結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年08月24日(日曜日)

ジジ、蝉の命を考える[日曜版]

ボクが気づいたように、
ヨコハマには、
秋がやってきました。

朝から、セミの声が、
はげしいけれど。
アップ
秋は、物思いにふけるとき。
ボクだって、考えます。

ボクは、寝ます。
よく、寝ます。
ネル
目があいてますが、
寝ています。
ボクの、不思議な特技。

起きたら、あくび。
これが、気持ちいい。
akubi

そして、歩いて行って、
定位置で、食べる。
きちん、きちんと、食べる。
水も、飲む。
食べる

食べたら、元気が出てくる。
ユウキヨシハルのお父さん、
「元気を出そうよ」って、
いつも、言ってる。
食べる2

それから、家の中の家へ。
ボクの定位置のひとつ。
家の上

家の中の家の屋根に上って、
顔を洗う。
右手で、顔を、
くるくるとやるだけですが。
洗顔
これも、きちんきちんと、
毎日、やります。

そして、正座して、
物思いにふける。
考える

お父さんが、
教えてくれた。

セミは、夏が終わると、
死んでしまう。
蝉2

秋の気配がすると、
死んでしまう。
蝉
土の中から出てきて、
そのあと1週間くらいしか、
生きることができないらしい。

ボクは、毎日、
寝て、食べて、顔を洗って、
生きている。
考える

生きるって、
なんだろう。

死ぬって、
なんだろう。

いつまで、
生きるんだろう。

いつ、
死ぬんだろう。

ボクも、秋を感じたら、
そんなことを考えます。

生きてるセミの声をききながら、
死んだセミのことを思います。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年08月23日(土曜日)

日本ベスト店長選考委員会から商業経営問題研究会、そして潮来セイミヤでの講演会に走り回る

[毎日更新宣言]から1周年。
今日から、またスタート。

よろしくお願いします。

さて、一昨日、昨日と、走り回った。
その顛末を、駆け足で、ご披露。

8月21日、東京・神田。
日本セルフ・サービス協会。
朝10時から、日本ベスト店長を決める会議が行われた。

そして決定した。
第一回日本スーパーマーケット・ベスト店長。
お2人。

しかし発表は、後日。

選考委員会の詳細に関しても、後日、正式発表の予定。
お楽しみに。

10月3日、
コーネル大学RMPジャパンの開校記念セミナーが開催される。
このセミナーでは、日米ベスト店長による
パネルディスカッションが展開される。
もちろんコーディネートは、副学長の結城義晴。
これは、公開セミナーとなっている。
ぜひご参加のほど。

日本のベスト店長が、アメリカのベスト店長と、
リーダーシップ論を語り合う。
本当に楽しみです。

選考委員会の後、昼食。

ばったりお会いしたのが、
㈱テラ・アソシエーション顧問の遠藤明憲さん。
イトーヨーカ堂からカスミと、
ずっとトップマネジメントの重責を担ってきた方。
RMLC1
「これからは労働ではだめ。
朗働でなければいけない。
楽しく、朗々と、
仕事しなければならないし、
楽しく、朗々と、
仕事してもらわなければならない」

まったく同感。

遠藤さんの言葉、重みが違う。

その後、午後1時30分から、神谷町の商業界会館。
恒例の商業問題研究会(RMLC)。
今回は、
商人舎コンピュータ・リテラシー研究会と共催。
なぜなら、RMLC世話人の當仲寛哲さんが、
コンピュータ・リテラシー研究会リーダーでもあって、
テーマが全く合致しているから。
當仲さん
當仲さんから、2時間を超えるレクチャーと問題提起。
日本の小売業の情報システム問題に関するまったくの正論。
tounaka2
業務のシステムがあって初めて、
コンピュータシステムがある。

