結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年04月23日(木曜日)

「ソーシャル消費の時代」とプライベートブランド

本ホームページ「知識商人対談シリーズ」第2弾が面白い。
㈱成城石井社長・大久保恒夫さんの巻。

杉山昭次郎のときどきエッセイ」も、ためになる。

ご愛読のほどを。

さて今日の日経新聞一面トップ。
「主要小売り本社調査」と銘打って、
「PB商品販売35%増」の見出し。


4大紙といわれる新聞の一面のトップ記事。

これは、毎日、4本しかない。

事件が起こると、4本ともに同じ記事が躍る。

特別の事件がないと、それぞれの新聞に特徴が出る。

しかし経済分野では、今やもう自他共に認める第一人者の日経新聞一面トップに、
プライべートブランドの話題が載ることに、
ある種の感慨を持たずにはいられない。

その記事の内容は、主要な小売業15社に調査したPBの2008年の現状。

年間販売額。
イオンは368億円。
セブン&アイ・ホールディングスは2000億円。
ユニーは854億円。
イズミヤ315億円、
ニチリウ563億円。
日本生協連4000億円、
高島屋230億円  

そしてこれらの伸び率が35%。

もはや完全に、PBが認知されたことが証明された。

ただしこれはコモディティグッズのPB。
だから量が必要となる。

そこでユニー、イズミヤ、フジは、
PBに関しての提携を進める。

この記事に関連して、
「スーパー売上高12年連続前年割れ」のニュースが並ぶ。
これは4大新聞すべて。

しかしここでいう「スーパー」は、日本チェーンストア協会加盟企業のこと。
業態でいえば、総合スーパーを中心にした企業。
ちなみに欧米では、総合スーパーをひとくくりにして、
「ハイパーマーケット」と呼ぶ。

しかしこの総合スーパーは、
商業統計で平成9年にピークを迎え、
その後、ずっと下り坂にある。

12年連続既存店マイナスは、
業態のライフサイクルという考え方からして、
もう既成の事実。

だからPBの重要性が増しているとも考えられる。

昨日は、夕方から、東京八重洲口の「京すし」で、懇談。
電通ソーシャル・プランニング局長の上條典夫さんと。

上條さん、最近、講談社から本を出した。
kamijoh
「ソーシャル消費の時代」  
サブタイトルは「2015年のビジネス・パラダイム」  

上條さんの掲げるキーワードは、
「量から質へ」
「個から絆へ」

私は、「コミュニティとホスピタリティ」をキーワードとしている。
立教の講義シラバスでは、この二つのキーワードを研究すると宣言している。

上條さんのいう「ソーシャル消費」の中の「個から絆へ」は、
まさしく「コミュニティ」のことを言っている。

「量から質へ」は、コモディティとノンコモディティ。
これも意見が一致した。

上條さんは、農林水産省が推進する「日本の食料自給率向上運動」の事務局長。
FOOD ACTION NIPON

私も、その趣旨に賛同し、協力している。

私と上條さんを結びつけてくれた電通の土井弘さんと3人で、
京すしの美味と酒を楽しんだ。
doi

ソーシャル消費の時代に、
プライベートブランドは、どんな役割を担うのか。
小売業の自主企画商品は、果たして社会性を有することになるのか。

日経一面トップで取り上げられるだけのニュースバリューはもっている。
ニュースバリューばかりでなく、
ソーシャル消費の中の商品価値をこそ、
獲得してほしいものだ。

もちろんメーカーにも、問屋にも、
その商品開発の価値が増大する努力を求めたい。

<結城義晴>

2009年04月22日(水曜日)

1億0497万枚カード発行の電子マネー戦線異変あり?

「電子マネー戦線異変あり」
日経流通新聞(日経MJ)のトップ特集。

電子マネーは、運営主体によって、三分される。

スイカは東日本旅客鉄道。カード発行枚数2536万枚。
パスモは東急電鉄など私鉄。1177万枚。
イコカは西日本旅客鉄道。448万枚。
この三つを交通系と呼ぶ。

それに対して、流通系は二つ。
ナナコはセブン&アイ・ホールディングス。766万枚。
ワオンはイオン。820万枚。

そしてエディは、家電メーカーのソニー系のビットワレットが運営。
こちらは4750万枚。

全部合わせると、
なんと1億0497万枚となってしまう。
日本の人口が1億2770万人だから、もうすぐそれに並ぶ。

私は、もっぱらパスモを愛用している。
東京と横浜を結ぶ私鉄・東急電鉄沿線の妙蓮寺というところに住んでいて、
この通称・東横線の定期券を使っているため。
家族はスイカを使っているし、
私もスイカを持ってはいるが、あまり使わない。

