結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年02月19日(火曜日)

第42回2008スーパーマーケットトレードショー明日開催

いよいよ、明日から、始まります。

日本のスーパーマーケット産業界最大のイベント。
「2008スーパーマーケットトレードショー」

東京・お台場の「ビッグサイト」国際展示場。
その東ホールを全館借り切っての食品フェア。
2月20日から、22日までの3日間。
朝10時から、夕方17時まで。

まさに国際級。

昨年は、3日間で、73542人の来訪者。

このスーパーマーケットトレードショーに、
無料で入場することができます。
事前登録をするのです。
こちらをクリックしてください。

7月6日に、サイトがリニューアルしました。
ホームページを見るだけで、わくわくしてきます。

基調講演、特別講演、レセプションパーティ、無料講演会など、
盛りだくさんです。

もちろん展示ブースも充実しています。
海外展示も増え続けています。

とにかくおいでください。

各ブースで、食べてください。
飲んでください。
試してください。

講演を聴いてください。
勉強してください。
情報を集めてください。

仕事に活かしてください。
楽しんでください。

国際展示場の外は、まさに「大きな視界」ビッグサイトです。

来場したら、入り口で、必ず、ガイドブックをもらって、
それを読んでみてください。

今年は、私も、ガイドブックに関与しました。
横山清実行委員長、三科雅嗣副委員長、
増井徳太郎日本セルフ・サービス協会会長の座談会の
コーディネーターを担当しました。

是非、読んでください。

私は1992年から、
フランス・パリで開催されるSIALの委員をしています。

SIALはパリ国際食品見本市・世界新製品コンクール。
その日本代表国際審査委員。

SIALは毎偶数年の開催。
一方、ドイツ・ケルンで開催されるアヌーガは、毎奇数年。

ヨーロッパ人はもとより、世界中の食品関係者は、
毎年、パリかケルンを必ず訪れます。

私も今年、10月には、SIALを中心に、
ヨーロッパをめぐる流通視察研修を考えています。

日本のスーパーマーケットトレードショーは、
SIALやアヌーガに迫ってきました。
もちろん毎年、アメリカで開催されるFMIにも。

今年のFMIは5月初めに、ラスベガスで行われます。
私も行きます。

ご一緒しましょうか。

さて、日本のスーパーマーケットトレードショー。
私、3日間、ほとんど、ビッグサイトにおります。
時々、東京都心に所用で出かけ、抜けますが。

3日間、ビッグサイトの横のワシントンホテルに宿泊します。

日本でならば、私と一緒に、最大の食品フェアを見ることができます。
どうぞおいでください。
お待ちします。

本部事務局を拠点にしています。

さて昨日は、相鉄ローゼン(株)を訪れました。
実は、私たち(株)商人舎と相鉄ローゼン本部は、
100メートルほどのお隣さんなのです。

春日徹夫社長と御面談。
まずはご近所への引っ越しのごあいさつといったところ。
カスが
春日社長とは、一昨年、アメリカ視察ツアーをご一緒した仲間。
話は、「人の問題」に収斂し、
「トップマネジメント」をいかに養成していくか、
という点で、見解はやはり一致。

私は、「育てる」などといった意識ではなく、
「育つことのお手伝い」
もしくは「その人が本来、持っているものを引き出す」
あるいは「自ら、変わることのサポート」
これをやります。

さすがに春日社長、このポイントをご了解されている。

長いおつきあいのほど、よろしくお願いしたい。

そういえば、もう明日にでも、お台場で再会することになる。

皆さん、お会いしましょう、
握手しましょう。
写真撮りましょう。

明日から、写真構成のトレードショー交友録が始まります。

乞う、ご期待。

<結城義晴>

2008年02月18日(月曜日)

決算期末とひな祭り、「ブルーレイ」勝利⇒小売りの神は細部に宿る

Everybody! Good Monday!

