結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年08月17日(火曜日)

「災害級の豪雨・災害級の感染」と「二つの無知」

災害級の大雨。
西日本の豪雨。

お見舞い申し上げたい。

そしてCOVID-19第五波も、
災害級の感染。

菅義偉首相が夜9時に記者会見をして、
一昨日発表したことをなぞった。
sugakisyakaiken20210817

これで緊急事態は13都府県に宣言された。
効果が薄いまん延防止等重点措置は16道県。

しかも9月12日まで延期される。

残念ながら新鮮味もなかったし、
国民に訴えるものもなかった。
私にはそう見えた。

解除のめどは立たない。

そのなかで東京パラリンピックも、
1週間後の8月24日に開幕する。

私はパラリンピックに対して、
反対しているわけではない。

しかしそのあたりは記者会見などで、
きちんと説明されなければならない。
sugakisyakaiken202108172
一国の総理大臣はリーダーであり、
国の指導者だ。

「指導者」という言葉に使われている、
「導く」の意味は、
1.道案内をする。
2.正しい方向に手引きをする。
3.物事がそうなるように働きかける。
4.答えや結論を引き出す。

「国民の命を守ること」を繰り返し、
「緊急事態宣言の出口に向かって、
最大限の努力をする」と発言しても、
残念ながら「導く」がない。

残念ながら「空気」に、
忖度している首相だからである。

気になることが一つ。

これまでも緊急事態宣言発出のときに、
百貨店やショッピングセンターの、
休業、営業時間短縮、入場制限などが要請された。

そのときにの対象となった店舗は、
「1000㎡以上」

1000㎡は300坪である。
日本のスーパーマーケットの平均的な面積だ。

全国には数多の300坪以下の店があるし、
現在も都市部で盛んに開発されている。

百貨店や総合スーパー、
そしてショッピングセンターは、
1000㎡と比べると超巨大な商業施設である。

人が集まること、
人が流れてくること、
人が密になること。
これらを規制したいのならば、
デパ地下など致し方ないとも思うが、
1000㎡以下の店舗という、
一律の基準の定め方は、
いかがなものだろう。

『コロナは時間を早める』にも書いた。
ここに「業態」の概念は、
取り入れられないものかと思う。

最近は空を見上げることが多い。
今日の横浜の空。
IMG_61411

西日本の豪雨の影響もあって、
雲がさまざまな形をつくる。IMG_61481

そして東から青空がやってくる。IMG_61491
これは私たちにとって、
ちいさな希望かもしれない。

ちいさな喜び
ささやかな幸せ
あすへの希望

人が生きるには、
この三つが必要だ。

そして商業は人々に、
この三つを提供する生業(なりわい)だ。

ブレーズ・パスカルの『パンセ抄』
DSCN9204-5-448x336
断章三二七「二種類の無知」

「世間はものごとを正しく判断する」

世間を甘く見てはいけない。

「というのも、
生まれついての無知のなかにあるからだ」

「この無知こそが
人間の真の本拠地である」

同感したい。

「知識というものには二つの端があり、
その二つの端は互いに触れ合っている」

鋭い考察だ。

「最初の端は生まれついての純粋な無知である」

「すべての人間は生まれたときには
この無知のなかにある」

純粋な無知。

「もう一方の端とは、偉大なる魂が、
人間の知りうるすべての過程を
経巡ったのちにそこに辿りついて
自分は何一つ知っていないということを
発見する無知である」

発見する無知。

「彼らは自分たちが出発した
その無知に戻って、
自らに出会うのである」

「だが、これはおのれ自信を知っている
賢明な無知である」

賢明な無知。

「一方、この二つの無知の中間にある人たち、
すなわち生まれついての無知から出発しながら、
もう一方の無知には辿りつけないでいる人たちは、
これで十分と判断した
釉薬(うわぐすり)のような知識しかもっておらずに、
知ったかぶりをする」

中間の無知。

「こうした人たちこそ世を迷わし、
すべてを誤って判断する」

「民衆と真の識者が
世間の動力を成しているが、
中間の連中はこの動きを軽蔑し、
それによって軽蔑される」

指導者は真の識者であってほしいし、
そうあらねばいけない。

しかし指導者となった人が、
中間の無知にしか達していなかったら、
「世間」は不幸なことになる。

「彼らはありとあらゆることを
誤って判断するが、
世間は正しく判断する」

発見する無知と賢明な無知を、
誰もが目指さねばならない。

中間にありながら、
世間を甘く見てはいけない。

〈結城義晴〉

2021年08月16日(月曜日)

