結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月07日(月曜日)

「ちゃんとやったほうが、おもしろくなる」と「モダンの逆走」

Everybody! Good Monday!
[2015vol49]

2015年第50週です。
12月第2週。
あと3週間と5日で、
今年が終わる。

師が走る「師走」。
今年も忙しかった。

しかし忙しさに、
ありがとう。

今週木曜日10日は、
公務員のボーナス支給日。
一般企業も、この時期にボーナスを出す。

そして来週火曜日15日は、
年金の支給日。
年金受給者の人たちも、
ちょっと懐が温かくなる。

Weekly商人舎の日替わり連載、
月曜朝一・2週間販促企画が、
そのことを指摘している。

商人舎magazineの日替わり連載は、
月曜日が2週間販促企画、
火曜日が2週刊天気予報。

どちらも「グライダー効果」がある。
引っ張ってもらうことの効用。

グライダー商人になってはならない。
しかし日常的な行動レベルでは、
『グライダー効果』は活用すべし。

さて糸井重里の『ほぼ日』
巻頭言は「今日のダーリン」

「年の暮れになると、
なにかと1年を振り返るよね」

「生き急いでいるわけでは
決してないのだけれど、
すいぶん、いろいろやってきている」

「仕事でも遊びでも同じなんだけれど」と断って、
ちゃんとやったほうが、おもしろくなる。
ちゃんとやらないと、おもしろくならない。

「これは、人がなにかするときの
『法則』みたいなものだ」

まったくの同感。

木枯や生き急ぐ手をふと止めて
〈朝日俳壇より オランダ・モーレンカンプふゆこ〉

今日は朝から横浜商人舎オフィス。
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窓のそとは、紅葉。
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午前中に當仲寛哲さんが、
やってきた。
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USP研究所所長。
お供は久保田大樹君。

ポルトガルにITの会社をつくった。
相変わらず、精力的な天才だ。

そのポルトガルの凄い商品を、
日本に普及させようという相談。

おもしろい。

さてさて日経新聞のオピニオン欄に、
「止められるか『近代の逆走』」

日経きっての論客・芹川洋一さんが、
世界の情勢について分析し主張する。

「秩序がくずれ混迷してしまうのか、
それとも新たな秩序づくりに動いていくのか」

私も関心を持つテーマ。

「イスラム国」(IS)によるパリ同時テロ、
そのISの本拠地シリアへの空爆、
そこで欧州に押し寄せるシリア難民、
一方で、ロシアのウクライナ侵攻、
波立つ南シナ海……。

芹川さんは、一本の補助線を引く。

ピーター・ドラッカー先生、
「20世紀の原理や原則を補助線とせよ」

そこで「モダン」を3区分する。
プレモダン、モダン、ポストモダン。

英国の外交官ロバート・クーパーの提唱。
著書は『国家の崩壊』。

第1は、権力がばらばらで、
国の体をなしていない混沌とした
「プレモダン」(前近代)の世界。

第2は、国民国家による
「モダン」(近代)の世界。
安全を保障するものは軍事力と考える。
国の主権が何より優先する。

第3は、相互信頼が尊重され、
国という枠組みを超えていく
「ポストモダン」(脱近代)の世界。
欧州連合(EU)がいちばん進んだ例。

クーパー・モデルは欧州統合を念頭に、
21世紀の国家の進むべき方向を示した。

芹川さんは、
理想型で魅力的な議論だが、
「どうにも一本調子では進んでいない。
むしろ逆走している」と否定的だ。

「ク―パー・モデルの逆回転こそが、
世界の現状ではないか」。

ISはまさにプレモダンの世界。
パリの同時テロも9・11も、
プレモダンからポストモダンへの攻撃だ。

それに対するフランスの行動は、
ポストモダンの態度ではない。
モダン国家そのもの。

さらにモダンからポストモダンへの挑戦の例。
ロシアのウクライナ介入、
中国の南シナ海「9段線」の自国領化。

新潟県立大の山本吉宣教授。
「08年のリーマン・ショック以来、
モダン国家の力が相対的に強くなった。
ポストモダンが引っ張られて
モダンの世界に逆戻りしているものの、
なくなったわけではない。
プレモダンを含めて3つが併存している」
これが正しい認識だ。