カード

エディは、発行枚数で圧倒しているように見えるが、
死蔵カードが多いそうだ。
それ以外では、スイカが発行枚数で圧倒。
スイカには、北海道旅客鉄道のキタカ、
九州旅客鉄道のスゴカ、西日本鉄道のニモカを含む。

関西流の「イコカ」のネーミングは、面白いし、
キタカやスゴカも、いい。
私は福岡生まれなので、スゴカの良さはわかる。

パスモも健闘といったところか。

交通系は、パスモを含めて、相互利用を開始している。
これは、実に便利。

電子マネーの特性を、よく理解している。

さて私たちは、流通はどうかとみがちだ。
ナナコとワオンの流通二強の対決構造だから。

しかし、電子マネー全体で見なければならないことは、確か。
その意味で、交通系が全体でリードしていることは、これまた確かだ。

そのなかで、日経MJの記事は、
ワオンが、台風の目になって、
電子マネー市場が動き始めたというもの。

電子マネーは、小売業ではコンビニでの利用頻度が高い。
そのコンビニにおいて、今年2月、
ファミリーマートがワオンと提携を発表。

一気に、最大コンビニのセブン-イレブンに迫ってきた。
現在、それぞれが使える店舗数は、
スイカ5万9220店
パスモ5万1000店
イコカ4万9790店
ナナコ2万3361店
ワオン2万8000店
エディ12万6000店

しかし、今秋からワオンはファミリーマートの店舗網を加えて、
3万5000店になる。

さらに決済数において、ワオンがナナコを急ピッチで追い上げている。
イオン・グループによるセブン&アイ・グループ追い上げの構造だ。

そのポイントが、「地域通貨戦略」。
実際に、昨年10月、島根県で、
山陰地方で通用する「あいポケットワオンカード」を発行。
200円の買い物に1ポイントが付くポイント制度を導入。

「地域通貨戦略」とポイント制度、
そしてファミリーマートや吉野家との提携戦略で、
ワオンが台風の目になっているというのが、
日経MJの特集。

ここで、私は思う。

電子マネーは、カードか貨幣か。
カードならば、他のカードとカブる。
ポイントカード、クレジットカード、
エトセトラ・エトセトラ。
そして便利さという以外に、
電子マネーのカードにはメリットはない。

定期券カードを持っていて、
それがほかの場面でも使えるから便利。

だからこれはあくまでもマネーだ。
貨幣ならば、信用と保証、そして適用範囲の広さが、
その価値となる。

信用と保証は、運営会社の収益力や企業力が問題となるし、
一応、この6種類の電子マネーにはその資格はある。

だからあくまでも問題は適用範囲の広さとなる。

ここで私の持論。
「クリティカル・マス」

電子マネーについては、私は最初から、
「クリティカル・マス」の概念をベースにモノを言っている。
クリティカルマスは、一般に17%のシェアを超えると、
特別のご利益が得られるという。

従って、例えばカード枚数は1億枚の17%、
すなわち1700万枚。
これをクリアしているのは、エディとスイカ。

しかしカード発行枚数だけでは、電子マネーは意味がない。
貨幣として流通している「生きた金」のクリティカル・マスという尺度が必要。

さらにこのマネーを使える拠点の範囲も、尺度の一つになる。
それが先の店舗数。
小売業は、現在、130万店だから、小売業で22万店。
外食やサービス業など含めると、50万店は目指さねばならない。

これも日経MJの記事からだが、
日銀の発表の2007年度の決済総額は、5636億円。

決済額の17%。
しかも電子マネーの決済は、小額硬貨中心となる。

カード発行枚数、利用店舗数、決済金額数。
3項目揃って、17%のポイントを、真っ先に超えるところが、
電子マネーの王者になる。

しかしワオンの地域戦略など、毛細血管のように電子マネーが広がると、
この分野のマーケットは拡大する。

拡大・膨張過程でクリティカル・マスを突破する。

それは、確かに日本経済を活性化させる。

クリティカル・マスのためには、M&Aが不可欠。
これは相互乗り入れも含めた今後の動き。

日経MJの特集は、ジャーナリズムとしては面白いネタだけに、
ややワオンを過大評価し過ぎるかもしれないが、
交通系と流通系の大胆な提携が、
一番の早道であることは間違いない。

