結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年11月11日(金曜日)

パブリックス&ホールフーズ、料理教室のモノとコト

反トランプ抗議デモ。
広がっている。
全米25都市。
数万人が参加。

暴徒化した若者の数十人が、
逮捕されている。

ドナルド・トランプも、
幼児的な闘いで勝ったが、
それに投票した者たち、
反対する者たち、
みな、幼い。

今日は金曜日だが、
土曜・日曜にかけて、
この抗議活動は広がりつつ、
過激になっていく。

さて、昨日の11月10日。
月刊商人舎11月号発刊。

2016_11cover
特集は、
働き方改革×人材マネジメント
戦略的HRMしか
小売りサービス業を救うものはない!!

[cover message]
「売上高は売場面積に比例する」
――故渥美俊一の名言。
チェーンストアは次なる店をつくり続け、
新店を出し続けることでのみ、
成長を果たすことができる。
しかしいまや、新店オープンにこぎつけても、
リニューアルで店舗拡張しても、
人手が足りない。集まらない。
だから2016年秋の現在、
「売上高は人材に比例する」と
言い換えられなければならない。
おりしも政府与党は
「新三本の矢」を打ち出し、
「働き方改革」をその柱とする。
ただし安倍晋三首相の視野の中に
小売りサービス業があるとは思えない。
10月1日実施の「新社会保険制度」は
明白にパートタイマーには
働きにくいシステムだからである。
ならば、自分たちで改革を進めるしかない。
人手不足を解消し、
他産業よりもより良い人材を獲得する。
一朝一夕には実現しないだろう難題に
立ち向かわねばならない。
「働き方改革」を成し遂げ、
人材マネジメントを確立する。
つまり戦略的に
ヒューマンリソースマネジメントを
志向することである。
いまやこれしか、
小売りサービス業を救うものはない‼

ご愛読、お願いします。

さて、ジョージア州アトランタ。
三日目。

11月8日に到着してすぐに、
ウォルマートスーパーセンターを、
基本通りに勉強した。

そのライバルが、
スーパーターゲット。
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この店を見なければ、
ポジショニング戦略は説明できない。

入り口を入ると、
ホリデー・シーズンをフィーチャー。DSCN9816-6
つまり11月最終木曜日の、
サンクスギビングデーと、
その1カ月後のクリスマスを、
まとめてプロモーションする企画。

総合スーパーにとって、
クリスマスギフトは巨大な商戦。
それを「早仕掛け」する。

スーパーマーケットは、
どの会社もサンクスギビング。

この視野の長さに、
業態特性が表れている。

しかし、青果部門は弱い。DSCN9820-6
クレンリネスは素晴らしいけれど。

グロサリーは、
ウォルマートほど安くはないが、
品揃えはそこそこにいい。DSCN9819-6

ウォルマートと対極的な店づくり。DSCN9826-6

もちろんアパレルは、
洗練されていて、しかも安い。DSCN9827-6
ターゲットとウォルマート。
その差異性にこそ、
両者の価値がある。

続いて、
パブリックス。

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この店には料理教室がある。
Publix Apron’s
Cooking school。DSCN9855-6

キッチンが2カ所あって、
イスとテーブル。
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シェフのデモンストレーションを、
テレビで見て勉強できる。
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調理台だけでなく、
冷蔵庫から収納棚、
キッチン用品など、
完全装備。
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クッキングスクールに関して、
インタビュー。
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グッド・クェッションの連発。
それにジェリーさんが、
実に丁寧に答えてくれた。
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ほぼ毎日、クッキングスクールが、
開催される。

1人料金45ドル(4500円)と高い。
しかし、料理を4品教授されて、
ビールやワインがついて、
そのうえ食事もできる。

アトランタには1カ所だが、
フロリダには8カ所もある。

毎日のメニューは、
ヘッドクォーターで決める。
つまり極めて重要な戦略なのだ。

万代の阿部秀行社長、
下岡太市副社長と写真。
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万代も料理教室を始めたばかり。
きわめて重要な質疑が交わされた。

ジェリーさんを囲んで、
全員写真。
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パブリックスの店も素晴らしい。
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Apron’sのネーミングをつけて、
簡便料理を提案するコーナーがある。
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セルフデリも充実してきた。
まだまだウェグマンズや、
ホールフーズの域には達していないが。
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インストアベーカリーは、
パブリックスの核部門。
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鮮魚も素晴らしい。
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ゴンドラエンドは、
関連販売を強化。
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生鮮の青果を関連づける。
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カスタマーサービスも、
もちろん怠りない。
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いい勉強ができた。

そのあと最新のホールフーズ。
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この店は面目躍如。
ホールフーズらしい青果部門。
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パブリックスよりも、
バルク売り場は圧倒的に充実。
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シーフードからミートへの、
売り場づくりは洗練そのもの。
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そして赤を基調にした、
モダンなリカーショップ。
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店舗左翼がセルフデリとサービスデリ。
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そして中2階にワインバー。
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さらにこちらも、
料理教室。
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パブリックスと競っている。

