結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年11月24日(月曜日)

堤清二の「モノからコトへ」と「やってる感と頑張ってる感」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㊼]

2025年第48週。
カウントダウンは始まった。
あと6週間。

最後まで悔いのない年にしたいものだ。

勤労感謝の日の振り替え休日。

休みなのでゴルフに行った。
朝は深い霧だった。
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霧の中のジャック・ニクラウス。
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5ホールくらいラウンドすると晴れてきて、
ハーフを終わると快晴。
しかも20度近い暖かさ。
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今日はゲーリー・プレイヤースタイル。
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バックティーから回って酷い目に遭った。
しかし自分に負荷をかけ続けなければ、
すぐに衰えることを実感した。
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最後にコースと天気に感謝。

日本経済新聞巻頭コラム「春秋」

「株式相場などの金融市場は
専門的なことを言いはじめると
複雑なのでとっつきにくいが、
普通の人は市場は『信用』で動いていると
ざっくり考えておけばそう外れないと思われる」

株式相場の新聞として始まった専門紙が、
「市場は『信用』で動いている」と、
ざっくりと考えておけばいいと、
教えてくれる。

「日常生活で『あの人は信用できる』
という信用と同じ。
信頼感や期待感といってもよい」

とてもいいことを教えてくれる。

「かつて安倍政権は『やってる感』で、
支持を保ったと評された」

この「やってる感」は、
東大名誉教授の御厨貴さんの指摘だった。

日経の巻頭コラム子。
「高市政権も似ているが」、
「『頑張ってる感』への応援や共感の色が
濃いようである」

「やってる感」ではなくて、
「頑張ってる感」。

「前者は金融市場の信用も得たが、
頑張る姿は投資家の損得勘定の外」

「政治的支持と市場の信用が乖離する、
成り行きが気がかりな局面でもある」

同感だ。

糸井重里の「ほぼ日」
巻頭エッセイは「今日のダーリン」

1980年代はじめ、糸井は
西武百貨店の広告の仕事をしていた。

会長は堤清二さん。
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当時、堤さんが糸井さんたちに、
飽きるほど繰り返し言ってたこと。

「モノからコトの時代になっている」

1980年代初めだから、
凄く早い。

「トップが『モノからコトへ』を語るのは、
流通も『モノからコトへ』だぞと
定義し直すということだ」

「ぼくなんかの付き合いのある
宣伝部や経営企画室は、
どんな企画書にも報告書にも、
とにかくこれを書いた」

「『モノからコトへ』は
呪文のように社内で流行ったが、
いまから半世紀近くも前のことだ、
ぼく自身も含めて、
リアルにそのことをわかっている人は
少なかったと思う」

私は販売革新編集部にいたが、
渥美俊一先生をはじめとして、
「モノ」一辺倒だった。

糸井。
「しかし、いまならわかっているはずだ。
モノの消費ではなく、
コトの消費の時代になっている」

「ほぼ日なんか、
あらゆる仕事はコンテンツであると、
『モノもコトの集積だ』と考えている」

「この考え方が、身を持ってわかるまでに
40年もかかった」

私も立教大学大学院では、
前期にモノのマーケティングを教え、
後期にコトのマーケティングを教授した。

そして糸井さんの提案。
「さらに、あのころの堤さんと話せるなら、
ぼくは、こんなことを
話しかけてみたいと思っている」

「ほんとうに
『モノからコトへ』となりましたが、
そこに『バ(場所)』の概念が
必要なのではないか?」

「人間そのものに身体があり、
そこから自由になれない以上、
観念としても具体としても
『バ』が必要ですよね、とか」

「雑談として話しかけたら、
どんな話になっていくかなぁ」

糸井さんのこの考え方に賛同する。

「ほぼ日」は「バ」そのものだ。

㈱商人舎の「舎」はとねり。
校舎の「舎」。
これもある意味で「バ」の考え方だ。

糸井重里。
「『バ』って、
メディアでありエリアであり、
資本でもある」

そして「バ」を維持、発展させることは、
頑張ってる感ではできない。

では、みなさん、今週も、
頑張ってる感を醸し出すのではなく、
実際に頑張ろう。

Good Monday!  