Forbesのグローバル500。
世界の企業ランキング。

最新版のトップは、
やはりWalmart、年商4857億ドル。
第2位は、Sinopec Group、4468億ドル。
第3位はRoyal Dutch Shell、4313億ドル。
第4位China National Petroleum、4286億ドル。
第5位Exxon Mobil、3826億ドル。

2位と4位が中国の石油会社。
アメリカは1位のウォルマートと、
5位のエクソン。

第6位BP、3587億ドル。
第7位State Grid、3394億ドル。
第8位Volkswagen、2686億ドル。
第9位Toyota Motor、2477億ドル。
第10位Glencore、2211億ドル。

7位に中国の電力会社。
日本は9位のトヨタ、
ドイツは8位のフォルクスワーゲン。

モダン国家の中国が、
グローバル企業ランキングを、
近代に引き戻している。

モダンによるポストモダンへの挑戦の結果、
「ポストモダン国家は再近代化し、
近代国家は近代秩序からはみ出そうとし、
プレ近代は国際秩序そのものを否定する」。

これを「常態」ととらえて芹川さんは、
「ニューモダン」(新しい近代)と名づける。

芹川論説委員長の結論。
「だからこそ、うまく管理し
近代の逆走をとどめることを考えないと、
世界は無秩序の淵に追いやられる」

ん~、最後が惜しい。
どう「うまく管理」すればいいのか。

「ニューモダン」の新語も、
もう一歩か。

ここはフリードリヒ・ヘーゲルの弁証法を信じつつ、
やはりポストモダンの理想を、
追い続けるしかないだろう。

私はそう思う。

ストーブに話煮詰めてをりにけり
〈同 北海道鹿追町・高橋とも子〉

年の瀬には、
世界のことを考える。

もちろん、
ちゃんとやったほうが、
おもしろくなる
ことも。

ではみなさん。
最後の3週間と5日間。
ちゃんとやりましょう。
その方が断然、おもしろい。
Good Monday!
〈結城義晴〉

2015年12月06日(日曜日)

ジジとおとうさんのパット[日曜版2015vol49]

ジジです。
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おとうさん、
アメリカからかえってきて、
はじめての日曜日。

でも、ボクがおきたら、
もういませんでした。
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朝日をあびて。
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田んぼのなかを、いった。
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だから、ボクは、
ねてました。
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一日中。
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そうして、夕方。
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おとうさんは、
もどってくる。
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ジェットプレインがみえる。
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おうちのなかも、
くらくなる。
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部屋のあかりをつけて、
まちましょう。
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はやく、かえってきてください。
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ランプもつけました。
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あれれっ?
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ボク、しらない。
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あれれ、れれっ?
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あれれ、れれ、れれっ?
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おとうさん。
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いたずらしないでください。
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パットは、うまくいきましたか?
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「うん、すっごく、よかった‼」

そう。
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それは、よかった。
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でも、つかれたでしょう。
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ゆっくり、やすんでください。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2015年12月05日(土曜日)

ライフ「セントラルスクエア押上駅前店」グランドオープン‼

昨日で月刊『商人舎』12月号が終わり、
今日は早朝から渋谷経由で、
半蔵門線に乗って押上駅へ。
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スカイツリーはやはり巨大だ。
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東京ソラマチも好調。
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北野エースが入っている。
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しかしこちらは観光スポット。

スカイツリーの真ん前に、
ライフ「セントラルスクエア押上駅前店」が、
グランドオープン。
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京成電鉄のビルで、
1階と地下1階にライフ、2階がニトリ。
3,4階が駐車場。

