チームの得点はリーグ最多の437点。
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エースの才木浩人は、
防御率1.62、12勝。
ともにリーグ1位。
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すべてがかみ合った最高のチームだった。

石破茂の辞任と、
藤川タイガースの優勝。

妙な日曜日だった。

〈結城義晴〉

2025年09月06日(土曜日)

「ゴルフ」と「仕事」と「顧客ロイヤルティ」の「時間より回数」

今日は高坂カントリークラブ岩殿コース。

立心会。
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左から大久保恒夫さん、中村博さん。

大久保さんは7月末日に、
西友副会長を退任して、
今、リテイルサイエンス㈱会長。
毎日、芝大門の会社に通っている。

元気です。

中村さんは中央大学大学院戦略経営研究科教授。
中大のビジネススクールを牽引している。

最近発表の論文を貰った。
『生活協同組合研究』
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「小売業のDXは
顧客ロイヤルティを高めるか?」
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この論文の中で中村教授は、
「お財布シェア」の概念を使う。
英語でShare of Wallet。

中村さんの説明。
「小売業を利用している顧客がどの程度、
家計の財布から小売業に支出しているかを示す、
顧客内シェア」

一人の顧客の支出のなかで、
特定の企業やブランドが占める割合。

顧客が特定の商品群に支出した金額のうち、
自社商品が占める割合。

この論文では、
グロサリーと日用品の期間購買金額を、
他店を含めた総支出金額によって、
割り算した値を利用者ごとに求める。

それを「お財布シェア」として考察する。

「お財布シェアは、
顧客ロイヤルティの代理指標となりえる」

お財布シェアがもっとも高いのは、
生協の個人宅配である。

この媒体に掲載する意味がここにある。

二番目に高いのは、
「徹底して低価格価値」を訴求する企業。
オーケー、コスモス、アークスなど。

「オムニチャネル・ショッパー」は、
リアル店舗とネット通販の両方を利用する顧客だ。

このオムニチャネル・ショッパーを増やすことが、
小売業のロイヤルティを高める戦略の一つとして、
有効であることを提案する。

鋭い指摘の論文だ。

さて立心会のゴルフラウンド。

暑かった。

けれど久しぶりに、
私の調子が良かった。

大久保さんと中村さんは、
スイング改造中。
いつもより悪かった。

次はそのスイングが完成に近づくだろう。

実は私もマイナーチェンジをしていて、
それが効果を出し始めた。

次回は10月となる。

楽しみだ。

ほぼ日の糸井重里さん。
毎日書くのが「今日のダーリン」

マルコム・グラッドウェル著。
『天才!』
「ある分野で一流になるには
1万時間の練習が必要だ」
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「吉本隆明さんは、
『10年間、毎日ひとつのことをやり通したら、
必ずいっちょまえになるよ』と言った」

横尾忠則さん。
「ぼくは、時間じゃないと思うんだよねー。
回数だと思うんだ」

さすが横尾忠則。
鋭い。

糸井さん。
「1万時間も、10年間も、
時間が面積的に捉えられている。
どこをとっても同じような
『のっぺり』した考え方なのだ」

「それに比べると、
横尾さんの言う『回数』というのは、
その都度の『ばらつき』が含まれた考えだと
思うのだ」

「人は、均質に一回ずつ、
なにかを続けることはできないし、
必ず同じ繰り返しには飽きてくるはずだから、
一回ずつどうしても異なることを
トライしたくなる」

「1万時間や、10年間という考え方で身につくのは、
『確実にまちがいのないものを生む技術』ではあろう
(一面の青々した田んぼのような景色を思う)が、
『(数字はともかく)すごい回数」の場合は、
それを実行するための脳や神経の回路が、
無数に生まれる」