〈結城義晴〉

2025年11月23日(日曜日)

大相撲九州場所初優勝の安青錦の疾走に拍手

勤労感謝の日。

実にいい国民の祝日だ。
もともとは「新嘗祭」(にいなめさい)と称された。

日本の収穫祭。
つまり欧米の感謝祭。

天皇がその年に収穫された新穀などを、
天神地祇(てんじんちぎ)に供えて感謝し、
神からの賜りものとして食する儀式。

だから新嘗祭まで、
新米を食べないという風習もあった。

それが1947年に祝日法の改定で、
「勤労感謝の日」となった。

欧米の感謝祭は11月第4木曜日だ。
私はその直前の勤労感謝の日を、
日本の感謝祭と見て、
ブラックフライデー商戦の前哨戦と位置づけている。

今年は勤労感謝の日が日曜日に重なって、
月曜日が振り替え休日の三連休となった。

今日からは新米の一粒一粒を、
味わいつつ感謝したいものだ。

花が咲いている。

ピンクのペンタス。
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真っ赤なペンタス。
和名は草山丹科花(くささんたんか)。
キク類リンドウ目アカネ科。IMG_8576 (002).jpg2

これはニワナズナ。
晩秋の花は控えめだ。IMG_8577 (002)

春の花スミレは秋にも開花する。
食べ物と同じで花も周年化してきた。IMG_8574 (002)
から今、咲いている花を楽しむ。
それが極意だ。

さて大相撲九州場所。

関脇安青錦(あおにしき)が初優勝。ounisiki

21歳のウクライナ人。
17歳で入門して、
序の口、序二段、三段目。
幕下、十両、そして幕内に上がって来て、
前頭筆頭から小結、関脇にとんとん拍子の昇進。

初土俵から所要14場所で幕内最高優勝。
大学卒などの幕下付け出しを除けば、
1年6場所制となってから2番目の速さ。

正攻法の相撲で「出世街道」を突き進み、
今場所は横綱、大関を撃破。

千秋楽で横綱豊昇龍と同星の12勝3敗。
その優勝決定戦。

安青錦はきちんと両手をついて立ち合いをする。aonisiki1

そして低い姿勢のぶつかり。aonisiki2

素早く回り込んで横綱の後ろをとる。
青錦23

見事な送り投げで勝ち切った。aonisikii5

安青錦は今年春場所の新入幕。
それ以来、5場所連続で2桁勝利。

あの大鵬も貴花田も必ず前頭筆頭くらいで、
壁にぶち当たった。

しかし安青錦は新小結、新関脇まで、
一気に昇進した。
この記録は初土俵の力士で最も早い。

大関昇進問題を預かるのは、
日本相撲協会審判部だ。

その審判部が臨時理事会の招集を、
元横綱北勝海の八角理事長要請して受諾された。

大関昇進の目安は「三役で3場所33勝」
安青錦は前頭筆頭からの3場所で34勝。

大関昇進は確実となった。

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茶色の髪、青い目。

大関から横綱に一直線で進んでほしい。

母国はドナルド・トランプから、
理不尽な28項目の和平条件を突きつけられている。

ゼレンスキー政権は汚職で揺れている。

しかし身長182cm、体重138kg。
本名ダニーロ・ヤブグシシン、
安青錦新大。

故郷では仲間がロシアと戦争している。

一方、安青錦は日本の大相撲の土俵で戦う。
こちらにはやりがいと幸せがある。

それが正攻法の相撲に現れている。

そしてこの安青錦の活躍は、
母国の人々の希望につながる。

大鵬や貴花田の出世街道とは異なる、
安青錦の相撲っぷりと勝利の疾走には、
誰もが応援したくなるものがある。

頑張れ、がんばれ、ガンバレ。

〈結城義晴〉

2025年11月22日(土曜日)

関東進出1号「バロー横浜下永谷店」は初日4000万円!