緊急事態宣言「拡大・延長」と「空気」に忖度する首相

Everybody! Good Monday!
[2021vol㉝]

2021年第33週。
8月に入って第3週。

盆の明け。

㈱商人舎は今日まで夏季休業。
今日は新聞各紙も休刊。

年中無休に見える新聞記者も、
休むときは休む。

新聞マスコミが休んでいる間に、
政府が緊急事態宣言の地域拡大を決めた。

菅義偉首相が記者会見した。
2021-08-16菅記者会見
宣言の対象に加えるのは、
茨城、栃木、群馬、静岡、
そして京都、兵庫、福岡の7府県。

現在はまん延防止等重点措置を適用中だが、
宣言への移行で対策を強める。
結果として宣言は13都府県に拡大する。

重点措置の対象地域は、
宮城、山梨、富山、岐阜、三重に、
岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島を加える。

現在適用中は、
北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本。
合計で16道県となる。

宣言と重点措置は20日以降、
合計で29都道府県に拡大する。

結局、47都道府県の61.7%が宣言と重点措置。

そして期限も9月12日まで延長しそうだ。

ああ。

後手後手のモグラ叩き。

「最後の措置だ」と、
神奈川や埼玉、千葉に、
宣言を発令したのが、
8月2日からだった。

それから半月で、
「最後の措置」はまた拡大され、
延長された。

「デルタ株は世界中で広がっている」
これが責任を問われた時の首相の言葉。

残念なことだ。

神奈川県では今日の新規感染者が、
2584人と爆発して、
月曜日の発表なのに過去最多。

千葉県も1608人と急拡大で過去最多。

飲食店の営業自粛要請だけでなく、
百貨店の食品売場などにも、
時間短縮や入場制限を求めていく。

宣言の対象地域では、
飲食店での酒類の提供を一律停止。
重点措置の地域も原則として停止。

朝日新聞のコラム「経済気象台」
14日のタイトルは、
「政策の根拠は明確か」

「高齢者に運転免許証の返納を促す。
酒を出す飲食店に休業を要請する。
この二つの政策の共通点は何だろうか」

前者の目的は、
「暴走などで人を傷つけないこと」
後者の目的は、
「新型コロナの感染を広げないこと」

「多くの国民が何となく当たり前に思い、
それに従う人も多い」

「しかし、政策の根拠は
明確に示されているだろうか」

コラムは根拠を探す。

警察庁の死亡事故データ。
免許保有者10万人あたりの死亡事故件数。

「16~19歳と80~84歳のあいだに
大差はない」

「事故率を下げることは確かに重要だが、
高齢者を目の敵にして
運転をやめさせるには根拠が薄い」

他方、飲酒会食と感染の拡大。

国立感染症研究所の7月初旬の発表。
「3人以上の飲酒を伴う会食に、
2週間以内に2回以上出席した人の
感染リスクは0~1回の人の5倍」

しかしアンケートの対象は、
300人に満たない。

調査の母数が少なすぎるし、
詳細な分析内容は示されていない。

新型コロナウイルスの感染経路は、
明らかになっていないケースが多い。

コラム。
「飲食店が主な経路だという
調査結果は聞かない」

運転免許の高齢者と、
コロナ感染の飲食店。

何となく納得しているが、
本当にそれが事実なのか。

そしてその措置で問題は解決するのか。

「政策の根拠は、
事実と論理に基づくもので
なければならない」
kokkai_touben_taido_warui

会社や店でも同じことが起こる。

空気を読んで、
「こうだろう」と推定する。
何となく納得して、
そのことに集中するが、
結果が出てこない。

それは前提とすることの根拠が、
事実と論理に対して甘いからだ。
あるいは間違っているからだ。

故山本七平さんは、
太平洋戦争に突入した意思決定を、
「空気で決めた」と指摘した。
山本七平

日本において「空気」は、
ある種の絶対権力を握っている。
山本七平さんの分析だ。
空気の研究

誰でもないのに誰よりも強いこの妖怪を、
今、首相までもが「忖度」している。

このあとの8月下旬には、
お盆休み期間中の感染の結果が、
発表されてくる。

どこまで広がるか。

国民は不安の中にある。

しかし、
「事実と論理に基づく根拠」に沿って、
