結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年12月31日(土曜日)

「結城義晴のブログ毎日更新宣言」終結宣言と「初詣の作法」

2011年の大晦日。

朝、目が覚めて、
ほんとうに久しぶりに、
「今日は休みだ」と思った。

3月11日にあの大地震と大津波がやって来た。
それでも1年間、残った私たちは、
生きてきた。

そのことに、感謝しつつ、
亡くなられた人びとの冥福を祈りたい。

ここから、明日が始まる。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

今年の元旦。
私はこのブログで、
こう書いた。
[結城義晴のブログ毎日更新]を宣言します。
2011年の12月31日まで、
ご愛読のほどお願いいたします。

そして365日、更新してきた。

いつものように、
[結城義晴のブログ毎日更新宣言]は、
いったん、ここで、閉じることとする。

それが今朝の「今日は休みだ」の私の実感なのだと思う。

2011年を簡単に振り返ると、
なんといっても3月11日の東日本大震災。

私は3月中、「負けるな! 不屈の日本人」と、
メッセージを発信し続けた。

九州新幹線が3月12日に全線開通。
そのテレビCMは日本中を元気づけてくれた。
[youtubeID:UNbJzCFgjnU]
「ひとつになってくれて、ありがとう」

4月に入ると、東北を訪れた。
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4月には、吉野桜の「一目千本」を見にいった。
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招いてくれた吉野ストア社長の安川光男さんは、
6月10日、逝去した。

5月の商人舎USA視察研会ベーシック・コースは、
90人の大チームとなった。
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7月のコーネル・ジャパン第3期終了旅行は、
私にとって最後のものとなった。
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8月は徳島を訪れ、
私は「阿波踊り」にはまった。
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秋も、9月、10月とアメリカ訪問。
10月のドイツ・フランス探訪では、
世界最大食品メッセのアヌーガで、
商品買い付け部隊が活躍。
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今年も、何度も何度も講演した。
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そして最後に12月の「ふたりのビッグショー」。
大久保恒夫さんとの共演は、
自分を若返らせてくれた。
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大震災に象徴される2011年。
多くのものを失い、
多くのものを得た。

多くの人と別れ、
多くの人と出会った。

そのすべてに感謝したい。

さて感謝ということで、
昨日の産経新聞に、ちょっと覚えておきたい記事。
「初詣のマナーおさらい」

東日本大震災後の2012年の新年、
「初詣の本来の意義がより心に響く」

さてどこに初詣に行くか。
全国約8万の神社を包括する神社本庁によると、
「住まいの近くにある氏神様にお参りするのが基本」。
理由は、
「氏神様は地域の神様で、
その地域全体を守ってくれている」から。

しかし、川崎大師平間寺の僧侶・佐藤芳昌さんは言う。
「家の菩提(ぼだい)寺に行くのもいいし、
行きたいところでかまわない。
神社とお寺の両方でもいい」

正月三が日に参拝するのが「初詣」らしくていいが、
1月中に参拝すれば「初詣」と考えてよい。

この風習、そう古くはない。
明治時代の中期以降に広まった。
参拝の作法。
まず神社の場合。
「到着したら鳥居の前で軽く一礼。
中央は神様の通り道なので、端を通る」

必要なのは「心身を浄化する」気持。
手水(ちょうず)で手と口を清めてから神殿に向かい、
ここでも基本は「二拝二拍手一拝」。

寺院の場合。
「山門がある所では山門の前で一礼する。
水で手を清め、香炉で体を清めてから
本堂で仏様に手を合わせる」

初詣で、お札やお守り、絵馬などを買う人への神社本庁のアドバイス。
前年やそれ以前のお札などは、
「正月を区切りとして、古いものは返したほうがいい」

お札をもらうときは、ふたつ。
まず、その神社のお札。
もう一つは、「天照皇大神宮」と書かれた伊勢神宮のお札。

東日本大震災のために、
初詣自粛の考え方もあるかもしれない。
しかし喪中でも、寺院への初詣を自粛する必要はない。

小売り・サービス業に従事する者は、
正月も初売りなどで忙しい。

宗教上の考え方もあるだろう。
それでも、日本の初詣。
私は例年以上に、
心新たに詣でたい。

みなさん、来年は、
絶対に良い年になります。

私はそのことを信じています。

なお、今年の最後の最後にご報告。
5月28日発刊の『店ドラ』。
「店長のためのやさしい《ドラッカー講座》」(イースト・プレス刊)、
第一刷の印税を日本赤十字を通じて、
東日本大震災の義援金として寄付させていただきました。