11月22日、二十四節気の小雪(しょうせつ)
立冬と大雪の間。
「わずかながら雪が降り始めるころ」

どんどん寒くなる。

昨日は私が大阪で、
関西フードマーケットの取材。

山本恭広編集長は横浜で、
バローの新店オープンの取材。
スーパーマーケットバロー横浜下永谷店。
話題の店だ。

バローホールディングスは、
東海に拠点を置くリージョナルチェーン。
スーパーマーケット、
ドラッグストア、ホームセンターなどを展開。
マルチ業態チェーンだ。

2025年3月期売上高8544億円で、
ニッポン小売業番付13位。

そのスーパーマーケット関東進出第1号店。

新たな商勢圏づくりを進めるバローは、
関西圏1000億円、関東圏500億円を掲げている。vlor-facad

横浜下永谷店の立地は環状2号線沿いにある。
市内の中心部を走る幹線道路だ。

今年5月まで営業していたのは、
ヤマダ電機テックランド横浜本店。

閉店跡の物件への居抜き出店だ。
地上4階建て、1階と2階が売場。
3階から上層が駐車場。

1階にバローが出店した。
売場面積617坪、後方面積は405坪。
2階にダイソー、西松屋、
そしてマツモトキヨシが出店。

バローが掲げているのは、
「ディスティネーション・ストア」づくり。
近くの店を越えてきてくれる店。

生鮮食品に力を入れる。
生鮮三品で売上構成比5割を超える店が登場している。

オープン前から沿線道路には、
入庫待ちの自動車の列。
店外には1000人の顧客が並んだ。valor-line

横浜下永谷店のエントランスには、
「生鮮スーパーValor」valor-ent

入口は「フルーツ・スイート・ファクトリー」。valpr-fruit
バローの看板売場の一つで、
店内製造のカットフルーツと、
フルーツデザートを販売する。

続いて、鮮魚売場。
「プール」と呼ぶ鮮魚部門中央の平台売場。
valor-fish

「頭から尻尾まで見える魚屋を目指しています」
バローの常とうキャッチ。
「魚肉」ではなく「魚の丸物」を売り込む。

生しらすの量り売りは新しい取り組みだ。valor-fish2

店内では動画撮影チームが活動する。
この店の盛況ぶりを共有するためだ。valor-youtube

精肉は「飛騨牛」をアピールして、
中部地方発のチェーンであることを強調する。valor-meat

加工食品売場のゴンドラ下段では、
プライベートブランドの焼肉たれを突き出し陳列。
精肉売場との連動を図っている。valor-gro

惣菜売場はグループ会社の中部フーズが担当する。valor-deli
後方のキッチンから、
次々と「飛騨牛コロッケ」が製造されて、
売場に出てくる。

それが顧客の支持を集めている。

店内の後方スペースに即席会場を設けて、
記者へのブリーフィングが行われた。valor-media

小池孝幸社長の発言。
「バローができるすべてを表現した」
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初日の日商は4000万円を見込んでいる。
もちろんバローにとっても異常値だ。

「勝負どころの店には、
このぐらいの予算をつける」

「これから、名古屋の味、
ご当地のいいものを揃えて、
地域にアジャストしていく」

第1号店のメンバーは店長を含めて、
社内公募をした。

店長に任命された須貝和行さんは、
「エース級」と小池社長は評する。

「実務能力の高さはもちろん、
『この人と仕事をしたい』と、
多くのメンバーが手を挙げた」

中部発のチェーンストアと言えば、
愛知県のユニーが思い出されるが、
イオンも岡田屋は三重県発祥。

相当の覚悟をもっての進出だと思う。
それだけ意欲的な店舗である。

「Valor」は英語の古語で、
「勇気ある者」という意味らしい。

それが発揮されるのがこの店だろう。

さて私は今日、自由が丘。
いつもの花屋モンソーフルール。
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いつもカラフルな店外売場。IMG_8552 (002)

花束の価格ラインは2つ、390円と490円。

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店内には鉢植えの花も陳列されているが、
もうクリスマス一色のプレゼンテーションだ。
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自由が丘の通りには、
クリスマスツリー。
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小雪とクリスマスツリーと勇気ある者。