「そして、ハズレも失敗は、
もちろんそこに含まれるはずなのだ
(無闇な森に恐竜が立っているようなイメージ)」

「均質でまちがいのないものを
大量につくる時代ではなく、
大当たりが、他のハズレの分までを
稼いでくれる時代だ」

「そのためには、小さく回数多く
試すことこそが方法なのだ」

顧客ロイヤルティも、
「回数」によって獲得できる。
「顧客が満足してくれた回数の積み重ねこそが、
『ロイヤルティ』になる」と私は言っている。

そして「ホッケースティックの関係」を提唱している。

糸井さん。
「AI に手伝ってもらうのも、
もちろんアリだろうし、
失敗と想像がつくのに試すのも
大事な回数のうちだ」

「10年や1万時間が来る前に、
当然、大いにイメージしながら
やってみるこったね」

顧客ロイヤルティだけでなく、
ゴルフも同じだ。

「キャリア10年」とか20年、30年とかで、
何年やっているかということよりも、
何万回スイングしたか、
何百回ラウンドしたか、
何千回ミスショットしたか、
それが技術力や精神力につながるのだと思う。

時間より回数。

仕事もそうだ。

〈結城義晴〉

2025年09月05日(金曜日)

大森壮蔵の「物と心」とマザー・テレサの「思考に気をつけよ」

台風15号、ペイパー。

各地に大雨をもたらした。
横浜も昼ごろに篠突く雨。

だが夕方には、
関東の東の海上に抜けた。

昨日までのミドルマネジメント研修会。
二度の理解度判定テストを実施した。

そして研修が終了してから、
1万字を目安としたレポートを課した。

成績を採点する。
テストが全体の5割、
レポートが5割。

テストに失敗しても、
レポートで取り返すことができる。

するとある一人の受講生。
講義が終わったその日のうちに、
レポートを仕上げて、
メールで送ってきた。

驚いた。

これまで1700人を超える履修生がいるが、
歴代でもいちばん早かった。
中身も悪くない。

私は朝から横浜商人舎オフィスに出社。
まだ月刊商人舎9月号の入稿が残った。

表紙にのせるCover Message。
特集の短いリード文。
そして編集後記。

さらさらと書いて、
最後の入稿。

それから荒天のなか、
東京・お茶の水へ。

新お茶の水ビルディング。
この建物の18階から20階までが、
井上眼科クリニック。IMG_5268 (002)

富田剛司先生が主治医。
元東邦大学医学部教授。
私の右目の三度の手術で執刀してくれた。

視力と視野と眼圧の検査。
そのあと診察。

このブログには何度も書いてきたが、
私は白内障、網膜剥離、
そして緑内障を患った。

今も4種類の点眼薬を、
毎日、朝、昼、晩と三度三度、
丁寧にさす。

検査の結果は、一進一退。
まあまあでしょう。

この井上眼科、
検査と診察のオペレーションが、
革新された。

待たせない。

この半年間で、
根本的に改革された。

眼科専門の病院で、
システム化は進んでいた。
しかし患者を待たせていた。

それが変わった。

嬉しいことだ。

薬局で目薬を買って、
JR御茶ノ水駅。
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ホームから聖橋が見える。IMG_5272 (002)

今日は病院のハシゴ。

横浜に戻って、
浅間台歯科へ。

歯の治療。
こちらもずいぶん良くなった。

そしてオフィスに戻る。

全員で最後の校正をしていた。
それに間に合った。

私もざっとゲラをチェック。IMG_5276 (002)