サービスデリのセクションはもう、
完全な外食産業だ。
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The Mainと名づけられた、
ビールバーとコーヒーバー。
右手がデリ。
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チェックスタンドの上部は、
木造りのデザイン。
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試食のコーナーに、
メンバーが集まっている。
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最近業績が思わしくない、
ホールフーズだが、
この新店はいい。

ほっとした。

さて、視察勉強はここまで。
せっかくアトランタに来たのだから、
ストーン・マウンテンへ。
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ケーブルカーに乗り込んで、
3分、登る。
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巨大な石の山。
南北戦争の南軍の将軍たちが、
彫りこまれている。
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この石の山の頂上へ。
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サンディさんが説明してくれた。
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頂上を歩く。
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徒歩で降りると40分ほど。
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そして全員写真。
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下山してからも、
彫刻を背景に全員写真。
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満足。

さらにマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の記念館へ。
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その墓石。
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敬虔な気持ちになった。
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アトランタは素晴らしい。

最後はアトランタの老舗和食、
NAKATOでディナー。
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充実感が伝わってくる。

トランプ抗議デモは続くが、
小売業・サービス業は、
淡々と仕事する。

この対比的な姿が、
私にはうれしい。

それにしても、
モノを売るだけだった小売業が、
コトを教えて、モノを売る。

有形財と無形財。
この両極の間に、
驚くほど広大なマーケットの、
沃野が広がっている。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2016年11月10日(木曜日)

アンチ・トランプ抗議デモとアトランタの典型的競争構造

Not My President!

ニューヨーク、シカゴ、
ロサンゼルスなどの、
アンチ・トランプ抗議デモ。

テレビのFox Newsは、
その模様を流し続けている。DSCN9813-6
私はそれを見続けている。

「Trump Wins」

日刊紙アトランタ・ジャーナルは、
この言葉を大きく掲げて、
無料配布されている。
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英国フィナンシャル・タイムズ紙。
社説で訴えた。
「トランプ氏の勝利は
西洋の民主主義モデルに
対する脅威だ」

そしてトランプに呼びかける。
「民主主義における政治で重要なのは
『妥協のすべ』だ」

つまり、妥協せよ。

「トランプ氏の政策が、
言葉通りに過激なものになるのかどうか、
世界は緊張して見守っている」

そのとおり。

英国のEU離脱。
そしてトランプ勝利。

「自由主義の国際秩序に対する
さらなる重い打撃である」

そして今回の総括。
「共和党が上下両院選と
大統領選のすべてを制したという事実」

「拒絶されたのは
クリントン氏だけではない。
大統領選終盤の戦いに
自らの評価と政治的遺産を懸けた
オバマ大統領に対する
拒絶でもあったのだ」

こちらのテレビ討論で、
「エスタブリッシュメント」という言葉が、
何度も何度も飛び交った。

否定されたのは「既成勢力」である。

一方、日本の朝日新聞『天声人語』
「暴言満載のショーのような
選挙が終わった」

トランプの自著を持ち出す。
「宣伝の仕上げには
『はったり』が欠かせない」

「私はこれを真実の誇張と呼ぶ。
これは罪のないホラであり、
きわめて効果的な宣伝方法である」

天声人語の最後の感想。
「民主主義は
完璧ではないことを

教えてくれた選挙だった」

では、どうするの?

日経新聞社説。
「世界にさらなる
ポピュリズムの風を

吹かせるだろう。
日本はその風に
のみ込まれることのないようにしたい」

しかしフィナンシャルタイムズによると、
安倍晋三首相そのものが、
「ストロングマン」であり、
ポピュリズムを利用している節がある。

そしてかれこそ、
日本のエスタブリッシュメントの代表だ。

ここには安倍さんもちょっと、
危機意識を持っているだろうが。

アメリカの反トランプ抗議デモ、
これもちょっと幼児化現象と映る。

一番困るのは、
この世界の幼児化である。
私はそう、考えている。

さて、ジョージア州アトランタ。
二日目の朝。
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セミナー会場には全員集合。
万代ドライデイリー会。DSCN9806-6

2時間の講義。
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これから視察する企業の分析と、
コモディティ化現象の本質。DSCN9840-6
メーカーや卸売業の若手中心の研修。
ベーシックな講義となった。

すぐに視察へ。

まずパブリックス。
万代社長の阿部秀行さんとポーズ。DSCN9949-6

ここではインタビューと店内ツアー。DSCN9842-6

店長のグレッグ・スウィッツァーさん。DSCN9844-6

1時間、丁寧に説明してくれて、
その後、ミーティングルーム。DSCN9866-6

質疑応答にも、
実に誠実に答えてくれた。DSCN9868-6
「一番大切なのは、
お客様を喜ばせることです。
それが我々の競争対策です」

全米第3位のスーパーマーケット。
年商323億630万ドル。
3兆2363億円。
1114店舗。
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青果部門は独特の関連陳列。DSCN9884-6

