結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年06月14日(土曜日)

New York Timesの広告「No Kings」の「名誉・尊厳・真摯さ」

ニューヨーク・タイムズの全面広告。
AA1Gxi0E

スポンサー名として、
クリスティ・ウォルトンと記されている。

No Kings
June 14
Mobilize

王はいらない。
6月14日。
結集せよ。

Kingsはドナルド・トランプのこと。
6月14日はそのトランプの誕生日。
ワシントンDCで軍事パレードが行われる。

そのパレードに対して、
抗議デモを呼び掛けている。

広告には自由の女神が映し出されている。

その下面にメッセージが記されている。

We are the people of the United States of America.
私たちはアメリカ合衆国の国民です。

The honor,  dignity, and integrity of our country
are not sale.
私たちの国の名誉、尊厳、真摯さは、
売り物ではありません。

Our government is of the people, by the people,
for the people.
私たちの政府は人民の、人民による、
人民のためのものです。

最後の一文はもちろん、
エイブラハム・リンカーンの宣言。

トランプ大統領は2月のSNSに、
王冠をかぶった自分の映像を出した。
コメントは「王様万歳」

ポール・クルーグマン、
2008年度ノーベル経済学賞受賞。
「完全に狂っている」

1776年7月4日、
フィラデルフィアで、
アメリカの独立宣言が採択された。
stone.tif

この宣言は3部からなっている。
第1が「基本的人権と革命権に関する前文」、
第2が英国王の暴政と英国議会への反論28カ条、
第3部が「独立を宣言する結語」

これがアメリカ合衆国憲法の基本となった。
いわばアメリカ国民の正当な考え方である。

ニューヨークタイムズの広告は、
そのことを指摘し、
トランプ政策に反論している。

クリスティ・ウォルトンは、
トランプファミリーの一員だが、
一族からはちょっと距離を置いている。

クリスティは創業者サム・ウォルトンの、
次男の未亡人だ。

長男はロブソン・ウォルトン、
次男がジョン・ウォルトン、
三男がジム・ウォルトン、
そして長女がアリス・ウォルトン。

ジョンは2005年に飛行機事故で死去している。

フォーブスの世界長者番付2025年版。
フォーブス世界の億万長者
1位がイーロン・マスク(53歳)。
テスラ創業者で資産額3420億ドル。
1ドル150円換算で51兆3000億円。

トランプ政権に入って評判を落とし、
テスラの株価が急落して26年版では激減する。

2位はマーク・ザッカーバーグ(40歳)
Facebook(Meta)の創業者で2160億ドル。

3位はジェフ・ベゾス(61歳)。
もちろんAmazon創業者で2150億ドル。

そして11位に、
ロブソン・ウォルトン(80歳)1100億ドル。
12位ジム・ウォルトン(76歳)1090億ドル、
15位アリス・ウォルトン(75歳)1010億ドル。

さらに109位にクリスティ・ウォルトン(76歳)が
185億ドルでランクされる。
クリスティの資産も2兆775億円。
28th Annual Imagen Awards - Inside

ウォルトンファミリーを合計すると、
3400億ドルほどとなり、
イーロン・マスクに並ぶ。

サムが起こした事業は、
世界第一のスケールの企業である。

その一員のクリスティが、
「No Kings」の広告を出した。

クリスティは2020年の大統領選挙で、
反トランプで広告展開したスーパーPACを支援した。
スーパーPACは政党や候補者から独立した、
政治活動委員会。

トランプ支持者たちはこの広告が掲載されて、
ウォルマートへの不信感を募らせている。

元FOXキャスターのキャリー・レイク。
自身のSNSで煽った。
「あなたはウォルマートで買物をするか‽」

ウォルマート現首脳陣は、
昨年11月に多様性推進策を一部撤回して、
トランプ政権に少しだけ同調した。

ただし関税に関して、
ダグ・マグミロンCEOは、
関税の影響で値上げすると発表した。
wm-doug-mcmillon12

それをトランプは批判した。
「ウォルマートは関税を受け入れるべきで、
顧客に一切転嫁すべきではない」

「チェーン全体で価格を上げる理由を
関税のせいにするのはやめるべきだ」

なんたる無責任。

クリスティはウォルトン家とは、
血のつながりもない。
経営に参画もしていない。
一線を画する。

その信念が「No Kings」となった。

独立宣言やアメリカ合衆国憲法は、
世界の歴史に燦然と輝く。

私も合衆国の名誉、尊厳、真摯さを、
売り物にすべきではないと思う。

〈結城義晴〉

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