コンピュータは、業務システムの一部を、
速くて、正確で、大量の処理能力を持つ機能で肩代わりするもの。

そのためには、まずコンピュータの原理を学ばねばならない。

実にわかりやすかった。

どれだけ無駄な金を、これまで情報システムにつぎ込んできたか。

このレクチャーの詳細は、9月にスタートする
商人舎コンピュータ・リテラシー研究会ブログで紹介の予定。

今回の研究会には、ゲストをお招きした。
ご存知、プラネット社長の玉生弘昌さん

プラネットの社会的機能のご紹介とコンピュータ問題への持論を、
簡単にご披露願った。
玉生さん
それは「レガシー問題」。

日本の企業には、
古い蒸気機関車のような
コンピュータシステムが多い。
情報室長と称する人は、
そんな蒸気機関車の運転手。
その人に情報システムの今後の方針など
わかるはずがない。

これからはCIOが必要。
CIOとはチーフ・インフォメーション・オフィサー。
情報担当執行責任者。

そんな、きついお話。

みんな、真剣に聴講し、真剣に議論した。
RMLC2

この研究会の続きは、
9月26日、もっと規模を拡大し、
公開講座形式で開催予定。

ぜひご聴講を。

お申込みは、商人舎まで。

夜は、いつものように神谷町「古」で盛り上がった。
参加の皆さんに、心より感謝。

日が明けて、22日。
(株)商人舎・小川寛専務とともに、
茨城県潮来市へ。

㈱セイミヤでの講演会。
夕方7時から2時間。
セイミヤ1

最初に、
セイミヤ社長の加藤勝正さんが、
丁寧に私のご紹介をしてくださった。
セイミヤ2
感謝。

みんな、仕事が終わってから集まってくる。
そんな時間に、私の講義を聞いて勉強する。

私、こういう勉強会は大好きです。
だから、熱が入った。
一所懸命に話した。
一所懸命に聴いてくださった。
それがうれしかった。
セイミヤ3

セイミヤ会長で商業界関東山静連合同友会会長の
加藤榮一さん
最後にご挨拶くださった。
セイミヤ4
締めくくりは、「元気を出そうよ」。

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。
   天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。
だから、元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

この二日間に感謝、合掌。

<結城義晴>

2008年08月22日(金曜日)

凡事徹底・有事活躍[毎日更新宣言]丸一年、心より感謝

なまければ、はげめば
22
なまければ、むなしい。
自分の心が。

はげめば、かなしい。
自分の力が。

それでも、なまけず。
それしかないから。

それでも、はげむ。
ひとつのことに。

なまければ、
むなしい。

はげめば、
かなしい。

それでも、なまけず。
それでも、はげむ。

それでも、なまけず。
それでも、はげむ。

<結城義晴『日々の詩集』(未刊)より>

[追伸]
凡事徹底と有事活躍を唱って、
昨年8月23日に[毎日更新宣言]を発しました。

おかげさまで、今日のBlogで、
丸1年を迎えることが出来ました。
心より感謝いたします。

昨8月21日は、重要な会議が重なりました。
ご報告しなければならないことが、たくさんありました。

しかし、丸1年たった記念すべきBlogは、
一部の皆様のご要望に応えて、
短いものにしました。

昨日の報告は、明日。
ご期待ください。

15のときから本格的に始めた詩作・著作。
お恥ずかしい次第。

励めど、励めど、こんなもの。
しかしこれが、私なのです。

これからも、こんな結城義晴に、
お付き合いください。

ありがとうございました。

2008年08月21日(木曜日)

イオン純粋持株会社に移行、セブン&アイはディスカウント&値下げ推進

今日、イオンが、
純粋持株会社に移行する。

「とうとう」というよりも、
「やっと」という感じ。

イオンほど、
持株会社に適したグループはない。

傘下に150社を超える企業群を持つ。
歴史的にも、緩やかな連帯を推進し、
その後、ヤオハン、マイカル、ダイエーと、
破綻した企業群を再生させてきた。

「イオン」という名称は、
総合スーパーを主体に展開する会社のことであると同時に、
日本最大の小売り・サービス総合グループの総称でもあった。
だからイオンの総合スーパーは依然として「ジャスコ」と呼ぶ。