2刷以降の印税も出版社から振り込まれ次第、
同じように義援金とさせていただきます。

ご購読くださった皆さんに、
心から感謝いたします。

震災からの復興、そして振興は、
これからが本番です。

私たち日本人のすべてが、
「力を持つものは力を、
知恵を持つものは知恵を」の精神で、
この振興に参画するのだと思います。

みなさん、良いお年をお迎えください。
良い年にしようという意欲を持って、
新しい年に向かってください。

私ももちろん、
そのつもりです。

「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

今年1年、そうだったように、
来年も1年、そうありたい。

ありがとうございました。

<結城義晴>

2011年12月30日(金曜日)

晦日の「消費税増税案――2014年4月に8%、 15年10月に10%」と「みんな笑顔の道」

今日は2012年12月のみそか。
「三十日」と書いて、
「みそか」と読むが、
漢字の意味する通り。

明日が、「おおみそか」。
こちらは「大晦日」と書く。

「晦」という字は音読みで「かい」、
訓読みで「つごもり・くらい・くらます」。

1年の最後の「つごもり」の日。
それが大晦日。

「つごもり」は「つきごもり」が訛って、
「き」が無くなったもの。
「月隠」と書く。。
これは「月が隠れる」という意味で、
つまりは月の最後の日を指す。

これに「大」の字をかぶせて、「おお」がつくと、
「1年の最後の」という意味となる。

ちなみに、「大舞台」と書くと、
「おおぶたい」と読む。
ただし「だいぶたい」でも、
間違いではないらしい。

いつごろからだろう、
最近はテレビなどでも、
「おおぶたい」の言い方が多くなったし、
それが自分の耳に引っかかる。

「おおみそか」を「だいみそか」とは言わない。

今年に例をとると、
NHKはじめ放送局はみな「おおじしん」と言う。
しかし「大震災」は「だいしんさい」

基本は、はっきりしている。
後ろに訓読みの語が繋がるときには、
「おお」と読み、
音読みが続くときには「だい」となる

だから「おおみそか」は基本通りだし、
「だいしんさい」も原則通り。

「おおぶたい」「おおじしん」が、
世の中によくある「例外」。

しかし例外は、実に多い。
大御所、大雑把、大所帯、大一番、大火事、大袈裟・・・・・・。

今日の「三十日」は、
「大」が付かないから、
悩むこともないし、
明日の「大晦日」も例外ではないから、
安心して声に出すことができる。

いま、一番の例外は、
民主党の行動。

今朝の新聞各紙がいずれも一面で取り上げた。
「消費増税案を民主決定」
「年末の駆け込み」であることは間違いない。

昨日の深夜の国会内、
税制調査会・一体改革調査会の合同総会に、
野田佳彦首相自身が途中参加して、
消費増税を柱とする税制抜本改革案を了承させた。

さらに今日、政策調査会の役員会を開き、
民主党案を「みそか」の決定。

今後は、社会保障改革本部で、
一体改革素案を取りまとめ、
野党に協議を呼びかけるが、
自民党、公明党など、当然ながら、
それに応じる姿勢は見せていない。

「一体改革法案」とは、
年金など社会保障部分と今回の税制部分を包括したもの。

その消費税の税率と実施時期は、
「2014年4月に8%、
15年10月に10%」。

2段階で消費税率を引き上げるが、
その時期をそれぞれ半年遅らせて党内合意を得た。

同時に、国会議員の定数削減法案も、
来年1月召集の通常国会に提出する。
内容は、現在の衆議院議員の定数480を、
400に減らすというもの。

さらに低所得層対策としては、
「給付付き税額控除」の検討が盛り込まれた。
これは現金給付と税額控除を組み合わせたもので、
国民のご機嫌取り対策。

その一方で、
「食料品などへの軽減税率適用」は、
見送られる。

スーパーマーケットやコンビニに関連深い案件だが、
今回の民主党案には入らない。

例外的に師走も押し詰まった「みそか」にまで、
党内審議を展開し、
それがまた野党の賛同を得られないうえに、
10人の離党者を生む。

首相も党幹部も、一方の離党者も、そして野党幹部も、
「おおみそか」の「おおぶたい」で見えを切りたいのだろうが、
「だいこんやくしゃ」にはならないよう、
注意を喚起しておきたい。