2008年2月第4週。
今は、3月3日の「ひな祭り」に向けて、
「売場は、一色」のはずが、そうでもないという感じ。
長谷寺4
それよりも、季節感は、
梅の花や桜の花の開花によって、
強く感じられるのでしょうか。

2月が節分、バレンタインデーに特徴づけられるとするならば、
3月は、ひな祭り、ホワイトデーによって色づけされる。

2月が、女性が男性に誠意を見せる月ならば、
3月は、男性が女性に奉仕する月。

それはそれで、一貫したものが提案されれば、
お客様はその気分になってくれるものです。

気分を、こちら側でつくって差し上げる。

それが、現場に要求されること。

ところが、2月末で決算を迎える会社では、
特にこれからの2週間は、忙しい。
最後の詰めに、そして、来季への準備に、
各社、各店ともに忙殺される。

だから、毎年、意外なほどに,
「ひな祭り」商戦は、お座なりにされている。
私には、そう見える、そう感じられる。
表面的なプロモーションばかりで、
インパクトに欠ける。

だからチャンスでもある。

常にお客様の方を見ている店は、
成績が良いから、余裕がある。
だから準備怠りない。

だからまた、成績も良くなる。

逆の循環に入ったところは、
顧客不在に陥って、
だから決算期末などになると、
売場に提案性が欠ける。

お客様には、それは関係ない。
お客様は、それを冷静に見ている。
いや冷静に感じとっている。

だから、実は、今が大切なときなのです。

2月末決算ではない企業においても、
それは同じこと。

「神は現場にあり」

“Retail is Detail!”
「小売りの神は、細部に宿る」

2月第4週の今週こそ、
これが大事。

さて、次世代DVD競争に決着がついた。
HD-DVDをリードする東芝が、製造中止を表明。
ソニーなどが進める「ブルーレイ」が規格戦争に勝利。

アメリカでは、米国内4000店舗の世界最大小売業ウォルマートが、
HDの売り場からの撤去を発表したばかり。
その前に、1170店舗で年商359億ドルの巨人、
世界最大家電チェーンのベスト・バイが、
HDの敗北を裁定した。

小売業の判断で、
マーケットの意思決定がなされる時代。

かつての、ベータとVHS規格戦争を彷彿させるが、
あの時は、まだ、これほどに早い決着とはならなかっと思う。

ちなみに、私は、昨年末、
「ブルーレイ」を購入して、
個人的には決着をつけていた。

メーカーとして、
さらに小売業として、
今後、どう対応するのかにも注目し続けねばならないが、
この顧客から下される「二者択一」の意思表示。
私は、常に顧客から迫られていることの、
教訓にすべきだと思う。

とくに小売業は、いまや、
店も売り場も商品も、
常に、たった一人の競争相手と比較されている。

相手はたった一人。
マッチプレイのような競争。

顧客は、HDかブルーレイか、と迷って、決める。
同じように店も、白か赤か、迷って決める。
そういう時代。

皆さんも顧客の気持になってみると、よい。

赤か白か、決める。

その方が、面白い。
その方が、わかりやすい。
その方が、ラク。

政治も、店も、商品も。

これを「複占の競争」と、私は名付けた。

決算期末、ひな祭りを控え、「ブルーレイ」の勝利。
今週こそ、丁寧な仕事を。

「小売りの神は細部に宿る」

そういえば「ブルーオーシャン戦略」の時代でもあるから、
今年、来年度は「ブルー」の年となるかもしれない。

余談だが、わが商人舎のコーポレートカラーは「ブルー」。
私たちにとっては縁起の良いこれからだ。

といったところで、2月第4週。

Everybody! Good Monday!
(今、午前3時33分、今週も頑張ろう)

<結城義晴>

2008年02月17日(日曜日)

ジジと鎌倉[日曜版]