国民が一丸となっていれば、
希望があるはずだし、
必ず成果が上がるはずだ。

「空気で決めた」ことには、
国民は一丸となれない。

会社も店も同じである。

事実と論理に基づく根拠。
これこそ私たちが頼りにするものだ。

「空気で決めた」政策や対策は、
結局、空気の流れによって、
うやむやになっていく。

少なくとも仕事や商売においては、
それは避けなければならない。

では、みなさん、今週も、
事実と論理に基づく根拠をもって。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年08月15日(日曜日)

終戦の日の「死んでも死にきれない」

終戦の日。

76年前の今日、
先の大きな戦争は終わった。

日本にとっては敗け戦。
米英中露にとっては勝ち戦。

重い重い日だった。

「戦争を知らない子供たち」であっても、
その重さを背負っている。

私も「知らない子供たち」のひとりだ。
戦争は知らないけれど、
その重さを背負わねばならないし、
背負いたいと思う。

父は戦争の最後の最後に従軍した。
中国の大連で成長した父に、
「赤紙」が来て、
満州の関東軍に配属された。

ほとんど訓練も受けずに、
父ら新兵たちは列車に詰め込まれて、
満州鉄道を奥へ奥へと連れて行かれた。

ある駅に到着したら、
上官が新兵たちを列車から下ろした。
そして言った。
「お前たちはここから歩いて帰れ。
戦争は終わる」

それで父は生き続けた。
だから私が存在する。

横浜は今日も雨。
IMG_61101

街中が煙っている。IMG_61201

遠くにみなとみらいの高層ビル。IMG_61181

雨と霧に隠れてぼんやりとしか見えない。IMG_61211

横浜そごうの駐車場のジューススタンド。IMG_61111

ひまわりのブーケを買いました。
IMG_E61161
それを実家の仏前に。

線香をあげて、
両手を合わせる。

例年の8月15日は、
カンカン照りの日が多い。

しかし今年2021年は、
梅雨の終わりのような停滞前線が、
日本列島を覆いつくす。

[極端気象]
極端気象

そして新型コロナウイルス感染。
東京都の1日の新規陽性判明者は、
日曜日として最多の4295人。

重症の患者は251人で、過去最多を更新。

神奈川県は2081人。
こちらも日曜日としては過去最多。

千葉県は1374人で、
日曜日にもかかわらず、
3日連続で過去最多更新。

関西も新規感染者は多い。
大阪府1764人、兵庫県517人、
京都府414人。

福岡県681人、
沖縄県661人、
愛知県609人。

そして全国では1万7832人。
これまでの死者は1万5424人。

朝日新聞「折々のことば」
第2116回。

死のがわに拉致されるか、
生のがわにのこされるかは、
まったくの偶然。
〈歌人・佐藤通雅(みちまさ)〉

「東日本大地震の日の
その時間、偶々(たまたま)
“だれと、どこにいて、
なにをしていたか”で
被災のかたちはみな違った」
(『路上』最終号から)
路上最終号
編著者の鷲田清一さん。
「こうした偶然に人は苦しみ、
そしていつか運命として受け容(い)れる」

先の大戦で私の父は、
生のがわにのこされた。

「が、無謀な戦争や
過失による災禍のように、
これが誰かの不見識、
その愚かで小心な差配によるのなら、
納得は最後まで訪れない」

「死んでも死にきれない」

毎日新聞一面コラム
「余禄」

「今度の戦争に敗れた一つの理由は
主観的な観念性に走って
科学を媒介とした客観性、世界性から
遊離したことにあった」

1945年8月20日の、
高坂正顕(こうさか・まさあき)さんの言葉。
京都大学人文科学研究所長。
カント哲学の祖の一人。
1900年~1969年。

故高坂正堯(まさたか)さんはその次男。
元京都大学教授、国際政治学の巨人。
1034年~1996年。
高坂正あき

その高坂さんの父上。
終戦の5日後に言い切った。
「外に目をふさいで己(おのれ)を高しと
いうような趣はなかったか」

「ひとりよがり」な日本の、
「自己認識、世界認識に敗因を求めた」

トップのひとりよがりや不見識、
主観的な観念性への傾斜、
客観性、世界性からの乖離によって、
末端の人間たちは、
死のがわに拉致されるか、
生のがわにのこされるか。
それがまったくの偶然だとすると、
「死んでも死にきれない」