ベーカリーはオールスクラッチ。DSCN9895-6

ケーキのデコレーターが、
笑顔を振りまいてくれた。DSCN9902-6

デリ売り場には顧客が群がる。DSCN9906-6

エンド陳列も、
実に原則的で、忠実だ。DSCN9929-6

社員持株制度がパブリックスの特徴。
それが売り場にもサービスにも、
しっかりと表現されている。DSCN9947-6

最後に、
万代の下岡太市副社長も加わって、
4人で写真。
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つづいて、
ホールフーズマーケット。DSCN0024-6

この9月期の最終決算。
年商157億2400万ドルで、
昨年対比2.2%増加。
1兆5724億円。
純利益は5億0700万ドルで、
5.4%の減少。
昨年に続いて、
2年連続での「増収減益」

それが青果売り場に表れていた。DSCN9960-6

しかしそれでも、
息を飲むほどの美しさ。DSCN9976-6

バナナ売り場も独壇場の差異性。DSCN9979-6

シーフード部門は独立していて、
アメリカでは圧倒的に強い。DSCN9984-6

ミート部門もその運営、品揃えは、
まったく変わらない。DSCN9989-6

そしてワインコーナー。DSCN9999-6

サービスデリとセルフデリは、
これまた全米最高峰。DSCN0012-6
しかし全体に元気がない。

共同CEOのウォルター・ロブが辞任して、
相談役に退いたからかもしれない。

がんばれ、ホールフーズ。
そう、声をかけたくなる。

一方、変わらぬ元気印は、
トレーダー・ジョー。DSCN0048-6

入り口は花売り場。DSCN0047-6

そしてコンパクトな青果部門。DSCN0026-6

壁面には、
この店独自の地域性を表現したイラスト。DSCN0032-6

プライベートブランド満載で、
「良いものが安い」DSCN0040-6
全員がファンになる。
それがトレーダー・ジョーだ。

そして今、
もっとも躍進している、
スプラウツファーマーズマーケット。
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年商35億9300万ドル、
3593億円。
伸び率はなんと21.1%。

入口のベーカリーとデリカテッセン。
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そして「キッチン」と呼ぶ、
対面惣菜売り場。
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圧巻は青果部門。
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そしてバルク売り場。
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ヘルシー生活を提案して、
ホールフーズより安い。

このポジショニングは、
実は大きなマーケットを生み出した。

最後はクローガー。
51四半期連続既存店増収を更新中。
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年商は1098億3000万ドル。
10兆9830億円。
店舗数3885店。

全米第2位の小売業、
全米第1位のスーパーマーケット。

入り口には、
サンクスギビングデーの、
プレゼンテーション。
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一番右に店長の写真。

一丁目一番地は、
その感謝祭商品。
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そしてクローガーは、
必ず、どの店も、
どこよりも、花で出迎える。
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花売り場は販売目的よりも、
歓迎目的で作られている。

そして青果部門の鮮度と品ぞろえ。
ホールフーズのオーガニック販売量を、
クローガーは凌駕した。
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デリ売り場とチーズ売り場。
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さらにベーカリーとワインが、
向かい合わせでセットになっている。DSCN0092-6

ミートとフィッシュの対面コーナー。DSCN0095-6
クローガーのこのオペレーションが、
16%台の経費率で実行されているのは、
本当に信じられない。

22%の粗利益率、16%の経費率。
これはウォルマートを凌ぐもので、
それが51四半期連続既存店増収を、
実現させている。

厳選された視察企業。
ナショナルチェーンのクローガー、
リージョナルチェーンのパブリックス。
このアトランタ商勢圏では、
前者のシェアが16%、
後者が24%。
マーケットリーダーと、
マーケットチェレンジャー。

ウォルマートは、
スーパーセンターとサムズクラブ、
それにネイバーフッドマーケットで、
占拠率23%。

この三強がしのぎを削り、
マーケットニッチャーは、
存在感を確かなものにして、
地域に貢献する。

それがホールフーズ、
トレーダー・ジョー、
スプラウツ・ファーマーズマーケット。

競争の構図が見事に描かれた、
アトランタ地区だ。

そのなかで、
リージョナルチェーンのパブリックスが、
実に得難い機能を果たす。

万代もリージョナルチェーンであるから、
ドライデイリー会の面々も、
いい勉強ができたはず。

勉強を終えて、
夕食は南部料理。
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ピティパッツ・ポーチ。
店名は「風と共に去りぬ」から。
スカーレット・オハラが、
アトランタのこの地を訪ねて、
ピティパット伯母さんに会う。

その伯母さんの名がつけられた店。

その「風と共に去りぬ」に出てくるような、
南部の室内装飾。
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メインは骨付きショートリブと、
フライドチキン。
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満足しきって元気に写真。
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アメリカの政治、世界の情勢。
いったいどこに行くのだろう。
民主主義はどうなるのだろう。

しかし、
小売業やサービス業は、

消費者大衆の生活を支える。

その意を強くした一日だった。
(つづきます)