パスモ愛用者として、私は、その方が便利だ。

<結城義晴>

2009年04月21日(火曜日)

トレードオフ自転車「ロヂャース28号」登場

吉田拓郎のアルバム『午前中に…』が、
売上げベスト10に入った。
63歳でのランク入りは新記録だとか。

「ガンバラナイケドいいでしょう」 
最新曲のメッセージは、
大人の男の生きざまを、
逆に、鮮明に表現した。

私の今年の標語『無茶をせず、無理をする』は、
「ガンバラナイケドいいでしょう」の域には達していないが、
団塊の世代の象徴の吉田拓郎とは、
私は「ちょっと違うぞ」という自負が込められている。

北辰商事㈱副社長の太田順康さん。 
ohta1
ご存知、総合ディスカウントストア・ロヂャースを率いる。

昨4月20日、
自転車のジャージーをまとって、
横浜に登場。

この太田さんの自転車、100万円を超える凄いもの。
タイヤ1本だけでも20万円超。

自ら、自転車チームをもち、
自らレースに出場する。
そして、自転車の普及につとめる。
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その太田さんから、私も、
自転車をプレゼントされた。
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名づけて『ロヂャース28号』 

太田さんとそのチームが開発したプライベートブランド。
こちらは、7万9800円の定価が付けられている。

太田さんの年は、55歳。
私の一つ下で、昭和28年生まれ。

だからロヂャース28号と命名した。

吉田拓郎からは、一世代、若い。
『無茶をせず、無理をする』の私の世代。

このロヂャース28号は、
乗り方・楽しみ方を知ると、
いっそう価値が高まる。

そこで太田さんが、わざわざ大宮から横浜まで、
出張ってくれた。

新横浜公園の駐車場。
初歩的なレクチャーを受けた後、
ふたりで、鶴見川サイクリングロードを、
ゆっくりとツーリング。
yuuki1
こんな本格的な自転車は、初心者の私。
それでも10キロ以上を、なんの障害もなく楽しんだ。

太田さんは、この自転車を、
「トレードオフ」の考え方でつくった。
jitensya2
もちろん、ママチャリとは全く違う自転車。
マウンテンバイクとロードレーサー。
その中間に、クロスバイクといわれるカテゴリーがある。

ロヂャース28号は、
このロードレーサーとクロスバイクのさらに間を狙った。
お手軽、安全、快適性を実現した。 
だから日本初の自転車。

この自転車の特徴の第1は、タイヤ。 
タイヤは細いロードレーサー仕様。
tire1

マウンテンバイクの太いタイヤでは、
長距離を楽しく、楽には、走れない。
tire2
だからほとんどロードレーサーのスピードが出る細さ。
この細いタイヤに8キロ圧の空気を入れる。

特徴の第2は、ブレーキ。 
一般の自転車についているのはリムブレーキといわれるもの。
しかしそれでは、雨の時に滑って効きが弱くなる。
そこで太田さんは、ディスクブレーキを採用した。
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第3の特徴は、変速ギア。 
後輪のギアは8段。
gia1

前輪のギアは3段。
gia2

両方掛け算して、24段変速。
だから坂道を登るのも楽だし、
スピードを出すのも容易。
handle2
ハンドルの左が3段変速のレバー。
右が、8段変速レバー。
24種類の変速を楽しむことができる。

そして第4の特徴は、ハンドル。 
両サイドにスタンドが付いている。
坂道を登る時に、この両端の部分を握りしめて頑張る。
そうすれば、楽に、急坂を登ることができる。
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太田さんは、自分の自転車の100万円超の品質を、
本格志向の初心者向けに「トレードオフ」して、
この自転車をつくった。
7万9800円也。

「トレードオフ」とは、
二律背反の機能の一方を排除すること。
結果として、新しい機能をつくり出すことになる。  

高級自転車の機能から、
太田さんは極力、初心者に必要ない要素を取り除いて、
低価格の本格的自転車をつくった。
それが、日本にない自転車となった。

今のところ、このロヂャース28号をはじめとして、
90台ほどの在庫がある。

私も、完全に、はまりそう。

こういった新しい価値をつくる商品開発。
商品をつくるだけでは、足りない。
乗り方、マナー、心構えなど、
ソフトウェアのレクチャーが不可欠。
そうすれば、売れる。
今日は、太田さん自ら、それを示してくれた。