ずいぶん春らしく
なってきました。

うちのなかにいるボクにも、
わかります。

ジジ床の間1

ボクは、いま、
床の間が
気に入っています。

床の間の箱の上、
すわって世間をながめます。
ジジ床の間2

鎌倉の長谷寺。
ユウキヨシハルさん、
行ってきました。

春の鎌倉。
よかったみたい。
長谷寺1

イソミ先生のお墓。
昨年11月に、亡くなられた先生。
ユウキヨシハルさんの尊敬した先生。
百か日法要。
長谷寺2

イソミ先生の眠っていらっしゃる所から、
鎌倉の海が見える。
長谷寺3

ボクは、床の間に座ってる。
でも、ボクにも、
鎌倉の海、見える。
ジジ床の間3

キョロキョロすれば、
ジジ床の間4
鎌倉の春も見える。

長谷寺は、
梅が満開。
長谷寺4

白い梅の花。
匂いがするくらいに、きれい。
長谷寺5

ボクの床の間からも、
見えるのです。
jiji床の間5

おともだちと写真。
右から、スギタさん、スエナガさん、タカギさん、そしてオガワさん。
みんなイソミ先生を思い出した。
長谷寺6

長谷寺のタブの木。
凄い木。
hasedera7

尊敬したくなる木。長谷寺8

ボクも行ってみたい。
もっと暖かくなったら。
ジジ床の間6
ユウキヨシハルさんに、
お願いしてみます。

鎌倉の春。
鎌倉の海。
鎌倉の梅の花。

イソミ先生のお墓にも、
行ってみたい。
拝んでみたい。

鎌倉の空気、
どんな感じがするんだろう。
きっと気持ち、いいんだろう。

想像してみるだけで、
幸せな気分になります。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年02月16日(土曜日)

流通システムコンサルタント森龍雄先生を悼む

2月11日、月曜日。
建国記念の日。
森龍雄先生が逝去された。
享年79歳。

心より、ご冥福を祈りたい。
森龍雄先生遺影

昭和3年、香川県坂出のお生まれ。
幼少のころから、秀才と謳われ、
大阪陸軍幼年学校を経て、
戦後、東京工業大学電気工学コースをご卒業。

すぐに松下電器産業に入社、
無線事業部品質管理課勤務。
その後、坂出の実家の製塩業、建設業に従事。
昭和35年、日本能率協会コンサルタント、
物流システムの専門家として、昭和44年に独立。
日本リテイリングセンター常任講師。
その傍ら、昭和58年より、セブン-イレブン船橋栄町店オーナー。

晩年は、セブン-イレブンの店舗経営に精通しつつ、
アメリカのウォルマート研究に心血を注ぎ、
両者のシステム上の共通項、差異点を探究。

私は、この森先生のご研究、
何とか最後まで成し遂げていただきたいと思っていた。

この点だけは、残念だが、
森先生のお人柄は、素晴らしく、
良い交流をさせていただいた。

ずいぶん、ご一緒に旅行もした。
調査・取材も同行した。

私が駆け出しの頃、
一緒に、大阪の大西衣料の実地棚卸を調査したことがある。
衣料品の現金問屋で膨大な在庫を抱えながら、
毎月、実地棚卸をする大西衣料。
素晴らしいオペレーションは、
夕方から展開され、2時間ほどで片づいてしまう。
驚くべき仕組み、修練ぶり。

森先生は例によって、丹念にメモをとりながら、
「PERT図」に起こすべく調査を進められていた。

棚卸が終わり、インタビューが終了して、9時ごろ。
「先生、一杯やって、宿に向かいましょう」
私は声をかけた。

「いや、船橋に帰って、弁当の発注をします」

森先生、調査・取材をしながら、
セブン-イレブンの発注の仕事をないがしろにしない。
私は目前に展開されていた大西衣料の棚卸に驚いた上に、
森先生の仕事ぶりにも、驚愕した。
それほどに仕事に純粋で、ひたむきで、まじめな先生だった。