〈結城義晴〉

[追伸]
月刊『商人舎』11月号が発刊されました。
今月号は、
働き方改革×人材マネジメント
戦略的HRMしか小売りサービス業を救うものはない!!
経営者・人事担当必読です。

2016_11cover

2016年11月09日(水曜日)

トランプに決まってしまった! ああ。Atlantaにて。

Donald Trumpに、
決まってしまった。
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今、ジョージア州アトランタ。
東海岸時間で、午前3時。

テレビのCBSやABCを、
ドキドキして見ていたが、
大勢が決してからも、
逆転はなかった。
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座談会もどこか、うつろだった。
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DONALD TRUMP
THE NEXT PRESIDENT
このテロップが流れ、
第45代トランプ大統領が、
実質的に決定した。
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トランプはちょっと変わった。
私はライブで見ながら、
それを感じた。
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「自分に投票しなかった人も含めて、
すべての国民の大統領になる」

この発言は、
選挙期間中の過激な発言を、
場合によっては実行しないことを、
示唆しているのかとも思う。

自分でも、事の重大さを、
あらためて認識したような印象だ。

それでも、
「再び偉大なアメリカをつくる」

会場からは、
「USA! USA!! USA!!!」
大合唱。

アメリカだけが偉大であっても、
世界はうまくいかない。

日本はこれから、
その偉大なアメリカから、
おこぼれをもらって生きていくのか。

そんなことがあってはいけない。
日本こそ自らのアイデンティティを、
貫いていきたい。

しかし6月23日の、
イギリスのEU離脱も、
今日11月8日の、
トランプ大統領誕生も、
まさに時代の判断基準が、
大きく変わったことを示した。

アメリカが、
「70歳のストロングマン」を求め、
選んだことは確かで、
「ストロングマン」のトレンドは、
日本にも伝播しているのだろう。

ここには万全の注意を、
払っていかねばならない。

それにしても、
力が抜けていく。

さて私は昨日の昼頃、
成田空港をJALで出発。DSCN9677-6

すぐに九十九里浜。
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そして銚子の犬吠埼。
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11時間後に、夜明け。
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北アメリカ大陸は、
雲に覆われている。

テキサス州ダラスは雨。
DSCN9684-6
ここで乗り換えて、
アメリカン航空便に。

やはり厚い雲。
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それでもジョージア州の上空では、
ぽっかりと雲が抜けて、
晴れ間が見える。
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到着するとすぐに、
ウォルマート・スーパーセンターへ。DSCN9782-6

入り口からもうクリスマス・モード。DSCN9779-6

高い天井から、
Merry Christmasのパネル。DSCN9778-6

そしてカウントダウン。
あと48日。
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クリスマス売り場の方向を示している。
登場させたばかりのトイランド。
キャンディの通路。
そしてクリスマス・ショップ。
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青果部門の冷蔵ケース上部には、
クリスマスのデコレーション。DSCN9696-6

バナナ売り場では、
バナナキーパーが関連陳列。
メイド・イン・チャイナです。DSCN9701-6

キャンディ通路。
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クリスマス一色。
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もちろん11月第4木曜日からは、
サンクスギビングデー。
だからターキーはロールバック。
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主通路のアクションアレイも、
クリスマス一色。
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サンクスギビングからクリスマスまでが、
ホリデーシーズン。
1年最大の書き入れ時。

今年はクリスマスをフィーチャーして、
サンクスギビングを脇役に。

つまりホリデーシーズンを強調。

主通路には玩具。
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そしてToy Landを登場させた。
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目いっぱいに広がったおもちゃの売り場。
売れ筋がずらり並んで、
ホリデーシーズンにはこれが、
またロールバックされる。
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店舗左サイドは、
クリスマス関連グッズ。
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クリスマス・ショップは、
どこよりも「早仕掛け」。
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しかし主通路の島陳列は、
サンクスギビング用のポット鍋。
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これがずらりと品揃えされる。

そして左側入り口のところにも、
クリスマス商材のコーナー。
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クリスマスが主役、
感謝祭が脇役。
しかしどちらも、
ホリデーシーズン。

うまい考え方だ。
それを貫徹しているところが、
ウォルマートらしい。

うろこ雲が美しかった。
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ホテルにチェックインしてから、
ディナーへ。
アトランタ・フィッシュ・マーケット。
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巨大なフィッシュ。
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素敵なシーフードレストラン。
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万代ドライデイリー会の米国研修。
副会長の坂本修三さんが乾杯の音頭。
坂本産業㈱社長。
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全員の一言自己紹介と、
万代の阿部秀行社長、
下岡太市副社長の、
それぞれのあいさつ。

最後に結城義晴のメッセージ。

頑張ります。

帰り際に、サービスしてくれた、
お二人と写真。
ずいぶん酔いが回っているが、
大満足。
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そのあと、ホテルに戻って、
仮眠してから、
トランプ勝利のニュース。