商人舎オフィスで、二人で写真。
hutari
いつでも商人舎においでください。
しばらくの間、陳列してあります。

私が仕事の合間に、颯爽と、街を流したりしながら、
愛用します。

新しい価値を創造することは、
太田さんのように、
その世界に入り込まねば、可能にはならない。

太田さんは2005年から自転車にのめり込み始めた。
まだ4年。
そして自転車レース「ツールドフランス」の、
「日本チーム監督になるのが夢」と語る。

昨年は、東京・高尾山から新潟・糸魚川のレースで、
ロヂャースチームは優勝。
太田さんも、自ら走ったという。

その経験を活かして、
メーカーにつくれない日本初めての自転車をつくった。
普及版のロヂャース28号。

環境ロボットサム君に次いで、
新時代のエコライフスタイルを象徴するものが、
商人舎にやってきた。

新時代を歓迎しよう。

<結城義晴>  

2009年04月20日(月曜日)

「非日常の前の日常」はジワジワジワと淡々・淡々

Everybody! Good Monday!  

ツツジの季節。
本当にいい季節。
日本に生まれ、日本に住んでいて、
良かった! と思う季節。

感謝とともに、毎日を充実させたい。

そんな2009年4月第4週が始まります。

来週から、
長ければ16日間のゴールデンウィーク。  
25日土曜日から10日日曜日まで。

実質的には、29日水曜日の昭和の日(昭和天皇の誕生日)、
そして30日の通常日、
5月1日金曜日は労働組合員はメーデー、
それから2日土曜日から6日水曜日まで5日間の連休。

こんな時こそ、現場では、
「異常値」にチャレンジする。  

人が動くとき。
新しい暮らしが始まるとき。
生活に変化が生まれるとき。  

そんな時にこそ「異常値」をつくる。

夏休みや冬休み、春休み、
そしてゴールデンウィークに旅行するとき。

4月、9月など、進学・転勤・転職が多いとき。

お正月、お盆など、気分一新のとき。

もともと商業やサービス業は、どんな店にも、
そんな時に「異常値」が出ていた。

それが当たり前だった。

しかし、こんな世間全体の「非日常」のときは、
むしろ「異常値は異常値ではなくなった」。

「差異が価値を生む」  
今月の商人舎標語。

「非日常」のときには「異常な異常値」に挑戦する。
そのために「違い」を出す。

お客様の側に何らかの変化が生まれるとき。
それは社会全体の変化の時かもしれないし、
パーソナルな個人的な時かもしれない。

ただし、何もないときに、店側が、
無理やり「異常値」をつくろうとすることは、
むしろお客様にとっては迷惑となる。  

そんなときには、「異常値」は狙わない。

そんな非日常に移行する前には、
淡々と日常を演出する。  

それが今週です。

淡々と日常が展開されるから、
「非日常」のときに「異常値」が生まれる。

野球でいえば、異常値とはホームラン。
どんな打者でも、いつでも、
頑張ればホームランを打つことができるわけではない。

新記録がかかった時に、
満塁ホームランを打つのがイチローだが、
「非日常の時の異常値」こそ、価値がある。

だから今年のような不況真っ只中のとき、
そのゴールデンウィークには、
「異常な異常値」を実現させてほしい。
「異常な異常値」に挑戦してほしい。

そのために、今週は、
むしろ淡々としすぎるくらいに淡々と。

それが「非日常のときの異常な異常値」を生みだす原動力となる。

ジワジワジワと盛り上がって、
大爆発。

その、ジワジワジワと淡々・淡々。
それが今週。  

Everybody! Good Monday!  

2009年04月19日(日曜日)

ジジが落ち着くところ[日曜版]

いちねんで、
いちばん、
いい季節だとおもいます。
stand

ボクも、
うまれてから、
4年がたちますから、
いい季節が、
いつなのか、
わかります。
hana
マーガレットも、
さいています

でも、ボクは、
フクロのなか、
だいすきです。
ジジ袋の中1

ロフトのフクロ。
黄色いフクロ。
hukuro2
春らしいでしょ?