全部終わって、
山本恭広編集長と写真。
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お疲れ様。

さて、朝日新聞「折々のことば」
編著者の鷲田誠一さん。
哲学者の大森壮蔵さんの言葉を、
3日連続で取り上げた。

1921年生まれ、1997年没。
東京大学名誉教授。
信条は「哲学とは、額に汗して考え抜くこと」

一昨日の第3472回。
想像を知覚から
取り去ることはできない。
〈大森荘蔵〉

「現実は虚構を藉(か)りて表現される以外にはない」

編著者。
「大森が最初にあげるのは、
物の知覚の中で、
ともに働きだしている虚構の視線だ」

例えば机は、眼に映る見え姿だけでなく、
ここからは見えない側面や背面、
ときには内部への想像をも含めて
はじめて机として了解される。

大森。
「虚に照(てら)されて、
実がはじめて実となる」
論文「三つの比喩」(『物と心』所収)から。61xr4c+C5TL._SL1200_

私たちは実際に見ている「実」の部分に、
見えない部分の「虚」を、
想像によって加えて、
たとえば机を見ている。

私の場合、視力は左目しかないが、
想像の力は両目であると考えることができる。

昨日の「折々のことば」第3473回。
彼の痛みは
わたしの感じる痛みに
似もしないし
異なりもしない。
〈大森荘蔵〉

「想像を知覚から取り去ることはできない」
大森は物を知覚することの次に、
他人の存在を例に挙げる。

「人は他人が屈(かが)む姿を見て、
痛いのだと思う」

「が、それが痛みかどうかを
確かめる術(すべ)はない」

「可能なのは、そんな時はわたしも痛いと、
自分の場合を想像的に重ねることだけだ」

「この虚構によって他人は
わたしにとって在る」

私たちは物の見える部分だけでなく、
見えない部分の「虚」を想像することで、
より正確な物の実態を知る。

他人に対しても同じだ。
その痛みを自分に当てはめて、
自分の想像によって、
他人の痛みを知る。

他人の痛みを想像によって知るからこそ、
私たちは他人を認識することができる。

愛する人もその意味で他人だ。

「折々のことば」第3474回。
わたしに今
想像できる死後風景は
ありえない。
〈大森荘蔵〉

「死んだらどうなるかと
人は思いを巡らす」

「が、死ねば人は
知覚も想像もできないのだから、
死後の世界はどこまでも
虚構としてしかありえない」

大森壮蔵は、
これが言いたかったのだ。

人間は死んでしまえば、
知ることも思うこともできない。

だから死後の世界は、
死ぬ前の「虚構」としてしか、
存在することはない。

物の知覚、他人の存在、
そして自己の死。

「人の生存の核心をなすものは、
いずれも虚構に支えられている」

鷲田さん。
「ということは、
一度かぎりで確定するものではない
ということか」
論文「三つの比喩」(『物と心』所収)から。

「虚構」すなわち「想像」。
それは「思う」こと、
「考える」こと。

自分の好む物も、
愛する他人も、
自分の死も、
すべて想像によって成り立っている。
想像の力で支えられている。

商売で言えば、
店や売場や商品も、
顧客も仲間も取引先も、
「虚」、すなわち「想像」、
つまり「思い」によって、
成り立っている。

ミドルマネジメント研修会の最後。
「マザー・テレサのことば」
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思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから――。

テレサが「思考に気をつけなさい」と諭すのは、
「物」も「他人」も「自己の死」も、
「思い」に支えられているからなのだ。

〈結城義晴〉

2025年09月04日(木曜日)

第25回ミドルマネジメント研修会の「自ら、変われ‼」

第25回ミドルマネジメント研修会。
その最終日。

3日目の朝も理解度判定テスト。
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2日目の講義から設問が設けられる。
作業システム、計数管理と、
マネジメントとリーダーシップ。
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体を前傾し、集中して、
回答用紙に向き合う受講生たち。IMG_8385

私もその奮闘の姿を見て回る。
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30分間のテストが終わると、
会場はざわめく。
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答え合わせをする。
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笑顔の関西フードマーケットの面々。
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設問の山が当たった?外れた?
終わった後の笑顔がいい。
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こちらは万代の面々。
万代知識商人大学の10期生たち。
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2回の記述テストは、
受講生たちには大きなプレッシャーだ。
テストが終わると和んだ雰囲気になる。

3日目の第1講義は結城義晴が担当。
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テストの回答を示しつつ、
大事な事柄を再確認する。
これが理解を深める。
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それからケン・ブランチャードのメソッド。
4つのスタイルによるリーダーシップ実践法。
さらにパワーポイントを使って、
チームワークの考え方と手法。

チームマネジメントは、
アメリカの先進小売業に広がってきた。
従来型のマネジメントを180度転換する。

ウェグマンズ、ホールフーズ、
そしてウォルマートが採用している。IMG_8404
その手法を丁寧に講義する。

第2・3講義は井坂康志講師。
テーマは「ドラッカーのマネジメント」
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井坂講師はものつくり大学教授で、
NPO法人ドラッカー学会共同代表。
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スライドと平易な言葉、
わかりやすいアナロジーで、
ドラッカーの本質を語ってくれる。
ありがたい。

そして最後にQ&A。
4人の受講生が質問をしてくれた。

真っ先に立ち上がったのは、
㈱関西スーパーマーケットの坂田洋介さん。
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日本流通産業㈱の石井晋作さん。
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イズミヤ・阪急オアシス㈱の野口俊雄さん。IMG_8432

