結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年07月17日(木曜日)

オークワ販売会議の「講演」と大阪・寝屋川の激闘の「本気度」

昨日大阪から和歌山に入った。

今日は㈱オークワの研修センター。
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7月度の販売会議が開かれている。
その中での講演。

大会議室には210名ほどが参集。
大桑弘嗣社長をはじめとする経営幹部から、
現場の店長までが一堂に揃う。IMG_7720

ほかにも研修センターの各部屋で、
web会議方式で参加し、視聴する。

一昨年の夏から、
1年に2回講師として招かれて、
今日で5回目。

今日のテーマは、
「本気の52週MD」
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月刊商人舎2月号特集。
202502_coverpage

中心となるのはもちろん、
鈴木哲男さんの考え方だ。

8月のお盆商戦を控えて、
どこのチェーンにとっても、
52週MDの本質を確認しておく必要がある。
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商人舎2月号の内容を一つひとつ整理しながら、
結城義晴流に講義していく。IMG_7733
今回はあえてパワーポイントを使わずに、
ダイレクトに講演をした。

これもなかなか、よかった。

荒井伸也サミット元社長・会長が1987年、
『日本スーパーマーケット原論』を書いた。
これは月刊食品商業で1年間連載された。
私が編集者として担当した。
それが一冊の単行本になった。
不朽の名作だ。

そのなかで荒井さんは、
「作演システム」を唱えた。

商品部の「作」と店舗や店舗運営部の「演」。
音楽で言えば作曲家の「作」と演奏家の「演」。
芝居や映画で言えば作家の「作」と演者の「演」。

ベートーベンもカラヤンも、
どちらにも凄いクリエイティビティがある。
両者が揃って初めて、
素晴らしい音楽が実現する。

チェーンストアの商品部と店舗も同じだ。

鈴木哲男さんはそれに「調」を加えて、
「作演調」と表現した。
「調」はマーケティング部や販促部が担う。IMG_7739
三位一体となって初めて、
「営業活動」は完成する。

さらに菊竹清訓さんと城功先生の考え方、
「カ・カタ・カタチ」
いまではツルヤがこの考え方を踏襲する。IMG_7742
「カ」は最も根源的なもの。
理念や使命、ビジョンやコンセプト。

「カタ」はその「カ」を実現する、
手段や方法。

わが社らしい技術や仕組み、システム。

「カタチ」は結果としての成果物。
たとえば完成された商品、売場、
業態やフォーマット。
そして52週MDの成果。

皆さん、真剣に聴講してくれた。IMG_7741

最後は大きな拍手をいただいた。
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年末年始に次ぐ、稼ぎ時のお盆商戦。
頑張ってほしいものだ。

結語は商人舎2月号のMessage。

「やってる感」を払拭せよ。

倉本長治は厳しい。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」

一瞬たりとも、
気を抜くな、手を抜くな。
その積み重ねが君の人生に意味を与える。

対して52週MDは優しい。
1年間は52週、四半期は13週。
まずはその基礎単位の1週間を充実させよ。

52週マーチャンダイジングと言うけれど、
中身はウィークリーマネジメントである。
週単位のオペレーションとプロモーションである。

商品部の「商品調達と商品開発計画」。
店舗の「売り方と運営と販売計画」。
マーケティングセクションの「販促計画」。

商品部の「作」、
店舗の「演」、
販促部の「調」。

それらが一体となった商品。
それらが融合した売場。
それらが衝突しつつ爆発する店。

しかしここに「やってる感」が忍び込む。
成果の有無や大小を問わず、
頑張る姿勢だけ見せる。

悪しき組織風土。
悪しき官僚化。
悪しき大企業病。

それを払いのけるには、
「本気」の行動が必須である。
そして行動の成果をこそ評価すべきだ。

「やってる感」は外面(そとづら)である。
「本気」は内面(うちづら)の問題だ。
内面が外面に抑え込まれる。

そうすると「やってる感」が生まれてくる。
「やってる感」で仕事し、
「やってる感」で生活してしまう。

「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
倉本長治はやはり正しい。

自分の人生を深く考えるとき、
外面の生き方には意味がない。
いつだって自分には内面がわかるからだ。

「やってる感」を払拭せよ。
それは自分自身を見つめることだ。
あくまでも自分を高めることだ。
〈結城義晴〉
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ご清聴、感謝したい。