ちょっと茶化し過ぎたが、
私は野田首相は「世紀の決断」として、
決めたことはやり抜くべきだと思っている。

任せたからには、やらせる。
決まったら、やり遂げる。

それが今、必要だと思うから。

Practice comes first!
実践躬行・実行第一。

これは「実行する当事者」だけでなく、
それを認めた「実行してもらう側」にも、
当てはまることだと思う。

ウォルマートのサム・ウォルトンが残したスローガン。
「Sun down rule(サンダウンルール)」
<日が暮れるまでに解決せよ>
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Eat What you cook!(イート・ワット・ユー・クック)
<自分でやったことは自分で始末せよ>

Retail is Detail.
<神は細部に宿る>

そして、
Take Care of Customers and Associates.
<お客様と従業員に配慮せよ>

野田首相にとってのカスタマーは国民、
アソシエーツは民主党員か、離党者か、官僚か。

政治は難しい。
しかし難しいことを易しく、
やり遂げられねば首相ではない、
リーダーではない。

読売新聞の『編集手帳』。
「戦後まもないころ、画家の安野光雅さんは
バス停で朝鮮人のおばあさんと一緒になった」

そのおばあさんのひとこと。
「ヒトリダマリノミチナガイ
フタリハナシノ ミチミジカイ」

一人黙りの道長い。
二人話の道短い。

コラムニストはまとめる。
「迎える年がヒトリダマリではなくフタリハナシ…
いや、ミンナエガオの道でありますように」

みんな笑顔。

これはすべての道に通じる。
政治にも、経営にも。

<結城義晴>

2011年12月29日(木曜日)

杉原輝雄享年74の「生涯現役」と2012年の「期待しない症候群」

杉原輝雄さん逝去。
12月28日午前8時30分、
前立腺癌。
1937年生まれ、享年74。

「生涯現役」を貫いたプロゴルファー。
53年間の現役生活。通算63勝。

私も「生涯現役」を標榜している。
だから杉原輝雄の生きざまを、
見ていた。

162センチ、60キロ。
私よりもずっと小柄。
肘が曲がった五角形の先に長尺のドライバー。
それで正確なショット。

確かアメリカのツアーだったと思うが、
練習ラウンドで主催者がフェアウェイでプレーする杉原を見て、
「あの下手なアマチュアを追い出せ」と言った。
杉原は本番トーナメントでその主催者を驚かせる成績を上げた。

杉原は1998年4月、前立腺癌を公表。
「寿命を縮めることがあっても、
ゴルフ人生を第一に考えたい」

これが生涯現役の心構え。

手術を拒否し、抗がん剤による治療を続けながら、
試合に出続けた。

10年後の2008年、癌がリンパ節に転移。
それでも、試合に出場。

昨2010年、中日クラウンズに51回連続出場。

1983年末、「日本プロゴルフ選手会」初代会長。
「私心で行動せず、公平な人」(金井清一選手)

そんな人こそ、生涯現役の意味がある。
「生涯現役」が目標ではいけない。
「無私と利他」で続けるからこそ、
「生涯現役」に意義が生まれる。

私も、そんな「生涯現役」を貫きたい。
私はゴルファーとしての現役ではない。
小売流通・サービス業への発言・発信の「仕事の現役」である。

その35年目の師走が、
あと3日で終わろうとしている。

杉原輝雄の現役生活53年に、合掌。

さて日経新聞一面トップに、
「海外M&A過去最高」の記事。
アメリカの調査会社トムソン・ロイターのデータ。

国境を越えた海外直接投資案件を、
「クロスボーダーM&A」と呼ぶ。

「日本企業による海外企業のM&A(合併・買収)が
2011年に総額5兆円を超え、過去最高となった」
609件で684億ドル、前年比78%増。
アメリカ企業の海外買収は56%増の2051億ドル、
ヨーロッパ企業の域外企業買収は22%減の1601億ドル。

