結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年07月11日(金曜日)

日本スーパーマーケット協会総会パネルディスカッションとオール日本スーパーマーケット協会チェッカーフェスティバル

7月10日、忙しい日だった。
午前中、横浜・商人舎オフィスで、
企画会議。

8月、9月、10月と、
為になって、なおかつ面白いセミナーや研修会が、
続々と発表されます。
お楽しみに。

そのあと、帝国ホテルへ。

日本スーパーマーケット協会第9回通常総会と、
総会後の恒例・パネルディスカッション
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一昨年を除いて私は、ずっとコーディネーターを務めている。
パネラーは、協会の正副会長の皆さん。

今年のテーマは、
「商品と価格の問題を徹底議論する」
私の提起は、「食糧と燃料」そして環境の問題山積のとき、
日本のスーパーマーケットはどう考え、どう進むのか。
まさに「潮目が変わった」とき、
しかしその「潮目が読めないとき」

この「オクシモロン」の問題解決をいかに実行するのか、というもの。
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今回も、真っ向から議論してもらうつもりで、臨んだ。

日本スーパーマーケット協会会長の清水信次さん。
ご存知、ライフコーポレーション会長。
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「食糧や石油よりも、人口問題のほうが、重大なテーマ。
地球の人口は2000年前は、1億人だった。
1000年前は、2億人。
200年前は10億人で、100年前は20億人。
この100年で20億人が67億人になってしまった。
店舗に適正規模があるように、
地球の人口にも適正規模がある。
それは25億人という調査がある」

「人口問題と共にファンドマネーの、
つまり金の問題も大きい

「日本人は、もっと貧乏になったほうがいい。
贅沢すぎるし、謙虚さがなくなった。
30年前まではよかったが、この30年でおかしくなった」

いつもの清水ワールドが展開され、会場から拍手がまき起こった。

協会副会長で、エコス会長の平富郎さん。
「美味しいものが、必ずしも高いわけではないし、
安くておいしいものもある。
種無しブドウや桃がそうだ。
鰯も秋刀魚も。
それを知って、探して、お客に売るのが我々の仕事」
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「無駄が多すぎる。
無駄を省けば、個々の企業が持っている文化の中で、
生産性と効率もあがる」

「生鮮食品はプライベートブランド。
機械でつくるものは、安さが必要。
水と太陽でつくるものを中心に商売するのが我々の仕事」
名言。脱帽。

平さんは、本当の「知識商人のあり様」を自ら語ってくれた。

協会副会長でオークワ会長の大桑堉嗣さん。
日本流通産業の社長でもある。
だから商品と価格の問題に関しては、数字でご報告くださった。
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「二チリウは16社と3生協の、
2兆8000億円のグループ

そのうち2400億円強がグループのプライベートブランド」

「食品で800品目、住関連で1700品目、衣料品で3000品目の、
くらしモアというPBをもつ。
それがオークワの場合、18.1%を占める。
これを20%までもっていく。
大手に対して、我々が団結して、このPBで闘う。
それが現在の戦略」

力強いし、自信に満ちている。
ニチリウ加盟企業の好調さを背景にしているからでもある。

協会副会長で全日本食品社長の齋藤充弘さん。
ボランタリーチェーンの全日食チェーンの総帥。
齋藤さんの話は、データに基づいていて、
しかも示唆に富む。
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「仕入れの時代から、調達の時代に変わった」
名言。座布団三枚。

「加工食品に関して、売価と商品の売れ方には関連性がある。
我々は100万件のデータを持って、それを解析している。
ボランタリーチェーンの加盟店は、それぞれ勝手に値付けする。
しかし値上げに関しては、保存の利かないものは、
1カ月で店頭売価が上がってくる。
保存の利くものは、ぴったり3カ月で値が上がってくる」
つまり生鮮食品や日配品は、値上げがあっても買われ、
加工食品は、3カ月かかるということか。

「メーカーのトップに言った。
値上げを飲まないと言い張る小売業には、
売らなくて良いんじゃないの?」

齋藤さんらしい、挑発的なご発言。
私、こういうところが大好きだ。

さて、今回は席順でも、総括の役回りになってくださった副会長。
ヤオコー会長の川野幸夫さん。
いつも理論的。
そして説得力がある。
貫いてきたものがある上に、
19期連続増収増益。
貫いてきたからこそ、この実績をつくったのだと思う。
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「パラダイムの転換のとき、我々はいかに供給責任を果たすか」

変化適応業であると同時に、変化指導業である」

「今、集荷能力が大切。
日頃の態度がリトマス試験紙となる」

「サプライチェーン全体が運命共同体となる時代」

「コモディティ商品とライフスタイル商品があって、
コモディティは価格が大事、
ライフスタイルは個々のお店ごとの値ごろが大事。
だから商売のコンセプトがなければいけない」