講義終了後、急ぎ和歌山駅へ。
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ところが朝方から大雨で、
特急くろしおが2時間以上の遅延。
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それでも11時50分発のくろしおが、
15時ごろに到着して乗ることができた。

その後、大阪・天王寺から、
寝屋川市の香里園へ。

ご存知、「寝屋川の陣」
商人舎2020年10月号特集。
ロピア飛来!大阪寝屋川の陣
平和堂・ライフ・万代の棲み分け競争を描き出す
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あれからもう5年が経過した。
そしてロピアの隣に、
バローが出店してきた。

商人舎流通SuperNews。

バローnews|
寝屋川市に「スーパーマーケットバロー香里園店」7/4出店IMG_4482 (002)

7月4日(金)、
バロー香里園店がオープン。

初日は4000万円を売ったと噂が流れた。
凄いインパクトの売り方だった。

それによってロピアの顧客は半減したらしい。IMG_4483 (002)

敷地面積3000坪、建築面積1095坪。
延床面積947坪、売場面積589坪。
バックヤードは318坪。

広いバックヤードは生鮮食品の強化を物語っている。
駐車場は店舗前面に208台。

島忠ホームズ寝屋川店の隣の敷地に、
張り付くように店舗が登場した。

営業時間は平日10時から20時。
土日曜9時半から20時。

これも典型的な生鮮強化型。
商人舎特任研究員からも、
熱い報告があった。

あまりにそれが強烈なので、
講演の後、見に行った。

なるほど、そうか。

とくに鮮魚部門はいい魚、高級魚も含めて、
鮮度のいい商品を超のつく安値で販売し、
売場では売り切りし、店は早仕舞いする。

そのあと隣のロピア寝屋川店へ。
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5年前が懐かしい。
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「肉のロピア」の売場は変わらない。
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奥壁面の日配品売場。
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水産の「日本橋魚萬」のチーフと話した。
優秀なベトナム人で、
日本の大学を卒業して、
新卒でロピアに入社した。

流ちょうな日本語で、
元気に話してくれた。IMG_7787

スタッフと一緒に写真。IMG_7788

それからさらに隣へ。
アルプラザ香里園。IMG_4495 (002)

ショッピングセンターの客数を確保して、
食品売場もきちんと管理されている。
平和堂らしい。
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最後に香里園駅前。
ライフ香里園店。
IMG_4498 (002)
駅から離れた激闘エリアとは別に、
帰宅する顧客に便利な店として、
夜の7時過ぎにもきちんと集客していた。

それぞれの闘い方、
ポジショニングのとり方は、
面白かった。

これまで一定の棲み分けがあった。
そこにバローがロピアを狙い撃ちして出店した。

だからロピアに大きな影響が出た。

大髙善興さんの「3-3-3-3の原則」。
「3日、3週間、3カ月、3年」
このスパンで新店は、
維持、向上しなければならない。

3週間後の、この夏のお盆商戦で、
次の棲み分けへと市場は転換する。

どの会社も「やってる感」だけは避けねばならない。
「本気」の「商売」が必要だ。
その本気の熱量で勝負は決まる。

〈結城義晴〉


1 件のコメント

  • 『日本スーパーマーケット原論』も繰り返し拝読させて頂きました。
    「作演システム」は、私の本社自体にそのままパクらせて頂きました。
    地区本部と本社の正しい関係を築くためにです。
    「作演調」と合わせ、まったく古びない理論だと思います。

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