2月15日、船橋で告別式。
葬儀

ご家族との写真も、幸せそうで、
これはうれしかった。
森先生告別式

お別れのとき、
大阪陸軍幼年学校の同窓の皆さんが、
棺を前に、別れの歌を斉唱された。
森先生告別式
「遠別離」

程遠からぬ  旅だにも
袂分かつは  憂きものを
千重の波路を 隔つべき
今日の別れを 如何にせん

「ファミリーゲーム」という映画がある。
ショーン・コネリー主演。
この映画でコネリーが亡くなったときに、
皆で集まって、朗々と歌う。
「ダニー・ボーイ」

私は、そのシーンを思い浮かべた。
泣けた。

80歳前後のご老人たちが、
友の死を前に、歌う。
朗々と、歌う。

「遠別離」
中村秋香作詞 杉浦千歌作曲。

「遠別離」に送られて、
森先生は、逝かれた。

ご冥福を祈りたい。

<結城義晴>

2008年02月15日(金曜日)

「自ら、変われ!」の本当の意味<前編>丸一履物本店の閉店

昭和30年代初め、
日本一の履物商といわれた日下静夫さん。
日本一の下駄屋であった丸一履物本店。
丸一
日本中のお店が、
値切られ、値を負けていた時代、
敢然と「正札販売」を励行した。
その根本にあったのは、
顧客に対する「誠実さ」である。

値切り上手といわれる自分勝手な顧客が、
安く買う。
人柄の良い遠慮深い顧客が、
高く買う。

これに我慢がならなかった日下静夫。

値切り上手の自分勝手な顧客をバーゲンハンターという。
アメリカでは、チェリーピッカーと呼ぶ。
人柄の良い遠慮深い顧客を、ロイヤルカスタマーという。
私は、信奉顧客と名づける。

どちらも同じ顧客である。
しかしロイヤルカスタマーや信奉顧客が、
必要以上にないがしろにされていた。

日下さんは、それに我慢ならなかった。

だからどのお客様にも、
はじめからギリギリの値をつけて、
それを「正札販売」にした。

イノベーションであった。
「自ら、変われ!」であった。
だから、ここに、現代の商売に通ずるすべての要素が含まれていた。
「正札販売」だからセルフサービスが出来る。
スーパーマーケットやコンビニが運営できる。
ドラッグストアもホームセンターも、
100円ショップもカジュアルウェアのショップも。

学習院大学院長であった故田島義博先生。
銀座のある靴店の靴を、
永きにわたって愛用されていた。
同じデザインの同じサイズの靴。
だから、傷んで来ると、電話をして、届けてもらう。
それで十分だった。
値段も変わらない、品質もかわらない。
その変わらないことに満足していた。

何十年ぶりかで、銀座に出たときに、
その愛用の靴の店に、訪れた。

田島先生、愕然とした。

店頭にでかでかと紙が張られていた。
「全品、5割引」

田島先生には、一度も、5割引の通知が来なかった。

この店は、丸一履物本店の正反対のことをやっていた。

さて、丸一履物本店の日下静夫さんが、
「正札販売」を始めてから3年目。

ある医師の家に嫁入りのお目出度があった。
そのときの話。

再び、『店は繁盛のためにある』(倉本長治著)から引用する。

「嫁入りの祝いであったから招かれるままに彼も、
商売物の革草履を一足祝いに持って出かけたという。
田舎の習慣として、お祝い品が部屋の一室に飾ってあり、
招かれた客は、一応その壮観さを見て誉めなくてはいけない。
ところが、日下さんは、そのお祝い品の飾り付けを見て、
思わず涙が滲み出し、どうしようもなかったという。
――それは、三十何函の履物の祝い品がズラリと並んでいた、
その一つ一つがことごとく
丸一の進物函に容れられた自分の店の品ばかりで、
他店の履物は一足も贈られていなかったためだった」