今日のブログはいい取り合わせだ。

〈結城義晴〉

2025年11月21日(金曜日)

阪急オアシスマルシェ南千里店の営業力と人財力のハイブリッド

3泊4日の大阪出張。
ちょっとした海外ツアー並み。

最後は千里阪急ホテル泊。
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1970年、大阪万博開催の時に開業。
私は1980年代からよく利用した。

とくにニッショーストアの故井上靖之さんが、
このホテルが好きだった。

故杉山昭次郎先生らと一緒に、
私もよく泊まった。

井上さんは1996年12月25日に急逝された。
本当に惜しいことだった。

懐かしいホテルだ。
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来2026年春に営業終了が予定されている。
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朝、9時半からオンライン会議。
㈱True Dataの取締役会。
ホテルの部屋から参加する。
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阪急千里線南千里駅に直結して、
ショッピングセンターのトナリエ南千里がある。

私はホテルからタクシーで直接訪れた。

スーパー サンキョー菜鮮果がある。
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核店舗が阪急オアシスマルシェ南千里店。
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スーパーマーケットが2店入っている。

15年前に取材に来たことがある。
再訪は嬉しい。
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商人舎流通SuperNews。
関西フードマーケットnews|
価値&価格の「阪急オアシスMarché南千里店」

㈱関西フードマーケットの旗艦店大改装。
10月31日にリニューアルオープン。

2010年12月10日のブログに掲載されている。
阪急オアシス「リニューアル戦略店舗」巡り(後篇)南千里店と淡路店

季節の野菜が並び壁面にはフルーツバー。
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「Hankyu」の木箱を使った陳列。20101209135958.jpg

野菜の量り売り・バラ売りコーナー。20101209140008.jpg

シーフード・デリと鮮魚売場の対面コーナー。
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広いコンコース。
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鮮魚売場の先は対面の精肉売場。
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キッチンコーナーで試食・試飲を提供する。
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ワイン&チーズの売場。
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ワインクーラー。
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ご奉仕品と冷凍食品のコーナー。
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惣菜売場は「DELICATESSEN」のロゴ。
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サラダ、おにぎり、弁当のセルフ・コーナー。
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高級感あふれる店。
「高質スーパーマーケット」を標榜していた。

大改装した阪急オアシスMarché南千里店
「価値訴求型」と「価格訴求型」を両立させる。
まさにハイブリッド型店舗。

青果部門と一丁目一番地。IMG_8493 (002)

グロサリーエンドは「衝撃プライス」
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おすすめスイーツは阪急オアシスの味。
それをできるだけ安く提供する。IMG_8476 (002)

 

ベーカリーとデリカテッセンは売場を広げた。
阪急デリカの商品が主力となる。
つまり食の「SPA」IMG_8505 (002)

私はとてもいい店だと思った。

高井累さんが案内して説明してくれた。
関西フードマーケット取締役執行役員。
営業企画部長、営業統括部長を兼務。
コーネル大学RMPジャパン奇跡の2期生。

長い付き合いだ。
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丁寧に説明してくれたのが辻田晴紀さん。
店舗統括部ブロックグループマネージャー。
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店のそばに公園と池がある。
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その池を望む喫茶スペースで2時間近くのインタビュー。IMG_1694 (002)
とても良い内容だった。