本業の事業を展開しながら、持株会社の機能を有するものを、
「事業持株会社」と呼ぶ。
これに対して、自ら、一切事業をせず、
グループ会社のアドミニストレーションを専門に行うものを、
「純粋持株会社」という。

岡田元也現イオン社長には、「純粋持株会社」にすることに、
ある種の抵抗感があったらしい。

私には、その気持ち、分かるような気がする。

しかし、イオンは、「純粋持株会社」を誕生させ、
また歴史的な一歩を踏み出した。

イオンには、経営者層の人材が豊富である。
今後は、それらの若手経営者陣が、
それぞれの企業の舵取りをしつつ、
ホールディングカンパニーは、
グループ総体の管理と、
軌道づくりにまい進することになる。

純粋持株会社は、別に新しいことではないし、
小売業でも、珍しくはない。
戦前の財閥は、みな、純粋持株会社として君臨していた。
それが戦後に制定された独占禁止法によって解体された。

1997年、独禁法の改訂により、
純粋持株会社制度が復活した。
日本で、復活純粋持株会社をつくったのは、
誰あろうダイエーの中内功氏であった。
「ダイエーホールディングコーポーレーション」といった。
しかし2001年、財務悪化で、解散した。

ホールディングカンパニーは、
子会社群が利益を出し続けねば、
存在の意味は全くない。

このことは重大な前提である。

さて、持株会社としては先行した一方の雄、
セブン&アイ・ホールディングスは、
二つの政策を出した。

イトーヨーカ堂が、
「ザ・プライス」という新業態を始めることと、
ファミリーレストランのデニーズが値下げすること。

ザ・プライスは、8月29日、現イトーヨーカ堂西新井店を、
改装し、新業態開発するもの。
約1000平米のディスカウント・タイプのスーパーマーケット。

これもダイエーが、かつてチャレンジした「トポス」に近い発想。

「トポス」といったらセブン&アイは「ノー」というだろうが、
改装店で業態転換するというのは、いわば常套手段。

アメリカでも10年から20年おきに、この手法への挑戦がある。

かつて、「フードラック」や「フードバーン」という店名の、
ディスカウントタイプが登場したことがある。
ラルフ、ボンズといったスーパーマーケットが試みた。
すべて失敗した。

なぜか。

ディスカウント店とは、
一言で言えば、
経費削減をどこまで
徹底出来るかにかかっている。

徹底とは、
①細かく
②厳しく
③続けること

イトーヨーカ堂は、徹底の会社だ。
しかし、ディスカウントタイプの会社ではない。
ここに問題がある。

ディスカウント店には、
場合によっては、「顧客無視」と誤解されても、
「低価格こそ顧客から歓迎されるものだ」という信念が
なければ続かない。
続かないということは徹底できないということ。

ラルフもボンズも、そしてダイエーも徹底できなかった。

イトーヨーカ堂にそれが出来るか。

一度、ディスカウント店を始めたら、
やめられない。

再び、通常店にしようとしても、
その店には拭い去ることができないおりのようなものが、
べたりとついてしまって、
それを取り去ることが出来ないからだ。
その店は、その企業の店舗としては、死を迎える。

従って、ザ・プライスは、
しばらく時流に乗って、
利益を出すかもしれない。

しかし、
新店で、このフォーマットが成功するか否か。
ここまで待たねば、本当の評価は出来ない。

何しろ、経費削減を徹底しなければ可能とならない商売だからだ。

イトーヨーカ堂にそれが試されている。

デニーズの値下げは、
これはプロモーションであるから、
一定の効果を出すに違いない。

しかしこのフォーマットも、
目先の値下げではなく、
フォーマットとしての根本問題を
解決しなければならないときを迎えている。

イオンとセブン&アイ・ホールディングス。

彼らは、もう、秋に向かって、
明日に向けた「事」を起こしている。
それだけは、確かだ。

<結城義晴>

2008年08月20日(水曜日)

夏野菜相場下がり、安値⇒夏の終盤は、夏野菜をどんどん売ろう!

