結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年08月31日(日曜日)

ジジへの贈り物[日曜版]

もうすっかり秋です。

夏のおわりに、
贈り物が届けられました。

ボクへの贈り物。
1
ユウキヨシハルさん、
会社からもちかえった。

ありがとうございます。

贈り物は、食べ物。
「フリーズドライのササミ」
贈り主は、マルヤマさん。
2

さっそく開けてもらった。
但馬鶏の高級ササミ肉を、
瞬間凍結したかたまりがでてきた。
3
まず、におい。
ふむ、ふむ。

これを、細かくちぎってもらって、
食器に入れる。
4

そして、試食。
5
「試食は、
通常の量を、
通常の頻度で、
繰り返さねばならない」
ユウキヨシハルさん、
そう言ってる。

だから結果は、
繰り返し試食して、考えます。

ボクの定番メニューは、シーバ。
これは、変えません。
6
変える必要のないものは、
変えない。

これが、ボクの哲学。

一般に、「食」とは、
とても保守的なもの。

ニンゲンもネコも、
おなじです。

でも、おもしろかった。
マルヤマさん、
ありがとうございました。
7
ボクはいつも、玄関で、
おとうさんが帰ってくるのを、
まってます。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年08月30日(土曜日)

商人舎オフィス「千客万来の記」――「艱難と忍耐と練達と希望、希望は失望に終わることはない」 

「ザ・プライス」オープン。
セブン&アイ・ホールディングスの新業態。
ディスカウント・ハウスと呼ばれるフォーマット。
1000坪のイトーヨーカ堂西新井店の改装物件。

プライベートブランドは扱わない。
いわゆるメーカーのナショナルブランドを
10%~30%ほど安く売る。

品揃え品目数は、イトーヨーカ堂レギュラー店の半分。
人件費は3割削減。
イニシャルコストを抑え、
販促費も削減して、
ローコスト経営を図る。

この商売の見極めは、二つ。
商品部をイトーヨーカ堂やセブン&アイ・ホールディングスから、
独立した組織にできるか否か。
新店で、営業利益が出る仕組みが完成するか。

この2点に関心を持ちながら、注視したい。

さて、29日金曜日。
久しぶりに一日中、横浜の商人舎オフィス。
来客が相次いだ。
千客万来。
うれしい限り。

まず、午前中に、大高愛一郎さん。
コーネル大学RMPジャパン事務局長。

大高さんは、コーネル大学の修士課程を卒業している。
だから英語も堪能。

私が、副学長で、大高さんが事務局長。
日本中探しても、この役割にふさわしい人は、
大高愛一郎以外に見当たらない。
私は、そう思っている。
オオタカさん
10月3日の開校記念セミナーの打ち合わせ。
10月スタートの講座の詰め。
コーネル大学ジャパンのホームページの試作画面の修正。
どんどん決まっていく。
心地よい。

学校を始めるという仕事は、大変なことです。
それをコツコツと誠実に実行してくれる。
大高さんは、実にいい。
社会的的使命に、燃えている。

世のため、人のために働く。
大高さんは、そういった仕事に向いている。
物を買ったり売ったりの商売よりも、
人に教え、人を育てる仕事に、
必須の誠実な人柄を有している。

何というか、育ちがいい。

これは、かけがえのないこと。

昼食は大高さんと、野田岩の天然鰻。

その後、(株)マスダ顧問の増田伊作さん。
私たちは、30年来の付き合い。
病気をされていて、ちょっと元気がない。
でも、「元気を出そうよ」の結城義晴。
私のところに来るのは、いいことです。
じっくりとお話を聞く。

「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」

(新約聖書・ローマ人への手紙5章)

伊作さんは、最後にこの言葉を言った。

私は、自著にサインして、伊作さんに贈った。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

「あしたにきぼう、ひるにどりょく、ゆうべにかんしゃ」
伊作さんは、正確な日本語で、声に出して呟いた。
そして静かに帰っていった。

増田伊作さんと入れ替わるように、
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)事務局来訪。
10月のアメリカ視察ツアーの打ち合わせ。
中村伸一郎さん、深瀬司朗さん、そしてJTB西日本の森内憲吾さん。
AJSのみなさん
AJSの展示会の商品を大量に、置いて行ってくれた。
感謝。

さらに入れ替わるように、
ブルーチップ(株)常務取締役の宮本洋一さんと、
取締役営業本部長の松浦克幸さん。ブルーチップのお二人
宮本さん(写真右)は、商人舎発足の会の発起人。
お二人は商人舎ファミリー。

