月刊商人舎6月号[Message of June]
目標主義者になろう。
はじめに、
目標をもったか。
もたなかったか。
それによって、
プロセスはまったく違ってくる。
そして成果は大きく変わる。
決意がいる。
心構えがいる。
準備がいる。
目標を強くもてば、
長続きする。
けっしてあきらめない。
失敗を恐れない。
くじけない。
失望しない。
目標主義を掲げる者。
「1+99」の渥美俊一。
「借入無しで年率30%成長」の飯田勧。
目標管理を実践する者。
「投下資本利益率20%」のジャック・ウェルチ。
それを教授したピーター・ドラッカー。
「夢に日付を」の渡邉美樹。
「マンダラチャート」の大谷翔平。
「31年2兆円/♡♡ロピア」の髙木勇輔。
目標主義を実践しよう。
滞る経済も、
迷える産業も。
目標主義者になろう。
学ぶあなたも。
教えるわたしも。〈結城義晴〉
さて、
第24回ミドルマネジメント研修会。
2日目の朝8時15分から、
第1回理解度判定テスト。
初日に学んだ結城義晴と鈴木哲男講師の講義から、
重要な項目5問を問題として設定。
とはいえ、1問の中に複数の答えを求める。
昨夜遅くまで学び、今朝早くから
それぞれに復習していた受講生たち。
テストはどれだけ講義内容を理解したかを、
自分自身が確認するために行われる。
暗記するのではなく、
理解したことを自分の言葉で記述してもらう。
2日目の講義は9時にスタートする。
今日は夜8時までの長丁場。
第1・2講義は、
高野保男講師。
テーマは「作業システムとLSP」
高野さんは人事部取締役時代に、
サミットでLSPを確立した。
LSPとはレイバー・スケジューリング・プログラムの略。
全国を飛び回って、全国の小売業に、
作業システムの改善と改革、その構築を指導する。
高野さんはこの後、大阪へ向かう。
まだまだお若いし、精力的だ。
ありがとうございました。
第3講義は結城義晴。
理解度判定テストの回答を確認しつつ、
再度、解説を加える。
そうすると理解はさらに深まる。
鈴木哲男講師の「重点販売商品」に関しては、
大久保恒夫さんの「イチニッパ」の例を挙げて、
捕捉的に解説する。
私の講義は商業現代化のまとめ。
そのために必須の知識商人の養成。
アメリカでウェグマンズやホールフーズに、
働きたい人が多いのは、それらが、
知識社会の中の知識企業だからである。
商売のこと、商品のこと、お客様のこと、地域のこと。
これらを誰よりもよく知っている専門家。
それが、知識社会の「知識商人」である。
計数の第一人者白部和孝先生が引退。
その後を引き継いで、講義する。
白部先生のテキストも受け継いだ。
ときに設問を投げかけ、
計算させ、答えさせる。
これも白部流の講義スタイルを踏襲。
ミドルマネジメントに必須の現場の計数。
商品の問題と人の問題から説明した。
商品の在庫と回転率と交叉比率。
人時生産性、同労生産性の計数。
コーヒータイムをはさんで、
4時15分から8時までは結城義晴が担当。
初めに計数の補足講義。
ミドルマネジメントのための経営数値。
簿記、会計、財務の3つの概念整理。
それから財務三表。
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書。
さらに重要な経営指標と3つの数字。
3つの数字とは、
上げる数字、下げる数字、
そして一定に保つ数字。
それらを丁寧に説明しながら、
2025年最新の主要小売チェーンの業績から、
大きな潮流と課題を分析する。
2日目の講義の肝は、
「大企業病」の対処法。
マネジメント理論の変遷と、
そのドラスティックな変換。
日本のチェーンストアに及ぼした影響。
アダム・スミスの分業論から、
フレデリック・テイラーの科学的管理法。
ヘンリー・フォードのフォーディズム。
テイラーのライバルだった、
管理過程論のアンリ・ファヨール。
ファヨールに関する本を見せながら、
職能制度と5つの管理要素、権利体系を説明。
これが「MTP」となって世界を席巻した。
しかしファヨールのあとには戦後、
次々に人間関係論や行動科学が登場する。
ファヨールには「人間」の要素が欠落していた。
しかし戦後の日本のマネジメント教育には、
ファヨール理論が使われた。
そしてそれが多くの会社に大企業病を生んだ。
ここまで一気呵成に講義していく。
アンリ・ファヨールを激しく批判したのが、
ピーター・ドラッカーであり、
ノーベル賞学者ハーバード・サイモンであり、
ヘンリー・ミンツバーグである。
2日目の最後は、
組織の官僚化を防ぎ、
大企業病から立ち直る方法。
私の『店長のやさしいドラッカー講座』を基に、
ドラッカーのマネジメントを講義する。
ドラッカーの説く
最後は「責任の組織化」と、
「自己管理による目標管理」。
ドラッカーは「目標管理」の概念を創造した。
さらに「コミュニケーション」。
コミュニケーションは、
知覚であり、期待であり、要求である。
そして情報とは異なるものである。
最後に「経験の共有」こそ、
コミュニケーションギャップを埋めるものだ。
長い長い2日目の研修だった。
朝8時15分に理解度判定テストを受け、
朝9時から夜8時までの12時間。
今日のメニューはこんな感じ。
海の幸の刺身と蟹、
すき焼き鍋とローストビーフ、
そしてタケノコの炊き込みごはん。
血糖値検査中の私もおいしく平らげた。
女性の参加者はOICグループと、
スタジオアリスからの4名。
女性たちは元気はつらつ。
長野のデリシアからも参加してくれる。
いつも車でやってくる。
食事を終えると、
講義会場には復習する人たちの姿がある。
着替えもせず会場にやってくる人もいる。
「学生時代以来、こんなに勉強したことがない」
そんな声が出る。
みんな、自分の将来に目標をもっている。
だから必死の勉強に真剣に取り組む。
2泊3日のミドルマネジメント研修会。
ホテルでの缶詰セミナーだから、
学ぶ環境は整っている。
目標主義を実践しよう。
滞る経済も、
迷える産業も。
目標主義者になろう。
学ぶあなたも。
教えるわたしも。
〈結城義晴〉