結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年06月09日(月曜日)

日本将棋連盟新会長の清水市代女流七段「天辺(てっぺん)の妙手」

Everybody, Good Monday!
[2025vol㉓]

2025年第24週。
6月第2週。

中国地方から近畿、東海まで梅雨入り。
それぞれ平年より3日遅く、去年より12日早い。

九州、四国は昨日の8日に梅雨入り。

いよいよ本格的な梅雨になった途端、
線状降水帯が発生して大雨が降る。

[極端気象]
月刊商人舎2020年1月号特集。202001_coverpage-448x634

木本昌秀さんが警告してくれた。
当時は東京大学大気海洋研究所教授で、
日本の気象の最高権威。
現在、国立環境研究所理事長。
202001_kimoto-600x450
深刻な内容だけれど、面白い話だった。

その提言は、
地球温暖化による「極端気象」に備えよ!

地球温暖化が進んでいる。
202001_kimotoslide4-600x401

そのため環境という「ピンボールの台」が、
傾いてしまった。
202001_kimotoslide2

だから降る雨の全体量は同じでも、
集中豪雨が発生する。 202001_kimotoslide10
今年の梅雨入り後の豪雨の原因もこれだ。

九州、四国の皆さんに、
お見舞い申し上げたい。

一方、横浜では、
自宅のマンションの紫陽花、
真っ白で大輪の花。
IMG_3748 (002)

商人舎オフィスの裏の遊歩道。
緑が濃くなった。
IMG_3749 (002)

「セルコレポート」が届けられた。
IMG_3753 (002)
連載は今回で第38回。
タイトルには擬人化を使った。
「生産性」の艱難

原稿の前半は、
米国チェーンストアの経営指標を列挙した。
経費率と売上総利益率。

これによって、業態と企業の収益構造がわかる。
同時に生産性の差異が判明する。

今週は忙しい。

明日から3日間は湯河原に詰める。
商人舎ミドルマネジメント研修会。

今回も多くの企業から派遣してもらった。
感謝したい。

商人舎の設立目的のひとつ。
「知識商人の養成」

その大きな柱がこの研修会だ。

2日目と3日目の朝、
30分の理解度判定テストを実施する。

その設問を全員でつくった。
少しひねった問題にした。

しかし講義をしっかり聞いてくれたら、
正しい回答は導ける。

履修生はよく勉強して、健闘してほしい。

研修期間中の11日(水)には、
日本ボランタリーチェーン協会総会。

講義中で参加できない。
松井康彦商人舎上級プロデューサーが出てくれる。

研修最終日には、
オール日本スーパーマーケット協会の総会。

最後の講義を終えて履修生を送り出してから、
新幹線に飛び乗って、
東京ドームホテルに向かう。

そして金曜日は商人舎オフィスに来客。

充実した日々です。

今日は6月から8月までの、
講演のレジュメやタイトルを次々に考えた。

生産性は高まった。

さて、
日本将棋連盟新会長。

清水市代女流七段が選ばれた。
56歳。
7
奇跡的なことだ。

プロ入りを志した時、
父親は将棋教室を営んでいた。

その父が富士山をたとえて大反対した。
2番目に高い山を知らない人が多いように、
勝者のみ報われる厳しい世界だ。

その世界に身を投じることを案じた親心だった。

清水はそれに対して、
「天辺(てっぺん)を目指します」と反論し、
高柳敏夫名誉九段に弟子入りした。
清水著『天辺』に記されている。
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毎日新聞「余録」が取り上げた。

羽生善治九段(54歳)の後任の会長職だ。

完璧に男の世界のプロ将棋界。
初の女性の会長就任。

清水は16歳で女流棋士となった。
そして19歳で女流名人の初タイトルを奪取。
1988年だった。

それ以来43期のタイトルを獲得した。

谷川浩司第十七世名人、
佐藤康光永世棋聖、名人3期。
羽生善治第十九世名人。

将棋連盟会長は、
名人経験者ばかりだ。

清水新会長は「女流名人」を10期。
女流では圧倒的な存在感があるが、
男性を含めると大のつく「抜擢」である。

会長就任のあいさつで語った。
「将棋は、日本が誇る伝統文化であり、
競技としての深い魅力を持つと同時に、
時代とともに進化を遂げつつ、
今なお無限の可能性を秘めている存在です」

掲げるテーマは、
「継承」と「挑戦」

大変なことだ。

早速、棋士総会では新しい制度が決められた。
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女流タイトルの最高峰「白玲」を、
通算5期獲得した女流棋士は、
今、男性ばかりのプロ棋士の「四段」に、
自動的に編入される資格が得られる。

これまでは編入のための、
厳しい対局が課された。

若手のバリバリのプロ棋士と、
5戦して勝ち越さねばならなかった。

それが白玲5期でクリアされる。
実質的に女性への門戸開放である。

清水市代の妙手である。

「白玲」は現在、西山朋佳女流三冠が、
通算3期獲得していて、もう一歩。

西山は棋士編入試験を受けたが、
残念ながら最後の1勝ができなかった。

女性プロ棋士が誕生する可能性が高まった。

伝統の将棋界。

江戸時代に幕府の保護を受けて、
「将棋家元制度」が成立し、
明治になってから新聞将棋が盛んになった。

1938年に実力名人制が始まり、
初代名人木村義雄が誕生した。

その木村が第十四世名人だ。
第十五世が大山康晴、
第十六世が中原誠。

いずれも将棋連盟会長である。

そこに新たに清水市代が加わる。

将棋界はAI導入にも積極的で、
伝統の中に新しいことを取り入れる。

清水市代女性会長、
本当に驚かされたが、
それが現代なのだ。

もちろん清水市代が、
性別を超える実績と人格をもった。
「天辺」をとった。

それがガラスの天井を開いた。

翻って小売流通業の世界。
たとえば日本小売業協会、
日本チェーンストア協会、
日本スーパーマーケット協会など、
まだ女性会長は登場していない。

遅れてはならないと思う。

では、みなさん、今週も、
天辺を目指そう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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