日本の78%増は、抜きんでている。

理由の第1は、「内需低迷への危機感」。
第2は、「円高」。

今年最大の案件は武田薬品工業の約1兆円。
スイス企業ナイコメッドを買収。

東京海上ホールディングスは、
米国の保険会社デルファイ・ファイナンシャル・グループを買収。

三菱商事は4200億円でチリの銅鉱山を傘下に入れ、
富士フイルムホールディングスは、
超音波診断装置大手の米ソノサイト買収。

日本企業の海外企業買収は1980年代の終わりごろ、
ブームを来たした。

ダイエーが、
ハワイのアラモアナショッピングセンターを買収したのが、1982年。

イオンが、
アメリカの衣料チェーン「タルボット」を傘下に入れたのは、1988年。

その後、2001年には、
北米企業の買収が全体の47%だったが、
今年は24%にとどまった。
ヨーロッパも北米同様に縮小。

今年もっとも多かったのがアジアで、
全体の43%。
中国、インド、シンガポール、ベトナムの順。
オセアニアや南米、中東の企業買収も増加傾向。

新興国との関わり合いが強くなる。
そして日本の産業構造も変わっていく。

日経新聞のコラム『大機小機』。
「『期待しない症候群』の効用」がテーマ。

「1年前の今ごろ」。
「日本にもほのかな明るさが
漂っていた」

そうだったか、と思う。

昨年の今ごろは、
「景気回復が少しずつ確かになり、
2011年は久々によい年になると期待した」

しかし、東日本大震災の津波と福島原発事故。
ヨーロッパ金融危機、その他もろもろ。
「淡い望みは砕かれた」
「今回の『期待外れ』はこたえた」
コラムニストは嘆く。

しかし「あえてその逆に目を向けてみる」。

なによりも「日本企業の打たれ強さ」
「企業は震災前の生産水準を想定より早く回復した」

「アジアで売り上げを伸ばす小売業も増え、
内需型と呼べない内需企業も急増している」

この「内需型と呼べない内需企業」の考え方は重要だ。
「米国株は過度の悲観が修正されつつある」
「欧州も全体では苦戦が続くが、
ドイツの景気指標は予想に反して改善している」

「世界は一様に悪化しているのではなく、
日米独や中国は比較的しっかりしている」

最後にコラムニストが述懐する。
「誰もが『期待しない症候群』に陥り、
期待値が下がっていることは小さな福音かもしれない」

なぜ福音なのか。
「危機を回避できれば、来年後半には大方の予想を裏切って、
ひとまず景気回復を実感できる『うれしい誤算』の可能性があるから」

「期待しない症候群」は、
「うれしい誤算」の可能性を意味する。

ここでも中部銀次郎の言葉が思い出される。
「最悪を覚悟し、最善を尽くす」

中部は日本最高のアマチュアゴルファー。
1942年生まれだが、53歳で逝った。
5つ年上の杉原輝雄の「生涯現役」は、
中部と比べると、ずっと「うれしい誤算」だった。

<結城義晴>

2011年12月28日(水曜日)

コンビニ5社2012年度過去最高出店、イオンとセブン&アイ3四半期過去最高益、好調時こそ「商人の品格」

株式会社商人舎は、
今日12月28日から冬期休業。
来年1月6日(金曜日)まで。

7日の土曜日、8日の日曜日、
9日成人の日の祭日も、休業のため、
結局は、1月10日始業となります。

13日間の長らくの冬期休暇、
お許しください。

とは言っても、
私は、もちろん[毎日更新宣言]を書き続け、
店を訪れたり、街を見たり、人の動きを感じたり、
原稿を書いたり、結城ゼミ生の論文を読み込んだりの仕事が、
年中無休で続きます。

事務方にも、メールや携帯電話で、
緊急の方々はご連絡ください。
快く対応させていただきます。

さて昨日は、東京の港区あたりを徘徊。
芝増上寺は、年始初詣の準備に忙しい。
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真っ青な冬空に、瓦屋根が一つひとつくっきりと見えた。

その後ろの東京タワー333メートルも、
東京スカイツリー634メートルに抜かれたとはいえ、
キリリとそびえ立っていた。
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私は朝から、
カスタマーコミュニケーションズ㈱へ。
芝大門にある通称CCLという会社。
Customer Communications Limited.の略。

「フリークエント・ショッパーズ・プログラム」(FSP)が、
日本に紹介され、普及し始めた頃、
顧客データ付POS情報を分析し、
マーケティングする会社として誕生。

私はこのCCLの非常勤取締役で、
昨日はその2011年最後の取締役会。

CCL相談役の㈱プラネット社長・玉生弘昌さん、
CCL非常勤取締役でプラネット副社長の井上美智雄さん、
CCL社長の西川宏明さんと、昼食をとってから、
増上寺や東京タワーのあたりを散策しながら虎ノ門へ。

日本チェーンストア協会。

ここで来年1月20日のパネルディスカッションの打ち合わせ。
チェーン協の新年賀詞交換会は、
流通業・製造業・関連産業のほとんどのエグゼクティブが集まる。
業界恒例の盛大な新年会だ。

