結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月28日(月曜日)

「大阪府市合せ」の橋下徹市長流ポピュリズムは12月商戦には凄く役立つ!

Everybody! Good Monday!
[vol48]

2011年11月の最終週、
そして今週木曜日から12月に突入。

東日本大震災が起こった年も、
あと1カ月となりました。

今年はなぜか自由律俳句を取り上げたり、
最後の最後にギターを取り出して歌ったり、
感情的な面で何かをやったり、
何かを訴えたりしがっています。

私自身が。

荒草を分け入るわが家戻れざることを予感す一時帰宅に

[原発に近い富岡町に家がある 半杭蛍子さん<朝日歌壇より>]

それらしき気温に目覚め今朝の冬
[東京都 田治 紫<朝日俳壇より>]

『AERA』12月5日号。
ブータン幸せ、大阪府市合わせ

創刊以来いまだにしつこく、ダジャレ・タイトル。
でも、今回は新聞各紙が「大阪府市合わせ」の言い回しを使った。

法政大学大学院政策創造研究科・坂本光司教授とゼミ生の研究、
「47都道府県幸福度ランキング」で、
最下位の大阪府。

その大阪府知事選挙と大阪市長選挙の同日ダブル選挙。
大阪維新の会の圧勝。
橋下徹市長と松井一郎知事が誕生し、
「大阪都構想」の実現に踏み出す。

「大阪府市合わせ」で「不幸せ」脱出。

「談志が死んだ」よりも、
頻繁に使われた。

朝日新聞『天声人語』は、釘をさす。
「小泉元首相への熱狂的な支持は、
どうやら『不毛な興奮』だったと、
後になって多くが気づいた。
似ているとされる橋下流の行方はいかに。
全国の目がそこに集まる」

日経新聞『春秋』は、もっと確信に満ちた駄目押しコメント。
「『作家だから東京へ住まなきゃならないということになるなら、作家をやめます]と言い、
『これは本音です』と駄目を押したのは司馬遼太郎である。
東京への対抗心を隠さぬこと、本音をさらけ出すことも大阪流」

「ならば小欄も、
人の心を何とも強引につかむ橋下さんへの不安を、
本音で指摘しておこう」

大阪府民、大阪市民が選んだ選択は重い。
ただしこれがポピュリズムであることは間違いない。
私もこれは指摘しておこう。

「社会不安とポピュリズムの悪循環」
それが現在の世界の「共通の病理」。
日経新聞『大機小機』のコラムニスト夢風氏に賛成する。

「経済がよくない、だから社会不安が高まる。
そこで政治はポピュリズムに走る」

「ポピュリズム」とは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法、
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」

<『知恵蔵』より>

もちろん既存政党にもこれまでの現職市長にも、
大阪府市民だけでなく、国民が覚めている。

そんな時にこそ、ポピュリズムは台頭する。
「賢者は歴史に学び、愚者は経験にしか学ばない」
鉄血宰相オットー・ビスマルクの言葉。

とはいっても私自身、
今年は自分にも他者にも、
感情に訴えたがっている。

そんな空気が蔓延していて、
大阪維新の会圧勝。

「全国の目がそこに集まる」

「大阪都」をまねて「中京都構想」のもとに、
愛知・大村秀章知事、名古屋・河村たかし市長も群がる。

大阪人は「不幸せ? ちゃうちゃう」と元気。
それが大いに救いであり、確かなエネルギーとなっている。

さて今週は、もう、
12月商戦に向かって、
まっしぐら。

商売やビジネスに関しては、
橋下流ポピュリズムは大いに参考にした
い。

「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法」
それがポピュリズム。

情緒や感情によって「購買」態度を決める顧客。
その顧客を重視し、その支持を求める手法。
これは商売そのもの。

ただしここでも、
ポピュリズム商法が蔓延してくると、
すべての基本にあるテーゼ、
例えば「損得より先に善悪を考えよう」こそ、
重大な考え方になる。

12月商戦では、
そんなことが頻繁に起こる。

さて今週の私のスケジュール。
今日は、夕方から立教大学大学院サービス・マーケティングの講義。
明日の火曜日は一番で、羽田から中国・上海へ。
水曜、木曜と上海滞在。
今回は4人+添乗員の小さなグループ視察。

金曜日は、「国民生活産業消費団体連合会」の設立総会。
略称「生団連」は重厚長大の「経団連」の対極にポジションする団体連合会。
夕方5時からその設立懇親会。

その後夕方7時から銀座で、
「大久保恒夫&結城義晴ふたりのビッグ・ショー」
今年春までNHKアナウンサーだった住吉美紀さんが総合司会
住吉さんはデュエットで歌声まで披露してくれる。

乞う、ご期待。

日経MJトップ特集は「GMS再生『聖域なし』」
ヨーカ堂、第2の業務改革。

「業務改革」に聖域はない。
あるのは「外部環境の変化に合わせて業務を見直す」こと。
まずは大久保さんが提唱している「挨拶」から。

そのうえで発注や品揃え、在庫管理を徹底して見直す。

そのために「衣料品の移動集約」の仕組みを取り入れ、
百貨店事業部からは「複販率」の指標を取り入れて改革を進める。
衣料品はバーゲンに入ると2~3割引きで販売し、
それでも売れなければ販売力のある店に移動させる、
あるいは冬物衣料ならば北の店に移動させる。

そうして売り切り、
移動させて空いたところには次の商品を早めに導入する。

「複販率」は『来店客一人あたりの平均買い上げ点数の指標」。
これらが本格的な業務改革に結びつくかどうかはわからない。

大型店はニトリや洋服の青山など、
強力なテナントを入れる。
渥美俊一先生が言い続けていた「場所貸し」の発想。

亀井淳イトーヨーカ堂社長は、
「専門店導入はケースバイケース」。
ドラッカー先生のようなことを言う。

業態&フォーマット論者の私は、
総合スーパーはまさに「ケースバイケース」でしか、
成績を確保できないと考えている。

それが本格的な業務改革なのかどうか。
12月のイトーヨーカ堂の売場にその答えが出ている。

楽しみなことばかりの12月商戦。
まずは上海視察とふたりのビッグ・ショー。

頑張ります。

みなさんも、Good Monday!

<結城義晴>


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.