結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年06月05日(木曜日)

OICグループの「100人の経営者」と日本スーパーマーケット番付

今日も1日、横浜商人舎オフィス。

「狭いながらも楽しい我が家
愛の火影のさすところ
恋しい家こそ私の青空♬」ewnoken
「エノケン」こと榎本健一。

ほんとうに懐かしいけれど、
ときどきエノケンの嗄れ声が、
ふっと耳の奥から出てくる。

すると1日中、そのメロディーを口ずさむ。

不思議だ。

今日は原稿を書きまくった。
月刊商人舎6月号、
最後の締めの原稿。

疲れ切ったけれど、充実。
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第1特集のまえがき。
そして第1特集の1本目の原稿。

第2特集のまえがきとあとがき。

それから表紙の言葉。
「Cover Message」

編集部がイラストを選んでくれて、
七海真理さんがデザインしてくれる。

素晴らしいものができ上った。
最近の表紙は申し分ない。

それだけで見ていても楽しい。

最後に「Message of June」
苦しんだけれど、
いい文章ができ上った。

そのあと七海さんのデザイン。
「Wonderful!!」

感動した。

楽しみにしてください。

その「Message of June」のゲラをもって、
山本恭広編集長と写真。
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2日連続で午前様となった。
みんな、ありがとう。
お疲れ様。

昼間は来客。

㈱OICグループの宍戸真郷さん。
人事総務本部人材開発部部長代行。
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OICグループの人材育成と教育について、
いろいろと話し合った。

今年1月のニュース。

OICグループnews|
グループ企業のトップ育成教育開始/最短23歳で社長も

経営者育成プログラムで、
「社長100人プロジェクト」を開始した。

「経営者育成塾」

その社内公募に多くの社員が応募した。
グループに2年以上勤務する、
中堅以下の社員約1000人が対象となった。

何度もテストや面接を繰り返して、
9人の第1期候補者が選ばれた。

多彩な、若い人財だ。

彼らを2年かけて経営者に育成する。

基本はビジネス・ブレークスルー(BBT)大学。
その運営会社Aoba-BBTが協力してくれる。

大前研一さんが学長の組織だ。

OICグループは2031年度までに、
グループ企業を100社にする。
その結果として売上高2兆円を達成する。

食に関する小売業、製造業、卸売業、
輸入商社、専門店、フードサービス業などなど。

100社をつくるには、
100人の社長が必要になる。

大いに賛同して、
1年の締めの講師を引き受けた。

それ以外にもとくにロピアの若い人たちに、
どうしても伝えたいこと、
必ず教えたいことがある。

それはまた別のセミナーとなる。

OICグループは、
最新の日本小売業ランキングで、
小売業第33位に躍進してきた。
日本のスーパーマーケットでは6位。

2025年2月期で5213億円、111店舗。
26.3%の伸び率だった。

日本のスーパーマーケット売上高順位。
[1位]
ライフコーポレーション。
8505億円。

[2位]
U.S.M.H
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス。
8113億円。

マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東に、
いなげやが加わった。

[3位]
ヤオコー、7364億円。

[4位]
オーケー、6239億円。

[5位]
アークス、6083億円。
ラルズ1550億円とユニバース145億円。

[6位]が、
OICグループ(ロピア)だ。

それから、神戸物産、
ヨークベニマル、

西友、万代、ベルク。

ずいぶん順位が入れ替わった。

感慨深い。

特集のなかの、
スーパーマーケット番付に書いた。

1000億円企業は107社。
そのうちスーパーマーケット企業は36社。
企業数は全体の3分の1。
20兆円産業の底辺の広さが際立つ。

「スーパーマーケットは
オーバーストアというよりも、
オーバーカンパニーである」
10数年前にイオンの岡田元也会長が見抜いた。
この産業の企業数は圧倒的に多い。

しかしそのオーバーカンパニー産業にも、
徐々に上位集中が進んでいる。

これが結論だ。

ロピアとOICグループは、
100人の経営者を育成することで、
成長を図る。

論理的にこれは正しい。

朝日新聞「折々のことば」
第3414回。

できないことを、
できたような気になり、
やれないことを、
やったような気になる、
それは物語の世界だろう。
〈田中小実昌〉

「世の中は物語だらけ。
出来事や体験を人は
つい物語にしてしまうのではなく、
物語としてしかしゃべれない」

「『人生』という言葉も物語用語の一つ。
それを知ってしまうと、
語ること自体がつまらなくなる」

〈短編小説「寝台の穴」(『ポロポロ』所収)〉
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できないことを、
できたような気になり、
やれないことを、
やったような気になる。