ああ。

記念すべき、酷い日。

それでもどこかで、私は、
トランプの「大逆転の善政」を、
期待している。

柳井正さんが日本でコメント。
「アメリカの終わりの始まりだ」
その通りかもしれない。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2016年11月08日(火曜日)

電通の「労基法違反容疑」強制捜査と「鬼十則」と「働き方改革」

厚生労働省が電通を強制捜査。
労働基準法違反の疑い。
理由は違法な長時間労働の常態化。

昨年12月、
同社女性新入社員が、
過労で自殺。
この9月に自殺が、
労災認定された。

その残業は多い月には、
約105時間に達した。

さらに臨時の立ち入り調査の結果、
違法な残業が蔓延していた。

広告代理業は、
そんな業種の代表。
さもありなん、とは思うが、
違法な残業はあってはならない。

経営者と労働者との間には、
その意味で天と地ほどの差がある。

経営者はそれを知らねばならないし、
労働者も同じように、
正しい認識が必要だ。

朝日新聞『天声人語』
「ブラック企業問題を受けて発足した
『過重労働撲滅特別対策班』という
ものものしい名のチームが捜査に当たる」

「ある調査では回答者の4人に1人が、
自分が働く会社が『ブラック企業』に
あたると思っているという」

しかし自分の会社が、
ブラック企業というのならば、
自らそれに、
立ち向かうべきだろうとも思う。

朝日新聞の記者は、
自身、どう考えているのだろう。

「企業社会に失望ばかりが広がるなら、
ひとも経済も伸びることはない」

日経新聞『大機小機』
タイトルは、
「働き方改革待ったなし」
コラムニストは追分さん。
信頼できる書き手。

英国エコノミスト誌の皮肉を紹介。
「米国は1時間当たり62ドルの
国内総生産を生み出すのに対し、
日本はたった39ドルだ。
つまり労働者が燃え尽き、
ときに過労死するのは、
悲劇であると同時に無意味だ」

無意味だ。
そのとおり。

今回は電通にだけ、
矛先が向けられているわけではない。
電通に代表される日本企業社会に、
多くの指摘が向かっている。

電通はもともと、
ニュース通信部門が強かったが、
4代目社長・吉田秀雄が、
マーケティングの概念を取り入れて、
広告取引システムを近代化させ、
単体企業として、
世界最大の広告代理店となった。

その「電通マン」の行動規範が、
「鬼十則」

一.仕事は自ら創るべきで、
与えられるべきでない。

二. 仕事とは、先手先手と
働き掛けていくことで、
受け身でやるものではない。

三. 大きな仕事と取り組め、
小さな仕事はおのれを小さくする。

四.難しい仕事を狙え、そしてこれを
成し遂げるところに進歩がある。

五. 取り組んだら放すな、
殺されても放すな、
目的完遂までは……。

六. 周囲を引きずり回せ、
引きずるのと引きずられるのとでは、
永い間に天地のひらきができる。

七. 計画を持て、長期の計画を
持っていれば、忍耐と工夫と、
そして正しい努力と希望が生まれる。

八. 自信を持て、自信がないから
君の仕事には迫力も粘りも、
そして厚味すらがない。

九. 頭は常に全回転、八方に気を配って、
一分の隙もあってはならぬ、
サービスとはそのようなものだ。

十. 摩擦を怖れるな、
摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、
でないと君は卑屈未練になる。

攻撃的でポジティブな行動原則だ。

そしてこれらは他の日本企業にも、
それぞれの精神的な風土の部分で、
共通するものがある。

仕事は自らつくれ。
与えられるものではない。
受け身でやるものではない。
大きな仕事、
難しい仕事と取り組め。

仕事は放すな。
周囲を引きずり回せ。

これらを今後、電通マンたちが、
どう受け止め、どう行動するか。

遵法であることは、
企業にとって、
必須の要件である。

違法であってはならない。

そのうえで鬼十則は、
どう貫かれるのか。

「鬼」の看板を外す必要はない。
私はそう思うが。

さて、今日は朝から、成田空港へ。
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第2ターミナル。
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日本航空012便で、
ダラスからアトランタへ。

そのあと、シカゴ、サンフランシスコ。
さらにロサンゼルスに寄ってから、
19日に帰国予定。

今日11月8日。
アメリカ合衆国は、
第45代大統領選挙の、
一般選挙人投票日。

どんな結果となるか、
そしてアメリカという国が、
どんな表情を見せてくれるのか。
アメリカ人はそれぞれに、
どんな反応を示しているのか。

興味は広がるばかりだ。
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では、行ってきます。

アメリカ滞在中は、
日本にいる時以上に、
超のつくハードワークである。
私は今、経営者だから、
自分自身は労基法の対象にならない。

しかし私自身は、
新入社員のころから、
いつかは経営者になろうと思っていた。

だからハードワークを続けてきた。
それを部下や仲間に、
強制はしなかったけれど。

〈結城義晴〉

2016年11月07日(月曜日)