志村けんさん、
岡江久美子さん、
高田賢三さん、
岡本行夫さん、
羽田雄一郎さん。

新型コロナウイルスによって、
死のがわに拉致された。

終戦の日は多くの人々の死と、
向き合うときである。

それがお盆の真ん中にある。
COVID-19の感染拡大の最中にある。

死と向き合うとき私たちは、
想像を超えた恐怖とともに、
命の尊さを痛いほどに実感する。

なによりも大切なものが、
心のなかで浮き彫りになる。

それが生き抜く力にもなる。

〈結城義晴〉

2021年08月14日(土曜日)

仕事の中に純粋な希望を求めることで人は救われる。

お盆に入って2日目。
8月14日。

帰省のシーズンだが、
それもままならない。

全国的に雨模様で、
局地的に大雨が続く。

だから全国的に人々の外出も、
控え目だったのだろう。

「人の流れ」は抑えられたか。

日経新聞の記事。
「クラスター週400件」

新型コロナのクラスター発生件数が、
急増している。

アルファ株はイギリス型。
ベータ株は南アフリカ型。
ガンマ株はブラジル型。
そしてデルタ株はインド型。

それにギリシャ文字では、
飛び火してラムダ株が出てきた。
南米ペルー型。

商人舎流通スーパーニュースでも、
「新型コロナ」のバーをクリックすると、
多くの新規感染者が判明している。
びっくりするほどだ。
ryuutuusu-pa-nyu-susingatakorona

現場の状況は厳しい。

厚生労働省の集計。
クラスターの定義は、
同じ場所で2人以上が感染した事例。

8月10日時点で計9735件。
直近8日間では407件。

7月上旬は週105件だった。
3倍以上の発生ペース。

特に増えたのが企業のクラスター。
そして商業施設のクラスター。

百貨店やショッピングセンターが多い。

百貨店は、
阪神梅田本店や伊勢丹新宿本店などで、
クラスターが発生した。

フロア別分析では、
地下階での事例が3分の1を占める。
つまりデパ地下。

これはよくわかる。

そこで百貨店各社は、
混雑時の入場制限を始めた。

阪急うめだ本店は昨日の13日から、
食品売場への入り口を一部閉鎖。

三越伊勢丹や高島屋なども、
今日の14日から混雑時に入店を制限。

全国に約150カ所のイオンモールは、
来場人数を計測して、
「混雑度」が50%を超えた場合、
入場を制限する。

粛々と感染防止を続ける。
それしかない。

こんな時にはむしろ、
仕事をしているのがいいと思う。

仕事が人を救う。
仕事が社会を救済する。

コロナの時期など、
極端な話だが、
余分な休みがないほうがいいとさえ思う。

お盆の連休、
その前の五輪の連休。
夏休み。

すると、
仕事を持っている人たちは、
仕事から離れる。
児童や生徒や学生は、
勉強から離れる。

それが人々の心をざわつかせ、
人の流れとなる。

テレワークのできる人たちは、
それぞれの自宅で、
エッセンシャルワーカーは、
それぞれの最前線で、
それぞれに仕事に邁進する。

仕事は人を前向きにしてくれる。
仕事は人を外向きにしてくれる。
仕事は人を上向きにしてくれる。

仕事は絶望の淵から人を救ってくれる。
仕事は希望の炎を灯してくれる。
そして仕事は失望を希望に変えてくれる。

糸井重里の「ほぼ日」
昨日の巻頭エッセイ。
p_itoi-448x484

「絶望とは愚か者の結論である」
ベンジャミン・ディズレーリ。
19世紀のイギリスの政治家のことば。
ベンジャミンディスれーり
糸井。
「絶望って”手詰まり”だということなので、
どうにも”やりようがない”んですよね」