7月終盤から夏野菜の相場が、
下がりつづけている。

7月31日付中国新聞。
「猛暑の影響で生育が早まり、
入荷が増えている夏野菜の卸値が、
中国地方の卸売市場で下落。
7月下旬の卸値で比べると、
過去5年の平均を指す平年より47割、
台風などで高値傾向だった昨年より68割も安い」

「7月30日の1キロ当たりの広島市中央卸売市場の平均卸値は、
キュウリが126円で平年と比べ42%、
ナスは116円で60%、
ピーマンは100円で64%、それぞれ安かった。
昨年よりは6078%も低くなっている」

昨8月19日付神戸新聞。
「神戸市中央卸売市場によると、
今夏はダイコンやホウレンソウなど一部を除き、
野菜は安値で推移。
今年8月の第2土曜で比べると、
平均単価(1キログラム当たり)は、
ナスやレタスが昨年の約4割、
キャベツやトマトは約6割に」

理由に関して、農林水産省は、
「よくわからない」という回答。

考えられる理由の第1は、
天候と生産の状況変化。

今年は、梅雨期に雨が少なかった。
梅雨明けもはっきりしなかったし、
その後も晴天が続いた。
だから夏野菜の生育が早まった。
このため卸売市場への入荷量が一気に増えた。
その結果、価格が下落した。

第2の予測は、消費の側の問題。
今年は猛暑、そこで野菜より果物の方が好まれた。
さらに手間のかかる野菜料理が敬遠された。

夏野菜とは、特に夏季に収穫される野菜。
キュウリ、ナス、トマト、ピーマン、トウモロコシ、
オクラ、枝豆、ニラ、カボチャ、ズッキーニなど。

夏野菜
夏野菜にはカラフルなものが多い。
売り場作りしやすい。

不思議なもので、夏に収穫される野菜は、夏の生活に効果的。
夏は、紫外線などで目や体が疲労する。

夏野菜は、カロチン、ビタミンC、ビタミンEなどを多く含む。
夏ばてに効果が高い。

今年の8月商戦。
4つの段階に分けた。

第2段階のピークは長かった。
9日から17日。
イトーヨーカ堂は、ぴったりこの期間、
「朝市」を展開した。

そして今週、夏の終盤。
お盆ピークには、不況感が強いといっても、
それなりのごちそう続きだった。

しかし終盤は、夏に名残惜しみながら、
節約に戻る。

だから今、相場安の「夏野菜提案」には絶好のチャンス。

今週末は、夏野菜から発想した商売を、
大展開したい。

青果売り場はもちろんのこと。
鮮魚、精肉、日配、そして惣菜売り場も。

小売業に限らない。
レストランや外食でも、
夏野菜に関連した展開を図ることは可能だ。

明確な意図をもって、
お客に伝わるように、
そしてその意図やアクションが、
顧客に伝わったかどうかを、
一つ一つ確認しながら、
小さな修正を繰り返しながら、
やるか否か。

それによって、
成果は大きく変わる。
お客様の懐事情と、肉体的条件。
そして店の側の売りやすさ。

ただし、野菜の相場が下がるから、
売上高がまた低くなるという考えだけは、
持ってはいけない。
頭をかすめてもいけない。

今は、お客様の喜びだけを、考えよう。
お客様の気持ちに、同期しよう。

そうすれば、成果は自然に上がる。

小さな爆発を提案してきたが、
最終盤にきて、絶好のチャンス到来。

「失敗を恐れない!」

さあ、もう一息、頑張れ。

<結城義晴>

2008年08月19日(火曜日)

経済成長0.7%、実質家計支出マイナス3.9%、現金給与0.4%増から読み取れる「今年下半期の方針」

昨18日は、様々な調査統計が発表された。

2008年度日本経済の見通し。
0.7%に鈍化という予測。

民間調査機関21社の予測の平均値を取った。
日本経済新聞の記事。

それでも、全体で「伸びている」。

メリルリンチ日本証券と三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、
実質経済成長率1.2%増と最も高く予測。