9月12日の講演の打ち合わせを兼ねた懇親のため。
「イノベーションとロイヤルカスタマーづくり」を語ることになった。
それ以外にも、さまざまな意見交換。
「地場スーパーマーケット」を支援、サポートし続けるのが、
ブルーチップの方針であること、
宮本さんが社長となって設立した新会社ビーエスエス(株)のこと、
コーネル大学ジャパンのこと、
日本の流通業界のこと。

流通プロフェッショナルのお二人と話していると、
時間はあっという間に過ぎる。

その懇親、商人舎近くの「柳せ」で。
ボトルキープした焼酎に、
宮本さんが私の似顔絵を描いてくださった。
bottle
いつか、二人で、「絵本」を出すことをお約束。

ここでも、あっという間に時間が過ぎた。
飲み屋
今年、12月に鹿児島県の視察ツアーを組むことが決まった。
宮本さんの実家のコンビニ「Iショップみやもと」、
それに「AZスーパーセンター」。
どちらもこんな過疎地でよく成り立っているという商売。
しかし、両店は凄い。

今から、楽しみ。
ありがとうございます。

商人舎への「千客万来」。
うれしい限り。

知識商人が集うところ。
それが商人舎。

皆さんも、どうぞご来店ください。
いつでも、だれでも、
心から歓迎します。

<結城義晴>

2008年08月29日(金曜日)

パラダイムの転換とパチンコチェーンストア協会の熱さ

「パラダイム」とは、哲学用語で、
「一時代の支配的な物の見方」を意味する。
広辞苑から引いたもの。
「特に、科学上の問題を取り扱う前提となるべき、
時代に共通の思考の枠組」
と広辞苑では続く。

このパラダイムの転換で、
もっとも有名なのが、
「天動説と地動説」

天が動くというパラダイム、永らくヨーロッパを支配していた。
キリスト教によって迷信の如く信じさせられていた。

しかしガリレオ・ガリレイが発見してしまった。
地が動いているのだ。

「地が動いている」
これを口に出すだけで、
ガリレオは教会から迫害された。

パラダイムの転換のときには、
こんなことが起こりやすい。

ビジネス上で見れば、
いま、このパラダイムの転換が起こっている。
私はそう見ている。

伊藤雅俊セブン&アイ・ホールディングス名誉会長は、
「潮目が変わった」と表現した。

さて、8月28日も忙しい結城義晴。
朝、横浜みなとみらい。
パンパシフィックホテルで、
荒井伸也さんと打ち合わせ。
FMIジャパン事務局の中間徳子さんも同道してくれた。
私のパートナー。

荒井さんはご存知、作家・安土敏。
オール日本スーパーマーケット協会会長、
コーネル大学RMPジャパン主席講師としてもご尽力いただく。
そのコーネル大学ジャパンの、
カリキュラムと講座内容の打ち合わせ。

70講座は、私の構想。
荒井さんから、さまざまなご意見を頂いて、
ますます充実の内容となった。

乞う、ご期待。

大雨の中、急ぎ、千葉県舞浜のホテルオークラへ。

パチンコチェーンストア協会の社員総会。
そして第26回公開経営勉強会。
1
第1部は、宮本正暉さんの講演。
「パチンコ営業の現状と展望」
パチンコホールには今、
価格4分の1の営業方法が登場している。
その現状を報告してくれた。

第2部が、私の出番。
「パチンコ営業の新業態とチェーンストア」
7
私は、パラダイムの転換のときにこそ、
新業態が登場することを示した。
それが時代を画するチェーンストアに成長してきたことも、
事例を挙げて説明した。
百貨店のボン・マルシェ、
スーパーマーケットのキング・カレン、
ディスカウントストアのKマート、ウォルマート、
日本のスーパーマーケット・紀ノ国屋、
コンビニのセブン-イレブン。