その懇親会直前に、今年、
パネルディスカッションが企画された。

発案者は会長の清水信次さん。
ご存知、85歳の㈱ライフコーポレーション会長。
国民生活産業・消費者団体連合会(通称『生団連』)の初代会長でもある。

その清水さんのご指名で、
東急ストア社長の木下雄治さん、
カスミ会長の小濵裕正さん
が、
グローバルとジャパンの流通業を語り、
2012年の在り方を討論する。

コーディネーター役は、
やはり清水さんのご指名で私。

その下打ち合わせ。

協会常務理事の小笠原荘一さんが事務局。
会長秘書の鶴巻積さん(奥)、
東急ストア社長室秘書・広報課長の田村博子さん(右)、
カスミ経営企画部マネジャーの高橋徹さん(左)が、
顔合わせ、打ち合わせ。
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清水さんはもちろんのこと、
木下さん、小濵さんとも、
準備なし、原稿なしで、
どんどん語ることができる経営者。

だから心配はいらないし、
質の高い内容となることは間違いない。

新年早々、みなさんに大いに役立つ討論となる。
ご期待いただきたいし、ご参加いただきたい。

さて、今日のニュース。
日経新聞一面に記事。
「コンビニ出店数、
来年度最高の3400店超」

大手5社の2012年度国内出店数は過去最高となる見通し。
総計3460~3610店。
店舗の純増数も最高の1880~2130店。

まず第1位のセブン-イレブン・ジャパンは1350店の計画。
2011年度は1200店で、これも過去最高だった。

第2位のローソン、第3位のファミリーマート、
第4位のサークルKサンクス、第5位のミニストップも、
今期を上回る出店計画。
店舗飽和状態とも言われる日本のコンビニ産業。
それでも5大チェーンは2012年に過去最高の出店数。

「飽和などない」という鈴木敏文さんの見方を、
証明するがごとし。
前にも書いたが岡田卓也イオン名誉会長相談役も言う。
「建物はあるが店は少ない」

セブン-イレブンは「震災被災地の東北地方に重点を置き、
出店数を11年度比で2割以上増やす」

ファミリーマートは、
「店舗開発部門の人員を約100人増」
現在150人で、それが「250人体制」になる。

「コンビニは店舗開発競争激化」

まだまだ、出店余力はある。
日本中の知識商人の知恵比べは、
終わるわけではない。

一方、日経新聞には、
「イオンとセブン&アイ、
3~11月経常最高益」
の記事も。

両社の2011年3~11月期の9カ月間の連結経常利益は、
それぞれ同期間として過去最高を更新。

イオンの連結経常利益は、
前年同期比14%増の1150億円程度。
連結売上高は3兆7500億円程度で、
セブン&アイを抜いて国内小売り最大。
総合スーパーのイオンリテールの食品が売上げを伸ばした。
これは業態自体にとって、大きい。

PB商品の販売の伸びも大きい。
低価格ながら利益率も高く収益を押し上げた。

食品スーパーマーケットの利益は拡大。

対するセブン&アイ・ホールディングスの連結経常利益は、
23%増の2170億円前後。

一面の記事でも、コアとなるセブン-イレブン・ジャパンは絶好調。
既存店売上高が前年同期比8%弱の伸び。

総合スーパーのイトーヨーカ堂も、
キャッシュバックセール廃止や衣料品などの値引抑制で、
「採算が改善し、営業損益は前年同期の赤字から黒字に転換」。

イオンやセブン&アイだけではない。
ローソンやファミリーマートも、
3~11月期として経常最高益を更新。

記事は予測する。
12月や年末商戦も好調は続き、
「2012年2月期通期で見ても、
最高益になる企業」が続出しそう。

12月際の今、上場企業各社のトップ・幹部・スタッフは、
2012年度をいかに乗り切るかの戦略を練る。

「震災特需」とまでは言わないが、
東日本大震災に素早く対応し、
ライフラインの役目を果たしたからこそ、
2011年度の利益は過去最大を記録した。

その利益をいかに使い、今後に生かすか。
それが知識商人の品格である。

小売業が好調の半面、サービス業は不調気味。

総務省発表の10月のサービス産業動向調査。
売上高は、前年同月比2.1%減の23兆639億円。
それでもマイナス幅は9月よりも縮小。
9月は前年同月比マイナス4.3%だったから、
10月は東日本大震災が発生して以来、
最小の減少幅となった。

小売業とともにサービス業が回復すれば、
消費生活が活性化したことになる。

久しぶりに、こう叫ぼう。
頑張れ! 日本の小売りサービス業。
負けるな! 不屈の日本人。

<結城義晴>

2011年12月27日(火曜日)

