Everybody, Good Monday!
[2025vol㉒]
2025年第23週。
6月第1週。
6月号の責了日が迫ってきた。
ストレスがかかるときだが、
私は「FreeStyleリブレLink」の使用を始めた。
左上腕にセンサーを着ける。
それがグルコース値を測定してくれて、
スマホのアプリにリンクされる。
常時、自分の血糖値を知ることができる。
風呂にも入れるし、
シャワーを浴びても大丈夫だ。
2週間、着装して、様子を見る。
血糖値が限界値を超えるとアラームが鳴る。
食事のあとのグルコースの変動、
運動のあとの変化など、
自分で確認しつつ、
体調をコントロールする。
この測定値は、
大手町プレイス内科のパソコンに連動していて、
主治医の田嶼尚子先生に相談することもできる。
2週間、体調コントロールに勤しみます。
さて、日経新聞社説。
「令和の米騒動」機に農政出直しを
基本的に同感したい。
日本の農業政策は重大な岐路に立っている。
「令和の米騒動」はそれを浮き彫りにした。
米価高騰のきっかけは、
2023年の猛暑による高温障害だった。
小泉進次郎農林水産相は、
政府備蓄米をJA抜きで大手小売業に提供して、
価格の押し下げを目指した。
イオンとドン・キホーテを訪問して、
パフォーマンスを繰り返した。
それもいい。
「供給量を一気に増やして、
相場の過熱を冷まそうとの判断は、
間違っていない」
「だが同時に向き合うべきなのは、
コメの需要に合わせて生産量を調整しようとする
これまでのやり方の限界だ」
その通り。
農業の生産性を上げることを黙視しては、
農業は蘇生されない。
大局的に見るとこれは、
コメのコモディティ化現象である。
「政府は食生活の変化によるコメ余りに対応するため、
1970年ごろから生産調整を始めた」
「当初は旧食糧管理制度の赤字を減らすためだった。
しかし食管制度を廃止して以降は、
米価を下支えすることが調整の目的になった」
しかしそれは機能しなかった。
価格動向を見れば明白だ。
「いくら生産を抑えても需要の減少に追いつかず、
およそ30年にわたって米価が下がり続けた」
「農家が経営体力をすり減らし、
後継ぎの確保を難しくした」
「逆に今回のように
相場が反転すると歯止めがきかなくなり、
備蓄米の放出という緊急対応を迫られた」
根本的な農政の問題だ。
「政府が価格をコントロールするのは、
そもそも無理がある」
商業においても製造業においても、
権力が価格統制をすれば、
産業は衰退する。
競争力を喪失する。
「需要と供給を均衡させることができない以上、
目指すべき方向は一つしかない」
「需要に対して生産量に十分に余裕を持たせることで、
米不足を防ぐことだ」
社説は歯切れが悪い。
減反政策を止めるべきだ。
「それが農政再構築の出発点になる」
しかし新たな課題も浮かび上がる。
国内の需要を超えた分のコメの扱いだ。
「輸出に回せばいいとの意見もある」
「ただ日本のコメは価格競争力がなく、
24年の輸出量は4.5万トンにとどまった。
輸出拡大は目指すべきだが、
軌道に乗せるには息の長い取り組みが要る」
これは減反政策によって、
日本のコメ産業の活力が衰退したからだ。
今からでも遅くはない。
日本の農業と農家の知恵と技術で、
生産性を上げて、
それが産業の発展になるよう、
政策を転換するしかない。
以下、社説はあれこれと問題を指摘する。
政府備蓄の増強。
輸入米の活用。
高関税の問題。
コメを対象にした所得補償型の補助金問題。
これは欧州などにすでに制度がある。
転作作物の麦や大豆などの振興。
27年度には水田政策の抜本見直しが、
予定されている。
「米不足という新たな懸念材料に
どう対処するかも念頭に置きながら、
食料供給を持続可能なものにするための
道筋をつけてほしい」
最後の一言は「農政の責務は重い」
脱コモディティの政策は、
さまざまな領域で世界的な研究が進む。
それらを次々に展開することだ。
求められるのは、
コメに関する商品化と販売の革新である。
ピーター・ドラッカー。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。
すなわち顧客の創造である」
世界にコメの顧客をつくる。
「従って企業は二つの、
そして二つだけの基本的機能を持つ。
それがマーケティングとイノベーションである」
企業を「農業」と置き換えて考える。
「マーケティングとイノベーションだけが、
農業に成果をもたらす」
もちろん商業にも同じことが当てはまる。
では、みなさん、今週も、
顧客を創造し続けよう。
Good Monday!
〈結城義晴〉