トランプ・プーチン・安倍の「強権指導者」とマキアベッリの「民衆」

Everybody! Good Monday!
[2016vol45]

2016年第46週です。
11月第2週月曜日の今日は、
立冬。
冬が立つ日。
言いえて妙。

まあ、春が立つ日は立春で、
夏や秋も、立つ日を、
立夏、立秋という。

立冬は、
「初めて冬の気配が現われてくる日」

そのとおり。
もう、冬の気配がある。

来週火曜日の15日は、
七五三。

3歳は女児が髪を伸ばす、
「髪置きの儀」
5歳は初めて男児が袴をつける、
「袴着の儀」
7歳は女児が大人の装いをする、
「帯解きの儀」

それぞれに由来があるが、
子どもの祝いは、
理屈抜きで目出度い。

つまり、愛でたい。

月刊商人舎11月号の責了を終えて、
次の12月号に向かう。

今日は横浜商人舎オフィス。

毎週月曜日の朝、
短い会議を開いて、
打ち合わせ。

エスプレッソコーヒーを楽しむ。
ポルトガルのデルタコーヒー製。
まだ、日本では発売されていないが、
実に美味い。
O

昨日は佐賀県唐津市。
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高島は唐津湾に浮かぶ小島。
その宝当(ほうとう)神社には、
宝くじが当たるという謂れがある。
O

昨夜、福岡空港から帰って、
今日は横浜の朝を満喫。

明日からアメリカ出張。
アトランタ、シカゴ、サンフランシスコ、
最後にロサンゼルスを巡って、
19日に帰国予定。

その間にアメリカ合衆国の、
第45代大統領が実質的に決まる。

日経新聞のオンライン版に、
Financial Timesの翻訳記事。
主席コラムニストのギデオン・ラッチマン、
そのタイトルは、
「トランプ・プーチン・安倍…
強権指導者の危うさ」

「モスクワからマニラ、
北京からブダペスト、
アンカラからデリーに至るまで、
国家主義の『ストロングマン』が、
再び流行している」

「ストロングマン」とは、
「強権的な指導者」のこと。

そこに安倍晋三首相の名が、
連ねられている。

万が一にも米国が、
ドナルド・トランプを大統領に選んだら、
「国際的な流行を
追いかけているのであって、
先頭で引っ張っているわけではない」

「ストロングマンに魅了される流れ」は、
「独裁的な国と民主主義国の
双方に広がっている」

「モスクワ」というのはロシアの、
ウラジーミル・プーチン大統領。

コラムニストは、プーチンを分析する。
「世界の強権的指導者たちの『守護聖人』」

「マニラ」はフィリピンの、
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領。
「威張り散らすスタイルと
法を軽んじる態度は、
新しいタイプの独裁者に
典型的な特徴だ」

さらに「北京」は、
もちろん習近平中国国家主席。

「アンカラ」はトルコ大統領の、
レジェップ・タイイップ・エルドアン。

さらに「程度はましだが、
ハンガリーのオルバン・ビクトル首相」

「まだ正真正銘の民主主義体制の
枠内で活動しているものの、
その政治的アピールは、
国家主義をはっきり帯びた
毅然としたリーダーシップという
イメージを基盤としている
強権的指導者がいる」

それがインドのナレンドラ・モディ首相、
日本の安倍晋三首相。

コラムニストはトランプ候補を評する。
「プーチン、エルドアン両大統領といった
最も独裁的なストロングマンと
一番共通点が多い」

国家主義と自己憐憫、陰謀論、
そして国家再生の約束。

トランプ候補の主張――
世界は米国を笑っている、
米国内の自分の敵は
外国のロビイストとぐるになっている、
だが自分は「米国を再び偉大にする」

さらに「腐敗したエリートを統制する」

「この(概してシニカルな)約束は、
新たなストロングマンに共通する特徴だ」

こうした強権的指導者は皆、
「個人崇拝を促してきた」

さらに1930年代との類似点は、
明々白々だと指摘する。
「当時、大恐慌の経済的なショックによって
世界中で政治が急進した」

これはナチス・ドイツの台頭を、
意味している。

最後に「興味深い、逆行する流れ」

マッチョな強権的指導者の台頭は、
合意形成型の力強い女性政治家を求める。

こちらは統治スタイルがずっと控えめで、
「ストロングマン」と逆行する流れだ。
それが同時に起きている。

その最も明白な例が、
ドイツのアンゲラ・メルケル首相。
英国のテリーザ・メイ首相。

「欧米政治の女性化が、
昔を懐かしむ一部の男性有権者の間で
マッチョな指導者へ
駆り立てている可能性さえある」

多分に類型的すぎるかとも思うが、
イギリスを代表するコラムニスト。

納得もできる。

企業経営に置き換えると、
強権的指導者も、
合意形成型指導者も、
どちらもありうる。

それがマネジメントの幅の広いところ。

しかし大衆や社員・従業員からの、
賛同を得られなければ、
どちらもうまくはいかない。

ここではやっぱり、
ニコロ・マキアベッリ。
塩野七生著。
「君主(指導者)たらんとする者は、
種々の良き性質をすべて
もち合わせる必要はない。
しかし、もち合わせていると、
人々に思わせることは必要である」
〈『君主論』より〉

