結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年08月15日(日曜日)

終戦の日の「死んでも死にきれない」

終戦の日。

76年前の今日、
先の大きな戦争は終わった。

日本にとっては敗け戦。
米英中露にとっては勝ち戦。

重い重い日だった。

「戦争を知らない子供たち」であっても、
その重さを背負っている。

私も「知らない子供たち」のひとりだ。
戦争は知らないけれど、
その重さを背負わねばならないし、
背負いたいと思う。

父は戦争の最後の最後に従軍した。
中国の大連で成長した父に、
「赤紙」が来て、
満州の関東軍に配属された。

ほとんど訓練も受けずに、
父ら新兵たちは列車に詰め込まれて、
満州鉄道を奥へ奥へと連れて行かれた。

ある駅に到着したら、
上官が新兵たちを列車から下ろした。
そして言った。
「お前たちはここから歩いて帰れ。
戦争は終わる」

それで父は生き続けた。
だから私が存在する。

横浜は今日も雨。
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街中が煙っている。IMG_61201

遠くにみなとみらいの高層ビル。IMG_61181

雨と霧に隠れてぼんやりとしか見えない。IMG_61211

横浜そごうの駐車場のジューススタンド。IMG_61111

ひまわりのブーケを買いました。
IMG_E61161
それを実家の仏前に。

線香をあげて、
両手を合わせる。

例年の8月15日は、
カンカン照りの日が多い。

しかし今年2021年は、
梅雨の終わりのような停滞前線が、
日本列島を覆いつくす。

[極端気象]
極端気象

そして新型コロナウイルス感染。
東京都の1日の新規陽性判明者は、
日曜日として最多の4295人。

重症の患者は251人で、過去最多を更新。

神奈川県は2081人。
こちらも日曜日としては過去最多。

千葉県は1374人で、
日曜日にもかかわらず、
3日連続で過去最多更新。

関西も新規感染者は多い。
大阪府1764人、兵庫県517人、
京都府414人。

福岡県681人、
沖縄県661人、
愛知県609人。

そして全国では1万7832人。
これまでの死者は1万5424人。

朝日新聞「折々のことば」
第2116回。

死のがわに拉致されるか、
生のがわにのこされるかは、
まったくの偶然。
〈歌人・佐藤通雅(みちまさ)〉

「東日本大地震の日の
その時間、偶々(たまたま)
“だれと、どこにいて、
なにをしていたか”で
被災のかたちはみな違った」
(『路上』最終号から)
路上最終号
編著者の鷲田清一さん。
「こうした偶然に人は苦しみ、
そしていつか運命として受け容(い)れる」

先の大戦で私の父は、
生のがわにのこされた。

「が、無謀な戦争や
過失による災禍のように、
これが誰かの不見識、
その愚かで小心な差配によるのなら、
納得は最後まで訪れない」

「死んでも死にきれない」

毎日新聞一面コラム
「余禄」

「今度の戦争に敗れた一つの理由は
主観的な観念性に走って
科学を媒介とした客観性、世界性から
遊離したことにあった」

1945年8月20日の、
高坂正顕(こうさか・まさあき)さんの言葉。
京都大学人文科学研究所長。
カント哲学の祖の一人。
1900年~1969年。

故高坂正堯(まさたか)さんはその次男。
元京都大学教授、国際政治学の巨人。
1034年~1996年。
高坂正あき

その高坂さんの父上。
終戦の5日後に言い切った。
「外に目をふさいで己(おのれ)を高しと
いうような趣はなかったか」

「ひとりよがり」な日本の、
「自己認識、世界認識に敗因を求めた」

トップのひとりよがりや不見識、
主観的な観念性への傾斜、
客観性、世界性からの乖離によって、
末端の人間たちは、
死のがわに拉致されるか、
生のがわにのこされるか。
それがまったくの偶然だとすると、
「死んでも死にきれない」

志村けんさん、
岡江久美子さん、
高田賢三さん、
岡本行夫さん、
羽田雄一郎さん。

新型コロナウイルスによって、
死のがわに拉致された。

終戦の日は多くの人々の死と、
向き合うときである。

それがお盆の真ん中にある。
COVID-19の感染拡大の最中にある。

死と向き合うとき私たちは、
想像を超えた恐怖とともに、
命の尊さを痛いほどに実感する。

なによりも大切なものが、
心のなかで浮き彫りになる。

それが生き抜く力にもなる。

〈結城義晴〉


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