それでは実務は進まない。

100人の経営者を育てる。
一番いいのは、
経営者を経験させることだ。
失敗もさせる。

そして敗者復活の風土を用意しておく。

すると、
できないことを、
できたような気にはならない。
やれないことを、
やったような気にもならない。

〈結城義晴〉

2025年06月04日(水曜日)

小川糸の「反対側にブランコを振り切る」と甘粕章の「両極の魅力」

今月号は大変だ。

いつものことだが、
とくに大変。

月刊商人舎6月号の入稿。

大量の決算資料と補足資料を、
丹念に読み込まねばならない。
そして簡潔にまとめる。
とても勉強になるけれど。

実に面白いものになります。

編集部の総力を傾けて、
全部、内製化された原稿で、
模倣困難な内容に仕上げます。

編集部にもっとパワーが加われば、
その模倣困難性はさらに高まります。

昨夜も遅くまで執筆。
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夜食を食べて、
山本恭広編集長と写真。
撮影は亀谷しづえGM。
疲れた表情は見えない。IMG_3707 (002)

今日も執筆と入稿。

ランチは満興楼。

食事のあとは、
血糖値をチェックしながら、
遊歩道を散策。
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体調もいいし、
仕事も充実。

私もいつまでも、
これを続けることはできない。

故倉本長治主幹は82歳まで現役を続け、
正月明けに亡くなった。
倉本長治モノクロ2

故渥美俊一先生も生涯現役で、
83歳11カ月で逝去された。
渥美俊一2

私は少なくとも85歳までは、
現役で頑張る。

そう自分に言い聞かせている。

岡田卓也さんのように、
伊藤雅俊さんのように、
力強く生き続けたい。

今月ももう一息、頑張ります。

朝日新聞一面「折々のことば」
第3415回。

編著者は鷲田清一さん。
毎日毎日、ことばを選ぶ。
それが毎日、胸に響く。

「大きな、
力強い物語が
書きたかったら、

それと同じ熱量で、
反対側にブランコを
振り切る」

〈小川糸『いとしきもの』から〉
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「ずーっと頑張っていると、
いざという時に力が入りませんよという、
以前取材した助産師さんの言葉が忘れられない」

小川糸は山形出身の小説家、作詞家。

「『いきむ』と『ゆるむ』。
凝集と放散」

「一方の極から反対の極への振れというか、
揺れ幅の大きな往還が、
仕事や人生の熱源になる」

編集者として駆け出しのころ、
甘粕章(あまかすあきら)さんにインタビューした。
いや、インタビューの助手をした。
1929年5月30日生まれ、
2013年11月19日没。

日本の雑誌編集者。
元マガジンハウス副社長。

学習研究社を経て、平凡出版へ入社。
『平凡パンチ』『週刊平凡』『an・an』の編集長。

『クロワッサン』『ダカーポ』などを創刊。
1984年にマガジンハウス副社長に就任。

当時、編集者としてのスターだった。

その甘粕さんが言った。

雑誌は、
「両極をもっていなければ魅力がない」

つまり右の極と左の極が、
詰まっているようなものが面白い。

その後、私の三番目の上司、
今西武編集長。
食品商業創刊者。

関西弁で言った。
「雑誌は五目飯(ごもくめし)や」

小川糸は、
山小屋というもう一つの拠点での暮らしを綴った。

都会の暮らしと山小屋の暮らし。

大きな物語を書く。
それには同じ熱量で、
反対側にブランコを振り切る。

反対側にブランコを振ると、
両極をの空間を体験することになる。

私はすぐに仕事のことを思う。

コモディティとノンコモディティ。
禁欲円と享楽円。

両極をもつ店ほど、
魅力的だ。

その振れが大きいほど、
魅惑的になる。

だからトレードオフではなく、
トレードオン。

今、編んでいるこの雑誌は、
どうだろう。

甘粕さんや今西さんに、
誇れるものになっているだろうか。

〈結城義晴〉

2025年06月03日(火曜日)