5階からはホテルが入る。

オープン前の開店セレモニー。
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ライフコーポレーションの幹部のみなさんが、
豪華に勢ぞろい。
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ライフ社長の岩崎高治さんと、
ニトリホールディングス社長の似鳥昭雄さん。
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セントラルスクエアのフォーマットは、
首都圏では初の出店。

関西圏ではすでに5店、出店している。

地下1階は生鮮3品とグロサリー、冷凍食品。
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フラワーから始まる青果部門。
回遊性を意識した動線。
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曲線を描く、見事なイチゴの陳列。
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1階にはインストアベーカリー、惣菜、
リカー、ドラッグストア、そしてカフェ。

量り売りのライフバッフェ。DSCN0089-1

フレッシュジュースを提供する、ジュースバー。DSCN0086-1

ライフカフェでは、
パスタ、ピザ、飲料を提供。
もちろん購入した商品を持ち入り食べることもできる。
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正面入口左翼に設けたライフドラッグ。
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実はこのコンセプトが面白い。
〈謎解きはweekly商人舎にて〉

地下1階では清水信次会長と、
岩崎社長を囲んでの記念撮影会。
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女性社員たちは、うれしそうだ。
岩崎社長が床に座っているが、
これが実にいい。
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9時のオープンを迎える。
清水さんもお客を出迎え。
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開店前に並んだお客が、
どんどん入店する。
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地下1階に向かうお客が多い。
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スタッフが入場制限をしつつ、
お客を迎え入れる。
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店内を回っていると、
取締役の堤はゆるさんとバッタリ。
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月刊『商人舎』6月号、
「女性が働きたい店・会社・産業」特集に、
登場いただいた。

そして同じビルにある、
ホテル会場で記者会見。
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初めに首都圏ストア本部長の村田哲也さん。
押上店のコンセプトを丁寧に説明。
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岩崎さんは記者からの質問に、
的確にこたえる。
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清水さんは、
店については多くを語らず、
「岩崎社長に任せてある」と、
にこやかな顔。
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ところが記者から、
軽減税率について質問が投げかけられると、
一気に顔つきが変わった。
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これまでの売上税反対の経緯から、
消費税導入とその増税の経緯を、
すべてにわたって記憶力よく語り、
そして改めて軽減税導入への反対を表明。

「生鮮食品は毎日、相場変動がある。
それは2割に及ぶこともある。
そんな生鮮を2%分、軽減しても、
顧客には何のメリットもない。
政治家や官僚という商売の素人が、
法律を決める権限を持っているが、
それにはきちんと話をして、
反対していきたい」

まさに正論。
私ももろ手を挙げて、
賛成です。

会見後のホテルのロビーで、
岩崎さんと話をした。
専務の並木利昭さんとも、
ずっと話をしていた。
だから3人で写真。
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岩崎さんは、実に、
スーパーマーケット経営者が、
板についてきた。
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私にはそれが、
ことのほかうれしかった。

間違いなく、日本のチェーンストアを、
けん引する、ひとりは岩崎さんだ。

ライフ「セントラルスクエア押上駅前店」も、
ちょっと注文はあるけれど、
メルクマールたる、いい店になるだろう。

〈結城義晴〉

2015年12月04日(金曜日)

林周二『流通革命』とビックカメラ・国美電器集団の提携

月刊『商人舎』12月号最終責了日。
いい雑誌ができました。

今月は『流通革命』をテーマにした。
重すぎる命題だけれど、
一度は決着をつけておかねばならない。

しかし毎月毎月、こうして、
1冊ずつ仕上げることの喜び。

幸せです。

ご期待ください。

さてその最終日に、
午前中から来客。

前田仁さんと小阪裕介さん。
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そうミラクル前田と、
レジェンド小阪。