なんかあるんじゃないか、
どうにかできるんじゃないか、
という”希望”を、
愚かでない人は探そうとします」

“やりようがない・わけじゃない”
それだけで生きる気にもなれる。

「”希望”を探すことは、
まったくいいことだと思います」

「ただ、あたりをよく見ることが
大事なのです」

二つの希望がある。
「すぐにわかりやすく語られる
“希望”でなくとも、
よく考えたらくっきり見えてくる
“希望”もあるはずです」

よくよく考えると、
希望はくっきりと見えてくる。
このよくよく考えた希望が大切だ。

「その”希望”には
どういう根拠があるのか、
どんな人がどう説明してるのかを、
落ち着いて観察します」

「”すぐ、これにつかまれ!”と
藁(わら)を投げることのほうが、
わかりやすくてこころに響くことも
あるかもしれません」

溺れる者は藁をもつかむ。
そんな甘言も多い。

「でも、大きな事実の集積が、
ほんとうの”希望”には
あるはずだと思うのです」

ほんとうの希望には、
事実の集積という根拠がある。

「”絶望”は愚か者の結論ですし、
絶望に耐えて生きることは
人間には無理でしょう」

「でも、絶望を怖れるあまりに
あわててつかんだ”希望”は、
たくさんの人たちを溺れさせる
藁だったりもします」

そう、絶望を恐れて、
慌てて藁をつかんではいけない。

世の中には、
こういった藁があちこちにある。

最後に糸井重里の祈り。
「”希望”を求めるという
純粋な気持ちが、
落ち着きと寛容と共に、
よい判断につながりますように」
2019120501
私は商売という仕事の中に、
純粋な希望を求めることで、
商人は救われるのだと、
固く信じている。

〈結城義晴〉

2021年08月13日(金曜日)

政治家も社長も上司も「できない約束をしてはならない」

8月13日は盆の入り。
盆の明けは16日。

商業にとっては、
この4日間が盆商戦。
obon11
書き入れ時。
「帳簿への記入に忙しい時」

いまは帳簿の記入など、
コンピュータがやってくれる。
だからその業務はなくなったが、
お金はどんどん入ってくる。

儲かる時。

よく言われることだが、
「掻き入れ時」ではない。

だから、顧客の対応には心を砕きたい。

忙しいの「忙」は、
立心偏(りっしんべん)に「亡」、
つまり「心を亡くす」と書く。

これもよく言われることだ。

しかし顧客がやって来てくれて、
忙しければ忙しいほど、
その顧客に配慮する余裕が必要だ。

新型コロナウイルス感染。
今日1日の新規感染者は、
全国で2万人を超えて2万0365人。

東京都が5773人、過去最多。
神奈川県が2281人、過去最多。
埼玉県は1696人、2日連続最多更新。

大阪府は1561人。
千葉県1089人、過去最多。

福岡県951人。
沖縄県721人。

この中で、
全国の自宅療養者は7万4000人。
東京都は2万0726人。

緊急事態宣言は、
沖縄県・東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県・大阪府。

まん延防止等重点措置は、
北海道・石川県・京都府・兵庫県・福岡県、
福島県・茨城県・栃木県・群馬県、
静岡県・愛知県・滋賀県・熊本県。

福井県は独自に緊急事態宣言を発令。

この最悪の感染状況のなかで、
お盆休みに突入した。

怒るのならば、
コロナウイルスに怒れ。

だがそれでは問題は解決しない。

人間の力で、
感染を最小限に止められるし、
それをしなければならない。

最後は一人ひとりの意識の問題だ。
一人ひとりの力だ。

自覚しなければならない。
覚悟しなければならない。

そんなお盆商戦だ。
??????????