「老いてはならない」日本製造業と鈴木敏文発セブンネットショッピング「融合のイノベーション」

指折り数えて、あと5日。
6日後には、
2012年がやってくる。

は~やく、
来い来い、
お正月♪

今日あたりの子供の気分を歌った唱歌だろうか。
作曲はあの滝廉太郎。

昨日の月曜日、朝から横浜の商人舎人オフィスに来客。
社団法人日本スーパーマーケット協会専務理事の三浦正樹さん、
営業本部長の村尾芳久さん、
そしてFMIジャパン事務局長の中間徳子さん。

コーネル大学RMPジャパンは、
3年間でひと段落ついて、
互いにその労苦をいたわり合い、称え合い、
区切りをつけた。

4年目の今期は休講となり、
来秋から再スタート。

産業内大学として、
次世代リーダーを養成する。
私の言葉で言えば、
「知識商人」の育成。

所期の目的を達成して、
ひとまず、終了。

第1期から3期までの受講生の皆さん、
派遣くださった企業のトップの皆さん、
講師陣の皆さん、
事務局の皆さん、
協会関係者の皆さん、
ありがとうございました。

私にとっては、
故西村哲さんの遺志を継いで、
コーネル大学と日本の流通産業・食品産業をつなぐ架け橋の仕事、
なんとか全うできました。

心から満足しつつ、
その産業の「現代化」に向かって、
新たな一歩を記していきたいと思います。

夕方には、商人舎近隣の「柳せ」で、
同志忘年会。

今年は「ふたりのビッグショー」を開催して、
食事と懇親の忘年会をしなかったので、
有志が集まってささやかで、温かい会。

名づければ、今宵は、
「小森勝さんを囲む会」

その小森勝さん、
鈴木國朗さん、
そして土井弘さん。

鈴木哲男さん、
常盤勝美さん。

宮本洋一さん、
松浦克幸さん、
柄澤秀昭さん。

みなさん、来年もよろしく。

さて、日経新聞『一目均衡』。
編集委員の梶原誠さんが、
「老いるには早い日本」と題して書く。
このタイトルは記事の中身とちょっとニュアンスが異なるが。

イギリスの『エコノミスト』が掲載した記事。
「『日本株式会社』はなぜ
外国企業を買いまくるのか」

その分析は、
「人口減など国内の構造的な逆境を乗り越えるために、
円高を逆手にとってグローバル企業に脱皮しつつある」

日本の製造業をはじめとする企業が、
グローバル展開を強化している。

一方、こんなデータもある。
「JPモルガンによれば、
研究開発投資の総額は
直近で国内総生産(GDP)の3.4%。

イノベーション大国の米国(2.8%)やドイツ(2.5%)を上回り、
先進国最高の水準を誇る」
これも日本の企業のこと。

つまり、
「グローバル展開とイノベーション」

「今年先進国のキーワードとなった」のが、
「日本化」。
これは「経済の長期停滞を表す」言葉。

しかしどっこい、
「日本の企業は衰退を脱するために
厳しい道を選びつつある」

梶原さんは、述懐する。
『老いてはならない』。
このメッセージを、
日本製造業が「世界に発信している」と。

小売流通業・サービス業は、
製造業や金融業に比べて、
若い産業であることは間違いない。

だから「老いる」という概念は、
私たちには当てはまらない。

しかし「若いのに老いる」。
そんな気分になってしまう。
これが一番いけない。

もうひとつ、日経新聞のニュース。
「セブン&アイ、
ネットスーパー・通販事業拡大」

㈱セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の発言。
「インターネット事業の拡大を加速する」
「2014年度までの目標は、
「売上高を現在の3倍の5000億円」。

そのために、第1に、
「ネット事業専用の物流センター」をつくる。
時期は、2012年度をメド。
ところは埼玉県久喜市。
規模は、延べ床面積は約1万5000平方メートル。

第2は、「グループのネット事業」の「一本化」。
これも2012年度内の仕事。
イトーヨーカ堂の「ネットスーパー」事業、
セブン‐イレブン・ジャパンや赤ちゃん本舗などのネット通販事業、
これらを「通販子会社のセブンネットショッピングに統合」。
この㈱セブンネットショッピング代表取締役社長は鈴木康弘さん。
鈴木敏文さんの次男。