そして「1円パチンコ」といわれる業態こそ、
新フォーマットなのだと説いた。

なぜか、私のテンションは最高潮に達した。
不思議な経験だった。

第3部は、パネルディスカッション。2
夢コーポレーション、
トライ&トラスト、
アメニティーズ、
3社から3人ずつ、若い人がズラリとそろった。

赤字店から黒字店に転換した事例。
お客様から喜んでいただいた報告。
お店を仕事を、こう変えて生きたいという決意表明。

いい話ばかりだった。

この会社の経営者の皆さんこそ、
本当に嬉しかったに違いない。

よい勉強会だった。

次の公開勉強会は11月21日金曜日。名古屋にて。

さて、勉強のあとは、いつものように懇親会。
それも、いつも「全員参加型」。
これがよい。

乾杯の音頭は、松田泰秀さん。
夢コーポレーション(株)代表取締役会長。
3
私、久しぶりにお会いして本当に嬉しかった。
同社は愛知県豊橋市に本部を置く年商1329億円の会社。
私の「パラダイムの転換」を引き合いに出したご挨拶。
これにも感謝。

特別スピーチは、佐藤洋治さん。
ダイナム・ホールディングス社長。
佐藤さんの話、熱くて、厳しかった。
テンションが高かった。
8
このパラダイムの転換のときに、
業界が動きつつあることを予感させる熱を持っていた。

パラダイムの転換のためにこそ、
勇気を持って、真実を言わねばならない。

真実を言う人は、熱い。
勇気が熱となって、ほとばしり出るからだ。

懇親会は、ほぼ全員が壇上に上がって、スピーチするスタイル。

その合間に、ダイナム取締役の森治彦さんと懇談。
4
PCSA法律問題研究部会リーダー。
パチンコホールに関する法律に関しては、
専門の弁護士よりも詳しく、正しい。
秋に、商人舎から森さん執筆の単行本が発刊されます。
ご期待のほど。

中締めのご挨拶は、恒例の大商会長・国澤良幸さん。
5
今回は特によい話だった。
皆が、明るく、元気になった。

そして最後は、いつも、
この会を取り仕切ってくださる縁の下の力持ち。
中島基之専務理事と写真。
6
パチンコホール業界の監督官庁は警察庁。
だからあまたある業界の団体には、そのOBが重職を担っている。
もちろん、重要な仕事をしている。
しかしPCSAだけは、例外的にそれがない。
中島さんは、英語堪能な知識商人だ。

その中島さんが、身を粉にして、
業界のために働いてくださっている。
私、心から尊敬している。

今日も忙しかった。
しかし、今日も充実していた。

真実を語る人は、熱い。
真実を語るためには、
勇気が要求される。
そして勇気を搾り出すと、
人間は熱を発するのだ。

パラダイムの転換には、
この熱が不可欠である。

朝に希望、昼に努力、夕に感謝。

<結城義晴>

2008年08月28日(木曜日)

「値上げと値下げ交錯の秋」にはじっと動かず、それをお客様は一番望んでいる

今週は、全国的に雨模様。
客足に響く。
週末には、何とかスカッとしてもらいたいもの。

今日の朝刊。
日経新聞は「値下げと値上げ交錯の秋」と中間総括。
朝日は「ガソリン卸値5円安」を一面にもってきた。
読売は経済面で、「松屋の値上げと新日本石油の値下げ」を報じた。

石油は世界相場が安定してきた。
世界的に需要が低下し、
同時にアメリカ、ブラジルなどで増産体制に入ったから。
穀物も世界相場は、
小康状態から、値下がり状態へ。

しかし、コンシューマー製品は値上げが続く。

これは高速道路の自動車渋滞に似ている。

先のほうは、すいすい走っているのに、
後ろは渋滞。
その渋滞の波が、断続的に訪れる。
しかし、50キロも渋滞が続くという悲惨な状況からは、
少しずつ脱してきた。

伊藤忠会長の丹羽宇一郎さんが言うとおり、
今年の終盤には落ち着くか。

しかし、以前に比べると、
全体に高止まりする。

わざわざもとのレベルまで値下げすることはない。
ここに企業の論理が働く。

しかしこのように、体制として企業の論理が動くところには、
それを逆手に取ったディスカウント作戦が、
入り込み、現出する余地が生まれる。
必ず、この現象が起こる。

そこで、自分はどうするか。

価格や相場が乱高下するとき、
お客様から信頼を得る方法は、
出来る限り、じっと動かないこと。
長い目で見て、収支を考えること。

お客様は、投資家ではない。
だから平穏無事を望む。

それに応えることだ。

それが本当の企業の論理である。

さて昨日は一日中、会議。
そして夕方の5時から、講演。
東京・上野、三洋電機(株)本社。

私、仕事した後の皆さんに講義するのは、大好き。
何というか、満足感がある。

販売部隊、マーケティング部門へのモチベーションアップの講義。
1

本社会議室での、夕方から仕事が終わってからの講義。
存分にお話した。

私、時間を間違えた。だから140分になってしまった。
恐縮。しっかり聴講してくださった全員に心より感謝。
211

三洋電機販売(株)取締役大崎公司さん。
営業本部法人営業統括部副統括部長。
3
大崎さんとは、本当に長いお付き合い。
ペガサスクラブの中堅育成セミナーを受講したことがあるそうで、
その意味では私の同窓生。
かつては、家電や什器、食品や雑貨のメーカーの人たちも、
チェーンストア理論や流通革命論を、
小売業の人たちと一緒に勉強した。
最近は、それが少ない。
残念なこと。