アメリカで2週間、
一緒だった。

来年の打ち合わせにやってきてくれた。

中国に行こう。
そう思った。

それ以外のもろもろも含めて、
意見交換し、決めることは決めた。

2016年も、ものすごく忙しくなりそうだ。
ありがたいことではあるけれど。

その後、夕方から、
忘年会。

そういえば、もう、
忘年会シーズンに入っている。

これからそれが続く。

しかし、1年が充実していれば、
年忘れといっても、
楽しいことばかり。

ブルーチップの面々と、
東京・赤坂のねぼけ。
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見事な玉龍。
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名人・松本勉作。

外国人観光客も、
この玉龍を目指して来店する。DSCN7681-5

宮本洋一社長と、
ブルーチップ幹部の面々。
右から金田正勝さん、中野茂さん、
左から菊池二郎さん、鍋島丈夫さん。
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仕切りは真ん中の松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

金田さんはこのたび、
ビーコミュニケーションズグループ㈱の
取締役財務部長に就任。
同社はブルーチップの持ち株会社。

今年、宮本さんが、
阿波踊りに行ったという話から、
ずいぶん盛り上がった。
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その後、銀座で二次会。

と思ったら、ばったり、
本庄大介さん。
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ご存知、㈱伊藤園社長。

楽しい夜は、
楽しい人と出会う。

さて、ビックカメラが中国企業と提携。
日経新聞企業欄。

中国の小売業界は、
家電チェーンが上位を占める。

2011年までは、
第1位が蘇寧雲商集団。
第2位が国美電器集団。

現在は第2位に、
ネット通販の「天猫」(T‐mall)が躍り出た。
これがアリババ集団。

国美電器はその分、下位に下がって5位。

ビックカメラはその国美と組んで、
中国でインターネット通販をスタートさせる。

国美にとっては、天猫への対抗策となるし、
ビックカメラは中国進出の足掛かりになる。

「国美の通販サイトにビックが出店し、
デジタルカメラや理美容家電など
商品450点を取り扱う」

物流は国美が担当。
PRも国美が店頭で展開。

中国人の「日本の家電への関心」は、
極めて高い。

今年の流行語大賞に入った「爆買い」。
その対象の一つも家電。

個人向け通販は、
輸入に伴う税率が低い。

国美の通販サイト「国美在線」。
なんと1億2000万人の会員を有する。

ビックカメラは同サイトの「日本館」に出店。

小型家電はもちろん、
腕時計や紙おむつなど、
日用品までを取り扱う。

ただし、当然のことながら、
国美が中国店舗で販売する商品を、
ビックカメラが通販で扱うことはないし、
「ビックは通販の売り上げに応じて、
国美に手数料を支払う」

その仕組みと手順。
「商品購入の注文を受けると、
ビックが国美の大阪の倉庫に商品を配送。
国美が週1回の船便でまとめて
中国国内の保税倉庫に持って行き、
通関手続きを終えた後で
消費者の自宅まで届ける」

つまり物流は国美。

注文から配達までに、
2~3週間かかるが、
それでも日本製の家電を欲しい中国消費者は、
それこそ、ごまんといる。

ジャパン・テクノロジーは、
中国では高い評価を受けている。

その中国の消費者が、
海外の商品をネット通販で購入する場合、
個人輸入扱いとなる。
この個人の「行郵税」は低い。

一方、企業が輸入する場合には、
関税と「増値税」がかかる。

増値税が一般に言われる消費税。

例えば、炊飯器の場合、
通常は約50%の税金がかかる。
しかし通販なら20%。

さらに国美在線は、出店費用が安い。
中国最大のネット通販サイトは、
第2位小売業のアリババ集団の天猫。

もちろん国美在線は、
天猫よりも安い。

ビックカメラの訪日外国人向けの売上高は、
現在、全体の12%程度まで上昇中。

さらんに同社は2016年8月期に、
ネット通販の売上高(連結ベース)を、
750億円に増やす計画。
前年同期比1割増。

国美電器との提携、
実に大きな足掛かりとなる。

私も来年は、
中国を訪れる。

そして中国の流通を学ぶ。

林周二著『流通革命』は、
いまの中国でこそ、
有益な理論だとも考えられる。

〈結城義晴〉

2015年12月03日(木曜日)