「書籍や音楽ソフトに加えて、
食品、日用品、子ども関連用品を、
1つのサイトで購入できるようにする」

私は、いまだに「ネットスーパー」に関しては、
一定条件を満たさねば成功はないと考えている。

その第1は、
生鮮食品や惣菜のデリバリーに関するテクノロジー&コスト革命。

第2は、「ネットとリアルの融合」。
モデルはイギリスのテスコ。

そして第3は、生活全般アソートメント。
マージン・ミックスこそが、
コスト吸収の原理原則だからだ。

今回、書籍・音楽ソフトから子供用品までの、
総合提供が可能となるかもしれない。
そうなれば話は変わってくる。

鈴木敏文さんの指摘では、
「ネット経由で消費者の購買動向などを即座に把握できるため、
売れ筋商品を素早く店に並べられる」
さらに、「ネット上の販売状況を基に
店舗の販売計画を立てられるようになり、
売り逃しや廃棄などの『ロスも少なくできる』」。

ここまでくるためには、
何段階ものイノベーションが、
要求されるに違いない。

鈴木さんの見方は、
「ネットと店舗の運営の融合が進む」で、
私もそれには賛成するが、
このイノベーションは、
それこそ鈴木さん自身がかつて、
セブン-イレブンを完成の域に引っ張ってきたと同等の、
ウィルとエネルギーとナレッジとが必要になるだろう。

製造業に負けないイノベーション。
ぜひとも、果たしてもらいたいものだ。

も~いくつ、
ねると、
お正月♪

<結城義晴>

2011年12月26日(月曜日)

岩手県平田仮設団地の「知恵」とエズラ・ヴォーゲル三つの指摘

Everybody! Good Monday!
[vol52]

とうとう最後の週。
2011年の第52週で、
Good Mondayも[vol52]。

12月第5週。

今年1年、ほんとうにありがとう。
365日という時間に対しても、
心から感謝したい。

もちろん、このブログの愛読者の皆さんにも、
仕事でお付き合いくださった皆さんにも、
心からお礼申し上げたい。

最後の1週間。
充実した日々を過ごしたい。

クリスマスリボンのかかるレストラン

<朝日俳壇より、芦屋市・高杉靖子>

三連休のクリスマス商戦、
いかがだっただろう。

ギリギリ消費を体験したのだろうか。

後ろは振り向かず、気分を切り替えて、
一転、和風の正月へ。

吊革の一人一人の師走かな
<同、栃木県壬生町・あらゐひとし>

「一人一人の師走」をとらえて、
消費に変える。

それが商業・サービス業。
マス・マーケティングから、
ワン・ツー・ワン・マーケティングに、
確実にスライドしてきている。

それをオクシモロンで、
両立させる。

それが「マス・カスタマイゼーション」。
この師走、年末際の商戦でも、同じこと。
いや、より、強調されねばならないこと。

今週は、明後日の28日火曜日、
官公庁で仕事納め。
29日から冬期休業。
ここでも29日・30日・31日の三連続で、
「ギリギリ消費」の際商戦。

特に30日、31日のボリューム・ゾーンがくる。
これを「際の際商戦」と呼ぼう。
それが近年の特徴。

ギリギリ消費と際の際商戦。
濃密な商売の時間、
楽しみたいし、励みたい。

この一瞬の積み重ねこそ
君という商人の全生涯

<故倉本長治>

大晦日の12月31日には、
ボクシングの世界タイトルマッチが3試合組まれている。
WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
井岡一翔vsヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)
WBA世界スーパーフェザー級王座統一戦
内山高志vsホルヘ・ソリス(メキシコ)
WBA世界フェザー級タイトルマッチ
セレスティノ・カバジェロ(パナマ)vs細野悟

大晦日に大変だ、という感想も抱くが、
大晦日だからこそ目立つ。
そんな業界がボクシング界。

しかし大晦日に真剣勝負でなぐり合う男たち。
なんとなく似合うし、応援したくなる。
頑張れ!

その大晦日恒例のNHK紅白歌合戦。
トリは石川さゆり『津軽海峡・冬景色』
オオトリはSMAPで『SMAP AID 紅白SP』
SMAPの歌、なんのこっちゃ?

そんなふうにして、今年は終わってゆく。

一瞬一瞬を大切にしたい。
吊革の一瞬でさえも。

朝日歌壇から一首。
山茶花の咲き急ぎたる師走来て
仮の宿にも雪虫が舞う

<南相馬市・飯崎ひろみ>

朝日新聞の社説。
「仮設と復興―日本の将来のヒントに」

岩手県釜石市の平田(へいた)第6仮設住宅
街はずれの高台の公園にある278戸の仮設団地だが、
専門家が入れ替わり視察に訪れる。

この12月23日に
スーパーマーケットがオープン。
「スーパーみずかみ」
仮設の商店街も充実してきた。

そして、小さな「仮設の街」が出来上がる。

「団地の中心はサポートセンターと呼ばれる施設。
大手介護事業者が運営を任され、
お年寄りへのデイサービス提供のほか、
買い物の手伝いや、戸別の見回りを引き受ける。
看護師や介護福祉士ら職員の多くが、
地元の被災者でもある」