右から三洋電機(株)マーケティング本部副本部長・柴田康祐さん、
三洋電機販売(株)常務取締役・菊田盛夫さん、
三洋電機販売(株)営業本部プロモーション部部長・阿久澤光明さん。
4
柴田さんと阿久澤さんは、毎日、
熊谷から新幹線通勤だとか。
毎朝、7時台の新幹線に乗るという。

ご苦労様です。

再び、すべての皆さんに感謝。

<結城義晴>

2008年08月27日(水曜日)

福田内閣太田誠一農水相の事務所経費問題と鎖の輪の強度と農業の歴史

「福田新内閣のチョンボが心配」と書いたが、
太田誠一農林水産大臣の事務所経費問題が発覚。

農林水産省は、今、重要な役所だ。
何とか頑張ってもらいたいとは思うが、
この分野を得意とする政治家には、
なぜか問題が多い。

私の経験でもあるが、
重要な役回りが回ってくる部署には、
必ず問題を抱えた長がいる。

まるで、問題の長がいるから、
その部署が、全体の中で、
重要なポジションに、
変わってしまうかのような錯覚を持つほどだ。

チェーンストアにおいて、
チェーン(鎖)全体の強度とは、
一番弱い部分の強度である。

鎖は、物を縛りつける道具ではない。
重い物をロックして運ぶための道具である。
あるいは、船の碇についている鎖のように、
物を安定させるときに使う道具である。

鎖全体の強度が重要になる。

鎖の輪の、一つひとつが強度を競っても、
あまり意味はない。

鎖が切れるときには、一番弱い輪が切れる。

良い鎖は、すべての輪が同じ強度を持っていること。
すべてが機能し、すべてが同時に切れる。

これはチェーンストアに限らない。
組織でも、ほころびが出るのは、
一番弱い部分である。

一番弱い部分の強度が、
その組織全体の強度となる。

だからリスク・マネジメントとは、
一言で言えば、一番弱い部分の防御策ということになる。

福田内閣も、
いや自民党の内閣も、
日本の行政府も、
一番弱いところが切れやすい。
そして一番弱いところが、
内閣全体の強度を示している。

だから問題のある長が就任する部署が、
一番重要なところとなる。

そして農水省が、残念ながら一番弱いし、
一番重要な省庁ということになる。

食糧問題、食品偽装表示問題、
食品流通問題、農業環境問題。

日本においても、
世界においても、
重要な課題が山積している。

農業は、人類の最初の革命だった。
人間の、動物との違いは、
行動という視点だけで見ると
狩猟から農業に移行した点にあった。

ライオンでもトラでも、
狩猟はする。
植物を意図的に管理する「農業」という行為をする動物は、
人間だけだ。

アメリカも、フランスもドイツもイタリアも、
農業国である。

遠く2000年前のローマ帝国の時代、
ローマは世界最新の農業国だった。

ガリアといわれた狩猟民族の国フランスは、
ユリウス・カエサルによって、
ローマ化し、農耕民族となった。
そのころゲルマン民族は、狩猟を主としていた。
彼らもやがて、ローマ化していった。

そんな歴史を持つヨーロッパ。

日本も弥生時代から農業を主とした。
日本はつい最近まで、農業国だった。

統治の仕方は近代的とはいえなかったけれど。

こんな歴史を背負った農業。

日本の農業の行政府の長には、
歴史に刻するほどの人格者が必要だ。

本当にそう思う。

昨日の「このひとのこのひとこと」。
ダイナム・ホールディングス社長
佐藤洋治さん。

佐藤講師  
「現状を否定して、
どうすれば良くなるのかを考える。
そして改善案を出す。

現状を否定しなければ、
絶対に良くならない」

<結城義晴>

2008年08月26日(火曜日)