「バターはどこへ消えた?」と顧客が求める「経路の純化」

昨日から今日にかけて、
月刊『商人舎』12月号の巻頭論文。
1万5612字。

1本の原稿としては、
これまでのところ最高字数。

いまや立教大学のビジネスデザイン研究科では、
修士論文が2万字だというから、
それに近い量だ。

月曜日には『食品商業』に1万1000字。
量を書けばいいというわけではないけれど、
必要ならば「量」も書く。

村上春樹さんは、
長編小説を執筆するとき、
きっちり1日に10枚書く。
つまり400字×10枚で4000字。

私もそのくらいのスピードで、
ゆっくりと書きたいものだとも思うが。

今日は雨の中、
午前中に千葉の海浜幕張に向かった。

イオンタワーに。
イオンリテール㈱の広報グループに、
お世話になった。

大塚聡さんと来間祐也さん。
写真はないけれど。

お会いしたのは、
上山政道さん。DSCN9984-5

電子マネー推進本部本部長。DSCN9986-5
たっぷり2時間近く話し合って、
固い握手。

上山さんは、
イオンクレジットサービス㈱常務取締役から、
2013年5月に現職に。

専門家の話を聞くのは、
本当に勉強になる。

私も「商業の現代化」の話をして、
結構、満足した。

ありがとうございました。

さて、日経新聞経済欄。
「バターはどこへ消えた?」

政府の規制改革会議議長は、
住友商事相談役の岡素之さん。

大手乳業メーカー幹部から、
バター需給の現状を聞き取り調査。

雪印メグミルクの小板橋正人さんは、
「特約店にはまんべんなく
バターを供給している。
それなのに末端の店頭にないのは、
乳業メーカーからすると不思議だ」
取締役執行役員酪農部長の発言。

さらに明治の木島俊行さん。
こちらは執行役員酪農部長。
「足元は一昨年並みの在庫が積んであり、
この冬は潤沢に供給できる」

農林水産省の主張。
「緊急輸入でバターの供給は十分だ」

農水省は「国内の生乳需給の調整弁として、
バターを国家貿易で輸入する立場。

しかし一方で、
全日本洋菓子工業会は、
「毎年、緊急輸入したバターの数量と
市場に出回る量はかけ離れており、
一体どこにあるのだろうというのが
業界の疑問だ」
この工業会はバターを使う「川下」

そこで日経は疑問を呈する。
「バターはどこにあるのか」

農水省の第1の疑問。
「高値を狙って流通段階で
在庫をためている業者がいるのでは」

第2は構造問題。
「原料である生乳をつくる酪農家の減少や、
複雑な流通制度によって
生産が一部メーカーに偏っている」

岡議長の規制改革会議は、
「流通経路や供給体制をさらに点検し、
来年6月をメドに解決策をまとめる」

1962年に林周二先生が、
『流通革命』を発刊。

ここで問いただしたのは、
「問屋無用論」よりも、
「流通経路の純化」である。

その意味では、
現在でもまだまだ
『流通革命』が必要な領域がある。

故中内功さんや、
故渥美俊一先生に、
復活してもらって、
活を入れなければいけないのだろうか。

「バターはどこへ消えた?」

このフレーズは当然ながら、
2000年11月発刊の本のパクリ。
『チーズはどこへ消えた?』
スペンサー・ジョンソン執筆のベストセラー。
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買って読み始めた記憶があるし、
読みやすく書かれた本だったとは思う。
タイトルはよく覚えているが、
途中でやめてしまったはず。