2026年4月1日付けで、
イズミヤ・阪急オアシス㈱と、
㈱関西スーパーマーケットが合併する。

イズミヤ・阪急オアシスが存続会社、
商号は㈱関西フードマーケット。

今、3社の統合と融合が急ピッチで進んでいる。
この南千里店はその融合を象徴する店だ。

価値訴求と価格訴求。
そこには様々な考え方があるし、
実践の仕方がある。

関西フードマーケットと高井さんが考えることは、
実に理論的だった。

コーネル・ジャパンで講義した基本も、
ベースにあるように感じられた。

私も取材を忘れて、
いろいろと提案した。

もともとは、
ニッショーと阪急オアシスが一つになった。
そこにイズミヤも加わった。
さらに関西スーパーが参加した。

ニッショーの堀内彦仁さんと井上さん、
阪急オアシスの千野和利さん、
イズミヤでは創業者の和田満治さん、
そして関西スーパーの北野祐次さん。

私の恩人ばかりだ。

その人たちがつくった会社が、
統合し融合する。

いい会社となって、
いいフォーマットをつくってほしい。

それぞれが得意とする営業のハイブリッドであり、
さまざまな人財のハイブリッドだ。

それは関西フードマーケットにしかできない。

ライフコーポレーションと万代、平和堂。
ロピアとオーケーとバローが新規参入した。

この関西の激しい競争の中で、
自分たちらしいポジションを構築してほしい。

そんなことをずっと考えていた。
頑張れ。

〈結城義晴〉

2025年11月20日(木曜日)

マーケティング&ストラテジックマネジメントの「良い戦略」

今日も大阪。
万代知識商人大学第10期。
11月の講義2日目。

東大阪市渋川。
奥が㈱万代本社、右が会議棟。
今日は意外に暖かい。
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万代カレッジの11月のテーマは、
マーケティングマネジメント。
今日は最後に、
ストラテジックマネジメントも語る。

朝9時にスタート。
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司会は石川慎也さん。
人事部マネジャーで万代大学第1期生。

段取りから当日の進行まで適切に対応してくれる。
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はじめにいつものようにレポートの発表。
前回の講義に対して各自がレポートを書く。

10月はオペレーションマネジメントの講義だった。
生産性向上や実務の改善についての考察を発表。
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恒例の発表が終わると、
今度は昨日の店舗クリニックの報告。

10期生たちは昨日の座学のあとで、
6班に分かれて大阪エリアの6カ所の店舗を視察した。

いわゆるMR、マーケティングリサーチ。
チェーンストア業界で言えば「ストアコンパリゾン」。IMG_1489

競合店を見て、その良さを学び、
自社の強みと弱みを改めて確認する。

後列では加藤健副社長と和久正樹取締役が聴講する。IMG_1485

一つの班の発表が終わると、
受講生から質問が投げかけられる。
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和久取締役からの質問も出る。
和久さんはそのうえで班ごとの発表を評価する。IMG_1495

私はストアコンパリゾンを
「基幹経営戦略にせよ」と言っている。
ウォルマートの創業者サム・ウォルトンは、
「Retail is Detail」と言った。
「神は細部に宿る」
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つまり現場にこそ企業の戦略が現れる。
店舗を詳細に見るスキルこそ、大事な技術なのだ。IMG_1497

だから各班に対する私の質問も細かくなる。
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その班もよく調べて、
自分たちなりの報告してくれた。
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見たい範囲、自分が担当する売場だけを、
見たり調査したりするのではいけない。
食品以外の住関連や衣料の売場も、
さらには施設全体の環境や顧客の買物行動まで、
丁寧に見ることが大事だ。IMG_1507

もちろん短時間のMRでは、
焦点を絞って調査する場合もある。
つまり目的に応じて臨機応変にMRする。
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MRを当たり前の習慣にする。

阿部秀行社長も加藤取締役も和久取締役も
経営トップたちはMRのスキルに長けている。
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将来の経営幹部を目指す10期生にも、
必須のスキルなのだ。IMG_1513

休憩をはさんで、
今日の第1講座は、結城義晴。
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そこでラインストラクチャー・グラフをおさらい。
そのなかでもっとも使われているのがPFグラフ。
価格(Price)とフェイス(Face)数を調査して、
折れ線グラフにする。

そこに企業の商品戦略が現れる。

その使い方と注意点を図で解説する。
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それから講義はロイヤルカスタマー論。
角田雄二のスターバックス創業物語。
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最後はコトラーの「マーケティング4.0」。
そして結城義晴の持論。
「チェーンストア3.0」

マーケティングマネジメントをテーマにした、
1日半の講義はこれで終了。

昼食をはさんで、
午後は「ストラテジックマネジメント」
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はじめにMessage。
「今、良い戦略を」