訃報「長嶋茂雄のその日その日にボクは深く深く頭をさげる」

長嶋茂雄が死んだ。

「ミスタープロ野球」
全日本人のヒーロー。

今年3月に肺炎にかかった。
そして2025年6月3日午前6時39分。
息を引き取った。

89歳。
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巨人は嫌いでも、
長嶋は好き。

そんな人が多かった。

私は福岡の西鉄ライオンズファンだった。
そして中西太を信奉していた。

それでも長嶋は好きだった。

日経新聞「私の履歴書」
長嶋茂雄編に目を通した。

千葉県の佐倉市。

小学生のころから、
野球で遊んだ。
小さくてもホームランをかっ飛ばした。

中学に上がると、
真っ先に野球部に向かった。

当時の皮肉な川柳。
「六三制、野球ばかりがうまくなり」

ここで1年から断然上手かった。
3年では当然、キャプテン。

佐倉高校に進んで、
ここでも図抜けた高校球児。

庭にある樹齢30年の柿の木の下で、
バットを振るのが日課だった。

「スター選手のバッティングの物まねを
一通りおさらいした」

長嶋も真似から入った。

大学は立教大学。
砂押邦信監督に死の特訓を受けた。

しかし長嶋は大学の4年間、
「自分が何をしたら
周りの人が喜んでくれるか、
自分をどう表現したらいいか、
そればかりを片時も忘れずに考えていた」

これを話すと、
学生の中からどっと笑いが起きた。

長嶋は述懐する。
「私は人生は表現力と思っている」

「プレー以外のどんな時でも
観客のすべての視線をひき付けようと意識した」

「見られる方はいつも集中して、
さらにプラスアルファの力が生まれるものだ」

長嶋はそれを人一倍強く意識していた。
それが原動力だった。

プロ野球で巨人軍に入った。

剛腕金田正一との最初の対戦。
4打席連続4三振の痛恨のデビュー。

「私に投じた19球のうち
10球スイングしたが、
バットにかすったのは1球だけ。
それも内角に食い込む直球に
のけぞってよけたバットにあたったもの」

「空振り9、見逃しストライクが2。
惨たんたる結末だった」

「下宿先でまんじりともしない夜を過ごした。
明け方まで悔しさと恥ずかしさがこみ上げて、
何度もガバッと布団をはねのけ、
闇の中でバットを振った」

巨人軍の日本一9連覇。

王貞治とのON砲。

「ライバルとよくいわれたが、持ち味が違う。
ホームランバッターの王さんが登場して
私は飛距離にこだわらず、
『勝負強さ』という1点に自分の打撃を
収斂させていった中距離バッターだ」

ライバルは隣にいた。

日本シリーズの前の合宿。
昼間は練習、夜もミーティング。

そのミーティングのリポート。
監督の川上哲治。
「王君の答案は『1、…。2、…』と、
個条書きでびっしり書かれていたのに比べ、
長嶋君のそれは『よく、わかりました』と、
たった1行だけ」

個性が真反対だから、
ライバルは輝いた。

ウォルマートとターゲット、
ホームデポとロウズ、
複占のポジショニング競争。

日経新聞はすぐに社説で弔意を示した。
[社説]戦後日本を照らした長嶋氏

74年に現役を引退するまで
本塁打444本、首位打者6回などの
記録を打ち立てた。
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もっともその真価は数字よりも、
人々の脳裏に刻み込まれた
数々の名シーンにあろう。

「選手として活躍したのは、
戦後復興から高度成長へと向かう時期に重なる」

「敗戦という過酷な体験を乗り越え、
前を向こうとする日本社会にあって、
時代を照らす明かりのような存在だった」

引退セレモニー。
「わが巨人軍は永久に不滅です」
昭和の時代と共鳴した不世出のスターだった。
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2004年に脳梗塞で倒れた。
右半身麻痺などの後遺症が残った。

私はそのあとの長嶋は見たくなかった。
まったく個人的な印象だが。

私はああなったら、
表には出ない。

それでも長嶋茂雄は現役の時代に、
誰にもできないことをやり遂げた。

サトウハチロー。
「長嶋茂雄選手を讃える詩」

疲れきった時
どうしても筆が進まなくなった時
いらいらした時
すべてのものがいやになった時
ボクはいつでも
長嶋茂雄のことを思い浮かべる
長嶋茂雄はやっているのだ
長嶋茂雄はいつでもやっているのだ