なんだか説教臭かった。

しかし「バターはどこへ消えた?」は、
しっかりと解明してもらいたい。

林著『流通革命』は、
スペンサー・ジョンソンの平易さはなけれど、
こう言い切る。

「顧客は明らかに
経路の純化を求めているのである」

〈結城義晴〉

2015年12月02日(水曜日)

12月商人舎標語「自ら軛を断て。」と2015ヒット商品番付

今月の商人舎標語。
月刊『商人舎』12月号の巻頭言と連動。

タイトルは、
自ら軛を断て。

あなたは縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。

牛が曳かれてゆく。
首の上に木製の棒がつけられている。
(くびき)である。

牛は何も言わない。
ただひたすら下を向いて、
のろのろと歩いてゆく。

強制されているからか。
それが自分の役目だとでも観念しているからか。
それとも何も考えていないからか。

商人はもともと自由である。
一人の顧客と対面するとき、
一人の商人は奔放である。

ところがその自由な商人のなかに、
いつのころからか軛につながれる者が出てきた。
社畜と堕す者が生まれた。

ひたすら命令に従う者、
顧客や市場よりも体制に迎合する者、
権力や理論に従属する者。

強制されているからか。
それが自分の役目だとでも観念しているからか。
それとも何も考えていないからか。

2015年が終わろうとする今、
そんな軛を、自ら断ちたい。
正々堂々、顧客や市場と向き合いたい。

組織人でありつつ、
独立自営商人の気概をもちたい。
自分で考えぬく脱グライダー商人でありたい。

あなたは今も縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。
〈結城義晴〉

今年最後のメッセージ。
ハードパンチを繰り出してみた。

12月10日発行号、
ぜひご期待いただきたい。

さて、自分の雑誌の締め切りで忙しい中、
古巣の㈱商業界『食品商業』に、
600号記念の原稿を寄稿した。

1万0147字。
長編、力作。

発刊されたら読んでください。

私も、そのメディアの通巻600号の中で、
1989年2月号(通巻215号)から、
2000年10月号(通巻390号)まで、
編集長を務めた。

11年9カ月、都合176号。

歴代の編集長の中で一番長い。
感慨は深い。

私の次に長かったのは、
初代編集長の故今西武さん。
創刊号から167号まで。

私はこの雑誌編集部で、
今西編集長の部下として、
1982年から4年間、仕事をした。

自分で編集長を辞した後も、
編集局長や社長としてかかわったから、
1982年から2007年まで、
25年間、このメディアに関係した。

人一倍、愛着はある。

そんなこともあったので、
古巣商業界の雑誌の最新号を、
ちょろちょろっと覗いて見た。

月刊『販売革新』12月号は、
【総力特集】
2016年に生かす「好調企業の勝ちパターン」

ん~っ、「勝ちパターン」か。

パターンで勝てれば苦労はしない。
なんだか、ひどく安易。

そのパターンをこそ、
タイトルにしてほしい。

野球で言えば、
「先行逃げ切り」だとか、
「粘って粘って大逆転」だとか。

しかしこの野球のパターンでも、
結構、類型的だ。

「勝ちパターン」はつまらない。

月刊『商業界』は、
【総力特集】
あなたの商いを強くする
「編集力と伝える力」

語感の問題だが、
「編集力」なら「伝達力」か、
「伝える力」なら「編む力」か。

「勝つ」とか「強くする」とか、
結局は売上げ至上主義?!