「正札販売」の勝利の物語である。
親戚一統に羽織袴で口上を述べた日下静夫のイノベーション。
それが日本の商業を変えた。
そのために日下さんは、「自ら、変った」

しかし、この岡山県津山市の丸一履物本店、
今は、ない。
「津山の丸一履物本店はその後、
後継の日下智之君によって続けられていたが、
先年、バブルのはじける前に、
時代の趨勢に従って静かに閉店した」
『倉本長治』(倉本初夫著)

「正札販売」を掲げ、正しさを説き続けた丸一履物本店。

「畳がある以上、下駄屋に繁盛がある」
日下静夫の信念。

なぜ閉店しなければならなかったのか。

イノベーションがなかったからだ。

「自ら、変れ」
これがなかったからだ。

畳の生活が減っていった以上、
下駄屋も変わらねばならなかった。

イノベーションは、続けなければならない。
一過性のものではないのだ。

イノベーションし続けるという信念が、
組織の風土として、
定着しなければならない。

そこまで行かねば、本当のイノベーションとはいえない。

残念ながら、丸一履物本店にはそれが出来なかった。

理念だけでは、店は続かない。

残念ながら。

しかし日下静夫の信念は、今、
日本中に広まっている。
全体のことを考えると、こちらのほうが大事である。

店も、看板も、信用も、
「自ら、変らねば、滅びる」

しかしその信念を継ぐものによって、
信念は生き続ける。

それがこの日下静夫の物語の救いである。

<結城義晴>

2008年02月14日(木曜日)

「自ら、変われ!」の本当の意味<前編>日下静夫の口上

商業界で、正札販売運動を起こした人物。
それは、岡山県津山市の故日下静夫さんである。

2日にわたって、この日下さんの物語を中心に、
「イノベーショ」を語る。
ご愛読のほど、よろしくお願い申し上げる。

「畳がある以上、下駄屋に繁盛がある」
これが日下さんの信念。
日下静夫
津山市元魚町商店街の丸一履物本店。
それが日下さんのお店だった。

昭和30年台の初め、
1分間に何足もの下駄を商う日本一の履物商といわれた。

しかし当時から、下駄ほど値切られる商品はなかった。
下駄を買うとき、顧客は、店主や職人と向かい合って、
鼻緒をすげてもらう。
この15分ほどの、相対する時間に、
顧客から「負けてくれ」という言葉がかかる。
だから、値切られる
日本中、下駄は、値切られる商品だった。

昭和24年、日下さんは、値段を負けて売ることの不合理に、
我慢できなくなった。

値切り上手といわれる自分勝手な顧客が、
安く買う。
人柄の良い遠慮深い顧客が、
高く買う。

これに我慢できなくなった。
だからそれをやめようと思った。

しかし、ここで問題が出る。

叔父、叔母、親戚、税務署の役人、小学校の先生などが、
来店したときに、負けないですむかという問題。

当時の商人は、こういった近親者にはみな負けていた。

そこで、日下さん、一計を案ずる。
親戚一統に自分の家に集まってもらい、
羽織袴で「正札販売」のご挨拶をした。
有名な、日下静夫の口上である。

ちょっと長いが、『店は繁盛のためにある』(倉本長治著)から引用する。

「ご親戚の皆様が、手前共で下駄をお買いくださるとき、
これまで、適当にお値段をお引き致してきました。
皆様、大変お喜びくださいましたことと存じておりますが、
実はそれでも尚、多少の儲けは御座いましたものです。

そこで考えますに、
叔父様、叔母様でさえ喜んでくださったのですから、
今回、町内の衆やお知り合いすべての人にも、
お値段をおまけして下駄を売る覚悟を致しました。
サゾ皆様、お喜びくださることと思います。

しかし、どの程度のお知り合いまで値段を負けるか、
というケジメがハッキリ致しませんため、
思い切って、全商品の値札を、
叔父さん叔母さんにお売りするときの値段に下げてしまい、
以後誰がお買いに見えてもそのお値段で売るという便法を
執らせて頂くこととなりました。