さて、今日は、
東京都小平市。

第一屋製パン㈱取締役会。
IMG_60971
東横線で武蔵小杉へ、
それから南武線に乗り換えて、
府中本町へ。
さらに武蔵野線で新小平へ。

横浜から川崎、そして東京。

都心部を避けて、
いわば裏街道を電車で動く。

いつものように二重マスク。
ワクチン2回接種済みだが、
万全の態勢。

取締役会では、
社長をはじめ常勤取締役や本部長たちの、
顔を見る、声を聴く。

それが重要だと思っている。

日経新聞の経済コラム「大機小機」
タイトルは、
「政治家は守れぬ約束するな」
コラムニストは辛口の「四つ葉」氏。

「夏休みの季節が来ると
苦い気持ちで思い出す教訓がある」

「子どもとできない約束をしてはいけない」

ある、ある。

本を何冊読む。
自由研究はお盆前に終わらせる。
規則正しい生活をする。

「この時期、親子が、
さまざまな約束をするものだ」

私はあまりそんな約束はしなかった。
あくまで自由にやらせた。

コラムニスト。
「だが、最初から守れるはずのない約束を
交わしてはいけない」

「守れない約束とは、
守らなくてよい約束だからだ」

同感だ。

「当然、約束は果たされず、
親の威信は低下する。
親子関係のモラルハザードが生じる」

コラムニストは、
新型コロナ対策の自粛要請と、
「似たようなところがある」と言う。

たとえば、飲食店の営業自粛や休業。
「最初から守れない約束を迫るべきではない。
お上の信用を失墜させるだけだ」

「感染症の専門家が言うのはまだ仕方ない。
彼らは世間知らずな人たちだから」

これも辛口のように見えるが、
そうでもない学者もいると私は思う。

「いやしくも政治家の判断は、
違う次元であるべきだろう」

「東京五輪は家でテレビで見てくれ、
などというのもむちゃな約束だ」

これは菅義偉首相の発言。

「マラソン選手が家の近所を走ったら、
沿道に出て手を振るのが
自然な心情だろう」
〈日本陸上競技連盟公式サイトより〉
大迫傑
「本気で”ゼロ・コロナ”を目指すのなら、
五輪は中止すべきだった」

これは日本共産党の主張。

「開催するからには、
ある程度の感染拡大は覚悟の上だろう。
それを”安心・安全”などとごまかすから
嘘臭くなってしまう」

そう、嘘臭い。
本気度が伝わらない。

「何しろ政治家には立法権がある。
その気になれば、海外のような
ロックダウンだって可能なはずだ」

「私権の制限に伴う
損失補償の制度も作ったらよい」

その勇気がない。
責任を取りたくないのか。

「全国の自治体や保健所に対して
政府の指揮命令系統を確立すべきだろう」

「逆に彼らがお手軽な
“お願い攻勢”に出ていることは、
それは守らなくてよい約束
ということになるのではないか」

お手軽な”お願い攻勢”は結局、
責任の所在をあいまいにする。

「もっとお粗末なのは全国知事会の面々だ」
これも匿名のコラムだから書けること。

「彼らは都会に行っている学生たちに、
お盆には帰省するなと告げた」

できない約束や無理強いばかり。

コラムニストの最後の言葉。
「子どもの目が
親の身勝手を鋭く見抜くように、
民はお上の愚かさを見切っていよう」

子どもが親の、
民がお上の、
身勝手さを見抜いている。

それだけではない。

社員は社長の、
部下は上司の、
愚かさを知っている。

できない約束をしてはいけない。
できない公約を表明してはならない。
できないメッセージを発してはならない。

この約束はビジョンとは異なる。

以て自戒とすべし。

〈結城義晴〉

2021年08月12日(木曜日)

商人舎8月号「フードロス」と西内啓氏と一致した「DX」の本質

九州各地の災害級の大雨。
線状降水帯の発生と川の氾濫。
十年に一度、何十年に一度の雨が、
毎年のように降る。

これからも、
記録にない大雨が予想される。

[極端気象]である。極端気象
心からお見舞い申し上げたい。

一方、新型コロナ感染。
新規感染者は全国で1万8890人。
過去最多となった。

東京都は4989人。
重症者は218人で過去最多。

1000人を超えたのが、
神奈川、大阪、埼玉、千葉、福岡。

20の府県で過去最多。

政府分科会会長の尾身茂先生の指摘。
昨年4月の第1回緊急事態宣言のころと、
同じレベルに「人流」を減らさねばならない。

とてもそんな空気はないが。

今日から商人舎は夏季休業。
来週月曜日まで。

その間、商人舎流通スーパーニュースは、
配信を休業する。
ご了解願いたい。

しかし私はオフィスに出社。
そして昼はいつも、
裏の遊歩道を歩く。
IMG_60961

近くの新田間川。
空模様は怪しくて、
夏の暑さはない。
IMG_60891

岡野町交差点の人気ラーメン店。
「家系総本山 吉村家」IMG_60901
大人気の行列ができる店。
密であることは従来と変わらない。

私は一度だけここで食べて、
その味の濃さに驚いた。

年です。

そこで最近はこの店には寄り付かない。

オフィスに戻って、
月刊商人舎8月号を持って写真。IMG_E60941
今月も「いい仕事」ができました。

表紙写真は「地球の廃棄物」
????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????