それこそ、編集部の編集力が問われるね。

月刊『食品商業』の12月号は、
【特集】本当に学ぶべきアメリカSM

タイトル「本当に学ぶべき」は、
おもしろくない。

それに、前にも書いたけれど、
学ぶべきと教えているマリアーノスは、
赤字を出してクローガーに買収された。
セーフウェイはサーベラスに買収されて、
店は閑散としている。

反面教師なら学べるけど、
そうは書かれていない。

ただし、島田陽介先生の主張には、
いつもながら同感だ。

ついでにダイヤモンドフリードマン社。
『ダイヤモンド・チェーンストア』
12月1日号特集は、
「いざ切り拓け、数兆円!
ナチュラル・オーガニック市場」

このメディアは、
こういうの、得意です。

広告も集めているんだろう。

さらについでに、
月刊『マーチャンダイジング』
【総力特集】
30社 150店舗顧客満足度調査2015
「エクセレントストア」の新条件

これ、『食品商業』や『販売革新』でも、
やってた。

こちらはドラッグストアなんだろうけど。
ほんとうに新条件がみえてきたの?

このメディアは商業界のOBたちがやっているし、
私、応援している。

と、まあ、業界の雑誌を垣間見たけど、
活字離れが激しい中、
ネットに押されないように、
頑張ってほしい。

全体にいえる印象は、
ピーター・ドラッカー先生も言ってるが、
自分の目で見て、
自分の耳で聞いて、
自分で考えて、
自分で書くこと。

わが身を顧みず、ちょっとだけ、
先輩風を吹かしてみました。

みんな、かわいい後輩たち。
許してください。

最後に、日経MJ12月2日号。
もう恒例の『2015年ヒット商品番付』

東の横綱は「北陸新幹線」
西の横綱は「ラグビー桜ジャパン」

東西横綱はどちらも顧客が買えないモノ。
つまり「商品」ではない。

大関は東の「火花」
西の「定額配信」

張出大関は、
東の「ハローウィン・フィーバー」
西の「肉食ブーム」
フィーバーとブームか。

これでは「2015年ヒットしたコト番付」だ。

時代は変わった。
その変化に対応しなければ、
メディアも生き残れない。

古い観念、
古い慣習、
古い理論。
その軛を断たねば、
生き残れない。

〈結城義晴〉

2015年12月01日(火曜日)

12月1日の流行語大賞・水木しげるの訃報と「革命しよう」

2015年の終わりの始まり。
12月1日、火曜日。

いい天気。
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初冬にしては、
まぶしい日差しが差し込む。
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「2015新語・流行語大賞」が発表された。
1984年から続く、暮れの風物詩。

今年は二つ。
「爆買い」と「トリプルスリー」

前者はインバウンド消費を表現した。
後者はプロ野球の3割・30本塁打・30盗塁。
ホークスの柳田悠岐と、
スワローズの山田哲人が達成した。

2004年から㈱ユーキャンの提供となった。

審査委員は7人。
姜尚中(作家・聖学院大学学長)
俵万智(歌人)
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
室井滋(女優・エッセイスト)
やくみつる(漫画家)
箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)
清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)

もちろん事務局がある程度選考して、
最終審査と決定をこの7人がやる。

ことしはまあ、妥当な線だった。

では、去年は、どうだったか。
覚えているだろうか。

2014年もふたつ。
「集団的自衛権」
「ダメよ〜ダメダメ」

こう並べてはいけない、という意見もある。

一昨年の2013年は、多かった。
「今でしょ!」
「お・も・て・な・し」
「じぇじぇじぇ」
「倍返し」

なるほど、豊作の年だった。

2012年は、ひとつ。
「ワイルドだろぉ」

お笑い芸人のギャグは、
長続きはしない。

東日本大震災の2011年は、
「なでしこジャパン」

明るい話題を拾った。

そして2010年は、
「ゲゲゲの~」
朝ドラの『ゲゲゲの女房』のタイトル。

そのゲゲゲの女房の亭主、
漫画家の水木しげるさんが亡くなった。
享年93。

各紙が評伝を書き、
巻頭コラムで追悼した。

朝日新聞『天声人語』
「ネコのように生きるのが理想だったという。
自由に寝て、起きて、あくびをする」

「飄々とした味わいの中には、
戦争で散った仲間を悼む
涙があふれていたと思う」

日経新聞『春秋』
「束縛を嫌って自由気ままに生きることを
『水木サンのルール』と呼び、実践した。
強制や締め付けを嫌う気持ちは
生死の境をさまよった軍隊経験で
いっそう強く なっただろう」