どんな時でも
自分できりぬけ
自分でコンディションをととのえ
晴れやかな顔をして
微笑さえたたえて
グランドを走りまわっているのだ
ボクは長嶋茂雄のその姿に拍手をおくると同時に
「えらい奴だなァ」と心から想う

ひとにはやさしく
おのれにはきびしく
長嶋茂雄はこれなのだ
我が家でのんきそうに
愛児達とたわむれている時でも

長嶋茂雄は
いつでもからだのことを考えている
天気のいい日には青空に語りかけ
雨の日には
天からおりてくる細い糸に手をふり
自分をととのえているのだ
出来るかぎり立派に
長嶋茂雄はそれだけを思っている
その他のことは何も思わない
ボクは長嶋茂雄を心の底から愛している
自分をきたえあげて行く
長嶋茂雄のその日その日に
ボクは深く深く 頭をさげる
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心からご冥福を祈りたい。

合掌。

〈結城義晴〉

2025年06月02日(月曜日)

「令和のコメ騒動」の「マーケティングとイノベーション」

Everybody, Good Monday!
[2025vol㉒]

2025年第23週。
6月第1週。

6月号の責了日が迫ってきた。

ストレスがかかるときだが、
私は「FreeStyleリブレLink」の使用を始めた。

左上腕にセンサーを着ける。
それがグルコース値を測定してくれて、
スマホのアプリにリンクされる。
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常時、自分の血糖値を知ることができる。

風呂にも入れるし、
シャワーを浴びても大丈夫だ。

2週間、着装して、様子を見る。
血糖値が限界値を超えるとアラームが鳴る。
食事のあとのグルコースの変動、
運動のあとの変化など、
自分で確認しつつ、
体調をコントロールする。
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この測定値は、
大手町プレイス内科のパソコンに連動していて、
主治医の田嶼尚子先生に相談することもできる。

2週間、体調コントロールに勤しみます。

さて、日経新聞社説。
「令和の米騒動」機に農政出直しを

基本的に同感したい。

日本の農業政策は重大な岐路に立っている。
「令和の米騒動」はそれを浮き彫りにした。

米価高騰のきっかけは、
2023年の猛暑による高温障害だった。

小泉進次郎農林水産相は、
政府備蓄米をJA抜きで大手小売業に提供して、
価格の押し下げを目指した。

イオンとドン・キホーテを訪問して、
パフォーマンスを繰り返した。
それもいい。
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「供給量を一気に増やして、
相場の過熱を冷まそうとの判断は、
間違っていない」