いつものように私は、
巻頭の「特集のまえがき」を書いた。
「フードロス」と小売業の「現場ロス」

現時点の世界人口は約77億人。
しかし約8億2100万人が飢えに苦しむ。
9人に1人の割合。

飽食の先進国と、
貧困や飢餓に苦しむ後進国・途上国。

世界の食糧生産量は毎年約40億トン。
これは77億人の食を賄うには十分。

しかし世界の食品廃棄物の総量は13億トン。
年間生産量の32.5%が廃棄されている。

日本の食品廃棄物等は年間2531万トン。
このうち「フードロス)は600万トン。
さらに「事業系」は324万トン、
「家庭系」が276万トン。

事業系の中で、
食品製造業は126万トン、
食品卸売業は16万トン、
食品小売業は66万トン、
そして外食産業が116万トンだ。

これを減らしていかねばならない。

会社の利益を確保しつつ、
フードロスを減少させる。

これは両立できる。
そして大きな社会的役割となる。

さて日経新聞電子版。
「経営者ブログ」
統計学者の西内啓さん。
㈱データビークル代表。
西内啓2
その著書『統計学が最強の学問である』
この本はぜひ読んでおくべきだ。

ブログのタイトルは、
「DX、注目すべきは人間生活の変化」

デジタルトランスフォーメーション。
「DX」

西内さんは色々な会社から、
DXに関する相談を受ける。

その中で気づいたこと。

「専門用語の使い方や出典の厳密さ」
これにもっと注意を払うべきだということ。

そしてDXに関しては、
エリック・ストルターマン教授の原文に、
目を通したほうがいいと言う。

スウェーデンのウメオ大学教授。

教授は、
「これからの企業は
DXを進めないとダメだ!」
「DXを進めることで
企業はうまくいくのだ!」
とは主張していない。

「ものすごく大ざっぱに言えば
ストルターマン氏は
“デジタル技術自体ではなく
デジタル技術によってもたらされる
人間の生活の変化の方に注目しましょう”
と書いているわけです」

これは月刊商人舎3月号で、
私も指摘したことだ。
商人舎3月号DX

私の著書の第七章にも書いた。
「リテールDXと”加速の加速”」
1tannkoubonnhyousi

ストルターマン教授は、
「The Good Life」を提案している。

西内ブログ。
「原文を理解しないまま言及される
はやり言葉としての”DX”は
時に元の意味を損なうどころか、
むしろ正反対の方向に進む
リスクさえある」

西内さんはさらに、
経済産業省の定義を披露する。

これも私の指摘と同じだ。

「ストルターマン氏も経産省も共通して
“デジタルにすればうまくいく”
“とにかくデジタルに移行しなければいけない”
なんてことは一言も言っておらず、
むしろデジタル技術に適応した
人間側の変化に注目するのが
DXの本質だと解釈できるでしょう」

私は3月号で書いた。
「ビジネスを成功させる、
商売で儲ける、仕事をうまく運ぶ。
それはデジタルトランスフォーメーションの
二次的効果である。
これを忘れてはならない」

西内啓さんの主張と、
結城義晴の指摘。

完全に一致して、
ちょっといい気分だ。

何ごとも原点に当たる。
そしてしっかりと定義して始める。

だから「結城義晴の”定義集”」を、
毎月の連載で書き始めた。

わかる人はわかっている。
うれしい限りだ。

〈結城義晴〉

2021年08月11日(水曜日)

今月の標語「見えないものを見る。」と独メトロの日本撤退

暑かろうが、涼しかろうが。
日が照ろうが、雨が降ろうが。
木々は茂り、花は咲く。IMG_56871

「歩く姿は百合の花」IMG_56851

今月の商人舎標語。
商人舎8月号の[Message of August]

見えないものを見る。

目に見えるものは変えやすい。
目に見えないものは変えにくい。
人間の性(さが)か、商人の業(ごう)か。
私の欠点か、あなたの弱点か。

目に見える売場はすぐに直す。
目に見えないバックヤードはいつまでも汚い。
目に見える廃棄ロスは許せない。
しかし目に見えない機会損失は関知しない。

もちろん目に見えるものさえ、
手が付けられないほど忙しい。
だから目に見えないものなど、
いっさいお構いなし。

それが小売り現場の実態かもしれない。
競争激化がそれを助長させたかもしれない。
人手不足がその言い訳となったかもしれない。
コロナ禍がそれを許してくれたかもしれない。