毎日新聞『余禄』
「人は死後どうなるか。
水木さんは想像した。
人は生者の目に見えない形に変化する。
天国も地獄もなく、みんな
ふわふわしたものになる。
何と気分いいことか」

2015年の暮れを迎えようというとき、
水木さんは、
ネコのように生き、

ふわふわしたものになった。

ご冥福を祈ろう。

さて、12月の野菜卸値見通し。
農林水産省の調査。

主要野菜14品目で、
高値が見込まれる品目は、
12月の前半・後半ともないようだ。

顧客は喜ぶ。
商売は難しい。

大ニュースは、
「日経・FTグループ」誕生。
私も7月24日の毎日更新宣言ブログで、
取り上げて、コメントした。

今日は日本経済新聞社社長の岡田直敏さんが、
新聞の一面に、自慢気に書きつける。

「英フィナンシャル・タイムズ買収手続きが
30日に完了、『日経・FTグループ』が
世界へ産声を上げた」

買収額はキャッシュで、
8億4400万ポンド、約1600億円。
証券市場評価による企業価値の3倍。

フィナンシャルタイムズも、
よほど現金にひっ迫していたのだろう。

紺屋の白袴、医者の不養生。

しかしデジタル版の有料読者は、
単純合計で93万人。

米国ニューヨーク・タイムズは91万人、
それを抜いて、世界第一位。

新聞発行部数は、
ウォール・ストリート・ジャーナルの、
146万部の2倍強。

メディアの影響力は規模と量と金かもしれない。
しかしメディアこそ質が問われる機能であり、存在だ。

果たして日経・FTは量を質に変えられるのか。

もちろん買収されたFTが日経に対して、
決定的に変質を迫ってくるだろう。

水は高きより低きに流れる。
覆水盆に返らず。

そこで岡田さんが強調するグループの旗印は、
「質の高い最強の経済ジャーナリズム」

「新しいメディアが次々に誕生するなかで、
新聞の生き残る道は、
『クオリティー』の一点にある」

そのQuality Journalismとしては、
「人材とインフラへの終わりなき投資」。

ただし社長としてのコメント。
もうちょっと期待していたが、
優等生的でつまらない。

ドキドキワクワクがない。

21世紀、ドキドキワクワクも、
大切な「質」の要件の一つだ。

まあ、それを、
期待してはいけないか。

私は熱心な有料購読者の一人だから、
言わせてもらっておこう。

さてさて、最後に、
月刊『商人舎』12月号の巻頭言を、
今、思案していたら、
違うものができた。
それを披露。

タイトルは「革命」。

革命しよう。
君は言う。

そうかい。
僕は答える。

でも僕らはみんな、
世界を変えようと思ってる。


それは進化だ。

君は言う。

ああ、そうかい。
僕は答える。

僕らはみんな、
世界を変えようとは思ってる。


でも君が何かを壊そうとしたら、
僕はそれには加わらないよ。

知らないのかい。
破壊などしなくてもいいってこと。

うまくいくさ。
うまくいくんだよ。
〈Beatles「Revolution」〉

もちろんジョン・レノンの考え方。

念のため、歌詞。
You say you want a revolution
Well, you know
We all want to change the world
You tell me that it’s evolution
Well, you know
We all want to change the world
But when you talk about destruction
Don’t you know that you can count me out
Don’t you know it’s gonna be alright
Alright,alright
[J.LENNON/P.McCARTNEY ]

パリ同時多発テロに対して、
「破壊」で臨んではならない。
それではうまくいかない。

日経&FTは、
どんな姿勢で臨んでいるんだろう。
よく読んでみよう。

では、12月もよろしく。

〈結城義晴〉

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