故に、これからは、叔父様も、手前の店では
定価でお求め願います。

それはこれまで、おまけしてきた値段と同じ値でありまして、
叔父様はじめ皆々様には少しも不都合のない値段でありますから、
従来通りご安心してお買い求め願います。

ただ一般のお客様は、ウンと得をして、
従来のように一々値切る必要がなくなり、
これまでなら値切っても、
トテモそこまでは引けなかった値段で
モノが買えるのであります。

どうぞ、丸一、一生のお願いでありますから、
この点ご了承を!」

親戚一統、あっけに取られた。
そんなばかげたことがあるか、
丸一は潰れる、
散々に罵られた。

しかし日下さん、頑として動ぜず、
商品の値下げと正札販売を励行した。

その年、1月に始めて、客数はどんどん下がっていった。
しかし10ヵ月後、やっと売り上げが元に戻った。
赤飯を炊いて、祝ったほどだ。
やがて、一年、二年、
津山市内に40数軒あった下駄屋が、
少しずつ減っていって、
昭和30年には、10数軒になってしまった。

「正札販売」の勝利であった。

<つづく>

2008年02月13日(水曜日)

ケノス小林清泰さんによって「商人舎」トータルデザイン生まれる

昨2月12日、(株)ケノス社長の小林清泰さんが、
(株)商人舎を訪れてくれた。
ケノス小林さんと

ケノスは、デザイン・コンサルティングの会社。
小林さんは、一級建築士で、
小売業の店舗デザイン、CIなどの専門家。
チェーンストアのCIやデザインには定評がある。
ローコストで、
なおかつホスピタリティにあふれたもの。

難しい。
それを成し遂げるのがケノスである。

小林さんは、そのうえで、素晴らしい人格者。

その小林さんの会社ケノスが、
わが商人舎のビジュアル面を受け持ってくださる。
しかもそのデザインを、直接持ってきてくださる。

私は、胸がわくわくしていた。

さて、午後、3時過ぎ、
小林さんが携えてきてくださった3つのトータルデザイン案。

私は、初めて見せてもらって、
感動した。
涙が出るほどうれしかった。

そして、気づいた。
私たちの会社には、
まだ形となるものがなかったということに。

私は、言葉で、仕事してきた。
言葉を考える。
言葉を書く。
言葉を喋る。
言葉を伝える。

これはこれで大切なこと。
有益な手段。

しかし、小林さんの仕事は、
私とは違う。

言葉を見せる。

言葉が、見えるものとなった時、
言葉は、さらに強い力を持つ。

私は、小林さんがつくってくれた「商人舎」のデザインの数々に、
それを強く感じた。

頭では、分っていた。
数多くの事例にも接していた。
しかし、自分でつくった自分の会社の「言葉を見せる」ことは、
初めての経験だった。

小林さんとケノスがつくってくれたデザインを見ていて、
私は「商人舎」が自分のものではなくなりつつある、と思った。
「商人舎」が、もう、独り立ちし始めていると思った。

「自主独立」が、「商人舎」のスローガンの一つである。

その「商人舎」自身が、
自立し始めている。

うれしいことだが、
なんだかちょっとさみしくもある。

もう少し私自身のものでいてほしい気もするが、
何より、この「商人舎」を社会貢献できるものにしたい。
そう考えている。
「商人舎」のスローガンの一つが、「社会貢献」である。
そして、言葉が、デザインとなって、
「商人舎」自身のスローガン「自己革新」を遂げた。

ああ、うれしい。

小林清泰さんとケノスに、
心から感謝。

<結城義晴>

【追伸】
ケノスの「商人舎」トータルデザインは、
名刺、封筒、便せん、ファックス用紙、看板、テキストなど、
様々な局面で、徐々にお披露目いたします。

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