農林中金総合研究所が0.4%増と低く、
ドイツ証券はマイナス0.1と最も厳しい予測。

その平均値が0.7%。

一方、政府予測は、1.3%の増。

政府は、最も強い姿勢を示す。
これは当然のこと。

話半分と見ると、0.65%で、
民間調査の平均値に近い。

7月の百貨店既存店売上高。
前年同月比マイナス2.5%。

これは、5カ月連続のマイナス。

6月の家計調査前年同月比。
「基礎的支出」が、3.9%マイナス。
4ヶ月連続減少。
「選択的支出」は、1.4%増で、
こちらは2ヶ月連続で増加。

基礎的支出は、
ベーシックなコモディティの消費。

ガソリン代、電気・ガス代なども含まれる。

選択的支出は、ノンコモディティの消費。
こちらは、年間経済成長率予測を上回っている。

けれど、百貨店の既存店売上高は5カ月連続マイナスだから、
当然6月も減った。

ノンコモディティでも、百貨店のそれは、
全体として増えてはいない。

このあたりに、現在の問題点の根幹がある。

もうひとつの指標。
厚生労働省発表の6月の毎月勤労統計調査。
現金給与総額は、前年同月比0.4%増。
ボーナスの特別給与は、0.9%増。

速報値という初動の数値が、
それぞれマイナスの0.6%、1.5%だったから、
イメージよりは、所得は増えた。

しかし、これらのコンマいくらという数字を上回って、
何割レベルで値上げが進行した。

以上から、全体傾向として読み取れること。
第一に、コモディティでは、
値上げ品目が敬遠された。
第二に、ノンコモディティでも、
高額品は拒否された。

難しい局面とも言えそうだが、
面白い消費が展開されていると見ることも出来る。

夏商戦の終盤戦。

値ごろのノンコモディティが主役となる。

ヤオコー川野幸夫会長の発言。
「ライフスタイル・グッズは、
1店1店で、値ごろが違う」

自分の店の値ごろを押さえる。
ということは、自分のお客様と向き合うこと。
自分の商売と向き合うこと。

それが8月後半から、終盤、
そして今年下半期の最大の政策となる。

<結城義晴>

 

2008年08月18日(月曜日)

お盆商戦ピークの9日17日、イトーヨーカ堂は「朝市」と「食品割引クーポン」のダブルご利益提供

Everybody! Good Monday!

2008年8月第3週。

8月の、4つに分けたステップの復習。
第1段階 今週3日から8日までの前哨戦。
第2段階 9日から17日の帰省からUターンまでのお盆のピーク。
第3段階 18日から24日までの終盤。
第4段階 25日から31日の夏の後始末と秋の準備。

今年の特徴は、第2段階のピークが長いこと。
昨17日に、こじんまりしたUターンラッシュがあって、
再び、サラリーマンのほとんどが通勤し始める。
もちろん、夏季休暇を個人に合わせてとる会社も多いから、
いっせいに営業再開というわけではない。

ロングバケーションのモードは変わらない。

第3段階の今週は、夏の終わり。
オリンピックの終了。
甲子園は今日、決勝で閉幕。

すなわち今週のテーマは、「ジ・エンド」。
さまざまなイベントの終わりに向けた1週間。

名残惜しいけれど、
ああ今年の夏も、もう少しで終わってしまうんだ、
といった気分。

高校の文化祭の終盤にかかった瞬間。

そんな1週間。

来週からの第4段階は、もう夏ではない。
夏の後始末と、秋の準備。
商売は、「半歩先取り」が鉄則。

 

さて、お盆商戦、いかがだっただろうか。
小さな爆発を積み重ねることができただろうか。
あなたは、失敗を恐れなかっただろうか。
写真に記録しただろうか。

イトーヨーカ堂は、169店舗で、
第2段階の9日から昨17日まで、
「朝市」を実施した。

9時から正午までの3時間。
涼しい午前中に買い物を提案。
生鮮食品、惣菜、日配品、加工食品・菓子。

その上で「食品割引クーポン」を同時に実施。
朝市の中でも、9時から10時の早い時間帯に食品を買い上げると、
次回の買い物のときに好きな食品が1点だけ、
1割引きとなるクーポン券を配布。