「だが同時に向き合うべきなのは、
コメの需要に合わせて生産量を調整しようとする
これまでのやり方の限界だ」

その通り。

農業の生産性を上げることを黙視しては、
農業は蘇生されない。

大局的に見るとこれは、
コメのコモディティ化現象である。

「政府は食生活の変化によるコメ余りに対応するため、
1970年ごろから生産調整を始めた」

「当初は旧食糧管理制度の赤字を減らすためだった。
しかし食管制度を廃止して以降は、
米価を下支えすることが調整の目的になった」

しかしそれは機能しなかった。
価格動向を見れば明白だ。

「いくら生産を抑えても需要の減少に追いつかず、
およそ30年にわたって米価が下がり続けた」

「農家が経営体力をすり減らし、
後継ぎの確保を難しくした」

「逆に今回のように
相場が反転すると歯止めがきかなくなり、
備蓄米の放出という緊急対応を迫られた」

根本的な農政の問題だ。

「政府が価格をコントロールするのは、
そもそも無理がある」

商業においても製造業においても、
権力が価格統制をすれば、
産業は衰退する。
競争力を喪失する。

「需要と供給を均衡させることができない以上、
目指すべき方向は一つしかない」

「需要に対して生産量に十分に余裕を持たせることで、
米不足を防ぐことだ」

社説は歯切れが悪い。

減反政策を止めるべきだ。

「それが農政再構築の出発点になる」

しかし新たな課題も浮かび上がる。
国内の需要を超えた分のコメの扱いだ。

「輸出に回せばいいとの意見もある」

「ただ日本のコメは価格競争力がなく、
24年の輸出量は4.5万トンにとどまった。
輸出拡大は目指すべきだが、
軌道に乗せるには息の長い取り組みが要る」

これは減反政策によって、
日本のコメ産業の活力が衰退したからだ。

今からでも遅くはない。
日本の農業と農家の知恵と技術で、
生産性を上げて、
それが産業の発展になるよう、
政策を転換するしかない。

小泉農相は「スマート農業」を提唱している。
スマート農業

以下、社説はあれこれと問題を指摘する。

政府備蓄の増強。
輸入米の活用。
高関税の問題。

コメを対象にした所得補償型の補助金問題。
これは欧州などにすでに制度がある。

転作作物の麦や大豆などの振興。

27年度には水田政策の抜本見直しが、
予定されている。

「米不足という新たな懸念材料に
どう対処するかも念頭に置きながら、
食料供給を持続可能なものにするための
道筋をつけてほしい」

最後の一言は「農政の責務は重い」

脱コモディティの政策は、
さまざまな領域で世界的な研究が進む。

それらを次々に展開することだ。

求められるのは、
コメに関する商品化と販売の革新である。

ピーター・ドラッカー。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」

世界にコメの顧客をつくる。

「従って企業は二つの、
そして二つだけの基本的機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである」

企業を「農業」と置き換えて考える。

「マーケティングとイノベーションだけが、
農業に成果をもたらす」

もちろん商業にも同じことが当てはまる。

では、みなさん、今週も、
顧客を創造し続けよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2025年06月01日(日曜日)

日曜日の雑記帳/自由が丘と妙蓮寺とドジャース観戦ツアー

6月に入った。

第1週は月刊商人舎6月号の入稿。

第2週は商人舎ミドルマネジメント研修会。
その間に、いくつかの協会の総会がある。

第3週は長野と東京で講演。
金曜日は㈱True Dataの株主総会。

そして第4週の後半から、
次の月刊商人舎7月号の入稿。
雑誌は入稿だけではつくれない。
企画を考案し、原稿依頼をし、
取材をして執筆しなければならない。

6月も毎週、
何らかのイベントがある。

それを目標にして生活する。

さて米国メジャーリーグ。
ヤンキースvsドジャース。IMG_3677 (002)

アーロン・ジャッジvs大谷翔平でもある。

ジャッジは201cm、128kg、33歳。
MVP2回、本塁打王3回、打点王2回。

大谷翔平は191㎝、95kg、30歳。
MVP3回、本塁打王2回、打点王1回。

ジャッジは右翼手だが、
大谷はDHと投手。

両リーグの象徴のベースボーラーだ。

その対決。

3連戦の2戦まで、
ゲームは大谷が圧勝。

しかし個人成績は、
ジャッジが3本塁打、
大谷が2本塁打。

大谷はゲームを先導し、
勝利に貢献した。

第1戦はドジャースが8対5で勝った。
第2戦もドジャースが21安打18点で圧勝した。

大谷翔平は、
それに満足しただろう。

黄金カードのこの対戦は今年はもう、
レギュラーシーズンで見られない。

ポストシーズンやワールドシリーズで、
大谷対ジャッジが見られるか。

私は9月19日に、
ドジャースタジアムで、
ロサンゼルス対サンフランシスコを、
観戦することになっている。

ロサンゼルスの話題の店舗も訪問する。

さて私はお昼ごろに自由が丘。IMG_3679 (002)

いつもの花屋、モンソーフルール。IMG_3684 (002)

パリの街角のようだ。IMG_3681 (002)

ここに来ると安心する。
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今日の売り物は切り花ではない。IMG_3683 (002)

自宅に戻ると、
最寄り駅は妙蓮寺。
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日蓮宗長光山。
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境内には大きな樫の木がある。IMG_3693 (002)

山門脇には住職の言葉が掲げられている。IMG_3690 (002)
便利も過ぎれば不便の元」

それはその通りだが、
皮肉なことに駅のそばには、
セブン-イレブンとファミリーマートがある。

便利なコンビニも、
2店もあれば不便なのか。

セブンが先に出店し、
あとからファミマが出た。

ずっとセブンが勝ち続けていた。
横浜でも代表的な繁盛店だった。

しかし最近はファミマが盛り返した。
顧客は使い分けている。

そして3分歩いたところに、
まいばすけっとがオープンした。

私はその模様をずっと観察していて、
新しい試みや販促が展開されると、
買物がてら訪れる。

そして三者を評価するときに使う。

気分のいい日曜日だった。
原稿執筆やテキストづくりも、
少しだけ進んだ。

感謝しよう。

〈結城義晴〉

2025年05月31日(土曜日)

