結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年04月21日(火曜日)

「もうおやめなさい」と「脱コモディティ&低価格コモディティ」

2月4日に人間ドックに入って徹底検査し、
3月3日に大腸内視鏡検査を行い、
3月23日に胃カメラを飲んで胃の検査をし、
4月10日にピロリ菌呼気検査。

「一月往ぬる、
二月逃げる、
三月去る」

結城義晴の場合、
二月人間ドック検査、
三月内視鏡検査、
四月呼気検査。

その結果を今日、聞いた。

胃も腸も大丈夫。
ピロリ菌も見当たらず。
糖尿も痛風も事なきを得た。

62歳とすれば、いい方です。

ありがたい。

とは言っても、節制に務めるように。
このところ炭水化物を控えてきたが、
ご飯をやめて、
パンと麺は食べることにする。

お騒がせしました。

検査が終わって、
商人舎オフィスが迎えてくれた。

私のデスクのジャンセンのリトグラフ。
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小野貴邦さんの額。
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立教大学院・結城ゼミのペナント。
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安らぐ。

さて朝日新聞の巻頭コラムは、
東大の受験にも出題される、
有名な『天声人語』。

「人の世において出処進退は難しく、
地位に恋々(れんれん)として
晩節を汚した人は少なくない」

細川ガラシャ夫人の辞世の歌。
散りぬべき時知りてこそ世の中の
花も花なれ人も人なれ

明智光秀の三女にして、細川忠興の正室。
キリスト教信者で、悲運の最後を遂げた。
その壮絶な死に面しての辞世。

コラムが書きたいのは、
サッカーの三浦知良(かずよし)選手。
Jリーグ2部だが48歳の現役。
日曜日のゲームで、
自身の持つ最年長得点記録を更新。

1週間前の日曜日のサンデーモーニング。
関口宏が司会の長寿番組。

野球解説者の張本勲が、
三浦カズに対してコメント。
「もうおやめなさい。
若い選手に席を譲ってやらないと」

それを聞いたカズ。
「もっと活躍しろと
言われているんだなと思った。
激励されたと思って頑張る」

そして翌週の日曜日の最年長ゴール。

張本が、お返しの「あっぱれ!」

コラムは締める。
「とかく売り言葉に買い言葉、
悪態の応酬の多いご時世に、
一吹き、さわやかな風が渡っていった」

「かっこいいとは、こういうことだ。
まだまだ散るべき時にあらず」

散り際の人々には、
じつに大きな勇気を与えてくれカズだが、
しかし、このケースは、
極めて希だ。

散りぬべき時知らず、
のほうが断然、多い。

むしろ張本勲が妥当だ。
「もうおやめなさい。
若い選手に席を譲ってやらないと」

私も張本にならねばならない場合の方が、
圧倒的に多い。

さて、日経新聞の記事。
「小売り、『脱安売り』に軍配」

果たしてそうか。

「消費増税や円安の逆風が吹くなか、
客単価を引き上げた小売企業の業績が好調だ」

「脱デフレ期待の高まりを背景に、
価格を低く抑え、
シェア拡大を狙う企業が苦戦する一方で、
品質にこだわり、高付加価値戦略を採る
企業の業績好調が鮮明だ」

持ち出した事例は、
まずエービーシー・マート。

客単価の増加率は5.8%。
12期連続で最高益を更新する原動力。

5年前は客単価が5%ほど下がる一方で、
客数が7%ほど増えた。
価格を下げることで、
消費者を呼び込んでいた。

ところが消費者のデフレ志向は一変した。

野口実社長。
「安さを強調する商品だけでは
売上げが伸びない」

機能やファッション性を
高めたスニーカーを拡販。
前期は客単価が上昇したものの、
客数はほぼ横ばいを確保できた。

セブン&アイ・ホールディングス。
村田紀敏社長。
「商品の価値や質への評価が
重要になっている」

セブン-イレブンはそのとおり、
しかしイトーヨーカ堂はどうか。

良品計画。
3期連続で最高益を更新。
客単価3.6%増。
金井政明社長。
「高付加価値商品の販売に
注力したことが奏功」

ファーストリテイリングの上期。
客単価は約1割上昇、
半期として最も高い伸び。

消費増税に対応し、昨年の秋冬商品で、
同社として初めてとなる値上げに踏み切った。

値上げに伴って、
「エクストラウォーム(極暖)」など、
付加価値の高い商品に力を入れた。

業績も最高益を更新。

一方、しまむら。
客単価1.9%増で伸び悩み、
上場以来初の2期連続の減益。

記事は指摘する。
「高単価のプライベートブランド投入の出遅れ」

「消費増税後の節約志向の高まりが逆風で、
強みを持つ低価格帯の商品の売れ行きも
鈍かった」

ファミリーマートの客単価は0.5%下落。
コンビニ業界で、
「既存店売上高で前年同月比プラス」は、
セブン-イレブン・ジャパンだけだった。
「高付加価値戦略が成果を上げた」と総括。

そして日経新聞は、
主力小売業66社の営業利益を集計。
前期の増益企業は37社、
全体の6割弱。

「消費増税の影響が一巡する今期は
約9割の企業が営業増益を 見込む」

まとめはアナリスト。
SMBC日興証券の並木祥行さん。
「商品構成で差異化できる企業と
そうでない企業とで
明暗が分かれる構図は続くだろう」

これは商品構成のポジショニングを示している。
だからこの意見には私も賛成。

ただし付加価値を高め、
客単価を上げれば、
成功するかというと、
それだけでは、間違い。

「脱安売り」ではなく、
「脱コモディティ」。

一方、コモディティは、
しっかり低価格を出さなければ、
客数は落ちる。

高単価のプライベートブランドを投入しても、
それが脱コモディティの価値を有して、
顧客から評価されねば、成果は出ない。

だから「『脱安売り』に軍配」は間違い。
念のため。

「脱コモディティの開発投入と、
コモディティの低価格投入、
そのプロフィット・ミックス」

しかし「それを言っちゃあ、おしまいよ」
寅さん。

「花も花なれ 人も人なれ」ではある。

〈結城義晴〉

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