ときどき、
そとの空気も、
すいます。
hukuro3

まわりも、
みます。
hukuro4

ボクは、
せまいところが、
おちつくんです。
hukuro5

きっと、
生まれたとき、
母さんから、
つつまれるようにして、
たいせつにされていたからです。
mama2
いまは、
母さんも、
はなれたところに、
すんでいますが。

だからボクは、
おしいれも、
すきです。
oshiire1
ユウキヨシハルのおとうさんの部屋。

でも、ときどき、
よばれます。

「ジジ~!」

………

oshiire2
そうしたら、
カオをだします。

しんぱいしてくれているのです。

せまいところがすきなんですが、
たったひとりでは、
さみしい。
up
だから、ときどき、
せまいところにはいって、
こころを、
おちつけることに、
しています。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

[追伸]

これまでの『ジジの気分』は、
右段の「カテゴリー」から「ジジの気分」をクリックして、
ご覧ください。

2009年04月18日(土曜日)

「大幅・急速な悪化」の中で「自ら、変われ」

2009年4月17日、
「商人舎発足を祝い結城義晴君を励ます会」。  
あれから1年が過ぎました。

1年間、夢中で走ってきました。

この間、昨年10月から、コーネル大学RMPジャパンが設立され、
副学長として、多くの方々のご協力をいただきました。
講義もきわめて順調に進んでいます。
日本のスーパーマーケット産業内大学としての役割を、
何とか果たし続ける目処が立ってきました。

3回の商人舎主催のUSA視察研修会もご好評をいただきました。

渥美俊一先生との「ふたりのビッグセミナー」
ロックフィールド岩田弘三社長、林廣美先生との「ビッグセミナー」
田村洋三先生との「エコストアセミナー」
西端春枝先生の浄信寺をお借りした「寺子屋塾」  
加治敬通社長の協力で実現した「ハローデイ視察研修会」

さまざまな研修会も、すべて成功することができました。

さらに各地、各社から次々にお呼びいただいて、
講演会や勉強会、研究会も目白押しでした。

CDオーディオセミナー「知識商人対談」も、7巻を数え、
毎月、楽しみなインタビューとなりました。

その上、今年、4月からは、
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の教授に就任し、
今日から講義とゼミが始まります。

そして何より[毎日更新宣言]。
途切れさせることなく、続けることができました。

徹底とは、
①詳細に
②厳密に
③継続すること  

それができました。

商人舎としての社会的な役割、
結城義晴の活動、
ここで終わりでは、もちろんありません。
しかしここまで、よくやってくることができた。
そんな感慨でいっぱいです。

ありがとうございました。
心から感謝いたします。

さて、アメリカの1月から3月の景気は少し戻ってきたというのに、
日本の地方経済状況が「大幅に悪化」している。  
日本銀行の「地域経済報告」調査。
全国9ブロックのうち、横ばいは中国地方と東海地方だけ。
大幅な悪化は、
北海道、東北、北陸、関東甲信越、
近畿、四国、九州沖縄。

製造業や建設業などの設備投資が調整という名のもとで削減され、
さらにあらゆる企業の経費が削減され、
それが消費者マインドを低下させている。

政府が発表した4月の月例経済報告では、
「急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」  
と、景気の基調判断を下した。
「生産」は極めて大幅に減少。
「輸出」は大幅に減少。
「雇用」は急速に悪化。
大幅や急速が並ぶ。

「個人消費」はゆるやかに減少、と、
ここに一点、希望が寄せられる。
その小売業売上高も、3月の百貨店は、
前年対比13.1%のマイナス。
3月としては過去最悪。

パチンコホール企業㈱ニラク社長の谷口晶貴さんが言う。
akusyu
「丸の内で、ビジネスマンにインタビューしたそうです。
98%の人が『100年に一度の危機』を知っていた。
しかし、『100年に一度の危機』に対して、
行動を起こしている人は、たった7%だった。
私たちは、行動を起こしている7%に入らねばならない」  

そのニラク、今回の決算でも増収増益。
「富士山の姿は素晴らしい。
しかしその姿を支えている富士山の大地はもっと素晴らしい。
私たちは、この7年間、会社の大地を築き上げてきた。
これから、姿をつくる時です」

谷口さんの言葉には、謙虚さの中に力強さが満ちている。

一昨日から、福島県郡山で、昨日は、そのニラクで講義。
講義
ニラクパーソンのための
「商人魂の檄」  
第2回で「自ら、変われ」

会社も社会も、人が変わらなければ、変わらない。
革命も改革も、改善・改良も、
人が成し遂げる。

そのカギを握る「人」が、より良い方向に変わる。
いつでも変わる用意をしている。

そんな組織、会社が、社会貢献を果たすことができる。

講義のあとは、第4四半期および年間アワードの表彰式と懇親会。
年間グランプリの店舗の皆さんと、
谷口社長、谷口久徳副社長に私も入って、写真。
hyosyou1
そして懇親。
konnsin
最後に、表彰された皆さんにお祝いの言葉。
speech