「体が弱った人が住む一画は、
玄関が向かい合わせに配され、
高低差のない木製デッキで結ばれる」

「陽気のいい日は、
あいさつや立ち話がゆきかう。

仮設住民が働き、
ふれあえるカフェをつくる計画もある」

こういったところでも、
商業やスーパーマーケットは、
街の核になる。

「市場があり、
人が交わる路地があり、

雇用を生み出す試みがある」

「元のコミュニティーは散り散りになったが、
仮設の自治会が先月、発足した」
新しい人間のネットワークが生まれている。

「釜石の仮設が、そのモデルになる」
街のデザインづくりに参画した東京大学准教授の小泉秀樹さん。

「急激な高齢化、安全網からこぼれる困窮者、
地域社会が弱る中でのコミュニティー維持」

いわき市に逃げてくる人逃ぐる人
危ふき距離の仮設住宅

<朝日歌壇よりふたたび、いわき市・馬目空>

「被災地が直面する課題は、
実はぎゅっと凝縮した形で、
日本社会の未来を先取りしている」

社説は語る。
「厳冬を迎えた仮設住宅で、
復興につなぐ知恵を絞る」

この類の知恵こそ、
私たちの誇りである。

日経新聞の『震災復興シンポ特集』
ハーバード大学名誉教授のエズラ・ヴォーゲルさん。
ご存知、1979年出版の『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者。

「日本人は東日本大震災発生直後の困難を
助け合いながらうまく乗り越えた。
他国の災害対応と比較すると、
日本人のすごさがよくわかる。
日本にはしっかりとした社会構造があり、
地方の指導者は底力を見せた」

ヴォーゲルさんに平田仮設団地を見せたい。

「日本は現在、低成長の時代だが、
社会全体はそれほど悪くない。
格差も大きくないし、安全だ。
震災での対応を見て、
日本社会の強さはまだあると感じた」

ヴォーゲルさんの日本への三つの提案。
「第1に外国からもっと学ぶべきだ」

「高度成長から低成長に移るなかで、
日本人は海外について勉強しなくなった。
留学生はどんどん減り、
経営者も海外のことをよく勉強していない」

小売流通業でも、海外の本質の学習は必須だと感じる。

「第2に、安定した政治構造を
つくる必要がある」

やはりヴォーゲルさんも、
日本の政治構造と政治制度に問題ありと指摘する。

「安定していない政治制度では、
若い人は十分に活躍することができない」

「第3に、企業は成功を収めるために、
大胆にリスクを取る必要がある」

「間違う可能性はあるが、
リスクを取らないと成長しない」

第1と第3の指摘に対しては、
私たちにも、対応可能だと思う。

問題の第2に関して、
いまのところ「選挙に行こう」と叫びつつ、
監視し、指摘するしかない。

それでも、来年は、
私たちの「知恵」が満開になることを祈念したい。

では、みなさん。
Good Monday!

<結城義晴>

2011年12月25日(日曜日)

ジジのクリスマス・プレゼント[2011日曜版vol51]

2011クリスマス。

やってきたのは、
サンタではなくカンパ。
20111225134129.jpg
さむい、さむい、
クリスマス。

さむいときには、
これです。
20111225134147.jpg

ユウキヨシハルのおとうさん、
だいすき。
20111225134048.jpg

これです。
20111225134208.jpg

そう。
20111225134158.jpg

ゆず湯。
20111225134217.jpg

ボクはテーブルのした。
20111225134250.jpg

まってます。
20111225134259.jpg

きのうが、
クリスマス・イブ。
20111225134345.jpg

すこしずつ、すこしずつ、
ふんいきがたかまってきた。
20111225134355.jpg

きょうがクリスマス。
20111225134423.jpg

クリスマス・ツリー。
20111225134435.jpg

そしてサンタのプレゼント。
20111225141728.jpg

おとうさん、
ボクのプレゼント。
20111225134445.JPG

ないんですか?
20111225134509.jpg

キッチンにあるやつ。
20111225134404.jpg

お花では、
ありません。
20111225134413.jpg

そうそう、それです。
20111225141536.jpg

サンタさんじゃなくて、
おとうさんでもいい。
20111225141545.jpg
これです。

ありがとう。
20111225134517.jpg

ボクはほかには、
なにもいりません。
20111225134527.jpg
いつもいつも、
まってます。

それで、しあわせです。
ありがとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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