トランプには、これがない。
ヒラリーはそれをしようとしたが、
情報社会の現在、失敗した。

「君主にとっての最大の悪徳は、
憎しみを買うことと、
軽蔑されることである」

ヒラリーは、
憎しみがわくように演出され、
トランプは自ら、
軽蔑されるようにふるまった。

「下劣で悪辣な人物を
官職につけたくなかったら、
最高に下劣で悪辣な人物と、
高潔で評判のよい人物とを、
並べて出馬させるよう
計るべきである」

「そうすれば有権者たちは、
両者のあまりにも明らかなちがいに、
どうしたって後者を選ぶようになる」

そしてマキアベッリは、
民衆の特質を鮮明にする。
「民衆というものは、
はっきりとして形で示されると、
正当な判断を下す能力はあるが、
理論的に示されると、
誤ること多し、ということである」

この面ではトランプが、
民衆を知っている。

しかしマキアベッリは、鋭い。
「民衆は、群れをなせば、
大胆な行為に出るが、
個人となれば臆病である」

かくて、投票という行為において、
臆病な個人に選択は委ねられる。

この大統領選挙は、
マネジメントの世界にも、
実に多くの教訓をもたらしてくれる。

では、みなさん。
今週も、考えつつ、行動しよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年11月06日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その23】紅葉

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目は美しいものの裏側を見る。
色を見分けるのは苦手。
今日はちょっと苦手な博物誌――

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童謡「紅葉(もみじ)」

秋の夕日に照る山もみじ
濃いもうすいも数ある中に
松をいろどるかえでやつたは
山のふもとのすそ模様

渓の流れに散り浮くもみじ
波にゆられて離れて寄って
赤や黄色の色さまざまに
水の上にも織るにしき
(作詞・高野辰之 作曲・岡野貞一)

紅葉という言葉。
「こうよう」と読む場合と、
「もみじ」という場合では、
意味が異なる。

市場を「しじょう」と読んだり、
「いちば」と言ったりするのと同じ。

音読みと訓読み。

音読みの「紅葉」は、
主に落葉広葉樹が、
落葉の前に葉の色が変わる現象。

色が変わるだけでなく、
葉の色が赤く変わることを、
「紅葉」と呼ぶ場合もあるから、
結局、「紅葉」は、
三つの意味を持つことになる。

厳密には、
赤色に変わるのが、
「紅葉(こうよう)」
黄色に変わるのが、
「黄葉(こうよう、おうよう)」
褐色に変わるのが、
「褐葉(かつよう)」DSCN9591-6

同じ種類の木でも、
生育条件と個体差によって、
紅葉したり、黄葉したり、
褐葉したりする。
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素朴な疑問。
なぜ、葉が色づくのか。

それは「葉の老化反応」
これは植物学の見解。

葉の色変はどんなメカニズムで起こるのか。
これも素朴な疑問。
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もともと葉は緑色。
葉に含まれる色素は二つ。
第1はクロロフィルで、
これが「葉緑素」と言われて緑色だ。
第2がカロチノイドで、
これが黄色。

クロロフィルがカロチノイドより、
ずっと量が多い。

だから黄色は目立たず、
葉は緑色に見える。

クロロフィル (Chlorophyll) は、
化学物質。
光合成の光化学反応で、
光エネルギーを吸収する役割をもつ。

春の新緑、夏の万緑、
みなクロロフィルが、
光を吸収して光合成を行った結果。

しかし、秋に入ると、
日照時間が短くなる。
するとクロロフィルは分解される。

そのため、隠れていたカロチノイドの色が、
表に出てきて葉は黄色になる。

イチョウの葉が緑から黄に変わる。
これはクロロフィルが分解され、
カロチノイドが表に出てくるから。
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日照時間が短くなって、
光合成が鈍化し、
クロロフィルが分解されると、
葉に蓄えられた栄養素は、
幹へと回収される。

一方、植物は葉を落とす準備を始める。
すると、葉柄の付け根に、
「離層」という組織ができる。
離層はコルク質でできていて、
物質の行き来を妨げる。

ワインボトルのネックに、
コルクを使うが、
それは同じ原理だ。

この離層ができると、
葉の中の養分は茎に移動できなくなる。
だから光合成で生産された糖分は、
一部が葉に留まる。

この葉に残った糖分から、
赤い色素アントシアニンが合成される。
それが葉を赤くする。
http://www.shoninsha.co.jp/modules/blog/wp-content/uploads/DSCN1574-2.jpg