5月の「忙中閑あり」とアイスランド女性大統領の「見ること」

5月最後の日。

忙しい1カ月間だった。
ゴールデンウィークの最中に、
月刊商人舎5月号を責了した。

特集は、
「現場の生産性」
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私はヨーロッパ生産性本部の定義に、
感動した。

「生産性とは、何よりも精神の状態であり、
現存するものの進歩、あるいは、
不断の改善をめざす精神状態である」

「それは、今日は昨日よりも
良くなるという確信であり、
明日は今日に優るという確信である」

「それは、現状がいかに
優れたものと思われていて、
事実、優れていようとも、
改善していこうとする意志である」

「それはまた、条件の変化に
社会経済生活を不断に適応させていくことであり、
新しい技術と、新しい方法を
応用しようとする不断の努力であり、
人間の進歩に対する信念である」

いい出来栄えの、
お役に立てる一冊となった。

ゴールデンウィークが終わると、
アメリカ・ラスベガスに行った。
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商人舎US研修会ベーシックコース。
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よく学び、よく楽しんだ。
成果が上がった。

オメガマートも見た。
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帰国すると翌週は、
2025大阪・関西万博に行った。
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大屋根リングを歩いた。
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レンゴーのブースを訪れた。
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その翌日は第10期万代知識商人大学で講義した。
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フィナンシャルマネジメント。
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翌週は東京・丸の内で、
OICグループNY研修の報告会。
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5時間近く32件の報告を聞いて、
総括し評価した。
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その足で新潟に入った。

翌朝6時にロピアムサシ新潟店に行った。
すぐに賄いをいただいた。
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8時からの全体朝礼も見学した。
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今週は月刊商人舎6月号の入稿。

この間、スクワットを続けた。
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「忙」は「心を亡くす」と言われるが、
そうとは限らない。

忙中閑あり。
忙しい中にも時間はある。
その忙中の時間ほど貴重だ。

朝日新聞「折々のことば」
5月27日の第3409回。
「見ることができないものには、
なることができない」
〈ハトラ・トーマスドッティル〉
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1975年、アイスランドの女性の9割が、
仕事や家事から離れるストライキを打った。
このストライキは「女性の休日」と呼ばれた。

そして5年後、初の女性大統領が誕生する。
それがヴィグディス・フィンボガドゥティル大統領。

爾来(じらい)、この国は、
「ジェンダー平等最先進国」と言われてきた。

トーマスドッティル現大統領は、
2人目の女性元首。

その前方にはいつも、
先達の後ろ姿があった。

編著者の鷲田誠一さん。
「先達が見ていたものを、
その背中越しに見つめてきたのだろう」

アイスランドはイギリスの北にある島国。
日本の北海道と四国を合わせたくらいの面積。
人口は約39万人。

世界経済フォーラムの男女平等調査で、
アイスランドは5年連続で1位。
2022年の世界平和度指数と安全度指数でも1位。

いい国だ。

見ることができないものには、
なることができない。

だから多少、忙しくとも、
私は何でも見に行く。

現場主義である。

見ることができないものは、
知ることができないし、
理解することができない。

そして理解できなければ、
それを評価することもできないし、
それに近づくこともできない。

だから私はできるだけ、
現場に赴くことにしている。

それによって忙しくなる。
しかしそれは心を亡くすことではない。

5月ほどではないけれど、
6月も少しだけ忙しくなる。

けれど「忙中閑あり」を忘れない。

〈結城義晴〉

2025年05月30日(金曜日)

中小小売業者の「備蓄古古古米」申請開始と紀文の「SURIMI」の力

5月30日だが、
3月下旬のような氷雨。

1日中、横浜商人舎オフィス。

毎月、月末・月初は、
雑誌づくりの仕事が待っている。
月刊商人舎6月号の入稿。

さて、
備蓄米の随意契約による売渡し。
中小の小売業者の申請受け付けが始まった。

ただし今回は2021年産の「古古古米」8万トン。

当初の30万トンは2022年産20万トンと
21年産10万トンだった。

22年産に申請が集中して、
すでに予定量に達してしまった。

今回の対象は21年産 “古古古米”