世界中のフードロス。
目には見えない。
しかしそこに思いを致す。
ジョン・レノンのごとく想像してみる。

頻繁に現場で生まれる不明な損失。
これも目に見えない。
けれどそれを見える化し、探求する。
全体最適のなかで好循環を生み出す。

目に見えないものを、
見えるようにする。
隠されたものを、
みんながわかるようにする。

「とても簡単なことだ。
心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、
目に見えない」(星の王子様)
???????????????????????????????????????????????????????????
最後の言葉は、
サンテグジュペリの「星の王子様」から。

そして『コロナは時間を早める』の、
実は重要なキーワード。

最後まで読んでくださった方には、
わかるだろう。
1tannkoubonnhyousi

高知から帰って、
高知新聞を覗く。
社会面コラム「地空」
報道部・吉良憲彦記者が書く「選択」

「いつもの夏なら、今ごろ…。
高知市の街中には鳴子の音が響き、
踊り子たちの笑顔があふれている」

「よさこい祭り」のことだ。

8月9日が前夜祭、
8月10日と今日の8月11日が本祭、
8月12日が全国大会と後夜祭。

4日間で延べ100万人が集まるし、
経済効果は100億円と言われる。

そして後夜祭の12日から今度は、
徳島の阿波踊りが始まる。

昨年、今年と、
どちらも中止された。

高知新聞コラム。
「例年よさこいが終われば、秋が来る。
台風一過の夜風は涼しかった。
選ぶ秋はもうすぐ―」

そのとおり。

よさこいが終わるころ、
甲子園高校野球が始まっている。

そして東京2020オリンピックは、
潮が引くように去っていって、
コロナ禍[キャズム]が残る。

今日の全国新規感染者1万5812人。
過去最多を更新。

9府県でも過去最多を更新。

東京都は4200人。
重症の患者は197人で、
これも過去最多を更新。

朝日新聞「折々のことば」
第2110回。

貧しい言葉で
豊かな明日を語るくらい、
人びとを
シラケさせるものはない。
(天野祐吉)
31EC6MK--WL._SX341_BO1,204,203,200_
編著者の鷲田清一さん。
「昨今の政治家や官僚は
ほとんどが書き言葉で語る。
用意した原稿を読み上げて終わり。
伝えたいという熱がこもらない」

「たまに芝居っけたっぷりに
熱く語る例外があっても、
“改革”や”安心”という語が
呪文のようにまき散らされるだけ」

「こういう空虚や熱狂を介さずに
〈声〉が聞ける政治家の言葉を
編集者・コラムニストは求めた」

鷲田さんは公明正大な哲学者。
大阪大学総長などを歴任し、
大阪大学名誉教授、
京都市立芸術大学名誉教授。
author1409
その鷲田さんが、
天野さんの言葉を借りて、
〈声〉が聞ける政治家の言葉を求めた。
いや〈心〉が伝わる政治家かもしれない。

ここまでくると逆に政治家こそが、
この難関を突破できる存在だとも思う。

さて商人舎流通スーパーニュース。
新型コロナ感染news |
8/11発表の新型コロナ感染状況

全国の新規感染者が増えるほどに、
店頭での感染者も増える。

クリックして、ページを開き、
ざっと見てほしい。

それから、
メトロnews|
日本市場から2021年10月末に撤退

結城義晴の述懐を書いておいた。
「フランス第一のカルフールが早々と退散し、
イギリス首位のテスコが撤退し、
アメリカ第一で世界第一のウォルマートが
結局、15%の株式を所有するものの、
フェードアウトしていきそうだ。
そしてドイツでトップだったメトロも、
コロナ禍のあおりを受けて、
撤退を決定した」

ジョン・ダニングの「OLIパラダイム」。
海外直接投資の総合的なフレームワーク。

この理屈を使って、
メトロやカルフール、テスコの撤退が、
説明できる。

[述懐]では簡略化して解説した。

しかしいかに論理的に説明しても、
実は経営の本質は、
目に見えないところにある。

だからコストコの日本での成功も、
目に見えないところにある。

顧客だけがそれを知っている。

だからコストコの熱烈な顧客となって、
あの店を楽しまねば理解はできない。

「いちばんたいせつなことは、
目に見えない」のだから。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.