㈱万代の小野隆裕さん。
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井坂講師はそれぞれの質問に、
丁寧に答えてくれた。
その姿勢はIntegrityそのものだ。
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ありがとうございました。
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昼食を終えると結城義晴。
90分の総括講義。IMG_8467
ミドルマネジメントが知っておきたい、
「流通経営戦略理論」。

まず「チェーンストア理論」。
難しく考える必要は全くない。

ゴドフリー・レブハーの『チェーンストア』から、
チェーンストアの5つの条件。

M・P・マクネアの「小売りの輪論」

そして「チェーンストア2.0」の理論。
『商業経営の精神と技術』の概論。
その秀逸な点と集積すべき点。IMG_8448

それから私の持論「業態とフォーマット」
「ポジショニング戦略」
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最後はサービス・イノベーション。
「ホッケースティックの関係」は、
忘れないでほしい。

職場で、仲間とともに、
実現させてほしい。

そして「自ら、変われ‼」
Behaviorはいま、すぐに、
自分だけで変えることができる。

それがスタートだ。
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すべての講義を終えて、
ご清聴を感謝した。

スタンディング・オベーションで、
讃えてくれた。
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研修会の初日に私は、
73回目の誕生日を迎えた。

そして10時間以上の講義をした。
いつまでできるかはわからない。
しかし全身全霊を傾けて、
伝えるべきことを語る。

語り終わったときに、
拍手をいただく。
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変わろうとする知識商人たち。
それが何よりうれしい。

研修会が終了すると、
受講生たちはバス3台に乗り込んで、
熱海に向かう。
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最後のバスに乗り込む受講生たち。
ニコニコ顔で元気いっぱい。IMG_8474

その彼らを事務局全員で手を振って見送る。
受講生たちも手を振り返してくれる。
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心から健闘を祈った。

聞いただけ、知っただけでは、
何にもならない。

行動し、実行し、
そのプロセスで自分が変わる。
職場を変える、仲間を変える。
店を変える。

そして会社を変える、社会を変える。

それがあなたの仕事です。
それがあなたの役目です。

頑張れ。
ありがとう。

〈結城義晴〉

2025年09月03日(水曜日)

新浪剛史氏の辞任とミドルマネジメント研修会の「integrity」

新浪剛史さんが辞任した。
サントリーホールディングス会長。
66歳。

東京都内の新浪家宛てに、
海外在住の知人からサプリメントが発送された。

北九州市の門司(もじ)税関がそれを発見した。
海外では正規販売されている商品だが、
日本では違法な大麻成分が検出された。

税関から福岡県警に連絡が入って、
大麻成分を含む麻薬の密輸入の疑いで、
新浪氏の自宅が捜索された。

大麻や違法薬物は発見されず、
新浪氏の尿からも薬物成分は検出されなかった。

新浪氏は県警の任意の事情聴取に答えた。
知人から「健康に良い」と紹介されて送ってもらった。
「大麻成分が含まれていることは知らなかった」

しかし、
サントリーホールディングス鳥井信宏社長。
「取締役会では捜査結果にかかわらず、
新浪氏のサプリメントに関する認識が
代表取締役という立場にある人物として
容認できないとの結論に至った」

新浪さんは1981年に三菱商事に入社した。
2002年5月、ローソン社長兼CEO。
2014年にサントリーホールディングス社長、
今年3月に会長の座に就いた。
2023年からは経済同友会代表幹事。