年間1000トン以上1万トン未満の、
中小小売業者には6万トン、
精米設備をもつ米販売店には2万トン。

価格は60kgあたり消費税込みで1万886円。
5kg換算で907円で売り渡す。

大手優遇の措置が改善された。
ただし古古古米。

コンビニエンスストア3社は、
この枠組みで申請する。
セブンーイレブン、ファミリーマート、
それにローソン。

コンビニは1万トンに達しなかったため、
対対象から外された。

ファミリーマートが1000トン、
セブン-イレブンとローソンは500トンを申請。

「これはあと1年経つと、
家畜の餌として出すために持っていたお米」
玉木雄一郎国民民主党代表が言った21年産だ。

そのセブン-イレブン。
日経新聞の記事だが、
「100円おにぎり・5年ぶり復活」

6月におにぎりの割引セールを実施する。
同社のリリースには公開されていない。

約40SKUのおにぎりを販売しているが、
全体の約6割を税別100円に値下げする。

ファミリーマートも、
おにぎりの割引回数券を販売する。

どちらも政府の備蓄米放出に対して、
コメを使った商品の割高感を払拭する意図らしい。

セブンは6月11〜14日の4日間限定。
「おにぎり・寿司スーパーセール」

税別170円以下のおにぎりを、
税別100円に値下げする。

171円以上200円以下を150円、
201円以上の商品は200円にする。

セブン-イレブンのコメント。
「これまでに調達したコメを前倒しで使う。
備蓄米は活用しない」

ファミリーマートは、
決済アプリ「ファミペイ」を刷新し、
決済頻度の多い顧客に割引回数券を販売する。
回数券は10枚つづりで500円。
おにぎりは1枚当たり100円安く買える。

さてこの「備蓄米便乗商法」
顧客に受け入れられるか。

セブン-イレブンの加盟店オーナーたちには、
値下げや安売りはひどく評判が悪い。
粗利益率だけでなく粗利益額が下がるからだ。

今日は午後4時に、
紀文食品のお二人が来社。

堀内慎也マーケティング部長(中)と、
高柳謙一郎営業企画部部長(右)。
IMG_3671 (002)
紀文正月フォーラムは、
今年も8月27日(水)・28日(木)に開催される。
IMG_6204-002 (1)

毎年ご参加の皆さん、
時間を空けておいてください。

その打ち合わせ。

詳細は紀文食品から発表される。
しかし堀内さんも高柳さんも、
一つ抜け出した観がある。

いい提案ができそうだ。
私も時代を見つめて、
明快な提言をしたい。

高柳さんと堀内さんは、
新しいポジショニングを構築しつつある。
それが年末年始商戦に発揮される。
大いに期待したい。

すでに新製品にはそれが表現されている。
「すりみのちから」
紀文すり身

SURIMI BARのアイテム群。
紀文②

私は関西に出張するといつも、
新大阪の駅でビールとつまみを購入する。

そのつまみの定番が、
チェダーチーズ入りカニ風味バーだ。

堀内さんも高柳さんも、
紀文正月フォーラムに向けて、
提案内容を練り上げていく。

楽しみにしてください。

朝日新聞「折々のことば」
第3411回。
「みんなが知っているものを、
知っている別のなにかに
変換するからこそ、
共感してもらえます」
〈田中達也〉

「眼鏡を自転車に、ブロッコリーを大樹に、
ドーナツをCT検査機に」

田中達也さんは、
日用品や食品を別の何かに見立て、
ミニチュア写真を撮るクリエーター。

「見立てとは、今あるものを組み合わせて
新しい価値を生みだす術(わざ)だ」

「異文化を前にしても、
生存の同じ課題にこうした眼を向けると、
世界は同じだと気づく」
『みたてのくみたて』(ダイヤモンド社)から。
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練り製品を「SURIMI」に。
それは「みたてのくみたて」だ。

今日は遅くまで原稿を書いて、
夜食はいきなりステーキ。IMG_3674 (002)

最後に彫刻家・平櫛田中(ひらぐしでんちゅう)
「今日もお仕事、
おまんまうまいよ」

〈結城義晴〉

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