つくづく思う。

人が大切な時代である。  

金が大切な時代、
資源が大切な時代。
思想が大切な時代、
仕組みが大切な時代。

みな大切なことに変わりはない。

しかし時代時代に応じて力点が変わってくるなかで、
今、人が大切な時代に入っていることは、間違いない。

その「ひと」を育てる仕事。
いや、「ひと」が育つのをお手伝いする仕事。
それが商人舎と結城義晴の役目である。
ありがたい役目である。

心から、感謝。

<結城義晴>  

2009年04月17日(金曜日)

「下取りセール」の「引き算⇒足し算」マーケティング

「下取りセール」が盛んだ。  
最初にこのマーケティングを展開したのは、
イトーヨーカ堂。  

第1弾は、昨2008年末商戦で、12月27日から31日までの5日間。
そして第2弾は年始商戦で、1月10日から13日までの4日間。
さらに第3弾1月31日から2月2日まで  の3日間。

第1弾は10万点、第2弾は30万点の商品を下取りした。
最初はお買い上げ5000円ごとに1点1000円で下取りした。
第3弾から3000円ごとに1店500円で下取り。

第4弾は、2月11日から15日までの5日間、
品目を34に拡大して展開。

第5弾は3月4日から8日まで、5日間。
品目は50に拡大。

そして第6弾は、3月28日から31日の4日間。
ワールドベースボールクラシックの優勝記念緊急企画。
下取り対象品目を55に拡大。

この第6弾は、大好評を博し、期間延長。

住居関連商品、家庭用品、衣料品などで、
必要なくなった家庭内在庫を下取りすることで、
顧客の生活を軽くし、
その上で、新しい商品を購買してもらおうという考え方。

まさに現在の日本のマーケット状況にジャストミート。
イトーヨーカ堂らしいマーケティング。

一方、二番煎じの感は否めないが、
ダイエーも衣料品の下取りキャンペーンを展開中。  
4月9日から19日までの11日間。
こちらは関東、近畿、中部の98店舗で、
合成繊維が入った衣料品を下取りし、20%の割引券を提供する。
集めた衣料品はリサイクルする。

家電カメラ量販店も。  
ビックカメラは4月6日から5月10日まで、
約20品目を対象に「定額下取りキャンペーン」を展開中。
ノートパソコンは6000円、デジタル一眼レフは5000円、
任天堂のゲーム機「Wii」は1万円。
対してヨドバシカメラは、
中古品の買い取り対象を、ゲーム機などにも広げる。

大手下着メーカーのワコールも、
「ブラジャー・リサイクルキャンペーン」を展開。
使わなくなったブラジャーを回収。
二酸化炭素排出量が少ない産業用の固形燃料に再生する。
それに福岡の地方百貨店・岩田屋が乗って、大展開。
「他人に見られたくない」という女性の心理をとらえた。

仕事でも同じこと。  

新しい仕事を命じたら、
古い仕事の一部は、
解除してやる。

そうしなければ、結局、
手に余る仕事を抱えて、
右往左往してしまう。

本来、古い課題を克服したら、
新しい課題を出す。
それをせずに、次々に新しい課題を出し続ける。
そうすると、課題はひとつも克服されず、
残滓の山となる。

店舗在庫も同じこと。
売れたら、補充。

顧客の暮らしもまた、同じ。

現在の顧客は、シンプル・ライフを求めている。

そこへ、これでもかこれでもかと、提案の連続。
足し算のマーケティング。

だから引き算は、大好評を受ける。  

引き算してから、足し算。
それで計算が合う。  

だからこそ、ここで、危険なこと。

引き算をしたあと、
足し算を多めにしてしまうこと。

これでは計算が合わない。

イトーヨーカ堂には、計算がしっかりとできているようだ。

まず、年末大掃除の時にスタート。
それから次々に、期間限定キャンペーン。
時期ごとのカテゴリーの転換。
一巡すると、顧客の暮らしは、引き算され、
新しい足し算の態勢が整う。

顧客の暮らしを見つめるところから、
こういった優れもののマーケティングが生まれる。

<結城義晴>  

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