サントリーは健康食品・サプリメントも売っている。
その売上高は2024年12月期で3363億円。

だからマーケットへの印象はすこぶる悪い。
退任もやむを得ないのだろう。

小売りのことをよく知ったメーカーのトップ。
貴重な存在だし、その発信力も評価されていた。
真相はまだわからない。

日経新聞編集委員の田中陽さんによると、
最近の新浪さんはIntegrityを強調していたそうだ。

だからこそ余計に残念だと思う。
しかし、真のIntegrityは、
この後の態度によって判明する。

新浪さんには凛としていてほしい。

さて第25回商人舎ミドルマネジメント研修会。
2日目は朝8時15分から理解度判定テスト。IMG_8320

商人舎の研修会では、
日本のセミナーでもアメリカ視察でも、
できるだけテストを実施する。IMG_8319

学んだことをどれだけ理解しているか。
それを受講生自身がわかることが大事だからだ。

もし理解していない事柄があれば、
もう一度、理解するまで復習したり、
わかっている人に質問したりできるからだ。

受講生たちの間を見て回る。
皆、よく書いている。IMG_8323

テストが終わると一気になごむ。
IMG_8326

2日目の第1・2講義は高野保男講師。
「作業システムとL.S.P.」がテーマ。
IMG_8327

高野講師は今も、
スーパーマーケットを指導して、
全国を巡る。

すでに60社以上の作業改善に貢献してきた。IMG_8330

現場の改善事例の動画を使って、
わかりやすく講義していく。IMG_8334

ときに質問を投げかけて手を挙げさせる。
IMG_8336

これによって参加企業のレベルと課題を知り、
その実情にあわせて講義をしていく。

ありがたいことだ。
IMG_8341

午前中最後の講義は結城義晴。
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理解度判定テストの回答を確認する。
追加したいことも語るから、
いつも30分近くの時間を使って、
設問の解説をすることになる。IMG_8344

そのあとは働きがいのある企業ランキングと、
顧客満足・従業員満足。IMG_8346

そして戸籍を得たスーパーマーケット産業の話。IMG_8350

昼食をとって、
第3・4講義は山本恭広講師。
月刊商人舎編集長。
IMG_8353

計数の講義は白部和孝講師が担当していた。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。
データ活用のポイントを整理し、
在庫管理と人時管理の計数を教授してくれた。

それらを引き継いで、山本講師が講義する。
商品回転率と交叉比率、
さらに人時生産性の基礎知識。
計算方式。
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コーヒータイム。
ちょっとした菓子も提供。
皆、それぞれにくつろいで談笑している。
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研修ホテルのニューウェルシティ湯河原は、
講義会場自体が広くて天井が高くて快適だが、
ホワイエも広々としている。
缶詰セミナーではこの環境が大事だ。
IMG_8358

2日目の午後4時15分から8時までは、
結城義晴が一気に講義。

最初はミドルマネジメントの経営数値。
山本編集長の現場の計数に対して、
経営に関する損益計算書と貸借対照表、
キャッシュフロー計算書の基礎。

そのあと総資本回転率とROAの原理。
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簡潔に切り上げるつもりだが、
いつも熱が入ってしまう。

そしていよいよマネジメント講義。

まず悪い組織の兆候。
そして大企業病。
茹で蛙状態。

それらが生まれる理由の一つは、
マネジメント理論の間違いである。

古典的なマネジメント理論はすでに、
誤りが多いとされるにもかかわらず、
それを使って経営がなされ、
組織がつくられている場合が多い。

それを180度転換させねばならない。IMG_8364

一言で言えば、
アンリ・ファヨールから、
ピーター・ドラッカーへ。

これは日本の産業にとっても必要なことだ。
もちろん小売業にとっても、
製造業・卸売業にとっても、
それらの関連産業にとっても、
マネジメントにおいて必須のことだ。IMG_8369

具体的な行動に対しては、
私の著書の説明から入る。
『店長のためのやさしいドラッカー講座』

そのあと責任の組織化、
自己管理による目標管理、
そしてコミュニケーション。

ドラッカーのエッセンスを、
小売業の事例を交えて語る。
いつも自分で講義をしながら、
燃えてくる。IMG_8366

みんなよく聴いてくれた。IMG_8373

夜7時を超えて今日の最後の講義。

リーダーシップ実践法。IMG_8368
リーダーシップに関しては誤解が多い。

リーダー的資質とは関係ない。
カリスマ性とはさらに関係ない。
神秘的なものではない。
むしろ平凡で退屈なものである。
リーダーシップは手段である。
その本質は行動にある。IMG_8375

今回はジョン・マックスウェルの考え方を強調した。
「リーダーの中のリーダー」
「世界一のメンター」
そんな風に讃えられる。

マックスウェルも、
Integrityの「終始一貫」を指導してくれる。IMG_8371
2日目は朝8時15分から夜8時まで。

みんなよく聴いてくれた。
よく勉強した。

このあとも明日の理解度判定テストに向けて、
復習に余念がない。

濃密な学習によって、
自分なりの本当のIntegrityを追究してほしい。

私はそう思う。

〈結城義晴〉

2025年09月02日(火曜日)