アントシアニンは、
温度と光の条件によって生成される。
1日の最低気温が8℃以下になると、
アントシアニンが生成され、
紅葉が始まる。

気温が5~6℃以下になると、
それがさらに進む。

鮮やかな紅葉が生まれるのは、
日中の気温が20~25℃で、
夜間の気温が5~10℃になったとき。

つまり昼夜の気温差が大きいこと。

しかし紅葉や黄葉のあとで、
葉は離層のところで切り離されて、
落葉する。

「紅葉前線」は、
紅葉の見ごろを、
日本列島に前線として描いたもの。

9月に北海道から始まり、
10月・11月と南下する。

一つの地区で紅葉が始まってから、
完了するまでの期間は約1カ月。

最盛期の見ごろは、
紅葉開始後20日から25日。

紅葉・黄葉・褐葉。
今年も楽しんでほしい。

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猫の目には、
鮮やかな紅葉は見えないけれど。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2016年11月05日(土曜日)

地球温暖化「パリ協定」発効とイオン「夜市」の2時間繰り下げ

朝一番でYCATからリムジンバス。
横浜シティエアーターミナル。

すぐにベイブリッジ。
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晩秋の空に、
橋梁が映える。
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羽田から全日空で1時間ちょっと。
福岡空港。
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レンタカーを借りて、
福岡市早良区の妙福寺へ。
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庭園が有名。
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庭の真ん中を、小川が流れる。
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2年前に亡くなった父の三回忌。
11月4日だったが、
私はアメリカにいた。
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親族が集まってくれて、
父のことを話し合った。

さて「パリ協定」が発効。
Paris Agreement。
地球温暖化対策の新たな国際的枠組み。

気候変動枠組条約第21回締約国会議が、
昨2015年12月12日に採択していたもの。

この気候変動枠組条約は、
1992年のリオ地球サミットから始まった。

気候変動枠組条約を締結した締約国が、
毎年集まって「締約国会議」を開催する。
Conference of Parties、通称COP。

1997年には京都で、
第3回COPが開催されて、
「京都議定書」が採択された。

パリ協定は、それ以来、
18年ぶりに合意された、
温暖化問題に対処する国際条約。

京都議定書は、
2008~2012年の5年間の
温暖化ガスの排出量の平均を、
原則として1990年の排出量を基準に、
何%減らすかというかたちで、
先進国の数値目標を設定し、
各国にその目標達成を義務づけた。
ただし、先進国の、
38カ国・地域の協定だった。

守れなければ罰則も課された。

しかし途中でアメリカが離脱。
中国も不参加だった。

さらに各国が提出した2020年目標は、
それらを積み上げても、
「2°C目標」を達成できないことが分かった。

「2°C目標」は産業革命前と比べて、
気温上昇を2°C未満に抑えるという目標。

そこで2020年以降は、
先進国も途上国もすべての国が、
一つの土俵で削減目標を約束する。
その国際条約の作成が合意された。
それが「パリ協定」

こちらは気候変動枠組条約に加盟する、
197のすべての国・地域が参加している。

パリ協定の目標は、
改めて温暖化による気温上昇を
「産業革命前と比べて
2度より十分低く保つこと」

そのうえで、さらに、
「1.5度以内に抑えるよう努力する」

パリ協定は長期目標も定めた。
すべての国・地域が、
温暖化ガスの排出を今世紀後半までに、
「実質ゼロ」にすることを目指す。

ただし、日本は、
来週火曜日の8日の衆院本会議で、
パリ協定の承認案の可決、成立を目指す。

つまり完全な出遅れ。
理由は与党関係者の楽観。

楽観はいけません。

京都議定書では、
主導国の役割を果たしたが、
パリ協定の第1回締約国会議では、
議決権を持たないオブザーバー参加。

そのうえ、
日本が提出している目標は、
「2030年度に13年比26%減」で、
これは厳しい状況だ。

ああ。

話はがらりと変わる。
日経新聞の『企業・消費』欄。

「イオン、売場作り遅く」の記事。

商品補充など売場整理の時間を、
従来の午後4時から、
6時へと2時間繰り下げる。

店ごとに惣菜や生鮮食品を、
数十~100品目程度選び、
午後6時をメドに集中的に、
店頭陳列量を増やしたり、
並び方をきれいにそろえたり、
揚げたて・つくりたてを提供したりする。

どの品目をどれだけ増やすかは、
各店が夜間の需要を見極め判断する。

ポイントは、
「2時間繰り下げること」

イオンリテールは、
「夜市」と銘打って、
週明けにも約390店全店で実施する。

そのため惣菜加工担当者など、
一部従業員の間で、
勤務時間や作業内容を、
各店で調整する。

人件費に大きな影響はない。

9~10月に、数店で実験した。
結果は、午後4~8時の売上げが伸びた。
惣菜で2~3割、
生鮮食品で1~4割。

イオンは「夜市」のテーマで、
テレビCMも放映する。

「夜市」が地球温暖化対策に、
反するわけではないし、
こちらは純然たる経済行為であり、
顧客の便利性に応えるものだ。

大いにやってよろしい。

いよいよ、年末に向けて、
知恵比べはヒートアップしてきた。

楽観はいけません。

〈結城義晴〉

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