「ここに置いてもお金にならん」バックヤード在庫へのひとこと

「ここに置いても、お金にならん」
(株)セイミヤ加藤勝正社長の言葉。
在庫
売り場からバックヤードへ移動しながらの言葉。

8月23日、先週の土曜日。
茨城県の(株)セイミヤの店舗を視察。
カスミの店にも、寄った。

前日夕方、講演した後の勉強。

セイミヤは、1店1店、良い店づくりをしている。
加藤さんは、その1店1店を大事にしている。
セイミヤ

生鮮食品は、スーパーマーケットの命。
しかも加工処理しなければ、
最終商品にならない。
だからバックヤード在庫ゼロというわけにはいかない。

しかしドライグロサリーは、
バックヤードに在庫を置いても、
お金に変わらない。

だから売り場に置く。

これ、商売の原点。

加藤さんは、この点に関して、
まだまだ現場に徹底してもらいたいようだ。

商品は、回転してこそ、生きる。
売れて初めて、お金に変わる。

今日の日経新聞に、衣料品チェーン各社の在庫の話が出ている。

「販売効率の低下」と表現されている。

ニクロ 年間11.1回転。
しまむら 11.3回転。

ポイント 20.7回転。
ハニーズ 11.2回転。

ユナイテッドアローズ 4.3回転。

全社が前年同期比で、回転率を下げている。

「バックヤードに置いておいても、お金にならん」

全部売り場に出す。
しかし売り場が、
それに対応できるようになっていなければならないし、
発注のシステム、売り切りのノウハウ、
すべての条件が揃わねば、
在庫は回転しない。

しかしスタートは、これだ。
「ここに置いても、お金にならん」

<結城義晴>

 

2008年08月25日(月曜日)

夏の後始末と秋の前始末の週⇒前を向いて、9月の、そして10月・11月の「前始末」をつけよ!

Everybody! Good Monday!

2008年8月最後の週です。
今日から、夏の後始末と秋の前始末。

関東地方、中部地方、東北地方は雨模様。
晴れたならば、朝夕が秋で、昼間は夏。
それがこの2週間ほどの天気。

だからお客様も知識商人も、
夏の後始末と秋の前始末。

お客様のほとんどは、
生活の後始末に終始する。

それが生活者だ。
学校に通っている家族の夏休みの宿題を考えてみれば分かる。

主婦は、秋物衣料と夏物の入れ替えを、
準備しなければならない。
それがなかなか出来ない。

それをお手伝いするのが、知識商人。
だから商人は、前始末を重視する。

「前始末」とは――
ユニクロの柳井正さんの言葉。

ご存知、ファーストリテイリング会長兼社長。
現在、衣料分野で「一人勝ち」といわれている。
柳井さんと1
その柳井さん、「前始末」「前始末」と、
口をすっぱくして言う。

単なる事前計画ではない。
プランを立てる。
それが実行され、
実践され、
実現されるところまで、
「前始末」しておく。

これを「システムにする」と称する。

この1週間は、9月、10月、11月の、
3カ月の計画が確認されるとき。
そして、年末商戦まで見通すとき。

そのためにチェーンストアやスーパーマーケットは、
本部と店舗との分業体勢をとっている。

チェーンストアを「標準化」に象徴させる人がいる。
学者もコンサルタントもライターも。
しかし、それは全く違う。
「標準化」はとても大切な概念だ。
しかし「標準化」を金科玉条のごとく考えると、
「画一化」になりやすい。

本部と店舗との分業こそ、
チェーンストアの本質だ。

そのために、店舗では、
「標準化」を前提として、顧客対応する。

個別の顧客対応のために、
「標準化」が邪魔をするならば、
顧客が優先される。

それがチェーンストアやスーパーマーケット。

だから今の時期、
本部が秋の計画、年末の見通しを、
「前始末」で終了させ、店舗に説明する。

店舗は「前始末」で、現場の準備をする。
それが、今だ。

本部と店舗の分業がない会社や店は、
どうする?

そんな会社や店では、
本部の役目をトップがやっている。
社長、専務、取締役の仕事。

トップの仕事として、
「計画の前始末]が手におえなくなったら、
あるいはずさんになったら、
それはトップ自身の能力と気力が足りないか、
トップマネジメントとしての資格がないか、
あるいは本格的なチェーンストアを志向しなければならないか、
どれかだろう。

前二者のほうが圧倒的に多いが。

そんな「前始末]のとき。

前を向いて、
前を向いて。
もう、後ろは、
振り向かなくてよい。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

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