結城義晴73回目の誕生日と25回目のミドルマネジメント研修会

夏空の駿河湾。
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大島の島影がくっきりと浮かぶ。
手前は初島。
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今日から湯河原。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
毎年6月と9月に開催する。

場所は湯河原の研修ホテル、
ニューウェルシティ湯河原。
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コロナ下の2年は中止した。
今年は25回目。

これまでに1700名以上の修了者を送り出した。

知識商人を輩出することによって、
商業の現代化を成し遂げる。

受講者の中には
社長になった人たちや、
経営幹部として活躍する人たちがいる。
コンサルタントとして独立した人もいる。

やりがいを感じるし、なにより嬉しい。

初日は午後1時から8時までの講義。
100名近い受講生が、
研修会場の大観の間に参集。
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第1・2講義は結城義晴が担当。
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いつも最初に話すのは、
「脱グライダー商人」のことだ。
グライダー商人は自分のエンジンを持たない。
自分で判断できない。
上の言うことばかり気にしている。

けれどこれからは自分らしいエンジンが必要だ。
それをこの研修会で学んでほしい。

それから「商人の本籍地と現住所」
最初に仕事を覚えた会社や店が、
商人の本籍地だ。

本籍地と現住所が変わらない人もいる。
それは幸せなことだ。

しかし現住所は変わる。

そのときにも本籍地を大切にしてほしい。
本籍地こそアイデンティティである。

だから本籍地の悪口を言ってはならない。
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2008年4月17日に、
「商人舎発足の会」が開催された。

93人の発起人の皆さんに、
支援していただいて商人舎は始まった。

私は3時間の講演をした。

その講演のエッセンスを、
ミドルマネジメント研修会では、
冒頭に講義する。

まずは倉本長治とピーター・ドラッカー。
「商売十訓」と「integrity」IMG_8208

休憩を挟んで、「商業の近代化」の歴史。
今はこの中にチェーンストアの発展段階を織り込む。
チェーンストア1.0、2.0、そして3.0。IMG_8197

理屈っぽい講義だが、
これが理解できなければ、
Innovationのトレンドが見えてこない。
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第3講義は鈴木哲男講師。
㈱RAE取締役会長。

午後4時から8時まで、
休憩をはさんで3時間半の講義。

テーマは「52週MDとストアコンパリゾン」。
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商人舎発行の『REA戦略』をもとに、
52週MDの本質を語ってくれる。
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鈴木講師の講義は、
具体的な企業の取り組み事例や、
ご自分の調査資料を駆使して展開される。IMG_8291

ストアコンパリゾンから導き出された、
調査しやすい店のセオリー。

調査しやすい店は、
買いやすい店だし、
作業しやすい店だし、
売れて利益の上がる店である。
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目からウロコだ。

最後は受講生から質問を受ける。
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受講生たちは事前に本を読み込んできている。
だから具体的な質問をする。IMG_8307

いい講義だった。
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ありがとうございまました。

初日の講義が終わると、
レストランで夕食。
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熱海湾の魚介類を使ったメニューと、
すき焼き鍋とローストビーフサラダ、
炊きたての釜めし。
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満足の受講生たち。
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講師席には、高野保男さんが合流。
明日講義してくれる。
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ビールをいただきながら、
情報交換。

話は尽きない。

夕食を済ませると
受講生たちは、次々に会場に戻って、
復習にいそしむ。
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明朝今日の講義の理解度テストが実施される。
だから自ら復習する。
部屋で、会場で、
ホワイエの一角で。

その頑張る姿を見ることは、
講師冥利に尽きる。

今日は私の73回目の誕生日だった。
フェイスブックやメール、メッセンジャーに、
お祝いの言葉をいただいた。

心から感謝します。

しかし止まっている暇はない。
体調には十分に気をつけながら、
まだまだ自分のペースで走り続ける。

どうしても私は怠けたがる。
それと闘う。

「無茶はアカン、
無理はエエけど」

故西端春枝先生から言われた。

忘れてはならない。
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そういえば春枝先生からは、
私の誕生日にいつも、
プレゼントが届けられた。

配慮の人だった。

春枝先生は98歳に永眠された。

私もちょっとだけ、
春枝先生を追いかけたい。
そう思っている。

皆さん、ありがとうございます。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

合掌。

〈結城義晴〉

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