川野さんの席順に感謝した。
席順をつくったのは、協会事務局長の江口法生さんと私だが。

さて最後に私がまとめた。
製・配・販のコラボレーションからハーモニーへの条件。
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①共通のゴールを持つ
②サプライチェーン全体で一つのターゲット顧客を持つ
③メーカー、卸、小売は共通の言語を持つべき
④共通の情報を持つ
⑤共通の指標を持つ
⑥ジョイント・スコア・カードをつくる
⑦人材を育成する
⑧シングルチームとなる
⑨ルーティンベースで仕事する
⑩すべての会社をかかわらせることは難しくなる

600人を超えた聴衆の皆さんに、ご清聴を感謝したい。
聴衆

拍手のなか、降壇するパネラーの皆さん。
降壇
ありがとうございました。
今年も、稀に見るパネルディスカッションでした。
私は、心より楽しみました。

さてその後の記念パーティ。
同協会会長の清水信次さんのご挨拶。
ピンでステージに立つと、
パネルディスカッション以上に映える。
毒舌とユーモア、そして日本と日本人に対する大きくて深い愛。
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日本のスーパーマーケット業界は、
絶対に清水さんを中心にまとまらなくてはいけない。
特に政治・行政に対しては。
私は、そう思う。

ご来賓の挨拶は、参議院議長・江田五月さん。
清水さんからの突然のご指名。
それでも気持ちよく、祝辞を語ってくれた。
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経済産業大臣の甘利明さん。
流通通の政治家らしく、勘所を押さえたご挨拶。
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私、ユータカラヤの高木勇輔君の結婚式でご一緒した。
忙しいのに、40分も、席についていた。

協会発足時から事務局長、専務理事として、
尽力された並木利昭さんがご退任の挨拶。
素晴らしい。
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とはいっても、協会を去るわけではなく、
ライフコーポレーションの人事本部長として、
実務に戻るわけで、
並木さんの実力が、いよいよ、現場で発揮される。
期待、大。

代わって、倉田新専務理事もご挨拶。
よろしくお願いします。
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乾杯のご発声は、準会員を代表して、
国分社長の國分勘兵衛さん。
パネルディスカッションのことを引き合いに出してくださった。
パネラーともども感謝。
乾杯

懇親会では、様々な皆さんより、
お褒めの言葉を頂いた。

ここには、お名前を上げることができず、
恐縮。
でも、どんどんご連絡ください。
商人舎も結城義晴も、
いつも、
ずっと、
オープンマインドです。

伊藤ハム社長・河西力さん、伊藤ハムの面々と懇談。
伊藤ハム

1時間ほどで、懇親パーティを辞して、
横浜みなとみらい・東急ベイホテルへ。

こちらはオール日本スーパーマーケット協会
部外者には、分かりにくいかもしれないが、
「オール日本」と「日本」、それから「全国」と、
三つの名のつくスーパーマーケット協会があるのです。

それに日本セルフ・サービス協会も、
スーパーマーケットに関する協会。

さてこちらのオール日本は、チェッカーフェスティバル
チェッカーコンテストが発展して、
レース型のスポーツのような競争から、
アート型の芸術祭のようなものになった。
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それでも41人のフェスティバル参加者のうち、
6人の優秀賞が決まると、
みな、涙、涙。
本人はもとより、応援団の同僚、チェッカートレーナー、
そして担当の取締役から社長まで。
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北海道の、ある社長さんの目に涙。
私、しっかり見てしまった。

優秀者には、同協会会長の荒井伸也さんから、
表彰状とトロフィーと記念品の贈呈。
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荒井さんは、総評を語った。
「チェッカーの一人ひとりの接客応対に、
その企業のカルチャーが映し出されている」

やはり鋭い観察眼。

私もまったく同感。

だからアートなのだ。
芸術なのである。

チェッカーの仕事は、
芸術的パフォーマンスとなる。

高次元に達すると。

そしてチェッカーさんに、
お客がつく。

芸術のファン、あるいはアーティストのパトロンである。

だからチェックスタンドの仕事は、
セルフサービスの小売業、外食産業にとって、
とても重要なのである。

北野祐次名誉会長を挟んで、
荒井会長と私。
クールビズで、恐縮。
北野さん、荒井さんと

パーティの最後に、
優秀賞に輝いた京都のマツモトのクルーと記念写真。
心より、おめでとう。
マツモト
私も、皆さんのファンです。

その後、荒井さん、とりせん社長の前原章宏さん、
関西スーパーマーケット社長の井上保さん、
アルプス社長の松本清さん、
あづま食品社長の黒崎英機さんらと懇親。

今日は、楽しかった。
気持ちよかった。

無性に、感謝したくなった。

<結城義晴>

 

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