この朝市と割引クーポンの相乗効果は大きい。
組み合わせのシナジー効果である。

一つのご利益提供だけでなく、
追い打ちのように、
もう一つのご利益を重ね合わせる。

イトーヨーカ堂が、伝統的に、
これはという時に展開する手法だ。
よく計算されている。
顧客の心理が。

成果は、当然ながら上がった模様。

それにしても、総合スーパーのイトーヨーカ堂も、
なりふり構わず食品での集客に集中してきた。

一方、このブログでも予告通り、今年のお盆商戦は、
「在宅派」が70%を超えた。

だから都会の店は、例年より成績が良かったはず。
地方の、「藪入の現代版の帰省」を受けるはずだった側の店は、
例年より落ち込んだか。

しかしこれは、全体傾向の問題。

良い店、良い部門は、大健闘し、
悪い店、悪い部門は、ひどく悪かった。

ここで良かった悪かったという時の基準を確認しよう。

「営業力とは、営業利益を上げる力のこと」
ペガサスクラブの渥美俊一先生の名言のひとつ。

店ごとに、セクションごとに、部門ごとに、
営業利益が計画通りに獲得できたか。
それが最大、唯一の基準。
目標は売上高ではない。
もちろん売上げも、粗利も、
一つの目安だけれど。

今年は特に、「営業力とは営業利益を上げる力」を
強く自覚したい。

イトーヨーカ堂のような「ダブルご利益提供」。
今からでも遅くはない。
夏の終盤に小さな爆発を生み出すために、
考えてはいかがだろうか。
もちろん営業利益を上げるのだから、
経費ばかりかさんでは、いけない。
イトーヨーカ堂には、利益面でも、
十分な計画があってのダブルご利益提供なのだ。

最後に、今週の夏の終盤と来週の後始末機に向けて、
記録としての写真撮影の技術指導をひとつ。
写真は、漠然と印象を残すだけではいけない。
そんな雑多な写真の集積は、技術の体系にならない。

体系とは、ツリー状になったパーツによって出来上がっている。
小さな技術が、ピラミッドのように組み立てられている。

これを写真で記録しておくためには、
3つに分けて、写真撮影しておくこと。
①遠景
②景
③近景

例えば、売り場を撮るとする。
遠景とは、部門全体、あるいはコーナー全体。
中景とは、カテゴリー別。
そして近景とは、アイテム、あるいはパックごと。
または、POP、ショーカードなど販促物、
什器、仕切り版など備品。

例えば、作業を記録に残すとする。
遠景は、作業場と売り場。
中景は、ペアーシステムでの動きや、一人ひとりの動作や姿勢など。
近景は、その人の手元、周辺の道具など。

とにかく、ファインダーを覗き、
シャッターを押す時に、必ず、
これは遠景、これは中景、これは近景と、
意識して撮る。

当然ながら、近景写真が圧倒的に多くなる。
しかしこれが一番役に立つ。

中景がその次に多くなる。
遠景が一番少ない。

最も悪い写真は、
遠景と中景のどちらとも言えないもの。
これ、何にも使えない。

自分の売り場と商品を、
自分の子供の写真を撮るように、
こまめに撮影して、
整理しておくこと。

自分の仕事を子供だと思ったら、
撮らずにはいられないはず。
それが、ウィークリーごとの自分の技術体系となる。

「ダブルご利益提供」と「写真での記録」。

2008年夏の終盤戦、
今からでも、まったく遅くはない。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

ここで再び、[お知らせ]
商業経営問題研究会(RMLC)が開催されます。
日 時 8月21日金曜日13時30分17時
場 所 商業界会館2階ホール(東京都港区麻布台2-4-6)
テーマ コンピュータ・リテラシー問題
世話人 USP研究所所長・當仲寛哲さん
今回は、商人舎コンピュータ・リテラシー研究会との
合同研究会となります。
会員の皆様、ご応募くださった皆様、
ご参集ください。

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