戦略が良ければ、
戦術の失敗は、
挽回できる。

良い戦略があれば、
戦術でミスを犯しても、
その間違いを取り戻すことができる。

しかし戦略が悪ければ、
まず戦術は失敗しやすい。
現場の努力は実りにくい。

さらに悪い戦略の場合、
ある戦術が成功したとしても、
それが成功すればするほど傷は深まる。

戦術が成功するほどに、
悪い戦略の深みにはまっていって、
戦略の悪さが表に出てこない。

その結果として、
悪い戦略が長きにわたり継続され、
組織は茹でガエル化によって破滅に至る。

戦略が良ければ戦術の失敗は挽回できる。
戦略が悪ければ戦術の成功が逆に、
マネジメントの死をもたらす。〈結城義晴〉
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それからJ.バーニーとマイケル・ポーター。
SWOT分析とPPM分析。

一気呵成にストラテジックの中心理論を、
しかもわかりやすく話した。
これ、私の特技の一つ。

将来、幹部になったら必須の理論だ。

社内講師として芝純常務が登壇。
テーマは「万代の営業戦略」。
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営業の総責任者として、
現在の戦略とこれからの方向性を丁寧に語ってくれる。
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全体像を示して営業の戦略について学ぶ。
こんな贅沢な講義はない。

それだけ期待されていることを、
受講生たちは真摯に受け止める。
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いい講義だった。
ありがとうございました。IMG_1537

万代カレッジの講義も今日で終了。
1月には修了のための発表が残っている。
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最後の最後はブルーオーシャン戦略と、
バリューエンジニアリング論。
そして総括の講義。
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芝常務も再び登壇して檄を飛ばす。
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最後の最後は卒論の書き方。
そして発表の仕方のレクチャー。
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カレッジの最終講義が終わると、
受講生たちが深々と礼をしてくれた。
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10期生の講義にずっと付き添ってくれた、
和久取締役にも振り返って礼。
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3月にスタートした万代カレッジ10期。
いよいよ年明けの論文発表と修了式だけ。
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和久さんには心から感謝。
そして来年もよろしく。
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良い戦略は戦術の失敗を挽回する。
これ、一番重要なことだ。

〈結城義晴〉

2025年11月19日(水曜日)

万代大学マーケティング講座の「マーケティングリサーチ」

昨日から大阪。
関西も寒い。

今日は万代知識商人大学。
10期生の講義もいよいよ佳境に入った。

本社に隣接する会議棟。
その1階の大会議室が私たちの教室。
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11月の講義テーマは、
マーケティングマネジメント。
そしてストラテジックマネジメント。

ミッションマネジメントから始まって、
ヒューマンリソースマネジメント、
フィナンシャルマネジメント、
オペレーションマネジメントまで、
講義が進んできた。

9月には全員で、
商人舎ミドルマネジメント研修会に参加した。
S級獲得者が3人出た。
朝比奈宏一さん、
小山和輝さん、
澤井崇人さん。

最後の講義は2日間。

司会はいつものように石川慎也さん。
人事部マネジャー。
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初めに受講生たちのレポート報告。
10月のオペレーションの講義を受けて、
自身が何を実践するのか。

それを各自が発表する。
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5分ほどで簡潔に説明してもらう。
しかし多くの受講生が持ち時間をオーバー。

限られた時間の中で、いかに趣旨を伝えるか。
レポート報告はそれも一つの目的である。
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第1講義は結城義晴。
はじめにコトラーの本を紹介。
『マーケティング・マネジメント』
巨匠フィリップ・コトラーも94歳。
その処女作にしてロングセラーが、
この分厚い名著だ。

全員がこの本を買って日々、
辞書代わりに使うように指導した。IMG_1433

そのうえでコトラーの言葉を10条、
選んで説明した。

⑴マーケティングの基本となる最も重要な概念は、
人間のニーズである。

⑵市場の変化とは、本質的に顧客の行動の変化である。

⑶顧客を理解すること。
そして顧客ごとの異なるニーズを見抜くことが重要だ。

⑷マーケティングは販売に注力するのではなく、
むしろ販売が不要なほど
魅力的な製品の開発に注力すべきだ。

⑺サービスを工業化したり、
経費を削減したりしようとすると、
短期的には効率が上がるが、
長期的には、サービス品質を刷新したり、
維持したり、顧客ニーズに応えたりする能力を
減少させることになる。

⑽マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる。

万代で万代の商売をすること。
それがマーケティングである。

講義はまずマーケティングの定義から。
立教大学ビジネスデザイン研究科で、
2009年から5年間、私は特任教授を務めた。

担当した講座が、
フード&ベバレッジマーケティングと、
サービスマーケティング。

それからゼミ生を預かって、
修士論文指導をした。

それらの講義の一番最初にする内容が、
このマーケティングマネジメントの入門編だ。
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マーケティングの意味と定義。
それからマーケティングマネジメントのプロセス。
マーケティングリサーチから始まって、
STPマーケティングへつながり、
マーケティングの4Pと4C。IMG_1437

そしてマーケティングの競争戦略。
マーケットリーダーとチャレンジャー、
フォロワーとニッチャー、ゲリラ。
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第2講義は和久正樹取締役。
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万代西宮前浜店の店長時代、
和久さんはさまざまな顧客開拓の施策を行った。

その具体的な取り組みを説明してくれた。
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「お客さまをよく見て商売すること。
これがマーケティングである」というまとめは、
万代の営業の本質を表している。

午前の第3講義は中ノ忠敏さん。
現在、西宮前浜店のフラッグショップ店長。
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前店長の和久さんのあとを継いで、
フラッグショップの売上げをさらに伸ばした。

その3カ年にわたる取り組みを丁寧に語ってくれた。
後列では阿部秀行社長、
芝純常務も聴講する。IMG_1455

企業内大学は自社講師が講義をする。
しかもその中身は受講生にとって、
本当に身近な内容でわかりやすい。
それが企業内大学の良いところだ。
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2人の講師に感謝。

午後は再び結城義晴。
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マーケティングプロセスは、
マーケティング・リサーチから始まる。
そこで受講生が6班に分かれて、
話題の店舗を視察する。

店舗にご迷惑が掛からないよう、
必ず買物をするよう、
くれぐれも丁寧に対応するよう、
どんな店にも敬意を払うよう。

注意をしてから出発。

私たち事務局は車を飛ばして、
10月3日オープンしたばかりの
バロー岸和田店へ。
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南岸和田の商業施設「ミラモール」が、
大規模リニューアルをした。
それに合わせてスーパーマーケットバローを誘致。
バローはこの店を関西旗艦店と位置付けている。

月刊商人舎11月号で、
山本恭広編集長が記事にした。

丁寧に見せていただいて、
いろいろ発見した。

焼き立てのパンと岸和田店限定販売の日本酒を購入。

それから新地に戻って、
「万代倶楽部」。
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冷えたビールから始まり、
バローで購入した日本酒を試飲して、
赤ワインをいただき、
会話も大いに弾んだ。
すっかりいい気分。
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最後は、全員でグー!
左から芝純常務、加藤隆取締役、
亀谷しづえ商人舎GMと和久取締役。
加藤さんは人事・総務部担当。

マーケティング・リサーチは楽しい。
勉強になるし、モノを考える。

明日はその調査分析発表会。
楽しみだ。

マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる。
万代というスーパーマーケティング企業で、
一生をかけて使いこなしてほしい。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2025年11月18日(火曜日)

イオン伊丹の「MEAT PARK」と万代大学前夜の「顧客心理」

朝、新幹線のぞみで新横浜から新大阪へ。

神奈川は曇り空、
静岡に入ると雲の切れ間が見えてきた。
雲の上に富士の頂が現れる。
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富士市の製紙工場の煙突の煙。
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新幹線はぐるりと富士市を回りこむ。
頂も裾野も雄大だ。IMG_8363

新富士川橋と富士山。IMG_8378

富士の姿を見ると気分は晴れる。
いい一日になりそうな予感がする。

新大阪駅に着いて、
駅構内のカフェで少しだけ仕事。
棚の上にはクリスマスプレゼンテーション。
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そして兵庫県の伊丹市へ。

JR伊丹駅を降りると、
イオンモール伊丹が目の前に広がる。
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モール2階と駅舎が、
ペデストリアンデッキでつながっている。

イオンモール伊丹は2002年10月に
「ダイヤモンドシティテラス」として開業。

2007年、イオンモールが、
ダイヤモンドシティと合併。
その際に「イオンモール伊丹テラス」に改称。

さらに2011年、イオンモールへのバナー統合。
再改称してイオンモール伊丹になった。
地上5階地下1階建てで、
商業施設面積は5万2000㎡。
兵庫県内最大の広さ。

商業エリアの中央通路は快適な空間。IMG_8383

核店舗はもちろんイオンスタイル伊丹。
2階の衣料品売場がよくなった。IMG_8382

導入部は「Doublefocus(ダブルフォーカス)」。
イオンのヤングカジュアルウェアの専門店。
このショップもなかなかいい。
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ブラックフライデーのパンダと並んでポーズ。
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イオン伊丹来訪の目的は、
「MEAT PARK」。
イオンリテールが仕掛ける新しい畜産売場。IMG_8393

10月30日、イオンスタイル伊丹が、
リニューアルオープンした。
畜産売場の売場環境を刷新した。

生活者のニーズや使用シーン別に、
精肉を6つのゾーンに分類した。
➀ステーキ
②焼肉
③トンテキ
④やきとり
⑤ドカ盛り
⑥簡便調理

対面販売コーナーも強化した。

平ケースでは「イオンのお楽しみ袋」。
「ブラックフライデー」の先行セール。
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伊丹を後に、
定宿のシェラトン都ホテル大阪に到着。

クリスマスツリーが出迎えてくれた。
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グリーンからブルーへ変わる。IMG_8404

そして赤色へ。
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明日は万代知識商人大学第10期の講義。

前夜は社内講師の皆さんとの会食。
これが楽しみの一つ。

今日はホテル内の中華レストラン「四川」。
伝統的な四川料理の創作フルコース。
食事をいただきながらの情報交換。

阿部秀行社長の話は実に面白い。
いま、ビールがよく売れている。
2ケタの伸びを示す。

それはアサヒビールへのサイバー攻撃の影響だ。
ビールの配荷が遅れるというニュースが流れると、
消費者はビールを飲みたくなる。

その時に的確にビールを売り込むと、
アサヒだけでなく、全体にビールが売れる。

阿部さん。
「商売はお客さんの心理を読むことです」

そのとおり。

万代の店頭ではいつも、
この顧客の心理を読む商売が展開されている。

阿部さん(中)と和久正樹取締役(右)、
そして中ノ忠敏フラッグショップ西宮前浜店長(左)。
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中ノさんは万代知識商人大学2期生。
事業部マネジャーを歴任して今、
万代の一番店の部長店長。
明日、講師を務めてくれる。

阿部さんとは久々の会食。
面白い話ばかりで、盛り上がった。
その阿部さんの車の前で握手。 IMG_1419 (002)

和久さんは万代カレッジを担当してくれて、
1年を通して講義をしてくれる。
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企業内大学の長所や利点は、
社内講師が講義するところだ。

講義は日々の仕事と直結している。
だから直近の具体的な戦略、政策が示される。

そして講師自身も成長する。
実はこれも大きな成果だ。

万代の講師陣はもともと多士済々。
そんな話の才能のある人たちが、
例外なく講義が上手になった。

それが社内のコミュニケーションの原動力になる。

第10期受講生たちもいつか、
講師陣に加わってくれるに違いない。

「マーケティングの基本となる最も重要な概念は、
人間のニーズである」

フィリップ・コトラーの言葉。
51UXaH-oBWL

「市場の変化とは本質的に、
顧客の行動の変化である」

明日はマーケティング・マネジメントの講義だ。

〈結城義晴〉

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